(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171879
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】塗料の色制御のための多数の色品質インジケータを決定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01J 3/46 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
G01J3/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023170508
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2020519108の分割
【原出願日】2018-10-04
(31)【優先権主張番号】17195024.9
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】390008981
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D-48165 Muenster,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カルロス ヴィニョーロ
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン シュトイフメール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同一の塗料が異なる表面に塗布されている場合に、塗料の色品質を迅速かつ容易に評価することができる方法を提供する。
【解決手段】塗料の色制御のための多数の色品質インジケータを決定するための方法に関し、色基準の比色座標及び塗料の比色座標は、塗装された各表面要素について、各々所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する分光光度計を用いて求められ、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、各々の色差が塗装された各表面要素に関して色基準の比色座標おび塗料の各比色座標から算出され、各比色座標は各々1つの重み係数で正規化され、色品質インジケータの各々は、予め定められたスケールのスケール値への、各測定ジオメトリおよび各光源に対する各表面要素の少なくとも1つの色差の間の各色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて決定される関数値の、マッピングルールによって定められるマッピングを用いて決定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料の色制御のための多数の様々な色品質インジケータを決定するための方法であって、
色基準の比色座標および塗料の比色座標は、塗料で塗装された多数の様々な表面要素および塗料で塗装された多数の様々な制御表面要素について、それぞれ、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する分光光度計で求められ、
前記所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび前記所定数の光源の各光源に対して、それぞれの色差は、塗料で塗装された多数の前記表面要素および塗料で塗装された多数の前記制御表面要素に関して前記色基準の比色座標および前記塗料のそれぞれの比色座標から計算され、
前記それぞれの比色座標は、それぞれ1つの重み係数で正規化され、
前記多数の色品質インジケータの各々は、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたスケールのスケール値への、前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対するそれぞれ前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つの色差の間の各色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて決定される関数値の、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングを用いて決定され、
前記色品質インジケータの少なくとも1つに関する前記数学的関係は、前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つおよび前記制御表面要素の少なくとも1つの色差の間の数学的関係に対応する、
方法。
【請求項2】
前記塗料に対する色差は、前記塗料の色度に依存して、以下のそれぞれの色差式で計算され、
無彩色領域:<dE>=(<dL>2+<da>2+<db>2)1/2
有彩色領域:<dE>=(<dL>2+<dC>2+<dH>2)1/2、
ここで、<dE>は、正規化された色差を示し、
<dL>=dL*/SLは、明度L*および正規化係数SLで正規化された明度を示し、
<da>=da*/Sa、<db>=db*/Sbは、色値a*,b*および正規化係数Sa,Sbで正規化された色値を示し、
<dC>=dC*/SCは、彩度C*および正規化係数SCで正規化された彩度を示し、
<dH>=dH*/SHは、色相角H*および正規化係数SHで正規化された色相角を示し、
前記正規化係数は、前記塗料で塗装されたそれぞれの表面要素を提供するために、前記塗料および/またはそれぞれの前記測定ジオメトリおよび/または前記塗料が塗布された下地のそれぞれの特性に依存して選択される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記塗料で塗装された多数の表面要素は、少なくとも、車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEM、車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の表面要素ASPを含み、前記塗料で塗装された多数の制御表面要素は、少なくとも、塗料メーカーによって塗装された車体用の制御表面要素QEM_QC、塗料メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品用の制御表面要素ASP_QCを含む、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれの比色座標は、それぞれ、前記色基準および前記塗装された多数の表面要素もしくは制御表面要素のそれぞれの反射値に基づいて決定される、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記それぞれの色差は、決定すべき色品質インジケータに応じて、2つの異なる許容値のうちの1つで正規化され、第1の許容値は、バッチの塗料で塗装された一連の表面要素について決定され、第2の許容値は、前記塗料のバッチのバッチ許容差として固定的に予め定められ、前記第1の許容値は、前記第2の許容値と係数gとの乗算によって生じ、前記係数gは、DIN 6175-2規格によって予め定められている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記バッチの塗料で塗装された一連の表面要素のうち、それぞれの色差がそれぞれ前記第1の許容値よりも大きい表面要素がカウントされて除去され、前記バッチの塗料で塗装された一連の表面要素の総数に対する除去された表面要素のカウント数に基づいて、一連の色品質インジケータCPIが決定され、前記除去された表面要素の割合は、予め定められた割り当てルールに従って予め定められたスケールのスケール値に割り当てられ、前記スケール値は、前記一連の色品質インジケータCPIの値を示す、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記所定数の測定ジオメトリは、少なくとも、45°の照明および-15°、15°、25°、45°、75°および110°の測定角度を有するそれぞれ1つの測定配置ならびに/または90°の測定角度および15°、45°、75°の照明および拡散照明を有するそれぞれ1つの測定配置を含む、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
バッチの塗料で塗装された一連の表面要素について決定されたそれぞれの色差に対して、予め定められた統計分析方法が実施され、外れ値が除去され、補正されたそれぞれの色差が提供される、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対する前記多数の色品質インジケータのうちの色品質インジケータBPIを決定するために、各々1つの第1の関数値が、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差の平均値として、および/または、車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の平均値として決定され、各表面要素で決定されたそれぞれの前記第1の関数値に、予め定められたマッピングルールを用いて、前記スケールのスケール値が割り当てられる、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対する前記多数の色品質インジケータのうちの色品質インジケータAPIを決定するために、各々1つの第2の関数値が、塗料メーカーによって塗装された車体用の制御表面要素OEM_QCもしくは塗料メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品用の制御表面要素ASP_QCの正規化された色差と、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差の平均値もしくは車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の平均値と、の間の差分の絶対値として決定され、各表面要素で決定されたそれぞれの前記第2の関数値に、予め定められたマッピングルールを用いて、それぞれ、前記スケールのスケール値が割り当てられる、
請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対する前記多数の色品質インジケータのうちの色品質インジケータCHIを決定するために、各々1つの第3の関数値が、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差の平均値と、車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の平均値と、の間の差分の絶対値として決定され、前記第3の関数値に、予め定められたマッピングルールを用いて、前記スケールのスケール値が割り当てられる、
請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
比色定数は、それぞれ、前記塗料のバッチに対して固定的に予め定められたバッチ許容差SCで重み付けされる、
請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対する前記多数の色品質インジケータのうちの色品質インジケータLPIを決定するために、各々1つの第4の関数値が、車体メーカーによって塗装された車体の1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差もしくは車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の分散として決定され、各表面要素で決定されたそれぞれの前記第4の関数値に、予め定められたマッピングルールを用いて、前記スケールのスケール値が割り当てられる、
請求項8から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
比色定数L*、a*、b*、C*、H*は、それぞれ次のように、すなわちL*は1.0で、a*は0.2で、b*は0.2で、C*は0.8で、H*は0.2で重み付けされる、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータまたは対応する計算ユニット上で実行されるときに、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法のすべてのステップを実施するように設計されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【請求項16】
塗料の色制御のための多数の様々な色品質インジケータを決定するためのシステムであって、
前記システムは、少なくとも分光光度計を含み、
前記分光光度計は、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対し、色基準の比色座標および塗料の比色座標を、塗料で塗装された多数の様々な表面要素および塗料で塗装された多数の様々な制御表面要素について求めるように設計されており、
前記システムは、少なくとも計算ユニットを含み、
前記計算ユニットは、前記所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび前記所定数の光源の各光源に対して、それぞれの色差もしくは色間隔を、塗料で塗装された多数の前記表面要素および塗料で塗装された多数の前記制御表面要素に関する前記色基準の比色座標および前記塗料のそれぞれの比色座標から計算し、
前記それぞれの比色座標を、それぞれ1つの重み係数で正規化し、
前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対し、それぞれ、前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つの色差の間のそれぞれの色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて、色品質インジケータ固有の関数値を決定し、
前記多数の色品質インジケータの各々を、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたスケールのスケール値への、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールによって定められる、前記色品質インジケータ固有の関数値のマッピングを用いて決定するように構成されており、
前記関数値は、前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対してそれぞれ前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つの色差の間の各色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて決定されたものであり、
前記色品質インジケータの少なくとも1つに関する前記数学的関係は、前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つおよび前記制御表面要素の少なくとも1つの色差の間の数学的関係に対応する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車体および車体付属部品の一連の塗装に基づいて、塗料バッチの色制御のための多数の色品質インジケータを決定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
色調設定では、塗料に異なる色合い成分が添加され、次いで、色基準(色調原画)と比較される。この目的のために、混合塗料は伝統的に分光測光法で測定され、それによって求められた測定値、すなわち、例えば比色座標が、色基準の対応する測定値と比較される。特に、所定数の効果顔料を含む効果塗料の場合、それぞれの効果塗料とそれぞれの色基準との間の有意な比較は、異なる測定ジオメトリの下で求められる測定値を使用することでのみ可能である。このことは、塗料を色基準と比較するためには、多数の測定ジオメトリに対して、場合によっては多数の光源または光源タイプについて多数の測定値を求める必要があることを意味している。
【0003】
従来技術では、それぞれの塗料と、それぞれの色調原画、すなわち色基準との比較を、場合によっては存在する効果顔料を考慮することなく3つの測定ジオメトリのみに限定することを想定した方法が公知である。
【0004】
国際公開第2013/049796号は、塗料を基準と比較するための方法に関しており、この場合、基準として色方程式の色特性が使用される。
【0005】
独国特許出願公開第10208696号明細書は、金属色に近似した色が、色分類コードを用いて計算される方法を開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2011/013176号明細書では、表面の特性を求めるための方法が開示されている。
【0007】
国際公開第2016/074801号明細書からは、スケールに基づいて塗料と色基準との一致の評価を可能にする特性番号Qを求めることが公知である。しかしながら、同一の塗料が異なる表面に塗布されている場合、塗料の特性は、前述の特性番号Qに基づいて直接導出することはできない。塗料を、例えば車体の表面、バンパーなどの車両付属部品の表面、および例えば塗料メーカーなどの対応する制御プレートに塗布すると、塗料で塗装された様々な表面上の塗料の外観がまったく変化する可能性がある。すなわち、塗料は、場合によっては表面ごとにわたって他の特性を示す。ここでは、この種のシナリオにおいて処理可能でかつ比較目的に使用可能な、塗料、特にバッチの塗料の品質に関する情報を提供できることが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような背景から、本発明では、同一の塗料が異なる表面に塗布されている場合に、塗料の色品質をそれぞれ迅速かつ容易に評価することができる方法およびシステムを提供するという課題が提示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、独立請求項の特徴を有する、塗料、特に塗料バッチの色制御のための多数の様々な色品質インジケータを決定するための方法およびシステムが提供される。本発明による方法もしくは本発明によるシステムの実施形態は、対応する従属項および説明から読み取れる。
【0010】
上記で述べた課題は、独立請求項の対象によって解決される。
【0011】
特に、上記で述べた課題は、以下のことによって解決される。すなわち、まず、色基準の比色座標および塗料、特に塗料バッチの比色座標が、塗料で塗装された多数の様々な表面要素および塗料で塗装された多数の様々な制御表面要素について、それぞれ、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する分光光度計で求められる。これに基づいて、所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび所定数の光源の各光源に対して、それぞれの色差もしくは色間隔が、塗料で塗装された多数の表面要素および制御表面要素に関して色基準の比色座標および塗料のそれぞれの比色座標から計算される。それぞれの比色座標は、それぞれ1つの重み係数で正規化される。多数の色品質インジケータの各々は、最終的に、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたスケールの値への、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対するそれぞれ(色基準に関する)表面要素の少なくとも1つの色差の間のそれぞれの色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて算出される関数値の、色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングを用いて決定される。
【0012】
多数の色品質インジケータの少なくとも1つに関する数学的関係は、色基準に関する表面要素の少なくとも1つおよび制御表面要素の少なくとも1つの色差の間の数学的関係に対応している。
【0013】
予め定められたスケールは、すべての色品質インジケータに対して同一であり、1~8もしくはQ1~Q8までの整数の数値にわたって延在する。この場合、1もしくはQ1は、塗料のそれぞれの色品質インジケータで特徴付けられる品質に関する塗料の最低のランクを示し、8もしくはQ8は、対応する最高のランクを示す。これに対して代替的に、各色品質インジケータに、それぞれの色品質インジケータに固有のスケールが割り当てられていること、もしくは固有のスケールを割り当てることも可能である。予め定められたマッピングルールは、少なくとも多数の色品質インジケータのサブグループについて同一であり、したがって、包括的色品質インジケータであり、この場合、サブグループは1つ以上の色品質インジケータを含む。
【0014】
表面要素は、本開示の枠内では、個々の塗装された表面ではなく、塗料で塗装された同一もしくは類似の表面グループを指す。したがって、例えば第1の表面要素には、製品の部品、特に車体の車体部品の塗料で塗装された表面が含まれ、第2の表面要素には、製品用の付属部品、特に例えばバンパーなどの所定のタイプの車体付属部品の塗料で塗装された表面が含まれる。以下では、製品の一部、特に車体の車体部品もしくはその表面を表す表面要素をOEMで示し、製品用の付属部品、特に所定のタイプの車体付属部品を表す表面要素をASPで示す。
【0015】
制御表面要素は、本開示の枠内では、製品の部品用、特に車体の車体部品用または製品の付属部品、特に車体付属部品用の例えば塗料メーカーの制御プレートを表す。以下では、製品の部品用、特に車体の部品用の制御表面要素は、OEM_QCで略され、製品の付属部品用、特に車体付属部品用の制御表面要素は、ASP_QCで略される。
【0016】
異なる表面要素間の区別は必要である。なぜなら、それぞれの異なる表面要素によって表される異なる表面もしくは部品は、通常、様々な塗装ステーションで塗装され、さらに多くは様々な特性を有し、ひいては塗料が塗布できるもしくは塗布された様々な下地も有しているからである。具体的に述べられ説明された表面要素OEM、ASP、もしくは制御表面要素OEM_QCおよびASP_QCは、構造および塗装条件において異なるバッチの塗料で塗装された表面の代わりを表し、それらは構造および塗装条件に従って、それぞれの表面要素もしくはそれぞれの制御表面要素によって表されるそれぞれのグループに編成可能である。塗装条件は、ここでは、具体的な塗装ステーション、および塗装を実施する際に作用する温度、湿度などのさらなる状況に関連する。
【0017】
所定数の測定ジオメトリは、少なくとも1つの測定ジオメトリを含む。所定数の光源は、少なくとも1つの光源を含む。「光源」および「光源タイプ」との用語は、本開示の枠内では相互に同義的に使用される。
【0018】
測定ジオメトリとは、提示された方法の文脈では、所定の照明角度と、それぞれの塗料で塗装された表面要素もしくは制御表面要素に対して所定の角度もしくは測定角度で配置された測定機器、例えば分光光度計、特に多角度分光光度計などとを用いた測定設定を意味するものと理解されたい。
【0019】
比色座標とは、本発明の文脈では、色またはグレーレベルを記述するための色空間、特にL*a*b*色空間またはL*C*H*色空間における座標を意味するものと理解されたい。
【0020】
色差もしくは色間隔とは、本発明の文脈では、色空間、特にL*a*b*色空間またはL*C*H*色空間における2つの色の間の差を意味するものと理解されたい。
【0021】
L*C*H*色空間は、デカルト座標a*およびb*の代わりに色度の円柱座標C*および色相角のH*が使用されることを除いて、L*a*b*色空間に対応する。明度(L*)は、この場合不変である。
【0022】
それぞれの塗料を、例えばさらなる塗料などの色基準と比較するために、既に上記で述べたように、国際公開第2016/074801号からは、特性番号Qを決定もしくは計算することが公知である。この特性番号Qは、それぞれの塗料、すなわち例えば効果塗料もしくはソリッド塗料と、それぞれの色基準との比較を可能にし、もしくはそれらの一致を、例えば1~8までのもしくはQ1~Q8までのスクールグレードスケールのようなスケールの品質値で示すものである。ただし、国際公開第2016/074801号では、塗料の品質に関して、塗料で塗装された様々な表面要素は考慮されていない。
【0023】
特性番号Qの決定のために、本発明による方法の場合でも、例えばL*a*b*色空間で示されるそれぞれの比色座標もしくは色座標が、例えば、それぞれの塗料についてもそれぞれの色基準についても、異なる測定ジオメトリの下で求められ、ならびに/または異なる光源タイプおよび/または光源を使用して、例えば分光光度計を使用して求められることが想定されている。それぞれの塗料もしくはそれぞれの色基準について求められた色座標に基づいて、各測定ジオメトリについて、すなわち、各測定角度および/または各光源タイプおよび/または各光源について、本発明によっても想定されるように、それぞれの塗料とそれぞれの色基準との間の対応する色差は、無彩色については式(1)により、有彩色については式(2)に従って計算することができる。
【0024】
dELab
*2=dL*2+da*2+db*2 (1)
ここで、
dL*=LS
*-LR
*
da*=aS
*-aR
*
db*=bS
*-bR
*
【0025】
この場合、「R」は基準を表し、「S」はここではサンプルもしくは試料を表し、したがって、それぞれの表面要素OEM、ASPもしくは制御表面要素OEM_QC、ASP_QCの代わりを表す。
【0026】
dELCH
*2=dL*2+dC*2+dH*2 (2)
【0027】
有彩色と無彩色との間の区別は、例えばDIN6175-2規格に従って決定することができる。さらに、それぞれの測定された色座標は、式(1)および(2)で正規化されることが想定されている。
【0028】
【0029】
それぞれの測定された色座標を正規化するために、例えば、式(5)を使用することができる。
【0030】
<dX*>=dX*/Sx (5)
【0031】
式(5)において、正規化された値<dX*>は、それぞれの値dX*、すなわち、特に色差のそれぞれの変数の値を、それぞれの角度固有の許容差Sxで除算することによって計算される。つまり、以下のようにみなされる。
【0032】
<dL*>=dL*/SL;<da*>=da*/Sa;<db*>=db*/Sb;<dC*>=dC*/SC;<dH*>=dH*/SH (6)
【0033】
この場合、許容値もしくは正規化係数SL,Sa,Sb,Sc,SHは、色、測定角度、それぞれの表面要素もしくは制御表面要素、すなわち塗料が塗布されているそれぞれの下地の特性などに依存し得る。
【0034】
ここでは、正規化は、例えば連立方程式(7)に従って行うことができる。
【0035】
SL=Sa=Sb=1/3
Sc=(1+0.048・CR
*)/3 (7)
Sh=(1+0.014・CR
*)/3
【0036】
この場合、C
R
*は、彩度、すなわちL
*a
*b
*色空間における色基準Rのクロマもしくは飽和度を表し、以下の方程式、
【数2】
を用いて計算することができる。ここで、添え字「R」は色基準Rを示す。
【0037】
塗料で塗装されたそれぞれの表面要素もしくは塗料で塗装されたそれぞれの制御表面要素と、異なる測定ジオメトリおよび/または異なる光源タイプもしくは異なる光源に関する色基準と、の間の所定の色差もしくは正規化された所定の色差は、ここにおいて本発明により、異なる表面要素へのその塗布後の塗料の特性を分析するために使用される。ここでは、それぞれの色品質インジケータを決定するために、それぞれ色基準に関する異なる表面要素の少なくとも1つの計算された色差は、相互にそれぞれの色品質インジケータに固有の関係に設定される。この場合、「関係に設定される」とは、それぞれの色差が変数として、それぞれの色品質インジケータに固有の数学的結合もしくはそれぞれの色品質インジケータに固有の例えば減算などの数学的関係に挿入されることを意味する。すなわち、それらは、互いに数学的な関係にもたらされる。それぞれ、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する結合の際に明らかになる関数値は、予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングに従って引き続き本発明により予め定められるスケールのスケール値に割り当てられる。したがって、このスケール値は、それぞれの色品質インジケータもしくはその固有の塗料の値に対応する。スケール値への関数値の割り当ては、初めに測定ジオメトリおよび光源ごとに関数値を、それぞれの色品質インジケータ固有の数学的関係に従って計算し、次いで、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する関数値を相互に例えば総和形成および/または平均値形成および/または最大値検出によって結合し、そのように実現された結合は、予め定められたマッピングルールに従ってそれぞれのスケール値に割り当てるために、各スケール値を特徴付ける所定の条件を満たす必要がある。
【0038】
その際、それぞれの色品質インジケータに想定される数学的結合には、各測定ジオメトリおよび/または各光源についてそれぞれ個別に求められた色差が導入される。これらの色差は、それぞれの色品質インジケータにおいて考慮すべき少なくとも1つの表面要素もしくは制御表面要素について決定されたものである。以下でより詳細に説明する色品質インジケータLPI、BPI、およびAPIは、OEMおよびASPについて個々に個別に計算される。
【0039】
本発明による方法では、効果塗料のそれぞれの効果特性を考慮するために、ゴニオ効果分光光度計で測定されたきらめき間隔、すなわち輝きの相違と、粗性偏差、すなわち、粒状性の相違とが、それぞれ、色基準に関連して考慮されることが想定されている。この目的のために、ゴニオ効果分光光度計で測定されたきらめき間隔もしくは粗性偏差のそれぞれの値は、例えば、式(5)に従って正規化され、さらに、測定ジオメトリおよび光源ごとの色差の他に、さらなる関数値の計算のために、色品質インジケータ固有の数学的関係に変数<dX>として挿入され、それぞれの色品質インジケータのそれぞれ計算された関数値を、事前に提供されるべきマッピングルールに従ってスケール値に割り当てる際に考慮される。
【0040】
異なる測定ジオメトリの下で測定されたそれぞれの関数値をそれぞれの色品質インジケータのそれぞれのスケール値に割り当てるために、それぞれの測定ジオメトリの効果塗料について、計算され正規化された色差および/またはきらめき間隔および/または粗性偏差を、関数によって、すなわち、色品質インジケータ固有の数学的関係によって相互に清算し、この種の清算の結果を、場合によってはさらなる条件を使用して、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングもしくは例えばそれぞれのスケール値の間の間隔を調整する割り当て規則「rating」に基づいて、それぞれの色品質インジケータの離散スケール値に割り当てることが想定されている。このことは、色差が関数に従って相互に清算され、場合によっては付加的にきらめき間隔が関数に従って相互に清算され、さらに付加的に、場合によっては粗性間隔が関数に従って相互に清算され、そのように得られた関数値は、予め定められたマッピングルール「rating」に従ってスケール値に割り当てられることを意味する。
【0041】
すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールは、各スケール値のためにもしくはスケール値へのそれぞれの割り当てのために、スケール値固有のマッピング(
図2の表参照)もしくはスケール値固有の条件を定める。このスケール値固有のマッピングもしくはスケール値固有の条件は、色制御を実施する考慮すべき塗料に関するそれぞれの色品質インジケータに、対応するそれぞれのスケール値を割り当てるために、事前に計算された関数値、すなわち、それぞれの色品質インジケータ固有の関数値のそれぞれによって満たされるべきである。
【0042】
さらに、塗料がいわゆるソリッド塗料であるケースでは、少なくとも2つの異なる光源タイプもしくは光源のもとで求められた1つの測定ジオメトリのみの色差が、相互に関数によって清算されることが想定されている。ソリッド塗料と効果塗料との間の区別は、例えばDIN 6175-1規格に従って決定することができる。清算された色差に基づいて、それぞれのソリッド塗料を、予め定められたマッピングルールに従ってそれぞれの色品質インジケータのそれぞれのスケール値に割り当てることができる。
【0043】
可能な実施形態では、塗料で塗装された多数の表面要素は、少なくとも、製品の塗装された表面要素OEM、特に例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEM、製品用の付属部品の塗装された表面要素ASP、特に例えば車両メーカーによって塗料で塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の表面要素ASPを含み、塗料で塗装された多数の制御表面要素は、少なくとも、塗料メーカーによって塗装された製品用の、特に車体用の制御表面要素QEM_QC、塗料メーカーによって塗装された製品付属部品用の、特にプラスチックで製造された車体付属部品用の制御表面要素ASP_QCを含む。
【0044】
車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEMおよび車両メーカーによって塗装された車体付属部品の表面要素ASPは、以下ではそれぞれ製造ラインからの表面要素とも称される。これにより、これらの表面要素は、それぞれの車両の製造過程の実行中にこのために設けられた作業もしくは塗装ステーションにおいて塗装されることが表現されるべきである。ここでは、車体の表面要素用の塗装ステーションと、車体付属部品の表面要素用の塗装ステーションとが、通常は、相互に依存することなく別個である。
【0045】
OEMは、一般に「Original Equipment Manufacturer」の略であるが、ここでは特に、OEMによって塗料で塗装された製品の表面要素、特に例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素の表示のために使用される。この場合、ここでは、上記で説明したように、製品部品の、特に測定される車体の車体部品の塗料で塗装されたすべての表面を意味する。
【0046】
ASPは、一般に「Automotive Supplier Plastics」の略であるが、ここでは特に、塗料で塗装された製品付属部品、特にプラスチックで例えば自動車メーカーによって製造された、塗料で塗装された車体付属部品の表示のために使用される。この場合、ここでも同様に、製品付属部品の、特に所定のタイプもしくは所定の発祥、例えば所定の車両メーカーの塗料で塗装されたすべての表面を意味する。
【0047】
QCは、ここでは「Quality Control」の略である。
【0048】
それぞれの比色座標は、それぞれ、色基準および塗装された多数の表面要素もしくは制御表面要素のそれぞれの反射値に基づいて決定される。その際、塗料で塗装された各多数の表面要素もしくは制御表面要素について、それぞれの反射値がそれぞれの測定ジオメトリおよびそれぞれの光源について決定される。
【0049】
R(Ref)Φ->(L*,a*,b*)Φ,/,Ref (8)
R(OEM)Φ,i->(L*,a*,b*)Φ,/,I,OEM
R(ASP)Φ,j->(L*,a*,b*)Φ,/,j,ASP
R(OEM_QC)Φ->(L*,a*,b*)Φ,/,OEM_QC
R(ASP_QC)Φ->(L*,a*,b*)Φ,/,ASP_QC
【0050】
ここで、Rはそれぞれの反射値を示し、Φはそれぞれの測定ジオメトリの代わりを表し、/はそれぞれの光源の代わりを表し、Refは色基準を表し、OEMは製品部品、特に例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素を表し、ASPは製品付属部品、特に例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の表面要素を表し、OEM_QCは製品、特に車体用の、塗料メーカーによって塗装された制御表面要素を表し、ASP_QCは製品付属部品、特に車体付属部品用の、塗料メーカーによって塗装された制御表面要素を表し、i、jは、塗料で塗装された表面要素を含むそれぞれの部品を表す。この場合、iは製品もしくは車体を表し、jは製品付属部品もしくは車体付属部品、例えばバンパーなどを表す。例えば、測定ジオメトリの数がxであり(ただしxは正の整数)、光源の数がyであるならば(ただしyは正の整数)、表面要素もしくは制御表面要素ごとに、すなわち表面要素もしくは制御表面要素によって表される塗装された表面ごとに、x×y、すなわちx*yの反射値が明らかになり、したがって、そのことからそれぞれの色空間においてx×yの比色座標が明らかになる。
【0051】
本発明による方法の可能な実施形態では、所定数の測定ジオメトリは、少なくとも、45°の照明および-15°、15°、25°、45°、75°および110°から選択された測定角度を有するそれぞれ1つの測定配置ならびに/または90°の測定角度および15°、45°、75°から選択された照明角度下の照明および拡散照明を有するそれぞれ1つの測定配置を含む。
【0052】
第2のステップでは、引き続き本発明により、所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび所定数の光源の各光源に対する、色基準の比色座標および塗料のそれぞれの比色座標からそれぞれの色差もしくは色間隔が、塗料で塗装された多数の表面要素もしくは制御表面要素に関して計算される。
【0053】
dE*
i=f(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,i,OEM (9)
dE*
j=f(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,j,ASP
dE*
OEM_QC=f(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,OEM_QC
dE*
ASP_QC=f(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,ASP_QC
【0054】
このことは、表面要素ごと、または表面要素もしくは制御表面要素によって表される塗装された表面ごとに、x*yの反射値の場合、相応にx*yの色差が明らかになることを意味する。各測定ジオメトリおよび各光源に対して、色間隔もしくは色差は個別に、ただし同一の式で計算される。その際、色空間に応じて、式(3)または式(4)が使用される。
【0055】
本発明による方法のさらなる実施形態によれば、それぞれの色差は、2つの異なる許容値について正規化され、この場合、第1の許容値は、バッチの塗料で塗装された一連の表面要素について決定され(=一連の許容差)、第2の許容値は、塗料のバッチについてのバッチ許容値として固定的に予め定められる(=バッチ許容差)。
【0056】
一連の許容差、すなわち、塗料によるそれぞれの塗装の実施形態に関する許容値の決定は、バッチもしくは塗料の供給について固定的に予め定められているバッチ許容差に基づいて行われる。ここで、一連の許容差は、バッチ許容差に係数gの値を乗算したものから生じ、この場合は、選択した色空間に応じて、バッチ許容差もしくは式(5)からの角度固有の許容差SxをgL、ga、gb、gCもしくはgHで乗算する必要がある。この場合、gL=2.0、ga=1.2、gb=1.2、gC=1.8およびgH=1.2とみなされる。この場合、2001年3月期のDIN 6175-2規格およびそこに格納されている「車両塗装のための色許容差、第2部:効果塗装」欄の表2が参照される。
【0057】
バッチの塗料で塗装された一連の表面は、ここでは、連続する塗装過程内でバッチの塗料で塗装されるそれぞれの表面要素のすべての表面を含む。
【0058】
さらなる実施形態では、さらなるステップにおいて、バッチの塗料で塗装された一連のそれぞれの表面要素の表面のうち、それぞれの色差がそれぞれ第1の許容値、すなわち一連の許容差よりも大きい表面がカウントされる。表面のカウント数に基づいて、一連の色品質インジケータCPI(general color performance indicator)が決定され、この場合、バッチの塗料で塗装された一連の表面の総数に対する、カウントされた表面の数もしくはそのパーセンテージが、予め定められた割り当てルールに従ってスケールの値に割り当てられ、この場合、このスケール値は、一連の色品質インジケータCPIの値を示す。このスケール値は、ここでは、1~8もしくはQ1~Q8までの間隔内に存在し、この場合、スケール値1は最低の評価を表し、スケール値8は最高の評価を表す。以下のテーブル形式の表は、スケール値に対するそれぞれのマッピングもしくは割り当てを示す。
【0059】
ここでは、それぞれの測定ジオメトリおよび光源について定められたそれぞれの色差<dE>は、第1の許容値もしくは一連の許容差(「seriestol」)に基づいて正規化される。その際、1つのみの測定ジオメトリのもとで決定された色差<dE>_seriestol>1.7であるならば、それぞれの表面要素全体の測定表面は、不良(「n.i.O.」)とみなされる。ここでは、Vにより、それぞれの表面要素の表面が不良である割合を、一連の表面要素の測定された表面の総数に対するパーセンテージで表す。このVの値に応じて、Q1~Q8までのスケール値が、一連のもしくはそれぞれ一連の測定された表面に割り当てられる。
【0060】
定義
n.i.O.=1つの測定ジオメトリのもとで個別測定が<dE>_Seriestol>1.7である場合
V =100×n.i.O.の数/測定総数(外れ値補正なし、全ての測定考慮)
【0061】
【0062】
本発明による方法のさらなる実施形態によれば、バッチの塗料で塗装されたそれぞれの表面要素の一連の表面について決定されたそれぞれの色差に対して予め定められた統計分析方法が実施される。この場合、外れ値が除去され、補正されたそれぞれの色差が提供される。これは、例えば、多変量異常値補正のための方法である。
【0063】
これにより、これらの測定は、例えば、塗料の2つのバッチもしくは複数のバッチの混合段階の間に発生するノイズあるいは想定外のさらなる状況に基づいて発生するノイズから解放され得る。少なくとも1つの測定ジオメトリが外れ値として識別された各測定もしくは各表面が排除される場合、補正された色差の新しいセットが得られる。
【0064】
dE*
iP=(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,i,
OEM,(purged) (10)
dE*jP=(dL*,da*,db*,dC*,dH*)Φ,/,j,
ASP,(purged)
【0065】
ここで、「P」は、補正済みもしくは「purged」を表す。
【0066】
表面要素、例えば表面要素OEMなどは、この場合、既に上記で説明したように、単一の表面、例えば車体を表すのではなく、バッチの塗料で塗装された同種の表面グループを表している。
【0067】
さらなるステップでは、バッチ許容値を使用して決定され、補正され、さらにバッチ許容差を用いて正規化された色差が、塗料もしくは塗料バッチの品質をスケールに基づいて1次元品質レベルで決定するために使用される。ここでは、それぞれ様々な数学的結合もしくは数学的関係に基づいて決定される異なる色品質インジケータの間で区別される。
【0068】
塗料もしくはそれぞれの塗料バッチのための色品質インジケータBPI(batch performance indicator)を決定するために、所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび所定数の光源の各光源に対して、少なくとも1つの第1の関数値が、例えば車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMに関して決定され、補正かつ正規化された色差の平均値に基づいて、もしくは平均値として決定され、かつ/または例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPに関して決定され、補正かつ正規化された色差の平均値に基づいて、もしくは平均値として決定される。国際公開第2016/074801号から既知であり、
図2に示されている表に従って、表面要素ごとに計算された所定数の光源および所定数の測定ジオメトリのそれぞれの第1の関数値は、予め定められたマッピングルール「rating」に従って再度相互に清算され、その際に得られた結果は、事前に提供されるべきマッピングルール「rating」を用いて、例えば
図2の表から明らかなように、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールの値に割り当てられる。この色品質インジケータBPIは、ここでは、以下のように得られる。
【0069】
BPIOEM,ASP=rating[f(averaged<dX>SC(OEM,ASP,purged))] (11)
【0070】
この場合、<dX>=dX
*/S
Xが適用され、averaged<dX>
SC(OEM,ASP,purged)は、例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEMもしくは例えば車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の表面要素ASPの正規化係数SC(=バッチ許容差)によって正規化され補正された色差の平均値に対応する。この正規化係数SCは、ここでは、それぞれ検査された塗料のバッチのそれぞれのバッチ許容差に対応する。それにより、バッチごとに、それぞれのバッチの塗料で塗装された表面要素OEMの色品質インジケータBPIと、それぞれのバッチの塗料で塗装された表面要素ASPの色品質インジケータBPIとが生じる。ここでは、バッチの塗料で塗装された表面要素OEMについて、通常、表面要素によって表される複数の同種の表面が測定される。同じことは、それぞれのバッチの塗料で塗装された表面要素ASPにも適用され、これに対しても同様に、通常は、表面要素ASPによって表される複数の同種の表面が測定される。予め定められたマッピングルール(
図2の表を参照)に従って、より高いスケール値、つまりスケール値7または8への割り当てのために、効果塗料の場合でも、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、決定され、補正かつ正規化された色差を色品質インジケータ固有の数学的関係に変数として挿入するだけでなく、決定され、補正され、正規化されたきらめき間隔および/または粗性偏差も加味することが必要である。このことは、<dX>がここでは<dE>の代わりを表し、さらに効果塗料の場合には付加的に<dS>および<dG>の代わりを表すことを意味する。
【0071】
色品質インジケータBPIは、塗料もしくはそれぞれの塗料バッチの色関連の塗装品質を表す。
【0072】
本発明による方法のさらなる実施形態では、各測定ジオメトリおよび各光源のための色品質インジケータAPI(alignment performance indicator)を決定するために、それぞれ、第2の関数値が、塗料メーカーによって塗装された車体用の制御表面要素OEM_QCもしくは塗料メーカーによって塗装された特にプラスチック製の車体付属部品用の制御表面要素ASP_QCの正規化された色差と、例えば車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差の平均値もしくは例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の平均値と、の間のそれぞれの差分の絶対値もしくは絶対量に基づいて、もしくは絶対値として決定される。表面要素OEMもしくは表面要素ASPについて生じる所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源のそれぞれの第2の関数値は、例えば
図2の表に示されるように、再度相互に清算され、この場合、その際に得られた値は、事前に提供すべきマッピングルールを用いて、それぞれ、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールの値が割り当てられる。この色品質インジケータAPIは、ここでは、以下のように得られる。
【0073】
APIOEM,ASP=rating[f(ABS(<dX>SC(OEM_QC,ASP_QC)-averaged<dX>SC(OEM,ASP,purged)))]
(12)
【0074】
この場合、<dX>=dX*/SXが適用され、<dX>SC(OEM_QC,ASP_QC)は、塗料メーカーによって塗装された車体用の制御表面要素OEM_QCもしくは塗料メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の制御表面要素ASP_QCの正規化された色差に対応し、averaged<dX>SC(OEM,ASP,purged)は、例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEMもしくは例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の表面要素ASPの正規化係数SCで正規化され補正された色差の平均値に対応し、ABSは絶対値を表す。色品質インジケータAPIは、この場合、一方ではOEMのために、他方ではASPのために決定され、すなわち、結果として、相互に依存することなく決定された2つの色品質インジケータAPIOEMおよびAPIASPが生じる。この場合、以下の式が適用される。
【0075】
APIOEM=rating[f(ABS(<dX>SC(OEM_QC)-averaged<dX>SC(OEM,purged)))]
APIASP=rating[f(ABS(<dX>SC(ASP_QC)-averaged<dX>SC(ASP,purged)))]
【0076】
効果塗料の場合、きらめき間隔および粗性偏差は、色品質インジケータBPIに対する実施形態に類似するように考慮される。このことは、ここでも<dX>が<dE>の代わりを表し、場合によっては<dS>および<dG>の代わりを表すことを意味する。
【0077】
それぞれの色品質インジケータAPIは、塗料メーカーと、顧客ライン、すなわち車体メーカーもしくは車両メーカーのラインと、の間のスプレーブース補正を表す。
【0078】
さらに別の実施形態では、各測定ジオメトリおよび各光源のための色品質インジケータCHI(color harmony index)を決定するために、それぞれ、第3の関数値が、例えば車体メーカーによって塗装された車体の表面要素OEMのそれぞれ正規化された色差の平均値と、例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の表面要素ASPのそれぞれ正規化された色差の平均値と、の間の差分の絶対値に基づいて、もしくは絶対値として決定される。この第3の関数値は、事前に提供されるべきマッピングルールを用いて、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールの値に割り当てられる。CHIは、この場合、以下のように計算される。
【0079】
CHIOEM,ASP=rating[f(ABS(averaged<dX>SC,OEM-averaged<dX>SC,ASP))] (13)
【0080】
この場合、<dX>=dX*/SXが適用され、<dX>SC,OEMは、塗料で塗装された車体用の表面要素OEMの正規化係数SCで正規化された色差に対応し、<dX>SC,ASPは、塗料で塗装された特にプラスチック製の車体付属部品用の表面要素ASPの正規化係数SCで正規化された色差に対応する。例えば6つの測定ジオメトリおよび1つの光源の場合、6つの第3の関数値が得られる。効果塗料の場合、きらめき間隔および粗性偏差を考慮するために、さらに6+6の第3の関数値が追加される。
【0081】
この場合、比色定数は、それぞれ、塗料のバッチに対して固定的に予め定められたバッチ許容差SCで重み付けもしくは正規化される。色品質インジケータCHIは、様々な塗装ステーションの塗装された表面要素の間の、すなわち、特に、車体メーカーによって塗料で塗装された車体の表面要素と、車両メーカーによって塗料で塗装されたプラスチック製の車体付属部品の表面要素と、の間の平均偏差を表す。
【0082】
本発明による方法のさらなる実施形態によれば、色品質インジケータLPI(line performance indicator)が決定され、この場合、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、それぞれ、第4の関数値が、例えば車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差および/または例えば車両メーカーによって塗装された特にプラスチックで製造された車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差の分散に基づいて、もしくは分散として決定され、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源のそれぞれの第4の関数値が、各表面要素について再度個別に相互に清算され、その際に得られた各表面要素についてのそれぞれの結果は、個別に事前に提供されるべきマッピングルールを用いて、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールのスケール値に割り当てられる。この色品質インジケータLPIは、ここでは、以下のように得られる。
【0083】
LPIOEM,ASP=rating[f(δ<dX>WLPI(OEM,ASP,purged))] (14)
【0084】
この場合、δ<dX>は分散を示し、WLPIは、それぞれの色差もしくはそれぞれの比色定数が正規化される正規化係数を表す。ここでは、比色定数L*、a*、b*、C*、H*はそれぞれ次のように重み付けされる。すなわち、L*は1.0で、a*は0.2で、b*は0.2で、C*は0.8で、H*は0.2で重み付けされる。これらのそれぞれの重み付け定数は、測定ジオメトリもしくは分光ジオメトリに対して想定されている。
【0085】
色品質インジケータLPIは、例えば車体付属部品や車体などの製造ラインでの表面要素の塗装の際のプロセス分散を表す。異なる表面要素に対して、相互に依存することなく個別に様々な色品質インジケータLPIが計算され、すなわち、結果として、車体の表面要素に対する色品質インジケータLPIOEMと、車体部品の表面要素に対する色品質インジケータLPIASPとが生じる。
【0086】
例えば車体メーカーによって塗料で塗装された車体の表面要素OEMおよび例えば車両メーカーによって塗料で塗装された車体付属部品の表面要素ASPは、通常、相互に依存しない様々な塗装ステーションにおいて塗料で塗装された、かつ/または塗装の際に塗料が塗布された様々な下地もしくは様々な下地材料を有している、塗料で塗装された表面要素の代わりを表している。塗料で塗装された車体の表面要素OEMは、通常、塗料で塗装された車体付属部品の表面要素ASPとは異なる塗装ステーションでも塗装され、異なる下地も有しているため、これら2つのタイプの表面要素は、本開示の範囲内では、上記で述べた違いを互いに有する、塗料で塗装されたすべての表面要素の代わりを表し、特に、塗料で塗装された一般的な製品の表面要素OEMおよび塗料で塗装された製品付属部品の表面要素ASPの代わりを表す。同じことは、制御表面要素OEM_QCおよびASP_QCにも適用される。
【0087】
さらに、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータまたは対応する計算ユニット上で実行されるときに、上記で説明した方法のすべてのステップを実施もしくは起動するように設計されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムに関する。
【0088】
その上さらに、塗料の色制御のための多数の様々な色品質インジケータを決定するためのシステムが提供される。この場合、このシステムは、少なくとも分光光度計を含み、この分光光度計は、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対し、色基準の比色座標および塗料の比色座標を、塗料で塗装された多数の様々な表面要素および塗料で塗装された多数の様々な制御表面要素について求めるように設計されており、さらに、このシステムは、少なくとも計算ユニットを含み、この計算ユニットは、所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび所定数の光源の各光源に対して、それぞれの色差もしくは色間隔を、塗料で塗装された多数の表面要素および塗料で塗装された多数の制御表面要素に関する色基準の比色座標および塗料のそれぞれの比色座標から計算し、それぞれの比色座標を、それぞれ1つの重み係数で正規化し、多数の色品質インジケータの各々を、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールの値への、色基準に関する表面要素の少なくとも1つの色差の間のそれぞれの品質インジケータに固有の数学的関係の関数値の、予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングを用いて決定するように構成されており、この場合、多数の色品質インジケータの少なくとも1つに関する数学的関係は、色基準に関する表面要素の少なくとも1つおよび制御表面要素の少なくとも1つの色差の間の数学的関係に対応する。ここでは、スケールは、例えば1~8までの正の整数値の間隔にわたって延在し得る。
【0089】
本発明による方法では、効果塗料のそれぞれの効果特性を考慮するために、ゴニオ効果分光光度計で測定された、きらめき間隔、すなわち輝きの違いと、粗性偏差、すなわち粒状性の違いとを考慮することが想定されている。この目的のために、それぞれゴニオ効果分光光度計で測定されたきらめき間隔もしくは粗性偏差の値が正規化され、それぞれの色品質インジケータの決定の際に考慮される。1つの考慮は、ここでは、特に、スケール値Q7およびQ8への割り当ての際に行われる。所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して、それぞれの色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて清算されたそれぞれの色差が、表面要素の少なくとも1つから予め定められたスケールのスケール値7もしくはQ7にマッピングされるべきならば、色差に基づいて計算されたこれらの関数値の他に、さらなる関数値が、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して決定された、塗料で塗装された少なくとも1つの表面要素もしくは制御表面要素と色基準との間のきらめき間隔<dS>に基づいて計算され、そのように計算されたこれらの関数値が15°、45°、および75°の測定ジオメトリのいずれに対しても1.73の値以上ではないか否かが検査される。さらに、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して粗性偏差<dG>が決定され、色品質インジケータ固有の関係を用いて計算され、これらが1.73の値以上ではないか否かが検査される。
【0090】
所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対してそれぞれの色品質インジケータに固有の数学的関係を用いてそれぞれ計算された関数値が、色差に基づいて表面要素の少なくとも1つから予め定められたスケールのスケール値8もしくはQ8にマッピングされるべきならば、これらの関数値の他に、複数の関数値がきらめき間隔に基づいて計算され、これらが15°、45°、および75°の測定ジオメトリのいずれに対しても1.41の値以上ではないかどうかが検査される。さらに、複数の関数値が粗性偏差に基づいて計算され、これらが1.41の値以上ではないかどうかが検査される。
【0091】
本発明によるコンピュータプログラムの1つの可能な実施形態は、例えば以下のステップを含む。
【0092】
1.色空間における塗料で塗装された第1の表面要素および色基準の利用可能なすべての測定ジオメトリおよび/またはすべての光源もしくは光源タイプについて、すべての色座標を求めるステップ。
【0093】
2.すべての測定ジオメトリおよび/またはすべての光源について、塗料で塗装された表面要素と色基準との間のそれぞれの色差を計算するステップ。
【0094】
3.比較すべき塗料が効果塗料の場合、各測定ジオメトリについて、それぞれのきらめき間隔および/または粗性偏差を計算するステップ。
【0095】
4.比較すべき塗料がソリッド塗料の場合、少なくとも2つの光源タイプについて、それぞれの色差を計算するステップ。
【0096】
5.ステップ2もしくは4で計算された色差ならびに場合によってはステップ3で計算されたきらめき間隔および/または粗性偏差を正規化するステップ。
【0097】
6.第1の表面要素に比べて様々な塗料が塗布された下地を示し、かつ/または第1の表面要素に比べて他の塗装ステーションおよび/または他の塗装条件のもとで塗装された、塗料で塗装された少なくとも1つの第2の表面要素に対して、ステップ1~5までを繰り返すステップ。
【0098】
7.計算された色差を第1の許容値、特に一連の許容差で正規化し、一連の色品質インジケータCPIを計算するステップ。
【0099】
8.計算された色差を式(10)に従って補正するステップ。
【0100】
9.第1のもしくは少なくとも1つの第2の表面要素に関する塗料で塗装されたそれぞれの制御表面要素に対して、ステップ1~5までをそれぞれ繰り返すステップ。
【0101】
10.計算された色差および場合によっては計算されたきらめき間隔および/または粗性偏差ならびに式(11)~(14)までを用いて、それぞれの色品質インジケータBPI、API、CHI、LPIを計算するステップ。
【0102】
したがって、本発明によれば、それぞれ、具体的な数値が、厳密に定められた規則によって塗料のそれぞれの色品質インジケータを決定するために提供される。品質レベルは、一義的な方程式によって定められる。具体的なスケール値にそれぞれ対応する品質レベルのすべての方程式が満たされている場合にのみ、それぞれの色品質インジケータに関するこの具体的なスケール値が、それぞれの塗料もしくはそれぞれの塗料バッチに割り当てられる。品質レベルのすべての基準が満たされない場合、次に低い品質レベルへの割り当てが行われる。ここでもすべての品質基準が満たされてない場合は、再度次に低い品質レベルなどへの割り当てが行われる。2番目に低い品質レベルですべての品質基準が満たされていない場合、最低品質レベルへの割り当てが行われる。この最低の品質レベルへの割り当ては、より高い品質レベルに対してそれぞれの品質基準が満たされていない場合には常に行われる。
【0103】
本発明のさらなる利点および実施形態は、明細書および添付の図面から明らかになる。
【0104】
上記で述べた特徴および以下でさらに説明すべき特徴は、本発明の権利範囲を逸脱することなく、それぞれ提示した組み合わせだけでなく、他の組み合わせにおいても単独においても使用可能であることを理解されたい。
【0105】
本発明は、実施例に基づいて図面に概略的に示されており、以下ではこれらの図面を参照して本発明が詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】本発明による方法の可能な実施形態の流れ図の概略図
【
図2】本発明によって想定されるスケールの一実施形態のそれぞれのスケール値への割り当てのための本発明によって想定されるマッピングルールの一実施形態を示した図
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1には、本発明による方法の一実施形態の流れ図もしくはフローチャートが概略図で示されている。この場合、ステップ1では、初めに、塗料で塗装された多数の表面要素もしくは制御表面要素のそれぞれの反射値が、それぞれ、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する分光光度計で求められる。付加的に、色基準の反射値も、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して決定される。異なる反射値の測定および記録は、ステップ1において次のように表される。
色基準について:
R(Ref)
Φ->(L
*,a
*,b
*)
Φ,/,reference
例えば車両の製造(「ライン」)中に例えば車体メーカーおよび/または車両メーカーによって塗料で塗装されたそれぞれの表面要素について:
R(line)
Φ,i,j->(L
*,a
*,b
*)
Φ,/,i,j,OEM,ASP
それぞれの塗料メーカーによって塗装された車体もしくはプラスチック製の車体付属部品の制御表面要素について:
R(QC)
Φ->(L
*,a
*,b
*)
Φ,/,OEM_QC,ASP_QC
【0108】
ここで、iおよびjは、具体的なそれぞれの部品を示し、それらの表面が塗料で塗装される。ここでは、例えば車体付属部品の場合のバンパーまたは車体部品の場合のラジエターフードであり得る。さらに、車体部品はOEMで示され、それぞれの付属部品、特にプラスチック製のものはASPで示される。以下では、それぞれの表面要素が塗料で塗装された車体部品もしくは付属部品を、製造ラインからの表面要素と称する。
【0109】
求められた反射値に基づいて、ステップ2では、色基準に対しても、製造ラインの表面要素に対しても、さらに制御表面要素OEM_QC,ASP_QCに対しても、それぞれの比色座標が決定される。
【0110】
求められた比色座標に基づいて、ステップ3では、色基準に関する、製造ラインのそれぞれの表面要素およびそれぞれの制御表面要素の色差が求められる。ここでは、所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび所定数の光源の各光源について、個別にそれぞれの色差が求められ、それによって、最終的に、製造ラインの各表面要素および各制御表面要素に対して、計算された色差のセットが得られ、詳細には、それぞれの表面要素によって表されるそれぞれの表面ごと、測定ジオメトリごと、および光源ごとにそれぞれ1つの色差が得られる。ここでは、通常、表面要素ごとに複数の同種の表面が測定されることに注意すべきである。さらに、効果塗料の場合、表面ごと、測定ジオメトリごと、光源ごとにそれぞれ1つのきらめき間隔および粗性偏差が決定される。後続するステップ3/4では、求められた色差および場合によっては求められたきらめき間隔および粗性偏差が、それぞれ許容値Ssで正規化される。この場合、この許容値Ssは、製造中の表面要素の一連の表面、すなわち、バッチの塗料で塗装された一連の表面要素の表面について決定される。すなわち、第1の許容値Ssは、バッチの塗料で塗装された表面要素の一連の表面について決定され、それぞれのバッチの塗料で塗装された一連の表面要素の表面について決定された色差および場合によってはきらめき間隔および粗性偏差に対する正規化係数として使用される。その際、バッチの塗料で塗装された一連の表面要素の表面のうち、それぞれの色差および/またはきらめき間隔および/または粗性偏差がそれぞれ第1の許容値Ssよりも大きい表面がカウントされる。ここでカウントされた表面の数に基づいて、ステップ4では、色品質インジケータCPIが決定される。すなわち、色品質インジケータCPIは、ここでは「f」により一般化されて見分けられるように、許容値SSによって与えられた許容範囲内にない、バッチの塗料で塗装された一連の表面要素の表面からカウントされた表面要素の表面の数もしくはパーセンテージで機能的に関連付けられている。
【0111】
ステップ5では、予め定められた統計分析方法が、製造ラインの表面要素および制御表面要素に関して計算された色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差に対して実施される。それにより、外れ値を識別して除去することができ、その後、補正されたそれぞれの色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては、粗性偏差を、それぞれの表面要素に対して提供することができる。このことは、予め定められた統計分析方法が外れ値の検査機能として働き、例えば2つの塗料-バッチの混合段階中に発生し得るノイズから測定を解放できることを意味する。多くの場合、他の外れ値は説明できないが、信頼性の高い色制御からは除去すべきであろう。ここにおいて、補正されたそれぞれの色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差も、ステップ5/6_1において同様に正規化され、詳細には、バッチの塗料に対するバッチ許容差として固定的に予め定められた第2の正規化係数Scで正規化される。ここにおいて、正規化され補正された色差および場合によっては正規化され補正されたきらめき間隔および粗性偏差は、ここにおいて、異なる色品質インジケータを求めるために用いられる。この場合、各色品質インジケータは、異なる表面要素のそれぞれの色差もしくはきらめき間隔もしくは粗性偏差の色品質インジケータ固有のここでは包括的に「f」で示される数学的結合に基づいている。
【0112】
ステップ6_1では、ここにおいて、生産ラインのそれぞれの表面要素の色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差に基づいて、色インジケータBPIが計算される。ここでは、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、生産ラインからのそれぞれの表面要素のすべての色差もしくは色間隔および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差にわたってそれぞれ1つの平均値が求められる。所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対してそれぞれ求められた平均値は、再度予め定められた方法で、例えば
図2の表に示されるように、相互に清算され、その際に得られた結果は、事前に提供されるべきマッピングルール「rating」を用いて、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールの値に割り当てられる。この場合、割り当てられたスケール値は、色品質インジケータBPIの値を示す。ここでは、それぞれ1つの表面要素に対してそれぞれの色品質インジケータBPIが決定され、すなわち、ここでは、BPI
OEMおよびそれに依存することなく決定されるBPI
ASPが存在する。
【0113】
さらに、色品質インジケータAPIが計算され、この場合、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、第2の関数値が、塗料メーカーによって塗装された車体の制御表面要素OEM_QCもしくは塗料メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の制御表面要素ASP_QCの正規化された色差もしくは正規化されたきらめき間隔もしくは正規化された粗性偏差と、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差間の平均値もしくは車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差の平均値と、の間のそれぞれの差分の絶対値として決定される。このことは、xの測定ジオメトリおよびyの光源の場合に、x
*yの第2の関数値が、相互に清算された色差に関連して生じ、および場合によっては対応する数の第2の関数値が、表面要素ごとに、相互に清算されたきらめき間隔もしくは粗性偏差に関連して生じることを意味する。例えば
図2の表に従って相互に清算される表面要素の第2の関数値には、事前に提供されるべき割り当て規則もしくはマッピングルールを用いてスケールの値が割り当てられ、この場合に、割り当てられるスケール値は、車体部品もしくは付属部品に対する色品質インジケータAPIを示す。ここでは、それぞれ1つの表面要素に対してそれぞれの色品質インジケータAPIが決定され、すなわち、ここでは、API
OEMおよびそれに依存することなく決定されるAPI
ASPが存在する。
【0114】
さらに、色品質インジケータCHIが決定され、この場合、各測定ジオメトリおよび各光源に対して、それぞれ1つの第3の関数値が、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの決定かつ正規化された色差と、車両メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの決定かつ正規化された色差と、の間のそれぞれの差分の絶対値として、および場合によっては決定され、正規化されたOEMのきらめき間隔と決定され正規化されたASPのきらめき間隔との間のそれぞれの差分の絶対値として、および場合によっては、正規化され補正されたOEMの粗性偏差と、正規化され補正されたASPの粗性偏差と、の間のそれぞれの差分の絶対値として決定される。所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して生じる第3の関数値は、予め定められた計算命令に従って、すなわち、予め定められたマッピングルールに従って、例えば
図2の表に従うように相互に清算され、そこから生じる結果も同様に、事前に提供されるべき割り当て規則もしくはマッピングルール「rating」を用いてスケールの値に割り当てられ、この割り当てられたスケール値は、色品質インジケータCHIの値に対応する。
【0115】
通常、それぞれのスケール値は、1~8もしくはQ1~Q8までの間隔を含み、この場合、値1はそれぞれ最低のランクを表し、値8はそれぞれ最高のランクを表す。3つの色品質インジケータBPI、API、およびCHIの他に、補正された色差に基づいて、ステップ6_2では、さらなる色品質インジケータLPIを決定することができる。この色品質インジケータLPIは、上記で説明した色品質インジケータBPI、API、およびCHIに比べて、固定的に予め定められた正規化定数もしくは正規化係数を使用する。これらは、分光ジオメトリに対して以下のように確定されている。
【0116】
W(LIP)=(1.0,0.2,0.2,0.8,0.2)は、座標L*、a*、b*、C*、H*の重み付けもしくは正規化のためにある。ステップ5/6_2において、そのように重み付けされ、補正された色差(および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差)に基づいて、
色品質インジケータLPIは、
各測定ジオメトリおよび各光源タイプに対して決定された少なくとも1つの第4の関数値により、車体メーカーによって塗装された車体の少なくとも1つの表面要素OEMの補正かつ正規化された色差(および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差)もしくは自動車メーカーによって塗装されたプラスチック製の車体付属部品の少なくとも1つの表面要素ASPの補正かつ正規化された色差(および場合によってはきらめき間隔および場合によっては粗性偏差)の分散に基づいて、もしくは分散として決定される。所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対して表面要素ごとに生じる第4の関数値は、表面要素ごとに予め定められた計算命令に従って、もしくは予め定められたマッピングルールに従って相互に清算され、そこから生じる結果も同様に、事前に提供されるべき割り当て規則またはマッピングルールを用いてスケールの値に割り当てられ、この場合、このスケール値は、車体もしくは車体付属部品に対する色品質インジケータLPIの値を示す。この色品質インジケータLPIも同様に、車体およびそれぞれの車体付属部品に対して個別に決定される。
【0117】
色品質インジケータLPI、BPI、API、およびCHIは、それぞれの色品質インジケータ固有の関数値を、すべての色品質インジケータに対して同一のスケールのスケール値へ割り当てる際には、同じマッピングルールに、例えば
図2の表から明らかなマッピングルールなどに基づいている。
【0118】
図2には、3つの列13、15および17を有する表10が示されている。第1の列13は、1~8までの評価スケールにわたって拡がるスケール値Qを示す。この場合、1は最低品質を示し、8は最高品質を示す。
【0119】
列15は、予め定められたマッピング規則に従って、具体的な一義的方程式の形態で、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源についてそれぞれ計算された色品質インジケータ固有の関数値の、それぞれのスケール値Qへの割り当て規則を示す。すべての色品質インジケータには、それらにそれぞれ割り当てられた数学的関係に基づいて、常にある種の色間隔もしくはきらめき間隔もしくは粗性偏差がそれぞれの関数値として生じるため、各色品質インジケータについて様々な方法で、詳細にはそれぞれの色品質インジケータ固有の数学的関係に依存して生じるこれらの色間隔もしくはきらめき間隔もしくは粗性偏差は、
図2の表および以下の関連する説明において、以下の変数
【数3】
で包括的に示される。特定のスケール値に割り当てるためには、それぞれ具体的な方程式によって定義される少なくとも4つ、最大で10の条件が満たされている必要がある。ここでの「方程式」との用語は広義に解釈されるべきであり、詳細には、2つの項の同一性に関する記述として狭義の意味での「等式」も、2つの項の間の大きさの比較としての「不等式」も含んでいる。
【0120】
このことは、考慮すべき塗料に対して、多数の色品質インジケータのそれぞれの色品質インジケータを特定のスケール値に割り当てるためには、当該塗料について事前に計算された色品質インジケータ固有の関数値が、それぞれの特定のスケール値に対して予め定められたマッピングルール「rating」によって確定された条件を満たす必要があることを意味する。
【0121】
列15の1行目では、例えば、25°と75との間の測定ジオメトリに対して、すなわち25°の測定角度での測定ジオメトリ、45°の測定角度での測定ジオメトリ、および75°の測定角度での測定ジオメトリに対して、それぞれの色インジケータ固有の数学的関係を用いて計算されたすべての色間隔(ここでの「色間隔」との用語は、先の段落で説明したように理解されたい)の総和、すなわち、
【数4】
が、12の値以上であり、かつ測定ジオメトリ25°、45°、および75°の各個別の色間隔、
【数5】
が単独で見て6の値以上の場合、それぞれの使用される色間隔の基礎となる数学的関係に割り当てられているそれぞれの色品質インジケータに対するそれぞれの塗料に、スケール値1が割り当てられる。すなわち、それぞれの色品質インジケータは、スケール値1を有する。このスケール値1は、ここでは最低品質レベルを表すため、例えば25°と75°との間の測定ジオメトリに対して相応に計算されたすべての色間隔の総和、すなわち、
【数6】
が、12の値以上であるが、例えば、測定ジオメトリ25°、45°、および75°の測定ジオメトリに対して計算された色間隔がそれぞれ単独で見て6未満である場合も、スケール値Q=1への割り当てが行われる。
【0122】
この総和、
【数7】
は、ここでは、通常、個別の測定ジオメトリ25°、45°、および75°に対して、すなわち25°、45°、および75°のそれぞれの測定角度で計算された色間隔の合計に対応している。相応に、総和、
【数8】
は、個別の測定ジオメトリ15°、25°、45°、75°、および110°に対して、すなわち測定角度15°、25°、45°、75°、および110°に対して計算された色間隔の合計に対応している。
【0123】
すべてのより高い品質レベルもしくはスケール値、すなわちQが、2、3、4、5、6、7、および8に等しい場合、基礎となる塗料もしくは塗料バッチの対応する色品質インジケータが、それぞれの品質レベルもしくは対応する特性番号もしくは対応するスケール値Q=2、3、4、5、6、7、または8を受け取るためには、計算された色間隔、
【数9】
およびQ=7またはQ=8の場合には、付加的に、計算されたきらめき間隔、
【数10】
および粗性偏差、
【数11】
が、それぞれの品質レベルもしくはスケール値に割り当てられたそれぞれのすべての品質基準もしくは方程式を満たしていなければならない。この場合、記述形態、
【数12】
は、15°の測定角度、25°の測定角度、45°の測定角度、75°の測定角度、および110°の測定角度についてそれぞれの色品質インジケータに対するそれぞれの色品質インジケータに割り当てられた数学的関係に従って計算されたすべての色間隔の考慮を意味する。相応に、記述形態、
【数13】
は、15°の測定角度、45°の測定角度、および75°の測定角度についてそれぞれの色品質インジケータに割り当てられた数学的関係に従って計算されたすべてのきらめき間隔の考慮を意味する。
【0124】
効果塗料の場合は、きらめき間隔および粗性偏差も考慮すべきなので、特に高品質に対応する高い特性番号の場合には、厳格化条件、すなわち付加的条件の適用が想定されている。このことは、例えば7の値を有するスケール値Qへの割り当てのためのそれぞれの基準を満たすためには、それぞれの効果塗料について、15°と110°との間の測定ジオメトリに対してそれぞれ計算された色間隔、
【数14】
のいずれも1.73以上の値を有することが許されないことを意味する。それに応じて、測定ジオメトリ15°、25°、45°、75°、および110°に対してそれぞれの色品質インジケータ固有の関係に基づいて計算された色間隔、
【数15】
の各々は、1.73未満である必要がある。付加的に、それぞれの色品質インジケータ固有の関係に基づいて計算されたきらめき間隔、
【数16】
は、15°、45°、および75°のいずれの測定ジオメトリについても、1.73の値以上であることは許されない。さらに、それぞれの色品質インジケータ固有の関係に基づいて計算された粗性偏差、
【数17】
も、1.73の値以上であることは許されない。
【0125】
ソリッド塗料は、メタメリズム効果を、すなわち、異なる光源タイプを用いた照明のもとで異なる色もしくはグレーレベルを示す場合が多いので、ソリッド塗料については、列17に示されているように、固有の割り当て規則が設けられている。
【0126】
ソリッド塗料用のそれぞれの色品質インジケータをそれぞれのスケール値Qに割り当てるために、色品質インジケータに割り当てられた数学的関係に従って計算された色間隔、
【数18】
もしくはグレーレベル差の最大値が計算され、これは、例えば45°のそれぞれの測定ジオメトリに対してそれぞれ異なる光源タイプの下で、例えば光源タイプD64および光源タイプTL84の下で測定されている。このことは、それぞれの色品質インジケータ固有の数学的関係に基づいて計算された色間隔、
【数19】
が、光源タイプD64およびTL84の下で6の値以上の最大値を有する場合に、ソリッド塗料用のそれぞれの色品質インジケータに、例えば1のスケール値Qが割り当てられることを意味する。
【0127】
他のスケール値Qへの割り当てのための対応する基準は、表10の列15(効果塗料用)および列17(ソリッド塗料用)に定められている。
【0128】
ソリッド塗料の場合、例えば、以下が適用される。すなわち、
色間隔、
【数20】
の最大値が6未満であるが、4.5以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値2を受け取る。色間隔、
【数21】
の最大値が4.5未満であるが、3以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値3を受け取る。色間隔、
【数22】
の最大値が3未満であるが、2以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値4を受け取る。色間隔、
【数23】
の最大値が2未満であるが、1.7以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値5を受け取る。色間隔、
【数24】
の最大値が1.7未満であるが、1.4以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値6を受け取る。色間隔、
【数25】
の最大値が1.4未満であるが、1.0以上であるならば、それぞれの色品質インジケータは値7を受け取る。色間隔、
【数26】
の最大値が1.0未満であるならば、それぞれの色品質インジケータは値8を受け取る。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料の色制御のための多数の様々な色品質インジケータを決定するための方法であって、
色基準の比色座標および塗料の比色座標は、塗料で塗装された多数の様々な表面要素および塗料で塗装された多数の様々な制御表面要素について、それぞれ、所定数の測定ジオメトリおよび所定数の光源に対する分光光度計で求められ、
前記所定数の測定ジオメトリの各測定ジオメトリおよび前記所定数の光源の各光源に対して、それぞれの色差は、塗料で塗装された多数の前記表面要素および塗料で塗装された多数の前記制御表面要素に関して前記色基準の比色座標および前記塗料のそれぞれの比色座標から計算され、
前記それぞれの比色座標は、それぞれ1つの重み係数で正規化され、
前記多数の色品質インジケータの各々は、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたスケールのスケール値への、前記所定数の測定ジオメトリおよび前記所定数の光源に対するそれぞれ前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つの色差の間の各色品質インジケータに固有の数学的関係を用いて決定される関数値の、すべての色品質インジケータに対して同一の予め定められたマッピングルールによって定められるマッピングを用いて決定され、
前記色品質インジケータの少なくとも1つに関する前記数学的関係は、前記色基準に関する前記表面要素の少なくとも1つおよび前記制御表面要素の少なくとも1つの色差の間の数学的関係に対応する、
方法。
【外国語明細書】