IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエヌエスエフ レイルウェイ カンパニーの特許一覧

特開2023-171935鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法
<>
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図1
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図2
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図3
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図4A
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図4B
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図4C
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図5
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図6
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7A
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7B
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7C
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7D
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7E
  • 特開-鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法 図7F
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171935
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/10 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
G01M17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172832
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2021140823の分割
【原出願日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】17/009297
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505220284
【氏名又は名称】ビーエヌエスエフ レイルウェイ カンパニー
【住所又は居所原語表記】2500 Lou Menk Drive, Fort Worth, Texas 76131 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】ブラーレン、 ハルク
(72)【発明者】
【氏名】フローバーグ、 カール エリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鉄道車両の車輪の表面状態を検出するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】鉄道車輪衝撃荷重検出試験パネルには、鉄道線路セクションの基本レール180又は走行レールのフィールド側に近接する補助計測レール182を含み、軌道車の車輪160が試験パネル内の計測レール182を横切るように指定された距離を高めた。計測レール182には、車輪160の衝撃荷重を検出する光学ひずみゲージが含まれている。検出された衝撃データは、故障が発生する前に復元又は交換する車輪160を特定するために、車輪160の損傷の特徴と関連付けられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車輪衝撃荷重検出試験パネルであって、
第1及び第2の基本レールを有する鉄道線路のセクションと、
第1端部及び第2端部を有し、その走行面が前記基本レールの走行面に対して所定の増分だけ上昇するように、前記鉄道線路のいずれかの基本レールのフィールド側に近接するように配置される、少なくとも1つの補助レールと、
所定の位置で前記少なくとも1つの補助レールの底面に配置されたセンサと、
を含み、
前記少なくとも1つの補助レールは、各第1及び第2端部に配置された高さ遷移傾斜を含む
検出試験パネル。
【請求項2】
前記第1及び第2の基本レールは、定義されたゲージ距離だけ離隔して配置されて、地表面上に構成されたバラスト構成で支持され、
鉄道線路の前記セクションは、鉄道用地に配置された線路の選択された部分である、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補助レールは、
その走行面が近接した基本レールの高さより0.250から0.500インチの高さで配置されるように、関連する基本レールに近接するように支持される所定の長さのレールと、
各第1及び第2端部の前記高さが、前記近接した基本レールの高さに等しくなるように下向きにテーパ状になっている各補助レールの第1及び第2端部と、
を含み、
前記第1及び第2補助レールの所定の長さは、少なくとも80フィートである、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項4】
各補助レールの高さは、約0.375インチである、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項5】
前記高さ遷移傾斜は、20分の1から200分の1以内の傾きを有する、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項6】
前記センサは、
耐候性容器に収容された光ファイバ検知素子を有する光学ひずみゲージと、
前記光学ひずみゲージを外部計測に結合するための一体型コネクタと、
を含み、
前記検知素子は、前記第1及び第2補助レールに、荷重が1,000ポンド(1kip)以下の分解能に対応する感度を有する、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項7】
前記外部計測は、
前記鉄道線路の沿線に沿ってタワーで支持されるハウジングと、
前記ハウジングに収容されてケーブルを介して前記一体型コネクタに接続された処理システムと、
を含み、
前記処理システムは、前記処理システムと結合された不揮発性メモリに格納されたプログラムソフトウェアによって制御される、請求項6に記載の検出試験パネル。
【請求項8】
各基本レールに沿って配置され、各基本レールから内側に定義された距離を置く第1及び第2ガードレールをさらに含み、
前記定義された距離は、標準の鉄道車輪のフランジが自由に通過できるようにするのに十分である、請求項1に記載の検出試験パネル。
【請求項9】
前記センサは、
リムの破損、表面又は表面下部の疲労、踏面の亀裂、車輪の滑走跡、踏面の凹み、及び滑り摩耗のうちの1つ以上を示す車輪踏面の欠陥の特有の特徴を含む出力を提供する、請求項1に記載の検出試験パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の安全性に関し、より具体的には、過積載、熱的影響、破片及び異
質物、急ブレーキなどにより発生する鉄道車両の車輪踏面の表面の欠陥検出に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両(鉄道車両及び機関車)は、鋼鉄の車輪に接する一対の平行なレールによって
支えられ、それに沿って滑らかに動く。各車輪には、車輪の内側の縁に一体型フランジが
含まれている。車輪の走行円周よりも大きい直径のフランジは、近接したレールの内側の
縁の横に下向きに延びている。車輪踏面(wheel tread)は、車輪とレール接
触を保持するためにテーパ状になっている。従って、車両(car)又は機関車(loc
omotive)の両側にある車輪フランジは、直線道路と曲線道路の両方で、鉄道線路
と車両又は機関車の車輪の位置合わせをするのに役立つ。車輪には大きな荷重がかかり、
フランジと車輪の最も外側(「フィールド」の側面)との間の車輪の踏面(tread)
又は走行面(running surface)に重さの大部分がかかる。
【0003】
鉄道車両(rolling stock)によって運搬される非常に重い荷重によって
車輪が摩耗したり損傷を受けたりする可能性がある。摩耗には、摩耗及び凹み、表面及び
表面下の疲労、熱又は衝撃損傷による亀裂、フラットスポット、カーブを曲がる車両の動
きから車輪が横に動くときの滑り摩擦や振動などによる摩耗など様々な種類がある。車輪
へのこのような損傷は、発見されなければ、車輪の故障、車輪の破損、「トラック(tr
uck)」と呼ばれる車輪支持構造の故障、そして最悪の場合、鉄道車両の脱線などにつ
ながる可能性がある。時折、脱線は、使用中の車輪の故障が原因で発生する可能性があり
、場合によっては、致命的な性質を有し、鉄道車両とその内容物に莫大な経済的損失をも
たらし、脱線が発生した資産に深刻な損害を与える可能性がある。鉄道脱線による影響は
、深刻である。
【0004】
異常な摩耗、亀裂、又は破損した車輪などの車輪の欠陥を測定するための標準的な試験
プロトコルは、車輪衝撃荷重検出又は「WILD」と呼ばれる。従来のWILDプロセス
には、鉄道車両の運転中の損傷や摩耗を検出する様々な方法が含まれる。1つのタイプは
、レールの踏面に合わせて走行レールにかかる荷重を測定する。別のタイプは、カメラを
使用して、後の検査のために潜在的な欠陥の視覚的画像を取得する。3番目のタイプは、
加速度計を使用して、亀裂の入った車輪に関連する振動を測定する。これらのシステムは
、表面と表面下の両方の欠陥を検出及び測定する能力の限界、測定値の使用と解釈の複雑
さ、負又は正の高い誤読、及び潜在的に危険な欠陥を確実に検出できないという特徴があ
る。
【0005】
車輪の破損によって引き起こされる鉄道列車の脱線は、設備の原因の観点から最も致命
的なものの1つであり、列車に関連する費用がかかる事故である。これらの欠点の例とし
て、最近の業界調査によると、貨物車両の破損した車輪の70%以上に、最大80kip
sの貨物車両の車輪荷重で、車輪が故障する前にWILD法では検出されなかった欠陥が
含まれていた。80kipsは、80,000ポンドに相当する。さらに、従来のWIL
D法では、故障の原因となるほとんどの欠陥が発生する車輪踏面表面領域(フランジから
離隔した踏面フィールド側に近い車輪踏面の表面部分)の衝撃荷重を測定しない。これら
の欠陥を克服するために必要なことは、車輪が受ける荷重に安全に耐えられる能力が深刻
に低下する前に、重い荷重の下で車輪の欠陥を検出して離隔する、鉄道車両及び機関車の
車輪を試験する方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態では、鉄道車輪衝撃荷重検出試験パネルは、第1及び第2の基本レ
ールを有する鉄道線路のセクションと、第1補助レール及び第2補助レールであって、補
助レールは、それぞれ第1端部及び第2端部を有し、走行面が基本レールの走行面に対し
て所定の増分だけ上昇するように、鉄道線路の各基本レールのフィールド側に近接して配
置される、第1補助レール及び第2補助レールと、各補助レールの底面の所定の位置に配
置されたセンサと、を含むことができ、補助レールは、各第1及び第2端部に配置された
高さ遷移傾斜(elevation transition ramp)を含む。
【0007】
一態様では、各第1及び第2補助レールは、その走行面が近接した基本レールの高さよ
り0.250から0.500インチの高さで配置されるように、それぞれの基本レールに
近接するように支持される所定の長さのレールと、各第1及び第2端部の高さが、近接し
た基本レールの高さに等しくなるように下向きにテーパ状になっている各補助レールの第
1及び第2端部と、を含むことができ、第1及び第2補助レールの所定の長さは、少なく
とも80フィートであり、高さ遷移傾斜は、20分の1から200分の1以内の傾きを有
し、各補助レールの高さは、約0.375インチである。
【0008】
また他の実施形態では、センサは、耐候性容器に収容された光ファイバ検知素子、レー
ル、荷重計(load cell)、荷重センサ、又は他の適切なセンサに溶接されたひ
ずみゲージを有する光学ひずみゲージと、光学ひずみゲージを外部計測に結合するための
一体型コネクタと、を含むことができ、検知素子は、第1及び第2補助レールで1,00
0ポンド(1kip)以下の荷重の分解能に対応する感度を有する。外部計測は、鉄道線
路の沿線に沿ってタワーで支持されるハウジングと、ハウジングに囲まれてケーブルを介
して一体型コネクタに接続された処理システムと、を含み、処理システムは、処理システ
ムと結合された不揮発性メモリに格納されたプログラムソフトウェアによって制御される
【0009】
他の態様では、センサは、リムの破損、表面又は表面下部の疲労、踏面の亀裂、車輪の
滑走跡、踏面の凹み、及び滑り摩耗のうちの1つ以上を示す車輪踏面の欠陥の特有の特徴
で構成された出力を提供することができる。
【0010】
他の実施形態では、鉄道車輪衝撃荷重検出試験パネルは、第1及び第2の基本レールを
有する鉄道線路のセクションと、第1端部及び第2端部を有し、その走行面が基本レール
の走行面に対して所定の増分だけ上昇するように、鉄道線路のいずれかの基本レールのフ
ィールド側に近接するように配置される、少なくとも1つの補助レールと、所定の位置で
少なくとも1つの補助レールの底面に配置されたセンサと、を含むことができ、少なくと
も1つの補助レールは、各第1及び第2端部に配置された高さ遷移傾斜を含む。
【0011】
一態様では、少なくとも1つの補助レールは、その走行面が近接した基本レールの高さ
より0.250から0.500インチの高さで配置されるように、各基本レールに近接す
るように支持される所定の長さのレールと、各第1及び第2端部の高さが、近接した基本
レールの高さに等しくなるように下向きにテーパ状になっている少なくとも1つの補助レ
ールの第1及び第2端部と、を含むことができ、少なくとも1つの補助レールの所定の長
さは、少なくとも80フィートであり、高さ遷移傾斜は、20分の1から200分の1以
内の傾きを有し、各補助レールの高さは、約0.375インチである。
【0012】
また他の実施形態では、荷重センサは、耐候性容器に収容された光ファイバ検知素子を
有する光学ひずみゲージと、光学ひずみゲージを外部計測に結合するための一体型コネク
タと、を含むことができ、検知素子は、少なくとも1つの補助レールで1,000ポンド
(1kip)以下の荷重の分解能に対応する感度を有する。外部計測は、鉄道線路の沿線
に沿ってタワーで支持されるハウジングと、ハウジングに囲まれてケーブルを介して一体
型コネクタに接続された処理システムと、を含み、処理システムは、処理システムと結合
された不揮発性メモリに格納されたプログラムソフトウェアによって制御される。
【0013】
また他の実施形態では、荷重センサは、リムの破損、表面又は表面下部の疲労、踏面の
亀裂、車輪の滑走跡、踏面の凹み、及び滑り摩耗のうちの1つ以上を示す車輪踏面の欠陥
の特有の特徴を含む出力を提供することができる。また別の例示的な実施形態では、車輪
の状態は、個々の車輪の測定値、列車の外れ値であるという点で、それらの左右のデルタ
及びデルタの大きさに基づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、鉄道線路試験パネルの端面図である。
図2】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルの平面図である。
図3】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルの計測レールの断面の端面図の詳細である。
図4A】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルに設置されたセンサ計測の斜視図である。
図4B】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルに設置されたセンサ計測の拡大斜視図である。
図4C】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルで計測レールの下に設置されたセンサの平面図である。
図5】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、試験パネルで測定される鉄道車輪の表面領域のダイヤグラムである。
図6】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルの鉄道車輪及び試験レールの断面図である。
図7A】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第1例の図である。
図7B】本開示内容の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第2例の図である。
図7C】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第3例の図である。
図7D】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第4例の図である。
図7E】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第5例の図である。
図7F】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第6例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従って、試験パネルとして構成された鉄道線路のセクションである修正された軌框(t
rack panel)を使用して、鉄道車両の破損した車輪とその他の車輪の欠陥を検
出するための最先端技術の進歩が本明細書に開示される。鉄道線路には、周知のように平
行な基本レールを含み、一般に鋼鉄で製造され、所定のゲージ距離で配置され、地表面に
構成されたバラスト構造で支持される。バラスト構造は、例えば、等間隔で配置され、鉄
道用地に沿って配置された石又は岩の骨材の合成床に支持される、連続した一連の細長い
、間隔が狭く配置された枕木(第1及び第2レールの下に垂直に配置された部材)を含む
ことができる。骨材は、鉄道列車の重い加重を支持するために形成された路床に重ねるこ
とができる。
【0016】
本開示によれば、鉄道車輪衝撃荷重検出(railroad wheel impac
t load detection)(「WILD」)試験パネルには、鉄道線路セクシ
ョンの基本レール又は走行レールのフィールド側に近接する補助計測レールを含み、軌道
車(rail car)の車輪が試験パネル内の計測レールを横切るように規定された距
離を高めた。計測レールには、車輪の衝撃荷重を検出する光学ひずみゲージが含まれてい
る。検出された衝撃データは、故障が発生する前に復元又は交換する車輪を特定するため
に、車輪の損傷の特徴と関連付けられる。
【0017】
簡単に言えば、本開示は、本開示は、鉄道用地に沿って配置された鉄道線路の選択され
た部分上に試験パネルの構成を提供する。基本レールの選択された部分に、各基本レール
の外側又はフィールド側に、各基本レールに近接する補助計測レールが追加される。一実
施形態では、それぞれの補助計測レールの長さは、試験パネルで試験される最も長い軌道
車の長さを超過しなければならない所定値であり得る。各補助レールの走行面は、基本レ
ールの走行面に対して所定の増分だけ上昇し、補助レールは、それぞれの第1及び第2端
部に配置された高さ遷移傾斜を含む。光ファイバセンサなどの感度の高い光学ひずみゲー
ジ又はその他の適切なセンサは、レールと基本及び補助レールを支持する並枕木との間の
各補助又は計測レールの下側に取り付けることができる。センサの感度は、1kip(1
,000ポンド)の荷重の車輪荷重の増分を解決できる必要がある。
【0018】
センサは、鉄道車両の車輪が定格荷重に耐えながら、所定の速度で試験パネルの計測レ
ール上を転がるときに、踏面の衝撃のエッジを検出することができる。センサは、光ファ
イバ、機械的、電気的、電気機械的、又はその他の適切なセンサのタイプであり得る。セ
ンサとそれに関連する機器は、車輪踏面のエッジ衝撃情報を受信、解釈、及び記録して、
試験データを提供する。軌道車が試験パネルに沿って転がるときに、センサが発する信号
は、鉄道車輪で発生する様々な種類の摩耗に敏感である。図7A~7Fに示すように、摩
耗パターンは、サブステーション80の計測によって解釈される計測モジュール(ins
trumentation module)62,64,66で受信され、試験パネルに
よって識別された輪軸に必要なサービスのスケジューリングを可能にするために収集され
得る固有の信号を生成する。試験パネルは、鉄道車両トラック組立体(railroad
car truck assembly)の輪軸の左側及び右側の両方の車軸に対する
踏面衝撃のエッジを測定するように構成してもよい。
【0019】
試験パネルによって提供される試験データは、積載物自動認識(AEI)と呼ばれるコ
ード化された情報に従って、特定の車両及び各特定車輪と相関させることができる。AE
I情報コードは、各軌道車に取り付けられた鉄道報告マークとして記載されている。マー
クは、軌道車の所有者を識別する2~4文字コードと、車両番号を識別する数字コードを
含む。一般に、一例としてRFID技術を使用して、線路側AEIリーダー機でマークを
読み取ることができる。一部のシステムでは、計測から出力された試験データを遠隔地に
送信してリアルタイムで観察することができる。
【0020】
鉄道車輪は、一般に鋼鉄で鋳造又は鍛造され、熱処理され、旋盤で指定されたプロファ
イル及び寸法で加工される。一部の車輪にはスチールタイヤが装着されており、車輪の踏
面部分を仕様に復元するために交換することができる。各車輪には、車輪の他の部分より
も大きい直径の一体型フランジが含まれている。フランジは、車輪の内面に配置され、車
輪をレールと位置合わせする。は、車軸の両端に車輪を取り付け、フランジ付きの側面を
対向するようにして形成される。輪軸は、2つの輪軸の組立体であるトラックで支持され
る。トラックは、鉄道車両の下側に装着され、車両が曲がった線路を曲がるときに旋回で
きるようになっている。
【0021】
図1は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、鉄道線路試験パネル10の端面
図である。図2は、図1の試験パネルの平面図であり、図1に示されたものと同一の構造
的特徴を示す。図2の平面図に示される線路試験パネル10(本明細書では軌框又は試験
パネル10とも呼ばれる)は、一対の平行な基本又は走行レール(running ra
il)12、各基本レール12の内側の縁(inside edge)16に近接するよ
うに配置されたガードレール14、及び各基本レール12の外側の「フィールド」の側面
に近接して配置された補助計測レール16を含む。基本レール12は、交通レールとも呼
ばれることもあり、列車が鉄道に沿って転がるときに列車を支えるレールである。レール
は、レール12,14,16に垂直に配列され、互いに等間隔で配置された枕木(tie
)18で支持される。枕木18は、路盤又はバラスト20上で支持されることが好ましい
。ガードレール14及び計測レール(instrument rail)16は、貨車な
どの鉄道車両の長さを超える距離にわたって軌框に沿って延びるレールセグメントである
。一般的な貨車は、車両タイプ(例えば、ボックス車、フラットベッド車、ホッパー車な
ど)によって長さが50フィートから90フィートであるため、ガードレール及び計測レ
ールは、その長さを超える必要がある。
【0022】
ガードレール14は、ガードレール14と隣接する基本レール12との間の間隙24が
、1:Dの比率で表わされるフレア又はテーパ仕様に従って増加するように、各端部22
でテーパ状になっており、ここで、Dはテーパセクションの長さである。従って、1:2
0のテーパ又は他の角度は、1フィートの縦座標(Y軸)と20フィートの横座標(X軸
)で形成された角度を示す。テーパ22は、軌框に入るときの鉄道車両の輪軸の位置合わ
せを容易にするために、軌框10の端部でガードレール14と基本レール12との間の間
隙24を広げるために提供される。ガードレール14は、試験車両が軌框10上を転がっ
ている間に行われた、検出した衝撃荷重測定の再現性を確実にするために、計測レール1
6と適切な関係で車輪のフランジ(この図には図示せず)を保持する役割をする。軌框1
0のレール上に配置された車輪の断面図については、説明される図6を参照する。
【0023】
計測レール16は、基本レール12のフィールド側に近接して配置され、説明されるよ
うに所定の少量だけ持ち上げられる。計測レール16は、基本レール12に対してわずか
に高くなっているので、車輪の外側部分は、基本レール12の代わりに計測レール16に
沿って転がる。計測レールのわずかに規定された高さは、0.250から0.500イン
チ、好ましくは0.375インチの範囲内であり得る。
【0024】
鉄道車両が計測レール16の高さまで上下に転がるときに、即ち試験パネル10に出入
りするときに、鉄道車両の車輪セットのスムーズな移行を可能にするために、20分の1
から200分の1の範囲内の傾斜を有する高さ遷移傾斜が提供される。計測レール16の
唯一の目的は、車輪がレールに沿って転がるときの車輪の衝撃荷重を検出することにある
。計測レール16は、車輪踏面の表面の変化によって引き起こされる衝撃を測定するセン
サ(後述する)を含むため、そのように呼ばれる。
【0025】
図3は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネル10の計測レ
ール16の断面の端面図の詳細である。計測レール16はまた、図6に計測レール182
として示されている。計測レール182は、走行面36及び下部面38を含む。計測レー
ル182の下部面38には、光ファイバセンサ184などの光学ひずみゲージが取り付け
られている。光ファイバセンサ184は、レール182の各端部にボルト44によって固
定されたクランプ42を使用して、計測レール182の下部面38に取り付けられている
。センサ184の作動は、図6でさらに説明されている。図4A図4Cは、鉄道操車場
設定における軌框10の計測部分の図を示している。
【0026】
図4Aは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図1の試験パネル10に設置
されたセンサ計測を含む沿線50の斜視図である。沿線50の計測は、試験パネル10か
ら所定の距離を置いて配置された3つのタワー52,54,56を含む。各タワー52,
54,56は、それぞれの計測モジュール(instrument module)62
,64,66を支持する。ケーブルは、試験パネル10の計測レール182に取り付けら
れた各光ファイバセンサ184(図4Aに図示せず)からそれぞれの計測モジュール62
,64,66に接続されている。ケーブル72,74,76は、検出された衝撃荷重信号
を光ファイバセンサ182から計測モジュール52,54,56内の計測回路に伝達する
。沿線50は、閉鎖構造に収容され得るサブステーション(substation)80
を含む。サブステーションは、分析のために計測モジュール62,64,66で処理され
たデータを受信し、車両基地制御設備(図示せず)などの中央の場所との通信のためにデ
ータをフォーマットしてもよい。計測モジュール62,64,66からサブステーション
80への通信は、有線又は無線のRF送信を介してもよい。同様に、サブステーション8
0は、その分析作業の結果を車両基地制御設備に無線で送信してもよい。
【0027】
図4Bは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、図4Aの沿線50の試験パネ
ル10に設置されたセンサ計測の拡大斜視図である。沿線50の示されたセクション90
には、鉄道試験パネル10の近い側の走行レール12、ガードレール14、及び計測レー
ル16がある。タワー52、計測モジュール62、及び一対のケーブル72を含む光ファ
イバセンサの1つの計測構成要素も図示され、1つは試験パネル10の両側の計測レール
(鉄道の近い側72A及び遠い側72Bの左右)の下部面に取り付けられた光ファイバセ
ンサに接続されている。図の例では、計測モジュール62は、処理システムに接続された
不揮発性メモリに格納されたプログラムソフトウェアに従って作動し得る処理システム(
図示せず)を含むハウジング68(図4A、4b)を含んでもよい。処理システムは、ケ
ーブル72A,72Bを介して一体型コネクタ70(図3)で光ファイバセンサ184(
図3図4A図4B、及び図6)に接続される。
【0028】
ハウジングは、鉄道線路の沿線50に沿ってタワー52に支持されてもよい。また、図
4Bには、取り外し可能なデータ装置、データ処理モジュール、又は無線送信機/受信機
などで構成され得るキャニスタが示されている。
【0029】
図4Cは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って、図4Aの試験パネル10で
計測レール16の下に設置された1つのセンサ184(図には見えない、図3参照)の設
置の拡大平面図100である。この図には、走行レール12、ガードレール14、及び計
測レール16が含まれている。計測レール16には、車輪160の摩耗状態を検出するた
めに、車輪衝撃荷重試験イベント中に鉄道車輪160が転がる表面36が示されている。
図4Cの影付きの領域は、計測レール16の表面摩耗を示す。光ファイバセンサは、ボル
ト42によって固定される。
【0030】
図5は、輪軸の鉄道車輪160の表面領域の断面図である。車輪160の摩耗パターン
(次の図7A図7F参照)は、本開示内容の1つ以上の例示的な実施形態に従って、試
験パネル10での測定の対象となる。車輪160は、フィールド側162及び車輪160
の反対側にあるフランジ164を含む。車輪の踏面166は、以下のように定義された摩
耗領域でマークされている。領域1(168)は、フィールド側であり、領域2(170
)は、フランジ164に近接するルート領域である。通常の状態で、レール上の車輪の摩
耗の軌跡を形成する領域3(172)及び領域4(174)は、通常テープライン176
(車輪踏面166の中心線)の両側に約1/2インチの幅でテープライン176にまたが
っている。
【0031】
図6は、鉄道車輪160と図1の試験パネル10の試験レールの断面図である。バラス
ト20は、軌框10の試験レールを支持する。当技術分野で周知のように、バラストは、
試験レールを順に支持する並枕木(cross tie)18(図6には示されていない
が、例えば図1を参照)のための強固で安定した基礎を提供するために、砕石などの積み
上げられた材料のいくつかの層を含んでもよい。図6では、試験レールは、補助レール1
82とガードレール188との間に配置された基本レール180を含む。基本レール18
0(図1の12)は、一般に列車が搭乗する走行レールとも呼ばれる。走行レールが下降
するときに外側のレールが上昇(左から右に移動)できるように、傾斜が交差してスムー
ズな移行を作れるように、補助(試験)レールは1/2インチの深さまでミリングするこ
とができ、走行レールは3/8インチの深さまで機械加工することができる。図5に示す
ように、車輪踏面166の摩耗領域は、数字1、2、3、及び4でマークされている。
【0032】
補助レール182(図1の116)は、軌框10の計測レール182とも呼ばれる。ガ
ードレール188(図1の14)は、基本レール180から離隔して配置され、フランジ
164に間隙を提供して、基本レール180と車輪160との位置合わせを保持する。ガ
ードレール188(図1の14)は、2つの基本レール180(図1の12)の内側の縁
から離隔されている。補助レール182は、基本レール180に近接して間隔を置いて配
置され、基本レール180から所定の距離(高さ増分190)だけ上昇している。上昇増
分は、試験される車輪160が基本レール180ではなく補助レール182によって支持
されることを確実にするのに充分な程に補助(計測)レール182の表面を上昇させるた
めに提供される。
【0033】
試験結果は、0.375インチの高さの増分が、最小の実用的な値に高さの増分を保ち
ながら、ほとんどの車輪の欠陥に対応するのに十分な振幅範囲を可能にする十分な値であ
ることを示している。上昇増分190は、好ましくは、補助レール182の各端部に向か
って徐々に減少し、基本レール180から補助レール182への車輪の滑らかな移行を提
供する。図6には、1:20比率に設定された車輪踏面166に形成された傾斜又はテー
パも示されている。テーパは、線路の湾曲した部分を通過するときに輪軸がセルフステア
することを可能にするために提供される鉄道車輪の通常の構成である。基本レール180
は、セルフステアリングを容易にするために同様のテーパ又は傾斜を有してもよい。
【0034】
さらに図6にて、計測レール182は、計測レール182とバラスト20との間の隙間
空間186内の計測レール182の下側に取り付けられたセンサ184を含む。好ましい
センサ184は、計測レール182の下側に取り付けられたひずみゲージとして構成され
た光ファイバ要素である。荷重センサ184の光ファイバ要素は、その上を転がる鉄道車
両によって偏向されたときに、計測レール182の微細変位に敏感であり得る。光ファイ
バセンサの長所は、電気、電磁場、又は干渉の影響を受けないことである。光ファイバの
ひずみゲージの動作原理は、光ファイバの一部分にブラッグ格子構造が形成された光ファ
イバが次のような場合に、光ファイバを移動するレーザビーム信号の特性をひずみに比例
して変更するように構成し得ることである。光ファイバ要素は、軌道車の車輪が計測レー
ル182に沿って転がるときの荷重に応じて曲がる。光信号の一部は反射されてもよく、
第2の部分は透過してもよい。従って、結果として得られる出力は、変調された光学信号
であり、その特性は様々な摩耗パターンの様々な特性と相関させることができるため、こ
れにより車輪の欠陥や破損を検出することができる。
【0035】
図7A図7Fは、鉄道車輪の踏面で発生し得る欠陥の種類の例を示す。各タイプの欠
陥は、本明細書で説明した試験パネルによって生成された車輪衝撃荷重データと相関して
もよく、それらの特性又は固有の特徴によって区別され得る。具体的には、計測レール1
6の下部に取り付けられたセンサの出力は、鉄道車両の各車輪の再び耐久性に関するデー
タを提供するために、光ファイバセンサによって検出された衝撃と関係してもよい。この
データは、事故や脱線を引き起こすほど十分に成熟する前に、車輪荷重の衝撃欠陥を特定
するのに使用し得る。検出し得る車輪欠陥の例には、リムの破損、表面又は表面下部の疲
労、踏面の亀裂、車輪の滑走跡、踏面の凹み、及び滑り摩耗などがある。
【0036】
図7Aは、車輪踏面の亀裂又は破損の結果であり得る、車輪踏面の外縁(領域1)に対
する車輪損傷の深刻な例を示す。この例示的な種類の損傷は、図1の試験パネルで検出し
得る。図7Aでは、車輪踏面の表面のかなりの量が破損して車輪踏面に深刻な表面下の損
傷があることがわかる。車輪踏面の厚さがその領域で最小であるため、このような損傷は
領域1で発生する傾向がある。破損が差し迫っている可能性があるため、この程度の損傷
がある車輪は、直ぐに交換する必要がある。
【0037】
図7Bは、図1の試験パネルによって検出され得る車輪損傷の第2の例を示す。図示さ
れた損傷は、車輪踏面166の外縁162(領域1)に対する短いが深刻な亀裂によって
、車輪踏面が図7Aに示すように車輪踏面166の縁のさらなる破損に対して非常に脆弱
なままであり、車輪破損が発生する可能性がある。
【0038】
図7Cは、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第3の例を示す図であ
る。この損傷は、損傷が車輪踏面166の領域1の縁の部分の表面に限定されることを除
いて、図7Bと同様である。いずれにせよ、損傷した車輪160の車輪踏面を元に戻すこ
とができるように、輪軸(左右の車輪の組立体及びこれらを接続する車軸)を取り外す必
要がある。
【0039】
図7Dは、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第4の例を示す図であ
る。領域2及び3の車輪踏面166の表面は、荷重を運ぶ間に車輪踏面166とレール(
図1のレール12参照)との間に挟まれた砂利又はその他の異物によって跡が残る。また
、ランダムなドットで表示されるさらに小さい跡が示された小さい穴やくぼみの形跡が見
られる。このようなタイプの損傷は、亀裂の形跡が伴わない限り、一般に無害である。
【0040】
図7Eは、図1の試験パネルによる検出の対象となることができる車輪損傷の第5の例
を示す図である。この図に示されるように、車輪踏面の明確な亀裂は、ブレーキによる加
熱とそれに続く急冷の結果である。加熱/冷却サイクルにより、表面引張応力が発生し、
車輪踏面の表面下まで伸びてマルテンサイト変形を引き起こし、一般にスポーリングとし
て知られる状態になる。スポーリングは、レールに沿って滑る高荷重の下でブレーキをか
けた鉄道車輪によって引き起こされる表面又は表面下部の疲労による、車輪踏面又はフラ
ンジの走行面の破損として現れる。マルテンサイト変形によるこのような疲労は、図7E
に示されるように、亀裂、並びに車輪160の表面材料の剥離、孔食、又は剥離をもたら
す。
【0041】
図7Fは、図1の試験パネルによる検出の対象となる車輪損傷の第6の例を示す図であ
る。領域2及び3の車輪踏面166の表面に長方形のパターンとして現れるこのタイプの
損傷は、ブレーキ作用によってロックされた滑走車輪60によって引き起こされるフラッ
トスポットの典型である。滑走作用はまた、車輪踏面166とレールとの間の滑り摩擦に
よる熱損傷をもたらす可能性がある(図1のレール12参照)。上述したように、熱損傷
はマルテンサイト変形をもたらす可能性があり、それは、ひどい場合には、車輪踏面16
6とその車輪160との間の結合の緩みを引き起こす可能性がある。
【0042】
簡単に言えば、本開示は、第1及び第2の基本レールを有する鉄道線路のセクションに
沿って設置された、鉄道車輪衝撃荷重検出パネルと、第1端部及び第2端部が、鉄道線路
の各基本レールのフィールド側に近接するように配置され、その走行面が基本レールの走
行面に対して所定の増分だけ上昇するように配置された補助レールの第2長さと、各補助
レールの底面の所定の位置に配置されたセンサとを教示する。ここで、補助レールは、そ
の第1及び第2端部に配置された高さ遷移傾斜を含む。
【0043】
作動中、近くの監視又は制御ステーションなどの指定された場所の鉄道沿いの沿線に配
置できる試験パネル10は、サービス、修復、又は交換が必要な鉄道車両の輪軸に対する
車輪損傷を検出するための便利で自動化された方法を提供する。試験パネル計測は、走行
レール12の横に配置された補助計測レール16の底面に取り付けられたセンサによって
放出される衝撃荷重信号を測定及び解釈する。計測レール16は、走行レール12の走行
面よりわずかに上に配置され、通過する軌道車が試験パネル10上を転がるときの荷重を
支える。試験パネル10の両端には、それぞれ上向き及び下向きに傾斜する遷移領域が設
けられており、これにより、軌道車が試験パネル10に円滑に出入りすることができる。
【0044】
軌道車が試験パネルに沿って転がるときに、センサが発する信号は、鉄道の車輪が発生
する様々な種類の摩耗に敏感である。図7A~7Fに示すように、摩耗パターンは、計測
モジュール62,64,66で受信され、サブステーション80の計測によって解釈され
、試験パネル10によって識別された輪軸に必要なサービスのスケジューリングを可能に
するために収集され得る固有の信号又は特徴を生成する。試験パネル10は、車輪踏面(
図6の領域3及び4)と車輪の外縁(フィールド側)162(図6の領域1)の両方で発
生する車輪損傷を検出するように構成される。構成されたように、試験パネル10は、最
も深刻な損傷が発生する可能性が高い領域1の損傷を検出するのに特に効果的である。
【0045】
本開示は、その形態のうちの1つのみで示されているかもしれないが、それはその1つ
の形態に制限されず、列挙された特許請求の範囲に記載された概念及び原理を逸脱するこ
となく様々な変更及び修正が可能である。例えば、本明細書に記載の実施形態は、構造要
素の1つの組み合わせを示しているが、他の等価の組み合わせは、特許請求の範囲内で企
図される。代替の構造的特徴には、感度要件を満たす様々なタイプのひずみゲージが含ま
れてもよい。レールの間隔、高さ、テーパ、及び遷移勾配などの線路試験パネルの寸法は
、組み合わせが線路試験パネルの目的を果たす限り許容される。コンピュータ処理要素及
び関連するソフトウェア、データ相関、及びそれらの動作に必要なアルゴリズムを含む計
測の特定形態は、鉄道車輪衝撃荷重検出プロトコルの特定の状況に適合するように調整さ
れると理解される。
【0046】
当業者は、本発明のシステム及び本明細書で説明した、コンピュータハードウェア、制
御ロジック、及びその他の構造的構成要素とメカニズムの特定組み合わせなしでは、本シ
ステムのこのような利点(及び要約に示される利点)と目的は不可能であることを容易に
理解するであろう。当業者に知られている様々なプログラミングツールが、前述した開示
に記載された特徴及び動作の制御を実現するために利用可能であることがさらに理解され
るであろう。さらに、プログラミングツールの特定の選択は、本明細書及び添付の特許請
求の範囲に記載された概念を実現するために、選択された実装に課せられた特定の目的及
び制約によって統制され得る。
【0047】
この特許文書の説明は、特定の要素、ステップ、又は機能が、請求の範囲に含まれなけ
ればならない必須又は重要な要素になり得ることを意味するものとして解釈されてはなら
ない。また、どの特定の請求項においても、「~のための手段(means for)」
又は「~のためのステップ(step for)」という正確な単語が、機能を識別する
分詞句が後続して明示的に使用されない限り、添付の請求項又は請求項の要素と関連して
米国特許法第112条(35U.S.C.§112)(f)を引用することはできない。
請求項内の「メカニズム(mechanism)」、「モジュール(module)」、
「デバイス(device)」、「単位(unit)」、「構成)要素(compone
nt)」、「要素(element)」、「部材(member)」、「装置(appa
ratus)」、「機械(machine)」、「システム(system)」、「プロ
セッサ(processor)」、「処理装置(processing device)
」又は「コントローラ(controller)」は、請求項自体の特徴によって、さら
に修正又は強化された場合、関連技術分野の当業者に知られている構造を指すことを理解
及び意図することができ、米国特許法第112条(35U.S.C.§112)(f)を
引用することを意図することはない。
【0048】
本開示は、その思想又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体的
し得る。例えば、本明細書も記載の新しい構造のそれぞれは、それらの基本構成又は相互
の構造的関係を保持しながら、又は本明細書に記載の同一又は類似の機能を実行しながら
、特定の局所的変動又は要件に適合するように変更し得る。従って、本実施形態は、全て
の点において例示的であり、限定的でないと見なされるべきである。従って、本開示の範
囲は、上述した説明でなく、添付の特許請求の範囲によって確立されるべきである。従っ
て、請求の範囲の同等性の意味と範囲内にある全ての変更は、そこに含まれることが意図
される。また、請求の範囲の個々の要素は、十分に理解されていない日常的又は慣習的な
ものではない。代わりに、特許請求の範囲は、明細書に記載された型にはまらない発明の
概念に向けられる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F