(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171974
(43)【公開日】2023-12-05
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
A63H33/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177124
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2022006954の分割
【原出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】岩脇 由実
(57)【要約】
【課題】物品供給装置にて提供可能で且つ安定展示が可能な興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】物品供給装置から供給可能に構成されている玩具1であって、物品供給装置からの供給が可能な第1形態1Fと、物品供給装置からの供給が不可能な第2形態2Fとに変化可能な玩具本体部10を備え、玩具本体部10は、中空の球状型に形成されている第1部品11と、第1部品11に連結可能な第2部品12とを含み、第1部品11は、第1形態1F及び第2形態2Fにおいて、第2部品12を収容不可能に構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置から供給可能に構成されている玩具であって、
前記物品供給装置からの供給が可能な第1形態と、前記物品供給装置からの供給が不可能な第2形態とに変化可能な玩具本体部を備え、
前記玩具本体部は、中空の球状型を成し、開口が形成されている第1部品と、前記第1部品に連結可能な第2部品と、前記開口を塞ぐ第3部品とを含み、
前記第1部品は、前記第1形態及び前記第2形態において、前記第2部品を収容不可能に構成され、
前記第2部品は、前記第1形態において、前記第1部品の外表面の第1部位を覆い、前記第2形態において、前記第1部品の外表面の第2部位を覆い、
前記第1部位は、前記第2部位よりも広範囲な部位であり、
前記第1部品及び前記第2部品は、前記第2形態において、前記第3部品を介して互いに連結され、
前記開口は、前記第1部位、及び前記第2部位内に形成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1部品、及び前記第2部品は、前記第2部品を前記第1形態の状態から反転させて前記第1部品に連結することにより、前記第1形態から前記第2形態に変化可能に構成されている、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記第1部位は、前記第2部位を含む部位である、、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1部品は、前記開口から注入された液体を前記第1部品内に保持可能に構成されている、
玩具。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2部品は、円錐台型形状を成し、前記第3部品を保持する保持孔が形成され、
前記保持孔は、前記第2部品の平面視において中央部以外の部位に形成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項5に記載の玩具であって、
前記保持孔は、前記第3部品を前記第2部品の底面に対して斜めに保持する傾斜面に形成されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1部品は、全体が光透過性の材料により構成され、その内部空間を分割する第4部品を収容している、
玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、
前記第4部品は、平板状に構成され、一方面に第1情報が形成され、他方面に第2情報が形成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の玩具であって、
前記第1部品には、前記内部空間にて前記第4部品を揺動不可能に保持する保持構造が設けられている、
玩具。
【請求項10】
請求項7~9の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1形態は、液体を保持していない形態であり、前記第2形態は、前記液体を前記内部空間に保持している形態である、
玩具。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2部品は、前記第2形態において、前記第1部品を支持する支持部品として構成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2部品は、第1構成部品と、第2構成部品とから構成され、
前記第1構成部品、及び前記第2構成部品は、着脱可能に構成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具であって、
前記第1部品は、前記第1形態において、前記第1構成部品の内側面と接するよう構成され、前記第2形態において、前記第2構成部品の外側面と接するように構成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の玩具であって、
文字情報が形成されている第5部品をさらに備え、
前記第5部品は、前記第2部品に対して、前記第2形態においてのみ文字情報を正しい位置で視認可能に連結されている、
玩具。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1形態において、前記第2部品と連結する第6部品をさらに備えている、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明なドーム状の容器に液体を満たし、容器内部に風景やミニチュアを入れて楽しむ玩具がある。例えば、特許文献1においては、液体を入れる容器であるドームにおいては、一端側(上側)が半球形であり、他端側(底側)が平坦な構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、展示するためには、平坦な部分を必要とする。このため、物品供給装置によって販売・提供することが困難であった。一方、物品供給装置にて提供し易い球形状であると、展示状態での安定保持ができないという課題があった。
【0005】
本発明は、物品供給装置にて提供可能で且つ安定展示が可能な興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物品供給装置から供給可能に構成されている玩具であって、物品供給装置からの供給が可能な第1形態と、物品供給装置からの供給が不可能な第2形態とに変化可能な玩具本体部を備え、玩具本体部は、中空の球状型に形成されている第1部品と、第1部品に連結可能な第2部品とを含み、第1部品は、第1形態及び第2形態において、第2部品を収容不可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品供給装置にて提供可能で且つ安定展示が可能な興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の玩具の第1形態を示す斜視図である。
【
図3】玩具を第2形態に変えるときの初期状態を示す斜視図である。
【
図4】ドーム部から蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】ドーム部と台座部とを第2形態に形態変化させるときの斜視図である。
【
図8】第2形態の状態を示し、(a)は、玩具の正面図であり、(b)は、玩具の背面図であり、(c)は、玩具の側面図である。
【
図9】ドーム部、蓋,及び平板の拡大分解斜視図である。
【
図10】台座部、及びエンブレムの拡大分解斜視図である。
【
図12】
図11においてC-C線に沿った位置においてドーム部を装着した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である玩具1について、
図1~
図12を参照して説明する。
図1は、玩具1の第1形態1Fにおける斜視図である。
図2は、
図1のA-A線の断面図である。
【0010】
玩具1は、
図1及び
図2に示すように、物品供給装置から供給可能な略球形状のカプセル形態である第1形態1Fと、物品供給装置からの供給が不可能な非球形の展示形態である第2形態2F(
図6参照)と、に変化可能な玩具本体部10を備えている。
【0011】
玩具本体部10は、中空の球状型に形成されている第1部品であるドーム部11と、第1形態1Fにおいてドーム部11に連結された第2部品である台座部12と、第1形態1Fにおいて、ドーム部11の内部空間SPに収容された第4部品である平板14と、ドーム部11の内部空間SPを閉じることができる第3部品である蓋13(
図2参照)と、更に、文字情報が形成されている第5部品であるエンブレム15(
図1参照)と、を備えている。
【0012】
なお、玩具1は、第1形態1Fにおいて台座部12と連結され、円錐台型形状(
図3参照)の台座部12の球欠部分を補う球形の一部を構成した第6部品の補球部品16を備えている。すなわち、第1形態1Fにおいて、補球部品16を設けることによって、第1形態1Fの全体形状がより球形に近い形状となる。
【0013】
ドーム部11は、第1形態1F及び第2形態2Fにおいて、球形の内部空間SPに平板14が収容された状態で密閉空間を形成している。また、台座部12は、第1形態1Fにおいて、図示の如く、その大きさからも判るように、ドーム部11の内部空間SPに台座部12を収容することができないサイズに構成されている。したがって、第1形態1Fにおいては、台座部12は、その内側面121aがドーム部11に接する(又は対面する)ようしてドーム部11の一部を覆うように設けられ、更に、台座部12の平坦部分(上面12a)を補球部品16が覆うように設けられ、ラッピングフィルム30にて覆われている。
【0014】
ドーム部11の内部空間SPは、第1形態1Fにおいては、前述の如く平板14が収容されているだけの空間である。しかし、第2形態2Fにおいては、後述するように、内部空間SPに水等の液体wが収容される。
【0015】
ドーム部11は、その全体が光透過部材により構成されている。したがって、内部空間SPを分割するように設けられた平板14は、外部から目視することができる。また、平板14は、表裏両面とも平坦な略円盤状の平板構造とされている。そして、一方面(表面)には、例えば、エンブレム15にて表記されたタイトルを表す代表的な画像の第1情報i1(
図8参照)が形成されている。一方、他方面(裏面)には、第1情報i1とは異なる第2情報i2(
図8参照)の画像が形成されている。
【0016】
図3は、玩具1を第2形態2Fに変えるときの初期状態を示す斜視図である。
【0017】
第1形態1Fの状態から、第2形態2Fに変えるときは、先ず、最初に、ラッピングフィルム30を取り外す。これにより、
図3に示すように、補球部品16は、円錐台型形状の台座部12の上面12aから離れる。なお、補球部品16の内側には、台座部12の連結孔12eに挿入される連結軸16a、及び蓋13に当接する環状突起16b(
図2参照)を備えている。
【0018】
したがって、台座部12から補球部品16を外すときは、連結軸16aを引き抜くように取り外す。また、ドーム部11と台座部12とを分離する際には、ドーム部11に取付けられている蓋13から台座部12を引き抜く。すなわち、台座部12の保持孔12h内に蓋13が嵌合しているので、この嵌合を解除するように引き抜き台座部12とドーム部11とを分離する。
【0019】
図4は、ドーム部11から蓋13を取り外した状態を示す斜視図である。
ドーム部11には、
図4に示すように、開口11cが設けられている。この開口11cは、ドーム部11の球形の外表面11sから円筒形に突出する突出部11fに形成された開口である。そして、蓋13は、突出部11fに被さるように取付けられると共に開口11c内に嵌入する嵌入部13a(
図9参照)を有し、開口11cを密封する。したがって、ドーム部11は、開口11cから水等の液体wを注入した後に閉じることで、内部空間SP内に液体wを漏れることなく保持することができる。
【0020】
また、ドーム部11の外表面11sは、第1形態1Fにおいては、
図4に示すように、台座部12の底面12bに対応する第1部位11a、すなわち、開口11cを中心にして円形状の領域が覆われる(
図2参照)。また、第2形態2Fでは、上面12aに形成された窪み面12d(
図3及び
図7参照)に対応する第1部位11aの内側の第2部位11bが覆われる。
【0021】
このように、台座部12は、上述の如く円錐台型形状であることから、第1形態1Fにおいてドーム部11を覆う領域(第1部位11a)と、第2形態2Fにおいてドーム部11を覆う領域(第2部位11b)とは、その大きさが異なるが何れの形態においても開口11c(突出部11f)を外部から見えないように覆う。
【0022】
図5は、ドーム部11と台座部12とを第2形態2Fに形態変化させるときの斜視図である。
図4に示したように液体wが入れたドーム部11は、
図5に示すように、台座部12の上面12a側に組み合わせる。より詳細には、上面12aの窪み面12d内に形成された保持孔12hに、蓋13を嵌め合わせる。このとき、ドーム部11に設けられたガイド突起11gを窪み面12dに設けられた保持溝12fに合わせるように嵌合する。
【0023】
図6は、玩具1の第2形態2Fの斜視図である。
図7は、
図6のB-B線の断面図である。
図6に示すように、第2形態2Fは、ドーム部11と台座部12との向きは、第1形態1Fのときとは反対に組み立てられ、台座部12がドーム部11を支持する側面視で台形状の支持部品として構成される。この第2形態2Fにおいては、
図7に示すように、台座部12の窪み面12dは、ドーム部11の外表面11sの曲率と略同じ湾曲面に形成されており、前述したように、ドーム部11の第2部位11bの領域が窪み面12d、すなわち、後述する第2構成部品122の外側面(窪み面12d)と接するように支持される。
【0024】
図8は、第2形態2Fの状態を示し、(a)は、玩具1の正面図であり、(b)は、玩具1の背面図であり、(c)は、玩具1の側面図である。
第2形態2Fの玩具1は、
図8(a)に示すように、エンブレム15が正面となる方向から見た場合に、第1情報i1が見える。この第1情報i1は、例えば、真正面から見たとき、画像の中央部分は平板14に描かれた画像に近い形状で見えるが、中央から離れるにしたがって、元の描かれた画像とは相違する形状で見られる。特に、真正面に対して、少し斜めの方向から見たときには、ドーム部11内の液体wによる光の屈折による演出が行われて、第1情報i1の画像が大きく変化して見える。
【0025】
また、
図8(b)に示す第2情報i2においても、第1情報i1と同様に光の屈折による演出が行われる。なお、
図8(a),(b)に示す画像については、平板14に描かれた元の画像に近い状態の図として示されている。
【0026】
ここで、平板14は、
図8(c)に示すように台座部12の底面12b、すなわち、載置部40に対して所定角度θで傾斜しており、第1情報i1が上向きになるように設定されている。これは、玩具1が載置部40、例えば、テーブルや机に置かれた状態において、玩具1を見る視線は、若干斜め上方から見ることとなり、第1情報i1が上向きに傾斜していることで、第1情報i1を略真正面から見ることができる。
一方、第2情報i2の場合は、下向きの傾斜面に描かれていることになる。この場合、玩具1を、眼の位置よりも高いところに載置した場合に、画像を見易い。
【0027】
図9は、ドーム部11、蓋13,及び平板14の拡大分解斜視図である。
図9に示すように、ドーム部11は、例えば、前面側の半球状(半分の第1内部空間SP1を形成する半球状)の第1ドーム半体111と後面側の半球状(半分の第2内部空間SP2を形成する半球状)の第2ドーム半体112との組み合わせにて構成されている。なお、前面側と後面側とは、平板14の設置向きにより決定されるものであり、何れであっても良い。第1ドーム半体111は、第2ドーム半体112との接合縁部には、最外円部111bとその内側の内縁凸部111cとによって円周溝111aが形成されている。そして、第2ドーム半体112の接合縁部の円周凸部112aが、円周溝111aに嵌入するように構成されている。
【0028】
また、第1ドーム半体111は、開口11cを構成する円筒形の突出部11fが設けられ、突出部11fに連続するガイド突起11gの半体が設けられている。また、接合縁部には、一対の矩形凹部11dが設けられており、平板14の矩形突起14bを受容可能に構成されている。
第2ドーム半体112は、前述の如く接合縁部は、円周凸部112aが設けられ、また、突出部11fを受容する半円切欠き部112bが設けられている。また、半円切欠き部112bに隣接してガイド突起11gの半体が設けられている。
【0029】
第1ドーム半体111と第2ドーム半体112とを組み合わせるときには、先ず、平板14の矩形突起14bを矩形凹部11dに嵌めると共に、略円形凸部14aを円形凹部である開口11c内にはめ込む。次に、第1ドーム半体111に対して第2ドーム半体112を組み合わせ、この組合わせた状態で、例えば、超音波溶着等によって第1ドーム半体111と第2ドーム半体112とを接続する。
【0030】
このように組み立てることにより、内部空間SPに平板14が揺動不可能な状態で保持されている。この平板14によって、内部空間SPは、第1内部空間SP1と第2内部空間SP2とに区画される。また、蓋13は、突出部11fに嵌めこむことで、開口11cを密閉する。なお、略円形凸部14aは、複数のスリット開口14cが設けられているので、開口11cを塞ぐことはなく、液体wを内部空間SPに入れることができる。
【0031】
図10は、台座部12、及びエンブレム15の拡大分解斜視図である。
台座部12は、第2形態2Fにおいて下側に位置する第1構成部品121と、上側に位置する第2構成部品122と、から構成されている。この第1構成部品121、及び第2構成部品122は、容易に着脱することができる。例えば、
図10に示すように、第1構成部品121に形成された4個の嵌入孔部121bに、第2構成部品122の4個の嵌入軸122bを挿入して組み合わせる。このとき、第2構成部品122の保持孔12hを構成する環状壁部122aは、第1構成部品121の円孔121e内に挿入される。また、第1構成部品121の傾斜外面121sには、内方に窪んだエンブレム装着部121cが設けられている。このエンブレム装着部121cの底部側には、円弧状の受容開口121dが形成されている。
【0032】
エンブレム15は、表側15aには、文字情報が設けられ、裏面側には、第2構成部品122の一対のスリット122dに受容される一対の裏面突起15bが設けられ、下端側には、第1構成部品121の受容開口121dに嵌入される下端突起15dが設けられている。したがって、エンブレム15は、第1構成部品121と第2構成部品122とを組み合わせるときに、
図10に示すように、その所定の向きにおいてのみ組み込むことが可能であり、第2形態2Fにおいて文字情報を正しい位置で視認可能な向きに取付けられる。
【0033】
図11は、台座部12の上方から見た平面図である。
図11に示すように、台座部12の上面12aには、例えば、外縁側に複数の三角形状の装飾12abが設けられている。また、装飾12abの内側には、前述したように、球面の一部を成す窪み面12dが設けられている。この窪み面12d内の保持孔12hは、台座部12の平面視においてその中央部ではなく、保持溝12fと共に中央部以外の部位、図中においては中央部から左側に外れた位置に設けられている。これは、前述の如く、ドーム部11を斜めに保持するために、蓋13の保持位置を中央から外した構造となっている。
【0034】
図12は、
図11においてドーム部11を装着した状態でのC-C断面図である。
図12に示すように、保持孔12hは、蓋13を台座部12の底面12bに対して斜めに保持する傾斜保持面12cに形成されている。この傾斜保持面12cは、図示の如く、蓋13の側面に対面して、蓋13を斜めに保持する。このように、蓋13を斜めに保持する構造に加えて、前述の如く、保持孔12hが台座部12の中心部分から一方側に外れた位置に設けられていることで、保持孔12h及び窪み面12dにてドーム部11を安定して保持する。これにより、前述の如くドーム部11を所定角度θだけ傾斜させた状態で保持し、平板14を傾斜状態で保持することができる。
【0035】
以上述べたように、本実施形態の玩具1においては、中空の球状型のドーム部11と、台座部12とは、台座部12がドーム部11の内部空間SP内に収容不可能に大きく構成されていることで、第1形態1Fにおいて、台座部12は、その内側面121aをドーム部11の外表面11sに対面(接触)するように取付けられる。このとき、台座部12の形状が円錐台形状であるので、ドーム部11の外表面11sに倣うように取り付けることができ、第1形態1Fの全体の外面形状を球面形状に近づけることができる。また、ドーム部11は、予め中空の球状型物として提供され、開口11cを閉じる蓋13が設けられているので、内部空間SPを精密に密閉して、内部空間SP内に液体wを入れることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態の玩具1では、ドーム部11と台座部12は、第1形態1Fから第2形態2Fに変えるときは、ドーム部11に対する台座部12の連結状態を反転させるだけでよいので、形態変化の組み立てが容易である。
【0037】
本実施形態の玩具1では、台座部12は、第2形態2Fにおいては、台座部12は、その上面12aの窪み面12dにてドーム部11を係止し、円錐台形状に大きく広がった底面12bを備える支持部材であるので、ドーム部11を安定状態で保持することができる。
【0038】
また、本実施形態の玩具1では、ドーム部11の外表面11sにおいて、台座部12により覆われる第1部位11aが第2部位11bを含む部位、すなわち、第1形態1F及び第2形態2Fの何れにおいても開口11cを囲む領域であるので、第1形態1F及び第2形態2Fの何れの場合も、開口11cは、台座部12によって外部から見えないよう覆われる。
【0039】
本実施形態の玩具1では、保持孔12hは、蓋13を台座部12の底面12bに対して斜めに保持する傾斜保持面12cを有しているので、ドーム部11を斜めに保持することができる。また、本実施形態の玩具1では、保持孔12hは、台座部12の平面視において中央部以外の部位に形成されているので、斜めに挿入された蓋13の周囲の外表面11sを保持するのに好都合である。
【0040】
本実施形態の玩具1によれば、ドーム部11は、全体が光透過性の材料により構成され且つ内部空間SPを分割する平板状の平板14を収容しているので、外側から見える複数の空間を形成することができる。
【0041】
本実施形態の玩具1によれば、平板14は、一方面に第1情報i1が形成され、他方面に第2情報i2が形成されているので、両情報i1,i2により異なる演出をすることができる。
【0042】
本実施形態の玩具1においては、ドーム部11には、内部空間SPにて平板14を揺動不可能に保持する矩形凹部11d及び円形凹部(開口11c)などの保持構造が設けられているので、平板14を確りと係止することができる。
【0043】
本実施形態の玩具1においては、第1形態1Fは、液体wを保持していない形態であるので、重量が軽く取り扱い性がよい。一方、第2形態2Fにおいては、液体wを内部空間SPに保持している形態とされるので、重量が重くなり確りと展示することができる。また、液体wが入っている第2形態2Fにおいては、平板14の図柄を、球形のドーム部11によるレンズ効果によって屈折させて演出することができる。
【0044】
本実施形態の玩具1においては、台座部12は、第1構成部品121、及び第2構成部品122が容易に着脱可能に構成されている。この結果、両部品121,122を複数組の組合せが可能であり、演出のバリエーションを増やすことができる。
【0045】
本実施形態の玩具1においては、エンブレム15は、台座部12と係合する形状が、特定の向きのときだけ組み込み可能に構成されているので、エンブレム15の文字情報の向きを正しい向きに容易に組み立てることができる。
【0046】
本実施形態の玩具1においては、第1形態1Fにおいて、台座部12の平坦部分(上面12a側)を球形にする補球部品16をさらに備えているので、台座部12の形状において、球欠部分の形状を補い第1形態1Fの形状を球形に近づけることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、台座部12を二部材にて構成したが、必ずしもこれに限るものではなく、一部材にて構成してもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、蓋13は、嵌着式の構造としたがねじ込み式の構造であても良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、ドーム部11の内部空間SPには、平板14を設けるようにしたが、必ずしもこれに限るものではなく、ミニチュアや他の装飾物品を設けても良い。
【0050】
また、上記実施形態においては、液体wとして水を使用したが、特に、水に限るものではなく、水以外の液体であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 玩具
1F 第1形態
11s 外表面
2F 第2形態
10 玩具本体部
11 ドーム部(第1部品)
11a 第1部位
11b 第2部位
11c 開口
11d 矩形凹部(保持構造)
12 台座部(第2部品)
12a 上面
12b 底面
12c 傾斜保持面
13 蓋(第3部品)
14 平板(第4部品)
15 エンブレム(第5部品)
16 補球部品(第6部品)
121 第1構成部品
121a 内側面
122 第2構成部品
122b 嵌入軸
i1 第1情報
i2 第2情報
SP 内部空間
w 水(液体)