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特開2023-171986充電制御装置、システム、充電制御装置の制御方法及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171986
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】充電制御装置、システム、充電制御装置の制御方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20231129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231129BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 53/65 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20231129BHJP
【FI】
H02J7/04 H
H02J7/00 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/65
B60L53/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083487
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】森園 潤
(72)【発明者】
【氏名】古川 潤
(72)【発明者】
【氏名】久保田 次郎
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503GD05
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE02
5H125CC06
5H125CC07
5H125DD02
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】利用者が充電システムをより簡単に利用できることに寄与する、充電制御装置を提供する。
【解決手段】
充電制御装置は、認証制御手段と、充電器制御手段と、を備える。認証制御手段は、充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う。充電器制御手段は、利用者が認証成功と判定されると、認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する。充電器制御手段は、充電器の利用が許可された利用者が、予め設定された充電器と充電対象物を接続すると、充電対象物と接続された充電器による充電を開始してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、
を備える、充電制御装置。
【請求項2】
前記充電器制御手段は、
前記充電器の利用が許可された利用者が、前記予め設定された充電器と充電対象物を接続すると、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記充電器の利用が許可された利用者が、自装置を中心として所定範囲内に存在することを検出する、検出手段をさらに備え、
前記充電器制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者の存在が検出され、且つ、前記予め設定された充電器と前記充電対象物の接続が検出された場合、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する、請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記予め設定された充電器と前記充電対象物の接続が検出されたことを前記充電器の利用が許可された利用者に通知する、通知手段をさらに備える、請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記充電器制御手段は、
前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する第1のモード、又は、前記予め設定された充電器と前記充電対象物が接続されると、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する第2のモードの選択を可能とする、請求項4に記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記認証制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者の認証情報を記憶するサーバ装置に対し、被認証者の認証を要求する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の充電制御装置。
【請求項7】
前記認証制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者が提示するICカードに格納されたカードIDを含む認証要求を前記サーバ装置に送信する、請求項6に記載の充電制御装置。
【請求項8】
充電器と、
充電制御装置と、
を含み、
前記充電制御装置は、
前記充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、
を備える、システム。
【請求項9】
充電制御装置において、
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行い、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電制御装置の制御方法。
【請求項10】
充電制御装置に搭載されたコンピュータに、
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う処理と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置、システム、充電制御装置の制御方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した電気自動車の開発が進められている。電気自動車は、バッテリやキャパシタなどの蓄電装置と、インバータとインバータによって駆動されるモータのような動力源と、を備える。
【0003】
特許文献1には、集合住宅などの駐車場や充電スペースにおいて効率よく迅速に複数の電気自動車を充電できる電気自動車の充電システムを提供する、と記載されている。特許文献1の充電システムは、充電制御部と、データベースと、を有する。充電制御部は、複数の電気自動車をそれぞれ充電する複数の充電レセプタクルおよび充電出力手段を制御する。データベースは、電気自動車の車種情報に対応して当該電気自動車の充電制御条件を表現した充電管理情報を格納する。充電制御部は、充電出力手段を介して電気自動車の充電を行う際、データベースに格納された充電管理情報を参照して複数の電気自動車のうち同時に充電する電気自動車の組み合せ、または順次充電すべき電気自動車の充電順序を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-010534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マンションなどの集合住宅においては、住民に割り当てられた駐車場にて電気自動車の充電が行われる。充電システムを利用する住民は、マンションの管理会社等から指定された駐車場の充電器を使用する。充電器を使用する際、利用者は、複数の充電器のなかから管理会社等が指定した充電器のIDを充電コントローラに入力する必要がある。
【0006】
ここで、電気自動車の充電は日常的に行われる作業である。利用者が充電器を使用するたびに充電器IDを充電コントローラに入力することは、当該利用者の負担を増加させる。
【0007】
なお、特許文献1に開示された技術を適用しても、利用者の負担は軽減しない。特許文献1では、利用者が充電システムを利用する際、充電器のIDを充電コントローラに入力することは想定されていない。
【0008】
本発明は、利用者が充電システムをより簡単に利用できることに寄与する、充電制御装置、システム、充電制御装置の制御方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、を備える、充電制御装置が提供される。
【0010】
本発明の第2の視点によれば、充電器と、充電制御装置と、を含み、前記充電制御装置は、前記充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、を備える、システムが提供される。
【0011】
本発明の第3の視点によれば、充電制御装置において、充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行い、前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電制御装置の制御方法が提供される。
【0012】
本発明の第4の視点によれば、充電制御装置に搭載されたコンピュータに、充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う処理と、前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する処理と、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、利用者が充電システムをより簡単に利用できることに寄与する、充電制御装置、システム、充電制御装置の制御方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態の概要を説明するための図である。
図2図2は、一実施形態の動作を示すフローチャートである。
図3図3は、第1の実施形態に係る充電システムの概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る充電制御装置の処理構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る充電器管理データベースの一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る充電開始モード管理データベースの一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る充電制御装置の表示の一例を示す図である。
図15図15は、第1の実施形態に係る充電器制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第1の実施形態に係る充電器制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、第1の実施形態に係る充電器の処理構成の一例を示す図である。
図18図18は、第1の実施形態に係る充電システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図19図19は、本願開示に係る充電制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図20図20は、本願開示の変形例に係る充電制御装置の処理構成の一例を示す図である。
図21図21は、本願開示の変形例に係る充電制御装置の処理構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0016】
一実施形態に係る充電制御装置100は、認証制御手段101と、充電器制御手段102と、を備える(図1参照)。認証制御手段101は、充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う(図2のステップS1)。充電器制御手段102は、利用者が認証成功と判定されると、認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する(ステップS2)。
【0017】
充電制御装置100は、利用者の認証に成功すると、当該利用者が事前に設定した充電器による充電を開始する。即ち、電気自動車の充電に利用する充電器を予め充電制御装置100に設定しておくことで、認証成功と判定された利用者は、当該充電器による充電を開始できる。その際、利用者がICカード等の認証媒体を充電制御装置100に提示するような構成とすることで、当該利用者が充電器を利用する際の負担が軽減する。このように、充電制御装置100は、利用者が充電システムをより簡単に利用できることに寄与する。
【0018】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0020】
[システムの構成]
図3は、第1の実施形態に係る充電システムの概略構成の一例を示す図である。図3に示すように、充電システムは、サーバ装置10と、充電制御装置20と、複数の充電器30-1~30-4と、を含む。
【0021】
以降の説明において、充電器30-1~30-4を区別する特段の理由がない場合には、単に「充電器30」と表記する。他の要素についても同様に、ハイフンより左側の符号に当該要素を代表して表記する。
【0022】
第1の実施形態では、本願開示の充電システムがマンション等の集合住宅にて用いられる場合について説明する。ただし、充電システムの適用先を集合住宅に限定する趣旨ではない。例えば、商業施設における電気自動車の充電に本願開示の充電システムが適用されてもよい。
【0023】
マンションの住人は、マンションの管理会社等と契約することで駐車場を利用できる。図3の例では、契約が完了した住民は、駐車場40-1~40-4のうち管理会社等から指定された駐車場40を利用できる。
【0024】
各駐車場40に対応するように充電器30が設置されている。充電器30は、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のようなバッテリを搭載した電気自動車の充電を行う。充電器30は、電力を供給する電力線(商業系統又は蓄電装置のような電力源と接続された電力線)に接続される。充電器30は、各種コネクタを介して充電対象の電気自動車と接続され、充電対象の電気自動車のバッテリを充電する。
【0025】
サーバ装置10は、充電システムを利用する利用者(マンションの住民)の事前登録や当該利用者の認証を行う装置である。サーバ装置10は、マンションの管理会社の建物内に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0026】
充電制御装置20は、少なくとも1つ以上の充電器30と接続され、充電器30の充電動作を制御する。充電制御装置20は、利用者の操作に応じて充電器30のオン/オフ(充電、非充電)を制御する。充電制御装置20の実体(処理モジュール)はネットワーク上のクラウドに実装されていてもよい。
【0027】
図3に示す各装置は相互に接続されている。具体的には、サーバ装置10、充電制御装置20及び充電器30は、有線又は無線の通信手段により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
【0028】
図3に示す充電システムの構成は例示であって、その構成を限定する趣旨ではない。例えば、充電システムには複数のサーバ装置10や複数の充電制御装置20が含まれていてもよい。また、充電システムには、少なくとも1以上の充電器30が含まれていればよい。
【0029】
[概略動作]
続いて、第1の実施形態に係る充電システムの概略動作について説明する。
【0030】
<事前準備>
充電システム(充電器30付きの駐車場40)の利用を希望するマンションの住民は、その旨をマンションの管理会社等に申し出る。マンションの管理会社(管理会社の職員等)は、利用者の申し出に応じてIC(Integrated Circuit)カードを当該利用者に引き渡す。
【0031】
当該ICカードには、RFID(Radio Frequency Identification)等の非接触通信に対応したICチップが搭載されている。ICチップには、利用者に引き渡されたICカードを識別するためのカードIDが書き込まれている。
【0032】
管理会社の職員等は、ICカードを利用者に引き渡す際、当該ICカードのカードIDと利用者を特定するための利用者特定情報(例えば、氏名又は氏名と生年月日の組み合わせ)をサーバ装置10に登録する。また、管理会社の職員等は、当該利用者が使用可能な充電器30のID(以下、充電器IDと表記する)を当該利用者に通知する。
【0033】
ICカードを取得することで、利用者は、充電器30(駐車場40)の利用が可能となる。ICカードは、当該利用者が充電器30の使用に関する正当な権限を有することを示す認証媒体である。
【0034】
<充電器の利用>
利用者が充電器30を利用する際の方法(手順)は複数存在する。具体的には、「通常充電」、「ワンタッチ充電」、「オートスタート充電」のといった3種類の充電開始モードが用意されている。
【0035】
以下、3つの充電開始モードそれぞれについて説明する。
【0036】
<通常充電モード>
通常充電による充電を行う場合、利用者は、管理会社等から指定された駐車場40に電気自動車を停める。利用者は、電気自動車と充電器30を所定のケーブルで接続する。
【0037】
利用者は、駐車場40に対応して設置された充電器30の充電器IDを覚える。利用者は、充電制御装置20(充電コントローラ)の前に移動する。
【0038】
利用者は、ICカードを充電制御装置20のカードリーダ(図示せず)に近づける。充電制御装置20は、ICカードからカードIDを読み取る。充電制御装置20は、カードIDを用いた認証をサーバ装置10に要求する。
【0039】
サーバ装置10が利用者の認証に成功すると、充電制御装置20は、充電器IDを取得するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【0040】
利用者は、GUIに従って、上記覚えた充電器IDを充電制御装置20に入力する。
【0041】
充電制御装置20は、充電器IDを取得すると、充電開始するためのスタートボタンを表示する。利用者が当該スタートボタンを押下すると、充電制御装置20は、充電器IDに対応した充電器30に対し、電気自動車(電気自動車のバッテリ)の充電開始を指示する。
【0042】
<ワンタッチ充電モード>
ワンタッチ充電により電気自動車を充電するためには、利用者は、充電制御装置20に当該ワンタッチ充電を利用するための設定を行う必要がある。当該ワンタッチ充電を利用するための設定の詳細は後述する。
【0043】
ワンタッチ充電による充電を行う場合、利用者は、電気自動車を駐車場40に停める。利用者は、電気自動車と充電器30を所定のケーブルで接続する。
【0044】
利用者は、充電制御装置20(充電コントローラ)の前に移動する。
【0045】
利用者は、ICカードを充電制御装置20のカードリーダに近づける。充電制御装置20は、ICカードからカードIDを読み取る。充電制御装置20は、カードIDを用いた認証をサーバ装置10に要求する。
【0046】
サーバ装置10が利用者の認証に成功すると、充電制御装置20は、利用者が事前に設定した充電器30による充電を開始する。
【0047】
<オートスタート充電モード>
オートスタート充電により電気自動車を充電する場合にも、利用者は、当該オートスタート充電を利用するための設定を行う必要がある。当該設定の詳細は後述する。
【0048】
オートスタート充電による充電を行う場合、利用者は、電気自動車を駐車場40に停める。利用者は、電気自動車と充電器30を所定のケーブルで接続する。
【0049】
充電制御装置20は、利用者が事前に設定した充電器30に電気自動車が接続されたことを検出すると、当該充電器30による充電を開始する。
【0050】
なお、充電システムの各充電器30には、正当な利用者以外の第三者による充電(盗電)を防止するための設備が備わっている。具体的には、ダイヤルロック付きのコネクタ収容器具が充電器30に取り付けられている。利用者は、予め設定された数値等の組み合わせを使ってロックを解除し、コネクタ(電気自動車と充電器30を接続するためのケーブルのコネクタ)を取り出す。
【0051】
続いて、第1の実施形態に係る充電システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0052】
[サーバ装置]
図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図4を参照すると、サーバ装置10は、通信制御部201と、利用者登録部202と、利用者管理部203と、記憶部204と、を備える。
【0053】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、充電制御装置20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、充電制御装置20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0054】
利用者登録部202は、充電システムを利用できる利用者を登録するための手段である。
【0055】
利用者登録部202は、マンションの管理会社の職員等から、充電システムの利用が許可された利用者の情報を取得する。具体的には、利用者登録部202は、利用者に渡されたICカードのカードID、当該利用者を特定するための利用者特定情報(例えば、氏名又は氏名と生年月日の組み合わせ)、利用者の住所(部屋番号)、口座情報(銀行口座等)を取得する。
【0056】
利用者登録部202は、取得したカードID、利用者特定情報等を利用者情報データベースに記憶する(図5参照)。なお、図5に示す利用者情報データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、利用者の生体情報(例えば、顔画像や当該顔画像から生成された特徴量)が利用者情報データベースに登録されていてもよい。
【0057】
利用者管理部203は、充電システムの利用者に関する種々の制御、管理を行う手段である。利用者管理部203は、充電制御装置20からカードIDを含む認証要求を受信する。
【0058】
利用者管理部203は、認証要求に含まれるカードIDをキーとして利用者情報データベースを検索する。
【0059】
検索に成功すると(同じカードIDが利用者情報データベースに記憶されていると)、利用者管理部203は、認証成功を示す肯定応答を充電制御装置20に送信する。
【0060】
検索に失敗すると(同じカードIDが利用者情報データベースに記憶されていないと)、利用者管理部203は、認証失敗を示す否定応答を充電制御装置20に送信する。
【0061】
利用者管理部203は、充電制御装置20から「充電完了通知」を受信する。充電完了通知には、カードIDと充電の詳細情報(充電開始日時、充電終了日時、充電時間、充電量等)が含まれる。利用者管理部203は、カードIDをキーとして利用者情報データベースを検索し、対応する利用者(エントリ)を特定する。利用者管理部203は、特定したエントリの充電履歴フィールドに取得した充電の詳細情報を追記する。
【0062】
記憶部204は、サーバ装置10の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部204には、利用者情報データベースが構築される。
【0063】
[充電制御装置]
図6は、第1の実施形態に係る充電制御装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図6を参照すると、充電制御装置20は、通信制御部301と、認証制御部302と、充電器制御部303と、記憶部304と、を備える。
【0064】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部301は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0065】
認証制御部302は、充電器30の利用が許可された利用者(被認証者)の認証に関する制御を行う手段である。認証制御部302は、充電器30の利用が許可された利用者の認証情報(カードID)を記憶するサーバ装置10に対し、被認証者の認証を要求する。
【0066】
認証制御部302は、自装置に取り付けられたカードリーダを制御し、利用者が提示するICカードからカードIDを取得する。認証制御部302は、取得したカードIDを含む認証要求をサーバ装置10に送信する。このように、認証制御部302は、充電器30の利用が許可された利用者が提示するICカードに格納されたカードIDを含む認証要求をサーバ装置10に送信する。
【0067】
認証制御部302は、サーバ装置10から応答(肯定応答、否定応答)を受信する。
【0068】
否定応答(認証失敗)を受信した場合には、認証制御部302は、利用者が提示するICカードを使用することはできない旨を当該利用者に通知する。
【0069】
肯定応答(認証成功)を受信した場合には、認証制御部302は、ICカードから取得したカードIDを充電器制御部303に引き渡す。
【0070】
充電器制御部303は、充電システムに含まれる各充電器30を制御する手段である。
【0071】
充電器制御部303は、定期的又は所定のタイミングで、各充電器30の状態を取得する。具体的には、充電器制御部303は、各充電器30に対して「状態通知要求」を送信する。充電器制御部303は、状態通知要求に対する応答(無接続、待機中、充電中、充電完了)を受信する。充電器制御部303は、各充電器30の状態を充電器管理データベースに反映する(図7参照)。
【0072】
図7に示すように、充電器管理データベースは、充電器30の状態、充電開始日時等を記憶する。なお、図7に示す充電器管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0073】
充電器制御部303は、充電器IDを含む「充電開始指示」を充電器30に送信することで、当該充電器30による電気自動車(電気自動車のバッテリ)の充電を開始する。充電器制御部303は、充電開始指示を充電器30に送信した日時を充電器管理データベースの対応するエントリの開始日時フィールドに書き込む。
【0074】
充電器制御部303は、充電器30による充電が終了したことを検出する。具体的には、充電器制御部303は、充電器30の状態が充電完了に変化したこと、又は、充電器30の状態が充電中から無接続に遷移したことに応じて、充電器30の充電終了を検出する。あるいは、タイマーを用いて予め充電時間が設定され電気自動車の充電が行われている場合には、充電器制御部303は、当該タイマーの満了により充電器30の充電終了を検出してもよい。
【0075】
充電器30による充電が終了したことを検出すると、充電器制御部303は、「充電終了通知」をサーバ装置10に送信する。その際、充電器制御部303は、充電器30による充電が終了した日時を充電終了日時とする。充電器制御部303は、充電終了日時と充電開始日時の差分を充電時間として計算する。充電器制御部303は、充電時間と充電器30の充電出力を乗算することで充電量を計算する。
【0076】
充電器制御部303は、充電が終了した充電器30の充電器IDに対応するカードIDと詳細情報(充電開始日時、充電終了日時、充電時間、充電量)を含む充電終了通知をサーバ装置10に送信する。なお、充電器制御部303は、後述する充電開始モード管理データベースを参照して、充電が終了した充電器30の充電器IDに対応するカードIDを取得する。
【0077】
充電器制御部303は、各利用者の充電開始モードに関する制御を行う。
【0078】
充電器制御部303は、利用者が設定した充電開始モードを、充電開始モード管理データベースを用いて管理する(図8参照)。図8に示すように、充電開始モード管理データベースは、カードID、充電開始モード及び充電器IDを対応付けて記憶する。なお、図8に示す充電開始モード管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0079】
なお、充電開始モードフィールドの初期値は「通常充電」である。
【0080】
認証制御部302からカードIDを取得すると(利用者の認証に成功すると)、充電器制御部303は、当該取得したカードIDをキーとして充電開始モード管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。
【0081】
充電器制御部303は、特定したエントリの充電開始モードフィールドを参照し、認証に成功した利用者(認証成功者)の充電開始モードを取得する。
【0082】
充電開始モードが「通常充電」であれば、充電器制御部303は、図9に示すようなGUIを表示し、利用者が駐車した駐車場40に対応する充電器30の充電器IDを取得する。充電器制御部303は、タッチパネルと一体となった液晶ディスプレイ等に図9に示すような表示を行う。なお、図9を含む図面において、充電器IDを「充電器番号」と表記することもある。
【0083】
ここでは、利用者は、充電器IDとして「02」を入力したものとする。充電器制御部303は、充電器IDを取得すると、図10に示すようなGUIを表示する。
【0084】
利用者が充電開始を選択すると(「1」が押下されると)、充電器制御部303は、図11に示すようなGUIを表示する。
【0085】
利用者が「スタートボタン」を押下すると、充電器制御部303は、指定された充電器30(充電器IDが「02」の充電器30)に対して、充電開始を指示する。
【0086】
図10において、利用者がワンタッチ充電設定を選択すると(「2」が押下されると)、充電器制御部303は、図12に示すようなGUIを表示する。
【0087】
図12において「戻る」が選択されると、充電器制御部303は、図10に示す表示に戻る。
【0088】
図12において「ワンタッチ充電を設定する」が選択されると、充電器制御部303は、当該利用者の充電開始モードを「ワンタッチ充電」に設定する。充電器制御部303は、充電開始モード管理データベースにアクセスし、取得したカードIDに対応するエントリの充電開始モードフィールドにワンタッチ充電を、充電器IDフィールドに利用者が指定した充電器ID(充電器番号)をそれぞれ書き込む。
【0089】
その後、充電器制御部303は、図11に示すようなGUIを表示する。利用者が「スタートボタン」を押下すると、充電器制御部303は、指定された充電器30(充電器IDが「02」の充電器30)に対して、充電開始を指示する。
【0090】
図10において、利用者がオートスタート充電設定を選択すると(「3」が押下されると)、充電器制御部303は、図13に示すようなGUIを表示する。
【0091】
図13において「戻る」が選択されると、充電器制御部303は、図10に示す表示に戻る。
【0092】
図13において「オートスタート充電を設定する」が選択されると、充電器制御部303は、当該利用者の充電開始モードを「オートスタート充電」に設定する。充電器制御部303は、充電開始モード管理データベースにアクセスし、取得したカードIDに対応するエントリの充電開始モードフィールドにオートスタート充電を、充電器IDフィールドに利用者が指定した充電器ID(充電器番号)をそれぞれ書き込む。
【0093】
その後、充電器制御部303は、図11に示すようなGUIを表示する。利用者が「スタートボタン」を押下すると、充電器制御部303は、指定された充電器30(充電器IDが「02」の充電器30)に対して、充電開始を指示する。
【0094】
認証に成功した利用者の充電開始モードが「ワンタッチ充電」であれば、充電器制御部303は、充電開始モード管理データベースを参照し、当該利用者が指定した充電器30の充電器IDを取得する。充電器制御部303は、取得した充電器IDに対応する充電器30に対して、充電開始を指示する。
【0095】
認証に成功した利用者の充電開始モードが「オートスタート充電」であれば、充電器制御部303は、図14に示すようなGUIを表示する。
【0096】
図14において「戻る」が選択されると、充電器制御部303は、図10に示す表示に戻る。
【0097】
図14において「オートスタート充電を解除する」が選択されると、充電器制御部303は、当該利用者の充電開始モードを「通常充電」に設定する。
【0098】
このように、充電器制御部303は、充電器30の利用が許可された利用者の充電器30の使用に関し、第1のモードと第2のモードの選択を可能とする。第1のモードは、認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器30による充電を開始するモード(ワンタッチ充電モード)である。第2のモードは、当該予め設定された充電器30と充電対象物(電気自動車)が接続されると、充電対象物と接続された充電器30による充電を開始するモード(オートスタート充電モード)である。
【0099】
なお、上述のように、オートスタート充電は、利用者が予め設定した充電器30に電気自動車が接続されると、自動的に当該電気自動車の充電を開始するモードである。当該自動充電を実現するため、充電器制御部303は、定期的又は所定のタイミングで充電器管理データベースにアクセスし、状態が「無接続」から「待機中」に変化した充電器30を検出する。
【0100】
そのような充電器30を検出すると、充電器制御部303は、当該充電器30の充電器IDをキーとして充電開始モード管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。充電器制御部303は、当該特定したエントリの充電開始モードフィールドの設定値を読み出す。
【0101】
充電開始モードが「通常充電」又は「ワンタッチ充電」であれば、充電器制御部303は、特段の動作を行わない。
【0102】
充電開始モードが「オートスタート充電」であれば、充電器制御部303は、上記状態が変化した充電器30に対して充電開始を指示する。
【0103】
図15は、第1の実施形態に係る充電器制御部303の動作の一例を示すフローチャートである。図15を参照し、サーバ装置10が利用者の認証に成功した場合の充電器制御部303の動作を説明する。
【0104】
充電器制御部303は、認証成功と判定された利用者の充電開始モードを判定する(ステップS101)。
【0105】
充電開始モードが「通常充電モード」であれば、充電器制御部303は、当該利用者が充電器30を設定するための制御を行う(ステップS102)。具体的には、充電器制御部303は、図9に示すようなGUIを表示して、利用者が指定する充電器30の充電器IDを取得する。その後、充電器制御部303は、利用者の操作に応じて、指定された充電器30による充電を開始したり、ワンタッチ充電等の設定に関する制御を行ったりする。
【0106】
充電開始モードが「ワンタッチ充電モード」であれば、充電器制御部303は、当該利用者が予め設定した充電器30による充電を開始する(ステップS103)。即ち、充電器制御部303は、利用者が認証成功と判定されると、当該認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器30による充電を開始する。
【0107】
充電開始モードが「オートスタート充電モード」であれば、充電器制御部303は、オートスタート充電モードの設定解除に関する制御を行う(ステップS104)。具体的には、充電器制御部303は、図14に示すようなGUIを表示する。
【0108】
なお、ワンタッチ充電モードの解除を行いたい利用者は、その旨をマンションの管理会社等に申し出る。当該申し出に応じて、管理会社の職員等は、充電制御装置20にワンタッチ充電モードの解除を設定する。具体的には、充電制御装置20は、図8に示す充電開始モード管理データベースの設定内容を変更するためのGUIを管理会社の職員等に提供する。
【0109】
図16は、第1の実施形態に係る充電器制御部303の動作の一例を示すフローチャートである。図16を参照し、オートスタート充電によって充電を開始する際の充電器制御部303の動作を説明する。
【0110】
充電器制御部303は、充電器30に電気自動車が接続されたことを検出する(ステップS201)。
【0111】
充電器制御部303は、電気自動車が接続された充電器30に対応する充電開始モードがオートスタート充電か否か判定する(ステップS202)。
【0112】
充電開始モードがオートスタート充電モードでなければ(ステップS202、No分岐)、充電器制御部303は、特段の動作を行わない。
【0113】
充電開始モードがオートスタート充電モードであれば(ステップS202、Yes分岐)、充電器制御部303は、電気自動車が接続された充電器30による充電を開始する(ステップS203)。
【0114】
このように、充電器制御部303は、充電器30の利用が許可された利用者が、予め設定された充電器30と充電対象物(電気自動車)を接続すると、充電対象物と接続された充電器30による充電を開始する。即ち、充電器制御部303は、利用者がオートスタート充電モードを充電制御装置20に設定すると、ICカードを使った認証を省略して当該利用者が予め設定した充電器30による充電を開始する。
【0115】
記憶部304は、充電制御装置20の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0116】
[充電器]
図17は、第1の実施形態に係る充電器30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図17を参照すると、充電器30は、通信制御部401と、充電制御部402と、記憶部403と、を備える。
【0117】
通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、充電制御装置20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、充電制御装置20に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部401は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0118】
充電制御部402は、電気自動車のバッテリの充電に関する制御を行う手段である。充電制御部402は、スイッチ(図示せず)とセンサ(図示せず)を用いて電気自動車のバッテリの充電を制御する。スイッチは、電力源(商用系統又は蓄電装置)と電気自動車との間の接続を制御する。センサは、電力源から電気自動車に供給される電流を計測する。
【0119】
充電制御部402は、電気自動車と充電器30が所定のケーブルで接続されると、当該ケーブルを介して検出信号を受信する。充電制御部402は、当該検出信号に基づき電気自動車が充電器30に接続されたことを検出する。
【0120】
充電制御部402は、充電器30の状態を管理する。
【0121】
充電制御部402は、充電器30と電気自動車が接続されていない状態(初期状態)を「無接続」として管理する。
【0122】
充電制御部402は、充電器30と電気自動車が接続され、且つ、充電が行われていない状態を「待機中」として管理する。
【0123】
充電制御部402は、充電器30と電気自動車が接続され、且つ、充電が行われている状態を「充電中」として管理する。
【0124】
充電制御部402は、充電器30と電気自動車が接続され、且つ、充電が完了している状態を「充電完了」として管理する。
【0125】
充電制御部402は、電気自動車の接続を検出すると、自装置の状態を「待機中」に設定する。
【0126】
充電制御部402は、充電制御装置20から「充電開始指示」を受信する。充電開始指示を受信すると、充電制御部402は、当該充電開始指示に含まれる充電器IDと自装置に設定された充電器IDを比較する。2つの充電器IDが一致すれば、充電制御部402は、電気自動車のバッテリの充電を開始する。
【0127】
具体的には、充電制御部402は、電力源と電気自動車のバッテリを接続するように上述のスイッチを制御する。
【0128】
充電制御部402は、定期的又は所定のタイミングで、センサからの出力信号を取得する。充電制御部402は、出力信号に基づいて、所定値以上の電流が所定期間に亘り流れていると判定した場合には、自装置の状態を「充電中」に設定する。
【0129】
充電制御部402は、電力源と電気自動車が接続されているにも関わらず、所定値以上の電流が所定期間に亘り流れていないと判定した場合には、自装置の状態を「充電完了」に設定する。この場合、充電制御部402は、電力源と電気自動車の接続を切断するようにスイッチを制御する。
【0130】
充電制御部402は、電気自動車からケーブルが外されると(ケーブルから検出信号を取得できないと)、自装置の状態を「無接続」に設定する。
【0131】
充電制御部402は、充電制御装置20から「状態通知要求」を受信する。充電制御部402は、自装置の充電器ID及び状態(無接続、待機中、充電中、充電完了)を状態通知要求の応答として充電制御装置20に送信する。
【0132】
記憶部403は、充電器30の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0133】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る充電システムの動作について説明する。
【0134】
図18は、第1の実施形態に係る充電システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図18を参照し、ワンタッチ充電を開始する際の充電システムの動作を説明する。
【0135】
充電制御装置20は、利用者が提示するICカードからカードIDを取得する。充電制御装置20は、取得したカードIDを含む認証要求をサーバ装置10に送信する(ステップS01)。
【0136】
サーバ装置10は、認証要求を処理する。サーバ装置10は、認証結果(認証成功、認証失敗)を充電制御装置20に送信する(ステップS02)。
【0137】
認証に成功した利用者の充電開始モードがワンタッチ充電モードであれば、充電制御装置20は、当該利用者が予め設定した充電器30に対して充電開始指示を送信する(ステップS03)。
【0138】
充電開始指示を受信した充電器30は、電気自動車の充電を開始する(ステップS04)。
【0139】
以上のように、第1の実施形態に係る充電制御装置20は、利用者の認証に成功すると、当該利用者が事前に設定した充電器30による充電を開始する(ワンタッチ充電)。その際、利用者は、ICカード等の認証媒体を充電制御装置20に提示することで、充電器30による充電を開始できるので、当該利用者の負担は軽減する。このように、充電制御装置20は、マンション等の集合住宅に設置された複数の充電器30のうち、管理会社等から指定された駐車区画の充電器30をより手軽に、且つ、安心して利用できる。
【0140】
続いて、充電システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図19は、充電制御装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0141】
充電制御装置20は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図19に例示する構成を備える。例えば、充電制御装置20は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0142】
但し、図19に示す構成は、充電制御装置20のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。充電制御装置20は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、充電制御装置20に含まれるプロセッサ311等の数も図19の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311が充電制御装置20に含まれていてもよい。
【0143】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0144】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0145】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0146】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0147】
充電制御装置20の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0148】
なお、サーバ装置10等も充電制御装置20と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成は充電制御装置20と相違する点はないので説明を省略する。
【0149】
情報処理装置である充電制御装置20は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで充電制御装置20の機能が実現できる。また、充電制御装置20は、当該プログラムにより充電制御装置20の制御方法を実行する。
【0150】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した充電システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0151】
例えば、充電制御装置20は、充電器30の利用が許可された利用者が、自装置を中心として所定範囲内に存在することを検出する、検出部305をさらに備えていてもよい(図20参照)。例えば、利用者が所持するスマートフォン等の端末は、GPS(Global Positioning System)信号に基づき自装置の位置情報を算出する。当該端末は、定期的又は所定のタイミングで、算出した位置情報を充電制御装置20に通知する。充電制御装置20は、当該通知された位置情報を用いて上記利用者の検出を行う。充電器制御部303は、充電器30の利用が許可された利用者の存在が検出され、且つ、予め設定された充電器30と電気自動車の接続が検出された場合、電気自動車と接続された充電器30による充電を開始してもよい。
【0152】
あるいは、充電制御装置20は、予め設定された充電器30と電気自動車の接続が検出されたことを充電器30の利用が許可された利用者に通知する、通知部306をさらに備えていてもよい(図21参照)。例えば、通知部306は、オートスタート充電モードによる充電が開始された事実を、利用者のスマートフォン等に通知してもよい。
【0153】
充電制御装置20は、ワンタッチ充電モードを設定している利用者の認証に成功した際、対応する充電器30の状態が「無接続」であれば、電気自動車と充電器30の接続を促すようなメッセージ(アラート)を出力してもよい。即ち、ワンタッチ充電モードに設定している利用者がICカードを充電制御装置20にタッチし、認証成功と判定された場合、充電制御装置20は、当該利用者が設定した充電器30に電気自動車が接続されていれば当該充電器30による充電を開始する。対して、上記利用者が認証成功と判定された際、当該利用者が設定した充電器30に電気自動車が接続されていなければ、充電制御装置20は、当該充電器30に充電開始を指示しない。充電制御装置20は、利用者に対して、電気自動車と充電器30の接続確認を促す。
【0154】
上記実施形態では、利用者の認証を行う装置(サーバ装置10)と充電器30の制御を行う装置(充電制御装置20)が異なる場合について説明した。しかし、これらの装置は1つの装置により実現されてもよい。例えば、サーバ装置10が、充電制御装置20の機能を備えていてもよい。即ち、サーバ装置10が、各充電器30に対して直接、充電開始等の指示を行ってもよい。
【0155】
上記実施形態では、サーバ装置10は、カードIDを用いて利用者を認証する場合について説明した。サーバ装置10は、他の手段を用いて利用者を認証してもよい。例えば、サーバ装置10は、生体認証を用いて利用者の認証を行ってもよい。この場合、利用者は、事前に自身の生体情報(例えば、顔画像)をサーバ装置10に登録する。さらに、充電制御装置20は、利用者の生体情報を含む認証要求をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、事前に登録された生体情報と充電制御装置20から取得した生体情報を用いて利用者を認証してもよい。
【0156】
上記実施形態では、電気自動車を例に取り充電システムの動作について説明した。しかし、本願開示の充電システムは他の装置、デバイスを充電対象とすることもできる。例えば、電動バイク、電動自転車等の車両やスマートフォン等のデバイス等が充電対象であってもよい。本願開示の充電システムは、バッテリを備える任意の装置、デバイスを充電対象とすることができる。
【0157】
上記実施形態では、カードIDが格納されたICカードを認証媒体として用いる場合について説明した。しかし、認証媒体はICカードに限定されず任意の媒体とすることができる。例えば、利用者が所持するスマートフォン等の端末にIDが格納された場合には、当該スマートフォン等が認証端末となる。この場合、端末のICチップにカードIDが格納されても良いし、カードIDが2次元コードに変換されて端末に格納されていてもよい。2次元コードが端末に格納された場合には、利用者は、当該格納された2次元コードを表示させ、充電制御装置20は当該表示された2次元コード(カードID)を取得してもよい。また、マンションの各住民に配付されるマンション認証キー(ICチップが内蔵されたマンション共通キー)等が認証媒体として使用されてもよい。
【0158】
上記実施形態では、充電制御装置20の内部に充電器管理データベースが構成される場合について説明したが、当該データベースは外部のデータベースサーバ等に構成されてもよい。即ち、充電制御装置20の一部の機能は別のサーバに実装されていてもよい。より具体的には、上記説明した「充電器制御部(充電器制御手段)」等がシステムに含まれるいずれかの装置に実装されていればよい。
【0159】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0160】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0161】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、電気自動車等の充電を行う充電システムなどに好適に適用可能である。
【0162】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、
を備える、充電制御装置。
[付記2]
前記充電器制御手段は、
前記充電器の利用が許可された利用者が、前記予め設定された充電器と充電対象物を接続すると、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する、付記1に記載の充電制御装置。
[付記3]
前記充電器の利用が許可された利用者が、自装置を中心として所定範囲内に存在することを検出する、検出手段をさらに備え、
前記充電器制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者の存在が検出され、且つ、前記予め設定された充電器と前記充電対象物の接続が検出された場合、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する、付記2に記載の充電制御装置。
[付記4]
前記予め設定された充電器と前記充電対象物の接続が検出されたことを前記充電器の利用が許可された利用者に通知する、通知手段をさらに備える、付記3に記載の充電制御装置。
[付記5]
前記充電器制御手段は、
前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する第1のモード、又は、前記予め設定された充電器と前記充電対象物が接続されると、前記充電対象物と接続された充電器による充電を開始する第2のモードの選択を可能とする、付記4に記載の充電制御装置。
[付記6]
前記認証制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者の認証情報を記憶するサーバ装置に対し、被認証者の認証を要求する、付記1乃至5のいずれか一項に記載の充電制御装置。
[付記7]
前記認証制御手段は、前記充電器の利用が許可された利用者が提示するICカードに格納されたカードIDを含む認証要求を前記サーバ装置に送信する、付記6に記載の充電制御装置。
[付記8]
充電器と、
充電制御装置と、
を含み、
前記充電制御装置は、
前記充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う、認証制御手段と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電器制御手段と、
を備える、システム。
[付記9]
充電制御装置において、
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行い、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する、充電制御装置の制御方法。
[付記10]
充電制御装置に搭載されたコンピュータに、
充電器の利用が許可された利用者の認証に関する制御を行う処理と、
前記利用者が認証成功と判定されると、前記認証成功と判定された利用者が予め設定した充電器による充電を開始する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【0163】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0164】
10 サーバ装置
20 充電制御装置
30 充電器
30-1 充電器
30-2 充電器
30-3 充電器
30-4 充電器
40 駐車場
40-1 駐車場
40-2 駐車場
40-3 駐車場
40-4 駐車場
100 充電制御装置
101 認証制御手段
102 充電器制御手段
201 通信制御部
202 利用者登録部
203 利用者管理部
204 記憶部
301 通信制御部
302 認証制御部
303 充電器制御部
304 記憶部
305 検出部
306 通知部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
401 通信制御部
402 充電制御部
403 記憶部
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