(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171998
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231129BHJP
【FI】
G06Q30/02 346
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083522
(22)【出願日】2022-05-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】512033109
【氏名又は名称】株式会社プレイド
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】牧野 祐己
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
(72)【発明者】
【氏名】安永 ゆい
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB06
(57)【要約】
【課題】ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行えなかった。
【解決手段】1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置2に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部112と、1または2以上の操作情報を受信する受信部12と、受信部12が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定部132と、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得部134と、情報取得部134が取得したアクション情報が特定するアクションを、ユーザ識別子に対応する端末装置2に対して行うアクション部135とを具備する情報処理装置1により、上記課題を解決できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部と、
ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定部と、
前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記アクション情報が特定するアクションを、前記ユーザ識別子に対応する端末装置に対して行うアクション部とを具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記対応情報は、前記意図識別子とユーザの意図の強度を示す強度情報に関する強度条件と前記アクション情報との対応を示す情報であり、
前記情報取得部は、
前記受信部が受信した1以上の操作情報を用いて、強度情報を取得し、かつ前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子と、当該強度情報が合致する強度条件とに対応する前記アクション情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対応情報は、前記意図識別子とユーザの意図の抽象度を示す抽象度情報に関する抽象度条件と前記アクション情報との対応を示す情報であり、
前記情報取得部は、
前記受信部が受信した1以上の操作情報を用いて、抽象度情報を取得し、かつ前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子と、当該抽象度情報が合致する抽象度条件とに対応する前記アクション情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応情報は、前記意図識別子と1以上のユーザ属性値に関する属性値条件と前記アクション情報との対応を示す情報であり、
前記情報取得部は、
ユーザ属性値を取得し、かつ前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子と、当該ユーザ属性値が合致するユーザ属性値条件とに対応する前記アクション情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、
前記1以上の操作情報から、当該1以上の操作情報における固有情報をも取得し、
前記アクション部は、
前記アクション情報と前記固有情報とを用いたアクションを行う、請求項1から請求項4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ識別子に対応付けて、2以上の意図識別子が格納される意図格納部と、
前記決定部が決定した前記意図識別子を、ユーザ識別子に対応付けて前記意図格納部に蓄積する意図蓄積部とをさらに具備し、
前記情報取得部は、
一のユーザ識別子に対応付く2以上の意図識別子であり、前記意図蓄積部が蓄積した2以上の意図識別子に対応する前記アクション情報を取得する、請求項1から請求項4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記意図識別子は、2以上の操作情報に基づく1以上の操作条件に対応付いており、
前記決定部は、
前記1以上の操作情報に合致する操作条件を検出し、当該操作条件に対応する前記意図識別子を決定する、請求項1から請求項4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
1以上の操作情報と意図識別子とを有する2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により取得されたモデルが格納されるモデル格納部と、
前記決定部は、
前記1以上の操作情報と前記モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、前記意図識別子を決定する、請求項1から請求項4いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部と、受信部と、決定部と、情報取得部と、アクション部とにより実現される情報処理方法であって、
前記受信部が、ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する受信ステップと、
前記決定部が、前記受信ステップで受信された1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定ステップと、
前記情報取得部が、前記対応格納部を参照し、前記決定ステップで決定された前記意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得ステップと、
前記アクション部が、前記情報取得ステップで取得された前記アクション情報が特定するアクションを、前記ユーザ識別子に対応する端末装置に対して行うアクションステップとを具備する情報処理方法。
【請求項10】
1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部にアクセス可能なコンピュータを、
ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定部と、
前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記アクション情報が特定するアクションを、前記ユーザ識別子に対応する端末装置に対して行うアクション部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、当該ユーザの意図を推定し、当該意図に対応するアクションを行う情報処理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブサイトへの来訪者の状況がリアルタイムに把握できる技術があった(特許文献1参照)。かかる技術は、ユーザに関する情報であり、1以上の属性値を有する情報である2以上のユーザ情報が格納されるユーザ情報格納部と、ウェブサイトへの来訪者であるユーザのユーザ端末から、ユーザのウェブサイトに対する操作に関する操作情報を受信する操作情報受信部と、操作情報を用いて、ウェブサイトに来訪中のユーザの1以上の属性値を取得する属性値取得部と、属性値取得部が取得した1以上の属性値を出力する属性値出力部とを具備するサーバ装置に関する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行えなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の情報処理装置は、1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部と、ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する受信部と、受信部が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定部と、対応格納部を参照し、決定部が決定した意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得したアクション情報が特定するアクションを、ユーザ識別子に対応する端末装置に対して行うアクション部とを具備する情報処理装置である。
【0006】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【0007】
また、本第二の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、対応情報は、意図識別子とユーザの意図の強度を示す強度情報に関する強度条件とアクション情報との対応を示す情報であり、情報取得部は、受信部が受信した1以上の操作情報を用いて、強度情報を取得し、かつ対応格納部を参照し、決定部が決定した意図識別子と、強度情報が合致する強度条件とに対応するアクション情報を取得する、情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図とその意図の強度とを推定し、当該意図と当該強度に対応する適切なアクションを行える。
【0009】
また、本第三の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、対応情報は、意図識別子とユーザの意図の抽象度を示す抽象度情報に関する抽象度条件とアクション情報との対応を示す情報であり、情報取得部は、受信部が受信した1以上の操作情報を用いて、抽象度情報を取得し、かつ対応格納部を参照し、決定部が決定した意図識別子と、抽象度情報が合致する抽象度条件とに対応するアクション情報を取得する、情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図とその意図の抽象度とを推定し、当該意図と当該抽象度に対応する適切なアクションを行える。
【0011】
また、本第四の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、対応情報は、意図識別子と1以上のユーザ属性値に関する属性値条件とアクション情報との対応を示す情報であり、情報取得部は、ユーザ属性値を取得し、かつ対応格納部を参照し、決定部が決定した意図識別子と、ユーザ属性値が合致するユーザ属性値条件とに対応するアクション情報を取得する、情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図とユーザ属性値とに対応する適切なアクションを行える。
【0013】
また、本第五の発明の情報処理装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、情報取得部は、1以上の操作情報から、1以上の操作情報における固有情報をも取得し、アクション部は、アクション情報と固有情報とを用いたアクションを行う、情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応するアクションであり、操作情報から取得された固有情報を用いた適切なアクションを行える。
【0015】
また、本第六の発明の情報処理装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、ユーザ識別子に対応付けて、2以上の意図識別子が格納される意図格納部と、決定部が決定した意図識別子を、ユーザ識別子に対応付けて意図格納部に蓄積する意図蓄積部とをさらに具備し、情報取得部は、一のユーザ識別子に対応付く2以上の意図識別子であり、意図蓄積部が蓄積した2以上の意図識別子に対応するアクション情報を取得する、情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づくユーザの複数の意図を推定し、当該複数の意図に対応する適切なアクションを行える。
【0017】
また、本第七の発明の情報処理装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、意図識別子は、2以上の操作情報に基づく1以上の操作条件に対応付いており、決定部は、1以上の操作情報に合致する操作条件を検出し、操作条件に対応する意図識別子を決定する、情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作のパターンに基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【0019】
また、本第八の発明の情報処理装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、1以上の操作情報と意図識別子とを有する2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により取得されたモデルが格納されるモデル格納部と、決定部は、1以上の操作情報とモデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、意図識別子を決定する、情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、機械学習のアルゴリズムにより、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【発明の効果】
【0021】
本発明による情報処理装置によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
【
図3】同情報処理装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同意図決定処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同アクション処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同前処理の例について説明するフローチャート
【
図14】実施の形態2における情報システムBのブロック図
【
図15】同意図決定の動作例について説明するフローチャート
【
図16】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態において、1以上の操作情報を受信し、当該1以上の操作情報から意図識別子を取得し、当該意図識別子に対応するアクションをユーザに対して行う情報処理装置を具備する情報システムについて説明する。なお、アクションは、例えば、操作情報から取得した固有情報を用いたアクションである。
【0025】
また、本実施の形態において、意図の強度情報をも取得し、意図識別子と強度情報とに対応するアクションをユーザに対して行う情報処理装置を具備する情報システムについて説明する。
【0026】
また、本実施の形態において、意図の抽象度情報をも取得し、意図識別子と抽象度情報とに対応するアクションをユーザに対して行う情報処理装置を具備する情報システムについて説明する。
【0027】
また、本実施の形態において、2以上の意図識別子を用いて、アクションを決定する情報処理装置を具備する情報システムについて説明する。
【0028】
さらに、本実施の形態において、操作条件に対応するアクションを行う情報処理装置を具備する情報システムについて説明する。
【0029】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0030】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、情報処理装置1、および1または2以上の端末装置2を備える。
【0031】
情報処理装置1は、操作情報に基づいて、端末装置2に対して、アクションを行う装置である。情報処理装置1は、通常、いわゆるサーバである。情報処理装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等であるが、その種類は問わない。なお、情報処理装置1は、ウェブサーバを兼ねていても良い。
【0032】
端末装置2は、ユーザが使用する端末である。端末装置2は、1または2以上のウェブサーバBにアクセスし、ウェブページを出力する端末である。端末装置2は、ウェブページに対する操作を受け付ける端末である。端末装置2は、例えば、受け付けた操作に基づく操作情報を情報処理装置1に送信する端末である。端末装置2は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であるが、その種類は問わない。
【0033】
情報処理装置1と1以上の各端末装置2とは、インターネット等のネットワークにより通信可能である。また、1以上の各端末装置2と図示しない1以上の各ウェブサーバとも、インターネット等のネットワークにより通信可能であっても良い。
【0034】
また、1以上の各端末装置2は、ウェブサーバBと、インターネット等のネットワークにより通信可能である。さらに、情報処理装置1は、ウェブサーバBと、インターネット等のネットワークにより通信可能であることは好適である。
【0035】
なお、ウェブサーバBは、ウェブページを格納し、端末装置2からの要求に応じて、ウェブページを端末装置2に送信するサーバである。ウェブサーバBは、例えば、ウェブサイトを運営するためのサーバである。ウェブサーバBは、端末装置2から受け付けた操作に応じた操作情報を情報処理装置1に送信しても良い。なお、ウェブサイトは、例えば、いわゆるECサイトであるが、ECサイトではないサイトであり、情報提供のためのサイト等でも良く、その種類は問わない。また、ウェブサーバBは、クラウドサーバ、ASPサーバ等であるが、その種類は問わない。
【0036】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。情報システムAを構成する情報処理装置1は、格納部11、受信部12、処理部13、および送信部14を備える。
【0037】
格納部11は、ユーザ格納部111、対応格納部112、操作格納部113、および意図格納部114を備える。処理部13は、操作蓄積部131、決定部132、意図蓄積部133、情報取得部134、およびアクション部135を備える。
【0038】
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
【0039】
情報処理装置1格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、後述するユーザ情報、後述する対応情報、後述する操作情報、後述する意図識別子である。
【0040】
ユーザ格納部111には、1または2以上のユーザ情報が格納される。ユーザ情報とは、ユーザに関する情報である。ユーザ情報は、ユーザ識別子と1以上のユーザ属性値とを有する。
【0041】
ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、ユーザID、メールアドレス、電話番号、ユーザの氏名である。
【0042】
ユーザ属性値とは、ユーザ識別子により識別されるユーザの属性値である。1以上のユーザ属性値は、静的属性値でも良いし、動的属性値でも良い。静的属性値とは、通常、変化しない属性値であるが、時々刻々とは変化しない属性値であると考えても良い。静的属性値は、例えば、氏名、年齢、住所、電話番号、ユーザ固有の画像、クレジットカード番号、メールアドレス、端末装置識別子、パスワード等である。端末装置識別子は、ユーザが使用する端末装置2を識別する情報であり、例えば、Cookie ID、セッション識別子、IPアドレス、MACアドレス等である。動的属性値とは、ユーザの操作等により、動的に変化し得る属性値である。動的属性値には、例えば、リアルタイム動的属性値、履歴情報利用動的属性値がある。リアルタイム動的属性値とは、リアルタイムに時々刻々と変化する属性値である。リアルタイム動的属性値は、例えば、ユーザが現在閲覧しているウェブページ(以下、適宜、「ページ」と言う)の滞在時間、現在の滞在の際の閲覧したウェブページ数等である。履歴情報利用動的属性値とは、過去の来訪時の操作情報の履歴を用いて取得される動的属性値である。履歴情報利用動的属性値は、例えば、購入回数、購入金額、総購入金額、平均滞在時間、平均PV数、来訪回数、他のユーザ属性値(例えば、購入回数、総購入金額)を用いて算出されたスコアである。
【0043】
対応格納部112には、1または2以上の対応情報が格納される。対応格納部112の対応情報は、通常、ウェブサーバBに対応付いている。ウェブサーバBに対応付いていることは、ウェブサイトまたはウェブページに対応付いていることでも良い。つまり、ウェブサイトによって、意図の決定方法、実行するアクションが異なることは好適である。
【0044】
対応情報とは、決定された意図に対応するアクションを決定するための情報である。対応情報とは、意図識別子とアクション情報との対応を示す情報である。対応情報は、例えば、操作条件とアクション情報とを有する。なお、操作条件は、意図識別子に対応付く。操作条件とは、1または2以上の操作情報に関する条件である。操作条件は、後述する操作パターンでも良い。操作条件は、特定の操作の回数に関する条件を含んでも良い。操作条件は、特定のウェブページへの滞在時間に関する条件を含んでも良い。操作条件は、2以上の特定の操作の順番に関する条件を含んでも良い。操作条件は、2以上の特定の操作の組み合わせに関する条件でも良い。
【0045】
対応情報は、意図識別子とアクション情報と強度情報との対応を示す情報でも良い。強度情報との対応を示す情報は、例えば、強度条件との対応を示す情報でも良い。強度条件とは、強度情報に関する条件である。強度条件は、例えば、「強度情報>=3」である。強度情報とは、ユーザの意図の強度を示す情報である。強度情報は、例えば、「1」から「5」のいずれかの自然数、「A」「B」または「C」である。
【0046】
対応情報は、意図識別子とアクション情報と抽象度情報との対応を示す情報でも良い。抽象度情報との対応を示す情報は、例えば、抽象度条件との対応を示す情報でも良い。抽象度条件とは、抽象度情報に関する条件である。抽象度条件は、例えば、「抽象度情報>=4」である。抽象度情報とは、ユーザの意図の抽象度を示す情報である。抽象度情報は、例えば、「1」から「5」のいずれかの自然数、「A」「B」または「C」である。
【0047】
対応情報は、意図識別子とアクション情報とユーザ属性値との対応を示す情報でも良い。ユーザ属性値との対応を示す情報は、例えば、ユーザ属性値条件との対応を示す情報でも良い。ユーザ属性値条件は、1または2以上のユーザ属性値に関する条件である。ユーザ属性値条件は、1または2以上の動的属性値に関する条件を含むことは好適である。ユーザ属性値条件は、1または2以上のリアルタイム動的属性値に関する条件を含むことは好適である。ユーザ属性値条件は、1または2以上の履歴情報利用動的属性値に関する条件を含むことは好適である。ユーザ属性値条件は、例えば、「総購入金額>=1万円」「購入回数>=5」「滞在時間>=3分」である。
【0048】
対応情報は、意図識別子と意図パターンとアクション情報との対応を示す情報でも良い。意図パターンは、例えば、2以上の意図識別子に関する条件である。意図パターンは、例えば、1以上の意図識別子と1以上の操作情報とに関する条件である。意図パターンが2以上の意図識別子に関する条件を含む場合、意図パターンは、当該2以上の意図識別子の順序に関する条件を含んでも良いし、2以上の意図識別子の組み合わせに関する条件を含んでも良い。2以上の意図識別子の順序に関する条件とは、2以上の各意図識別子が決定された時の順序に関する条件である。2以上の意図識別子の順序は、2以上の各意図識別子に対応付く時情報に基づいて決定される。
【0049】
意図識別子とは、1以上の操作情報に基づく意図を特定する情報である。意図識別子は、通常、2以上の操作情報に基づく意図を特定する情報である。意図識別子は、例えば、2以上の操作情報の履歴(時間的に異なる時の操作に基づく2以上の操作情報)に基づく意図を特定する情報である。意図識別子は、例えば、意図を識別するID(意
図ID)、意図を説明する文字列である。意図識別子は、2以上の操作情報に基づく1以上の操作条件に対応付いていることは好適である。
【0050】
操作情報とは、ユーザがウェブページに対して行った操作に関する情報である。操作情報は、例えば、ページにアクセスしたことを示す情報、ページを閲覧したことを示す情報、ページ内のボタンを押下したことを示す情報、アンカーを指示したことを示す情報、別のページに飛ぶための操作を行ったことを示す情報、フィールドに入力した情報、商品をお気に入りに追加したことを示す情報、商品名を入力し、検索したことを示す情報等である。操作情報は、操作の結果に関する情報でも良い。操作の結果に関する情報は、例えば、スクロールされた結果、ウェブページにおいて、ウィンドウの中心の相対的な座標値でも良い。操作の結果に関する情報は、例えば、スクロールされた結果、ウィンドウに表示されている商品の商品識別子や商品の属性値(例えば、価格、商品画像、サイズ、在庫数、在庫の有無、コーディネイト例)である。操作の結果に関する情報は、例えば、購入した商品の商品識別子、カートに入れた商品の商品識別子、お気に入りに入れた商品の商品識別子である。なお、商品識別子は、例えば、商品ID、商品名である。
【0051】
操作情報は、例えば、「rightButtonON」(右マウスボタンが押下されたこと)、「drug object A」(オブジェクトAがドラッグされたこと)、「<購入商品ID>123 <数量>3」(123で識別される商品が3個購入されたこと)、「jump http://www.xxx.co.jp」(URL” http://www.xxx.co.jp”で特定されるウェブページにアクセスされたこと)等である。ここでの操作情報は、例えば、プリミティブな操作の情報であるが、操作の意味や意義を判断できる情報であることは好適である。つまり、操作情報のデータ構造、情報の粒度等は問わない。操作情報は、通常、ユーザが行った操作を特定する情報であるが、ユーザの操作に起因する、情報処理装置1が行った処理に関する情報を含んでも良い。なお、受信部12により受信された操作情報と操作格納部113に格納される操作情報とは異なっても良い。受信部12が受信する操作情報と、操作格納部113に蓄積される操作情報とは、例えば、データ構造等が異なっていても良い。例えば、受信部12が受信する操作情報がプリミティブな操作の情報(例えば、「rightButtonON」)であり、操作格納部113に蓄積される操作情報が操作の意味や意義が判断可能な情報(例えば、「○○ページが表示されました」)でも良い。かかる場合、処理部13が、受信された操作情報を用いて、操作格納部113に格納される操作情報を構成する。かかる場合、処理部13が、例えば、受信されたプリミティブな操作情報と対になる操作情報を格納部11から取得する。
【0052】
なお、操作情報は、時情報、ユーザ識別子、ページ識別子に対応付いていることは好適である。
【0053】
時情報とは、操作された時を特定する。時情報は、例えば、日、日時、時刻、期間を特定する情報(例えば、セール期間)である。なお、操作された時は、操作情報が受信された時でも良い。つまり、操作された時は、ユーザの操作の時を、概ねと特定できる時であれば良く、厳密性を要求しなくて良い。
【0054】
ページ識別子とは、操作されたウェブページを識別する情報である。ページ識別子は、例えば、URL、URI、ウェブページのIDである。ウェブページは、ウェブサイトでも良い。ここでは、ウェブページは、ウェブサイトと同意義である、と考えても良い。つまり、ページ識別子は、ウェブサイトを識別する情報でも良い。
【0055】
操作パターンとは、1または2以上の操作情報が特定する操作のパターンである。操作パターンは、例えば、「セールの時期に2回以上、ウェブページを来訪したことを示す情報」「N回以上(Nは2以上の自然数)、同じ商品名をキーとして、検索を行ったことを示す情報」「(1)トップページにアクセス、(2)お気に入り商品のリンクにアクセス、の操作の後、(3)「これもおすすめ」リンクをクリックした、ことを示す情報」「(1)未入荷の商品のページにアクセス、(2)閾値時間以内に、他のページにジャンプ、またはログアウトした、ことを示す情報」「第一閾値以上の商品をお気に入りに追加している、かつ第一閾値以上の商品をお気に入りに追加した状態で、第二閾値以上の時間、カートに商品を入れる操作を行わない」である。なお、操作パターンは、操作条件の例である、と考えても良い。
【0056】
アクション情報とは、ユーザの端末装置2に対して行うアクションを特定する情報である。アクションとは、処理、動作と言い換えても良い。アクション情報は、例えば、関数名、ジャンプするプログラムへのポインタ、モジュール名、メソッド名である。アクション情報は、例えば、「セール商品にアクセスできるバナーを端末装置2に送信することを示す情報」「セールのタイミングで、セールを知らせるメールを送信することを示す情報」「詳細を店員に確認できますという旨のチャット案内を端末装置2に送信することを示す情報」「(1)ユーザが閲覧中のウェブページの商品情報またはお気に入りに入っている商品情報を取得(2)取得した商品情報と商品種類が一致する商品の商品情報を含むウェブページであり、最近人気の商品の特集ページにアクセスするためのバナーを端末装置2に送信する、という処理を続けて行うことを示す情報」「入荷メールの登録案内の情報を端末装置2に送信することを示す情報」「(1)お気に入り商品がセール対象になったことを検知する、(2)当該検知後、お気に入り商品がセール対象になった旨の案内のメールを端末装置2に送信する、という処理を続けて行うことを示す情報」である。
【0057】
操作格納部113には、ユーザが行った操作に基づく1以上の操作情報が格納される。ここでの操作情報には、ユーザ識別子、ページ識別子、時情報が対応付いていることは好適である。ここでのページ識別子は、例えば、ユーザ識別子により識別されるユーザの端末装置2に出力中のページであり、操作対象のページの識別情報である。ページ識別子は、ユーザが過去にアクセスしたページの識別情報でも良い。なお、操作格納部113の操作情報は、通常、後述する操作蓄積部131が蓄積した情報であるが、その蓄積されるまでの過程は問わない。
【0058】
意図格納部114には、ユーザが行った操作に基づく意図を特定する意図識別子が格納される。意図格納部114には、通常、1または2以上の各ユーザ識別子に対応付けて、1または2以上の意図識別子が格納される。意図格納部114の意図識別子は、決定部132が決定した意図識別子である。意図格納部114の意図識別子は、時情報が対応付いていることは好適である。意図識別子に対応付く時情報は、ユーザがページに対して操作を行い、意図識別子が決定された時を特定する情報である。
【0059】
受信部12は、ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する。受信部12は、通常、端末装置2から直接的または間接的に操作情報を受信する。ただし、受信部12は、ウェブサーバBから操作情報を受信しても良い。また、受信部12は、その他の装置に蓄積された操作情報を、当該その他の装置から受信しても良い。受信部12が受信する操作情報は、通常、時情報に対応付く。操作情報に対応付く時情報は、概ね、操作が行われた時を特定する情報である。
【0060】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、操作蓄積部131、決定部132、意図蓄積部133、情報取得部134、アクション部135が行う処理である。
【0061】
処理部13は、例えば、操作情報格納部114の操作情報を解析し、各ユーザの動的属性値を取得しても良い。処理部13は、例えば、受信された操作情報に基づいて、ユーザの動的属性値を更新する。処理部13は、例えば、受信された操作情報がウェブサイトの送信指示である場合、他のウェブサイトへの移動指示またはログアウトの指示が受信されるまでの間の時間である、当該ウェブサイトにおける滞在時間を測定し、当該滞在時間をユーザ格納部111に蓄積する。また、処理部13は、例えば、受信されたログイン指示または受信されたウェブサイトの送信指示に基づいて、サーバ装置1のウェブサイトまたはウェブページへの来訪回数をインクリメントし、ユーザ格納部111に蓄積する。また、処理部13は、例えば、商品の購入指示であり、受信された購入指示に基づいて、購入回数をインクリメントし、ユーザ格納部111に蓄積する。また、処理部13は、例えば、スコアの算出式に、ウェブサイトまたはウェブページの滞在時間、購入回数、購入金額、総購入金額、PV数、平均滞在時間、来訪回数のうちの1以上のパラメータを代入し、各ユーザのスコアを算出する。なお、スコアの算出式は、格納部11に格納されている。また、スコアの算出式とは、ユーザのスコアを算出するための式の情報である。例えば、ユーザのスコアが高いほど、重要なユーザである、と考える。スコアの算出式は、例えば、ウェブサイトまたはウェブページの滞在時間、購入回数、購入金額、総購入金額、PV数、平均滞在時間、来訪回数のうちの1以上の情報をパラメータとする増加関数である。
【0062】
操作蓄積部131は、受信部12が受信した操作情報を操作格納部113に蓄積する。操作蓄積部131は、例えば、ユーザ識別子、ページ識別子、時情報のうちの1または2以上の情報に対応付けて、受信部12が受信した操作情報を操作格納部113に蓄積する。
【0063】
操作蓄積部131は、例えば、受信部12が操作情報を受信した場合に、当該操作情報と対になるユーザ識別子を取得する。また、操作蓄積部131は、例えば、図示しない時計から現在時刻である時情報を取得する。また、操作蓄積部131は、例えば、操作情報に含まれるページ識別子を取得する。そして、操作蓄積部131は、例えば、受信部12が受信した操作情報を、ユーザ識別子、ページ識別子、および時情報に対応付けて、操作格納部113に蓄積する。
【0064】
決定部132は、受信部12が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する。なお、意図識別子を決定することは、意図を決定することである。また、意図識別子を決定することは、アクション情報を決定することでも良い。
【0065】
決定部132は、例えば、1以上の操作情報に合致する操作条件を検出し、当該操作条件に対応する意図識別子を決定する。なお、決定部132は、例えば、対応格納部112の1以上の操作条件から、ユーザ識別子に対応する1以上の操作情報に合致する操作条件を検出し、当該操作条件に対応する意図識別子を決定する。
【0066】
決定部132は、例えば、一のユーザ識別子と対になる1以上の操作情報を取得する。なお、決定部132は、例えば、操作格納部113から、一のユーザ識別子と対になる1以上の操作情報を取得する。また、決定部132は、例えば、受信部12が受信した操作情報を取得する。次に、決定部132は、例えば、取得した1または2以上の操作情報が合致する操作条件を、対応格納部112に格納されている操作条件から決定し、当該操作条件に対応する意図識別子を取得する。なお、決定部132は、意図識別子を取得することに代えて、決定した操作条件に対応するアクション情報を取得しても良い。
【0067】
また、決定部132は、例えば、決定した操作条件に対応する強度情報を対応格納部112から取得しても良い。また、決定部132は、例えば、決定した操作条件に対応する抽象度情報を対応格納部112から取得しても良い。
【0068】
決定部132が意図識別子を決定するタイミングは問わない。決定部132は、受信部12が操作情報を受信するごとに、意図識別子を取得するための処理を行うことは好適である。ただし、決定部132は、予め決められた時になった場合、情報処理装置1やウェブサーバBの管理者の図示しない端末からの指示を受信した場合等に、意図識別子を取得するための処理を行っても良い。なお、かかる処理を行ったからといって、意図識別子を取得できない場合もあっても良い。
【0069】
意図蓄積部133は、決定部132が決定した意図識別子を、ユーザ識別子に対応付けて意図格納部114に蓄積する。意図蓄積部133は、時情報を取得し、当該時情報にも対応付けて、意図識別子を意図格納部114に蓄積しても良い。なお、意図蓄積部133は、例えば、図示しない時計から時情報を取得しても良いし、受信部12が受信した時情報を取得する等しても良い。
【0070】
情報取得部134は、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子に対応するアクション情報を取得する。情報取得部134は、決定部132が決定したアクション情報を取得しても良い。
【0071】
情報取得部134は、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子に対応するアクション情報と強度情報とを取得しても良い。
【0072】
情報取得部134は、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子に対応するアクション情報と抽象度情報とを取得しても良い。
【0073】
情報取得部134は、1以上の操作情報から、1以上の操作情報における固有情報をも取得することは好適である。固有情報とは、対応する操作情報に固有の情報、または対応する操作情報が示す操作の対象のページに固有の情報である。固有情報は、例えば、商品識別子(例えば、商品名)、1または2以上の商品属性値(例えば、商品の種類、価格)である。
【0074】
情報取得部134は、一のユーザ識別子に対応付く2以上の意図識別子であり、意図蓄積部133が蓄積した2以上の意図識別子に対応するアクション情報を取得することは好適である。
【0075】
情報取得部134は、例えば、受信部12が受信した1以上の操作情報を用いて、強度情報を取得する。そして、情報取得部134は、例えば、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子と、当該強度情報が合致する強度条件とに対応するアクション情報を取得する。なお、情報取得部134は、例えば、1以上の操作情報から強度元情報を取得する。そして、情報取得部134は、当該強度元情報に対応する強度情報を取得する。強度元情報とは、強度情報を取得する元になる情報である。強度元情報は、例えば、ユーザが滞在中のウェブページの滞在時間、ウェブページの閲覧回数、検索した商品名の数である。情報取得部134は、例えば、強度元情報が満たす強度条件と対になる強度情報を取得する。なお、かかる場合、2以上の各強度条件と強度情報とが対に管理されている。また、情報取得部134は、例えば、ウェブページの滞在時間が長いほど、大きな強度情報を取得する。情報取得部134は、例えば、ウェブページの閲覧回数が大きいほど、大きな強度情報を取得する。情報取得部134は、例えば、検索した商品名の数が多いほど、小さい強度情報を取得する。特定の商品に特に注力しているわけではないからである。
【0076】
情報取得部134は、例えば、受信部12が受信した1以上の操作情報を用いて、抽象度情報を取得する。そして、情報取得部134は、例えば、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子と、当該抽象度情報が合致する抽象度条件とに対応するアクション情報を取得する。なお、情報取得部134は、例えば、1以上の操作情報から抽象度元情報を取得する。そして、情報取得部134は、当該抽象度元情報に対応する抽象度情報を取得する。抽象度元情報とは、抽象度情報を取得する元になる情報である。抽象度元情報は、例えば、ユーザが滞在中のウェブページの滞在時間、ウェブページの閲覧数、検索した商品名の数である。情報取得部134は、例えば、抽象度元情報が満たす抽象度条件と対になる抽象度情報を取得する。なお、かかる場合、2以上の各抽象度条件と抽象度情報とが対に管理されている。また、情報取得部134は、例えば、ウェブページの滞在時間が短いほど、大きな抽象度情報を取得する。情報取得部134は、例えば、ウェブページの閲覧回数が大きいほど、小さな抽象度情報を取得する。情報取得部134は、例えば、検索した商品名の数が多いほど、大きな抽象度情報を取得する。
【0077】
情報取得部134は、例えば、受信部12が受信した1以上の操作情報を用いて、強度情報と抽象度情報とを取得する。そして、情報取得部134は、例えば、対応格納部112を参照し、決定部132が決定した意図識別子と、当該強度情報と当該抽象度情報とに対応するアクション情報を取得する。
【0078】
アクション部135は、情報取得部134が取得したアクション情報が特定するアクションを、ユーザ識別子に対応する端末装置2に対して行う。
【0079】
アクション部135は、情報取得部134が取得したアクション情報と強度情報とに応じたアクションを行うことは好適である。
【0080】
アクション部135は、情報取得部134が取得したアクション情報と抽象度情報とに応じたアクションを行うことは好適である。
【0081】
アクション部135は、情報取得部134が取得したアクション情報と固有情報とを用いたアクションを行うことは好適である。
【0082】
送信部14は、各種の情報を送信する。送信部14は、通常、端末装置2に各種の情報を送信する。
【0083】
端末装置2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納されている。各種の情報とは、例えば、ユーザ識別子である。
【0084】
端末受付部22は、指示や情報等の入力を受け付ける。指示や情報等の入力を操作と言っても良い。指示や情報等は、例えば、ページを識別するページ識別子、アクセス指示である。なお、アクセス指示とは、ウェブページ等のページへのアクセスの指示であり、ページ識別子を有する。ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0085】
指示や情報等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0086】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、端末受付部22が受け付けた指示や情報等を、送信する構造の指示や情報等に変更する処理、端末受信部25が受信した情報を出力する構造に変更する処理等である。
【0087】
端末処理部23は、例えば、端末受付部22が受け付けた操作に基づく操作情報を構成する。
【0088】
端末処理部23は、例えば、端末受付部22で受け付けたページ識別子を用いてページを取得する。端末処理部23は、例えば、端末受付部22で受け付けたページ識別子で識別されるウェブサーバ(図示しない)にアクセスし、ページを受信する。
【0089】
端末送信部24は、端末処理部23が取得した操作情報を、操作されたウェブページに対応するウェブサーバに送信する。
【0090】
端末送信部24は、端末処理部23が取得した操作情報を、情報処理装置1に送信しても良い。
【0091】
端末受信部25は、各種の情報を受信する。端末受信部25は、例えば、情報処理装置1から各種の情報を受信する。端末受信部25は、例えば、ウェブサーバからウェブページや処理結果を受信する。
【0092】
端末出力部26は、端末受信部25が受信した情報を出力する。端末受信部25が受信した情報とは、例えば、ウェブページ、各種の情報である。
【0093】
なお、ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示であるが、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である、と考えても良い。
【0094】
格納部11、ユーザ格納部111、対応格納部112、操作格納部113、意図格納部114、および端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0095】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになっても良く、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになっても良く、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになっても良い。
【0096】
受信部12、および端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0097】
処理部13、操作蓄積部131、決定部132、意図蓄積部133、情報取得部134、アクション部135、および端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0098】
送信部14、アクション部135、端末送信部24は、例えば、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0099】
端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0100】
端末出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0101】
次に、情報システムAの動作例について説明する。まず、情報処理装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0102】
(ステップS301)受信部12は、ユーザ識別子に対応付く1以上の操作情報を受信したか否かを判断する。操作情報を受信した場合はステップS302に行き、操作情報を受信しなかった場合はステップS308に行く。
【0103】
(ステップS302)操作蓄積部131は、ステップS301で受信された操作情報に対応付くユーザ識別子を取得する。なお、かかるユーザ識別子は、ステップS301で受信された操作情報の元になった操作を行ったユーザの識別子である。
【0104】
(ステップS303)操作蓄積部131は、ステップS301で受信された操作情報を含む情報であり、蓄積する情報を構成する。なお、蓄積する情報は、時情報を有することは好適である。なお、操作蓄積部131は、ステップS301で受信された時情報を取得しても良いし、図示しない時計から時情報を取得しても良い。
【0105】
(ステップS304)操作蓄積部131は、ステップS303で構成した情報を、ステップS302で取得したユーザ識別子に対応付けて、操作格納部113に蓄積する。
【0106】
(ステップS305)決定部132は、ステップS304で蓄積された操作情報を用いて、意図識別子を決定する。なお、ステップS304で蓄積された操作情報を用いることは、ステップS301で受信された操作情報を用いることである。なお、意図識別子を決定する処理である意図決定処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
(ステップS306)意図蓄積部133は、ステップS305で決定された意図識別子等を、ステップS302で取得したユーザ識別子に対応付けて、意図格納部114に蓄積する。なお、意図識別子等とは、意図識別子だけでも、意図識別子に加えて、強度情報と抽象度情報のうちの1以上の情報を有する情報でも良い。意図識別子等は、意図が検出された時に対応する時情報を有することは好適である。
【0108】
(ステップS307)アクション部135等は、ステップS306で決定された意図識別子に対応するアクションを行う。ステップS301に戻る。なお、かかるアクションの例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
(ステップS308)処理部13は、アクションの実行タイミングであるか否かを判断する。アクションの実行タイミングであればステップS309に行き、アクションの実行タイミングでなければステップS313に行く。
【0110】
なお、アクションの実行タイミングは、例えば、予め決められた時になった場合、情報処理装置1の管理者の図示しない端末からアクションを実行する指示を受信した場合、またはウェブサーバBの運営者の図示しない端末から指示を受信した場合等であるが、そのタイミングは問わない。
【0111】
(ステップS309)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
【0112】
(ステップS310)決定部132は、アクションを実行する対象のi番目のユーザ識別子が存在するか否かを判断する。i番目のユーザ識別子が存在する場合はステップS311に行き、存在しない場合はステップS301に戻る。
【0113】
なお、i番目のユーザ識別子は、例えば、ユーザ格納部111に格納されているユーザ識別子の中のi番目のユーザ識別子である。また、i番目のユーザ識別子は、例えば、受信された指示により特定されるユーザ識別子の中のi番目のユーザ識別子である。なお、かかる指示は、アクションを実行する指示である。
【0114】
(ステップS311)決定部132は、i番目のユーザ識別子を取得する。ステップS305に行く。なお、ステップS305からステップS307を実行した後、ここでは、ステップS312に進む。
【0115】
(ステップS312)処理部13は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS310に戻る。
【0116】
(ステップS313)受信部12は、情報を受信したか否かを判断する。情報を受信した場合はステップS314に行き、受信しなかった場合はステップS301に戻る。なお、情報とは、例えば、ユーザ情報、対応情報である。なお、受信部12は、例えば、端末装置2からユーザ情報を受信する。また、受信部12は、例えば、情報処理装置1の図示しない管理者の端末等から対応情報を受信する。
【0117】
(ステップS314)処理部13は、ステップS313で受信された情報を、適切な記憶領域に蓄積する。ステップS301に戻る。なお、処理部13は、ステップS313で受信されたユーザ情報をユーザ格納部111に蓄積する。また、処理部13は、ステップS313で受信された対応情報を対応格納部112に蓄積する。
【0118】
なお、
図3のフローチャートにおいて、処理部13は、受信された操作情報を用いて、ユーザの1以上の動的属性値を取得し、ユーザ格納部111に蓄積することは好適である。
【0119】
また、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0120】
次に、ステップS305の意図決定処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0121】
(ステップS401)決定部132は、ユーザ識別子と対になる1または2以上の操作情報を操作格納部113から取得する。なお、ここでの1以上の操作情報は、直前に受信された操作情報だけでも良いが、過去の操作情報を含むことは好適である。なお、過去の操作情報は、例えば、直前に受信された操作情報に対応するセッションとは異なるセッションにおいて、受信された操作情報である。異なるセッションは、異なる時、異なる日等でも良い。
【0122】
(ステップS402)決定部132は、カウンタiに1を代入する。
【0123】
(ステップS403)決定部132は、対応格納部112に、評価対象のi番目の操作条件が存在するか否かを判断する。i番目の操作条件が存在する場合はステップS404に行き、存在しない場合はステップS411に行く。なお、評価対象のi番目の操作条件は、例えば、対応格納部112の全部の操作条件の中のi番目の操作条件である。また、評価対象のi番目の操作条件は、例えば、対象となるウェブサイト(ウェブページ)に対応するi番目の操作条件である。
【0124】
(ステップS404)決定部132は、対応格納部112から評価対象のi番目の操作条件を取得する。
【0125】
(ステップS405)決定部132は、ステップS401で取得した1以上の操作情報を解析し、ステップS404で取得したi番目の操作条件に合致するか否かを判断する。i番目の操作条件に合致する場合はステップS406に行き、合致しない場合はステップS411に行く。
【0126】
(ステップS406)情報取得部134は、i番目の操作条件に対応する意図識別子を対応格納部112から取得する。
【0127】
(ステップS407)情報取得部134は、ステップS401で取得した1以上の操作情報から強度元情報を取得する。なお、ここで、強度元情報を取得できない場合があっても良い。
【0128】
(ステップS408)情報取得部134は、ステップS407で取得した強度元情報に対応する強度情報を取得する。なお、ここで、強度情報を取得できない場合があっても良い。
【0129】
(ステップS409)情報取得部134は、ステップS401で取得した1以上の操作情報から抽象度元情報を取得する。なお、ここで、抽象度元情報を取得できない場合があっても良い。
【0130】
(ステップS410)情報取得部134は、ステップS409で取得した抽象度元情報に対応する抽象度情報を取得する。なお、ここで、抽象度情報を取得できない場合があっても良い。
【0131】
(ステップS411)決定部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
【0132】
(ステップS412)決定部132は、ユーザ識別子と対になる意図識別子等を意図格納部114から取得する。また、決定部132は、ステップS406からステップS410で取得された意図識別子等を取得する。なお、ここで、意図識別子等とは、意図識別子だけでも、意図識別子に加えて、強度情報と抽象度情報のうちの1以上の情報を有する情報でも良い。
【0133】
(ステップS413)決定部132は、カウンタiに1を代入する。
【0134】
(ステップS414)決定部132は、評価対象のi番目の意図パターンであり、意図識別子を用いたi番目の意図パターンが存在するか否かを判断する。i番目の意図パターンが存在する場合はステップS415に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0135】
(ステップS415)決定部132は、評価対象のi番目の意図パターンを取得する。次に、決定部132は、ステップS412で取得した意図識別子等が、i番目の意図パターンに合致するか否かを判断する。i番目の意図パターンに合致する場合はステップS406に行き、合致しない場合はステップS416に行く。なお、ここで、ステップS406に行く場合は、ステップS406からS410が実行された後、ステップS416に行く。
【0136】
(ステップS416)決定部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS414に戻る。
【0137】
次に、ステップS307のアクションの例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
(ステップS501)アクション部135は、カウンタiに1を代入する。
【0139】
(ステップS502)アクション部135は、i番目の決定された意図識別子が存在するか否かを判断する。i番目の決定された意図識別子が存在する場合はステップS503に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0140】
(ステップS503)アクション部135は、i番目の決定された意図識別子と対になるアクション情報を対応格納部112から取得する。
【0141】
(ステップS504)アクション部135は、前処理を行う。前処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。なお、前処理は行われない場合があっても良い。
【0142】
(ステップS505)アクション部135は、ステップS503で取得されたアクション情報、またはステップS504における前処理により変更されたアクション情報を用いて、アクションを行う。
【0143】
(ステップS506)アクション部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
【0144】
なお、
図5のフローチャートにおいて、ステップS503の前に、強度情報、抽象度情報、ユーザ属性値のうちの1種類以上の情報を取得し、当該1種類以上の情報とi番目の決定された意図識別子と対になるアクション情報を取得しても良い。
【0145】
次に、ステップS504の前処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0146】
(ステップS601)アクション部135は、カウンタiに1を代入する。
【0147】
(ステップS602)アクション部135は、取得されたアクション情報の中に、i番目の変数が存在するか否かを判断する。i番目の変数が存在する場合はステップS603に行き、存在しない場合はステップS606に行く。
【0148】
(ステップS603)アクション部135は、i番目の変数に代入する情報を取得する。なお、アクション部135は、通常、決定された意図識別子の元になった操作情報を用いて、i番目の変数に代入する情報を取得する。
【0149】
(ステップS604)アクション部135は、ステップS603で取得した情報を、取得されたアクション情報におけるi番目の変数に代入する。
【0150】
(ステップS605)アクション部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS602に戻る。
【0151】
(ステップS606)アクション部135は、強度情報を使用して、アクション情報を変更するか否かを判断する。アクション情報を変更する場合はステップS607に行き、アクション情報を変更しない場合はステップS609に行く。なお、強度情報を使用して、アクション情報を変更するか否かは、通常、アクション情報ごとまたは意図識別子ごとに、予め決められている。
【0152】
(ステップS607)アクション部135は、着目する意図識別子と対になる強度情報を取得する。
【0153】
(ステップS608)アクション部135は、ステップS607で取得した強度情報に対応するように、アクション情報を変更する。なお、ここで、強度情報がデフォルト値である場合等、アクション部135は、アクション情報を変更する必要がない場合があっても良い。
【0154】
(ステップS609)アクション部135は、抽象度情報を使用して、アクション情報を変更するか否かを判断する。アクション情報を変更する場合はステップS607に行き、アクション情報を変更しない場合はステップS609に行く。なお、抽象度情報を使用して、アクション情報を変更するか否かは、通常、アクション情報ごとまたは意図識別子ごとに、予め決められている。
【0155】
(ステップS610)アクション部135は、着目する意図識別子と対になる抽象度情報を取得する。
【0156】
(ステップS611)アクション部135は、ステップS610で取得した抽象度情報に対応するように、アクション情報を変更する。なお、ここで、抽象度情報がデフォルト値である場合等、アクション部135は、アクション情報を変更する必要がない場合があっても良い。
【0157】
なお、
図6のフローチャートにおいて、アクション部135は、強度情報と抽象度情報とを、アクション情報の変更のために使用した。しかし、アクション部135または情報取得部134は、意図識別子と、強度情報と抽象度情報とユーザ属性値のうちの1種類以上の情報とに対応するアクション情報を取得しても良い。
【0158】
次に、端末装置2の動作例について説明する。端末装置2の端末受付部22は、指示や情報等の入力を受け付ける。次に、端末処理部23は、端末受付部22が受け付けた指示や情報等を、送信する構造の指示や情報等に変更する。端末送信部24は、かかる指示や情報等を、当該指示等に対応するウェブサーバB(例えば、指示に含まれるURLに対応するウェブサーバB)に送信する。また、端末受信部25は、指示等を送信したウェブサーバBから、ウェブページ等の情報を受信する。次に、端末処理部23は、端末受信部25が受信した情報を出力する構造に変更する。次に、端末出力部26は、当該情報(例えば、ウェブページ)を取得する。
【0159】
また、端末装置2の端末処理部23は、例えば、端末受付部22が受け付けた操作に基づく操作情報を構成しても良い。また、端末送信部24は、端末処理部23が取得した操作情報を、情報処理装置1に送信しても良い。そして、操作情報の送信に応じて、端末受信部25は、例えば、情報処理装置1から各種の情報を受信する。なお、各種の情報は、例えば、操作情報の送信に応じて、情報処理装置1で決定された意図識別子に応じた情報である。
【0160】
さらに、ウェブサーバBは、周知のウェブサーバの機能に加えて、端末装置2から受信された操作情報を、当該端末装置2に対応するユーザ識別子と対にして、情報処理装置1に送信しても良い。また、ウェブサーバBは、周知のウェブサーバの機能に加えて、端末装置2から受信された操作情報を加工し、取得した操作情報を、当該端末装置2に対応するユーザ識別子と対にして、情報処理装置1に送信しても良い。なお、端末装置2から受信された操作情報は、例えば、プリミティブな操作の情報(例えば、rightButtonON(ButtonID))であり、操作情報を加工し、取得された操作情報は、人が操作の意味や意義を判断できる情報(例えば、「○○ページが表示されました」)である。
【0161】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作例について説明する。なお、情報システムAにおいて、端末装置2がアクセスする1または2以上のウェブサーバBは、ECサイトのサーバである、とする。
【0162】
また、情報処理装置1のユーザ格納部111には、
図7に示すユーザ情報管理表が格納されている。ユーザ情報管理表には、「ユーザ識別子」「氏名」「メールアドレス」「静的属性値」「動的属性値」を有するレコードが格納される。
【0163】
「静的属性値」は、情報処理装置1が、端末装置2またはウェブサーバBから受信し、蓄積した情報である。「静的属性値」は、ここでは「性別」「年齢」「未婚/既婚」「出身地」「管理者フラグ」等を有する。また、「未婚/既婚」は未婚か既婚かを示す情報である。「管理者フラグ」は情報処理装置1の管理者であるか否かを示す情報である。ここでは、管理者フラグの値「1」に対応するユーザが管理者であり、管理者フラグの値「0」に対応するユーザが管理者ではない。
【0164】
「動的属性値」は、処理部13が、操作格納部113の操作情報または受信された操作情報を解析し、取得した情報である。「動的属性値」は、ここでは「リアルタイム動的属性値」「履歴情報利用動的属性値」を有する。「リアルタイム動的属性値」は、ここでは「滞在時間」「閲覧ページ数」を有する。「滞在時間」は現在の訪問におけるサイト内の滞在時間である。「閲覧ページ数」は現在の訪問におけるサイト内で閲覧したページ数である。「履歴情報利用動的属性値」は、ここでは「来訪回数」「購入回数」「総購入金額」「平均PV数」「スコア」等を有する。「来訪回数」は、今までにユーザが本ECサイト(例えば、URL1、URL2で識別されるページを含むサイト)に来訪した回数である。「購入回数」は、今までにユーザが本ECサイトで商品を購入した回数である。「総購入金額」は、今までにユーザが本ECサイトで商品を購入した総金額である。「平均PV数」は、ユーザの1回の訪問あたりの平均の閲覧ページ数である。「スコア」は、ユーザのスコアである。ここでは、格納部11は、「来訪回数」「購入回数」「総購入金額」「平均PV数」のうちの1以上の属性値をパラメータとする増加関数によりスコアを算出する演算式を格納している、とする。そして、処理部13は、各ユーザの「来訪回数」「購入回数」「総購入金額」「平均PV数」のうちの1以上の属性値を取得し、かかる増加関数に1以上の属性値を代入し、各ユーザのスコアを算出する。なお、この演算式は、静的属性値のうちの1以上の情報を用いてスコアを算出する演算式であることは好適である。演算式は、例えば、メンバー「1」の場合は、スコアの値を増加させるように算出する演算式でも良い。例えば、演算式は、例えば、メンバー「1」の場合は、スコアの値を1.1倍し、メンバー「0」の場合は、スコアの値を変更しない等であることは好適である。なお、処理部13が操作情報を解析し、動的属性値を取得する技術は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0165】
また、対応格納部112には、
図8に示す第一対応情報管理表と
図9に示す第二対応情報管理表とが格納されている。
【0166】
第一対応情報管理表は、「対応情報」「ユーザ意図」を有する1以上のレコードを管理する表である。「対応情報」は、ここでは「意図識別子」「操作条件」「強度条件」「抽象度条件」「ユーザ属性値条件」「アクション情報」を有する。「操作条件」は、1または2以上の操作情報に関する条件である。「操作条件」は、1または2以上の操作情報に関するパターンの条件であるとも言えるので、「操作パターン」と言っても良い。「強度条件」は、強度情報に関する条件である。「抽象度条件」は抽象度情報に関する条件である。「ユーザ属性値条件」は、1または2以上のユーザ属性値に関する条件である。なお、「対応情報」は、属性値「操作パターン」と「アクション情報」とは、必ず有するが、「強度条件」「抽象度条件」「ユーザ属性値条件」は「NULL」でも良い。つまり、アクション情報は、操作条件のみから決定されても良いし、操作条件に加えて、強度条件と抽象度条件とユーザ属性値条件のうちの1または2以上の条件に基づいて決定されても良い。「ユーザ意図」は、第一対応情報管理表のレコードに合致した場合のユーザの意図を説明した情報であり、本レコードの意義を説明した情報である。
【0167】
第一対応情報管理表の「ID=1」のレコードの「操作条件」は、一のユーザ識別子に対応する操作情報において、「セール時期にページXに訪れた回数が3回以上であり、かつセール時期以外にページXに訪れた回数が1回以下であること」である。なお、変数「$セール時期」に対応する値(例えば、2022/3/1~2022/3/31,2021/12/1~2021/12/31)は、格納部11に、ページ識別子「ページX」に対応付けて格納されている、とする。また、「時情報⊃$セール時期」は、「操作情報(ここでは、jump(ページX))に対応する時情報がセール時期に含まれること」を示す。「時情報!=$セール時期」は、「操作情報(ここでは、jump(ページX))に対応する時情報がセール時期に含まれないこと」を示す。また、第一対応情報管理表の「ID=1」のレコードのアクション情報「send(バナー広告1)」は、「バナー広告1」というバナー広告を端末装置2に送信するアクションの関数である。なお、「バナー広告1」は、セール商品にアクセスできるバナーである、とする。つまり、「ID=1」のレコードは、「セール商品を買いたい」という意図を持ったユーザに端末装置2に、セール商品にアクセスできるバナーを送信することを実現するレコードである。
【0168】
第一対応情報管理表の「ID=2」のレコードの「操作条件」は、一のユーザ識別子に対応する操作情報における一セッションの操作情報において、「(1)(2)(3)の操作情報が、順番に出現すること」を示す。なお、(1)(2)(3)の各操作情報の間に他の操作情報が含まれても良い。また、「ID=2」の強度条件「3以上」は、強度情報が3以上であることを示す。
【0169】
なお、強度情報は、
図10の強度管理表を参照して、決定される。強度管理表は、「ID」「強度条件」「強度情報」を有する2以上のレコードを有する。「ID」はレコードを識別する情報である。「強度条件」は、強度情報を決定するための条件である。例えば、強度条件「1分<滞在時間<=3分」は、着目するページの滞在時間が「1分より長く、3分以下である」という条件である。「強度情報」は、対になる強度条件を満たした場合に取得される強度情報である。なお、着目するページとは、操作条件において最後にジャンプしたページ(例えば、「ID=2」のレコードにおける「おすすめページ」)である。また、ここでの強度元情報は、滞在時間である。
【0170】
第一対応情報管理表の「ID=2」のレコードの「ユーザ属性値条件」は、当該ユーザの動的属性値「総購入金額」が10,000円以上であることである。また、第一対応情報管理表の「ID=2」のレコードのアクション情報を構成する「$商品名=get_goodsname()」は、着目するページに表示されている1以上の商品名を取得する関数である。」また、当該アクション情報を構成する「recommend($商品名)」は、取得した1以上の商品名に関連する商品の情報を格納部11または図示しない記録媒体から取得し、端末装置2に送信すること(レコメンドすること)を行う関数である。つまり、「ID=2」のレコードは、「何か買いたいが、具体的には決まっていない」という意図を持ったユーザであり、今までの総購入金額が1万円以上のユーザに対して、閲覧している商品に関連する商品をレコメンドすることを実現するレコードである。
【0171】
第一対応情報管理表の「ID=3」のレコードの「操作条件」は、一のユーザ識別子に対応する特定に期間の操作情報において、「search($商品名)」に合致する操作情報が5回以上出現すること(5回以上、商品を検索したこと)を示す。当該レコードの強度条件「3以上」は、ここでは、同じ商品名での検索が3回以上であることを示す。つまり、ここでの強度情報は、「強度情報=同じ商品名で検索した最大回数」により取得される、とする。また、当該レコードのアクション情報「send(チャット案内)」は、「詳細を店員に確認できます」という旨のチャット案内を端末装置2に送信することを示す。つまり、「ID=3」のレコードは、「欲しい商品がある」という意図を持ったユーザであり、強度条件が3以上の意図が感じられる場合に、上記のチャット案内を端末装置2に送信することを実現するレコードである。なお、かかるチャット案内は、格納部11に格納されている。
【0172】
第一対応情報管理表の「ID=4」のレコードの「操作条件」は、(1)(2)の順で操作情報が出現し、かつ(2)のページ(未入荷ページ)での滞在時間が1分以下であったことを示す。つまり、操作条件は、ユーザの1以上の動的属性値(例えば、リアルタイム動的属性値であり、ここでは、滞在時間)を含む条件でも良い。当該レコードのアクション情報「send(入荷メール登録案内)」は、入荷メールの登録案内を端末装置2に送信する関数である。つまり、「ID=4」のレコードは、「商品の入荷を待っている」という意図を持ったユーザであり、購入回数が1回以上のユーザである場合に、入荷メールの登録案内を、当該ユーザの端末装置2に送信することを実現するレコードである。なお、入荷メールの登録案内は、格納部11に格納されている。
【0173】
第一対応情報管理表の「ID=5」のレコードの「操作条件」は、一のユーザ識別子に対応する変数「$お気に入り商品数」が5以上である状況で、バッファ「お気に入り商品」に入った商品を購入したり、お気に入りから除いたりすることなく、ログアウトされたことを示す。また、当該レコードのアクション情報は、変数「$お気に入り商品」に入っている商品名がセール商品となった場合に、セール案内を端末装置2に送信する処理を示す。なお、「sale_goods($お気に入り商品)」は、変数「$お気に入り商品」に入っている商品名に対応する商品がセール商品であるか否かを示す値を返す関数である。「send(セール案内)」は、セール案内を端末装置2に送信する関数である。つまり、「ID=5」のレコードは、「後のセールでお気に入り商品が安くなることを待っている」という意図を持ったユーザの端末装置2に、お気に入り商品がセールになった場合に、セール案内を送信することを実現するレコードである。なお、セール案内は、格納部11に格納されている。
【0174】
第一対応情報管理表の「ID=6」のレコードは、一のユーザ識別子に対応する特定に期間の操作情報において、「search($商品名)」に合致する操作情報が20回以上出現し、かつ抽象度情報が5以上であるという抽象度条件を満たした場合に、端末装置2にチャット案内を送信することを実現するレコードである。
【0175】
なお、抽象度情報は、
図11の抽象度管理表を参照して、決定される。抽象度管理表は、「ID」「抽象度条件」「抽象度情報」を有する2以上のレコードを有する。抽象度条件「3<=商品名数<=5」は、検索した商品名の数が3以上、5以下であることを示す。つまり、多数の種類の商品を検索しているほど、欲しい商品が具体化していない(抽象的である)ことを示す。
【0176】
第二対応情報管理表(
図9)は、「対応情報」「ユーザ意図」を有する1以上のレコードを管理する表である。ここでの「対応情報」は、「意図識別子」「意図パターン」「アクション情報」を有する。「意図パターン」は、1以上の意図識別子を有する条件である。「意図パターン」は、2以上の意図識別子のみで構成された条件でも良いし、1以上の意図識別子と1以上の操作情報とを用いた条件でも良い。
【0177】
図9の「ID=1」のアクション情報は、意図識別子「1」「3」の両方に合致したユーザの端末装置2に、10%割引きチケットを送信することを示す。つまり、
図9の「ID=1」のレコードは、欲しい商品があり、かつセールで買いたいという意図を有するユーザの端末装置2に、10%割引きチケットを送信することを実現するレコードである。
【0178】
図9の「ID=2」のレコードは、「セール商品が買いたい」という意図があるユーザであり、商品を検索したユーザに対して、その検索した商品がセール商品である場合、セール商品のページのURL(セール商品URL)を送信することを実現するレコードである。
【0179】
また、操作格納部113には、
図12に示す構造を有する操作情報管理表が格納されている。操作情報管理表は、操作蓄積部131が蓄積した操作情報等が管理される表である。操作情報管理表は、「ID」「ユーザ識別子」「時情報」「ページ識別子」「操作情報」を有する1以上のレコードを管理する。
【0180】
さらに、意図格納部114には、
図13に示す構造を有するユーザ意図管理表が格納されている。意図管理表は、意図蓄積部133が蓄積した情報であり、ユーザ識別子に対応する意図識別子等が管理される表である。ユーザ意図管理表は、「ID」「ユーザ識別子」「意図識別子」「時情報」「ページ識別子」を有する1以上のレコードを有する。
【0181】
かかる状況において、情報システムAは、以下のように動作する。つまり、ユーザ(ここでは、山田A夫)は、端末装置2を用いて、一のウェブサーバBにアクセスし、商品情報の検索、閲覧、購入等を行うものとする。
【0182】
そして、端末装置2は、当該ユーザからの入力を受け付け、1以上の操作情報をウェブサーバBに送信する。また、端末装置2は、当該1以上の操作情報を情報処理装置1に送信する。
【0183】
そして、情報処理装置1の受信部12は、当該1以上の操作情報を、ユーザ識別子「P001」に対応付けて、受信する。操作蓄積部131は、受信された操作情報に対応付くユーザ識別子「P001」を取得する。次に、操作蓄積部131は、図示しない時計から時刻(時情報(例えば、2022/3/31 20:15:38))を取得する。また、操作蓄積部131は、受信された操作情報に対応付くページ識別子(ユーザが操作したページの識別子(例えば、「Top_page」))を取得する。また、操作蓄積部131は、受信された操作情報(例えば、「access(top_page)」)を取得する。次に、操作蓄積部131は、蓄積する情報を構成する。次に、操作蓄積部131は、構成した情報を、操作情報管理表に蓄積する(
図12参照)。かかるレコードは、「ID=692」のレコードである。
【0184】
また、決定部132は、蓄積された操作情報を用いて、意図識別子を決定しようとする。つまり、決定部132は、
図4のフローチャートに従って、意図識別子を決定しようとする。しかし、ここで、決定部132は、意図識別子を決定できなかった、とする。
【0185】
次に、ユーザは、「top_pag」で識別されるトップページの商品検索フィールドに「パソコン」を入力し、検索ボタンを指示した、とする。すると、端末装置2は、かかる指示を受け付け、操作情報「search(“パソコン”)」を構成し、一のウェブサーバBに送信する。その結果、端末装置2は、検索結果を当該ウェブサーバBから受信し、出力する。
【0186】
また、端末装置2は、操作情報「search(“パソコン”)」を情報処理装置1に送信する。
【0187】
次に、情報処理装置1の受信部12は、ユーザ識別子「P001」に対応付けて、操作情報「search(“パソコン”)」を受信する。操作蓄積部131は、受信された操作情報に対応付くユーザ識別子「P001」を取得する。次に、操作蓄積部131は、図示しない時計から時刻(時情報(例えば、2022/3/31 20:15:50))を取得する。また、操作蓄積部131は、受信された操作情報に対応付くページ識別子(例えば、「Top_page」)を取得する。また、操作蓄積部131は、受信された操作情報「search(“パソコン”)」を取得する。次に、操作蓄積部131は、蓄積する情報を構成する。次に、操作蓄積部131は、構成した情報を、操作情報管理表(
図12)に蓄積する。かかるレコードは、「ID=693」のレコードである。
【0188】
次に、決定部132は、蓄積された操作情報を用いて、意図識別子を決定しようとする。つまり、決定部132は、
図4のフローチャートに従って、意図識別子を決定しようとする。つまり、決定部132は、ユーザ識別子「P001」と対になる1以上の操作情報を操作情報管理表から取得する。
【0189】
そして、決定部132は、第一対応情報管理表の各レコードに、取得した1以上の操作情報が合致するか否かを判断する。ここで、決定部132は、新たに受信した操作情報「search(“パソコン”)」により、「ID=3」の操作条件「出現回数(search($商品名))>=5」を満たすに至った、とする。また、決定部132は、強度情報は、「強度情報=同じ商品名で検索した最大回数=3」となり、強度条件「3以上」を満たした、とする。
【0190】
次に、決定部132は、ユーザ識別子「P001」と対になる意図識別子「1」をユーザ意図管理表(
図13)から取得する。そして、決定部132は、ユーザ識別子「P001」と対になる意図識別子「1」と「3」とを取得したこととなる。
【0191】
次に、決定部132は、意図識別子「1」と「3」とが合致する意図パターンに対応する意図識別子「A」を、第二対応情報管理表から取得する。
【0192】
次に、意図蓄積部133は、時情報「2022/3/31 20:15:50」、ページ識別子「Top_page」とを取得する。次に、意図蓄積部133は、当該時情報と当該ページ識別子を有するレコードであり、新たに取得された意図識別子「3」と「A」とを、各々、有する2つのレコードを、ユーザ識別子「P001」と対にして、
図13のユーザ意図管理表に蓄積する。なお、かかるレコードは、「ID=58.59」のレコードである。
【0193】
次に、アクション部135は、意図識別子「3」と対になるアクション情報「send(チャット案内)」を、
図8の第一対応情報管理表から取得する。次に、アクション部135は、アクション情報「send(チャット案内)」を実行する。つまり、アクション部135は、チャット案内を格納部11から読み出し、操作情報を送信した端末装置2(ユーザ識別子「P001」に対応する端末装置2)に、当該チャット案内を送信する。
【0194】
また、アクション部135は、意図識別子「A」と対になるアクション情報「send(10%割引チケット,$商品名)」を、
図9の第二対応情報管理表から取得する。次に、アクション部135は、取得されたアクション情報の中の変数「$商品名」を取得する。次に、アクション部135は、変数「$商品名」に代入される商品名「パソコン」を、操作情報「search(“パソコン”)」から取得する。次に、アクション部135は、変数「$商品名」に商品名「パソコン」を代入し、実行するアクション情報「send(10%割引チケット,パソコン)」を構成する。次に、アクション部135は、アクション情報「send(10%割引チケット,パソコン)」を実行する。つまり、アクション部135は、パソコンを10%割引するチケットの情報を構成し、当該情報を、操作情報を送信した端末装置2(ユーザ識別子「P001」に対応する端末装置2)に送信する。
【0195】
次に、ユーザ識別子「P001」に対応する端末装置2は、チャット案内を受信し、出力する。また、当該端末装置2は、パソコンを10%割引するチケットの情報を受信し、出力する。
【0196】
以上の処理により、情報処理装置1は、端末装置2におけるユーザの操作に基づいた意図を推定し、当該意図に対応する適切なサービスをユーザに提供できる。
【0197】
以上、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【0198】
また、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図と強度とを推定し、当該意図と当該強度に対応する適切なアクションを行える。
【0199】
また、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図とその抽象度とを推定し、当該意図と当該抽象度に対応する適切なアクションを行える。
【0200】
また、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応するアクションであり、操作情報から取得された固有情報を用いた適切なアクションを行える。
【0201】
また、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づくユーザの複数の意図を推定し、当該複数の意図に対応する適切なアクションを行える。
【0202】
さらに、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作のパターンに基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【0203】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、1以上の操作情報に基づく意図識別子とユーザの端末装置に対して行うアクションを特定するアクション情報との対応を示す1以上の対応情報が格納される対応格納部にアクセス可能なコンピュータを、ユーザ識別子に対応付く1または2以上の操作情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する決定部と、前記対応格納部を参照し、前記決定部が決定した前記意図識別子に対応するアクション情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記アクション情報が特定するアクションを、前記ユーザ識別子に対応する端末装置に対して行うアクション部として機能させるためのプログラムである。
【0204】
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、意図識別子の決定のために、機械学習のアルゴリズムを用いる点である。
【0205】
つまり、本実施の形態において、情報処理装置は、1以上の操作情報を有する2以上の教師データを用いて取得したモデルを用いて、意図識別子を取得する。
【0206】
本実施の形態における情報システムBの概念図は、情報処理装置3の符号を除いて、
図1と同じである。なお、情報処理装置3は、操作情報に基づいて、端末装置2に対して、アクションを行う装置である。情報処理装置3は、通常、いわゆるサーバである。情報処理装置3は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等であるが、その種類は問わない。なお、情報処理装置3は、ウェブサーバを兼ねていても良い。
【0207】
情報処理装置3と1以上の各端末装置2とは、インターネット等のネットワークにより通信可能である。また、1以上の各端末装置2と図示しない1以上の各ウェブサーバとも、インターネット等のネットワークにより通信可能であっても良い。さらに、情報処理装置3は、ウェブサーバBと、インターネット等のネットワークにより通信可能であることは好適である。
【0208】
図14は、本実施の形態における情報システムBのブロック図である。情報システムBは、情報処理装置3、および1または2以上の端末装置2を備える。
【0209】
情報処理装置3は、格納部31、受信部12、処理部33、および送信部14を備える。格納部31は、ユーザ格納部111、対応格納部112、モデル格納部311、操作格納部113、および意図格納部114を備える。処理部33は、学習部330、操作蓄積部131、決定部332、意図蓄積部133、情報取得部134、およびアクション部135を備える。
【0210】
情報処理装置3を構成する格納部31には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、2以上の教師データ、後述するモデル、ユーザ情報、対応情報、操作情報、意図識別子である。
【0211】
2以上の教師データは、後述するモデルを構成するための情報である。多値分類のモデルを取得するための2以上の各教師データは、説明変数である1以上の操作情報と、目的変数である意図識別子とを有する。かかる教師データは、いずれの意図識別子にも該当しない旨の目的変数の値を有することは好適である。二値分類のモデルを取得するための2以上の教師データは、意図識別子ごとに、正例である1以上の操作情報と、負例である1以上の操作情報とを有する。
【0212】
モデル格納部311には、1または2以上のモデルが格納される。モデルは、学習器、予測器、学習モデル、予測モデル等と言っても良い。モデルは、2以上の教師データを用いた機械学習の学習処理により構成される情報である。モデルは、意図識別子を取得するために、機械学習の予測処理に利用される情報である。モデルは、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により取得された情報である。
【0213】
モデルは、例えば、1以上の操作情報を用いて、2以上の意図識別子から一の意図識別子を予測するための情報である。かかる場合のモデルは、いわゆる多値分類のためのモデルである。モデルは、例えば、1以上の操作情報を用いて、一の意図識別子に該当するか否かを予測するための情報である。かかる場合のモデルは、いわゆる二値分類のためのモデルである。モデルが二値分類のモデルである場合、モデル格納部311には、各々、異なる意図識別子に対応付いた2以上のモデルが格納される。
【0214】
なお、ここでの機械学習のアルゴリズムは、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、TensorFlowのライブラリ、R言語のrandom forestのモジュール、fastText、TinySVM等の各種の機械学習の関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。
【0215】
処理部33は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、学習部330、操作蓄積部131、決定部332、意図蓄積部133、情報取得部134、アクション部135が行う処理である。
【0216】
学習部330は、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、モデルを取得する。学習部330は、当該モデルをモデル格納部311に蓄積する。なお、情報処理装置3が学習処理を行わない場合、学習部330は不要である。
【0217】
学習部330は、例えば、多値分類用の2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、多値分類用のモデルを取得する。
【0218】
また、学習部330は、例えば、2以上の各意図識別子ごとに、当該意図識別子に対応する二値分類用の2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、二値分類用のモデルを取得する。
【0219】
決定部332は、受信部12が受信した1以上の操作情報に対応する意図識別子を決定する。決定部332は、受信部12が受信した1以上の操作情報と格納部31のモデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、意図識別子を決定する。
【0220】
決定部332は、例えば、受信部12が受信した1以上の操作情報と、多値分類用のモデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、意図識別子を決定する。
【0221】
決定部332は、例えば、2以上の各意図識別子ごとに、受信部12が受信した1以上の操作情報と、当該意図識別子と対になるモデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、当該意図識別子に該当するか否かを決定する。そして、決定部332は、該当すると予測されたモデルに対応する意図識別子を取得する。なお、決定部332は、機械学習の予測処理により、スコアを取得し、該当するとの予測結果であり、スコアが取得条件を満たすモデルに対応する意図識別子を取得する。取得条件とは、意図識別子を取得するための条件である。取得条件は、例えば、スコアが閾値以上であること、スコアが最高値であることである。
【0222】
格納部31、およびモデル格納部311は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0223】
格納部31等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部31等で記憶されるようになっても良く、通信回線等を介して送信された情報が格納部31等で記憶されるようになっても良く、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部31等で記憶されるようになっても良い。
【0224】
受信部12、および端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0225】
処理部33、学習部330、および決定部332は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部33等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0226】
次に、情報システムBを構成する情報処理装置3の動作例について説明する。なお、情報処理装置3の動作例は、
図3のフローチャートにおける動作と比較して、S305の意図決定の動作が異なるだけである。そこで、ここでの意図決定の動作例について、
図15のフローチャートを用いて説明する。なお、
図15のフローチャートは、2以上の二値分類のモデルを用いる場合である。
【0227】
(ステップS1501)決定部332は、カウンタiに1を代入する。
【0228】
(ステップS1502)決定部332は、i番目の意図識別子が存在するか否かを判断する。i番目の意図識別子が存在する場合はステップS1503に行き、存在しない場合はステップS1508に行く。
【0229】
(ステップS1503)決定部332は、i番目の意図識別子と対になるモデルをモデル格納部311から取得する。
【0230】
(ステップS1504)決定部332は、ステップS1503で取得したモデルと、1以上の操作情報とを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する。なお、ここで、決定部332は、スコアをも取得することは好適である。また、予測結果は、例えば、意図識別子に該当する場合は「1」、該当しない場合は「0」である、とする。
【0231】
(ステップS1505)決定部332は、ステップS1504で取得した予測結果が「1」である場合はステップS1506に行き、「0」である場合はステップS1507に行く。
【0232】
(ステップS1506)決定部332は、i番目の意図識別子とスコアとを図示しないバッファに一時蓄積する。なお、ここで、決定部332は、i番目の意図識別子のみ蓄積しても良い。
【0233】
(ステップS1507)決定部332は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1502に戻る。
【0234】
(ステップS1508)決定部332は、取得条件に合致する意図識別子を、図示しないバッファから取得する。なお、ここで、決定部332は、意図識別子を取得できない場合もある。また、図示しないバッファにスコアが存在しない場合、ここで、決定部332は、図示しないバッファのすべての意図識別子を取得する。
【0235】
なお、
図15のフローチャートにおいて、多値分類のモデルを使用する場合は、決定部332は、以下のように動作する。つまり、決定部332は、1以上の操作情報と、格納部31のモデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、意図識別子を取得する。なお、ここで、決定部332は、何らの意図も無い旨の情報を取得しても良い。
【0236】
以上、本実施の形態によれば、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、機械学習のアルゴリズムにより、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行える。
【0237】
なお、
図16は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の情報処理装置1、情報処理装置3等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図16は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図17は、システム300のブロック図である。
【0238】
図16において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0239】
図17において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0240】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の情報処理装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0241】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の情報処理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0242】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0243】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であっても良く、複数であっても良い。すなわち、集中処理を行っても良く、あるいは分散処理を行っても良い。
【0244】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0245】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されても良く、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されても良い。
【0246】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0247】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置は、ウェブページに対するユーザの操作に基づいて、ユーザの意図を推定し、当該意図に対応する適切なアクションを行えるという効果を有し、ECサイトを支援するサーバ置等として有用である。
【符号の説明】
【0248】
A、B 情報システム
1、3 情報処理装置
1 サーバ装置
2 端末装置
11、31 格納部
12 受信部
13、33 処理部
14 送信部
21 端末格納部
22 端末受付部
23 端末処理部
24 端末送信部
25 端末受信部
26 端末出力部
111 ユーザ格納部
112 対応格納部
113 操作格納部
114 操作情報格納部
114 意図格納部
131 操作蓄積部
132、332 決定部
133 意図蓄積部
134 情報取得部
135 アクション部
311 モデル格納部
330 学習部