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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171963
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電流印加用ニードルチップ
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20231128BHJP
   A61N 1/18 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/18
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174202
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2022502392の分割
【原出願日】2019-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086629
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】520331970
【氏名又は名称】ジェイシス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】カン,ドン・ホワン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ヒェ・ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,スン・ホワン
(57)【要約】
【課題】特定の深さに位置する皮膚部位にのみ電気エネルギーを伝達できる電流印加用ニードルチップを提供する。
【解決手段】皮膚に密着するシリンダ610と、シリンダ610に往復移動可能に設けられるプランジャ323と、皮膚に向かって対向して配置され、プランジャ623に結合される少なくとも1つのニードルと、を含み、ニードルは、末端部に絶縁体がコーティングされて形成された第1絶縁領域と、ニードル上で第1絶縁領域を除く少なくとも1つの領域に形成され、電磁気的に通電される活性領域とを含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に密着するシリンダと、
前記シリンダに往復移動可能に設けられるプランジャと、
前記皮膚に向かって対向して配置され、前記プランジャに結合される少なくとも1つのニードルと、を含み、
前記ニードルは、
末端部に絶縁体がコーティングされて形成された第1絶縁領域と、
前記ニードル上で前記第1絶縁領域を除く少なくとも1つの領域に形成され、電磁気的に通電される活性領域と、
を含む、電流印加用ニードルチップ。
【請求項2】
前記ニードルの皮膚挿入時に、前記活性領域に隣接する前記皮膚の特定深さにのみ電気エネルギーが伝達される、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項3】
前記活性領域は、前記ニードルの末端部を除く一領域に複数構成され、
前記ニードルの皮膚挿入時に、複数の前記活性領域にそれぞれ隣接する複数の前記皮膚に電気エネルギーが同時に伝達される、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項4】
前記皮膚に挿入される前記ニードルの長さに応じて、前記活性領域が配置される前記皮膚の深さが調節される、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項5】
前記第1絶縁領域は、前記ニードルの末端部に電気エネルギーが集中するのを防止する、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項6】
前記プランジャが前記皮膚に対して第1方向に移動することにより、前記皮膚が引っ張られながら、前記ニードルが前記皮膚に挿入されるように前記シリンダの内部に陰圧状態が形成され、
前記プランジャが前記第1方向と反対になる第2方向に移動することにより、前記ニードルが前記皮膚から排出され、前記皮膚に予め塗布された薬物が前記皮膚内に注入されるように前記シリンダの内部に陽圧状態が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項7】
前記第1方向は、前記プランジャが前記皮膚に近づく方向であり、
前記第2方向は、前記プランジャが前記皮膚から遠ざかる方向である、ことを特徴とする請求項6に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項8】
前記プランジャは、前記シリンダの内部を第1空間と第2空間とに分離し、
前記第1空間は、前記シリンダの一側と前記プランジャの一側との間に形成され、
前記第2空間は、前記シリンダの他側、前記皮膚及び前記プランジャの他側の間に形成される、ことを特徴とする請求項6に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項9】
前記プランジャが前記第1方向と前記第2方向に往復移動することにより、前記ニードルが前記皮膚に挿入及び排出されて、前記皮膚にホールが形成され、
前記プランジャが前記第2方向に移動することにより、前記ニードルが前記ホールから排出され、前記シリンダの内部に前記陽圧状態が形成され、前記陽圧状態によって前記薬物が前記皮膚に形成された前記ホールに注入される、ことを特徴とする請求項8に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項10】
前記プランジャには、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐ第1チャネルが貫通形成される、ことを特徴とする請求項8に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項11】
前記プランジャの往復移動による前記第1空間の体積の変化量は、前記第2空間の体積の変化量よりも大きいため、前記プランジャが前記第1方向に移動することにより、前記第2空間の気体が前記第1チャネルを介して前記第1空間に移動し、前記プランジャが前記第2方向に移動することにより、前記第1空間の気体が前記第1チャネルを介して前記第2空間に移動する、ことを特徴とする請求項10に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項12】
前記シリンダは、第1シリンダと第2シリンダとを含み、
前記プランジャは、
前記第1シリンダに前記第1空間と余剰空間を形成する第1プランジャと、
前記第2シリンダに前記第2空間を形成する第2プランジャと、を含み、
前記第1シリンダには、前記余剰空間と外部とを繋ぐ第2チャネルが形成される、ことを特徴とする請求項8に記載の電流印加用ニードルチップ。
【請求項13】
前記ニードルは、
前記末端部を除く少なくとも1つの領域に前記絶縁体がコーティングされて形成された第2絶縁領域を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電流印加用ニードルチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニードルの末端部を除いた一部の領域が非絶縁状態になることによって電磁気的に通電される活性領域(Active Region)が形成されたニードルが備えられた電流印加用ニードルチップ、ハンドピース及び皮膚処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、皮膚は、太陽、寒さ、風などのような環境的影響から守る一次的な障壁としての役割を果たす。老化に伴い、皮膚は環境的影響により活力のある外観を失い、シワが生じる。
【0003】
人間の皮膚は100μm厚さの表皮、その下に位置して皮膚から4mmにまで至る真皮、最後に皮下層で構成される。この3つの層が皮膚の全体的な外観を左右する。真皮はエラスチンコラーゲン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカンで構成される。皮下層には、この層を横切って真皮コラーゲンと皮下層の間に繋ぐ繊維質の垂直な帯がある。コラーゲン繊維は、皮膚に剛性及び弾性を提供する。
【0004】
しかし、コラーゲンは、老化及び太陽光線に露出されることによって弾性を失う恐れがあり、これにより、人間は若くて弾力のある姿を失うことになる。そのため、皮膚に再び活力を与える多くの方法が提示されていた。一般に、各種の傷跡又は皮膚病などを治療する目的や、皮膚の改善又はシワの改善といった美容目的で皮膚を治療する方法は、該当部位に多様なエネルギー源を与えて組織を凝固させる。例えば、熱エネルギーを伝達する方法が多く知られている。
【0005】
これらの方法は、多様なエネルギーを皮膚部位の目標部位に与えることによって、わざわざ傷を誘発させて、真皮層のコラーゲンを刺激してコラーゲンの再生作用を誘導することによって、皮膚部位を再生させる方法である。論文などを参照すれば、65℃~75℃で最も確実にコラーゲンの変性が誘発されることが知られている。
【0006】
図1を参照すれば、従来は図1(a)に示された絶縁ニードル10又は図1(b)に示された非絶縁ニードル30を皮膚20の表皮21及び真皮22に挿入させることによって、皮膚20の治療部位に電気(RF)エネルギーを印加する方式が用いられていた。しかし、電気エネルギーが尖った終端に集中する特性によりニードルの終端にエネルギーが集中する傾向を示すことによって、末端部12を除いた全体が絶縁体11でコーティングされた絶縁ニードル10と非絶縁ニードル30とも末端部を中心に電気エネルギーが集中する傾向を示す。そのため、末端部が位置する皮膚20部位のみ過度に裂傷が生じるという問題があった。
【0007】
また、絶縁ニードル10は、末端部12が位置する皮膚20にのみ電気エネルギーを伝達でき、ニードルの側面に位置する皮膚20には電気エネルギーを伝達できないという問題があった。
【0008】
更に、非絶縁ニードル30は、全ての部位31が絶縁体でコーティングされないので、ニードルの側面にも電気エネルギーを伝達することはできるが、ニードルが接している全ての面に電気エネルギーを伝達することによって、エネルギー全体が増加し、過剰なエネルギーが誘発されるという問題があった。また、前述したように、非絶縁ニードル30も末端部に電気エネルギーが集中する恐れがあり、これは不要な痛みを誘発する原因になり得るという問題もあった。
【0009】
その上、非絶縁ニードル30は、皮膚20のある特定の深さにのみ電気エネルギーを伝達することができず、ニードルが挿入された全ての部位に電気エネルギーを伝達することによって、特定ターゲットの深さに対応する皮膚20のみを治療できないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、不要な範囲まで皮膚組織が損傷しないように特定の皮膚の治療のために互いに皮膚の異なる深さに位置する皮膚部位にのみ電気エネルギーを伝達できる電流印加用ニードルチップ、ハンドピース及び皮膚処置装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、電気エネルギーがニードルの末端部に集中するのを防止する電流印加用ニードルチップ、ハンドピース及び皮膚処置装置を提供することにある。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップは、ニードル固定部と、末端部を除いた一部の領域に絶縁体がコーティングされないことによって形成され、電磁気的に通電される少なくとも1つの活性領域をそれぞれ含み、前記ニードル固定部の一面に配置された複数のニードルと、を含み、前記複数のニードルは、互いに交互に異なる極性の電極に連結されることを特徴とする。
【0014】
また、他の実施例として、前記複数のニードルが互いに離間した複数の活性領域を含む場合、前記複数のニードルに連結されたそれぞれの電極に印加される電流の強度を調節することによって、前記離間した複数の活性領域の間に電気エネルギーを伝達することを特徴とする。
【0015】
更に、他の実施例として、皮膚面に接触して前記皮膚面と前記ニードル固定部との間に第1空間を形成し、前記ニードル固定部が前記皮膚面にニードルの挿入及び排出を行うために移動するケーシングを更に含み、前記第1空間は、前記ニードルが皮膚面に挿入される前に陰圧が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、他の実施例として、前記ニードルチップは、ニードル固定部の移動を形成するハンドピースに連結されて用いられ、前記複数のニードルの電磁気的に通電される活性領域は、前記ハンドピース内の駆動部の制御により皮膚面内の配置される位置が決定されることを特徴とする。
【0017】
更に、他の実施例として、前記複数のニードルは、末端部ではない同一の位置に同一の大きさの1つ以上の電磁気的に通電される活性領域を含み、前記ニードルチップは、前記ニードルが皮膚面内に挿入されることによって活性領域が配置された深さに組織加熱を形成することを特徴とする。
【0018】
また、他の実施例として、前記複数のニードルは、末端部ではない同一の位置に同一の大きさの複数の活性領域を含み、前記ニードルチップは、前記ニードルが皮膚面内に挿入され、特定強度以上の電流が加えられることによって、電磁気的に通電される複数の活性領域が配置された領域及び前記電磁気的に通電される複数の活性領域の間の領域全体に電磁場による組織加熱を形成することを特徴とする。
【0019】
更に、他の実施例として、前記複数のニードルのうち、(+)極性の電極に連結されたニードルの隣接ニードルは(-)極性の電極に連結されることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の実施例による皮膚処置装置は、皮膚表面の目標部位を吸入するケーシングと、前記ケーシングの内部に配置される複数のニードルと、前記複数のニードルが挿入されて固定するニードル固定部と、前記ケーシング及び前記複数のニードルの作動を制御する制御部と、前記複数のニードルと電気的に連結されて電気エネルギーを伝達する電気エネルギー伝達部と、前記電気エネルギー伝達部を介しての複数のニードルに伝達される電気エネルギーを発生する電気エネルギー発生部とを含む。
【0021】
また、本発明の他の実施例による電流印加用ニードルチップの製造方法は、非絶縁部位に該当する電磁気的に通電される活性領域として生成する厚さの導電性物質を設ける段階と、ニードル固定部に複数のニードルを結合する段階と、電磁気的に通電される活性領域を形成しようとする前記複数のニードルの位置まで複数のニードルを前記導電性物質に挿入する段階と、前記導電性物質に前記複数のニードルが挿入された状態で絶縁物質を噴射して末端部及び絶縁領域を形成する段階とを含む。
【発明の効果】
【0022】
上記のような本発明によれば、以下のような多様な効果を有する。
【0023】
本発明は、ニードルが電磁気的に通電される活性領域によって皮膚の特定深さに位置する皮膚部位にのみ電気エネルギーを伝達でき、不要な範囲まで皮膚組織が損傷しないことも可能である。
【0024】
また、本発明は、ニードルに電磁気的に通電される複数の活性領域を形成することによって、活性領域に隣接するそれぞれの皮膚部位に同時に電気エネルギーを伝達できる。
【0025】
更に、本発明は、皮膚に挿入されたニードルの長さを調節することによって、ニードルの活性領域が配置され得る皮膚の深さを調節できる。
【0026】
また、本発明は、電気エネルギーがニードルの末端部に集中するのを防ぐことによって、皮膚患者にとっての不要な痛みを防止し、電気エネルギーの効率を向上させることができる。
【0027】
更に、本発明は治療が必要な皮膚の深さにのみ電気エネルギーを伝達することで、不要な皮膚部位の組織加熱を防ぐことができ、電気エネルギーの無駄遣いの防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】既存の皮膚処置装置に用いられたニードルを示す図である。
図2】本発明の一実施例による皮膚処置装置を示す分解斜視図である。
図3図2に示された皮膚処置装置を示す断面図である。
図4】本発明の一実施例によるニードルを示す図である。
図5】本発明の一実施例によるニードルの極性による配置を示す図である。
図6】本発明の一実施例によるニードルが皮膚に伝達する電気エネルギーを示す図である。
図7】本発明の一実施例による皮膚の深さ別に適したニードルを示す図である。
図8】本発明の一実施例によるニードルの電気エネルギー伝達効果を説明する図である。
図9】本発明の一実施例によるハンドピースを示す斜視図である。
図10】本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップの断面図である。
図11】本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップが作動してポンピング効果が発生することを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができる。但し、本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義されるに過ぎない。明細書全体に亘る同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0030】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0031】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。
【0032】
図2は、本発明の一実施例による皮膚処置装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示された皮膚処置装置を示す断面図である。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、本発明の一実施例による皮膚処置装置は、ケーシング120、ニードル110、駆動部140、電気提供部150、コネクタ160、カートリッジ170及び連結部材180を含むことができる。
【0034】
一実施例において、カートリッジ170は電流印加用ニードルチップであり、駆動部140と連結されることができ、ニードル固定部とニードル110を含むことができる。また、カートリッジ170は、ニードルが突出して挿入される皮膚面に接触する役割を果たす。例えば、皮膚面を扁平にした後にニードルを挿入するために、前記カートリッジ170は平らな面を備え、ニードル110が突出できるようにニードル110が動く経路に複数のホールを備えることができる。
【0035】
また、他の実施例として、カートリッジ170は、ニードル110を挿入する皮膚領域を設定する役割を果たす。また、カートリッジ170は、ニードルが挿入される領域を設定する壁としてのみ形成されることによって、ニードル110の挿入時に皮膚表面の目標部位を吸入する役割を果たす。これにより、ニードル110の挿入時に皮膚面が押圧されることによって、正確な位置にニードル110の活性領域が配置できない問題を解決し、目標部位を上昇させて皮膚面が扁平な状態でニードル110が挿入されるようにする。
【0036】
一実施例において、カートリッジ170は、カートリッジ170の表面を皮膚に接着した後、内部で直接的な圧力を調節するか、ニードル固定部の動きによってカートリッジ170の内部(即ち、皮膚面とニードル固定部との間の空間)を陰圧状態に切り換え、真空状態のカートリッジ170の内部は陰圧のため、皮膚が吸い上げられることによって、治療しようとする目標部位が上昇する。
【0037】
また、一実施例として、カートリッジ170の表面(即ち、皮膚面に接触する領域)は、ゴム又はシリコン材質で形成されており、皮膚の目標部位に密着でき、カートリッジ170の断面は円形又は多角形であることが好ましいが、目的部位を容易に吸い上げることが重要な機能であるので、サクション部の断面を円形又は多角形に限定しない。
【0038】
一実施例において、ニードル110は、少なくとも一部が絶縁体でコーティングされており、前記カートリッジ170の内部に挿入されてカートリッジ170に固定されている。例えば、前記ニードル110は、カートリッジ170が目標部位を真空状態に転換して陰圧で上昇する目標部位に微細ホールを形成する。
【0039】
一実施例において、ニードル110は尖鋭にし、金属などで固くて導電性のある物質で形成するか、シリコン物質で形成する。前記ニードル110は、内部を空けるか、非導電性物質に伝導性物質をメッキして形成でき、末端部を含む少なくとも一部にパリレンコーティング、テフロンコーティング、セラミックコーティングのうちの何れか1つでコーティングできる。ニードルの一部領域(具体的に、ニードルの末端部を含む一部の領域)をコーティングする具体的な形態についての詳細な説明は後述する。
【0040】
一実施例において、前記微細ホールの大きさは前記ニードル110の太さと同一であり、その深さはニードル110の挿入具合によって異なる。また、皮膚中に入ったニードル110は、常に一定時間以内に皮膚から抜け出していればこそ事故の危険がなくなり、痛みが減少する。
【0041】
一実施例において、複数のニードル110は+極と-極とに分かれて連結されることができる。即ち、ニードルチップは(+)極と(-)極のニードルを全て含むバイポーラ(Bipolar)状に実現することができる。ニードルチップの(+)極ニードルと(-)極ニードルの配置形式については後述し、各ニードルの活性領域の配置についても後述する。
【0042】
また、一実施例として、複数のニードルは、同一の位置に同一の個数の電磁気的に通電される活性領域を備えることができる。例えば、複数のニードルが皮膚面が扁平に維持された状態で挿入される場合、各ニードル内の1つ以上の活性領域が同一の位置に備えられることによって、活性領域が皮膚面下の同一の深さに配置されて特定深さ層に電気エネルギーを提供できる。
【0043】
更に、複数のニードルは、異なる位置に電磁気的に通電される活性領域を含むことができる。一実施例として、皮膚面へのニードルの挿入時に皮膚面が扁平にならず、ニードルにより加えられる圧力により押圧されることを補償するために、各ニードルの2次元上(同一平面上)の配置位置によって活性領域の位置を異なるようにすることができる。具体的に、ニードルを皮膚面に挿入するとき、皮膚面が押圧されることによって、複数のニードルが同一の深さに挿入されないことを考慮して、ニードル固定部にニードルが配置された位置によって活性領域の位置を調節して挿入された後、皮膚面から同一の深さにエネルギーが与えられるようにすることができる。例えば、ニードル固定部170の中央領域がニードルの挿入時に、より多く弛むので、ニードル固定部170の中央領域に配置されたニードルの活性領域を末端部に近く配置する。
【0044】
また、他の実施例として、複数のニードルの異なる位置又は異なる個数の電磁気的に通電される活性領域を配置することによって、ニードルが挿入されて治療しようとする皮膚層全体にエネルギーを提供できる。例えば、第1ニードルと第2ニードルが隣接するように配置されながら異なる極性が連結され、第1ニードルは末端部ではないニードルの中間位置に活性領域を1つ備え、第2ニードルは第1ニードルの活性領域の位置よりも下方の位置にそれぞれ活性領域を備える場合、第1ニードルの活性領域と第2ニードルの複数の活性領域が互いに電気的に連結(例えば、電場を形成)することによって、広い範囲に電気エネルギーを提供できる。
【0045】
一実施例において、ケーシング120は、駆動部140を内部に収容でき、ボルト113、挿入部材114、第1結合部材111及び第2結合部材112を介して左側ケーシングと右側ケーシングが結合されることができ、連結部材180を介してコネクタ160と連結され得る。第3結合部材115と第4結合部材116は、連結部材180と連通して結合されることができる。
【0046】
一実施例において、図示してはいないが、制御部は、前記駆動部140又は多数のニードル110の作動を制御する。即ち、制御部は、ニードルが皮膚面に挿入されると、電流を印加して活性領域が配置される深さ周辺の皮膚組織を損傷する。また、制御部は、ニードルが突出していない状態で皮膚面に装置が配置された後、カートリッジ170の外部にニードルが突出して皮膚面に挿入されるように制御し、皮膚面下の所望の深さで活性領域にエネルギーを与えた後、再びニードルが排出されるように制御する。
【0047】
また、他の実施例として、カートリッジの内部(例えば、ニードル固定部と皮膚面との間の空間)の圧力を直接調節する場合、制御部は、カートリッジ170の表面を目標部位に密着させると、カートリッジ170の内部の空気圧を調節してカートリッジ170の内部が陰圧状態になるように制御するか、カートリッジ170の内部(即ち、ニードル固定部と皮膚面との間の空間)が陰圧状態になったとき、ニードル110を作動してニードル110が皮膚面に均一な深さに挿入できるように制御する。
【0048】
一実施例において、電気提供部150は、多数のニードル110に伝達されるエネルギーを発生する。
【0049】
このとき、電気提供部150から提供された電流は、ニードルを介して皮膚面下の電磁気的に通電される活性領域深さ(即ち、目標部位)の温度を組織加熱になる水準まで上昇させるのに用いられる。また、前記電気提供部150は、ニードル110の活性領域(Active Region又はActive Zone)に交流電流を提供する。
【0050】
一実施例において、駆動部140は、前記カートリッジ170に固定された多数のニードル110が皮膚に挿入されるように前記カートリッジ170に直接又は間接的に力を伝達する。
【0051】
例えば、直接的な場合は、駆動部140が前記カートリッジ170に直接固定されるように付着されて上下運動によって多数のニードル110が皮膚に挿入される。一方、間接的な場合は、駆動部140が前記カートリッジ170に打撃を与えてカートリッジ170が下降するように力を与える。
【0052】
このとき、駆動部140は、電気信号によって動く電磁気力、油圧力、空気圧力、ソレノイドバルブのうちの何れか1つで駆動されることが好ましい。
【0053】
図4は、本発明の一実施例によるニードルを示す図である。図5は、本発明の一実施例によるニードルの極性による配置を示す図である。図6は、本発明の一実施例によるニードルが皮膚に伝達する電気エネルギーを示す図である。図7は、本発明の一実施例による皮膚の深さ別に適したニードルを示す図である。図8は、本発明の一実施例によるニードルの電気エネルギー伝達効果を説明する図である。
【0054】
図4図8を参照すれば、ニードル110は、絶縁体でコーティングされた末端部111a、111b、絶縁体がコーティングされておらず、電磁気的に通電される活性領域112a、112b及び絶縁体がコーティングされる絶縁領域113a、113bを含むことができる。説明の便宜上、図4に示された第1ニードル110aと第2ニードル110bを例に挙げて説明する。
【0055】
一実施例において、末端部111a、111bは、絶縁体でコーティングされることができ、ニードル110の末端部111a、111bが絶縁されることによって既存のような鐘状の組織損傷が防止できる。即ち、絶縁体のコーティングは、ニードル110に印加される電気エネルギーによる電磁場を相殺できる。
【0056】
一実施例において、ニードル110の末端部を除いた一部の領域が非絶縁状態になることによって電磁気的に通電される活性領域112a、112bがニードルに形成されることができる。即ち、それぞれのニードル110は、少なくとも1つの活性領域112a、112bを含むことができる。
【0057】
一実施例において、図5に示されるように、電磁気的に通電される同一の活性領域112a、112bを有している複数のニードル110が2次元にカートリッジ170に配置されることができる。即ち、第1ニードル110aのみ複数配置されるか、第2ニードル110bのみ複数配置されることができる。
【0058】
一実施例において、駆動部140又は制御部は、皮膚内のターゲット深さにニードル110が到達するように挿入された後、電流を提供できる。
【0059】
一実施例において、ニードル110が電磁気的に通電され、互いに離間した複数の活性領域112a、112bを含むことができ、このような場合、活性領域112a、112bが位置するそれぞれの皮膚の深さに対応する複数の皮膚部位に電気エネルギーを伝達できる。即ち、ニードル110に複数の活性領域112a、112bを形成することによって、複数の皮膚部位に電気エネルギーを伝達できる。
【0060】
一実施例において、複数のニードル110は、行と列毎にそれぞれ交互に異なる電極が連結され得る。例えば、図5に示されるように、行毎に(+)極性の電極と(-)極性の電極が交互にニードル110に連結されることができ、列毎に(+)極性の電極と(-)極性の電極が交互にニードル110に連結されることができる。このような場合、1つの電極を基準に上下左右に異なる極性の電極が配置されることができる。即ち、異なる極性が交互に配置されているBipolar方式でニードル110が配置されることによって、特定の(+)極性において上下左右に該当する周辺の4つの(-)極性で電場が形成され、皮膚の特定深さに該当する皮膚部位にのみ電気エネルギーを与えることができる。
【0061】
他の実施例として、複数のニードル110は、隣接する電極のうちの少なくとも2つの電極は同一の極性を有することができる。例えば、図5とは異なり、1つの電極を基準に上下左右のうちの少なくとも1つ以上に同一の極性の電極が配置されることができる。
【0062】
一実施例において、ニードル110が電磁気的に通電される複数の活性領域112a、112bを含む場合、電流強度の調節により各活性領域112a、112bの間の範囲を含むように皮膚部位に電気エネルギーを伝達できる。
【0063】
一実施例において、図2の皮膚処置装置のカートリッジ170、制御部又は図3の駆動部140によりニードル110が皮膚に挿入される深さを調節することによって活性領域112a、112bが配置され得る皮膚の深さを調節できる。
【0064】
一実施例において、活性領域112a、112bが配置された位置が異なるニードル110を切り替えして特定の皮膚深さに対応する皮膚治療目的で用いることができる。
【0065】
以上で説明したニードル110の各特徴を以下で具体的に例を挙げて更に説明する。ニードル110は、非絶縁部位に該当し、電磁気的に通電される活性領域112a、112bを備えることによって、皮膚の特定深さに位置する皮膚部位に電気エネルギーを伝達できる。また、必要に応じて活性領域112a、112bが分離されて2つ以上に形成されることができ、これにより所望の特定の皮膚深さに位置する複数の皮膚部位にエネルギーを与えることができる。
【0066】
一方、電磁気的に通電される活性領域112a、112bは、伝達された電気エネルギーの強度によってエネルギー伝達領域(電磁場の形成領域)が決定されることができる。例えば、伝達された電気エネルギーの強度が強い場合、複数の活性領域112a、112bの間までカバーされるように電磁場が形成されることができる。即ち、図6に示されるように、第1ニードル110aの下側に形成された活性領域112aと上側に形成された活性領域112aは、それぞれ上段の領域Aと下段の領域Aに電気エネルギーを伝達でき、電気エネルギーの強度が強い場合に一部の領域Bが重なり得る。従って、これとは異なり、電気エネルギーの強度が弱い場合には、図6に示されるのとは異なり、重畳領域Bが発生しないことができ、第1ニードル110aは、活性領域112a、112bのそれぞれに隣接する領域にのみ電磁場が形成されることができる。
【0067】
一実施例において、ニードル110は、治療されるべき皮膚の深さと該当する疾病を考慮して末端部111a、111bのコーティングされた長さ、電磁気的に通電される活性領域112a、112bの長さと個数、絶縁領域113a、113bの長さと個数が決定されることができる。
【0068】
一実施例において、末端部111a、111b、電磁気的に通電される活性領域112a、112b及び絶縁領域113a、113bが順次位置し得る。例えば、電磁気的に通電される活性領域112a、112bと絶縁領域113a、113bは、それぞれニードル110に複数形成されることができ、活性領域112a、112bと絶縁領域113a、113bは互いに交互に位置し得る。
【0069】
一実施例において、絶縁体がコーティングされた末端部111a、111bの長さは0.2mm~0.3mmであり得る。0.2mm~0.3mmの範囲で絶縁体がコーティングされていればこそ、末端部111a、111bに電気エネルギーが集中するのを防止できる。
【0070】
一実施例において、電磁気的に通電される活性領域112a、112bの長さと個数は、治療が必要な皮膚の深さを考慮して適切な長さと個数に選択されることができる。
【0071】
一方、図5を参照すれば、互いに異なる極性が供給されるニードル110が交互に隣接するように行列状に配置されるので、それぞれのニードル110の間に位置する皮膚の深さにのみ電気エネルギーが集中的に伝達され得る。具体的に、ニードル固定部170に設置されたニードル110は、(+)極性の電気エネルギーが供給されるニードルと、(-)極性の電気エネルギーが供給されるニードルと、を含むことができる。即ち、(+)極性の電気エネルギーが供給されるニードルと、(-)極性の電気エネルギーが供給されるニードルは、互いに交互に配置できる。例えば、Bipolar方式により隣接する(+)極性の電気エネルギーが供給されるニードルと、(-)極性の電気エネルギーが供給されるニードルとの間に電磁場が形成されることができ、これにより所望の皮膚の深さ範囲に電気エネルギーが与えられてコラーゲンなどの組織再生作用を誘導でき、活性領域112a、112bに隣接する皮膚の深さに対応する皮膚部位にのみ電気エネルギーが集中的に与えられることができることから、不要な領域の組織が損傷しなくなる。
【0072】
一実施例において、図4に示されるように、第1ニードル110aは、2つの活性領域112aを含むことができ、絶縁体がコーティングされた末端部111aの長さt1は0.28mm~0.32mmであり、活性領域112aの長さt2は0.23mm~0.27mmであり、活性領域112aの間に位置する絶縁領域113aの長さt1は0.28mm~0.32mmであり、図面上、上段に位置して第1ニードル110aの残りの部分を占める絶縁領域113aは特定長さに制限されるものではない。
【0073】
一実施例において、図4に示されるように、第2ニードル110bは、1つの活性領域112bを含むことができ、絶縁体がコーティングされた末端部111bの長さt3は0.18mm~0.22mmであり、活性領域112bの長さt4は0.48mm~0.52mmであり、図面上、上段に位置して第2ニードル110bの残りの部分を占める絶縁領域113bは特定長さに制限されるものではない。
【0074】
第1ニードル110aと第2ニードル110bが上記の範囲のような数値を有する理由を図6及び図7を用いて説明すれば、次の通りである。図6の左側に位置する写真に示されるように、実際に皮膚にニードル110を挿入する場合、活性領域112a、112bの長さよりも上下に0.23mm~0.25mm程度の長さにエネルギー拡散が発生することが確認できた。即ち、第1ニードル110aの活性領域112aの上下にエネルギーが広がる領域Aの長さt5は0.23mm~0.25mmであり、第2ニードル110bの活性領域112bの上下にエネルギーが広がる領域Cの長さt7は0.23mm~0.25mmであり得る。即ち、前記エネルギー領域A、B、Cが広がる長さを考慮して、図5のように、末端部111a、111b、活性領域112a、112b及び絶縁領域113a、113bの長さを定める場合、第1ニードル110aのエネルギー伝達領域の長さt6は1.25mm~1.32mmであり、第2ニードル110bのエネルギー伝達領域の長さt8は0.98mm~1.02mmであり得る。実際に、図7に示すように、シミを治療するために電気エネルギーを伝達すべき表皮・基底間の皮膚の深さC1は0~0.5mmであり、スキントーン、スキンテキスチャ、皮膚タイタニングのために電気エネルギーを伝達すべき表皮・真皮間の皮膚の深さC2は0~1mmであることもでき、毛穴及び酒さ(Rosacea)を治療するために電気エネルギーを伝達すべき表皮・真皮間の皮膚の深さC3は0~1.25mmであり得る。即ち、治療すべき皮膚の対象(例えば、シミ)によって電気エネルギーを伝達すべき皮膚の深さが変わることができ、本発明の第1ニードル110aと第2ニードル110bは、それぞれのターゲットに合せて電気エネルギーが伝達されるように構成できる。即ち、第1ニードル110aはシミ、スキントーン、スキンテキスチャ、タイタニング、毛穴、酒さが何れも改善されるように電気エネルギーを伝達でき、第2ニードル110bはシミ、スキントーン、スキンテキスチャ、タイタニングが改善されるように電気エネルギーを伝達できる。
【0075】
即ち、このように本発明のニードル110は、特定皮膚の深さにのみ電気エネルギーが伝達されるように活性領域112a、112bの個数及び長さが適切に選択できる。また、活性領域112a、112bの個数及び長さの以外にも、前述した制御部がニードル110に与えられる電気エネルギーの強度を調節することによって、皮膚の深さに伝達される電気エネルギー領域の大きさを調節できる。即ち、電気エネルギーの強度を調節することによって、重畳領域Bが存在しないか、存在し得る。
【0076】
一方、前述したように、本発明のニードル110は、図5に示されるように、互いに反対の極性を有する電気エネルギーを交互にそれぞれのニードルに供給するので、各ニードルの間で電気エネルギーが均等に皮膚に伝達されることができ、末端部に絶縁体をコーティングすることによって、末端部に電気エネルギーが集中しない。従って、図8に示すように、従来のニードル10は、左側の写真から確認できるように、末端部でエネルギーが集中し、電気エネルギーが皮膚にニードルが挿入される方向に均等に伝達できないのに対し、本発明のニードル110bは、末端部に電気エネルギーが集中せず、皮膚にニードルが挿入される方向に均等に電気エネルギーが伝達されることを図8の右側の写真から確認できる。
【0077】
図9は、本発明の一実施例によるハンドピースを示す斜視図である。図10は、本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップの断面図である。図11は、本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップが作動してポンピング効果が発生することを示す断面図である。
【0078】
図9図11を参照すれば、本発明の皮膚処置装置は、ハンドピース500を含むことができる。
【0079】
ハンドピース500は医師が把持する部分であって、医師はハンドピース500を対象者の皮膚に接触させた状態でこれを移動させて、ターゲット地点(一例として、顔面の一部分)を変更できる。ハンドピース500は、ケーブルを介して皮膚処置装置に連結され得る。
【0080】
ハンドピース500には、駆動モジュール700及び電源モジュールが内蔵されることができる。従って、ケーブルは、ハンドピース500に内蔵された駆動モジュール700及び電源モジュールのそれぞれを皮膚処置装置に内蔵された電子制御モジュールと電気的に連結できる。ハンドピース500の端部には、電流印加用チップ600が装着できる。この場合、電流印加用ニードルチップ600はハンドピース500の端部に、カートリッジ状に切り替え可能に装着できる。
【0081】
ハンドピース500の外側には、電流印加用ニードルチップ600のニードルユニット620と電源モジュールを電気的に連結するための第1導電部材501と、ケーブルコネクタ503にドッキングされて電源モジュールとケーブルを電気的に連結するための第2導電部材502が配置されることができる。この場合、第1導電部材501と第2導電部材502は、フィルム状に製作されることができる。一例として、第1導電部材501と第2導電部材502は、軟性印刷回路基板(FPCB、Flexible printed circuit board)であり得る。後述する通り、電流印加用ニードルチップ600のニードルユニット620は、往復移動(駆動)するので、電流印加用ニードルチップ600のニードルユニット620の往復移動過程で導電ラインが接触しないように、電流印加用ニードルチップ600のニードルユニット620と電源モジュールの導電ラインと、電源モジュールとケーブルの導電ラインをハンドピース500の外側に設けたものである。
【0082】
電流印加用ニードルチップ600は、ターゲット地点の皮膚の深部に高周波を印加する部材であり得る。電流印加用ニードルチップ600は、ハンドピース500の端部に分離可能に装着できる。即ち、本発明の電流印加用ニードルチップ600は、カートリッジ状に製作され、切り替え可能である。
【0083】
電流印加用ニードルチップ600は、シリンダ610及びニードルユニット620を含むことができる。シリンダ610は「固定子」であって、ハンドピース500の端部に分離可能に装着される部材であり得る。ニードルユニット620は「可動子(垂直方向へ移動)」であって、1つ以上のニードル621を含んでターゲット地点の皮膚の深部に一定周期(駆動モジュールの駆動周期)で侵襲することができ、必要に応じて皮膚の真皮層に高周波(RF、Radio Frequency)を印加する部材であり得る。
【0084】
シリンダ610は、垂直方向に中孔が形成できる。シリンダ610の内部空間には、ニードルユニット620が配置され得る。シリンダ610の下面は開放されることができ、シリンダ610の下端部はターゲット地点の皮膚の表面に配置されることができる。従って、シリンダ610の開放部分は、ターゲット地点の皮膚の表面により閉鎖できる。
【0085】
シリンダ610は、第1シリンダ611及び第2シリンダ612を含むことができる。この場合、第1シリンダ611は上側に位置し、第2シリンダ612は下側に位置し得る。第1シリンダ611の下端と第2シリンダ612の上端は連結され得る。第2シリンダ612の下面は開放され得る。
【0086】
第1シリンダ611及び第2シリンダ612の内部には、ニードルユニット620が配置されることができ、第1シリンダ611と第2シリンダ612の連結部分は、ニードルユニット620により閉鎖できる。
【0087】
第1シリンダ611の上面には、ニードルユニット620のコネクティングロッド625が貫通できる。第1シリンダ611には、ニードルユニット620の第1プランジャ623-1により、第1空間1と剰余空間1-1が形成され得る。即ち、第1シリンダ611の内部空間は、ニードルユニット620の第1プランジャ623-1により垂直方向に閉鎖でき、上側に位置する第1空間1と下側に位置する剰余空間1-1とに区分できる。
【0088】
第1シリンダ611の第1空間1の気密性を維持するために、第1シリンダ611の上面とニードルユニット620のコネクティングロッド625との間には、ガスケット626が配置され得る。また、第1シリンダ611の内周面とニードルユニット620の第1プランジャ623-1の外周面との間には、ガスケット626が配置できる。
【0089】
第2シリンダ612の下端は、ターゲット地点の皮膚の表面に配置できる。従って、第2シリンダ612の下面の開放部分は、ターゲット地点の皮膚の表面により閉鎖できる。第2シリンダ612には、ニードルユニット620の第2プランジャ623-2により、下面が開放された第2空間2が形成され得る。第2シリンダ612の内部空間は、ニードルユニット620の第2プランジャ623-2により垂直方向に閉鎖でき、上側にはニードルユニット620のホルダ622とニードルユニット620の第2プランジャ623-2が配置されることができ、下側には下面が開放された第2空間2が位置し得る。
【0090】
第2シリンダ612の下面には、1つ以上の溝612-1が形成されることができる(図3を参照)。第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1は、第2シリンダ612の外周面から第2シリンダ612の内周面に形成され得る。即ち、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1は、第2シリンダ612を貫通して形成され得る。また、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1は、第2シリンダ612の下面の周囲に沿って互いに離間して配列できる。即ち、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1は、円周方向に互いに離間して形成できる。
【0091】
一方、上述したように、第2空間2の下面の開放部分は、ターゲット地点の皮膚の表面により閉鎖できる。この場合、第2空間2の気密性を維持するために、第2シリンダ612の内周面とニードルユニット620の第2プランジャ623-2の外周面との間には、ガスケット626が配置され得る。一方、第2空間2は気密性を維持している状態で、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1により下端部分のみが選択的に外部と連結され、後述するポンピング効果を向上させることができる。
【0092】
第2空間2には、ニードルユニット620の1つ以上のニードル621が配置され得る。上述したように、第2空間2の下面は開放されているので、1つ以上のニードル621は、第2空間2の開放部分を通過してターゲット地点の皮膚の表面に進入できる。
【0093】
第1シリンダ611の垂直方向と垂直な断面積は、第2シリンダ612の垂直方向と垂直な断面積よりも大きくなり得る。従って、ニードルユニット620のプランジャ623の垂直方向への往復移動により、第1シリンダ611の第1空間1の体積の変化量は、第2シリンダ612の第2空間2の体積の変化量よりも大きくなり得る。
【0094】
シリンダ610は、シートを追加で含むことができる(図11を参照)。シートは、第2空間2に位置し得る。シートは、第2シリンダ612の内周面から内側に向かって下側に傾斜するように配置され得る。シートはリング状であり、第2シリンダ612の内周面に沿って配置できる。この場合、本発明のシートは「バルブシート」状と同様に、ニードルユニット620の1つ以上のニードル621の周りに沿って配置できる。即ち、シートは、ニードルユニット620の1つ以上のニードル621の周りをカバーできる。
【0095】
シートの外側端部は固定端であり、シートの内側端部は自由端であり得る。従って、シートの下向傾斜の角度は、シート周辺の空気の流れにより可変し得る。傾斜角度の可変作用を向上させるために、シートは弾性材質で形成されることができる。
【0096】
シートの外側端部は、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1よりも上側に配置され得る。その結果、シートの傾斜角度は、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1を介して流れる空気の流れによって可変し得る。シートは、第2シリンダ612の1つ以上の溝612-1と相互作用して後述するポンピング効果を向上させることができる。
【0097】
ニードルユニット620は、シリンダ610の内部に配置できる。ニードルユニット620は、駆動モジュール700により垂直方向に往復移動できる。即ち、ニードルユニット620は、第1シリンダ611と第2シリンダ612の内部に配置されることができ、まるで「ピストン(Piston)」のように往復運動できる。更に、プランジャ623を備えて第1シリンダ611と第2シリンダ612の内部空間を区画でき、第1シリンダ611と第2シリンダ612の内部空間の体積を変化させることができる。
【0098】
ニードルユニット620は、垂直方向への往復移動によりターゲット地点の皮膚を反復的(周期的)に侵襲できる。更に、ニードルユニット620は、ターゲット地点の皮膚の深部から高周波を発生させ、高周波による熱エネルギーにより損傷したコラーゲン及び弾力繊維などは時間を置いて再生され、皮膚のハリを増加させることができる。
【0099】
ニードルユニット620は1つ以上のニードル621、ホルダ622、プランジャ623及びコネクティングロッド625を含むことができる。
【0100】
1つ以上のニードル621は、プランジャ623と共に往復移動し、皮膚に挿入及び排出するのを交互に繰り返すことができる。1つ以上のニードル621には高周波が印加され、ターゲット地点の皮膚の深部に熱エネルギーを発生させることができる。
【0101】
但し、これに限定されるものではなく、1つ以上のニードル621には高周波の他に多様な波長帯域の電気エネルギー及び超音波などが印加できる。更に、上述したように、1つ以上のニードル621に電気エネルギーや超音波などが印加されないことも可能である。
【0102】
1つ以上のニードル621に高周波などの電気エネルギーが印加される場合、電源モジュールと電気的に連結されて電源の印加を受けることができる。このために、1つ以上のニードル621は、上述した第1導電部材501により電源モジュールと電気的に連結され得る。
【0103】
一方、1つ以上のニードル621は、複数の電極が2つの極性を有し、隣接する電極の間に高周波が生成されるバイポーラタイプ(Bipolar type)の電極ユニットであってもよく、複数の電極が何れも同一の極性を有するモノポーラタイプ(Monopolar type)の電極ユニットであってもよい。一方、1つ以上のニードル621がモノポーラタイプ(Monopolar type)である場合、1つ以上のニードル621から発生する高周波を還流するためのグラウンド電極モジュール(図示せず)が追加で備えられ得る。
【0104】
1つ以上のニードル621は、ホルダ622により支持され得る。1つ以上のニードル621は、ホルダ622から下方へ延びることができる。1つ以上のニードル621は、第2シリンダ612の第2空間2に配置されることができる。
【0105】
1つ以上のニードル621は、駆動モジュール700の駆動力により垂直方向に往復移動できる。ニードルユニット620の下死点で1つ以上のニードル621の下端部は、ターゲット地点の皮膚の深部に配置されることができ、ニードルユニット620の上死点で1つ以上のニードル621の下端部は、ターゲット地点の皮膚表面の上側に配置されることができる。
【0106】
従って、1つ以上のニードル621は、反復的にターゲット地点の皮膚の深部に侵襲できる。この場合、1つ以上のニードル621は、第2シリンダ612の第2空間2の下面に形成された開放部分を通過して下側に突出した後、上側に復帰(再帰)できる。一方、1つ以上のニードル621の侵襲深さは概略的に2.1mmであり得る。
【0107】
ホルダ622は、1つ以上のニードル621を支持する部材であり得る。ホルダ622は1つ以上のニードル621と同様に、第2シリンダ612の第2空間2に配置できる。また、ホルダ622は、第2プランジャ623-2の下面に配置され、第2プランジャ623-2と結合できる。更に、場合によってホルダ622は省略でき、この場合、1つ以上のニードル621は、プランジャ623に直接配置できる。
【0108】
プランジャ623は下側と上側に往復移動し、シリンダ610の内部に第1空間1と第2空間2を形成できる。また、プランジャ623には、第1空間1と第2空間2とを連結する第1チャネル3が形成できる。
【0109】
プランジャ623の往復移動による第1空間1の体積の変化量は、第2空間2の体積の変化量よりも大きいため、プランジャ623の下側への移動時に第2空間2の気体が第1チャネル3を介して第1空間1へ移動でき、プランジャ623の上側への移動時に第1空間1の気体が第1チャネル3を介して第2空間2へ移動できる。
【0110】
従って、プランジャ623の下側への移動時に1つ以上のニードル621が皮膚に侵襲し、第2空間2に陰圧状態が形成(圧力減少)されることができ、プランジャ623の上側への移動時に1つ以上のニードル621が皮膚から排出され、第2空間2に陽圧状態が形成(圧力増加)されることができる。
【0111】
プランジャ623は、第1プランジャ623-1と第2プランジャ623-2を含むことができる。第1プランジャ623-1は、第1シリンダ611の内部空間に配置できる。第1プランジャ623-1は、第1シリンダ611の内部空間を垂直方向に閉鎖して、第1シリンダ611に上側に位置する第1空間1と下側に位置する剰余空間1-1とを形成できる。
【0112】
第1プランジャ623-1は、駆動モジュール700の駆動力により垂直方向に往復移動できる。第1プランジャ623-1が下側へ移動する場合、第1空間1の体積は増加し、剰余空間1-1の体積は減少し得る(図11の(1)を参照)。第1プランジャ623-1が上側へ移動する場合、第1空間1の体積は減少し、剰余空間3の体積は増加し得る(図11の(2)を参照)。
【0113】
第2プランジャ623-2は、第2シリンダ612の内部空間に位置し得る。第2プランジャ623-2は、第2シリンダ612の内部空間を垂直方向に閉鎖して第2シリンダ612に第2空間2を形成できる。
【0114】
第2プランジャ623-2は、駆動モジュール700の駆動力により垂直方向に往復移動できる。第2プランジャ623-2が下側へ移動する場合、第2空間2の体積は減少し得る(図11の(1)を参照)。第2プランジャ623-2が上側へ移動する場合、第2空間2の体積は増加し得る(図11の(2)を参照)。
【0115】
第1プランジャ623-1と第2プランジャ623-2には、第1空間1と第2空間2とを連結する第1チャネル3が形成できる。この場合、第1プランジャ623-1と第2プランジャ623-2に形成される第1チャネル3は、垂直方向に第1プランジャ623-1と第2プランジャ623-2を貫通する(第1プランジャと第2プランジャに形成されている)1つ以上の流路3-1であり得る。
【0116】
コネクティングロッド625は、第1プランジャ623-1の上側に配置できる。コネクティングロッド625は、駆動モジュール700の駆動力により垂直方向へ移動できる。コネクティングロッド625は、駆動モジュール700及び第1プランジャ623-1と連結され、駆動モジュール700の駆動力を第1プランジャ623-1に伝達する機能を行える。
【0117】
以下、図11を参照して電流印加用ニードルチップ600の作動(ポンピング効果)について説明する。本発明の皮膚処置装置を作動させると、ニードルユニット620は、垂直方向(上下方向)に往復運動し、ターゲット地点の皮膚を反復的に侵襲できる(高周波が印加される場合、皮膚の深部に熱エネルギーが発生)。一方、ターゲット地点の皮膚の表面には、侵襲による痛みを緩和させるか、傷の再生を促進させる薬物が塗布され得る。
【0118】
ニードルユニット620の下側への移動時に、第1空間1の体積は増加し、第2空間2の体積は減少し得る。この場合、第1空間1と第2空間2の垂直方向と垂直な断面積の差により、第1空間1の体積の変化量は、第2空間2の体積の変化量よりも大きくなり得る。即ち、第1空間1の体積の増加量は、第2空間2の体積の減少量よりも大きくなり得る。一方、第1空間1と第2空間2は、第1チャネル3により連結されているので、第2空間2の気体は、第1チャネル3を介して第1空間1へ移動できる(図11の(1)を参照、体積の変化量の差による圧力差による移動)。従って、第2空間2は「陰圧状態(圧力の減少;これと反対に第1空間は圧力が増加して陽圧状態)」になってターゲット地点の皮膚の表面を吸入し、ターゲット地点の表面の皮膚の高さを均等にさせることができる。その結果、1つ以上のニードル621は、均一な深さに侵襲できる(均等な深さに侵襲する効果、複数のニードルの何れも医学的設計条件に合う侵襲深さ(既に設定された深さ)で高周波を照射するため)。
【0119】
ニードルユニット620の上側への移動時に、第1空間1の体積は減少し、第2空間2の体積は増加し得る。この場合、第1空間1と第2空間2の垂直方向と垂直な断面積の差により、第1空間1の体積の変化量は第2空間2の体積の変化量よりも大きくなり得る。即ち、第1空間1の体積の減少量は、第2シリンダ612の第2空間2の体積の増加量よりも大きくなり得る。一方、第1空間1と第2空間2は、第1チャネル3により連結されているので、第1空間1の気体は第1チャネル3を介して第2空間2へ移動できる(図11の(2)を参照、体積の変化量の差による圧力差による移動)。その結果、第2空間2は「陽圧状態(圧力の増加;これと反対に第1空間は圧力が減少して陰圧状態)」になってターゲット地点の皮膚の表面に塗布された薬物を侵襲部位(ニードル電極の挿入と排出により形成されたホール)の内部に深く注入できる(薬物を皮膚の深部に深く注入する効果)。
【0120】
一方、第1シリンダ611には、剰余空間1-1と外部とを連結する第2チャンネル4が形成できる。第2チャンネル4は、剰余空間1-1の気体の圧力が第1プランジャ623-1の垂直方向への往復移動を妨げるのを防止できる。即ち、ニードルユニット620の下側への移動時に、剰余空間1-1の空気を外部に流出させて抵抗力を除去できる。
【0121】
一実施例において、本発明のニードル110は、以下のように製作されることができる。まず、非絶縁部位に該当する活性領域112a、112bとして生成する厚さのシリコンを設け、カートリッジ170にニードル110を結合し、ニードル110の活性領域112a、112bを形成しようとする位置までニードル110をシリコンに挿入し、シリコンにニードル110が挿入された状態で絶縁物質を噴射して末端部111a、111b及び絶縁領域113a、113bを形成できる。一方、ニードル110をそれぞれ一部の領域が非絶縁されるように製作した後、最終的に組み立てることもでき、ニードル110を製作した後にシリコン層に挿入して絶縁処理を行うこともできる。
【0122】
具体的に、特定の同一の位置に同一の個数の活性領域を含むニードルチップを製作する場合、カートリッジ170に絶縁処理が行われていないニードルを先に固定し、活性領域の範囲に相応する厚さのシリコンにニードルを挿入する。このとき、複数のニードルが同時に一定の深さに配置され得るように、特定の厚さのシリコンパッドは、ニードルの挿入時に弛まないように両側から引っ張られることができる。また、複数の活性領域を各ニードルの同一の位置に形成する場合、各活性領域の範囲に相応する厚さのシリコンパッドを活性領域間の距離だけ維持した状態で複数のニードルを挿入する。その後、シリコンが活性領域を形成しようとする位置に配置された状態で、複数のニードルに絶縁処理を行う。これにより、複数のニードルが同一の位置に活性領域を形成できるようになる。
【0123】
ここで、シリコンは、ニードルが貫通して所望の位置に配置でき、活性領域を形成しようとする範囲の厚さに生成できる多様な材料に切り替えることができる。即ち、シリコンは、1つ以上のニードルが貫通して配置されることによって、絶縁物質が活性領域の表面に噴射しないようにすることができるあらゆる素材に切り替え得る。例えば、シリコン、ゴムなどの軟性材質の素材が何れも使用され得る。
【0124】
本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップは、ニードル固定部と、末端部を除いた一部の領域に絶縁体がコーティングされないことによって形成された少なくとも1つの活性領域を同一の位置にそれぞれ含み、2次元に前記ニードル固定部に配置された複数のニードルと、を含み、前記複数のニードルは互いに交互に異なる極性の電極に連結され、(+)極性の電極に連結されたニードルの周辺の4つのニードルは(-)極性の電極に連結され、前記複数のニードルが互いに離間した複数の活性領域を含む場合、前記複数のニードルに連結されたそれぞれの電極に印加される電流の強度を調節することによって、前記離間した複数の活性領域の間に電気エネルギーを伝達できる。
【0125】
本発明の一実施例による皮膚処置装置は、皮膚表面の目標部位を吸入するケーシングと、前記ケーシングの内部に配置される複数のニードルと、前記複数のニードルが挿入されて固定するニードル固定部と、前記ケーシング及び前記複数のニードルの作動を制御する制御部と、前記複数のニードルと電気的に連結されて電気エネルギーを伝達する電気エネルギー伝達部と、前記電気エネルギー伝達部を介して前記複数のニードルに伝達される電気エネルギーを発生する電気エネルギー発生部とを含むことができる。
【0126】
本発明の一実施例によるハンドピースは、本発明の実施例による電流印加用ニードルチップが装着できる。
【0127】
本発明の一実施例による電流印加用ニードルチップの製造方法は、非絶縁部位に該当する活性領域として生成する厚さのシリコンを設ける段階と、ニードル固定部に複数のニードルを結合する段階と、活性領域を形成しようとする前記複数のニードルの位置まで複数のニードルを前記シリコンに挿入する段階と、前記シリコンに前記複数のニードルが挿入された状態で絶縁物質を噴射して末端部及び絶縁領域を形成する段階とを含むことができる。
【0128】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得るということが理解できるであろう。従って、以上で述べた実施例は全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解すべきである。
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図11