特開 2023-172005 回転刃及び二軸回転式破砕装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023172005

(43)【公開日】2023-12-06

(54)【発明の名称】回転刃及び二軸回転式破砕装置

(51)【国際特許分類】

   B02C 18/18 20060101AFI20231129BHJP

   B02C 18/14 20060101ALI20231129BHJP

【ＦＩ】

B02C18/18 B

B02C18/14 B

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022083539

(22)【出願日】2022-05-23

(71)【出願人】

【識別番号】000001052

【氏名又は名称】株式会社クボタ

(74)【代理人】

【識別番号】100107478

【弁理士】

【氏名又は名称】橋本 薫

(72)【発明者】

【氏名】中山 裕也

(72)【発明者】

【氏名】白井 淳彦

【テーマコード（参考）】

4D065

【Ｆターム（参考）】

4D065CA12

4D065CA17

4D065CB02

4D065CC01

4D065CC08

4D065DD08

4D065DD19

4D065DD30

4D065EC02

4D065EC07

4D065EC09

4D065ED06

4D065ED29

4D065EE07

4D065EE12

4D065EE15

(57)【要約】

【課題】一種類の回転刃を用いることでコストを低減させながらも、破砕処理物の回転刃同士の間からの良好な離脱特性を実現できる回転刃を提供する。
【解決手段】回転可能な回転軸に取り付けられ、他の回転刃または固定刃との間で被処理物を破砕する回転刃であって、前記回転軸に固定される基部と、前記基部の外周端縁に配置される刃部と、を備え、前記基部の前記回転軸に沿う方向の長さが、前記刃部の前記回転軸に沿う方向の長さよりも短くなるように構成されている。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

回転可能な回転軸に取り付けられ、他の回転刃または固定刃との間で被処理物を破砕する回転刃であって、
前記回転軸に固定される基部と、前記基部の外周端縁に配置される刃部と、を備え、
前記基部の前記回転軸に沿う方向の長さが、前記刃部の前記回転軸に沿う方向の長さよりも短くなるように構成されている回転刃。

【請求項2】

前記刃部は、前記基部よりも前記回転軸に沿う両方向に突出するように延在している請求項１記載の回転刃。

【請求項3】

前記刃部は、前記基部の外周端縁の全周に亘って配されている請求項１記載の回転刃。

【請求項4】

前記基部と前記刃部はともに板状体で構成され、前記基部の厚みより前記刃部の厚みが薄く形成されるとともに、前記刃部の前記回転軸に沿う方向の長さが一定に形成されている請求項１記載の回転刃。

【請求項5】

前記刃部は、複数枚の板状体で構成され、前記基部の外周端縁に溶接により固定されている請求項１記載の回転刃。

【請求項6】

前記回転軸方向視で、前記基部は周方向に沿って等間隔に三つの頂部と谷部が交互に形成され、各頂部と各谷部との間に鋭角のフック部が形成されている請求項１記載の回転刃。

【請求項7】

平行に配置された一対の回転軸の其々に、請求項１から６の何れかに記載の回転刃が互いに交差するように、各回転軸に沿って一定の間隔を隔てて配置されている二軸回転式破砕装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、回転刃及び二軸回転式破砕装置に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、外周部にほぼ等間隔で配置された複数の刃先を有する回転刃プレートを同軸上にほぼ一定間隔で多数配列して成る少なくとも２つ一組のローターと、その一組のローターを互いに反対方向へ回転させるための駆動手段とを備え、一組のローターは刃先の回転軌跡が相手側ローターの回転刃プレートどうしの間を通るように配置され、このローター上に投下された処理物を、少なくともローターが正転方向へ回転する正転時において回転刃プレートで剪断又は破砕するように構成し、回転刃プレートの刃先円を一組のローター相互に異ならせた破砕装置が開示されている。

【0003】

当該破砕装置によれば、刃先円が小さい方の刃先の破砕力は、刃先円が大きい方の刃先の破砕力より強くなるので、刃先円が小さい刃先を持つ側のローターは、比較的硬質の物や大型の物を剪断破砕するのに適し、刃先円が大きい刃先を持つローターは比較的軟質の処理物を高速で能率良く処理すると共に刃先円が小さい刃先を持つ側のローターが破砕した処理物を二次的に破砕することができる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２００１－３３４１５９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかし、上述の特許文献１に記載された破砕装置では、回転刃プレートの刃先円を一組のローター相互に異ならせるために、形状が異なる二種類の回転刃を準備する必要があり、部品点数の増加により部品コスト及び管理コストが上昇するという問題があった。

【0006】

また、其々の回転刃により破砕される対象物が、硬質で大型の処理物と軟質の処理物で異なるため、何れか一方の処理物が破砕される場合に、回転刃間における破砕負荷に不均衡が生じ、破砕効率の低下や回転刃の損耗の程度に差が生じるという問題もあった。

【0007】

さらには、回転刃を構成するベース部と刃先のローターに沿う方向の長さ、つまり厚みが等しいため、破砕された処理物がローター間で隣接する回転刃の間に噛み込まれて、回転に伴う負荷が増大したり回転がロックされる虞があるという問題もあった。

【0008】

本発明は、上述した問題点に鑑み、一種類の回転刃を用いることでコストを低減させながらも、破砕処理物の回転刃同士の間からの良好な離脱特性を実現できる回転刃及び二軸回転式破砕装置を提供する点にある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上述の目的を達成するため、本発明による回転刃の第一の特徴構成は、回転可能な回転軸に取り付けられ、他の回転刃または固定刃との間で被処理物を破砕する回転刃であって、前記回転軸に固定される基部と、前記基部の外周端縁に配置される刃部と、を備え、前記基部の前記回転軸に沿う方向の長さが、前記刃部の前記回転軸に沿う方向の長さよりも短くなるように構成されている点にある。

【0010】

回転刃は基部と刃部とで構成され、基部が回転軸に固定されるとともに基部の外周端縁に刃部が配置される。そして、基部の回転軸に沿う方向の長さ、つまり厚みが、刃部の回転軸に沿う方向の長さ、つまり幅よりも短くなる。当該回転刃の刃部と他の回転刃の刃部または固定刃の刃部との間で破砕され、回転方向に引き込まれた破砕処理物は、刃部の幅よりも厚みが薄い基部により形成される空間を介して下方に容易く抜け出して落下するため、噛み込みが発生する頻度が大きく低減される。

【0011】

同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記刃部は、前記基部よりも前記回転軸に沿う両方向に突出するように延在している点にある。

【0012】

刃部の幅よりも薄肉に形成された基部の回転軸に沿う方向の両側に、破砕処理物が抜け出す空間を確保することができる。

【0013】

同第三の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記刃部は、前記基部の外周端縁の全周に亘って配されている点にある。

【0014】

回転刃の回転方向に向かう全域に配置される刃部により、処理物が効率的に破砕される。

【0015】

同第四の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記基部と前記刃部はともに板状体で構成され、前記基部の厚みより前記刃部の厚みが薄く形成されるとともに、前記刃部の前記回転軸に沿う方向の長さが一定に形成されている点にある。

【0016】

基部を厚肉に構成して十分な強度を確保しつつ刃部を薄肉に形成することで、全体として回転刃を軽量化でき、回転軸に沿う方向の長さが一定の刃部により処理物が効率的に破砕される。

【0017】

同第五の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記刃部は、複数枚の板状体で構成され、前記基部の外周端縁に溶接により固定されている点にある。

【0018】

刃部を複数枚の板状体で構成して、基部の外周端縁に溶接により固定することで、回転軸方向視で複雑な形状の回転刃であっても容易に製造できる。

【0019】

同第六の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記回転軸方向視で、前記基部は周方向に沿って等間隔に三つの頂部と谷部が交互に形成され、各頂部と各谷部との間に鋭角のフック部が形成されている点にある。

【0020】

回転刃の回転に伴ってフック部で処理物を引っ掛けて谷部に巻き込むことにより効率的に破砕することができる。

【0021】

本発明による二軸回転式破砕装置の第一の特徴構成は、平行に配置された一対の回転軸の其々に、上述した第一から第六の何れかの特徴構成を備えた回転刃が互いに交差するように、各回転軸に沿って一定の間隔を隔てて配置されている点にある。

【0022】

一対の回転軸の其々に配された回転刃同士の交差部で処理物を効率的に破砕することができる。

【発明の効果】

【0023】

以上説明した通り、本発明によれば、一種類の回転刃を用いることでコストを低減させながらも、破砕処理物の回転刃同士の間からの良好な離脱特性を実現できる回転刃及び二軸回転式破砕装置を提供することができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】（ａ）は二軸回転式破砕装置の側面図、（ｂ）は二軸回転式破砕装置の要部の平面図

【図2】（ａ）は二軸回転式破砕装置の破砕室の要部平断面図、（ｂ）は図２（ａ）のＡ－Ａ線断面図、（ｃ）は図２（ａ）のＢ－Ｂ線断面図

【図3】（ａ）は図２（ｃ）のＣ－Ｃ線断面図、（ｂ）は図３（ａ）のＤ－Ｄ線断面図

【図4】（ａ）は回転刃の正面図、（ｂ）は刃部が溶着される前の基部の正面図、（ｃ）は回転刃の平面図、（ｄ）は回転刃の底面図、（ｅ）は回転刃の右側面図、（ｆ）は図５（ａ）のＥ－Ｅ線断面図

【図5】（ａ）は回転刃の斜視図、（ｂ）は一対の回転軸に固定され、隣接する回転刃及びスペーサの回転軌跡の説明図

【図6】（ａ），（ｂ）は、回転軸に取付けられる回転刃の位相を調節するための二種類の態様の説明図

【発明を実施するための形態】

【0025】

以下に本発明による回転刃及び二軸回転式破砕装置の好ましい実施形態を説明する。
［二軸回転式破砕装置の構成］
図１（ａ），（ｂ）には、二軸回転式破砕装置１の一例が示されている。二軸回転式破砕装置１は、処理物が投入されるホッパー部２と、ホッパー部２に投入された処理物を破砕する破砕部３とを備えている。
破砕部３の側方（Ｘ軸方向）には、インバータ駆動される一対の駆動モータ４Ａ，４Ｂが配され、駆動モータ４Ａ，４Ｂの出力軸が減速機５Ａ，５Ｂ及び駆動連結機構６Ａ，６Ｂを介して二軸回転式破砕装置１の回転軸８Ａ，８Ｂに駆動連結されている。

【0026】

図２（ａ），（ｂ），（ｃ）及び図３（ａ），（ｂ）には、破砕部３の要部の構造が示されている。
破砕部３は、略直方体のフレーム３ＦのＹ軸方向に沿う対向辺部に其々設けた軸受け７Ａ，７Ｂにより、二本の回転軸８Ａ，８Ｂが互いに平行姿勢で回転可能に支持されている。回転軸８Ａ，８Ｂの其々には、６枚の回転刃１０Ａ，１０Ｂがスペーサ９Ａ，９Ｂを介して所定間隔を保つように、そして各回転刃１０Ａ，１０Ｂの先端が交互に交差するように配置されている。
また、フレーム３ＦのＸ軸方向に沿う対向辺部に、各回転刃１０Ａ，１０Ｂの隙間に配された固定刃１１Ａ，１１Ｂを備えている。

【0027】

各回転軸８Ａ，８Ｂの断面は正六角形に形成され、各回転刃１０Ａ，１０Ｂは中心に形成された正六角形の孔部１０Ｃを介して各回転軸８Ａ，８Ｂに挿通されることにより、回転軸８Ａ，８Ｂと一体に回転するように構成されている。

【0028】

スペーサ９Ａ，９Ｂは、中心に正六角形の孔部９Ｃが形成された円筒体で構成され、各回転軸８Ａ，８Ｂに挿通することにより回転軸８Ａ，８Ｂと一体に回転する。円筒のスペーサ９Ａ，９Ｂの外周部には、周方向に６本の角材９Ｄが均等に配されている。

【0029】

回転軸８Ａ，８Ｂの端部にスラストロック機構８Ｃを備えている。スラストロック機構８Ｃは、回転軸８Ａ，８Ｂの一端から６枚の回転刃１０Ａ，１０Ｂを挿通させた後に、被押圧リングを嵌め込み、さらに回転軸８Ａ，８Ｂの一端に形成された溝部に押圧リングを係止し、押圧リングの周部に配した複数のボルトを締め付けて、被押圧リングを回転刃１０Ａ，１０Ｂ側に押し付けることにより、各回転刃１０Ａ，１０Ｂを其々の回転軸８Ａ，８Ｂに締付固定する機構である。

【0030】

各回転軸８Ａ，８Ｂより上方（Ｚ軸方向）の破砕空間で、各回転刃１０Ａ，１０Ｂを中心方向に向かうように互いに反対方向に回転駆動することにより、ホッパー部２に投入された処理物が各回転刃１０Ａ，１０Ｂによって剪断力または打撃力などにより破砕されて、破砕部３の下方に落下する。

【0031】

なお、各回転刃１０Ａ，１０Ｂの交差領域の下方には、回転に伴って各回転刃１０Ａ，１０Ｂの刃先同士の間に形成される空間であるポケットＰに処理物が落下しないように受け止めるスクリーン１２が配置されている。

【0032】

万一、処理物が各回転刃１０Ａ，１０Ｂに噛み込まれてロックされるような場合には、各回転刃１０Ａ，１０Ｂが反対方向に回転駆動されてロックが解消される。このとき、各回転刃１０Ａ，１０Ｂと各固定刃１１Ａ，１１Ｂとの間で処理物が破砕されるように構成されている。

【0033】

［回転刃の構成］
回転刃１０Ａ，１０Ｂは共に同一形状に構成されているため、以下では回転刃１０Ａについて説明する。回転刃１０Ａは、上述した回転軸８Ａに回転可能に取り付けられ、他の回転刃１０Ｂまたは固定刃１１Ｂとの間で被処理物を破砕する刃物である。

【0034】

図４（ａ）から（ｆ）及び図５（ａ），（ｂ）には、回転刃１０Ａが示されている。
回転刃１０Ａは、回転軸８Ａ（図２（ａ）参照）に固定される基部１０Ｄと、基部１０Ｄの外周端縁に配置される刃部１０Ｅと、を備え、基部１０Ｄの回転軸８Ａに沿う方向の長さ、つまり厚みＬ１が、刃部１０Ｅの回転軸８Ａに沿う方向の長さ、つまり幅Ｌ２よりも短くなるように構成されている（図４（ｆ）参照）。

【0035】

具体的に、基部１０Ｄは厚みＬ１が８０ｍｍの一般構造用圧延鋼材ＳＳで構成され、刃部１０Ｅは幅Ｌ２が１００ｍｍ、厚みが２５ｍｍの複数枚の耐摩耗鋼板で構成され、刃部１０Ｅは、基部１０Ｄよりも回転軸８Ａに沿う両方向に均等に１０ｍｍ突出するように延在している。また、回転刃１０Ａの径は９００ｍｍに設定されている。なお、本発明に配転刃は、これらの数値に限定されるものではなく、適宜設定されるものであることは言うまでもない。

【0036】

回転刃１０Ａの刃部１０Ｅと他の回転刃１０Ｂの刃部または固定刃１１Ｂの刃部との間で破砕され、回転方向に引き込まれた破砕処理物は、刃部１０Ｅの幅Ｌ２よりも厚みＬ１が薄い基部１０Ｄにより形成される空間ＳＰを介して下方に容易く抜け出して落下するため、噛み込みが発生する頻度が大きく低減される。

【0037】

また、刃部１０Ｅは、基部１０Ｄよりも回転軸８Ａに沿う両方向に突出するように延在しているため、破砕処理物が下方に抜け出す空間ＳＰが基部１０Ｄの両側面に確保されるようになる。

【0038】

図４（ｂ）に示すように、一般構造用圧延鋼材ＳＳで形成された多角形の板状体を、レーザ加工機などを用いて切削加工することにより基部１０Ｄが形成される。図４（ａ）に示すように、基部１０Ｄの外周端縁の略全周に亘って板状の耐摩耗鋼板でなる刃部１０Ｅを溶接により固定することで、回転軸方向視で複雑な形状の回転刃であっても容易に回転刃１０Ａを製造できる。

【0039】

つまり、基部１０Ｄと刃部１０Ｅはともに板状体で構成され、基部１０Ｄの厚みより刃部１０Ｅの厚みが薄く形成されるとともに、刃部１０Ｅの回転軸８Ａに沿う方向の長さＬ２が一定に形成されている。

【0040】

基部１０Ｄを厚肉に構成して十分な強度を確保しつつ刃部１０Ｅを薄肉に形成することで、全体として回転刃１０Ａを軽量化が確保されている。
正六角形の孔部１０Ｃの左右側部に形成された微小な一対の孔１０Ｈは、スペーサ９Ａの位置決め及び回転刃１０Ａの回転軸８Ａへの取付位相を決定する基準孔１０Ｈである。

【0041】

回転軸方向視で、基部１０Ｄは周方向に沿って等間隔に三つの頂部１０Ｆと谷部１０Ｇが交互に形成され、各頂部１０Ｆと各谷部１０Ｇとの間に鋭角のフック部１０Ｉが形成されている。フック部１０Ｉと谷部１０Ｇとの角度は略直角に設定されている。

【0042】

回転刃１０Ａの回転に伴ってフック部１０Ｉで処理物を引っ掛けて谷部１０Ｇに巻き込むことにより処理物が破砕される。

【0043】

なお、基部１０Ｄの外周端縁の一部に刃部１０Ｅが存在しない微小な領域が存在してもよいが、そのような領域は、実質的に破砕に大きく寄与することが無い少なくとも谷部１０Ｇに限られ、各頂部１０Ｆ及びフック部１０Ｉは刃部１０Ｅで覆われている必要がある。

【0044】

［回転刃の配列］
回転刃１０Ａ，１０Ｂは、各頂部１０Ｆが回転軸８Ａ，８Ｂの軸心方向にランダムに位置するように、回転軸８Ａ，８Ｂに固定されている。
回転軸８Ａ，８Ｂに備えた回転刃１０Ａ，１０Ｂの各頂部１０Ｆが、回転軸８Ａ，８Ｂの軸心方向に一致するように配列されると、大型の処理物が各回転刃１０Ａ，１０Ｂの上方で踊って、効率的な破砕が困難となる。また、各頂部１０Ｆが、回転軸８Ａ，８Ｂの軸心方向に螺旋状に配置されると、長尺物が螺旋状に配置された各頂部１０Ｆに沿ってすり抜ける虞もあるためである。

【0045】

図６（ａ），（ｂ）に示すように、回転刃１０Ａ，１０Ｂの其々は、一対の基準孔１０Ｈを通る仮想直線が１つの頂部１０Ｆ及び頂部１０Ｆに対向する谷部１０Ｇの中央に位置する第１の態様の回転刃と、第１の態様の回転刃に対して１つの頂部１０Ｆが仮想直線と角度θ＝３０°傾斜する第２の態様の回転刃を備えている。

【0046】

第１の態様及び第２の態様の其々の回転刃であれば、回転軸への取付角度を６０°単位で異ならせることができるが、第１の態様及び第２の態様の其々の回転刃を組み合わせることにより、回転軸への取付角度を３０°単位で異ならせることができ、これらを組み合わせることにより、各回転刃の頂部１０Ｆが回転軸８Ａ，８Ｂの軸心方向にランダムに位置するように調整される。

【0047】

以上説明したように、本発明による回転刃は、第１から第６の特徴構成を備えている。第１に、回転軸に固定される基部と、基部の外周端縁に配置される刃部と、を備え、基部の回転軸に沿う方向の長さが、刃部の回転軸に沿う方向の長さよりも短くなるように構成されている。

【0048】

第２に、刃部は、基部よりも回転軸に沿う両方向に突出するように延在している。第３に、刃部は、基部の外周端縁の全周に亘って配されている。第４に、基部と刃部はともに板状体で構成され、基部の厚みより刃部の厚みが薄く形成されるとともに、刃部の回転軸に沿う方向の長さが一定に形成されている。第５に、刃部は、複数枚の板状体で構成され、基部の外周端縁に溶接により固定されている。第６に、回転軸方向視で、基部は周方向に沿って等間隔に三つの頂部と谷部が交互に形成され、各頂部と各谷部との間に鋭角のフック部が形成されている。

【0049】

本発明による回転刃は、上述した第１の特徴構成を備え、第２から第６の何れかの特徴構成を備えていればよく、全て或いは複数の特徴構成を組み合わせてもよい。

【0050】

図２（ａ）に示すように、固定刃１１Ａ，１１Ｂも基部１１Ｄと刃部１１Ｅを備えており、一般構造用圧延鋼材ＳＳで形成された断面が矩形形状の基部１１Ｄに対して、Ｘ軸方向に沿う両側面に耐摩耗鋼板で構成された一対の刃部１１Ｅが溶接により固定されている。

【0051】

以上説明した回転刃は、二軸回転式破砕装置に用いられる例を説明したが、例えば一軸回転式破砕装置など、二軸回転式破砕装置以外の破砕装置に用いることもできる。

【0052】

上述した実施形態は、何れも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。

【符号の説明】

【0053】

１：二軸回転式破砕装置
２：ホッパー部
３：破砕部
８Ａ，８Ｂ：回転軸
９Ａ，９Ｂ：スペーサ
１０Ａ，１０Ｂ：回転刃
１０Ｃ：孔部
１０Ｄ：基部
１０Ｅ：刃部
１０Ｆ：頂部
１０Ｇ：谷部
１０Ｈ：基準孔
１０Ｉ：フック部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】