IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

特開2023-171820情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図13
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図14
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図15
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図16
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図17
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図18
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図19
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図20
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図21
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171820
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/18 20060101AFI20231128BHJP
   G09F 21/04 20060101ALI20231128BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G09F19/18 Z
G09F21/04 Z
H04N5/74 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023155478
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2021561557の分割
【原出願日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】P 2019217505
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】福本 喬彦
(72)【発明者】
【氏名】福留 正義
(72)【発明者】
【氏名】島田 なつき
(57)【要約】
【課題】移動体に投影される広告の視認性を良くする。
【解決手段】広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得し、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像の中から、投影領域に投影する広告画像を、複数の広告画像に関係付けられた色と色情報とに基づいて選択する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部と、
各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像を記憶する記憶部と、
前記色情報と、前記複数の広告画像に関係付けられた色と、に基づいて、前記複数の広告画像の中から、前記投影領域に投影する広告画像を選択する選択部と、を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体に広告画像を投影する技術が知られている。例えば、特許文献1には、移動体の属性に基づいて、広告映像などを移動体に投影する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-80163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体に広告画像を投影する際に、移動体の色と広告の配色との相性が悪い場合、広告を車両に投影したとしても、広告の内容を視認することが困難になることがある。例えば、文字が黒く配色された広告は、黒色の車両に投影された場合、この文字部分の視認することが困難になる。
【0005】
または、移動体の側面全体に広告画像を投影しようとした場合、移動体の側面の形状には様々なものがあり、単に矩形の広告画像を投影すると、移動体の側面からはみ出してしまう投影光が生じる。このはみ出した投影光は、移動体の側面以外の物や人を照らしてしまう可能性がある。そこで、移動体の側面全体に広告画像を投影する際には、車両の側面からはみ出してしまう投影光をマスクなどにより遮断すると良い。しかしながら、このように投影光の一部を遮断した場合、広告画像のうちの不可欠な部分の投影光も遮断され、この不可欠な部分の一部が欠けた状態で投影されてしまう可能性がある。
【0006】
または、移動体に広告画像を投影する場合、移動体の表面には、ボディ部分や、ドアパネル部分、ドアガラス部分、バンパー部分、タイヤ部分などがあり、部分によって、色や、平坦度、反射率などが異なり、広告を投影するスクリーンとしての適合度が異なる。例えば、白色に塗られたドアパネルなどは、白色の大きな領域であり、広告を投影するスクリーンとしては適している。一方、タイヤ部分は、一般に黒であり、凹凸もあるため、広告を投影するスクリーンとしては適していない。広告のうちの重要な部分は、視認可能に投影する必要があり、できる限り、スクリーンとして適した領域に投影するのが良い。
【0007】
または、移動体に広告画像を投影する場合、移動体によっては、その表面に絵や文字が塗装されているものもある。このように、絵や文字が塗装されている車両に広告画像を投影したとしても、広告画像の絵や文字が車両に塗装された絵や文字と重なってしまい、広告画像の絵や文字などの広告の内容が認識されにくくなる可能性がある。また、黒色などの濃い色の車両に広告を投影したとしても、広告の内容が認識されにくくなる可能性がある。よって、広告を視認可能に投影するためには、広告を投影する移動体を選別する必要がある。
【0008】
または、移動体に広告画像を投影する場合、広告を投影する移動体の使用者または所有者に対するインセンティブは、広告効果に基づいて設定するのが良い。つまり、広告効果が高い広告投影が可能な移動体の使用者または所有者には、より高いインセンティブを設定するのが良い。このようにすることで、広告効果が高い広告投影が可能な移動体の使用者または所有者に、その移動体への広告投影を許可することを動機付けることが可能になる。
【0009】
または、移動体に広告画像を投影する場合、複数の移動体が連続して並んでいるようなときは、複数の移動体をスクリーンとすることで、一台の移動体をスクリーンとした広告よりも大きなサイズの広告を提示することが可能であり、観る者により大きなインパクトを与えることが可能である。
【0010】
しかしながら、特許文献1には、これらの課題や要求に対応する技術がいずれについても開示されていない。
【0011】
本発明が解決しようとする課題としては、広告効果の高い広告画像を移動体に投影することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像を記憶する記憶部と、前記色情報と、前記複数の広告画像に関係付けられた色と、に基づいて、前記複数の広告画像の中から、前記投影領域に投影する広告画像を選択する選択部と、を有する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像の素材画像を記憶する記憶部と、前記色情報と、前記複数の素材画像に関係付けられた色と、に基づいて、前記複数の素材画像の中から、前記投影領域に投影する広告画像の素材画像を選択する選択部と、を有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得工程と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像の中から、前記色情報と前記複数の広告画像に関係付けられた色とに基づいて、前記投影領域に投影する広告画像を、選択する選択工程と、を有する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報処理方法を、コンピュータにより実行させることを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理プログラムを記憶している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例に係る広告投影システム100を示す図である。
図2】広告投影システム100による広告投影の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施例に係る制御部310を示す図である。
図4】広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。
図5】広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係る投影領域設定部311を示す図である。
図7】投影領域設定部311における処理動作の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係る広告選択部312を示す図である。
図9】広告選択部312における処理動作の一例を示す図である。
図10】連続広告の一例を示す図である。
図11】連続広告の一例を示す図である。
図12】広告選択部312における処理動作の一例を示す図である。
図13】広告の切り替えの一例を示す図である。
図14図13に示した例における広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。
図15】広告画像の生成の一例を示す図である。
図16】記憶部330に記憶された素材画像の一例を示す図である。
図17】広告画像の生成の一例を示す図である。
図18】広告画像生成部313における処理動作の一例を示す図である。
図19】本発明の一実施例に係る広告画像生成部313を示す図である。
図20】広告画像生成部313における処理動作の一例を示す図である。
図21】本発明の一実施例に係るインセンティブ設定部314を示す図である。
図22】インセンティブ設定部314における処理動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像を記憶する記憶部と、前記色情報と、前記複数の広告画像に関係付けられた色と、に基づいて、前記複数の広告画像の中から、前記投影領域に投影する広告画像を選択する選択部と、を有する。このようにすることにより、広告画像の各々にこの広告画像の配色に相性の良い色を関係付けた場合、投影領域には、この投影領域の色と相性の良い配色の広告画像のみが投影されることになる。このため、本実施形態では、投影領域に投影される広告の視認性を良くすることが可能である。
【0019】
また、前記複数の広告画像の広告対象は、同一であり、前記複数の広告画像の配色は、互いに異なるようにしても良い。このようにすることで、投影領域の色がどのような色であっても、その広告対象に対する広告を投影領域に視認可能に投影することが可能になる。
【0020】
また、前記投影領域は、移動体の表面上に設定される。このようにすることで、移動体に投影される広告の視認性を良くすることが可能になる。
【0021】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像の素材画像を記憶する記憶部と、前記色情報と、前記複数の素材画像に関係付けられた色と、に基づいて、前記複数の素材画像の中から、前記投影領域に投影する広告画像の素材画像を選択する選択部と、を有する。このようにすることにより、広告画像の各々にこの広告画像の素材画像の配色に相性の良い色を関係付けた場合、投影領域には、この投影領域の色と相性の良い配色の広告画像のみが投影されることになる。このため、本実施形態では、投影領域に投影される広告の視認性を良くすることが可能である。
【0022】
また、本発明の一実施形態にかかる情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、広告画像を投影する投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得工程と、各々が少なくとも1つの色に関係付けられた複数の広告画像の中から、前記複数の広告画像に関係付けられた色と前記色情報とに基づいて、前記投影領域に投影する広告画像を選択する選択工程と、を有する。このようにすることにより、広告画像の各々にこの広告画像の配色に相性の良い色を関係付けた場合、投影領域には、この投影領域の色と相性の良い配色の広告画像のみが投影されることになる。このため、本実施形態では、投影領域に投影される広告の視認性を良くすることが可能である。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、上記の情報処理方法を、コンピュータに実行させる。このようにすることで、コンピュータを用いて、投影領域に投影される広告の視認性を良くすることが可能になる。
【0024】
また、本発明の一実施形態に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記の情報処理プログラムを記憶している。このようにすることで、上記の情報処理プログラムを、機器に組み込む以外にも単体で流通することが可能になり、バージョンアップ等を容易に行うことが可能になる。
【実施例0025】
<広告投影システム100>
図1は、本発明の一実施例に係る広告投影システム100を示す図である。広告投影システム100は、広告投影装置200と、サーバ300と、を有する。広告投影装置200とサーバ300は、情報の送受信ができるように、無線および/または有線で互いに通信可能に接続している。広告投影装置200とサーバ300は、通信ネットワークを介して接続するようにしても良いし、無線または有線で直接接続するようにしても良い。広告投影システム100は、例えば、図2に示すように、パーキングメータPMに対応する駐車領域PAに駐車された車両AMの側面に、広告投影装置200により広告画像AD(本願において、画像には、複数の画像フレームから構成される動画も含む)を投影する。
【0026】
広告投影装置200は、制御部210と、駐車領域に駐車された車両(移動体)の情報である車両情報(移動体情報)を取得する車両情報取得部220と、サーバ300などの他の装置との間で情報の送受信を行う送受信部230と、駐車車両に広告画像を投影する投影部240と、を有する。制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを有するコンピュータにより構成される。
【0027】
広告投影装置200は、駐車車両の表面に広告画像を投影することができるように、駐車領域の近傍に配置される。広告投影装置200は、例えば、図2に示すように、パーキングメータPMの上部に設置される。
【0028】
制御部210は、パーキングメータに対応する駐車領域に車両が駐車されたときに、車両情報取得部220により、車両の画像などの車両情報を取得する。パーキングメータの駐車領域に車両が駐車されたことの判断は、車両情報取得部220により車両が駐車領域に駐車したことを検出するようにしても良いし、パーキングメータから駐車領域に車両が駐車されたことを示す情報を取得するようにしても良い。パーキングメータから情報を取得する際は、パーキングメータから直に取得しても良いし、パーキングメータからサーバ300などの他の装置を介して取得するようにしても良い。
【0029】
車両情報取得部220は、例えば、カメラを含む。このとき、車両情報は、カメラにより撮影された車両の画像(画像データ)を含む。また、車両情報取得部220は、ライダ(LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging))を含んでいても良く、このとき、車両情報は、ライダにより取得されたデータ(3Dデータ)を含む。
【0030】
制御部210は、送受信部230により、車両情報をサーバ300に送信する。また、制御部210は、送受信部230により、サーバ300から送信された広告画像を受信する。
【0031】
制御部210は、投影部240により、広告画像を駐車車両に投影する。投影部240は、プロジェクターなどの投影装置である。制御部210は、駐車車両が駐車を終えたときに、投影部240による広告画像の投影を終える。パーキングメータの駐車領域に駐車していた車両が駐車を終えたことの判断は、広告投影装置200がユーザからの入力を受ける入力手段を有し、この入力手段による入力により判断するようにしても良いし、車両情報取得部220により駐車していた車両が駐車領域を出たことを検出するようにしても良いし、パーキングメータから駐車していた車両が駐車を終えたことを示す情報を取得するようにしても良い。パーキングメータから情報を取得する際は、パーキングメータから直に取得しても良いし、パーキングメータからサーバ300などの他の装置を介して取得するようにしても良い。
【0032】
サーバ300は、制御部310と、広告投影装置200などの他の装置との間で情報の送受信を行う送受信部320と、広告画像を記憶した記憶部330と、を有する。制御部310は、例えば、CPUなどを有するコンピュータにより構成される。記憶部330は、例えば、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。サーバ300は、上記実施形態の情報処理装置に対応する。
【0033】
制御部310は、送受信部320により、広告投影装置200から送信された車両情報を受信し、この車両情報に基づいて、車両に投影する広告の画像を、記憶部330に記憶された広告画像の中から選択し、送受信部320により、選択された広告画像を広告投影装置200に送信する。
【0034】
図3は、本発明の一実施例に係る制御部310を示す図である。制御部310は、広告を投影する投影領域を設定する投影領域設定部311と、車両に投影する広告画像を選択する広告選択部312と、素材画像を加工し、広告画像を生成する広告画像生成部313と、広告画像を投影する車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定するインセンティブ設定部314と、を有する。
【0035】
投影領域設定部311は、車両情報に基づいて、広告画像を投影する投影領域を車両の表面上に設定する。投影領域設定部311は、例えば、図2に示したように、駐車領域に駐車された車両の側面全体を投影領域として設定しても良いし、この側面のうちの一部を投影領域として設定しても良い。
【0036】
広告選択部312は、広告選択条件に基づいて、投影領域に投影する広告画像を選択する。広告選択条件としては、投影領域の色に関する条件や、広告が投影される時間帯に関する条件や、駐車領域の場所に関する条件や、広告主の意向に関する条件、駐車車両の使用者または所有者の意向に関する条件などがある。
【0037】
記憶部330は、車両に投影される複数の広告画像を記憶する。広告選択部312により選択された広告画像は、送受信部320により広告投影装置200に送られ、投影部240により車両に投影される。
【0038】
記憶部330は、広告画像そのものの他に、広告画像の素材画像を記憶するようにしても良い。このとき、広告選択部312は、広告選択条件に基づいて、投影する広告画像の素材画像を、記憶部330に記憶された素材画像の中から選択する。
【0039】
広告画像生成部313は、広告選択部312により選択された素材画像を加工し、車両に投影される広告画像を生成する。広告画像生成部313により生成された広告画像は、送受信部320により広告投影装置200に送られ、投影部240により車両に投影される。
【0040】
インセンティブ設定部314は、広告画像を投影する車両の使用者または所有者へのインセンティブを設定する。車両の使用者または所有者へのインセンティブは、例えば、駐車料金の割引額、駐車料金の割引率、次回の駐車に使用できる割引クーポンや使用クーポンなどである。インセンティブ設定部314によるインセンティブの設定は、広告画像の投影が開始される前に行われても良いし、広告画像の投影が終了した後に行われても良い。
【0041】
上記では、広告投影システム100は、広告投影装置200とサーバ300により構成されているが、広告投影装置200がサーバ300の上記機能の全てを有するようにし、広告投影システム100を、広告投影装置200のみで構成するようにしても良い。広告投影システム100を、広告投影装置200のみで構成する場合、広告投影装置200が、上記実施形態の情報処理装置に対応する。
【0042】
また、上記では、広告投影システム100は、パーキングメータの駐車領域に駐車された車両に広告を投影するが、投影対象の車両としては様々なものが考えられる。例えば、広告投影システム100は、駐車場の駐車領域に駐車された車両に広告を投影するようにしても良いし、駅前のロータリーに駐車した車両に広告を投影するようにしても良い。例えば、駅前のロータリーに駐車した車両に広告を投影する場合は、ロータリーの一部を、投影対象駐車領域とし、この投影対象駐車領域に駐車した車両の車両情報を取得することや、駐車車両に広告を投影することができるように、広告投影装置200を設置すると良い。このとき、投影対象駐車領域を一台の車両が駐車できる程度の広さの領域とし、広告投影装置200は、一台の車両をスクリーンとする広告画像を投影するようにしても良いし、投影対象駐車領域を複数の車両が駐車できる程度の広さの領域とし、広告投影装置200は、この複数の車両をスクリーンとする広告画像を投影するようにしても良い。
【0043】
また、広告投影システム100が広告画像を投影する対象は、車両に限らない。広告投影システム100は、例えば、鉄道や船舶などの他の移動体に広告を投影するようにしても良い。
【0044】
<広告投影システム100における処理動作>
図4は、記憶部330に記憶された画像が広告画像である場合の広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。広告投影装置200において、制御部210は、駐車領域に車両が駐車されたときに、車両情報取得部220により、この駐車車両の車両情報を取得する(ステップS401)。送受信部230は、この取得された車両情報をサーバ300に送信する(ステップS402)。
【0045】
サーバ300において、制御部310は、送受信部320により、広告投影装置200から送信された車両情報を受信する(ステップS403)。投影領域設定部311は、受信された車両情報に基づいて、広告画像を投影する投影領域を駐車車両の表面上に設定する(ステップS404)。広告選択部312は、広告選択条件に基づいて、設定された投影領域に投影する広告画像を、記憶部330に記憶された広告画像の中から選択する(ステップS405)。制御部310は、送受信部320により、選択された広告画像を広告投影装置200に送信する(ステップS406)。
【0046】
広告投影装置200において、制御部210は、送受信部230により、サーバ300から送信された広告画像を受信する(ステップS407)。制御部210は、投影部240により、受信された広告画像を駐車車両に投影する(ステップS408)。
【0047】
図5は、記憶部330に記憶された画像が広告画像の素材画像である場合の広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。広告投影装置200において、制御部210は、駐車領域に車両が駐車されたときに、車両情報取得部220により、この駐車車両の車両情報を取得する(ステップS501)。制御部210は、送受信部230により、この取得された車両情報をサーバ300に送信する(ステップS502)。
【0048】
サーバ300において、制御部310は、送受信部320により、広告投影装置200から送信された車両情報を受信する(ステップS503)。投影領域設定部311は、受信された車両情報に基づいて、広告画像を投影する投影領域を駐車車両の表面上に設定する(ステップS504)。広告選択部312は、広告選択条件に基づいて、設定された投影領域に投影する広告画像の素材画像を記憶部330に記憶された素材画像の中から選択する(ステップS305)。広告画像生成部313は、設定された投影領域に基づいて、選択された素材画像を加工し、広告画像を生成する(ステップS506)。制御部310は、送受信部320により、生成された広告画像を広告投影装置200に送信する(ステップS507)。
【0049】
広告投影装置200において、制御部210は、送受信部230により、サーバ300から送信された広告画像を受信する(ステップS508)。制御部210は、投影部240により、受信された広告画像を駐車車両に投影する(ステップS509)。
【0050】
<広告投影の許可>
広告投影システム100は、広告の投影を許可された車両のみに、広告を投影するようにしても良い。そのために、例えば、サーバ300の制御部310は、駐車車両が広告の投影を許可された車両であるのか否かを確認する投影許可確認部を有するようにすると良い。
【0051】
広告の投影の可否は、駐車がされたときに、駐車車両の使用者または所有者に確認するようにしても良い。このとき、例えば、広告投影装置200が、駐車車両の使用者または所有者から広告の投影の可否に関する入力を受ける手段(例えば、スイッチボタンや、タッチパネルなどの入力装置)を有するようにし、この入力情報がサーバ300に送信されるようにしても良い。このようにすることで、投影許可確認部は、この入力情報により、駐車車両が広告の投影を許可された車両であるのか否かを確認することが可能になる。
【0052】
また、広告の投影の可否は、事前に、駐車車両の使用者または所有者に確認するようにしても良い。このとき、例えば、広告の投影を許可する車両の使用者または所有者に、広告の投影を許可することを示すコードが印刷されたシール等を配布し、車両の側面などの車両の表面にこのシール等を貼付してもらうようにすると良い。このようにすることで、投影許可確認部は、周知の画像解析方法などにより、車両情報に含まれる駐車車両の画像に基づいて、駐車車両が広告の投影を許可された車両であるのか否かを確認することが可能になる。
【0053】
駅前のロータリーの場合は、投影対象駐車領域に駐車された車両には広告画像が投影されることを明示しておき、投影対象駐車領域には広告画像を許可する車両のみが止められるようにすると良い。例えば、駅に近い領域を投影対象駐車領域とすることで、車両の使用者または所有者は、車両への広告投影を許可することで、駅に近い領域に駐車できるメリットを得ることができるようにすると良い。また、サービスエリアやパーキングエリアの駐車領域の場合も、広告を投影する駐車領域には、駐車された車両には広告画像が投影されることを明示しておき、この駐車領域には広告画像を許可する車両のみが止められるようにすると良い。例えば、サービスエリアやパーキングエリアの建物に近い駐車領域を、広告を投影する駐車領域とすることで、車両の使用者または所有者は、車両への広告投影を許可することで、駅に近い領域に駐車できるメリットを得ることができるようにすると良い。
【0054】
<広告を投影する車両の選択>
図6は、本発明の一実施例に係る投影領域設定部311を示す図である。車両によっては、その表面に絵や文字が塗装されているものもある。このように、絵や文字が塗装されている車両に広告画像を投影したとしても、広告画像の絵や文字が車両に塗装された絵や文字と重なってしまい、広告の内容が認識されにくくなる可能性がある。また、黒色などの濃い色の車両に広告を投影したとしても、広告の内容が認識されにくくなる可能性がある。つまり、絵や文字が塗装された車両や黒色などの濃い色の車両は、広告画像を投影するスクリーンに適していない。このようなスクリーンに適してない車両に広告画像を投影したとしても、広告効果は小さい。そこで、例えば、このようなスクリーンに適してない車両を広告画像の投影対象から排除するために、本実施例に係る投影領域設定部311は、条件判定部3111と、投影決定部3112と、を有する。
【0055】
投影領域設定部311は、広告画像を投影可能な領域(広告投影可能領域)にある車両が所定の条件を満たすのか否かを判定する条件判定部3111と、この車両が所定の条件を満たす場合に、この車両に広告を投影することを決定し、この車両が所定の条件を満たさない場合に、この車両に広告を投影しないことを決定する投影決定部3112と、を有する。広告投影可能領域は、例えば、駐車領域に駐車された車両に広告を投影する場合、この駐車領域であり、ロータリーに駐車している車両に広告を投影する場合、このロータリーのうちの投影対象駐車領域である。つまり、本実施例では、投影領域設定部311は、車両の表面上に投影領域を設定する前に、この車両が所定の条件を満たすのか否かを確認し、所定の条件を満たす車両だけを広告の投影対象に決定し、この投影対象に決定された車両のみについて、広告を投影するための投影領域を設定する。
【0056】
所定の条件は、車両の表面のうちの広告画像を投影することが可能な表面(投影可能面)の色に関する条件、投影可能面上の文字に関する条件の少なくともいずれかを含むようにすると良い。より具体的には、所定の条件は、(条件1)投影可能面の塗装に使用された色の数が所定の値以下である、(条件2)投影可能面の色が所定の色でない、(条件3)投影可能面に文字が塗装されていない、の少なくともいずれかを含むようにすると良い。ここで、投影可能面の塗装に複数の色が含まれているときは、(条件2)の投影可能面の色として、投影可能面の特徴的な色を用いると良い。投影可能面の特徴的な色は、例えば、投影領域を色ごとに複数の領域に区画したときに区画された領域のうちの一番大きな領域の色にすると良い。
【0057】
このようにすることで、スクリーンに適していない車両を、広告画像の投影対象から排除することが可能になる。例えば、所定の条件に(条件1)を含めることで、表面に多数の色が使用されている車両、つまり、表面に絵が塗装されているために広告効果が低い車両を広告の投影対象から排除することが可能になる。また、所定の条件に(条件2)を含め、所定の色を黒色などの濃い色にすることで、黒色などの濃い色で塗装された車両を排除することが可能になる。また、所定の条件に(条件3)を含めることで、表面に文字が塗装された車両が広告の投影対象から排除することが可能になる。
【0058】
一方、白色などの淡い色の車両は、広告を投影するスクリーンに適している。このようなスクリーンに適した車両、つまり、広告効果が高い車両のみを広告の投影対象としても良い。そこで、所定の条件は、(条件4)投影可能面の色が所定の色である、を含むようにしても良い。所定の条件に(条件4)を含め、所定の色を白色などの淡い色にすることで、スクリーンに適した白色などの薄い色の車両のみに広告を投影することが可能になる。
【0059】
このとき、条件判定部3111は、例えば、周知の画像解析方法により、車両情報に含まれる車両の画像に基づいて、投影可能面の色に関する色情報の取得や、投影可能面に文字が塗装されているのか否かの判別を行うと良い。
【0060】
広告主によっては、特定の車両に広告を投影することを望まない場合などがある。例えば、A社は、A社とライバルのB社の関連会社が製造した車両に自社の広告を投影することを望まないかもしれない。そこで、例えば、記憶部330は、広告の投影対象でない車種やブランドが記載された排除車種リストも記憶するようにし、所定の条件は、(条件5)車両の車種やブランドが、排除車種リストに含まれていない、を含むようにすると良い。このようにすることで、広告主が広告を投影することが望まない車種やブランドの車両を広告の投影対象から排除することが可能になる。
【0061】
一方、広告主によっては、特定の車両に広告を投影することを望む場合などがある。例えば、広告主によっては、高級車のみに広告を投影することを望むかもしれない。そこで、例えば、記憶部330は、広告の投影対象である車種やブランドが記載された対象車種リストも記憶するようにし、所定の条件は、(条件6)車両の車種やブランドが、対象車種リストに含まれている、を含むようにすると良い。このようにすることで、広告主が広告を投影することを望む車種やブランドの車両のみに広告を投影することが可能になる。
【0062】
このとき、条件判定部3111は、例えば、周知の画像解析方法により、車両情報に含まれる車両の画像に基づいて、車両の車種やブランドの判別を行うと良い。
【0063】
図7は、投影領域設定部311における処理動作の一例を示す図である。条件判定部3111は、広告投影可能領域にある車両が所定の条件を満たすのか否かを判定する(ステップS701)。投影決定部3112は、車両が所定の条件を満たすならば(ステップS701、YES)、この車両に広告を投影することを決定し(ステップS702)、車両が所定の条件を満たさないならば(ステップS701、NO)、この車両に広告を投影しないことを決定する(ステップS703)。
【0064】
<広告の選択1>
図8は、本発明の一実施例に係る広告選択部312を示す図である。車両の色と広告の配色との相性が悪い場合、広告を車両に投影としたとしても、広告の内容を視認することが困難になることがある。例えば、文字が黒く配色された広告は、黒色の車両に投影された場合、この文字部分の視認することが困難になる。
【0065】
そこで、本実施例に係る記憶部330に記憶された広告画像の各々は、少なくとも1つの色に関係付けられて、本実施例に係る広告選択部312は、投影領域の色に関する色情報を取得する投影領域色取得部3121と、この取得された色情報と広告画像の各々に関係付けられた色とに基づき、投影領域に投影する画像を、記憶部330に記憶された広告画像の中から選択する選択部3122と、を有する。
【0066】
これにより、例えば、記憶部330に記憶された広告画像の各々に、この広告画像の配色に相性の良い色を関係付け、選択部3122が、投影領域の色と同じ色に関係付けられている広告画像を選択することで、投影領域には、この投影領域の色と相性の良い配色の広告画像のみが投影されることになる。
【0067】
投影領域に複数の色が含まれているときには、投影領域色取得部3121は、投影領域の特徴的な色を取得するようにすると良い。ここで、例えば、投影領域を色ごとに複数の領域に区画したときに区画された領域のうちの一番大きな領域の色を投影領域の特徴的な色とすると良い。
【0068】
また、例えば、製品やサービスなどの広告対象の各々に対して、複数の配色の広告の画像を用意し、これらの広告の画像を記憶部330が記憶するようにすると良い。つまり、同じ広告対象に対して、複数の配色の広告の画像を用意するようにすると良い。このようにすることで、駐車車両の色がどのような色であっても、その広告対象に対する広告を駐車車両に視認可能に投影することが可能になる。
【0069】
また、記憶部330に広告画像の素材画像が記憶されているときは、素材画像の各々を、少なくとも1つの色に関係付けるようにすると良い。そして、選択部3122が、投影領域の色と同じ色に関係付けられている素材画像を選択し、広告画像生成部313が、選択された素材画像をその配色を変更することなく加工し、広告画像を生成するようにすることで、投影領域には、この投影領域の色と相性の良い配色の広告画像のみが投影されることになる。
【0070】
図9は、広告選択部312における処理動作の一例を示す図である。広告選択部312は、投影領域の色に関する色情報を取得する(ステップS901)。取得された色情報と、広告画像の各々に関係付けられた色とに基づき、投影される広告画像を選択する(ステップS902)。
【0071】
<広告の選択2>
図10に示すように、複数の駐車領域PA1~PA4が並んでおり、この複数の駐車領域PA1~PA4に、複数の車両AM1~AM3が連続して駐車しているような場合がある。このようなとき、図10に示すように、複数の画像AD1-1~AD1-3により構成される連続広告AD1をこの複数の車両AM1~AM3に投影するようにすると良い。このような連続広告は、一台の車両に投影される単独広告よりも大きなサイズの広告を提示することが可能であり、単独広告よりも観る者により大きなインパクトを与えることが可能である。また、このような連続広告は、複数の画像からなるシリーズ広告を提示することが可能である。
【0072】
そこで、本発明の一実施例に係る広告選択部312は、複数並んだ投影可能領域に、複数の車両が連続して駐車されていることを検出する連続駐車検出部3123と、連続して駐車している車両の数を取得する連続駐車台数取得部3124と、連続して駐車されている車両における各車両の位置を取得する位置取得部3125と、をさらに有し、本実施例に係る記憶部330は、一台の車両に投影することで1つの広告となる単独広告の画像の他に、連続して駐車する複数の移動体に投影することで1つの広告となる連続広告の画像も記憶している。そして、本実施例に係る選択部3122は、複数の車両が連続して駐車されているときに、この複数の車両に投影する広告として、連続広告を選択する。連続広告は、複数の広告画像で構成されていても良いし、1つの広告画像で構成されていても良い。
【0073】
例えば、図10に示すように、複数並んだ駐車領域PA1~PA4の各々に、広告投影装置200が設置されている場合は、連続広告は、複数の広告画像により構成されるようにすると良い。ここで、複数並んだ駐車領域PA1~PA4は、複数並んだ投影可能領域に対応する。図10に示した例では、連続駐車検出部3123は、複数並んだ駐車領域PA1~PA4に、複数の車両AM1~AM3が連続して駐車していることを検出する。
【0074】
そして、選択部3122は、連続駐車台数取得部3124により取得された連続して駐車している車両の数と同じ数の広告画像により構成された連続広告を、この連続して駐車している車両に投影する広告として選択する。図10に示した例では、3台の車両AM1~AM3が連続して駐車しており、選択部3122は、車両AM1~AM3に投影する広告として、3つの広告画像AD1-1~AD1-3により構成された連続広告AD1を選択する。
【0075】
また、選択部3122は、位置取得部3125により取得した連続して駐車している車両における各車両の位置に基づいて、各車両に投影する広告画像を、連続広告を構成する広告画像の中から選択する。図10に示した例では、連続して駐車された車両AM1~AM3は、左から車両AM1、車両AM2、車両AM3の順で並んでおり、連続広告AD1は、左から広告画像AD1-1、広告画像AD1-2、広告画像AD1-3の順で並ぶことで、1つの広告となる。そこで、選択部3122は、車両AM1に投影する広告画像として広告画像AD1-1を選択し、車両AM2に投影する広告画像として広告画像AD1-2を選択し、車両AM3に投影する広告画像として広告画像AD1-3を選択する。
【0076】
また、例えば、図11に示したように、駅前のロータリーの投影対象駐車領域OAに連続して駐車された車両AM1~AM3に連続広告を投影する場合には、1つの広告投影装置200により1つの広告画像により構成される連続広告AD2を投影するようにしても良い。このとき、選択部3122は、例えば連続駐車台数取得部3124により取得された連続して駐車している車両の数に応じたサイズの連続広告を、この連続して駐車している車両に投影する広告として選択する。
【0077】
連続駐車検出部3123は、所定の時間間隔ごとに、複数並んだ投影可能領域のそれぞれについて車両が駐車しているかを順次確認することで、複数の車両が連続して駐車されていることの検出を行っても良いし、例えば、複数並んだ投影可能領域の一つに新たに車両が駐車されたタイミングで、複数の車両が連続して駐車されていることの検出を行っても良い。
【0078】
複数並んだ投影可能領域の一つに新たに車両が駐車されたタイミングで複数の車両が連続して駐車されていることの検出を行う場合、連続駐車検出部3123は、新たに車両が駐車された投影可能領域を注目投影可能領域として設定し、この注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかに車両が駐車されているのか否かを確認することで、複数の車両が連続して駐車されていることを検出し、選択部3122は、注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかに車両が駐車されているならば、注目投影可能領域に駐車している車両に投影する広告として、連続広告を選択し、注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかにも車両が駐車されていないならば、注目投影可能領域に駐車している車両に投影する広告として、単独広告を選択する。
【0079】
図12は、広告選択部312における処理動作の一例を示す図である。連続駐車検出部3123は、注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかに車両が駐車されているのか否かを確認する(ステップS1201)。選択部3122は、注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかに車両が駐車されているならば(ステップS1201、YES)、注目投影可能領域に駐車している車両に投影する広告として、連続広告を選択する(ステップS1202)。選択部3122は、注目投影可能領域の両隣の投影可能領域のいずれかにも車両が駐車されていないならば(ステップS1201、NO)、注目投影可能領域に駐車している車両に投影する広告として、単独広告を選択する(ステップS1203)。
【0080】
広告の投影が許可された車両のみに広告を投影する場合には、連続駐車検出部3123は、複数並んだ投影可能領域に、広告の投影を許可している複数の車両が連続して駐車されていることを検出するようにすると良い。このとき、記憶部330が、複数並んだ投影可能領域に駐車された車両の各々について、広告の投影を許可しているのか否かの情報を記憶するようにすると良い。
【0081】
図13(A)に示すように、駐車領域PA1、PA3、PA4には、車両が駐車されているが、駐車領域PA2が空いているような場合がある。このような場合は、例えば、駐車領域PA1に駐車された車両AM1には単独広告AD3が投影され、駐車領域PA3、PA4に連続して駐車された車両AM3、AM4には、2つの広告画像AD4-1、AD4-2により構成される連続広告AD4が投影される。このような状態で、図13(B)のように、駐車領域PA2に車両AM2が駐車されたときには、広告投影システム100では、単独広告AD3、連続広告AD4の投影を停止し、車両AM1~AM4に連続AD5を投影するようにすると良い。
【0082】
このとき、例えば、連続駐車検出部3123は、複数の投影可能領域のうちの1つである注目投影可能領域の両隣の投影可能領域に車両が駐車されているのか否かを確認することで、複数の車両が連続して駐車されていることを検出する。図13に示した例では、新たに車両が駐車された駐車領域PA2が注目投影可能領域として設定され、連続駐車検出部3123は、駐車領域PA2の両隣の駐車領域PA1、PA3のいずれかに車両が駐車されているのか否かを確認することで、複数の車両が連続して駐車されていることを検出する。
【0083】
そして、選択部3122は、連続駐車台数取得部3124により取得された連続して駐車している車両の数と同じ数の広告画像により構成された連続広告を、この連続して駐車している車両に投影する広告として選択する。図13(B)に示した例では、4台の車両AM1~AM4が連続して駐車しており、選択部3122は、4つの広告画像AD5-1~AD5-4により構成された連続広告AD5を選択する。
【0084】
また、選択部3122は、位置取得部3125により取得された各車両の位置に基づいて、各車両に投影する広告画像を、連続広告を構成する広告画像の中から選択する。図13(B)に示した例では、連続して駐車された車両AM1~AM4は、左から車両AM1、車両AM2、車両AM3、車両AM4の順で並んでおり、連続広告AD5は、左から広告画像AD5-1、広告画像AD5-2、広告画像AD5-3、広告画像AD5-4の順で並ぶことで、1つの広告となる。そこで、選択部3122は、車両AM1に投影する広告画像として広告画像AD5-1を選択し、車両AM2に投影する広告画像として広告画像AD5-2を選択し、車両AM3に投影する広告画像として広告画像AD5-3を選択し、車両AM4に投影する広告画像として広告画像AD5-4を選択する。
【0085】
そして、制御部310は、送信部320により、車両PA1に対応する広告投影装置200に広告AD5-1を送信し、車両PA2に対応する広告投影装置200に広告AD5-2を送信し、車両PA3に対応する広告投影装置200に広告AD5-3を送信し、車両PA4に対応する広告投影装置200に広告AD5-4を送信し、広告投影装置200の各々は、送信された広告画像を受信し、受信した広告画像を車両に投影する。
【0086】
なお、記憶部330は、連続広告として、2つの広告画像により構成された2連続広告、3つの広告画像により構成された3連続広告、4つの広告画像により構成された4連続広告など、連続駐車台数に応じた複数パターンの連続広告を記憶していても良い。
【0087】
また、記憶部330は、連続広告を構成する広告画像そのものを記憶していても良いし、連続広告を構成する広告画像の素材画像を記憶し、制御部310は、広告画像生成部350によりこの素材画像を加工することで生成された広告画像を広告投影装置200に送信するようにしても良い。
【0088】
図14は、図13に示した例における広告投影システム100における処理動作の一例を示す図である。駐車領域PA1に対応する広告投影装置200が、車両AM1に単独広告の広告画像AD3を投影し、駐車領域PA3に対応する広告投影装置200が、車両AM3に連続広告AD4の広告画像AD4-1を投影し、駐車領域PA4に対応する広告投影装置200が、車両AM4に連続広告AD4の広告画像AD4-2を投影している(ステップS1401)。駐車領域PA2に車両AM2が駐車されたときに、駐車領域PA2に対応する広告投影装置200が、車両AM2の車両情報を取得し、サーバ300に車両AM2の車両情報を送信する(ステップS1402)。
【0089】
サーバ300において、制御部310は、送受信部320により、車両AM2の車両情報を受信し、投影領域設定部311は、車両AM2の表面上に投影領域を設定する(ステップS1403)。サーバ300において、広告選択部312の連続車両検出部3123は、駐車領域PA2の両隣の駐車領域PA1、PA3のいずれかに車両が駐車されているのか否かを確認することで、複数の車両が連続して駐車されていることを検出し、広告選択部312の選択部3122は、車両AM1~AM4に投影する広告として、連続駐車台数取得部3124により取得された連続して駐車している車両の数と同じ数の広告画像、つまり、4つの広告画像AD5-1~AD5-4からなる連続広告AD5を選択し、位置取得部3125により取得された各車両の位置に基づいて、車両AM1に投影する広告画像として広告画像AD5-1を選択し、車両AM2に投影する広告画像として広告画像AD5-2を選択し、車両AM3に投影する広告画像として広告画像AD5-3を選択し、車両AM4に投影する広告画像として広告画像AD5-4を選択する(ステップS1404)。サーバ300において、制御部310は、送受信部320により、広告画像AD5-1を駐車領域PA1に対応する広告投影装置200に送信し、広告画像AD5-2を駐車領域PA2に対応する広告投影装置200に送信し、広告画像AD5-3を駐車領域PA3に対応する広告投影装置200に送信し、広告画像AD5-4を駐車領域PA4に対応する広告投影装置200に送信する(ステップS1405)。
【0090】
駐車領域PA1に対応する広告投影装置200は、広告画像AD5-1を受信し、車両AM1に広告画像AD5-1を投影し、駐車領域PA2に対応する広告投影装置200は、広告画像AD5-2を受信し、車両AM2に広告画像AD5-2を投影し、駐車領域PA3に対応する広告投影装置200は、広告画像AD5-3を受信し、車両AM3に広告画像AD5-3を投影し、駐車領域PA4に対応する広告投影装置200は、広告画像AD5-4を受信し、車両AM4に広告画像AD5-4を投影する(ステップS1406)。
【0091】
<広告画像の生成1>
車両の側面全体に広告画像を投影しようとした場合、車両の側面の形状には様々なものがあり、単に矩形の広告画像を投影すると、車両の側面からはみ出してしまう投影光が生じる。このはみ出した投影光は、車両の側面以外の物や人を照らしてしまう可能性がある。そこで、車両の側面全体に広告画像を投影する際には、車両の側面からはみ出してしまう投影光を遮断すると良い。しかしながら、このように投影光の一部を遮断した場合、広告画像のうちの重要な部分の投影光も遮断され、重要な部分の一部が欠けた状態で投影されてしまう可能性がある。そのために、投影光の一部を遮断したとしても、重要な部分の一部が欠けて投影されないように、広告画像を生成する必要がある。重要な部分としては、ブランド名やメッセージなど文字部分や、クーポン配信のための二次元コード部分などが考えらえる。
【0092】
そこで、本発明の一実施例に係る記憶部330に記憶された広告画像の素材画像は、背景となる画像と、この背景上に表示させる1以上のパーツを含んでいる。図15(A)、4-2は、記憶部330に記憶された素材画像の例を示す図である。図15(A)に示した例では、素材画像は、背景Bと1つのパーツPにより構成され、図16に示した例では、素材画像は、背景Bと複数のパーツP1~P5により構成されている。なお、図15、4-2において、背景、パーツの形状は、矩形であるが、背景、パーツの形状は、矩形に限らず、どのような形状であっても良い。
【0093】
そして、本実施例に係る広告画像生成部313は、素材画像を記憶部330から取得し、背景となる画像を車両の形状に応じて成形し、成形された背景内に素材画像のパーツが収まるようにパーツを加工し、広告画像を生成する。広告画像生成部313は、上記実施形態の広告取得部と広告画像生成部に対応する。
【0094】
パーツの加工としては、例えば、移動や縮小がある。例えば、図15に示された例では、背景Bが、図15(B)のように、車両の側面の形状に応じてトリミングされ、パーツPが、このトリミングされた背景B内に収まるように加工され、広告画像が生成されている。図15に示された例において、パーツPは、このトリミングされた背景B内に収まるように移動され、縮小されている。
【0095】
このようにすることで、本実施例では、パーツの部分は欠けることなく、広告を車両に投影することが可能になる。よって、本実施例では、広告画像のうちの重要な部分を、背景Bから分けて、パーツPとしておくことで、重要部分が欠けることなく、広告画像を車両に投影することができる。
【0096】
また、図16に示したように、素材画像を、背景Bと複数のパーツP1~P5により構成するようにしても良い。このときは、複数のパーツP1~P5の各々は、背景B上での標準位置に関連付けられるようにすると良い。標準位置は、例えば、背景B上での二次元座標で示すと良い。
【0097】
そして、図16に示した例では、図17に示すように、素材画像が加工される。まず、図17(A)に示すように、広告画像生成部313は、例えば、背景Bを車両の形状に合うようにトリミングする。
【0098】
パーツP1~P4の各々は、背景B上に、図17(A)に示すように標準位置に配置されているが、図17(A)において、パーツP1、P3、P4は、トリミングされた背景B内に収まっていない。そこで、広告画像生成部313は、図17(B)に示すように、パーツP1、P3、P4を、トリミングされた背景B内に収まるように移動する。
【0099】
図17に示した例では、各パーツを垂直方向に移動させることで、トリミングされた背景B内に収まるようにしているが、トリミングされた背景内に収まっていないパーツをトリミングされた背景内に収まるように移動する方法には、様々な方法がある。例えば、パーツを水平方向に移動するようにしても良い。または、パーツの移動距離が最短となる方向にパーツを移動するようにしても良い。また、トリミングされた背景B内に収まっていないときにどのように移動するのかの情報も、各パーツに付すようにし、この情報に基づいて、各パーツを移動するようにしても良い。
【0100】
図17(B)において、パーツP3は、他のパーツと重なっていないが、パーツP1は、パーツP2に重なっており、パーツP4は、パーツP5に重なっている。そこで、複数のパーツP1~P5の各々には、優先順位が付されるようにすると良い。
【0101】
例えば、図17に示した例では、パーツP1は、パーツP2より優先順位が高く、
パーツP5は、パーツP4より優先順位が高いとする。このとき、広告画像生成部313は、例えば、パーツP1より優先順位が低いパーツP2を、パーツP1との重なりがなくなるように縮小し、パーツP5より優先順位が低いパーツP4を、パーツP5との重なりがなくなるように、縮小することで、図17(C)に示した広告画像を生成する。このようにすることで、本実施例では、重要度が高いパーツほど優先順位が高くなるように優先順位を設定しておくことで、すべてのパーツが欠けることなく、かつ、重要度の高いパーツの大きさは変わることなく、広告画像を車両に投影することが可能になる。
【0102】
パーツによっては、一部が欠けても良いが、縮小されると良くないパーツがある。このようなパーツには、他のパーツが上に重なっても良いパーツであることを示す情報を付すようにすると良い。例えば、図17に示した例では、パーツ4は、他のパーツが上に重なっても良いパーツであるとする。このとき、広告画像生成部313は、例えば、パーツP1より優先順位が低いパーツP2を、パーツP1との重なりがなくなるように縮小し、パーツP4より優先順位が高いパーツP5を、パーツP4の上に重ねることで、図17(D)に示した広告画像を生成する。
【0103】
以上のように、本実施例では、複数のパーツの各々が背景B上での標準位置に関連づけられていることによって、各パーツの相対位置関係を大きく崩すことなく、広告画像が生成することが可能である。よって、本実施例では、広告の印象を大きく変えることなく、広告を車両に投影することが可能である。
【0104】
図18は、広告画像生成部313における処理動作の一例を示す図である。素材画像の背景をトリミングする(ステップS1801)。標準位置に配置されたパーツのすべてがトリミングされた背景内に収まっているかの否かを確認する(ステップS1802)。トリミングされた背景内に収まっていないパーツがある場合(ステップS1802、YES)、トリミングされた背景内に収まっていないパーツをトリミングされた背景内に移動する(ステップS1803)。移動されたパーツが他のパーツに重なっているか否かを確認する(ステップS1804)。当該移動されたパーツが他のパーツに重なっている場合(ステップ1804、YES)、重なり合っているパーツのうちの優先順位が低い方を縮小する(ステップS1805)。
【0105】
<広告画像の生成2>
図19は、本発明の一実施例に係る広告画像生成部313を示す図である。広告を車両の側面全体に投影しようとした場合、車両の側面には、ボディ部分や、ドアパネル部分、ドアガラス部分、バンパー部分、タイヤ部分などがあり、部分によって、色や、平坦度、透明度などが異なり、広告を投影するスクリーンとしての適合度が異なる。例えば、白色に塗られたドアパネルなどは、白色の大きな領域であり、広告を投影するスクリーンとしては適している。一方、タイヤ部分は、一般に黒であり、凹凸もあるため、広告を投影するスクリーンとしては適していない。広告のうちの重要な部分は、視認可能に投影する必要があり、できる限り、スクリーンとして適した領域に投影するのが良い。
【0106】
そこで、本実施例に係る記憶部330に記憶された広告の素材画像は、予め設定された重要パーツを含み、本実施例に係る広告画像生成部313は、車両の表面の複数の領域の各々について、領域の色、大きさ、平坦度の少なくともいずれかを含む領域情報を取得する領域情報取得部3131と、この領域情報に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択する投影領域選択部3132と、を有する。これにより、本実施例に係る広告画像生成部313は、重要パーツがスクリーンとして適した領域に投影されるように広告画像を生成する。
【0107】
車両の表面の複数の領域は、例えば、投影領域設定部311が、周知の画像解析方法、3Dデータ解析方法により、車両情報に含まれる車両の画像や3Dデータなどに基づいて、車両の表面を区画することで設定し、領域情報取得部3131が、この区画された領域ごとに、周知の画像解析方法、3Dデータ解析方法により、車両情報に含まれる車両の画像や3Dデータなどに基づいて、領域情報を取得するようにすると良い。このとき、投影領域設定部311は、車両の画像に基づいて、周知の画像解析方法などにより、車両の表面の色分布を取得し、車両の表面を色ごとに複数の領域を区画するようにしても良い。または、例えば、車両の表面の複数の領域は、記憶部330が車種ごとに車両の表面の複数の領域と各領域の色、大きさ、平坦度の少なくともいずれかを含む領域情報を記憶するようにしても良い。そして、領域情報取得部3131が、周知の画像解析方法などにより、車両情報に含まれる車両の画像に基づいて、車両の車種を判定し、判定された車種に基づいて、車両の表面の複数の領域の各々について、記憶部330から領域情報を取得するようにしても良い。
【0108】
領域の色が白色などの淡い色であるときは、この領域は、反射率が高く、スクリーンに適している。一方で、領域の色が黒色などの濃い色であるときは、この領域は、反射率が低く、スクリーンに適していない。そこで、投影領域選択部3132は、領域の色に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択することが可能になる。例えば、投影領域選択部3132は、重要パーツを投影させる領域として、黒色などの濃い色の領域でなく、白色などの淡い色の領域を選択するようにすると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い領域に、重要パーツを投影することが可能になり、重要パーツを視認可能に投影することが可能になる。
【0109】
また、領域の大きさが大きいほど、画像を大きく投影することが可能であり、画像の視認性を高めることが可能である。よって、領域は、その大きさが大きいほど、広告を投影するスクリーンに適している。そこで、投影領域選択部3132は、領域の大きさに基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択することが可能になる。例えば、投影領域選択部3132は、重要パーツを投影させる領域として、複数の領域の中で一番大きい領域、または面積が所定の閾値より高い領域を選択すると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い領域に、重要パーツを投影することが可能になり、重要パーツを視認可能に投影することが可能になる。
【0110】
領域が平坦であるほど、投影された画像が歪むことが抑えられ、画像の視認性を高くなる。よって、領域は、平坦であるほど、広告を投影するスクリーンに適している。そこで、投影領域選択部3132は、領域の平坦度に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、重要パーツを投影させる領域を、複数の領域の中から選択することが可能になる。例えば、投影領域選択部3132は、重要パーツを投影させる領域として、複数の領域の中で平坦度が一番高い領域、または平坦度が所定の閾値より高い領域を選択すると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い領域に、重要パーツを投影することが可能になり、重要パーツを視認可能に投影することが可能になる。
【0111】
図20は、広告画像生成部313における処理動作の一例を示す図である。車両の表面の複数の領域の各々について、領域情報を取得する(ステップS2001)。領域情報に基づいて、重要パーツを投影する領域を、複数の領域の中から選択する(ステップS2002)。
【0112】
広告画像生成部350は、領域ごとに領域情報に基づいてスクリーン適合度を算出するようにしても良い。そして、投影領域選択部3132は、重要パーツを投影させる領域を、スクリーン適合度に基づいて、複数の領域の中から選択するようにしても良い。ここで、スクリーン適合度は、広告のスクリーンとしてどの程度適しているかを示す値である。
【0113】
例えば、スクリーン適合度は、領域の色、大きさ、平坦度の少なくともいずれかに基づいて算出されるようにすると良い。上述したように、白色などの淡い色の領域は、黒色などの濃い色の領域よりもスクリーンに適している。そこで、スクリーン適合度は、白色などの淡い色の領域のスクリーン適合度が黒色などの濃い色の領域のスクリーン適合度よりも大きくなるように定義するようにすると良い。また、領域は、その大きさが大きいほど、広告を投影するスクリーンに適している。そこで、スクリーン適合度は、領域の大きさが大きいほどスクリーン適合度が大きくなるように定義すると良い。また、領域は、平坦であるほど、広告を投影するスクリーンに適している。そこで、スクリーン適合度は、領域の平坦度が大きいほどスクリーン適合度が大きくなるように定義すると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い領域に、重要パーツを投影することが可能になり、重要パーツを視認可能に投影することが可能になる。
【0114】
また、投影領域選択部3132は、複数の領域の中にスクリーン適合度が所定の閾値以上である領域が存在するのかを確認し、複数の領域の中にスクリーン適合度が所定の閾値以上である領域が存在するならば、そのスクリーン適合度が所定の閾値以上である領域の中から重要パーツを投影させる領域を選択するようにしても良い。また、投影領域選択部3132は、複数の領域の中にスクリーン適合度が所定の閾値以上である領域が存在しないならば、その車両を広告の投影対象としないようにしても良い。このようにすることで、スクリーン適合度がある程度高い領域が存在する車両にのみ広告を投影することが可能になる。
【0115】
広告画像の素材画像に含まれる重要パーツが複数である場合は、重要パーツの各々に、重要パーツ間の位置関係を付しておき、投影領域選択部3132は、複数の重要パーツの各々を投影する領域を、当該重要パーツ間の位置関係と、スクリーン適合度が所定の閾値以上である領域間の位置関係と、に基づいて、スクリーン適合度が所定の閾値以上である領域の中から選択するようにすると良い。例えば、重要パーツが2つあり、スクリーン適合度が所定の閾値以上である領域が2つ以上ある場合は、2つの重要パーツが左右の位置関係にある場合、スクリーン適合度が所定の閾値以上である領域の中から、左右の位置関係にある領域を、2つの重要パーツを投影する領域として選択するようにすると良い。このようにすることで、重要パーツの位置関係を崩すことなく、重要パーツを視認可能に投影することが可能になる。
【0116】
また、例えば、横長の重要パーツを縦長の領域に投影した場合、この領域において、重要パーツが投影された部分の面積に比べ、重要パーツが投影されていない部分の面積が大きくなってしまう。結果、このような領域には、重要パーツを投影した場合、重要パーツが大きく投影することができず、重要パーツの視認性が悪くなる。そこで、投影領域選択部3132は、周知の画像解析方法により、複数の領域の各々について、当該領域の形が重要パーツを投影するのに適しているのか否かを判定し、重要パーツを投影させる領域を、重要パーツを投影するのに適した形である領域の中から選択するようにしても良い。例えば、投影領域選択部3132は、複数の領域の各々について、重要パーツのアスペクト比と当該領域のアスペクト比とに基づいて、当該領域の形が重要パーツを投影するのに適しているのか否かを判定すると良い。また、投影領域選択部3132は、複数の領域の中に重要パーツを投影するのに適した形である領域がないならば、その車両を広告の投影対象としないことを決定するようにしても良い。
【0117】
また、広告画像の素材画像に含まれる重要パーツが複数である場合、重要パーツの各々に優先順位を付し、投影領域選択部3132は、複数の重要パーツの各々について、当該重要パーツを投影する領域を、当該重要パーツの優先順位とスクリーン適合度とに基づいて、複数の領域の中から選択するようにしても良い。このようにすることで、例えば、重要度が高い重要パーツほど優先順位が高くなるように優先順位を設定することで、重要度が高い重要パーツを、よりスクリーンに適した領域に投影することが可能になり、重要度が高い重要パーツをより視認可能に投影することが可能になる。
【0118】
<インセンティブの設定>
図21は、本発明の一実施例に係るインセンティブ設定部314を示す図である。広告を投影する車両の使用者または所有者に対するインセンティブは、広告効果に基づいて設定するのが良い。つまり、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者には、より高いインセンティブを設定するのが良い。このようにすることで、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者に、その車両を投影可能領域に駐車することを動機付けることが可能になる。そこで、本実施例に係るインセンティブ設定部314は、車両の表面のうちの投影可能面の情報(投影可能面情報)を取得する投影可能面情報取得部3141と、取得した投影可能面情報に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定する設定部3142と、を有する。
【0119】
投影可能面情報は、投影可能面の色、大きさ、平坦度の少なくともいずれかを含むようにすると良い。投影可能面情報取得部3141は、例えば、周知の画像解析方法、3Dデータ解析方法により、車両情報に含まれる車両の画像や3Dデータなどに基づいて、投影可能面情報を取得するようにすると良い。
【0120】
投影可能面の色が白色などの淡い色であるときは、この投影可能面は、反射率が高く、スクリーンに適している。一方で、投影可能面の色が黒色などの濃い色であるときは、この投影可能面は、反射率が低く、スクリーンに適していない。そこで、設定部3142は、投影可能面の色に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定することが可能になる。例えば、設定部3142は、投影可能面の色が白色などの淡い色である車両の使用者または所有者に対するインセンティブを、投影可能面の色が黒色などの濃い色である車両の使用者または所有者に対するインセンティブより高くすると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い車両、つまり、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者に対するインセンティブを高く設定することが可能になり、結果、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者にその車両を投影可能領域に駐車することを動機付けることが可能になる。
【0121】
また、投影可能面の大きさが大きいほど、車両に大きな広告画像を投影することが可能であり、広告の視認性を高めることが可能である。よって、投影可能面は、その大きさが大きいほど、広告を投影するスクリーンに適している。そこで、設定部3142は、投影可能面の大きさに基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定することが可能になる。例えば、設定部3142は、車両の投影可能面の大きさが大きいほど、その車両の使用者または所有者に対するインセンティブより高くすると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い車両、つまり、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者に対するインセンティブを高く設定することが可能になり、結果、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者にその車両を投影可能領域に駐車することを動機付けることが可能になる。
【0122】
投影可能面が平坦であるほど、車両に投影された広告画像が歪むことが抑えられ、広告画像の視認性が高くなる。そこで、設定部3142は、投影可能面の平坦度に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定すると良い。このようにすることで、車両のスクリーンとしての適性に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定することが可能になる。例えば、設定部3142は、投影可能面の平坦度が高い車両の使用者または所有者に対するインセンティブを、投影可能面の平坦度が低い車両の使用者または所有者に対するインセンティブより高くすると良い。このようにすることで、広告を投影するスクリーンとしての適性が高い車両、つまり、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者に対するインセンティブを高く設定することが可能になり、結果、広告効果が高い広告投影が可能な車両の使用者または所有者にその車両を投影可能領域に駐車することを動機付けることが可能になる。
【0123】
インセンティブは、駐車料金に関するものにすると良い。インセンティブは、例えば、駐車料金に対する割引額または割引率にすると良い。このようにすることで、広告投影可能領域に駐車した場合、他の領域に駐車するよりも駐車料金が安くなり、車両を広告投影可能領域に駐車することを動機付けることが可能になる。また、インセンティブは、例えば、次回の駐車に使用できるクーポンにしても良い。
【0124】
設定部3142は、広告の投影が開始される前に、インセンティブを設定するようにすると良い。このようにすることで、例えば、広告の投影を開始する前に広告の投影の可否を駐車車両の使用者または所有者に確認する場合には、車両の使用者または所有者にその車両への広告投影を許可することを動機付けることが可能になる。
【0125】
また、設定部3142は、広告の投影が終了した後に、インセンティブを設定しても良い。このとき、設定部3142は、広告が投影された時間を取得し、広告が投影された時間に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定すると良い。例えば、設定部3142は、広告が投影された時間が長いほど、割引率を高くすると良い。このようにすることで、長時間駐車することによる駐車料金の上昇を和らげることが可能になり、車両の使用者または所有者に長時間の駐車を動機付けることが可能になる。結果、長時間の広告投影が可能になり、広告効果が高い広告投影が可能になる。
【0126】
図22は、インセンティブ設定部314における処理動作を示す図である。車両の投影可能面情報を取得する(ステップS2201)。投影可能面情報に基づいて、車両の使用者または所有者に対するインセンティブを設定する(ステップS2202)。
【0127】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0128】
100 広告投影システム
200 広告投影装置
210 制御部
220 車両情報取得部
230 送受信部
240 投影部
300 サーバ
310 制御部
311 投影領域設定部
3111 条件判定部
3112 投影決定部
312 広告選択部
3121 投影領域色取得部
3122 選択部
3123 連続駐車検出部
3124 連続駐車台数取得部
3125 位置取得部
313 広告画像生成部
3131 領域情報取得部
3132 投影領域選択部
314 インセンティブ設定部
3141 投影可能面情報取得部
3142 設定部
320 送受信部
330 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22