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  • 特開-ガス採取装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171696
(43)【公開日】2023-12-04
(54)【発明の名称】ガス採取装置
(51)【国際特許分類】
   E21C 50/00 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
E21C50/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083456
(22)【出願日】2022-05-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】512275396
【氏名又は名称】蓮池 ▲昇▼
(74)【代理人】
【識別番号】100096910
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 肇
(72)【発明者】
【氏名】蓮池 ▲昇▼
【テーマコード(参考)】
2D065
【Fターム(参考)】
2D065FA12
2D065FA21
2D065FA35
2D065GA01
(57)【要約】
【課題】ガスを採取する時にガス誘導路から海水など水の排出作業を行うことなくガスの採取効率を高めることができるガス採取装置を提供する。
【解決手段】本発明のガス採取装置10は、台船20に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器11と、ガス滞留器11の下方の海水中に配置されて海水底の地盤Gに形成されたガスハイドレート層MHから海水中に放出されるメタンガスを採取するガス採取具12と、ガス採取具12に下端開口が連結されてガス採取具12からのメタンガスを海水と共にガス滞留器11へ誘導する筒状のガス誘導路13と、を備え、ガス誘導路13は、その上端開口が貫通孔内の海水面の下側に配置され、メタンガスが上端開口からガス滞留器11へ排出されると共にメタンガスに随伴する海水が貫通孔内の水面下で海水中へ還流する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮かぶ台船に設けられ、海底において発生する天然ガスを採取するガス採取装置であって、上記ガス採取装置は、上記台船に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器と、上記ガス滞留器の下方の水中に配置されて水底の地盤に形成されたガスハイドレート層から水中に放出されるガスを採取するガス採取具と、上記ガス採取具に下端開口が連結されて上記ガス採取具から上記ガスを水と共上記ガス滞留器へ誘導するガス誘導路と、を備え、上記ガス誘導路は、その上端開口が上記貫通孔内の水面の下側に配置され、上記ガスが上記上端開口から上記ガス滞留器へ排出されると共に上記ガスに随伴する水が上記貫通孔内の水面下で水中へ還流することを特徴とするガス採取装置。
【請求項2】
上記ガス誘導路は、上記台船側から吊持されていることを特徴とする請求項1に記載のガス採取装置。
【請求項3】
上記ガス滞留器は、逆カップ状に形成され、下端開口が上記貫通孔から下方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載のガス採取装置。
【請求項4】
上記ガス採取具は開閉時可能な傘状に形成され、その外周端には複数の錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のガス採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス採取装置に関し、更に詳しくは、例えば海や湖等の深い水底の地盤の表層に形成されているメタンハイドレート層から水中に放出されて浮上するメタンガスを採取するガス採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本は資源小国であり、石油、天然ガス等の化石燃料の殆どが海外からの輸入に依存している。ところが、近年、日本近海の海底地盤にメタンハイドレード層が発見され、メタンハイドレート層から放出されるメタンガスが化石燃料として有望視されている。メタンハイドレート層を形成するメタンハイドレートは特定の低温、高圧下でメタンガス分子が水分子で籠状に閉じこめた状態で氷結した氷塊である。このメタンハイドレート層には砂層型と表層型がある。砂層型メタンハイドレートは、例えば太平洋側の南海トラフに多く分布し、海底から深度100m以上の地中に水平に広がっている砂層に含有されている。表層型メタンハイドレートは例えば日本海側の上越沖に多く分布し、海底の深い所から移動経路(ガスチムニーと称される)を徐々に浮上して海底の表層部に氷塊として形成されている。しかし、いずれのメタンハイドレート層も深さ数100~1000m以上の深海底に形成されている。
【0003】
砂層型のメタンハイドレート層は、海底から更に100m以上の深さの地中に形成されており、そのメタンハイドレートを採取するには深海底面から更に100m以上掘削する必要があり、ガス採取費用が高く、技術的に難しい問題がある。一方、表層型のメタンハイドレート層は、海底の地盤表層部にメタンハイドレート塊として形成されている。このメタンハイドレート塊からメタンガスとして水中に放出されて気泡として浮上する。
【0004】
表層型メタンハイドレートから放出されたメタンガスは低温、高圧のメタンハードレートの形成条件を満たす海水中で時間を置かずしてメタンハイドレートとして氷結する。このメタンハイドレートも海水との比重差では海水中を浮上する間に氷結条件から逸脱し、たちまち気化状態に変化してメタンガスになり、その気泡が海水中を浮上することになる。このように浮上するメタンガスが形成する柱状のものがメタンプルームと呼ばれている。メタンプルームを形成するメタンガスは、その気泡が海水中を浮上する間に海水中に徐々に溶け込み、数100m上昇するとメタンガスの気泡が消失する。そのため、メタンプルームの立ち上る海底面のメタンガスの放出される位置でメタンガスを採取しなくてはならない。
【0005】
メタンプルームからメタンガスを採取する技術が例えば特許文献1、2に開示されている。特許文献1の技術では逆さカップ状の鋼製捕集容器でメタンプルームを覆い、捕集ガス導出用パイプを介して船上でメタンガスを採取している。特許文献2の技術では特許文献1に記載の捕集容器に相当するものとして捕集膜を用い、チューブを介して船上でメタンガスを捕集している。
【0006】
【特許文献1】特許第5771762号公報
【特許文献2】特開2017-128950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2のいずれの技術でもメタンプルームを探索して鋼製捕集容器または捕集膜をメタンプルームまで移動させる間に、捕集容器または捕集膜から捕集用パイプまたはチューブ内に海水が侵入する。そのため、メタンガス採取のためにガス採取具をメタンプルームへ移動させる度にパイプまたはチューブからなるガス誘導路内の海水を排出した後、メタンガスを採取しなくてはならず、その作業が煩雑でガス採取効率が低下する。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ガスを採取する時にガス誘導路から海水など水の排出作業を行うことなくガスの採取効率を高めることができるガス採取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載のガス採取装置は、水面に浮かぶ台船に設けられ、海底において発生する天然ガスを採取するガス採取装置であって、上記ガス採取装置は、上記台船に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器と、上記ガス滞留器の下方の水中に配置されて水底の地盤に形成されたガスハイドレート層から水中に放出されるガスを採取するガス採取具と、上記ガス採取具に下端開口が連結されて上記ガス採取具から上記ガスを水と共上記ガス滞留器へ誘導するガス誘導路と、を備え、上記ガス誘導路は、その上端開口が上記貫通孔内の水面の下側に配置され、上記ガスが上記上端開口から上記ガス滞留器へ排出されると共に上記ガスに随伴する水が上記貫通孔内の水面下で水中へ還流することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載のガス採取装置は、請求項1に記載の発明において、上記ガス誘導路は、上記台船側から吊持されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載のガス採取装置は、請求項1に記載の発明において、上記ガス滞留器は、逆カップ状に形成され、下端開口が上記貫通孔から下方へ突出していることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載のガス採取装置は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記ガス採取具は開閉時可能な傘状に形成され、その外周端には複数の錘が取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ガスを採取する時にガス誘導路から海水など水の排出作業を行うことなくガスの採取効率を高めることができるガス採取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のガス採取装置の一実施形態を示す構成図である。
図2図1に示すガス採取装置のガス滞留器を中心に示す構成図である。
図3図1に示すガス採取装置のガス採取具を中心に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図3に示す本発明のガス採取装置の一実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態のガス採取装置10は、図1に示すように、海面上を移動する台船20に設けられて、台船20に搭載された超音波探査機を用いてメタンプルームPを探査し、その位置までスクリュー21等の動力を用いて台船20をメタンプルームPの真上まで移動させ、ガス採取装置10を用いてメタンガスを採取するようにしてある。台船20の位置はGPS22を介して常に計測されている。
【0017】
台船20には水分除去装置23が設置され、水分除去装置23はポンプ24を介してガス採取装置10と接続されている。水分除去装置23は、ガス採取装置10において採取されたメタンガスから気化状態の含有水分を除去して乾燥メタンガスを得るようにしている。
【0018】
水分除去装置23は、図1に示すように、採取後の水分を含むメタンガスを冷却する2基の熱交換器23Aと、これらの熱交交換器23Aに供給される冷媒を貯留する冷媒タンク23Bと、メタンガスの冷却により昇温して還流される冷媒を冷却する冷凍機23Cと、熱交換器23A、冷媒タンク23B及び冷凍機23C間で冷媒を循環させる循環ポンプ23Dと、熱交換器23Aから流出する除水後のメタンガスを圧送する圧送ポンプ23Eと、を有している。
【0019】
上記圧送ポンプ23Eは搬送船30に設置された高圧ガスホルダー31に接続され、除水後のメタンガスを高圧ガスホルダー31へ圧送するようにしてある。この圧送ポンプ23Eは台船20内に設置された高圧ガスホルダー(図示せず)にも除水後のメタンガスを圧送し、ここで一時的にメタンガスを溜めた後、搬送船30の高圧ガスホルダー31へ圧送するようにしても良い。
【0020】
而して、本実施形態のガス採取装置10は、図1に示すように、台船20に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器11と、ガス滞留器11の下方の海水中に配置されて海水底の表層型メタンハイドレート層MH上に形成されたメタンプルームPのメタンガスの気泡Mを採取するガス採取具12と、ガス滞留器11とガス採取具12を連絡する000筒状のガス誘導路13と、を備えている。
【0021】
ガス滞留器11は、図2に示すように、細長の直胴部11Aと、直胴部11Aの上端が閉止して形成される頂部11Bと、直胴部11Aの下端に形成された開口11Cと、を有し、頂部11Aが貫通孔から空中へ突出すると共に下端開口11Cが貫通孔から海水中へ突出している。台船20は海面上に浮かび、海水が貫通孔に装着されたガス滞留器11の直胴部11Aの中ほどまで達している。ガス滞留器11の頂部11Bと貫通孔内の海水面との間の空間がメタンガスの滞留空間として形成されている。このガス滞留器11の下端部には海水に浸かった状態で連結具14を介してガス誘導路13が連結されている。図1図2の波線は海水面を示している。
【0022】
上記連結具14は、図1図2に示すように例えば紐状に形成され、その両端がそれぞれガス滞留器11の内周面の下部とガス誘導路13の外周面の上端部に接続され、ガス導入路13が連結具14を介してガス滞留器11から吊持され、ガス導入路13の上端開口が海面下に位置している。この連結具14はガス滞留器11の内周面とガス誘導路1の外周面それぞれに周方向等間隔を空けて複数連結されている。複数の連結具14に代えてガス滞留器11とガス誘導路13間に装着されるリングプレートを用いることもできる。このリングプレートは、例えばリングプレートの周方向に等間隔を空けて複数流通孔が形成され、これらの流通孔が海水の通路になる。従って、ガス誘導路13は、連結具14を介してガス滞留器12から吊持され、その上端開口が上述のようにガス滞留器11の下端開口から侵入し、海水面のやや下方に位置している。
【0023】
上記ガス誘導路13は、例えば可撓性材料によって円筒状に形成され、メタンプルームPの深さや規模に応じて長さや直径を適宜調整できる。ガス誘導路13が円筒状であれば、その直径は例えば1mから数mの直径に形成することができ、可撓性材料を用いて伸縮自在な蛇腹状の組立ユニットとして形成され、複数の組立ユニットを互いに連結してガス採取深さに応じたガス誘導路13として調整することができる。ガス誘導路13はメタンガスの気泡Mが海水を随伴して浮上するための誘導路として機能すれば良く、各組立ユニット間の連結部に厳密な気密性がなくても良い。ガス誘導路13内で気泡Mが円滑に浮上するためには周面ができるだけ滑らかに形成されていることが好ましい。
【0024】
ガス誘導路13の上端開口は、図1図2に示すように台船20の貫通孔内の海水面のやや下方に位置し、ガス誘導路13の上端開口から気泡Mが海面を経て白抜き矢印Xで示すようにガスの滞留空間へ排出される一方、気泡Mに随伴して浮上する海水はガス誘導路13の上端開口から矢印Yで示すように海水中へ還流する。従来の装置では、ガス誘導路であるパイプやチューブがメタンガス収集容器または捕集膜に接続されてガスのみを回収するようにしていたため、パイプまたはチューブ中に侵入した海水を一時的に外部へ排出する作業が必要になって作業効率が良くなかった。
【0025】
また、ガス誘導路13の下端開口にはガス採取具12が連結され、ガス採取具12を介してガスプルームPの気泡Mをガス誘導路13へ導入するようにしている。ガス採取具12は、図1図3に示すように傘状のように開閉するように構成されている。傘状のガス採取具12は、ガス誘導路13の下端開口と嵌合する筒状のリング12Aと、リング12Aの周方向に等間隔を空け一端を中心にして矢印で示すように搖動するように接続された複数の第1骨部材12Bと、リング12Aの中心から垂下する第1骨部材12Bより長い軸12Cと、軸12Cに沿って摺動する摺動部材(図示せず)と、摺動部材に一端が連結され他端が第1骨部材12Bの上部に連結された複数の第2骨部材12Dと、摺動部材を軸12Cに沿って上方へ摺動させて多角錐状に開いた複数の第1骨部材12Bに貼り合わされた膜12Eと、を有し、軸12Cの摺動部材を操作して多角錐状に開いた膜12Eでメタンガスを採取するように構成されている。また、複数の第1骨部材12Bのうち、等間隔を空けた幾つかの第1骨部材12Bの自由端にはそれぞれ錘12Fが取り付けられている。従って、ガス採取具12は、膜12Eが傘状に開いた状態で、複数の第1骨部材12Bの自由端から垂下する錘12Fが図1図3に示すように海底地盤に着地するまでガス誘導路13を延ばし、膜12Eによってメタンガスの気泡Mをガス誘導路13へ誘導するようになっている。
【0026】
ガス採取具12からガス誘導路13へ誘導されたメタンガス気泡Mは、ガス誘導路13内では気泡Mと海水が混在し、気泡Mが海水を随伴して徐々に大きくなりながら上昇すると共に、図1図3の白抜き矢印Zで示すようにガス採取具12の外側の海水が侵入する。この際、ガス誘導路13内を上昇する気泡Mはその上端開口から海水を押し退けて図1図2に白抜きの矢印Xで示すようにガス滞留器11の頂部11B内の空間に排出される一方、ガス誘導路13の上端開口から溢れた海水は図1図2に矢印Yで示すように貫通孔内で海水中へ環流する。このようにガス誘導路13の上端開口からの海水のオーバーフローとガス採取具12での海水の侵入とで海水の循環流が形成される。この現象は、ガス誘導路13内側の気泡Mが混在する海水と、ガス誘導路13の外側の気泡を含まない海水との間に比重差が生じる。この比重差がドライビングフォースとなってガス誘導路13の内側と外側の間に図1に矢印Y、Zで示す海水の循環流を発生させることによると理解される。
【0027】
このように一つのメタンプルームPでのメタンの採取が終わり、台船20を他のメタンプルームPまで移動させてメタンガスを採取する際には、ガス誘導路13内の海水を排出することなくそのまま循環流として利用してメタンガスを採取することができる。つまり、本実施形態では新たなメタンプルームPにおいてメタンガスを採取する際に、ガス誘導路13内の海水を排出することなく循環させるため、ガス誘導路13からの海水の排出作業がなくなり、メタンガスの採取作業が簡略化され、メタンガスの採取効率を高めることができる。
【0028】
以上説明したように本実施形態によれば、海底からメタンガスを採取するガス採取装置10は、台船20に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器11と、このガス滞留器11の下方の海水中に配置されて海水底の地盤に形成されたメタンガスハイドレート層MHから水中に放出されるメタンガスを採取するガス採取具12と、このガス採取具12に下端開口が連結されてガス採取具12からメタンガスの気泡Mを海水と共にガス滞留器11へ誘導するガス誘導路13と、を備え、ガス誘導路13は、その上端開口が台船の貫通孔内の水面の下側に配置され、気泡Mがガス誘導路13の上端開口からガス滞留器11へ排出されると共に気泡Mに随伴する海水が貫通孔内の水面下で海水中へ還流するようにしたため、ガス誘導路13からの海水の排出作業がなく、メタンガスの採取作業が簡略化され、メタンガスの採取効率を高めることができる。
【0029】
また、ガス滞留器11は、逆カップ状に形成され、下端開口11Cが台船20の貫通孔から下方へ突出しているため、ガス誘導路13の上端開口から流出する海水が環流する時にガス誘導路13によって下降流を形成することができる。
【0030】
また、ガス採取具12は開閉時可能な傘状に形成され、その外周端には複数の錘12Fが取り付けられているため、メタンプルームP上でガス採取具12の姿勢を安定させることができる。
【0031】
尚、本発明は上記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限り、各構成要素を必要に応じて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0032】
10 ガス採取装置
11 ガス滞留器
11C 下端開口
12 ガス採取具
12F 錘
13 ガス誘導路
20 台船
M 気泡
MH メタンハイドレート層(表層型メタンハイドレート)
G 地盤
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮かぶ台船に設けられ、底において発生する天然ガスを採取するガス採取装置であって、上記ガス採取装置は、上記台船に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器と、上記ガス滞留器の下方の水中に配置されて上記水底の地盤に形成されたガスハイドレート層から水中に放出されるガスを採取するガス採取具と、上記ガス採取具に下端開口が連結されて上記ガス採取具から上記ガスを水と共上記ガス滞留器へ誘導するガス誘導路と、を備え、上記ガス誘導路は、上記台船側から吊持されており、その上端開口が上記貫通孔内の水面の下側に配置され、上記ガスが上記上端開口から上記ガス滞留器へ排出されると共に上記ガスに随伴する水が上記貫通孔内の水面の下側上記上端開口から溢流して上記水中へ還流することを特徴とするガス採取装置。
【請求項2】
上記ガス滞留器は、逆カップ状に形成され、下端開口が上記貫通孔から下方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載のガス採取装置。
【請求項3】
上記ガス採取具は開閉時可能な傘状に形成され、その外周端には複数の錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス採取装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、水底の地盤に形成されたガスハイドレート層がいずれの場所にあってもそこのガスをガス誘導路を介して採取する時にガス誘導路から海水など水の外部への排出作業を行うことなくガスの採取効率を高めることができるガス採取装置を提供することを目的としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の請求項1に記載のガス採取装置は、水面に浮かぶ台船に設けられ、底において発生する天然ガスを採取するガス採取装置であって、上記ガス採取装置は、上記台船に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器と、上記ガス滞留器の下方の水中に配置されて上記水底の地盤に形成されたガスハイドレート層から水中に放出されるガスを採取するガス採取具と、上記ガス採取具に下端開口が連結されて上記ガス採取具から上記ガスを水と共上記ガス滞留器へ誘導するガス誘導路と、を備え、上記ガス誘導路は、上記台船側から吊持されており、その上端開口が上記貫通孔内の水面の下側に配置され、上記ガスが上記上端開口から上記ガス滞留器へ排出されると共に上記ガスに随伴する水が上記貫通孔内の水面の下側上記上端開口から溢流して上記水中へ還流することを特徴とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、本発明の請求項2に記載のガス採取装置は、請求項1に記載の発明において、上記ガス滞留器は、逆カップ状に形成され、下端開口が上記貫通孔から下方へ突出していることを特徴とするものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明の請求項3に記載のガス採取装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記ガス採取具は開閉時可能な傘状に形成され、その外周端には複数の錘が取り付けられていることを特徴とするものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明によれば、水底の地盤に形成されたガスハイドレート層がいずれの場所にあってもそこのガスをガス誘導路を介して採取する時にガス誘導路から海水など水の外部への排出作業を行うことなくガスの採取効率を高めることができるガス採取装置を提供することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
而して、本実施形態のガス採取装置10は、図1に示すように、台船20に形成された貫通孔に設けられたガス滞留器11と、ガス滞留器11の下方の海水中に配置されて海水底の表層型メタンハイドレート層MH上に形成されたメタンプルームPのメタンガスの気泡Mを採取するガス採取具12と、ガス滞留器11とガス採取具12を連絡する筒状のガス誘導路13と、を備えている。