(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171995
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】布団洗濯乾燥装置
(51)【国際特許分類】
D06F 18/00 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
D06F18/00
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083512
(22)【出願日】2022-05-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】507286264
【氏名又は名称】竹村 博
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】竹村 博
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AA22
3B168AA24
3B168AB27
3B168AD02
3B168AE01
3B168AE02
3B168BA52
3B168FA01
3B168WA12
(57)【要約】
【課題】 布団全体の汚れを洗浄可能な布団洗濯乾燥装置を提供する。
【課題を解決するための手段】 広げた布団を水平に載置可能で少なくとも布団の載る領域に上下に貫通する多数の隙間の開いた棚部材6を上下方向の中間に備えた布団洗濯乾燥槽2と、洗濯時にファインバブルを含む洗濯用水、すすぎ時にすすぎ用水を布団洗濯乾燥槽2に供給し、棚部材6に載せた布団を浸水させる第1の供給手段と、広げた布団の横幅にわたって洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を布団に向けて吐出可能な吐出手段と、吐出手段に洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を高圧で供給し、布団に向けて吐出させる第2の供給手段と、洗濯時、すすぎ時に、吐出手段を広げた布団の縦幅方向の全長にわたり往復移動する移動手段と、乾燥時に布団洗濯乾燥槽2内に温風を供給する第3の供給手段と、を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広げた布団を水平に載置可能で少なくとも布団の載る領域に上下に貫通する多数の隙間の開いた棚部材を上下方向の中間に備えた布団洗濯乾燥槽と、
洗濯時にファインバブルを含む洗濯用水、すすぎ時にすすぎ用水を布団洗濯乾燥槽に供給し、棚部材に載せた布団を浸水させる第1の供給手段と、
広げた布団の横幅または縦幅にわたって洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を布団に向けて吐出可能な吐出手段と、
吐出手段に洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を高圧で供給し、布団に向けて吐出させる第2の供給手段と、
洗濯時、すすぎ時に、吐出手段を広げた布団の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動する移動手段と、
乾燥時に布団洗濯乾燥槽内に温風を供給する第3の供給手段と、
を備えたこと、を特徴とする布団洗濯乾燥装置。
【請求項2】
洗濯乾燥槽は、開閉自在な蓋付としたこと、
を特徴とする請求項1記載の布団洗濯乾燥装置。
【請求項3】
吐出手段は乾燥時に温風を布団に向けて吐出可能であり、
移動手段は、乾燥時、温風を吐出した吐出手段を広げた布団の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動するようにし、
すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に布団洗濯乾燥槽内にエアを供給する第4の供給手段を備え、
第2の供給手段は、すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に、エアを高圧で供給し、吐出口から布団に向けて吐出し、脱水させるようにしたこと、
を特徴とする請求項2記載の布団洗濯乾燥装置。
【請求項4】
すすぎ用水をファインバブルを含むすすぎ水としたこと、
を特徴とする請求項1または2記載または3記載の布団洗濯乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は布団洗濯乾燥装置に係り、とくに布団を広げた状態で洗濯のできる布団洗濯乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用洗濯機で布団を洗濯しようとしても、布団のサイズが大きく、重量が重いため、不可能であった。
一方、近年のコインランドリーには布団の洗濯が可能な大型のドラム式洗濯機を設置した店舗があり、利便性が向上している。
けれども、ドラム式洗濯燥機は、丸めた布団を洗濯するため、布団内部の汚れの洗浄が難しいという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、布団全体の汚れを洗浄可能な布団洗濯乾燥装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、
広げた布団を水平に載置可能で少なくとも布団の載る領域に上下に貫通する多数の隙間の開いた棚部材を上下方向の中間に備えた布団洗濯乾燥槽と、
洗濯時にファインバブルを含む洗濯用水、すすぎ時にすすぎ用水を布団洗濯乾燥槽に供給し、棚部材に載せた布団を浸水させる第1の供給手段と、
広げた布団の横幅または縦幅にわたって洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を布団に向けて吐出可能な吐出手段と、
吐出手段に洗濯時は洗濯用水、すすぎ時はすすぎ用水を高圧で供給し、布団に向けて吐出させる第2の供給手段と、
洗濯時、すすぎ時に、吐出手段を広げた布団の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動する移動手段と、
乾燥時に布団洗濯乾燥槽内に温風を供給する第3の供給手段と、
を備えたこと、を特徴としている。
請求項2記載の発明では、洗濯乾燥槽は、開閉自在な蓋付としたこと、
を特徴としている。
請求項3記載の発明では、
吐出手段は乾燥時に温風を布団に向けて吐出可能であり、
移動手段は、乾燥時、温風を吐出した吐出手段を広げた布団の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動するようにし、
すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に布団洗濯乾燥槽内にエアを供給する第4の供給手段を備え、
第2の供給手段は、すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に、エアを高圧で供給し、吐出口から布団に向けて吐出し、脱水させるようにしたこと、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
すすぎ用水をファインバブルを含むすすぎ水としたこと、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、洗濯時、布団を広げてファインバブルを含む洗濯用水に浸水するとともに、吐出手段から布団に向けてファインバブルを含む洗濯用水を吐出するようにしたので、布団内部の汚れを確実に洗浄して汚れを落すことができる。
また、すすぎ時も、布団を広げてすすぎ用水に浸水するとともに、吐出手段から布団に向けてすすぎ用水を吐出するようにしたので、布団の内部まで確実にすすぎを行い、布団に洗濯用水や汚れが残らないようにできる。
また他の発明によれば、乾燥時も、布団を広げ、吐出手段から布団に向けて温風を吐出するようにしたので、布団の内部まで迅速に乾燥させることができる。
また乾燥時、温風を吐出した吐出手段を広げた布団の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動するようにしたので、迅速に布団の乾燥を行うことができる。
またすすぎ時と乾燥時の間の脱水時に布団洗濯乾燥槽内にエアを供給する第4の供給手段を備えたことにより、脱水に要する時間を短縮することができる。
また第2の供給手段は、すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に、エアを高圧で供給し、吐出口から布団に向けて吐出するようにしたことにより、脱水に要する時間を一層短縮することができる。
また他の発明によれば、ファインバブルを含むすすぎ水としたことにより、ファインバブルの破裂衝撃作用によりすすぎ力が非常に高くなり、布団に残った洗濯用水や汚れを効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係る布団乾燥洗濯装置の構成図である。
【
図3】
図3は布団洗濯乾燥装置の使用方法の説明図である。
【
図4】
図4は布団洗濯乾燥装置の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例0009】
図1、
図2を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の実施例に係る布団洗濯乾燥装置の構成を示す構成図、
図2は
図1中の洗濯乾燥槽の平面図である。
図1、
図2において、1は布団を広げて洗濯乾燥することのできる布団洗濯乾燥装置であり、この内、2 は左右方向が長い箱形直方体でステンレス製の布団洗濯乾燥槽であり、左右方向と前後の奥行方向のサイズが、左右方向に水平に広げた布団の縦幅と横幅よりおのおの一回り大きな水平断面積を有している。洗濯乾燥槽2の上端には長方形の開口3、底面の四隅には4つの脚4が固着されている。また、洗濯乾燥槽2の上端奥側の端縁に回動自在に軸支された開口3を開閉自在に塞ぐためのステンレス製の蓋5が装備されている。
一例として脚4の高さが約30cmであり、布団洗濯乾燥槽2の高さが約60cm、左右方向の長さが約2m、前後方向の奥行が約1. 5mである。
【0010】
布団洗濯乾燥装槽2の内部には上下方向の中央付近に、縦幅方向を左右に広げた布団(
図3の符号40参照)を水平に載置可能なステンレス製でメッシュ状の棚部材6が装着されている。棚部材6には布団の載る領域より広い領域に上下に貫通する多数の隙間が開いている。また、棚部材6とともに布団40の上下を前後方向( 布団の横幅方向) にコの字状に挟むようにして吐出手段としてのステンレス製の吐出パイプ7が配設されている。吐出パイプ7の内、
図1の前後方向に延設された上側延設パイプ部8の下面には軸方向に多数の下向きの吐出ノズル( 図示せず) が設けられており、下側延設パイプ部9の上面には軸方向に多数の上向きの吐出ノズル( 図示せず) が設けられている。
【0011】
吐出パイプ7の上側延設パイプ部8の前後両端部には各々、布団洗濯乾燥槽2内部で布団40より上側位置の前壁及び後壁に沿って左右方向に延設されたステンレス製の上側ガイドレール10、11の上を走行する一対のガイドローラ12と13、14と15が装着されており、下側延設パイプ部10の前後両端部には各々、布団洗濯乾燥槽2内部で棚部材6より下側の前後壁に沿って左右方向に延設されたステンレス製の下側ガイドレール16、17の上を走行するガイドローラ18、19が装着されている。
【0012】
上側延設パイプ部8の手前側は、上方へ延設されたあと前方へL字状に折り曲げられた基部パイプ部20が設けられている。基部パイプ部20の前端下部には移動用支柱21が固着されている。移動用支柱21は布団洗濯乾燥槽2の前壁上端部外側の左右方向に装備されたチェーンベルト式の移送装置22により、左右に布団の縦幅方向の全長にわたり往復移動されるようになっている。
【0013】
布団洗濯乾燥槽2の後壁近くでかつ底壁近くに、後壁に沿って左右方向に延設されたステンレス製の排気パイプ23が設けられている。排気パイプ23には長さ方向に等間隔離れた複数の吸気穴(図示せず)が設けられている。
【0014】
図1の内、30は布団洗濯乾燥槽2に洗濯用とすすぎ用の温水を供給する温水供給装置、31は洗濯時に布団洗濯乾燥槽2の温水を取り込み、ファインバブルと呼ばれる微小な空気泡を無数に生成して混合し、布団洗濯乾燥槽2に戻すファインバブル生成装置である。ファインバブルは直径が0.1mm前後またはそれ以下であり、布団に付着した汚れの近傍で破裂することで、洗浄効果を飛躍的に高める働きをする。32は布団洗濯乾燥槽2に乾燥用の温風を供給する温風供給装置、33は基部パイプ部20とフレキシブルパイプ34を介して接続された切り替え弁、35は布団洗濯乾燥槽2と切り替え弁33の第1入口ポート36の間に設けた高圧ポンプ、37は布団洗濯乾燥槽2と切り替え弁33の第2入口ポート38の間に設けたエアコンプレッサ、39は排気パイプ23と接続されて、布団洗濯乾燥槽2内のエアを外部に排出する有圧送風機である。
【0015】
次に、
図3と
図4を参照して上記した実施例の作用を説明する。
なお、予め、布団洗濯乾燥槽2は空であり、吐出パイプ7は
図3の左端部に復帰しているものとする。
(1)洗濯行程
蓋5を開けて布団40の縦幅方向を左右に広げて棚部材6の上に載せる(
図3参照)。
次に、温水供給装置30を稼働し、布団洗濯乾燥槽2に40度前後の温水を供給する。布団40の上の上側延設パイプ部8の上側まで浸水したら温水の供給を停止する。
次いで、ファインバブル生成装置31を稼働する。ファインバブル生成装置31は布団洗濯乾燥槽2の温水を取り込み、無数のファインバブルを生成して混合し、布団洗濯乾燥槽2に戻す。ファインバブルの混合した温水は、ファインバブルの破裂衝撃作用により洗浄力が非常に高くなる。
【0016】
布団洗濯乾燥槽2の中に洗剤を投入し、蓋5を閉める(
図4参照)そして、切り替え弁33を第1入口ポート36の側に切り替え、高圧ポンプ35を稼働し、布団洗濯乾燥槽2のファインバブル温水を吐出パイプ7に高圧供給する。そして、移送装置22を稼働し、吐出パイプ7を布団洗濯乾燥槽2の左端近くと右端近くの間で、左右に布団40の縦幅方向の全長にわたり一定回数往復動させる。
移動中、吐出パイプ7の上側延長パイプ部8から下向きに高圧のファインバブル水が吐出されて布団40に衝突して内部に浸入し、平行して、下側延長パイプ部9からは上向きに高圧のファインバブル温水が吐出されて布団40に衝突して内部に浸入し、布団40表面や内部の汚れ近傍でのファインバブルの破裂が促進されて、高い洗浄効果が発揮され、布団40内部の汚れが迅速、効果的に取り出される。
【0017】
(2)排水工程
十乃至数十分程度経過し、吐出パイプ7の一定回数の往復が終わると、吐出パイプ7が
図1の左端部に来たところで、移送装置22による吐出パイプ7の移動を止め、また高圧ポンプ35の稼働を止める。布団洗濯乾燥槽2の下部のドレイン管24の弁( 図示せず) を開けて、布団洗濯乾燥槽2内の洗濯水を全て外部に排水する。
【0018】
(3)すすぎ工程
温水供給装置30を稼働し、布団洗濯乾燥槽2に40度前後の温水を供給する。布団40の上の上側延設パイプ部8の上側まで浸水したら温水の供給を停止する。
次いで、ファインバブル生成装置31を稼働する。ファインバブル生成装置31は布団洗濯乾燥槽2の温水を取り込み、無数のファインバブルを生成して混合し、布団洗濯乾燥槽2に戻す。ファインバブルの混合した温水は、ファインバブルの破裂衝撃作用によりすすぎ力が非常に高くなる。
【0019】
次いで、切り替え弁33を第1入口ポート36の側に切り替え、高圧ポンプ35を稼働し、布団洗濯乾燥槽2のファインバブル温水を吐出パイプ7に供給する。そして、移送装置22を稼働し、吐出パイプ7を槽1の左端近くと右端近くの間で、左右に布団40の縦幅方向の全長にわたり一定回数往復動させる。
移動中、吐出パイプ7の上側延長パイプ部から下向きにファインバブル温水が高圧で吐出されて布団40に衝突して内部に浸入し、平行して、下側延長パイプ部からは上向きにファインバブル温水が高圧で吐出されて布団40に衝突して内部に浸入し、布団40の表面や内部でのファインバブルの破裂が促進されて、布団40表面や内部の洗濯水や汚れが迅速、効果的に取り出される。
【0020】
十乃至数十分程度経過し、一定回数の往復が終わると、吐出パイプ7が
図1の左端部に来たところで、移送装置22による吐出パイプ7の移動を止め、また高圧ポンプ35の稼働を止める。そして、布団洗濯乾燥槽2の下部のドレイン管24の弁( 図示せず) を開けて、洗濯水を外部に排水する。
このすすぎ工程を1乃至複数回繰り返し、布団洗濯乾燥槽2内のすすぎ水を空にする。
【0021】
(4)脱水工程
このあと、有圧送風機39を稼働するとともに、切り替え弁33を第2入口ポート38の側に切り替え、エアコンプレッサ37を稼働し、布団洗濯乾燥槽2内のエアを吐出パイプ7に供給する。そして、移送装置22を稼働し、吐出パイプ7を布団洗濯乾燥槽2の左端近くと右端近くの間で、左右に布団40の縦幅方向の全長にわたり一定回数往復動させる。
【0022】
有圧送風機39の稼働により、布団洗濯乾燥槽2が負圧になって外部から湿り気の無い外気が布団洗濯乾燥槽2と蓋5の前端との隙間25を通って布団洗濯乾燥槽2の中に流入する。布団洗濯乾燥槽2の中に入った外気は布団40から蒸散した水分が混合したのち、排気パイプ23の複数の吸気口から吸い込まれ、排気パイプ23と有圧送風機39を介して外部に排出されることにより、布団40の脱水が進められる。
この際、吐出パイプ7が移動しながら、吐出パイプ7の上側延長パイプ部8から下向きに高圧のエアが吐出されて布団40表面に衝突したり内部に侵入し、布団40の表面や内部の水分を蒸散し、平行して、下側延長パイプ部9からは上向きに高圧のエアが吐出されて布団40の表面に衝突して内部に浸入し、布団40の表面や内部の水分を蒸散することにより、布団40の脱水が効果的に進められることになる。
【0023】
十乃至数十分程度経過し、一定回数の往復が終わると、吐出パイプ7が
図1の左端部に来たところで、移送装置22による吐出パイプ7の移動を止め、高圧ポンプ35の稼働を止める。また高圧ポンプ35の稼働と有圧送風機39の稼働を停止する。
【0024】
(4)乾燥工程
温風供給装置32を稼働し、布団洗濯乾燥槽2に40度前後の乾燥用の温風を供給する。
次いで、切り替え弁33を第2入口ポート38の側に切り替え、エアコンプレッサ37を稼働し、布団洗濯乾燥槽2の温風を吐出パイプ7に供給する。そして、移送装置22を稼働し、吐出パイプ7を布団洗濯乾燥槽2の左端近くと右端近くの間で、左右に布団40の縦幅方向の全長にわたり一定回数往復動させる。
移動中、吐出パイプ7の上側延長パイプ部8から下向きに高圧の温風が吐出されて布団40の表面に衝突して内部に浸入し、平行して、下側延長パイプ部9からは上向きに高圧の温風が吐出されて布団40の表面に衝突して内部に浸入し、布団40の乾燥が迅速、効果的に進められる。
【0025】
(5)取り出し
以上のようにして数十分乃至数時間の乾燥工程により布団40の乾燥が終わったら、エアコンプレッサ37、移送装置22、温風供給装置32の稼働を停止する。そして、蓋5を開けて布団40を取り出す。
【0026】
この実施例によれば、洗濯時、布団40を広げてファインバブルを含む洗濯用水に浸水するとともに、吐出パイプ7から布団に向けてファインバブルを含む洗濯用水を吐出するようにしたので、布団40の内部の汚れを確実に洗浄して汚れを落すことができる。
また、すすぎ時も、布団40を広げてすすぎ用水に浸水するとともに、吐出パイプ7から布団40に向けてすすぎ用水を吐出するようにしたので、布団40の内部まで確実にすすぎを行い、布団40に洗濯用水や汚れが残らないようにできる。
また、ファインバブルを含むすすぎ水によりすすぎを行うことにより、ファインバブルの破裂衝撃作用によりすすぎ力が非常に高くなり、布団40に残った洗濯用水や汚れを効果的に除去できる。
また、乾燥時も、布団40を広げ、吐出パイプ7から布団40に向けて温風を吐出し、広げた布団40の縦幅方向または横幅方向の全長にわたり往復移動するようにしたので、迅速に布団の乾燥を行うことができる。
また、排気パイプ23と有圧送風機39により、すすぎ時と乾燥時の間の脱水時に布団洗濯乾燥槽2内にエアを供給するようにしたことにより、脱水に要する時間を短縮することができ、しかも、吐出パイプ7からエアを高圧で布団40に向けて吐出するようにしたことにより、脱水に要する時間を一層短縮することができる。
【0027】
なお、上記した実施例では、吐出パイプの上側延設パイプ部と下側延設パイプ部は、液体の吐出と気体の吐出を兼用して行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は何らこれに限定されず、例えば、
図5の吐出手段70の如く液体用と気体用の2系統に分けて構成し、液体用の吐出パイプ7Aは吐出パイプ7と同様に構成された上側延設パイプ部8Aと下側延設パイプ部9Aを設け、気体用の吐出パイプ7Bに吐出パイプ7と同様に構成された上側延設パイプ部8Bと下側延設パイプ部9Bを設ける。吐出パイプ7Aと7Bは一体にして、移送装置により往復動するようにする。そして、洗濯水やすすぎ水は高圧ポンプ35の稼働により吐出パイプ7Aの側から吐出させ、乾燥用の温風はエアコンプレッサ37の稼働により吐出パイプ7Bから吐出させるようにしても良い。
また、棚部材は、メッシュ状としたが、ステンレス板に多数のパンチ穴を開けたものとしてもよい。