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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171917
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】プログラム、及び、ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231128BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20231128BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20231128BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20231128BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20231128BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20231128BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F9/00 512B
A63F13/25
A63F13/792
A63F13/95 A
A63F13/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172432
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2021191565の分割
【原出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
(57)【要約】
【課題】興趣性の高いゲームを提供するプログラム及びゲーム装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】プログラムは、コンピュータに、第1代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム要素を用いた対戦を含むゲームを実行するよう制御するゲーム実行制御処理と、ゲーム要素が対応付けられた物品を提供する提供手段を制御する提供制御処理と、を実行させる。提供制御処理は、対戦の終了を条件として、提供手段による物品の提供を可能に制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム要素を用いた対戦を含むゲームを実行するよう制御するゲーム実行制御処理、
前記ゲーム要素が対応付けられた物品を提供する提供手段を制御する提供制御処理、
を実行させ、
前記提供制御処理は、前記対戦の終了を条件として、前記提供手段による物品の提供を可能に制御する、
プログラム。
【請求項2】
前記対戦の終了は、前記対戦のプレイが実行されて終了したこと、又は、前記対戦のプレイが実行されることなく終了したこと、である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提供制御処理は、前記対戦の終了及び第2代価の支払いを検出したことを条件として、前記提供手段による少なくとも一以上の物品の提供を可能に制御する、
請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記提供制御処理は、前記第2代価の支払い回数に応じた数の前記物品を、前記提供手段により提供可能に制御する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2代価は、前記第1代価よりも低額である、
請求項3又は請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記ゲームの実行中において、抽選を実行する抽選処理を、コンピュータに実行させ、
前記提供制御処理は、前記抽選に当選したこと及び第3代価の支払いを検出したことを条件として、前記提供手段から前記物品を提供可能に制御する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記第3代価は、前記第1代価と同額である、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記提供手段は、
第1種別の物品を提供可能な第1物品提供手段と、
第2種別の物品を提供可能な第2物品提供手段と、
を備える、
請求項1から請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2種別の物品に対応付けられたゲーム要素は、前記第1種別の物品に対応付けられたゲーム要素よりも、対戦を有利に進めることができるキャラクタ情報を持つ、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記提供制御処理は、前記第1代価の支払いの検出を条件として、前記第1物品提供手段又は前記第2物品提供手段のいずれかひとつから、前記物品を提供可能に制御する、
請求項8又は請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記提供制御処理は、前記第1種別の物品の提供割合が前記第2種別の物品の提供割合よりも大きくなるように、前記第1代価の支払いの検出を条件とする物品の提供を制御する、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記提供制御処理は、前記第2代価の支払いの検出を条件として、前記第1物品提供手段又は前記第2物品提供手段のいずれかひとつから、前記物品を提供可能に制御する、
請求項8から請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記提供制御処理は、前記第1種別の物品の提供割合が前記第2種別の物品の提供割合よりも小さくなるように、前記第2代価の支払いの検出を条件とする物品の提供を制御する、
請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記提供制御処理は、前記抽選に当選したこと及び第3代価の支払いを検出したことを条件として、前記第2物品提供手段から前記物品を提供可能に制御する、
請求項8から請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記プログラムは、前記物品の提供後において、前記ゲームのプレイ結果を提示可能な提示処理を、コンピュータに実行させる、
請求項1から請求項14のいずれかに記載のプログラム。
【請求項16】
前記提示処理は、前記提供手段により、前記第2代価の支払い回数に応じた数の前記物品を提供した後に、前記ゲームのプレイ結果を提示する、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ゲームプレイ実行制御処理は、
前記第1代価の1回の支払いに対して1つの前記ゲームを実行し、前記ゲームの終了後、前記第1代価よりも低額な代価による前記ゲームのプレイ続行を不可能に制御する、
請求項1から請求項16のいずれかに記載のプログラム。
【請求項18】
前記ゲームの終了は、前記ゲームのプレイ結果の提示を条件とする、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
第1代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム要素を用いた対戦を含むゲームを実行するよう制御するゲーム実行制御手段と、
前記ゲーム要素が対応付けられた物品を提供する提供手段と、
前記対戦の終了を条件として、前記提供手段による物品の提供を可能に制御する提供制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームを行った後に、当該ゲームに用いられるゲーム要素に対応したゲームカード等の物品をプレイヤに提供するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。このようなゲーム装置では、プレイヤは単にゲームを楽しむのみでなく、ゲームカード等の物品を取得することができるため、ゲームカード等の物品を取得・収集する楽しみ等もあり、飽きずに繰り返しゲームを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-189276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲーム装置における一連のゲームプレイのどこのタイミングで、物品を提供するかは、興趣性の高いゲームを提供する上で重要である。
そこで、本発明は、興趣性の高いゲームを提供するプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、コンピュータに、第1代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム要素を用いた対戦を含むゲームを実行するよう制御するゲーム実行制御処理、前記ゲーム要素が対応付けられた物品を提供する提供手段を制御する提供制御処理、を実行させ、前記提供制御処理は、前記対戦の終了を条件として、前記提供手段による物品の提供を可能に制御する、プログラムである。
【0006】
本発明の一態様は、第1代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム要素を用いた対戦を含むゲームを実行するよう制御するゲーム実行制御手段と、前記ゲーム要素が対応付けられた物品を提供する提供手段と、前記対戦の終了を条件として、前記提供手段による物品の提供を可能に制御する提供制御手段と、を備えるゲーム装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高いゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の実施形態に係るゲームシステムの概略図である。
図2図2は本実施形態に係るゲーム装置1の外観の一例を示す図である。
図3図3は本実施形態に係るゲーム装置1により実行されるゲームの概要を説明するための図である。
図4図4は本実施形態に係るゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である。
図5図5はゲーム要素データベース190の一例を示した図である。
図6図6は本実施形態に係るゲームサーバ2の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は本実施形態に係るゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である。
図8図8はゲーム装置1の動作フローチャートである。
図9図9はメインメニュー画面の一例を示した図である。
図10図10はゲーム結果画面の一例を示す図である。
図11図11はゲーム終了画面の一例を示す図である。
図12図12はゲームカード提供処理(Step 108)の動作フローチャートである。
図13図13はゲームカード提供画面の一例を示す図である。
図14図14はゲームカード連続提供処理(Step 109)の動作フローチャートである。
図15図15は連続提供画面の一例を示した図である。
図16図16は第2の実施の形態における一連のゲームプレイを説明するための図である。
図17図17は第2の実施の形態におけるゲーム装置1の動作フローチャートである。
図18図18は副対戦処理(Step 400)の動作フローチャートである。
図19図19は副対戦実行選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の第1の実施の形態>
[全体構成]
【0010】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステムは、1つ以上のゲーム装置1と、ゲームサーバ2とを備えて構成される。ゲーム装置1とゲームサーバ2とは、通信回線Nに接続可能で、相互に通信可能である。
【0011】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0012】
ゲーム装置1は、ゲームを実行する装置であり、通信回線Nに接続し、ゲームサーバ2とデータ通信を行うことができる。ゲーム装置1は、例えば、業務用ゲーム装置(アーケードゲーム装置)、スマートフォンや、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等である。ゲーム装置1は、基本的には、複数存在し、各プレイヤにより操作される。
【0013】
図2はゲーム装置1の外観の一例を示す図である。ゲーム装置1は、図2に示すように、ゲームに関する画面が表示される表示パネル11と、表示パネル11と一体化した操作タッチパネル12と、操作ボタン13と、プレイヤに関する情報を取得するための第1読取部14と、物品を配置可能に構成され、配置された物品から情報を読み取る第2読取部15と、硬貨が投入される投入口16と、物品が排出される取出口17と、を備える。
【0014】
ゲームサーバ2は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。ゲームサーバ2は、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲームの運営に必要なデータの管理、ゲーム装置1でのゲームの実行に必要なゲームプログラムやデータの配信等を行うことができる。
【0015】
本実施形態では、このようなシステム構成により、ゲームサーバ2及び通信回線Nを介して、複数のゲーム装置1を利用するプレイヤ間での対戦プレイが実現可能に構成される。プレイヤ間での対戦プレイは、他のプレイヤを対戦相手とする対戦プレイだけでなく、コンピュータによるノンプレイヤキャラクタを対戦相手とする対戦プレイも含む。
【0016】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、対戦プレイを含む一連のゲームプレイ(対戦ゲーム)を実行可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームプレイ(対戦ゲーム)を実行可能な任意の機器に適用可能である。
【0017】
[ゲームの概要]
本実施の形態の理解を容易にするために、ゲーム装置1により実行されるゲームの概要について説明する。
本実施形態に係るゲームには複数のゲーム要素が登場する。ゲーム要素はキャラクタ(人物、搭乗物、アイテム等)である。そして、ゲーム要素は、物品に対応付けられるゲーム要素と、物品に対応付けられないゲーム要素と、に区別される。
【0018】
物品に対応付けられるゲーム要素は、対戦プレイにおいて主要的な役割を果たし、対戦プレイにおいて欠かすことができないゲーム要素であり、そのゲーム要素が存在しなければ対戦プレイ自体が成立しないゲーム要素である。また、物品に対応付けられるゲーム要素は、各種のキャラクタ情報(レベル、ヒットポイント、攻撃力、防御力、地形適正、使用武器等)を持ち、対戦プレイにおいてプレイヤの主たる操作対象となるゲーム要素とも言える。
【0019】
更に、物品に対応付けられるゲーム要素は各種のキャラクタ情報の相違から複数の種類があり、複数の種類の中でも特別な種別(例えば、対戦プレイを有利に進めることができるキャラクタ情報を持つ種別)はその希少性から特別な価値がある。それ故、プレイヤの所有欲を満たすため、仮想的ではなく、現実的にプレイヤが認知可能な実体のある有体物たる物品に、ゲーム要素を化体させて(対応付けて)プレイヤに提供することが好ましい。実体のある物品の一例としては、例えば、物理的な体積を有する物品(現実物品)であるゲームカードである。尚、物品は、ゲームカードに限られることなく、物品に対応付けられたゲーム要素を特定可能に構成された物品であれば、ゲームカードに限られるものではない。物品は、例えばゲーム要素の外観を有するフィギュア等の造形物であってもよい。
【0020】
本実施形態では、ゲーム装置1が提供するゲームに登場する複数種類のゲーム要素が対応付けられている物品は、いずれも有体物であるゲームカードであるものとして説明する。また、ゲーム要素の種別によって、ゲームカードを通常カードとレアカードとがあるものとする。レアカードは、通常カードに対応するゲーム要素よりも、ゲーム価値が高い、又は、対戦プレイを有利に進めることができるキャラクタ情報を持つゲーム要素が対応付けられたゲームカードである。
【0021】
ゲームカードがいずれのゲーム要素に対応付けられているかは、該ゲームカードに付されたゲーム要素を特定するための識別情報(ゲーム要素ID)を後述する読取部が取得することで特定できる。ゲームカードへの識別情報(ゲーム要素ID)の付加は、例えば、ゲーム要素を特定するための識別情報を変換して得られた1次元あるいは多次元のコードがゲームカードに印刷等で付されることにより実現されるものであってもよいし、ゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録される等、他の方式で実現されるものであってもよい。
【0022】
一方、物品に対応付けられないゲーム要素は、必ずしも、対戦プレイに必要なものではないが、他のゲーム要素又はプレイヤの情報(レベル、経験値等)に影響を与えるキャラクタ情報を持つ。例えば、物品に対応付けられないゲーム要素は、アイテムに代表されるように、他のゲーム要素のキャラクタ情報や、プレイヤの情報に対して、対戦プレイを有利に進めるような影響を与える副次的なゲーム要素である。それ故、そのようなゲーム要素は、必ずしも、現実的にプレイヤが認知可能な実体のある有体物たる物品等に化体させる必要はなく、無体物の情報(データ)として、プレイヤに提供することができる。但し、これらのゲーム要素は物品等に化体して表現することを排除するものではなく、物品等に化体して表現し、提供することも可能である。
【0023】
次に、一連のゲームの概要を説明する。
ゲーム装置1により実行されるゲームは、図3に示すように、対戦を含む一連のプレイから構成される。ゲーム装置1により実行されるゲームは、ゲームの代価(以下、第1代価と記載する場合がある)の支払いが検出されたことを条件として開始される。
【0024】
(1)プレイヤ情報の取得
ゲーム装置1は、ゲーム装置1を利用するプレイヤの情報(以下、プレイヤ情報と記載する場合がある)を取得する。例えば、ゲーム装置1は、プレイヤの識別情報が記録された記録媒体(例えば、プレイヤカード)からプレイヤの識別情報を第1読取部14により取得し、ゲームサーバ2と通信を行い、ゲームサーバ2で管理されているプレイヤ情報を取得する。プレイヤ情報はゲームの進行に応じて更新される。
【0025】
(2)メインメニュー提示
ゲーム装置1は、表示パネル11にメインメニューを表示し、プレイヤに提示する。ゲーム装置1は、操作タッチパネル12により、プレイヤによる選択操作を受け付ける。メインメニューで提示される選択肢には、例えば、「対戦の実行」と、「対戦の放棄」と、が含まれる。「対戦の実行」が選択されると対戦の処理に進む。ここで、「対戦の放棄」は、対戦をプレイヤが実行することなく、放棄することである。「対戦の放棄」が選択されると、対戦は実行されずにスキップ(放棄)される。
【0026】
(3)対戦
ゲーム装置1は、ゲーム要素を用いた対戦を実行する。尚、対戦は、複数の対戦を含んでも良いが、本実施の形態において、第1代価の支払いに対応付けられた対戦を、主対戦と記載する。対戦(主対戦又は副対戦を含む)で用いられるゲーム要素は、キャラクタ(人物、搭乗物等)であり、有体物である物品に対応付けられている。本実施形態において、物品はゲームカードである。ゲームカードには、対応付けられたゲーム要素を識別するための識別情報(ゲーム要素ID)が付加されている。
【0027】
主対戦に先立って、プレイヤにより第2読取部15に配置された一群のゲームカードからそれぞれのゲーム要素IDが第2読取部15によって読み取られ、読み取られた一群のゲーム要素IDに対応する一群のゲーム要素が対戦で使用可能なゲーム要素として登録される。対戦のプレイは、登録された一群のゲーム要素が所定のゲームフィールド中で対戦行動をとりながら進行する。このとき、対戦のプレイは、登録されたゲーム要素に対してなされた操作入力と、ゲーム要素のキャラクタ情報(パラメータ)とに基づいて制御される。そして、プレイヤ間で勝敗が決定すると対戦が終了する。
【0028】
(4)ゲームカード(物品)の提供
ゲーム装置1は、ゲームの第1代価の支払いに対して、主対戦をプレイ可能とすることに加え、1枚のゲームカード(ゲーム要素が対応付けられた物品)をプレイヤに提供する。主対戦の終了後、又は、メインメニューにおいて「対戦の放棄」が選択され、対戦プレイがスキップされて主対戦が終了した場合、ゲーム装置1は、ゲームカード(物品)を取出口17より排出してプレイヤに提供する。プレイヤのゲームカードの取得意欲は、対戦の終了直後が高くなると考えられる。一方、対戦よりもゲームカードの取得を目的とするプレイヤも存在する。そこで、対戦プレイを希望するプレイヤと、対戦プレイを希望せず、ゲームカードの取得を目的とするプレイヤと、の双方のプレイヤを満足させるため、対戦の終了後のタイミングで、ゲームカードを提供する。
【0029】
(5)ゲームカード(物品)の連続提供
本実施の形態では、ゲームの第1代価の支払いに対して1枚のゲームカードが提供されるが、この1枚のゲームカードの提供に加えて、プレイヤの要望により、更なる代価の支払いを条件として、更なるゲームカード(物品)の提供を行う。対戦後に更なるゲームカード(物品)の提供を行うのは、主対戦の結果を受けて、プレイヤがより弱点を補う、又は、より価値の高い、ゲームカードを欲するタイミングであるからである。また、プレイヤが、対戦のプレイをすることなく、ゲームカードの取得を目的とする場合であっても、第1代価の支払いに対するゲームカードの取得後に連続して取得することができれば、そのようなプレイヤに対しても有益であるからである。
【0030】
ゲーム装置1は、更なるゲームカードの提供を希望するかどうかについて、プレイヤによる選択操作を受け付ける。更なるゲームカードの提供を希望する旨の操作がなされた場合、ゲーム装置1は、更なる代価(以下、第2代価と記載する場合がある)の支払いをプレイヤに要求する。第2代価の支払いを検出したことを条件として、ゲーム装置1は、1枚のゲームカードを取出口17より排出してプレイヤに提供する。第2代価は、ゲームプレイの代価として支払う第1代価よりも低額である。第1の代価が支払われると、主対戦をプレイする権利と1枚のゲームカードとがプレイヤに提供されるが、第2代価が支払われても、主対戦をプレイする権利はプレイヤに提供されず、1枚のゲームカードがプレイヤに提供されるだけであるからである。
【0031】
更なるゲームカードの提供は、所定回数だけ繰り返して行うことが可能である。以下、このような繰り返してゲームカードを提供する行為をゲームカード連続提供と記載する。例えば、1回の第2代価の支払いに対してゲームカードを提供した後、ゲームカードの提供を更に希望するかどうかをプレイヤに選択させ、ゲームカードの提供をプレイヤが更に希望する場合、更なる第2代価の支払いを条件として1枚のゲームカードを更に提供する。更なるゲームカードの提供をプレイヤが希望しない場合、又は、ゲームカード連続提供の回数が所定回数に達した場合には、本処理を終了する。
【0032】
(6)ゲーム結果の表示
ゲーム装置1は、ゲーム結果を表示する。表示される情報は、例えば、対戦プレイの結果、対戦プレイの結果に応じて更新されたプレイヤやゲーム要素のレベル等である。なお、プレイヤが「対戦の放棄」を選択、すなわち、対戦を放棄した場合には、対戦が放棄された旨の表示がされる。
(7)終了画面の表示
ゲーム装置1は、所定の終了画面を表示して、第1代価に対応付けられた一連のゲームプレイからなるひとつのゲームを終了する。
【0033】
次に、各装置の構成を説明する。
[ゲーム装置1の構成]
図4はゲーム装置1の機能構成例を示すブロック図である。
【0034】
ゲーム装置1は、処理部20と、表示部21と、操作入力部22と、ユーザ情報読取部23と、ゲームカード情報読取部24と、代価検出部25と、音出力部26と、第1ゲームカード提供部27と、第2ゲームカード提供部28と、通信部29と、記憶部30と、第1読取部14と、第2読取部15と、を備える。
【0035】
処理部20は、記憶部30に格納されたプログラムやデータ、ユーザ情報読取部23、ゲームカード読取部24、操作入力部22からの入力信号等に基づいてゲーム装置1の動作を統括的に制御する。処理部20の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。処理部20は、主な機能部として、ゲーム実行部61と、第1ゲームカード提供制御部62と、第2ゲームカード提供制御部63と、を備える。これらの部については後述する。
【0036】
表示部21は、処理部20から出力される画像信号に基づいて各種ゲーム画面を表示する。表示部21の機能は、例えば、液晶などのフラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。図2では表示パネル11がこれに該当する。
【0037】
操作入力部22は、プレイヤがゲームに関する各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部20に出力する。操作入力部22の機能は、例えば、タッチパネル、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接プレイヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。図2では、操作タッチパネル12と操作ボタン13とがこれに該当する。
【0038】
ユーザ情報読取部23は、プレイヤ識別情報(プレイヤID)を記録した記録媒体を読み取るリーダー(第1読取部14)を制御して、プレイヤIDを記録した記録媒体からプレイヤIDを取得する。本実施形態ではプレイヤIDを記録した記録媒体は、ゲームカードに内蔵されたタグやICチップ等である。第1読取部14とユーザ情報読取部23とで、プレイヤカードからプレイヤIDを取得するプレイヤID取得手段を構成する。
【0039】
ゲームカード読取部24は、プレイヤが保有するゲームカードを読み取るリーダー(第2読取部15)を制御して、ゲームカードから、ゲームに登場させるゲームカードの識別情報(ゲーム要素ID)を取得する。例えば、ゲーム要素IDをコード化した1次元又は多次元のコードがゲームカードに印刷されている場合は、そのコードを読み取って、ゲーム要素IDを取得する。また、ゲーム要素IDが記録された近距離通信用のタグやICチップがゲームカードに内包されている場合は、タグやICチップからゲーム要素IDを取得する。第2読取部15とゲームカード読取部24とで、ゲームカードからゲーム要素IDを取得するゲーム要素ID取得手段を構成する。
【0040】
代価検出部25は、ゲーム装置1において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置1が有する投入口16に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置1は、ゲームに係る第1代価の支払いに基づいて、対戦を含むゲームに関する一連の処理を開始するものとして説明する。また代価の支払いは、ゲームに関する一連の処理の開始後も検出可能に構成される。
【0041】
音出力部26は、処理部20から出力される音信号に基づいてゲームに関する効果音等を音出力するためのスピーカ等である。
【0042】
第1カード提供部27及び第2カード提供部28は、収容部に収容されたゲームカードを1枚ずつ提供可能に構成されたカードディスペンサで構成される。本実施形態のゲーム装置1は、2種類のカードディスペンサ(第1ゲームカード提供部127及び第2ゲームカード提供部28)をゲーム装置1の筐体内部に備え、第1ゲームカード提供制御部62及び第2ゲームカード提供制御部63により、いずれかのゲームカード提供部から提供を行うかの制御がなされる。1つのカードディスペンサは、鉛直方向にゲームカードを積層する態様で収容可能に構成された収容部を有し、第1ゲームカード提供制御部62又は第2ゲームカード提供制御部63によりなされた提供命令に応じて最下層に保持されているゲームカードを1枚送出する機構を具備する。送出されたゲームカードは、取出口17を介してアクセス可能なスペースに導かれ、プレイヤに提供される。
【0043】
上述したように、本実施形態のゲーム装置1が提供するゲームカードにはゲーム要素が対応付けられ、ゲームプレイに際して使用することで、該ゲーム要素をゲームに登場させることができる。ゲームは、登場したゲーム要素のキャラクタ情報に応じて進行制御がなされるものであり、より有利に進行せしめるキャラクタ情報を有するゲーム要素ほど、ゲームにおける価値が高い。そこで、本実施形態ではゲームカードは、対応付けられたゲーム要素のゲームにおける価値に応じて2種類の種別に分類されている。
【0044】
本実施形態のゲーム装置1は、各種別のゲームカードを提供し分けることが可能なように構成される。具体的には、第1ゲームカード提供部27と第2ゲームカード提供部28とは、異なる種別のゲームカードが収容部に収容され、第1ゲームカード提供制御部62又は第2ゲームカード提供制御部63によりなされた提供命令に基づいて、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28を駆動させることで、特定の種別のゲームカードを提供可能なように構成されている。このため、ゲームカードは種別(第1種別(通常カード)と第2種別(レアカード))ごとにゲーム装置1の設置店舗等に納品され、ゲームカード補充の際には、第1ゲームカード提供部27の収容部には第1種別のゲームカード(通常カード)の束を、第2ゲームカード提供部28の収容部には第2種別のゲームカード(レアカード)の束を収容するよう運用されるものとする。そして、本実施形態のゲーム装置1は、第1ゲームカード提供部27が駆動される場合には通常カードを提供し、第2ゲームカード提供部28が駆動される場合にはレアカードを提供するように構成されている。
【0045】
通信部29は、外部装置との通信インタフェースである。通信部29は、通信回線N(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部29は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、通信回線Nを介してゲームサーバ2等の外部装置に送信する。また通信部29は、例えば通信回線Nを介して外部装置から情報を受信する。
【0046】
記憶部30は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記憶部30は、ゲーム装置1が有する各部の動作プログラムに加え、各部の動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置1が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。
【0047】
記憶部30には、ゲーム要素データベース190(ゲーム要素DB190)が格納されている。ゲーム要素ゲーム要素DB190は、ゲームに登場するゲーム要素の各々についての情報(ゲーム要素情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置1では、プレイヤはゲームプレイ時にゲームカードを、第2読取部15に配置して情報の取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させることができる。
【0048】
ひとつのゲーム要素について管理されるゲーム要素情報は、例えば図5に示されるように、ゲーム要素を一意に特定するゲーム要素ID191に関連付けて、該ゲーム要素をゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報192、及び該ゲーム要素の名称、属性等に加え、該ゲーム要素の経験値やレベル(要素レベル)等のパラメータや該ゲーム要素を使用することで発動する効果等を記述したキャラクタ情報193を含む。キャラクタ情報193は、ゲーム要素を登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該ゲームの進行制御に関与する。
【0049】
尚、本実施形態ではゲーム要素DB190に、グラフィックスデータ、キャラクタ情報等が格納され、ゲーム要素情報がこれらのデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム要素情報には、各情報のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0050】
次に、処理部20の主な機能部である、ゲーム実行部61と、第1ゲームカード提供制御部62と、第2ゲームカード提供制御部63と、について説明する。
【0051】
ゲーム実行部61は、第1ゲームカード提供制御部62及び第2ゲームカード提供部63と協働してゲームを実行する。
ゲーム実行部61は、第1代価の支払いが代価検出部25により検出されると、第1読取部14及びユーザ情報読取部23により取得したプレイヤ識別情報をゲームサーバ2に送信して、ゲームサーバ2で管理されているプレイヤ情報を受信して記憶部30に記憶する。なお、新たなプレイヤの場合には、ゲーム装置1は、ゲームサーバ2と通信を行い、プレイヤ情報の登録を行う。
【0052】
ゲーム実行部61は、プレイヤ情報を取得した後、メインメニューを表示部21に表示し、プレイヤによる選択入力を受け付ける。メインメニューで提示される選択肢には、例えば、「対戦の実行」と「対戦の放棄」とが含まれる。「対戦の実行」が選択されると、ゲーム実行部61は対戦処理を実行する。対戦処理では、初めに、ゲーム実行部61が、プレイヤが対戦で使用するゲームカードの登録を受け付ける。その後、ゲームサーバ2との通信により、他のプレイヤ又はノンプレイヤキャラクタを対戦相手とする対戦プレイを実行する。そして、ゲーム実行部61は、プレイヤによる対戦が終了すると、対戦終了通知を、第1ゲームカード提供制御部62に通知する。一方、メインメニューの「対戦の放棄」が選択された場合、ゲーム実行部61は、対戦放棄通知を、第1ゲームカード提供制御部62に通知する。
【0053】
ゲーム実行部61は、ゲーム結果を表示する処理を行う。表示されるゲーム結果は、例えば、対戦結果、プレイヤの評価、ゲーム要素の経験値やレベルの更新等の情報を含む。ゲーム実行部61は、ゲーム中の所定のタイミングでゲームサーバ2と通信を行い、ゲーム結果に関する情報を取得する。
【0054】
第1ゲームカード提供制御部62は、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28を制御し、ゲームカードをプレイヤに提供するための処理を行うものである。第1ゲームカード提供制御部62は、ゲーム実行部61から対戦終了通知又は対戦放棄通知を受信すると、第1カード提供部27又は第2カード提供部28のいずれかを選択するのかの抽選処理を開始し、当選したカード提供部に、提供命令を通知する。抽選は、確率を用いた抽選により行われる。例えば、抽選は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0.8、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が0.2等である。すなわち、対戦終了後に提供さるゲームカードは、0.8の割合で通常カードが提供され、0.2の割合でレアカードが提供されされることになる。また、第1ゲームカード提供制御部62は、第1ゲームカード提供部27のみを選択するようにしても良い。これらは、レアカードの価値を高めるためである。但し、上記の例は一例であり、カードの提供割合は他の数値であっても良い。第1ゲームカード提供制御部62は、ゲームカードの提供が完了すると、ゲームカードの提供が完了したことを示す提供完了通知を、第2ゲームカード提供制御部63に通知する。
【0055】
第2ゲームカード提供制御部63は、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28を制御し、第1ゲームカード提供制御部62によって行われる対戦終了後のゲームカードの提供後に、プレイヤの要望により行われるゲームカード連続提供を制御する。第2ゲームカード提供制御部63は、第1ゲームカード提供制御部62から提供完了通知を受信すると、ゲームカード連続提供を受けるかどうかについてのメニュー画面を表示部21に表示し、プレイヤによる選択入力を受け付ける。第2ゲームカード提供制御部63は、ゲームカード連続提供を受けない旨の入力操作がなされるまで、又は、第2代価の支払い条件とするゲームカードの連続提供が連続提供可能回数に達するまで、更なるゲームカードの提供を繰り返す。なお、連続提供可能回数は、ゲーム装置1の管理者等により変更可能としてもよい。
【0056】
第2ゲームカード提供制御部63は、ゲームカード連続提供を受ける旨が選択され、代価検出部25により第2代価が検出されると、第1カード提供部27又は第2カード提供部28のいずれかを選択するのかの抽選処理を開始し、当選したカード提供部に、提供命令を通知する。抽選は、確率を用いた抽選により行われる点では、第1ゲームカード提供制御部62と同様であるが、ゲームカードの提供割合が異なる。
【0057】
例えば、第2ゲームカード提供制御部63は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0.2、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が0.8等である。すなわち、ゲームカード連続提供を行うプレイヤの主目的は、ゲーム価値の高いゲームカードを取得することであり、この目的に沿うように、レアカードの提供割合を高く設定するのである。また、ゲームカードを購入する回数によって、提供割合を変動させるようにしても良い。例えば、連続提供可能回数を4回とした場合、第1回目のゲームカード提供の場合は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0.8、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が0.2とし、第2回目のゲームカード提供の場合は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0.5、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が0.5とし、第3回目のゲームカード提供の場合は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0.2、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が0.8とし、第4回目のゲームカード提供の場合は、第1ゲームカード提供部27の選択される割合が0、第2ゲームカード提供部28が選択される割合が1とする。すなわち、ゲームカード提供回数が増加するほど、レアカードの提供割合が増加し、連続提供可能回数時(本例では4回目)の場合には、かならずレアカードが提供されるようにする。更に、ゲームカード連続提供の場合は、常に第2ゲームカード提供部28が選択されるようにしても良い。但し、上記の例は一例であり、カード提供割合は他の数値であっても良い。第2ゲームカード提供制御部63は、ゲームカード連続提供が完了すると、ゲームカード連続提の提供完了通知をゲーム実行部61に通知する。
【0058】
[ゲームサーバ2の構成]
図6は、ゲームサーバ2の機能構成例を示すブロック図である。ゲームサーバ2は、処理部200と、通信部220と、記憶部240と、を備える。
【0059】
処理部200は、例えばCPUであり、サーバ2が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には処理部200は、例えば、記録部240に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。処理部200は、主な機能部として、マッチング処理部201と、管理部202と、を備える。
【0060】
マッチング処理部201は、本実施形態のゲームシステムにおいて提供されるプレイヤ間の対戦ゲーム(対人対戦)について、マッチングの処理を行う。マッチングの処理により、サーバ2に接続中のゲーム装置1のうち、例えば同時期にマッチング要求を送信した2台のゲーム装置1についてセッションを設けられ、対戦ゲームに係る情報通信が可能な状態に遷移される。
【0061】
管理部202は、ゲーム装置1において行われたゲームのプレイ内容に基づいて、ゲームに係るプレイヤの評価を管理する。より詳しくは、管理部202は、1回のゲームプレイごとにプレイ内容に基づいてプレイヤの評価を行い、評価結果に基づいて、後述するプレイヤに係るプレイヤ情報を生成または更新する。
【0062】
記録部240は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記録部21は、ゲームサーバ2が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。また、記録部240は、プレイヤデータベース210(プレイヤDB210)を記憶している。
【0063】
プレイヤDB210は、本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置1でプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)に対応付けられたゲームに係る利用状況を示す情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、各プレイヤについて、ゲームプレイの機能の利用履歴や、該プレイヤについて使用可能となっている各種ゲーム要素を管理するための情報である。プレイヤ情報は、ゲーム装置1においてプレイヤカードを使用した上で行われたゲームのプレイ結果に応じて順次更新され、該プレイヤカードが再度使用される際にはゲーム装置1に提供される。これにより、当該ゲーム装置1において、先のゲームプレイを反映した状態でのゲームプレイが提供可能となる。
【0064】
本実施形態ではプレイヤ情報は、例えば、図7に示されるように、プレイヤを識別するプレイヤID211に関連付けて、該プレイヤのゲームプレイの進行状況を示す進行状況情報212、該プレイヤが保有し、ゲームで使用可能となっているゲーム要素を示す所有情報213、該プレイヤについて使用可能となっているゲーム要素各々の強化状況を示す強化状況情報214、及び、該プレイヤに対して提供可能なゲーム要素を示す提供情報215、を含むものであってよい。
【0065】
ここで、進行状況情報212は、所定のストーリーのいずれの段階まで進行したかを示す進行情報、対戦ゲームの戦績を示す戦績情報等に加え、プレイヤのプレイ状況を評価した評価情報を含むものであってよい。
所有情報213は、プレイヤが保有するゲーム要素の識別情報が順次追加されて構成される。
【0066】
強化状況情報214は、少なくとも強化が行われている(初期状態からの変更がなされている)ゲーム要素について、該ゲーム要素のゲーム要素ID191に関連付けて、強化により変動したパラメータを示す指標としての経験値や要素レベル等のキャラクタ情報を管理するように構成されるものであってよい。強化状況情報214は、本実施形態では発明の理解を容易にならしめるべく、ゲーム装置1において行われたゲームのプレイ結果が得られた場合に、内容の更新がなされるものとして説明するが、例えばゲーム装置1に際して育成に係る機能が利用されたことによる育成結果の情報が得られたこと等に応じて更新がなされるものであってよい。
【0067】
提供情報215は、プレイヤに提供可能なゲーム要素の識別情報が記録される。提供情報215は、ゲーム装置1において行われたゲームのプレイ結果が得られた場合や、プレイヤが対戦を放棄したことの通知が得られた場合等に更新がなされるものであってもよい。
【0068】
通信部220は、外部装置との通信インタフェースである。通信部220は、通信回線N(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部220は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、通信回線Nを介してゲーム装置1等の外部装置に送信する。また通信部220は、例えば通信回線Nを介して外部装置から情報を受信する。
【0069】
[ゲーム装置1の動作]
ゲーム装置1の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0070】
プレイヤAは、ゲームの開始にあたり、ゲーム装置1が有する投入口16に、ゲーム実行の第1代価となる所定の金額の硬貨や相当するコインを投入する。代価検出部25が第1代価を検出すると(Step 100)、ゲーム実行部61が、一連のプレイからなるゲームを開始する(Step 101)。
【0071】
続いて、プレイヤAはプレイヤカードを、ゲーム装置1の第1読取部14(リーダ-)にタッチする。第1読取部14は、プレイヤAのプレイヤカードからプレイヤID211を読み取る(Step 102)。ユーザ情報読取部23は、プレイヤAのプレイヤカードから第1読取部14が読み取ったプレイヤID211をゲームサーバ2に送信することにより、ゲームサーバ2から、プレイヤID211に関連付けられているプレイヤ情報(進行状況情報212、所有情報213、強化状況情報214、提供情報215等)を受信して取得する(Step 103)。
【0072】
ゲーム実行部61は、メインメニューを表示する(Step 104)。図9は、メインメニュー画面の一例を示した図である。図9のメインメニュー画面では、「対戦の実行」、「対戦の放棄」等の選択肢が選択可能に表示されている。
【0073】
プレイヤAは、表示されたメインメニューから、希望する選択肢を選択する。ゲーム実行部61は、メインメニューから選択された選択肢を判定する(Step 105)。
【0074】
「対戦の実行」が選択された場合には、ゲーム実行部61は、対戦処理を実行する(Step 106)。対戦処理では、初めに、ゲーム実行部61が、プレイヤが対戦で使用するゲームカードの登録を受け付ける。プレイヤが対戦で使用するゲームカードに対応するゲーム要素の登録が完了すると、ゲーム実行部61は、プレイヤ間での対戦を開始する。そして、勝敗が決定すると対戦が終了する。
【0075】
第1ゲームカード提供制御部62は、対戦の終了の通知をゲーム実行部61から受信すると、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28を制御してゲームカードを1枚、取出口17から排出させる(Step 108)。尚、このゲームカード提供処理(Step 108)は後述する。
【0076】
一方、プレイヤAが対戦を望まず、メインメニューにおいて「対戦の放棄」を選択した場合、ゲーム実行部61は、対戦が放棄されたことをゲームサーバ2に通信により通知する(Step 107)。第1ゲームカード提供制御部62は、対戦の放棄の通知をゲーム実行部61から受信すると、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28を制御してゲームカードを1枚、取出口17から排出させる(Step 108)。尚、このゲームカード提供処理(Step 108)は後述する。
【0077】
次に、第2ゲームカード提供制御部63は、更なるゲームカードの提供に関する連続提供処理を実行する(Step 109)。尚、このゲームカード連続提供処理は後述する。
【0078】
ゲーム実行部61は、対戦プレイを実行し、ゲームカード連続提供処理が終了した場合、ゲーム結果を表示する(Step 110)。図10はゲーム結果画面の一例を示す図である。尚、対戦を放棄した場合は、対戦を放棄した旨の画面が表示される。
最後に、ゲーム実行部61は、ゲームの終了をプレイヤに通知する終了画面を表示する(Step 111)。図11はゲーム終了画面の一例を示す図である。終了画面の表示をもって、一連のゲームが終了する。すなわち、第1代価の1回の支払いに対して、1ゲーム中に、対戦とゲームカードとが提供され、第1代価よりも低額な代価による対戦プレイが提供されることはない。
【0079】
次に、ゲームカード提供処理(Step 108)の動作を、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0080】
第1ゲームカード提供制御部62は、ゲーム実行部61から対戦終了通知又は対戦放棄通知を受信すると(Step 200,201)、ゲームカード提供部の選択を行うための抽選処理を行う(Step 202)。抽選処理は、上述したように、所定の提供割合で、通常カード又はレアカードが提供されるように所定の確率で抽選が行われる。第1ゲームカード提供制御部62は、抽選の結果に基づいて、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28のいずれかを選択し(Step 203)、選択したカード提供部に提供命令を通知する(Step 204)。提供命令を通知された第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28は、ゲームカードを1枚、取出口17から排出する。
【0081】
そして、第1ゲームカード提供制御部62は、ゲームカード提供画面を表示する(Step 205)。図13はゲームカード提供画面の一例を示す図である。第1ゲームカード提供制御部62は、ゲームカードの1回の提供が完了した提供完了通知を、第2ゲームカード提供制御部63に通知する(Step 206)。
以上で、ゲームカード提供処理の動作の説明を終了する。
【0082】
続いて、ゲームカード連続提供処理(Step 109)の動作を、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0083】
第2ゲームカード提供制御部63は、第1ゲームカード提供制御部62から提供完了通知を受信すると、更なるゲームカードの提供を受けるかどうかについてプレイヤによる選択入力を受け付ける入力画面(連続提供画面)を表示する(Step 300)。図15は連続提供画面の一例を示した図である。図15の連続提供画面は、ゲームカード連続提供を選択する画面であって、1枚の提供毎に、第2代価の支払いが必要である旨が表示されている。
【0084】
第2ゲームカード提供制御部63は、プレイヤにより選択された内容を判定し(Step 301)、更なるゲームカードの提供を受ける旨の選択がされ(Step 301)、代価検出部25により第2代価の支払いが検出されると(Step 302)、抽選処理を行う(Step 303)。抽選処理は、上述したように、所定の提供割合で、通常カード又はレアカードが提供されるように所定の確率で抽選が行われる。第2ゲームカード提供制御部63は、抽選の結果に基づいて、第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28のいずれかを選択し(Step 304)、選択したカード提供部に提供命令を通知する(Step 305)。提供命令を通知された第1ゲームカード提供部27又は第2ゲームカード提供部28は、ゲームカードを1枚、取出口17から排出する。
【0085】
第2ゲームカード提供制御部63は、更なるゲームカードの提供回数を計数するためのカウンタC(初期値=0)に1だけ加算し(Step 306)、カウンタCが連続可能回数(例えば4回等)に達したかを判定する(Step 307)。
【0086】
第2ゲームカード提供制御部63は、カウンタCが連続可能回数に達していない場合、Step 300に戻って、連続提供画面を表示し、Step 300以降の処理を継続する。
【0087】
一方、第2ゲームカード提供制御部63は、ゲームカードを取得しない旨の選択、第2代価の不検出、又は、カウンタCが連続可能回数に達した場合、提供完了をゲーム実行部61に通知し(Step 308)、ゲームカード連続提供処理は終了する。
以上で、ゲームカード連続提供処理の動作の説明を終了する。
【0088】
本実施の形態は、対戦の終了後に、ゲーム要素に対応するゲームカード(物品)を提供することにより、プレイヤの取得意欲が高いタイミングでゲームカードを提供することができる。また、本実施の形態は、「対戦の放棄」を選択でき、対戦プレイをすることなく、対戦を終了させることができるように構成されているので、対戦プレイを希望せず、ゲームカード(物品)の取得を主目的とするプレイヤに対しても満足する構成となっている。結果として、興趣性の高いゲームを提供することができる。
【0089】
更に、本実施の形態は、プレイヤの取得意欲が高い、対戦終了後のゲームカードの提供後に、更に、第1代価とは別の第2代価を支払うことにより、ゲームカードを更に取得可能な機会(ゲームカード連続提供)を設けているので、プレイヤに更なるゲームカード等の物品を取得・収集にも応えることができる。
【0090】
<本発明の第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0091】
第2の実施の形態は、主対戦の終了後に行われるゲームカードの提供後に、抽選が当選した場合に発生する副対戦を一連のゲームプレイの中に設け、副対戦後に更なるゲームカードを提供することを特徴とする。図16は第2の実施の形態における一連のゲームプレイを説明するための図である。
【0092】
図16に示す通り、第2の実施の形態では、第1代価に対応するゲームカードの提供後に、副対戦の抽選が行われ、抽選に当選すると、プレイヤは、第3代価の支払いを条件に副対戦を実行する権利を得ることができる。更に、プレイヤは、副対戦後にゲームカードの提供を受けることができる。
【0093】
図17は第2の実施の形態におけるゲーム装置1の動作のフローチャートである。図17に示すように、ゲーム装置1は、ゲームカード提供処理(Step 108)後に、副対戦処理を行う(Step 400)。副対戦処理(Step 400)について、図18のフローチャートを用いて説明する。尚、他の処理は第1の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0094】
まず、第1ゲームカード提供制御部62は、ゲームカードの1回の提供が完了したことを示す提供完了通知を、ゲーム実行部61に通知する。
ゲーム実行部61は、提供完了通知を受信すると(Step 401)、抽選処理を開始する(Step 402)。抽選処理は、所定の確率を用いて、副対戦を発生するか否かの当選を行う。
【0095】
ゲーム実行部61は、当選(副対戦の発生)しなかった場合(Step 403)、提供完了通知を第2ゲームカード提供制御部63に通知し(Step 409)、副対戦処理を終了する。
【0096】
一方、ゲーム実行部61は、当選(副対戦の発生)した場合(Step 403)、副対戦実行選択画面を表示し(Step 404)、プレイヤにより選択された内容を判定する(Step 405)。図18は副対戦実行選択画面の一例を示す図である。図18の副対戦実行選択画面では、副対戦が実行可能なこと、副対戦を実行するためには第3代価の支払いが必要なこと、及び、副対戦後にはレアカードが取得可能であることが表示されている。
【0097】
ゲーム実行部61は、プレイヤによって副対戦の実行が選択されなかった場合(Step 405)、提供完了通知を第2ゲームカード提供制御部63に通知し(Step 409)、副対戦処理を終了する。一方、ゲーム実行部61は、プレイヤによって副対戦の実行が選択された場合(Step 405)、代価検出部25により第3代価の支払いの検出が行われる(Step 406)。ここで、第3代価は第1代価と同額である。副対戦は一連のゲームプレイの中で行われるものであるが、対戦とゲームカードとの双方が提供される点は、第1代価を支払うことで得られる主対戦とゲームカードの提供と同じものであるからである。
【0098】
ゲーム実行部61は、第3代価の支払いの検出されなかった場合(Step 406)、提供完了通知を第2ゲームカード提供制御部63に通知し(Step 409)、副対戦処理を終了する。一方、ゲーム実行部61は、第3代価の支払いが検出された場合(Step 406)、副対戦を実行する(Step 407)。
【0099】
ゲーム実行部61は、副対戦が終了すると、第2ゲームカード提供部28に提供命令を通知する(Step 408)。これにより、第2ゲームカード提供部28は、ゲームカードを1枚、取出口17から排出する。第2ゲームカード提供部28から排出されるゲームカードはレアカードである。副対戦は、抽選の当選により発生するので、これはレアカードが当選するのと同様な価値があるためである。そして、ゲーム実行部61は、ゲームカードの提供完了通知を、第2ゲームカード提供制御部63に通知する(Step 409)。後の処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0100】
第2の実施の形態は、抽選に当選して第3代価を支払うことを条件に、1ゲーム中に、対戦プレイとゲームカードの提供との組み合わせを更に提供することにより、対戦プレイとゲーム価値の高いゲームカードの取得機会とをプレイヤに与えることができる。
【0101】
尚、上述した実施の形態において、ゲームカード(物品)を提供するカード提供部(物品提供部)が2つの例(第1カード提供部27及び第2カード提供部28)を説明した。しかし、その数は2つに限定されない。ゲームカード(物品)の種別に応じて、3個以上のカード提供部(物品提供部)を設けても良い。
【0102】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0103】
1 ゲーム装置
2 サーバ
1 ゲーム装置
2 ゲームサーバ
11 表示パネル
12 操作タッチパネル
13 操作ボタン
14 第1読取部
15 第2読取部
16 投入口
17 取出口
20 処理部
21 表示部
22 操作入力部
23 ユーザ情報読取部
24 ゲーム要素読取部
25 代価検出部
26 音出力部
27 第1ゲームカード提供部
28 第2ゲームカード提供部
29 通信部
30 記憶部
61 ゲーム実行部
62 第1ゲームカード提供制御部
63 第2ゲームカード提供制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19