(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017170
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20230131BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20230131BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20230131BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
B65H1/26 C
B65H1/04 320Z
B65H1/14 322Z
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121222
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 優太
【テーマコード(参考)】
2C061
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB35
2C061CD26
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC28
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA01
3F343HA06
3F343HA12
3F343HD16
3F343HE02
3F343KB08
3F343KB17
3F343KB18
3F343LA04
3F343LA14
(57)【要約】
【課題】給紙台の外側に出っ張るのを抑制した構成によって、給紙台からの騒音漏れを低減する。
【解決手段】シートMの搬送方向Xと直交するシートMの幅方向Yにおける両側にサイドフェンス111bを有する昇降可能な給紙台111に積載されたシートMを、給紙ローラ111cにより最上部から給紙開口部170を介して内部に搬送する画像形成装置100において、給紙台111に積載されたシートMの上方に上部カバー181を設け、両側のサイドフェンス111bの外側に、幅方向YにおけるシートMと給紙開口部170の両側部との隙間を塞ぐ一対の側部カバー182を設け、サイドフェンス111bと側部カバー182とを、給紙台111の昇降方向において相対的にスライド可能に連結した。
【選択図】
図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの搬送方向と直交するシートの幅方向における両側にサイドフェンスを有する昇降可能な給紙台に積載されたシートを、給紙ローラにより最上部から給紙開口部を介して内部に搬送する画像形成装置において、
前記給紙台に積載されたシートの上方に上部カバーを設け、
前記両側のサイドフェンスの外側に、前記幅方向における前記シートと前記給紙開口部の両側部との隙間を塞ぐ一対の側部カバーを設け、
前記サイドフェンスと前記側部カバーとを、前記給紙台の昇降方向において相対的にスライド可能に連結した、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部で発生する騒音を外部に漏らさないようにした画像形成装置が提案されている。特許文献1の画像形成装置では、給紙台に積載された用紙の最上面より上方に空間を残して、給紙開口の上部を遮音用の上部カバーで塞いでいる。また、特許文献1の画像形成装置では、昇降する給紙台よりも下方の部分を遮音用の下部カバーで塞ぎ、給紙台に積載された用紙を挟んでいる一対のサイドフェンスよりも各外側の給紙開口部を遮音用の側部カバーで塞いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像形成装置では、給紙動作が進み積載用紙が減るに連れて、積載用紙の最上位面の位置が下がらないように給紙台が上昇する。給紙台の上昇に伴い、サイドフェンスの上端位置が上昇する。サイドフェンスは印刷用紙の斜行を防ぐため、また短いサイズの用紙も使用できるように、給紙台の搬送方向下流側に寄せて配置される。サイドフェンスは用紙のサイズに合わせて幅を変えられるようスライドすることができる。
【0005】
給紙開口部の上部を塞ぐ遮音用の上部カバーはサイドフェンスと干渉しないよう、サイドフェンスの上昇方向及び幅方向の可動域から逃がして配置する必要がある。そのため、特許文献1の画像形成装置では、上部カバーをサイドフェンスよりも搬送方向の上流側にずらして配置している。このため、上部カバーが給紙台の外側に出っ張って配置されて画像形成装置が大型化してしまい、また、上部カバーと側部カバーとの間に隙間ができてその隙間から画像形成装置の騒音が外部に漏れてしまう。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、給紙台の外側に出っ張るのを抑制した構成によって、給紙台からの騒音漏れを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様による画像形成装置は、
シートの搬送方向と直交するシートの幅方向における両側にサイドフェンスを有する昇降可能な給紙台に積載されたシートを、給紙ローラにより最上部から給紙開口部を介して内部に搬送する画像形成装置において、
前記給紙台に積載されたシートの上方に上部カバーを設け、
前記両側のサイドフェンスの外側に、前記幅方向における前記シートと前記給紙開口部の両側部との隙間を塞ぐ一対の側部カバーを設け、
前記サイドフェンスと前記側部カバーとを、前記給紙台の昇降方向において相対的にスライド可能に連結した、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、給紙台の外側に出っ張るのを抑制した構成によって、給紙台からの騒音漏れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の画像形成装置の内部構造を示す説明図である。
【
図3】
図3は、
図1の筐体の左側面の構成の一例を示す要部拡大図である。
【
図4A】
図4Aは、
図3の給紙開口部に設けられる本発明の第1実施形態に係る開口カバーの構成を示す
図3のIVA-IVA線断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の筐体の左側面の構成の他の例を示す要部拡大図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5の給紙開口部に設けられる本発明の第2実施形態に係る開口カバーの構成を示す
図5のVIA-VIA線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【0013】
[画像形成装置の基本構成]
図1に示すように、画像形成装置100は、媒体M(シート)に画像を印刷することができる。媒体Mは、例えば枚葉紙である。画像形成装置100は、第1の給紙トレイ111(給紙台)と、第2の給紙トレイ112と、第3の給紙トレイ113と、搬送経路121と、複数の搬送ローラ122と、印刷部130と、吸着搬送部140と、排紙トレイ150と、筐体160とを備える。
【0014】
第1の給紙トレイ111は、画像形成装置100の筐体160の左側面に配置されている。第1の給紙トレイ111は、媒体Mが積載されるトレイ本体111aと、トレイ本体111a上における媒体Mの幅方向の位置を規制する一対のサイドフェンス111bとを有する。
【0015】
第1の給紙トレイ111は、積載された最上位の媒体Mの高さを一定とするために、昇降可能に配置されている。第1の給紙トレイ111に積載された最上位の媒体Mは、第1の給紙トレイ111から筐体160内に繰り出される。
【0016】
第1の給紙トレイ111は、
図1に示す開いた状態(使用状態)から、第1の給紙トレイ111の下部を回転支点として上方に回転しながら閉じることができる。閉じた状態の第1の給紙トレイ111は、筐体160の左側面に収容することができる。
【0017】
図2の説明図に示すように、第2の給紙トレイ112及び第3の給紙トレイ113は、媒体Mの搬送経路121と共に、画像形成装置100の筐体160の内部に配置されている。第1の給紙トレイ111、第2の給紙トレイ112、及び第3の給紙トレイ113には、媒体Mが収容される。第2の給紙トレイ112及び第3の給紙トレイ113に収容された最上位の媒体Mは、第2の給紙トレイ112及び第3の給紙トレイ113から搬送経路121にそれぞれ繰り出される。
【0018】
搬送経路121は、媒体Mが搬送される経路である。
図2において、搬送経路121を、適宜矢印を付して実線で示す。搬送経路121は、両面印刷のために媒体Mを反転させる反転経路121aを有する。
【0019】
印刷部130は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷部130の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
【0020】
吸着搬送部140は、印刷部130に対向するように配置されている。吸着搬送部140は、吸着した媒体Mを搬送ベルトによって搬送する。なお、吸着搬送部140は、媒体Mを搬送する搬送手段の一例である。吸着搬送部140により搬送方向Xに搬送される媒体Mには、印刷部130により画像が印刷される。
【0021】
排紙トレイ150は、画像形成装置100の筐体160の上部に配置され、印刷済みの媒体Mが積載される。
【0022】
筐体160は、印刷部130、吸着搬送部140等を収容する。
図1に示すように、筐体160は、筐体160の外側と内部とを連通させる給紙開口部170を左側面に有している。
【0023】
図3に示すように、給紙開口部170は上端を有している。
図3は、筐体160の左側面の構成の一例を示す要部拡大図である。使用状態(開いた状態)の第1の給紙トレイ111は、給紙開口部170の上端にサイドフェンス111bが接触しない範囲で、給紙開口部170内で昇降することができる。第1の給紙トレイ111は、積載された媒体Mの増減に応じて、給紙開口部170内で昇降する。第1の給紙トレイ111の最上位の媒体Mは、第1の給紙トレイ111の昇降により、第1の給紙トレイ111のピックアップローラ111c(給紙ローラ)に常時接触する。
【0024】
閉じた状態の第1の給紙トレイ111は、給紙開口部170の少なくとも一部を筐体160の外側から塞ぐことができる。
【0025】
図4Aに示すように、第1の給紙トレイ111のサイドフェンス111bは、筐体160内に繰り出される媒体Mの斜行を抑制するために、搬送方向Xにおけるトレイ本体111aの筐体160寄りの位置に配置される。
図4Aは、
図3のIVA-IVA線断面図である。筐体160寄りの位置にサイドフェンス111bを配置することで、搬送方向Xにおけるサイズが短い媒体Mも、第1の給紙トレイ111から繰り出される際の斜行をサイドフェンス111bで抑制することができる。
【0026】
[第1実施形態の開口カバー]
図3に示すように、給紙開口部170には、開口カバー180が設けられる。以下、本発明の第1実施形態に係る開口カバー180について説明する。開口カバー180は、上部カバー181及び一対の側部カバー182を有する。
【0027】
上部カバー181は、使用状態の第1の給紙トレイ111に積載された媒体Mの上方に配置される。上部カバー181は、第1の給紙トレイ111の媒体Mの幅方向Yにおける給紙開口部170の全長に亘る幅を有している。各側部カバー182は、第1の給紙トレイ111に積載された媒体Mの幅方向Yにおける両側方にそれぞれ配置される。上部カバー181及び各側部カバー182は、遮音効果を有する部材で形成されている。
【0028】
図4Bに示すように、上部カバー181の上端部は、給紙開口部170の上端部に隙間無く取り付けられている。上部カバー181の下端部は、第1の給紙トレイ111の最上部の媒体Mよりも若干上方の位置に配置される。
図4Bは、
図3のIVB-IVB線断面図である。
【0029】
図3に示すように、上部カバー181の下端部と第1の給紙トレイ111の最上位の媒体Mとの間には、若干の隙間Sが形成される。上部カバー181は、媒体Mの搬送方向Xにおけるサイドフェンス111bよりも下流側の位置に配置される。
【0030】
図4Aに示すように、上部カバー181は、第1の給紙トレイ111の最上部の媒体Mに接触するピックアップローラ111cの位置において、搬送方向Xにおけるピックアップローラ111cの上流側を迂回して配置される。ピックアップローラ111cは、上部カバー181よりも搬送方向Xにおける下流側に配置される。
【0031】
図4Cに示すように、ピックアップローラ111cよりも搬送方向Xにおける下流側には、スクレーパローラ111dが配置される。
図4Cは、
図3のIVC-IVC線断面図である。スクレーパローラ111dは、ピックアップローラ111cと対で、第1の給紙トレイ111の最上位の媒体Mを搬送経路121に繰り出す。
【0032】
図4Bに示すように、上部カバー181の下端部には、各側部カバー182と連結するための係止片181aが形成されている。
図4Aに示すように、係止片181aは、上部カバー181のピックアップローラ111cを迂回する部分を除く部分に、幅方向Yに沿って形成されている。
【0033】
図3に示すように、各側部カバー182は、第1の給紙トレイ111の媒体Mの幅方向Yにおける各サイドフェンス111bの外側に配置される。
図4Aに示すように、各サイドフェンス111bの移動により幅方向Yにおける各サイドフェンス111bの外側が狭くなった場合、各側部カバー182の余剰となった部分は、筐体160における給紙開口部170の幅方向Yの外側に退避することができる。各側部カバー182の上面には、上部カバー181と連結するための係止片182aが、幅方向Yに沿って形成されている。
【0034】
図4Bに示すように、側部カバー182の係止片182aは、上部カバー181の係止片181aに係止される。係止片181a,182aの係止により、各側部カバー182は上部カバー181の下端部に連結される。上部カバー181に連結された各側部カバー182は、第1の給紙トレイ111の最上位の媒体Mよりも若干上方の位置に配置される。
【0035】
図4Aに示すように、各側部カバー182には、孔開きのガイド板182bが取り付けられている。各ガイド板182bは、一対のサイドフェンス111bの幅方向Yにおける外側に配置される。
【0036】
図3に示すように、各サイドフェンス111bの外側面には、ガイドバー111eが取り付けられている。各ガイドバー111eは、第1の給紙トレイ111の昇降方向に沿って延在している。
図4Aに示すように、各ガイドバー111eは、対応する各側部カバー182のガイド板182bの孔に挿通されている。
【0037】
ガイド板182bを有する側部カバー182は、第1の給紙トレイ111の最上部の媒体Mの上方に位置している。ガイドバー111eにおけるガイド板182bの位置は、常に、第1の給紙トレイ111の媒体Mの上方となり、ガイド板182bが第1の給紙トレイ111の媒体Mと干渉することはない。
【0038】
各側部カバー182のガイド板182bの孔への各ガイドバー111eの挿通により、各側部カバー182は対応する各サイドフェンス111bに連結される。各側部カバー182は、係止片181a,182aの係止を維持したまま、上部カバー181から独立して各サイドフェンス111bと共に幅方向Yに移動することができる。各側部カバー182は、第1の給紙トレイ111の昇降方向において、各サイドフェンス111bに対して相対的にスライドすることができる。
【0039】
各側部カバー182は、ガイド板182bの孔に各サイドフェンス111bのガイドバー111eを挿通することで、第1の給紙トレイ111の昇降によりサイドフェンス111bが昇降しても、上部カバー181の下端部の高さの位置を保ち続けることができる。
【0040】
上部カバー181は、幅方向Yにおける給紙開口部170の全範囲において、第1の給紙トレイ111の媒体Mの上方の部分を塞ぐ。各側部カバー182は、第1の給紙トレイ111の媒体Mよりも幅方向Yにおける外側で、かつ、搬送方向Xにおける媒体Mの上部カバー181よりも下流側の部分において、筐体160の内部と給紙開口部170とを連通させる空間を塞ぐ。
【0041】
画像形成装置100の騒音発生部分となるピックアップローラ111c及びスクレーパローラ111dと、印刷部130及び吸着搬送部140とは、上部カバー181及び各側部カバー182を有する開口カバー180よりも筐体160の内側に配置される。開口カバー180よりも筐体160の内側に配置された画像形成装置100の騒音発生部分は、給紙開口部170において筐体160の外側に露出しない。騒音発生部分が露出しないことで、筐体160の内部で発生した騒音が給紙開口部170から筐体160の外側に漏れるのが抑制される。開口カバー180の存在により、給紙開口部170における画像形成装置100の騒音漏れを抑制し、静音効果を得ることができる。
【0042】
また、開口カバー180の上部カバー181及び各側部カバー182を、サイドフェンス111bよりも搬送方向Xの下流側に配置したことから、上部カバー181が第1の給紙トレイ111の外側に出っ張らない構成とすることができる。
【0043】
[第2実施形態の開口カバー]
以下、本発明の第2実施形態に係る開口カバー180について説明する。
図5に示すように、給紙開口部170に設けられる第2実施形態の開口カバー180は、上部カバー183及び一対の側部カバー184を有する。
【0044】
上部カバー183は、使用状態の第1の給紙トレイ111の媒体Mの上方に配置される。上部カバー183は、例えば、遮音効果を有する素材で蛇腹又はカーテン状の幅方向Yに拡縮可能な部材によって形成されている。上部カバー183の素材自体が柔軟性(可撓性)を有しているか否かは任意である。上部カバー183は、一対のサイドフェンス111bの位置に合わせて幅方向Yに伸縮することができる。
【0045】
各側部カバー184は、第1の給紙トレイ111の媒体Mの幅方向Yにおける両側方にそれぞれ配置される。各側部カバー184は、第1の給紙トレイ111の昇降方向における給紙開口部170の全長に対応する高さを有している。各側部カバー184の幅方向Yにおける一方の端部は、給紙開口部170の各側端部に隙間無く取り付けられている。各側部カバー184の素材自体が柔軟性(可撓性)を有しているか否かは任意である。各側部カバー184は、遮音効果を有する素材で蛇腹又はカーテン状の幅方向Yに拡縮可能な部材によって形成されている。
【0046】
上部カバー183及び各側部カバー184は、搬送方向Xの位置を合わせて、幅方向Yに並ぶように配置されている。上部カバー183及び各側部カバー184の上端部は、給紙開口部170の上端のレール部材171から吊り下げられている。
【0047】
レール部材171は、幅方向Yに沿って延在している。上部カバー183及び各側部カバー184の上端部は、レール部材171に対して、幅方向Yにスライド可能に取り付けられている。レール部材171に対する上部カバー183及び各側部カバー184の取り付けには、例えば、カーテンのカーテンレールに対する取付構造を応用することができる。
【0048】
上部カバー183と各側部カバー184とは、上端部又は上端部の近くで接続されている。上部カバー183と各側部カバー184とは、例えば、レール部材171への取り付け部分において接続してもよく、レール部材171から吊り下げられた部分で接続してもよい。
【0049】
図6Aに示すように、上部カバー183は、搬送方向Xにおけるピックアップローラ111c及びスクレーパローラ111dの上流側に配置される。
図6Aは、
図5のVIA-VIA線断面図である。
【0050】
各サイドフェンス111bには、スリット111fが形成されている。スリット111fの内側には、ガイドバー111gが取り付けられている。ガイドバー111gは、第1の給紙トレイ111の昇降方向に沿って延在している。
図6Bに示すように、各ガイドバー111gには、上部カバー183の幅方向Yにおける対応する各側端部のフック部材183aと、各サイドフェンス111bに対応する各側部カバー184の側端部のフック部材184aとが引っ掛けられている。
図6Bは、
図5のVIB-VIB線断面図である。
【0051】
フック部材183a,184aは、上部カバー183及び各側部カバー184の、ガイドバー111gに対する引掛け位置が第1の給紙トレイ111の最上部の媒体Mよりも常に上方の部分となる位置に、取り付けられている。フック部材183a,184aは、第1の給紙トレイ111の媒体Mと干渉することはない。
【0052】
上部カバー183の各フック部材183aへの各ガイドバー111gの挿通により、上部カバー183は、両サイドフェンス111bの間隔に合わせて幅方向Yに拡縮することができる。上部カバー183は、第1の給紙トレイ111の昇降方向において、両サイドフェンス111bに対して相対的にスライドすることができる。
【0053】
各側部カバー184のフック部材184aへの各ガイドバー111gの挿通により、各側部カバー184は、各サイドフェンス111bに追従して幅方向Yに拡縮することができる。各側部カバー184は、第1の給紙トレイ111の昇降方向において、各サイドフェンス111bに対して相対的にスライドすることができる。
【0054】
上部カバー183は、幅方向Yにおける両サイドフェンス111b間の範囲内において、給紙開口部170における第1の給紙トレイ111の媒体Mの上方の部分を塞ぐ。各側部カバー184は、、第1の給紙トレイ111の昇降方向における全範囲において、給紙開口部170における各サイドフェンス111bよりも幅方向Yの外側の部分を塞ぐ。
【0055】
上部カバー183は、両側端部のフック部材183aに各サイドフェンス111bのガイドバー111gを挿通することで、第1の給紙トレイ111の昇降によりサイドフェンス111bが昇降しても、昇降前の位置を保ち続けることができる。各側部カバー184は、フック部材184aに各サイドフェンス111bのガイドバー111gを挿通することで、第1の給紙トレイ111の昇降によりサイドフェンス111bが昇降しても、昇降前の位置を保ち続けることができる。
【0056】
本実施形態でも、騒音発生部分となるピックアップローラ111c及びスクレーパローラ111dと、印刷部130及び吸着搬送部140とは、上部カバー183及び各側部カバー184を有する開口カバー180よりも筐体160の内側に配置される。開口カバー180の存在により、画像形成装置100の騒音発生部分が、給紙開口部170において筐体160の外側に露出するのを防ぎ、給紙開口部170における画像形成装置100の騒音漏れを抑制して、静音効果を得ることができる。
【0057】
なお、第1実施形態及び第2実施形態における各側部カバー182とサイドフェンス111bとの連結、あるいは、第2実施形態における上部カバー183とサイドフェンス111bとの連結に、フック部材、線ファスナ又は面ファスナ等を用いてもよい。
【0058】
なお、第1実施形態の及び第2実施形態を通じて、上部カバー181,183とサイドフェンス111bとの連結に、ファスナ(線ファスナ、面ファスナ)を用いてもよい。各側部カバー182,184とサイドフェンス111bとの連結にも、ファスナを用いてよい。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態のままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。さらに、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0060】
[付記]
以上に説明した実施形態によって、以下に示す態様の発明が開示される。
【0061】
即ち、一つの態様の発明として、
シートの搬送方向と直交するシートの幅方向における両側にサイドフェンスを有する昇降可能な給紙台に積載されたシートを、給紙ローラにより最上部から給紙開口部を介して内部に搬送する画像形成装置において、
前記給紙台に積載されたシートの上方に上部カバーを設け、
前記両側のサイドフェンスの外側に、前記幅方向における前記シートと前記給紙開口部の両側部との隙間を塞ぐ一対の側部カバーを設け、
前記サイドフェンスと前記側部カバーとを、前記給紙台の昇降方向において相対的にスライド可能に連結した、
ことを特徴とする画像形成装置が開示される。
【0062】
そして、上記態様による発明によれば、給紙台の外側に出っ張るのを抑制した構成によって、給紙台からの騒音漏れを低減することができる。
【符号の説明】
【0063】
100 画像形成装置
111 第1の給紙トレイ(給紙台)
111b サイドフェンス
111c ピックアップローラ(給紙ローラ)
170 給紙開口部
181,183 上部カバー
182,184 側部カバー
M 媒体(シート)
X 搬送方向
Y 幅方向