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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171894
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】動作玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/26 20060101AFI20231128BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171785
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2020020406の分割
【原出願日】2019-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 晴久
(72)【発明者】
【氏名】舟木 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】永惠 裕也
(57)【要約】
【課題】コンパクトな動作玩具を提供する。
【解決手段】動作玩具1は、第1玩具体2と、第2玩具体3と、を備え、第1玩具体2は、磁界を検出する第1センサ10と、電気的に動作する第1動作部11と、第1センサ10が磁界を検出したことを条件に第1動作部を動作させる第1制御部13と、を有し、第2玩具体3は、永久磁石を含むスピーカユニット22を有し、第1玩具体2と第2玩具体3とが近接した際に、第1センサ10は、第2玩具体3が有するスピーカユニット22の永久磁石によって形成された磁界を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1玩具体と、
第2玩具体と、
を備え、
前記第1玩具体は、磁界を検出する第1センサと、電気的に動作する第1動作部と、前記第1センサが磁界を検出したことを条件に前記第1動作部を動作させる第1制御部と、を有し、
前記第2玩具体は、永久磁石を含むスピーカユニットを有し、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出する動作玩具。
【請求項2】
請求項1記載の動作玩具であって、
前記第2玩具体は、磁界を検出する第2センサと、電気的に動作する第2動作部と、前記第2センサが磁界を検出したことを条件に前記第2動作部を動作させる第2制御部と、を有し、
前記第1玩具体は、磁石を含むスピーカユニットを有し、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出する動作玩具。
【請求項3】
請求項2記載の動作玩具であって、
前記第1動作部は、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットを含み、
前記第2動作部は、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットを含む動作玩具。
【請求項4】
請求項2又は3記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出し、同時に、前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出する動作玩具。
【請求項5】
請求項4記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体は、前記第2玩具体を近接させることが可能な近接部を有し、
前記第2玩具体は、前記近接部に近接させることが可能な基部を有し、
前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記近接部に設けられており、
前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記基部に設けられている動作玩具。
【請求項6】
請求項5記載の動作玩具であって、
前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記近接部の表面に沿って並んで配置されており、
前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記基部の表面に沿って並んで配置されている動作玩具。
【請求項7】
請求項6記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体は、前記基部を前記近接部上で位置決めするガイド部を有する動作玩具。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記第2玩具体は、前記第2センサを所定時間ONにする操作スイッチを有する動作玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石と磁気センサとを組み合わせ、永久磁石が形成する磁界を磁気センサによって検出した場合に、スピーカから音声を出力する玩具が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-91388号公報
【特許文献2】特開2014-147598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載された玩具においては、スピーカとは別に永久磁石を用意する必要がある。このため、部品点数が増加し、玩具の小型化が妨げられる虞がある。
【0005】
本発明は、コンパクトな動作玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る動作玩具は、第1玩具体と、第2玩具体と、を備え、前記第1玩具体は、磁界を検出する第1センサと、電気的に動作する第1動作部と、前記第1センサが磁界を検出したことを条件に前記第1動作部を動作させる第1制御部と、を有し、前記第2玩具体は、永久磁石を含むスピーカユニットを有し、前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出する。
【0007】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第2玩具体は、磁界を検出する第2センサと、電気的に動作する第2動作部と、前記第2センサが磁界を検出したことを条件に前記第2動作部を動作させる第2制御部と、を有し、前記第1玩具体は、磁石を含むスピーカユニットを有し、前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出してもよい。
【0008】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第1動作部は、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットを含み、前記第2動作部は、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットを含んでもよい。
【0009】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出し、同時に、前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出してもよい。
【0010】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第1玩具体は、前記第2玩具体を近接させることが可能な近接部を有し、前記第2玩具体は、前記近接部に近接することが可能な基部を有し、前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記近接部に隣設されており、前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記基部に隣設されていてもよい。
【0011】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記近接部の表面に沿って並んで配置されており、前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットとは、前記基部の表面に沿って並んで配置されていてもよい。
【0012】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第1玩具体は、前記基部を前記近接部上で位置決めするガイド部を有してもよい。
【0013】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記第2玩具体は、前記第2センサを所定時間ONにする操作スイッチを有してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンパクトな動作玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態を説明するための、動作玩具の機能ブロック図である。
図2図1の第2玩具体の正面図である。
図3図1の第2玩具体の正面図である。
図4図1の第2玩具体の斜視図である。
図5図1の第1玩具体の正面図である。
図6図2の第2玩具体が図5の第1玩具体の設置部に置かれた状態を示す模式図である。
図7図2の第2玩具体が図5の第1玩具体の設置部に置かれた際の、第1玩具体及び第2玩具体の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図8図1の第1玩具体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、動作玩具の一例を示す。
【0017】
動作玩具1は、第1玩具体2と、第2玩具体3とを備える。
【0018】
第1玩具体2は、磁界を検出する第1センサ10と、電気的に動作する第1動作部11と、永久磁石を含む第1スピーカユニット12と、第1制御部13とを備える。
【0019】
磁界を検出する第1センサ10は、例えばホール素子である。電気的に動作する第1動作部11は、本例では第1スピーカユニット12を含み、音声を用いた演出を出力可能に構成されている。なお、第1動作部11は、LED(Light Emitting Diode)等の発光体を含み、光を用いた演出を出力可能に構成されてもよい。また、第1動作部11は、モータを含み、動きを伴う演出を出力可能に構成されてもよい。第1制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体とを含んで構成される。記憶媒体には、プロセッサによって実行されるプログラム、第1動作部11の動作データ等が記憶されている。
【0020】
第2玩具体3は、磁界を検出する第2センサ20と、電気的に動作する第2動作部21と、永久磁石を含む第2スピーカユニット22と、第2制御部23とを備える。
【0021】
磁界を検出する第2センサ20は、例えばホール素子である。電気的に動作する第2動作部21は、本例では第2スピーカユニット22を含み、音声を用いた演出を出力可能に構成されている。なお、第2動作部21は、LED(Light Emitting Diode)等の発光体を含み、光を用いた演出を出力可能に構成されてもよい。また、第2動作部21は、モータを含み、動きを伴う演出を出力可能に構成されてもよい。第2制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体とを含んで構成される。記憶媒体には、プロセッサによって実行されるプログラム、第2動作部21の動作データ等が記憶されている。
【0022】
第1玩具体2と第2玩具体3とが接近した際に、第1玩具体2の第1センサ10は、第2玩具体3の第2スピーカユニット22を構成する永久磁石によって形成された磁界を検出し、検出信号を第1制御部13に出力する。第1制御部13は、第1センサ10の検出信号が入力されたことを条件に、第1動作部11を動作させる。第1スピーカユニット12を含む第1動作部11は、第1制御部13の制御のもとで第1スピーカユニット12から音声演出を出力する。
【0023】
また、第1玩具体2と第2玩具体3とが接近した際に、第2玩具体3の第2センサ20は、第1玩具体2の第1スピーカユニット12を構成する永久磁石によって形成された磁界を検出し、検出信号を第2制御部23に出力する。ただし、第2玩具体3には、第2センサ20を所定時間ONにする操作スイッチ24が設けられている。第2センサ20は、操作スイッチ24が操作されることによってON状態(動作状態)となっている所定時間内に限り、磁界を検出可能である。第2制御部23は、第2センサ20の検出信号が入力されたことを条件に、第2動作部21を動作させる。第2スピーカユニット22を含む第2動作部21は、第2制御部23の制御のもとで第2スピーカユニット22から音声演出を出力する。
【0024】
また、第1玩具体2は、第1動作部11を動作させるトリガー信号を出力する第1スイッチ15を備える。第1制御部13は、第1スイッチ15のトリガー信号が入力された場合にも第1動作部11を動作させる。同様に、第2玩具体3は、第2動作部21を動作させるトリガー信号を出力する第2スイッチ25を備える。第2制御部23は、第2スイッチ25のトリガー信号が入力された場合にも第2動作部21を動作させる。
【0025】
図2から図4は、第2玩具体3の一例を示す。
【0026】
第2玩具体3は、使用者が把持可能である。第2玩具体3は、基部30と、可動部31とを備え、図1に示した第2センサ20、第2動作部21、第2スピーカユニット22、及び第2制御部23は、基部30の直方体状のハウジング内部に収容されている。可動部31は、矩形板状に形成されており、基部30の上面に設けられている回動軸部32によって回動可能に支持されている。第2玩具体3は、可動部31が基部30の上面に重なって配置される第1形態(図2参照)と、可動部31が、回動軸部32を中心にして180°回動され、基部30の上面から外れて配置される第2形態(図3参照)とに変形可能である。
【0027】
図4に示すように、基部30の第1側面30aには、第2センサ20を所定時間ONにする操作スイッチ24が設けられている。また、基部30の第2側面30bには、第2動作部21を動作させるトリガー信号を出力する第2スイッチ25が設けられている。
【0028】
図5は、第1玩具体2の一例を示す。
【0029】
第1玩具体2は、本体部40と、本体部40から延びるベルト41とを備え、例えば使用者が腰部に装着可能である。図1に示した第1センサ10、第1動作部11、第1スピーカユニット12、及び第1制御部13は、本体部40のハウジング内部に収容されている。
【0030】
本体部40は、使用者が第2玩具体3を近接させることが可能な近接部42を有する。第1玩具体2が使用者の腰部に装着され、第2玩具体3が使用者の右手に把持されることを想定し、近接部42は、本体部40の正面の右手側端部、換言すれば本体部40を正面から見た場合における正面の左側端部に設けられている。近接部42には、第2玩具体3を近接部42上で位置決めするためのガイド部が設けられている。ガイド部は3つの凸部43からなり、3つの凸部43は、第2玩具体3の三方の側面に係合することによって第2玩具体3を近接部42上で位置決めする。第2玩具体3は、例えば図5に示すように、互いに対向する2つ凸部43の間をスライドされ、残る1つの凸部43に対してスライド方向に当接し、近接部42に当接される。
【0031】
図6は、第2玩具体3が近接部42に当接している状態を示す。
【0032】
第1玩具体2の第1センサ10及び第1スピーカユニット12は、近接部42に設けられており、近接部42の表面に沿って並んで配置されている。第1スピーカユニット12の永久磁石が形成する磁界を第1センサ10が検出しないよう、第1センサ10と第1スピーカユニット12とは適宜離間している。また、第2玩具体3の第2センサ20及び第2スピーカユニット22は、使用者が近接部42に近接させることが可能な基部30に設けられており、基部30の表面に沿って並んで配置されている。第2スピーカユニット22の永久磁石が形成する磁界を第2センサ20が検出しないよう、第2センサ20と第2スピーカユニット22とは適宜離間している。
【0033】
第2玩具体3が近接部42に当接した際に、第1センサ10は第2スピーカユニット22の近傍に配置されるように構成され、第2センサ20は第1スピーカユニット12の近傍に配置されるように構成されている。第1センサ10と第2スピーカユニット22との距離は、第1センサ10と第1スピーカユニット12との距離よりも小さく、第2センサ20と第1スピーカユニット12との距離は、第2センサ20と第2スピーカユニット22との距離よりも小さい。
【0034】
第1センサ10が第2スピーカユニット22の近傍に配置された際は、第1センサ10は、第2スピーカユニット22の永久磁石によって形成された磁界を検出する。これにより、第1制御部13の制御のもと、第1スピーカユニット12から音声演出が出力される。また、第2センサ20が第1スピーカユニット12の近傍に配置された際は、第2センサ20は、第1スピーカユニット12の永久磁石によって形成された磁界を検出する。これにより、第2制御部23の制御のもと、第2スピーカユニット22から音声演出が出力される。なお、第2玩具体3が近接部42に当接する前に、第2玩具体3の操作スイッチ24が操作され、第2センサ20は予めON状態(動作状態)となっている。なお、第2玩具体3は近接部42に必ずしも当接しなくてもよく、第2玩具体3を近接部42にかざすことによって、永久磁石の磁界をセンサが検出するようにしてもよい。
【0035】
また、第1センサ10または第2センサ20において永久磁石の磁性を識別して検出可能とし、検出した磁性に応じて第1玩具体2または第2玩具体3から出力される演出が異なるようにしてもよい。その場合、近接部42または基部30の表面側に永久磁石の特定の磁極(N極またはS極)が配置されるようにするとよい。例えば、2つの第2玩具体3の一方は基部30の表面側にN極が配置されるようにし、他方は基部30の表面側にS極が配置されるようにし、一方の第2玩具体3を第1玩具体2に近接させた際と、他方の第2玩具体3を第1玩具体2に近接させた際とで、第1玩具体2から出力される演出を異ならせるようにしてもよい。永久磁石の磁性を識別検出可能とし、磁性に応じて出力される演出を異ならせることにより、より多彩な演出が可能であり、興趣性の高い動作玩具を提供することが可能である。
【0036】
このように、第1玩具体2の第1センサ10が検出する磁界を形成する磁気発生部材として、第2玩具体3が備える第2スピーカユニット22の永久磁石を利用し、また、第2玩具体3の第2センサ20が検出する磁界を形成する磁気発生部材として、第1玩具体2が備える第1スピーカユニット12の永久磁石を利用することにより、第1玩具体2及び第2玩具体3に永久磁石等の磁気発生部材を別途設ける場合に比べて部品点数を削減できる。これにより、第1玩具体2及び第2玩具体3を小型化できる。
【0037】
また、第1玩具体2の第1センサ10及び第1スピーカユニット12は、近接部42の表面に沿って並んで配置されており、近接部42に近接した第2玩具体3の第2センサ20と第1スピーカユニット12との距離を縮小できる。したがって、第1スピーカユニット12の永久磁石の磁力が比較的弱くとも、第1スピーカユニット12の永久磁石が形成する磁界を第2センサ20によって検出でき、第1スピーカユニット12の永久磁石として小型の磁石を用いることができる。同様に、第2玩具体3の第2センサ20及び第2スピーカユニット22は、近接部42に接する基部30の表面に沿って並んで配置されており、近接部42の第1センサ10と第2スピーカユニット22との距離を縮小できる。したがって、第2スピーカユニット22の永久磁石の磁力が比較的弱くとも、第2スピーカユニット22の永久磁石が形成する磁界を第1センサ10によって検出でき、第2スピーカユニット22の永久磁石として小型の磁石を用いることができる。これにより、第1玩具体2及び第2玩具体3をさらに小型化できる。
【0038】
なお、使用者が把持可能な第2玩具体3同士が複数重ねられる場合も想定され、一方の第2玩具体3の第2センサ20が、他方の第2玩具体3の第2スピーカユニット22の近傍に配置される可能性がある。しかし、第2玩具体3の操作スイッチ24が操作されない限り、第2センサ20はOFF状態(非動作状態)に維持される。したがって、第2玩具体3同士が重ねられたとしても、これらの第2玩具体3から不用意に音声演出が出力されることが抑制される。
【0039】
ここで、第2玩具体3が第1玩具体2の近接部42に適正に近接した場合に、第1玩具体2の第1センサ10による磁界の検出と、第2玩具体3の第2センサ20による磁界の検出とが同時に起こる。本例では、ガイド部としての3つの凸部43が近接部42に設けられており、これら3つの凸部43により、第2玩具体3は近接部42上で位置決めされる。これにより、容易に且つ確実に第2玩具体3が近接部42に適正に配置され得る。そして、第1センサ10による磁界の検出と、第2センサ20による磁界の検出とが同時に行われることにより、第1玩具体2から出力される音声演出と、第2玩具体3から出力される音声演出とのタイミングを調整し、多彩な演出が可能となる。
【0040】
例えば図7に示す例では、時刻t1において第1玩具体2の第1センサ10及び第2玩具体3の第2センサ20が磁界を同時に検出し、直後に第2玩具体3の第2制御部23が、第2制御部23に記憶している動作データD1に基づき、第2玩具体3の第2スピーカユニット22に音声演出を出力させる。動作データD1に基づく音声演出の出力が完了する時刻t2において、第1玩具体2の第1制御部13が、第1制御部13に記憶している動作データD2に基づき、第1玩具体2の第1スピーカユニット12に音声演出を出力させる。このように、第1センサ10による磁界の検出と、第2センサ20による磁界の検出とが同時であることにより、第1制御部13と第2制御部23との間で通信することなく、音声演出のタイミングを調整できる。
【0041】
図1に示した動作玩具1では、第1玩具体2は、第1動作部11を動作させるトリガー信号を出力する第1スイッチ15をさらに備え、第2玩具体3もまた、第2センサ20の他に、第2動作部21を動作させるトリガー信号を出力する第2スイッチ25をさらに備える。図8に示すように、第1玩具体2の本体部40は、本体部40の左側面に開口する収容部45を有し、収容部45は、第2形態(図3参照)の第2玩具体3を収容可能である。
【0042】
第2玩具体3は、基部30の第2側面30bを前に向けて収容部45に挿入される。第2側面30bと対向する収容部45の底面には、第1突起46及び第2突起47が設けられている。第1突起46は、第2側面30bに設けられている第2スイッチ25を押圧する。一方、第2突起47は第2側面30bによって押し込まれる。第2突起47は、第1スイッチ15と係合しており、押し込まれることによって第1スイッチ15を押圧する。したがって、第2玩具体3が収容部45に挿入された際に、第1スイッチ15及び第2スイッチ25が同時にONとなる。第1スイッチ15及び第2スイッチ25が同時にONとなることにより、例えば図7に示したように第1玩具体2から出力される音声演出と、第2玩具体3から出力される音声演出とのタイミングを調整でき、多彩な演出が可能となる。
【0043】
なお本実施の形態では、磁界を検出するセンサによってスピーカユニットの永久磁石の磁界を検出した際、音声による演出が出力される場合を説明したが、これに限られることはなく、音声とともにLEDによる光の演出や、その他の演出部材による演出が出力されたり、音声は出力されずLEDによる光の演出や、その他の演出部材による演出のみが出力されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 動作玩具
2 第1玩具体
3 第2玩具体
10 第1センサ
11 第1動作部
12 第1スピーカユニット
13 第1制御部
15 第1スイッチ
20 第2センサ
21 第2動作部
22 第2スピーカユニット
22 スピーカユニット
23 第2制御部
24 操作スイッチ
25 第2スイッチ
30 基部
30a 第1側面
30b 第2側面
31 可動部
32 回動軸部
40 本体部
41 ベルト
42 設置部
43 凸部
45 収容部
46 第1突起
47 第2突起
D1 動作データ
D2 動作データ
ON 所定時間
t1 時刻
t2 時刻
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1玩具体と、
第2玩具体と、
を備え、
前記第1玩具体は、磁界の磁性を識別して検出可能な第1センサと、電気的に動作する第1動作部と、前記第1センサが磁界を検出したことを条件に前記第1動作部を動作させる第1制御部と、
を有し、
前記第2玩具体は、永久磁石を有し、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する永久磁石によって形成された磁界を検出し、前記第2玩具体が有する永久磁石の磁性に応じて前記第1動作部は異なる動作を行う動作玩具。
【請求項2】
請求項1記載の動作玩具であって、
前記第2玩具体は、磁界を検出する第2センサと、電気的に動作する第2動作部と、前記第2センサが磁界を検出したことを条件に前記第2動作部を動作させる第2制御部と、
を有し、
前記第1玩具体は、永久石を有し、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記永久磁石によって形成された磁界を検出する動作玩具。
【請求項3】
請求項2記載の動作玩具であって、
前記第1動作部は、前記第1玩具体が有する前記永久磁石を含み、
前記第2動作部は、前記第2玩具体が有する前記永久磁石を含む動作玩具。
【請求項4】
請求項2又は3記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記永久磁石によって形成された磁界を検出し、同時に、
前記第2センサは、前記第1玩具体が有する前記永久磁石によって形成された磁界を検出する動作玩具。
【請求項5】
請求項4記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体は、前記第2玩具体を近接させることが可能な近接部を有し、
前記第2玩具体は、前記近接部に近接させることが可能な基部を有し、
前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記永久磁石とは、前記近接部に設けられており、
前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記永久磁石とは、前記基部に設けられている動作玩具。
【請求項6】
請求項5記載の動作玩具であって、
前記第1センサと、前記第1玩具体が有する前記永久磁石とは、前記近接部の表面に沿って並んで配置されており、
前記第2センサと、前記第2玩具体が有する前記永久磁石とは、前記基部の表面に沿って並んで配置されている動作玩具。
【請求項7】
請求項6記載の動作玩具であって、
前記第1玩具体は、前記基部を前記近接部上で位置決めするガイド部を有する動作玩具。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記第2玩具体は、前記第2センサを所定時間ONにする操作スイッチを有する動作玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る動作玩具は、第1玩具体と、第2玩具体と、を備え、前記第1玩具体は、磁界を検出する第1センサと、電気的に動作する第1動作部と、前記第1センサが磁界を検出したことを条件に前記第1動作部を動作させる第1制御部と、を有し、前記第2玩具体は、永久磁石を含むスピーカユニットを有し、前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する前記スピーカユニットの永久磁石によって形成された磁界を検出する。また本発明に係る動作玩具は、第1玩具体と、第2玩具体と、を備え、前記第1玩具体は、磁界の磁性を識別して検出可能な第1センサと、電気的に動作する第1動作部と、前記第1センサが磁界を検出したことを条件に前記第1動作部を動作させる第1制御部と、を有し、前記第2玩具体は、永久磁石を有し、前記第1玩具体と前記第2玩具体とが近接した際に、前記第1センサは、前記第2玩具体が有する永久磁石によって形成された磁界を検出し、前記第2玩具体が有する永久磁石の磁性に応じて前記第1動作部は異なる動作を行う。