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特開2023-172008画像形成システム、抵抗検出装置、抵抗検出方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172008
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成システム、抵抗検出装置、抵抗検出方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231129BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20231129BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20231129BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/16 103
G03G21/00 502
G03G21/14
B65H5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083543
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立本 雄平
(72)【発明者】
【氏名】石川 明正
(72)【発明者】
【氏名】島添 誠
(72)【発明者】
【氏名】橘 優太
(72)【発明者】
【氏名】張 光栄
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
3F101
【Fターム(参考)】
2H200FA01
2H200FA12
2H200FA18
2H200GA09
2H200GA10
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA47
2H200GB22
2H200GB23
2H200GB35
2H200GB44
2H200GB50
2H200JA02
2H200JA25
2H200JA26
2H200JA28
2H200JA29
2H200JA30
2H200JB10
2H200JB13
2H200JB20
2H200JB45
2H200JB46
2H200JB48
2H200JB49
2H200JB50
2H200JC03
2H200JC07
2H200MA03
2H200MB01
2H200NA02
2H200NA08
2H200NA09
2H200PA03
2H200PA06
2H200PA10
2H200PA19
2H200PA22
2H200PA27
2H200PB05
2H200PB08
2H200PB12
2H200PB32
2H270LA01
2H270LA07
2H270LA81
2H270LA99
2H270LC02
2H270LC05
2H270LC12
2H270LC13
2H270LD02
2H270LD05
2H270LD14
2H270LD15
2H270MA24
2H270MA40
2H270MA41
2H270MB07
2H270MB25
2H270MB28
2H270MB30
2H270MB31
2H270MB32
2H270MB35
2H270MB39
2H270MB41
2H270MB43
2H270MB55
2H270MC39
2H270MC40
2H270MC41
2H270MC55
2H270MC78
2H270MF17
2H270MH05
2H270MH12
2H270RA03
2H270RA27
2H270RB01
2H270RB04
2H270RC03
2H270RC05
2H270RC10
2H270RC11
2H270RC12
2H270RC13
2H270RC14
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
3F101AA02
3F101AA09
3F101LA01
3F101LB01
(57)【要約】
【課題】記録材の抵抗を精度よく検出することが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から記録材の電気抵抗を算出する制御部とを備える画像形成システムを構成する。制御部は、印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第1のプロファイル情報と、記録材を挟持した状態で印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第2のプロファイル情報と、に基づいて記録材の抵抗を算出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、
前記印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から前記記録材の電気抵抗を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、印加電圧を変化させて取得した、前記印加ローラーの抵抗の変化に対応する第1のプロファイル情報と、前記記録材を挟持した状態で印加電圧を変化させて取得した、前記印加ローラーの抵抗の変化に対応する第2のプロファイル情報と、に基づいて前記記録材の抵抗を算出する
画像形成システム。
【請求項2】
前記第1のプロファイル情報は、前記記録材を介さずに前記印加ローラーのみに前記印加電圧を変化させた場合の前記印加電圧の変化に対する電流の変化である
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第2のプロファイル情報は、前記記録材を前記印加ローラーで挟持して前記印加電圧を変化させた場合の前記印加電圧の変化に対する電流の変化である
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のプロファイル情報、及び、前記第2のプロファイル情報に基づき、前記印加ローラーの分圧電圧に対する抵抗を取得し、前記記録材の分圧電圧に対する抵抗を算出する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1のプロファイル情報、及び、前記第2のプロファイル情報を格納する記憶部を備える
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記記録材に画像を形成する画像形成部を備え、
前記制御部は、画像形成ジョブを受け付けた後、前記画像形成部で前記記録材に画像形成を実行する前に、前記第1のプロファイル情報を取得する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像形成ジョブにおいて、所定枚数の画像形成を実行した後に、前記第1のプロファイル情報を再度取得して更新する
請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記画像形成ジョブにおいて、所定枚数の画像形成を実行した後に、前記第2のプロファイル情報を再度取得し、前記記録材の抵抗の算出を行う
請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記記録材に画像を形成する画像形成部を備え、
前記印加ローラーは、前記画像形成部の上流側に配置されている
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記印加ローラーが、弾性ローラーである
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記印加ローラーが、導電性ゴムローラーである
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記印加ローラーが、独立したローラーである
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項13】
搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、
前記印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から前記記録材の電気抵抗を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、印加電圧を変化させて取得した、前記印加ローラーの抵抗の変化に対応する第1のプロファイル情報と、前記記録材を挟持した状態で印加電圧を変化させて取得した、前記印加ローラーの抵抗の変化に対応する第2のプロファイル情報と、に基づいて前記記録材の抵抗を算出する
抵抗検出装置。
【請求項14】
搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、前記印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から前記記録材の電気抵抗を算出する制御部とを用いる前記記録材の抵抗検出方法であって、
印加電圧の変化に対応した前記印加ローラーの抵抗を第1のプロファイル情報として取得し、
前記記録材を挟持した状態で印加電圧の変化に対応した前記印加ローラーの抵抗の変化を第2のプロファイル情報として取得し、
前記第1のプロファイル情報と、前記第2のプロファイル情報とに基づいて、前記記録材の抵抗を算出する
抵抗検出方法。
【請求項15】
印加電圧の変化に対応した印加ローラーの抵抗を第1のプロファイル情報として取得する手順と、
記録材を挟持した状態で印加電圧の変化に対応した前記印加ローラーの抵抗の変化を第2のプロファイル情報として取得する手順と、
前記第1のプロファイル情報と、前記第2のプロファイル情報とに基づいて、前記記録材の抵抗を算出する手順と、をコンピューターに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、抵抗検出装置、抵抗検出方法、及び、プログラムに係わる。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、多種多様な記録材に対応する為、記録材の物性値毎に制御パラメータを適切に設定することで、記録材のしわや詰まり等による画質低下等のない高品質の成果物を提供している。このような画像形成装置として、例えば、記録材の搬送経路において、搬送ローラーに電圧を印加して記録材の抵抗を検出する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置の構成では、抵抗検出用の搬送ローラー間で記録材を挟持しているときに、印加電圧を変えて記録材の抵抗検出を行う。例えば、検出開始時は記録材の抵抗が低いことを想定して低めの電圧を印加して抵抗を検出する。抵抗検出の際の検出電流が基準以下の場合、印加電圧を高くして再度抵抗の検出を行う。そして、検出した抵抗と、既知のローラーの抵抗との差分から、記録材の抵抗を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-215383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の抵抗検出では、抵抗検出用の搬送ローラーの抵抗が予め分かっていることを前提にしている。記録材の抵抗を検出する際、様々な種類の記録材をローラーで安定して挟持するためには、導電性ゴム等の導電性を有する弾性ローラーを用いる必要があるが、しかし、導電性ゴム等は印加電圧に応じて電気抵抗が変動する特性を有する。
また、記録材も、内部構造の特性として、印加電圧に対して電気抵抗が変動する場合がある。このため、記録材の抵抗を検出する場合、記録材への印加電圧を一定にする必要がある。
しかし、記録材への印加電圧は、記録材と抵抗検出用の搬送ローラーの抵抗分圧で決まるが、抵抗検出用の搬送ローラーの電気抵抗が印加電圧に応じて変動するため、記録材に印加する電圧を一定にすることが困難となる。このため、記録材の抵抗を精度よく検出することができない。
【0005】
上述した問題の解決のため、本発明においては、記録材の抵抗を精度よく検出することが可能な画像形成システム、抵抗検出装置、抵抗検出方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から記録材の電気抵抗を算出する制御部とを備える。制御部は、印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第1のプロファイル情報と、記録材を挟持した状態で印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第2のプロファイル情報と、に基づいて記録材の抵抗を算出する。
【0007】
また、本発明の抵抗検出装置は、搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から記録材の電気抵抗を算出する制御部とを備える。制御部は、印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第1のプロファイル情報と、記録材を挟持した状態で印加電圧を変化させて取得した、印加ローラーの抵抗の変化に対応する第2のプロファイル情報と、に基づいて記録材の抵抗を算出する。
【0008】
また、本発明の抵抗検出方法は、搬送経路上で記録材に電圧を印加する印加ローラーと、印加ローラーに印加される電圧と電流の関係から記録材の電気抵抗を算出する制御部とを用いる記録材の抵抗検出方法である。印加電圧の変化に対応した印加ローラーの抵抗を第1のプロファイル情報として取得し、記録材を挟持した状態で印加電圧の変化に対応した印加ローラーの抵抗の変化を第2のプロファイル情報として取得し、第1のプロファイル情報と、第2のプロファイル情報とに基づいて、記録材の抵抗を算出する。
【0009】
また、本発明のプログラムは、印加電圧の変化に対応した印加ローラーの抵抗を第1のプロファイル情報として取得する手順と、記録材を挟持した状態で印加電圧の変化に対応した印加ローラーの抵抗の変化を第2のプロファイル情報として取得する手順と、第1のプロファイル情報と、第2のプロファイル情報とに基づいて、記録材の抵抗を算出する手順とをコンピューターに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録材の抵抗を精度よく検出することが可能な画像形成システム、抵抗検出装置、抵抗検出方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】画像形成システムを構成する各装置のシステムブロック図である。
図3】制御部の機能ブロックである。
図4】電圧印加時の紙の内部構造を示す図である。
図5】電圧印加時の紙の内部構造を示す図である。
図6】印加電圧と記録材の抵抗との関係を表すグラフである。
図7】印加電圧と記録材の抵抗(対数)との関係を表すグラフである。
図8】印加電圧と印加ローラーの抵抗との関係を表すグラフである。
図9】記録材を挟持した状態で印加ローラーに電流を印加した図である。
図10】記録材を挟持しない状態で印加ローラーに電流を印加した図である。
図11】手順1から手順3で求められる、印加ローラー、記録材と印加ローラー、及び、記録材Sの電圧-電流特性のグラフである。
図12】手順1及び手順2で取得する(電圧-電流特性(=抵抗))である。
図13図12に示す(電圧-電流特性(=抵抗))から算出した記録材と印加ローラーとの分圧電圧、電流、及び、抵抗である。
図14図13で算出した記録材の分圧電圧、及び、抵抗の関係を表すグラフである。
図15】記録材の抵抗検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
〈抵抗検出装置、及び、画像形成システムの実施形態〉
図1に、本実施の形態の画像形成システムの概略構成図を示す。
図1に示す画像形成システム10は、記録材供給装置100、画像形成装置200、及び、後処理装置300を備える。
画像形成システム10は、記録材供給装置100内に積載された記録材Sが画像形成装置200に供給される。そして、画像形成装置200で記録材Sに画像が形成された後、記録材Sが画像形成装置200から後処理装置300に搬出される。そして、後処理装置300において画像形成処理後の記録材Sに所定の後処理が行われた後、後処理装置300から画像形成システム10の外部に記録材Sが排出される。
【0013】
[記録材供給装置]
記録材供給装置100は、画像形成システム10において、画像形成用の記録材Sを収容し、画像形成ジョブに応じて画像形成装置200に記録材Sを供給する。図1に示すように、記録材供給装置100は、搬送部50、及び、記録材収容納部としての記録材供給部59等を備えている。
【0014】
記録材供給部59は、例えば、記録材供給装置100内に配置された複数の給紙トレイ等によって構成される。記録材供給部59は、積層状態で複数枚の記録材Sを積載することが可能である。図1では上下に並んだ四つの記録材供給部59を備える構成を例示している。各記録材供給部59には、種類やサイズが異なる記録材Sが個別に収容される。
【0015】
搬送部50は、各記録材供給部59から記録材Sを取り出す取り出しローラー(図示略)と、所定の記録材搬送経路に沿って設けられた、記録材Sを搬送するための複数の搬送ローラー54等を備えている。このため、搬送部50の搬送経路は、複数の記録材供給部59から1つに経路に合流している。これにより、搬送部50は、搬送ローラー54を駆動することにより、記録材供給部59から繰り出された記録材Sを画像形成装置200に搬送する。
【0016】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置200は、操作表示部220、スキャナー230、画像形成部240、及び、搬送部250等を備えている。また、画像形成装置200は、筐体内に記録材Sの抵抗を検出する抵抗検出部(抵抗検出装置)70を備える。
【0017】
操作表示部220は、操作部と表示部とから構成される。
表示部は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置により構成され、制御部90から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
操作部は、表示部の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を後述する制御部90に出力する。操作部は、ユーザーからの操作指示を受け付ける。
【0018】
スキャナー230は、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿供給装置)からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、光源から原稿へ照明走査した光の反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換し、画像データを生成する。
【0019】
画像形成部240は、画像データに基づいて、記録材Sに画像を形成する。画像形成部240は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム241Y,241M,241C,241K、帯電部242Y,242M,242C,242K、露光部243Y,243M,243C,243K、現像部244Y,244M,244C,244K、一次転写ローラー245Y,245M,245C,245Kを備える。また、画像形成部240は、中間転写ベルト246、二次転写ローラー247、定着部248を備える。
【0020】
帯電部242Y,242M,242C,242Kは、感光体ドラム241Y,241M,241C,241Kを一様に帯電させる。
露光部243Y,243M,243C,243Kは、レーザー光源、ポリゴンミラー、レンズ等から構成され、各色の画像データに基づいて感光体ドラム241Y,241M,241C,241Kの表面をレーザービームにより走査露光して静電潜像を形成する。
現像部244Y,244M,244C,244Kは、感光体ドラム241Y,241M,241C,241K上の静電潜像に各色のトナーを付着させ、現像を行う。
【0021】
一次転写ローラー245Y,245M,245C,245Kは、感光体ドラム241Y,241M,241C,241K上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト246上に逐次転写させる(一次転写)。すなわち、中間転写ベルト246上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
二次転写ローラー247は、中間転写ベルト246上のカラートナー像を、供給トレイから供給された記録材Sの一方の面上に一括して転写させる(二次転写)。
定着部248は、定着ローラーと加圧ローラーにより形成されるニップ部に記録材Sを通過させることで、加熱・加圧により、記録材S上にトナー像を定着させる。
環境測定部249は、画像形成装置200の筐体内に配置され、画像形成部240付近の環境条件、例えば、温度や湿度を測定する。
【0022】
搬送部250は、所定の搬送経路に沿って設けられた、記録材Sを搬送するための複数の搬送ローラー54等を備えている。搬送部250は、搬送ローラー54を駆動することにより、画像形成装置200内で記録材Sを所定の搬送経路に沿って搬送する。そして、画像形成後の記録材Sを後処理装置300に搬出する。
また、搬送部250は、定着部248を通過した記録材Sを表裏反転させて再び画像形成部240に送るための反転搬送部251を備える。反転搬送部251は、定着部248の記録材搬送方向下流側で搬送部250から分岐する。そして、反転搬送部251は、搬送路内で記録材Sをスイッチバックさせることにより、画像形成部240での記録材Sの画像形成面を第1面側から第2面側に入れ替える。また、反転搬送部251は、二次転写ローラー247の記録材搬送方向上流側で搬送部250に合流することにより、1つの搬送路を形成する。
【0023】
[後処理装置]
後処理装置300は、画像形成装置200において画像形成された記録材Sが搬入される。後処理装置300は、例えば、複数の後処理ユニットを備え、ジョブによって指定された後処理ユニットにおいて所定の後処理が行われる。例えば、後処理装置300は、ミシン目加工、折り加工、箔押し加工、バインディング、断裁処理、ステープル、糊付け、綴じ等の処理を行う後処理ユニットを備える。
後処理装置300において、画像形成装置200から搬送された画像形成処理済みの記録材Sが搬送部350によって図示しない後処理ユニットに搬送され、記録材Sに対して所定の後処理が行われる。搬送部350で搬送された記録材Sは、搬送経路に沿って設けられた排出部351から排紙トレイ352に排出される。
【0024】
[抵抗検出部]
抵抗検出部70は、制御部90(図2)の制御に基づいて、搬送部250を搬送される記録材Sの抵抗を検出する。
抵抗検出部70は、電圧の印加と電流値の検出が可能な搬送ローラーである印加ローラー71と、後述する印加ローラー71への高圧電流の印加、及び、印加ローラー71間を流れる電流の検知とを行う高圧基板75(図2参照)とによって構成される。抵抗検出部70は、例えば、公知の抵抗検出装置等によって構成される。
【0025】
図1では、抵抗検出部70の一部として、画像形成装置200の搬送部250において、画像形成部240の記録材搬送方向上流側に配置された、記録材Sの搬送と抵抗検出とを行う印加ローラー71を示している。印加ローラー71は、印加ローラー71間を流れる電流値の検出が可能な検出ローラー72と、搬送部250を搬送される記録材Sを介して検出ローラー72と対向する位置に配置された対向ローラー73とのローラー対によって構成される。
【0026】
抵抗検出部70の印加ローラー71は、画像形成の際の通常搬送速度で記録材Sを搬送させた状態で、記録材特性を検出することが好ましい。通常搬送速度で記録材特性を検出することにより、画像形成ジョブの生産性を低下させずに、記録材特性を検出することができる。
【0027】
印加ローラー71間(検出ローラー72と対向ローラー73とのローラー間)に、高圧基板75(図2参照)から高圧電流が印加される。そして、この印加ローラー71間を流れる電流量を、検出ローラー72に電気的に接続された高圧基板75(図2参照)で検出する。このように、抵抗検出部70において、印加ローラー71間での電流を測定することにより、印加ローラー71を構成する検出ローラー72と対向ローラー73との抵抗、及び、印加ローラー71間に挟持した記録材Sの抵抗を測定することができる。
【0028】
なお、抵抗検出部70は、画像形成システム10において、画像形成装置200の一部として構成されていてもよく、画像形成装置200から独立した抵抗検出装置として構成されていてもよい。画像形成装置200から独立した抵抗検出装置として構成される場合にも、上述の抵抗検出部70の構成、及び、後述の抵抗検出部70に係わる制御部の構成とを備える。
【0029】
[システムブロック図]
上述の図1に示す画像形成システム10を構成する各装置のシステムブロック図を図2に示す。図2に示すように、画像形成システム10は、制御部90、記憶部81、通信部82、操作表示部220、スキャナー230、画像処理部80、記録材供給部59、画像形成部240、抵抗検出部70、及び、搬送部50,250,350を備える。なお、以下では上述の図1に示す画像形成システム10の説明と重複する構成は説明を省略する。
【0030】
制御部90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93等から構成される。制御部90は、画像形成システム10の各部の動作を制御するコンピューターの一例として用いられる。
CPU91は、画像形成システム10に係わる演算部の一例であり、ROM92(記録媒体の一例)に格納された画像形成システム10の各種処理に係わるソフトウェアのプログラムコードを読み出してRAM93に展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成システム10の各部の動作を集中制御する。なお、CPU91に代えて、MPU(Micro Processing Unit)等の他の演算装置を演算部として用いてもよい。
ROM92は、画像形成システム10の各部を制御するための各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやデータテーブル、各種のファイル等を記憶している。
RAM93は、揮発性の半導体メモリにより構成され、CPU91により実行制御される各種処理において、ROM92から読み出された各種処理プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0031】
記憶部81は、不揮発性ストレージ等からなる記録媒体の一例であり、CPU91により実行される各種処理プログラム、OS等のプログラム、当該プログラムの実行に必要な自装置の処理機能に関する情報、スキャナー230が読み取った画像データ、図示しないクライアント装置などから入力された画像データ、抵抗検出部70が検出した印加ローラー71の抵抗、制御部90が演算に用いる各種データテーブル等を記憶する。記憶部81は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。
【0032】
通信部82は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、記録材供給装置100、画像形成装置200、及び、後処理装置300を、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続し、外部の情報機器(例えばクライアント装置)との間で各種データの送受信を行う。
【0033】
操作表示部220は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式や静電容量式などの操作部(タッチセンサ)を設けたタッチパネルなどで構成され、表示部及び操作部として機能する。表示部は、制御部90から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面の表示を行う。操作部は、ユーザによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部90に出力する。
【0034】
スキャナー230は、コンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサの受光面上に結像させて原稿画像を読み取る。スキャナー230によって読み取られた画像(アナログ画像信号)は、画像処理部80において所定の画像処理が施される。
【0035】
画像処理部80は、アナログデジタル(A/D)変換処理を行う回路及びデジタル画像処理を行う回路などで構成される。画像処理部80は、スキャナー230からのアナログ画像信号にA/D変換処理を施すことによりデジタル画像データを生成する。また、画像処理部80は、外部の情報機器(例えばクライアント装置)から取得した印刷ジョブを解析し、原稿の各ページをラスタライズしてデジタル画像データを生成する。そして、画像処理部80は、必要に応じて、画像データに対して、色変換処理、初期設定又はユーザ設定に応じた補正処理(シェーディング補正等)、及び圧縮処理等の画像処理を施し、画像処理後の画像データを画像形成部240に出力する。
【0036】
抵抗検出部70は、上述の印加ローラー71と、高圧基板75とから構成される。抵抗検出部70において、印加ローラー71と高圧基板75とは電気的に接続されている。印加ローラー71は、記録材Sを搬送するローラー対となる検出ローラー72と対向ローラー73とから構成される。
高圧基板75は、高圧印加部76と、電流検知部77とから構成されている。高圧印加部76は、制御部90の指示に従って印加ローラー71に高圧電流を印加する。電流検知部77は、印加ローラー71に印加した高圧電流において、検出ローラー72での電流を検知する。
抵抗検出部70は、印加ローラー71と高圧基板75とによって、印加ローラー71の抵抗、及び、印加ローラー71間に挟持した記録材Sの抵抗を測定する。具体的には、記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71のみの抵抗と、記録材Sを挟持した状態での印加ローラー71と記録材Sとの合計の抵抗とを測定する。
【0037】
[制御部の機能構成]
次に、制御部90の機能構成について説明する。図3に、制御部90の機能ブロック図を示す。図3に示すように、制御部90は、電圧制御部94、電流計測部95、プロファイル情報取得部96、抵抗算出部97、画像形成制御部99、搬送制御部98、及び、画像形成制御部99を有する。なお、図3に示す機能ブロック図では、制御部90による記録材Sの抵抗検出に係わる機能構成のみを示している。
【0038】
電圧制御部94は、高圧基板75の高圧印加部76に印加する高圧電流の電圧、電流量等を制御する。そして、高圧印加部76は、電圧制御部94の制御に基づいて、印加ローラー71に高圧電流を印加する。例えば、電圧制御部94は、高圧印加部76から印加ローラー71に印加する高圧電流の電圧を変化させる。
【0039】
電流計測部95は、高圧基板75の電流検知部77が検知した電流から、印加ローラー71間の電流量を計測する。例えば、電流計測部95は、電圧制御部94によって高圧印加部76から印加ローラー71に高圧電流を印加した際に、印加ローラー71の検出ローラー72において電流検知部77が検知した電流を計測する。これにより、電流計測部95は、高圧基板75からの印加電圧を変化させた際に電流検知部77が検知した電流の計測する。さらに、電流計測部95は、記録材Sを挟持した状態での印加ローラー71において、高圧基板75からの印加電圧を変化させた際に電流検知部77が検知した電流の計測する。
【0040】
プロファイル情報取得部96は、高圧基板75から印加ローラー71に印加する高圧電流の電圧を変化させた際に、印加電圧の変化に対応する印加ローラー71間を流れる電流の計測値の変化、又は、電流の計測値の変化から求められる抵抗の変化を、第1のプロファイル情報として取得する。また、プロファイル情報取得部96は、高圧基板75から印加ローラー71に印加する高圧電流の電圧を変化させた際に、記録材Sを挟持した状態での印加ローラー71間を流れる電流の計測値の変化、又は、電流の計測値の変化から求められる抵抗の変化を、第2のプロファイル情報として取得する。
【0041】
すなわち、プロファイル情報取得部96は、第1のプロファイル情報として、記録材Sを挟持していない状態において、印加電圧を変化させた際の印加ローラー71(検出ローラー72と対向ローラー73)間のみの電流や抵抗を取得する。
また、プロファイル情報取得部96は、第2のプロファイル情報として、記録材Sを挟持した状態において、印加電圧を変化させた際の印加ローラー71間の電流や抵抗をすることで、印加ローラー71(検出ローラー72と対向ローラー73)と記録材Sとを合わせた電流や抵抗を取得する。
【0042】
抵抗算出部97は、プロファイル情報取得部96が取得した第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報から、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出する。この抵抗算出部97における測定基準電圧での記録材Sの抵抗の算出については後述する。
【0043】
搬送制御部98は、画像形成システム10を構成する記録材供給装置100、画像形成装置200、及び、後処理装置300において、これらの装置間や装置内での記録材Sの搬送機構の動作を制御する。例えば、搬送制御部98は、記録材供給装置100の搬送部50、画像形成装置200の搬送部250、後処理装置300の搬送部350、及び、画像形成システム10のその他の搬送部の駆動を制御することにより、記録材Sの搬送を制御する。搬送制御部98は、各駆動部の駆動の停止、駆動開始のタイミングや駆動速度の調整等を、記録材Sの記録材特性に合わせた搬送条件に応じて制御する。この制御により、画像形成システム10の各装置間で駆動部を連動させ、画像形成システム10での記録材Sの搬送を制御する。
【0044】
また、搬送制御部98は、印加ローラー71への記録材Sの到達を検知する。例えば、搬送制御部98は、画像形成装置200の搬送部250に配置された各センサーから記録材Sの検知信号を受け取り、これらのデータを基に記録材Sの所定位置への到達や搬送状態を取得する。なお、画像形成システム10において、印加ローラー71への記録材Sの到達は各センサーを用いずに、記録材Sの搬送速度と搬送時間、及び、搬送距離等から記録材Sの位置を取得してもよい。
【0045】
画像形成制御部99は、画像形成装置200の画像形成部240における画像形成動作を制御する。また、画像形成制御部99は、抵抗算出部97が算出した記録材Sの抵抗に応じて、画像形成条件を設定する。例えば、画像形成制御部99は、抵抗算出部97が算出した記録材Sの抵抗に応じて、記憶部81等に格納されたデータから画像形成条件を取得する。そして、画像形成制御部99は、記憶部81等から取得したデータに基づいて、画像形成部240の各構成に動作条件を設定する。そして、設定した動作条件に従って、画像形成部240の各構成の動作を制御して、画像データに基づいて記録材Sに画像を形成する。
【0046】
[抵抗検出方法]
次に、上述の抵抗検出部70、及び、制御部90による記録材Sの抵抗検出方法について説明する。
記録材Sの抵抗検出において、まず、抵抗検出部70、及び、制御部90は、記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71間の電流を、印加電圧を変化させて測定する。そして、測定した印加電圧の変化に対応する印加ローラー71のみを流れる電流量の変化、又は、抵抗の変化を、第1のプロファイル情報として取得する。
さらに、抵抗検出部70、及び、制御部90は、記録材Sを挟持した状態での印加ローラー71の電流を、印加電圧を変化させて測定する。そして、測定した印加電圧の変化に対応する印加ローラー71と記録材Sとを流れる電流量の変化、又は、抵抗の変化を、第2のプロファイル情報として取得する。
【0047】
次に、制御部90は、取得した第1のプロファイル情報と第2のプロファイル情報とを基に、印加ローラー71の分圧電圧と抵抗、及び、記録材Sの分圧電圧と抵抗を、数式から算出する。そして、算出した記録材Sの分圧電圧と抵抗との関係を基に、記録材Sの測定基準電圧での抵抗値を算出する。
【0048】
第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報は、制御部90において画像形成ジョブを受け付けた後、画像形成部240で記録材Sに対して画像形成を実行形成する前に取得することが好ましい。
さらに、制御部90は、画像形成ジョブを実行する際に、所定枚数の記録材Sに対して画像形成を実行した後に、第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報を再度取得して更新することが好ましい。第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報を、所定枚数毎に取得することにより、画像形成ジョブ中において記録材Sの抵抗が変動する場合にも、記録材Sの抵抗を精度よく算出することができる。
【0049】
(記録材、及び、ローラーの抵抗特性)
記録材Sとして使用される紙等は、内部構造に起因する特性として、印加電圧に対して電気抵抗が変動する。図4、及び、図5に、記録材Sの一例として、電圧印加時の紙の内部構造を示す。
図4、及び、図5に示すように、紙Pは、紙表面Psの内側に、紙Pを構成する主体となる紙繊維Pfが絡み合った構造を有している。このような構造を有する紙Pに低い電圧を印加すると、図4に矢印で示すように、電荷(+)が繊維Pf内を移動する。このため、紙Pに一方の紙表面Psから電流を流すと、紙繊維Pf内を移動して他方の面に電荷が移動する。このとき、紙繊維Pf自体は電気抵抗が大きいため、紙P内での電界が弱まり、電荷が移動しにくくなる。このように、低電圧下では、紙繊維Pfの構造的なトラップに阻まれて紙Pの抵抗が大きくなりやすい。
一方、紙Pに高電圧を印加すると、図5に示すように、紙繊維Pf内で電荷の移動速度が速くなり、紙繊維Pfの構造的なトラップにため込まれた電荷を押し出すように通電する。さらに、繊維Pf内の放電破壊や微細な短絡により、近接する紙繊維Pf間に電荷が移動可能な短絡が発生しショートカット経路が形成される。この結果、高電圧下では、紙Pの抵抗が減少する。
【0050】
上記の印加電圧と記録材Sの抵抗との関係を表すグラフを図6、及び、図7に示す。図6、及び、図7は、横軸が印加電圧[V]、縦軸が記録材Sの抵抗[MΩ]を表している。
図6に示すように、記録材Sとして紙等を用いた場合には、上述の内部構造に起因する特性により、印加電圧が増加するほど、記録材Sの抵抗が減少する。この記録材Sの抵抗の減少は、印加電圧の増加量に対して、指数関数で表すことができる。このため、図7に示すように、縦軸の記録材Sの抵抗[MΩ]を対数で表すと、印加電圧の増加量に対する記録材Sの抵抗の減少を直線のグラフとして示すことができる。図6及び図7では、印加電圧と抵抗との関係の一例として、指数関数[y=586.26e-3E-04x]のグラフを示している。
【0051】
このように、物性値として紙等からなる記録材Sの抵抗検出では、印加電圧によって記録材Sの抵抗が変化するため、記録材Sに対して毎回同じ値の電圧を印加して検出する必要がある。記録材Sの抵抗を測定に用いる所定の電圧を測定基準電圧と呼ぶ。
【0052】
また、印加ローラー71は、検出ローラー72及び対向ローラー73において、記録材Sの抵抗を測定するだけでなく、記録材Sの搬送を行う搬送ローラーとしても使用される。このため、印加ローラー71は、記録材Sの搬送が可能な摩擦力と、電圧印加が可能な導電性とを有する、例えば、導電性ゴムローラー等の導電性を有する弾性ローラーから構成される。しかし、導電性ゴム等は、印加電圧に応じて電気抵抗が変動する特性を有する。
【0053】
図8に、印加電圧と印加ローラー71の抵抗との関係を表すグラフを示す。図8は、横軸が印加ローラー71への印加電圧[V]、縦軸が印加ローラー71の抵抗[MΩ]を表している。図8に示すように、印加電圧が増加するほど、印加ローラー71の抵抗(ローラー抵抗)が減少する。このローラー抵抗の減少は、上述の記録材の抵抗(図6)の変化と異なり、印加電圧の増加量に対して直線的なグラフを描いて減少する。
【0054】
このように、印加電圧によって、紙等の記録材S、及び、導電性ゴムローラー等の印加ローラー71の抵抗が変化する。このため、上述の特許文献1に記載された方法のように、印加ローラー71に記録材Sが挟持されている状態の抵抗値と、印加ローラー71の抵抗との差分から記録材Sの抵抗を求めるだけでは、測定基準電圧が一定ではないため、精度よく記録材Sの抵抗を検出することができない。
【0055】
例えば、図9に示すように、記録材Sを挟持した状態で印加ローラー71に出力電圧Vを印加して電流Iを検出した場合、印加ローラー71への印加電圧(ローラー印加電圧Vr)は、ローラー抵抗Rr、記録材抵抗Rpを用いて、[Vr=Rr/(Rr+Rp)×V]と表すことができる。
このときの記録材Sへの印加電圧(記録材印加電圧Vp)は、[Vp=Rp/(Rr+Rp)×V]となる。このように、記録材Sの単体への印加電圧(記録材印加電圧Vp)は、記録材Sと印加ローラー71との抵抗分圧となるため、記録材抵抗やローラー抵抗に応じて変化する。
【0056】
一方、図10に示すように、記録材Sを挟持していない状態、即ち印加ローラー71のみに出力電圧Vを印加して電流Iを検出した場合、印加ローラー71への印加電圧(ローラー印加電圧Vr)は、[Vr=V]となる。このように、記録材を挟持した状態の印加ローラー71と、印加ローラー71のみとでは、同じ電圧Vを印加しても、ローラー印加電圧Vrがそれぞれ異なる値となる。
上述のように記録材Sの単体への印加電圧(記録材印加電圧Vp)は、記録材Sと印加ローラー71との抵抗分圧となる。このため、記録材Sを挟持した状態と、挟持していない状態とで、ローラー印加電圧Vrが異なると、記録材印加電圧Vpも変化してしまうため、記録材Sの抵抗を検出するための測定基準電圧を一定にすることができない。
【0057】
さらに、上述のローラーの印加特性によって、記録材を挟持した状態の印加ローラー71のローラー抵抗Rrと、印加ローラー71のみのローラー抵抗Rrがそれぞれ異なる値となる。このため、記録材Sを挟持した状態で検出した抵抗値(ローラー抵抗Rr+記録材抵抗Rp)と、挟持していない状態で検出した抵抗値(ローラー抵抗Rr)との差分を求めても、記録材Sの抵抗を精度よく検出することができない。
【0058】
(プロファイル情報、及び、抵抗の算出)
上述のように、印加ローラー71に一定の電圧を印加しても、導電性ゴムローラー等の印加ローラー71を構成する材料の特性により、記録材Sに対して所定の測定基準電圧を印加することができない。従って、記録材Sの抵抗を精度よく測定するためには、記録材Sの抵抗特性、及び、印加ローラー71の抵抗特性を考慮した検出方法を行う必要がある。
【0059】
本件では、以下のように記録材Sの抵抗を算出する。
(手順1)記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71に対して、印加電圧を可変して印加ローラー71間の電流の変化を計測し、印加ローラー71のみの電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を取得して、第1のプロファイル情報とする。
【0060】
(手順2)記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71に対して、印加電圧を可変して印加ローラー71間の電流の変化を計測し、記録材Sと印加ローラー71とを合わせた電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を取得して、第2のプロファイル情報とする。
【0061】
(手順3)印加ローラー71のみによる第1のプロファイル情報、及び、記録材Sと印加ローラー71とを合わせた第2のプロファイル情報から、記録材Sと印加ローラー71とへの分圧電圧、分圧電圧における記録材Sと印加ローラー71とへの電流、及び、分圧電圧における記録材Sと印加ローラー71との抵抗を、それぞれ数式を用いて算出する。
【0062】
(手順4)手順3での算出結果から、記録材Sの分圧電圧と抵抗との関係を求め、記録材Sへの印加電圧(分圧電圧)を測定基準電圧としたときの記録材Sの抵抗を算出する。
【0063】
上記の記録材Sの抵抗算出方法を、図11から図14を用いて具体的に説明する。図11は、上記の手順1から手順3で求められる、印加ローラー71の電圧-電流特性を表す第1のプロファイル情報、記録材Sと印加ローラー71の電圧-電流特性を表す第2のプロファイル情報、及び、記録材Sの電圧-電流特性のグラフの一例である。図12は、図11に示す第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報の基となる、手順1及び手順2で取得する(電圧-電流特性(=抵抗))である。図13は、図12に示す(電圧-電流特性(=抵抗))から算出した、記録材Sと印加ローラー71との分圧電圧、電流、及び、抵抗である。図14は、図13で算出した記録材Sの分圧電圧、及び、抵抗の関係を表すグラフである。
【0064】
(手順1)
まず、手順1において、記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71に、印加電圧を変化させて、印加ローラー71間に流れる電流量を測定する。図12に示す例では、印加ローラー71に印加する電圧を変化させて、印加電圧の水準(1)として1000V、水準(2)として5000Vを印加して電流を測定している。そして、水準(1)の印加電圧1000Vの電流が9.88μA(=抵抗101.2MΩ)、水準(2)の印加電圧1000Vの電流が60.45μA(=抵抗82.7MΩ)の測定結果を得ている。
この測定結果を第1のプロファイル情報として、図11に示すローラーの(電圧-電流特性)のグラフに示している。
【0065】
(手順2)
次に、手順2において、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71に、印加電圧を変化させて、印加ローラー71間に流れる電流量を測定する。図12に示す例では、手順1と同様に印加電圧の水準(1)の1000Vと水準(2)の5000Vとにおいて電流を測定している。そして、記録材Sと印加ローラー71とを合わせて、水準(1)の印加電圧1000Vの電流が2.89μA、水準(2)の印加電圧5000Vの電流が26.8μAの測定結果を得ている。
この測定結果を第2のプロファイル情報として、図11に示す記録材+ローラーの(電圧-電流特性)のグラフに示している。
【0066】
(手順3)
次に、手順3において、図12に示す第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報の(電圧-電流特性)の測定結果から、図13に示す記録材Sと印加ローラー71とのそれぞれに対し、分圧電圧、電流、及び、抵抗を算出する。
【0067】
図13に示すローラーの抵抗(ローラー抵抗R)は、推定関数[R=a×V+b]として、第1のプロファイル情報から求められる。
第1のプロファイル情報の水準(1)の電圧をv1、抵抗をr1、水準(2)の電圧をv2、抵抗をr2とすると、
[a=(r2-r1)/(v2-v1)]、
[b=r1-(r2-r1)/(v2-v1)×v1]
と表すことができる。
これを推定関数[R=a×V+b]に代入して整理すると、
[R=r1+(r2-r1)×(V-v1)/(v2-v1)]
となる。
そして、オームの法則[V=R×I]からローラー抵抗Rは、
[R=(r1×v2-r2×v1)/{(v2-v1)-(r2-r1)×I}]
の式で表すことができる。これにより、電流Iにおけるローラー抵抗Rを算出することができる。
【0068】
次に、第2のプロファイル情報を基に、水準(1)での電流2.89μA、水準(2)での電流26.8μAを用いて、上記のローラー抵抗Rと電流Iとの式から、ローラー抵抗R、及び、印加ローラー71への分圧電圧を算出する。そして、算出した水準(1)及び水準(2)における印加ローラー71への分圧電圧と、水準(1)及び水準(2)の印加電圧との差分から記録材Sの分圧電圧を求めることができる。さらに、記録材Sの分圧電圧と、第2のプロファイル情報の水準(1)及び水準(2)での電流とから、記録材Sの抵抗を算出することができる。
【0069】
第2のプロファイル情報において、水準(1)の電圧をV1、電流をI1、記録材Sの分圧をVp1、記録材Sの分圧Vp1での抵抗をRp1、印加ローラー71の分圧をVr1、印加ローラー71の分圧Vr1での抵抗をRr1とすると、
[Vp1=V1-I1×Rr1]、
[Rp1=Vp1/I1]
と表すことができる。
また、第2のプロファイル情報の水準(2)の電圧をV2、電流をI2、記録材Sの分圧をVp2、印加ローラー71の分圧をVr2とすると、
[Vp2=V2-I2×Rr2]、
[Rp2=Vp2/I2]
と表すことができる。
【0070】
(手順4)
上記の手順3において、第2のプロファイル情報の水準(1)及び水準(2)での記録材Sの分圧電圧と抵抗とを算出することにより、図14に示す記録材Sの分圧電圧、及び、抵抗の関係を表すグラフを求めることができる。図14に示すグラフでは、図7に示すグラフと同様に、縦軸の記録材Sの抵抗[MΩ]を対数表記することで、指数関数で表される記録材Sの分圧電圧と記録材Sの抵抗との関係を、直線のグラフとして示してる。
そして、このグラフで表される指数関数によって、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出することができる。図14では、記録材Sの抵抗算出の一例として、測定基準電圧を1500のときの記録材Sの抵抗を求めている。
【0071】
以上の手順1から手順4により、抵抗検出部70において、記録材Sを挟持していない状態、及び、記録材Sを挟持した状態で印加ローラー71に高圧電流を印加し、印加ローラー71の電流を検出することにより、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を精度よく算出することができる。
水準(1)及び水準(2)として印加する電圧は、異なる値であれば特に限定されない。2以上の複数の異なる電圧を用いて第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報とを取得できれば、使用する電圧、取得回数等は、特に限定されない。
【0072】
また、印加ローラー71には、画像形成システム10において、画像形成部240よりも記録材搬送方向上流側に配置された搬送ローラー、画像形成部240の二次転写ローラー247、又は、独立したローラーを用いることができる。印加ローラー71は、画像形成装置200の画像形成部240よりも記録材搬送方向上流側に配置された搬送ローラーや、画像形成装置200よりも記録材搬送方向の上流側に配置された装置内の搬送ローラー等を用いることが好ましい。また、印加ローラー71は、搬送ローラーから独立したローラーを用いる構成であってもよい。
【0073】
[抵抗検出のフローチャート]
次に、抵抗検出部70、及び、制御部90による記録材Sの抵抗検出方法のフローチャートを図15に示す。図15に示すフローチャートの処理は、抵抗検出部70が制御部90による指示を受けたときに実行される。画像形成システム10において、制御部90のCPU91がROM92や記憶部81に記憶されているプログラムを実行することにより、図15に示すフローチャートの処理が実現される。
【0074】
まず、制御部90は、ユーザー等の指示によって記録材Sの抵抗を抵抗検出部70で検出するように検出モードを受け付けたかどうかを判定する(ステップS1)。記録材Sの抵抗検出モードを受け付けていない場合(ステップS1のNo)、抵抗検出モードを受け付けるまでステップS1の処理を継続する。
【0075】
記録材Sの抵抗検出モードを受け付けている場合(ステップS1のYes)、印加ローラー71に対して出力電圧を可変して、印加ローラー71のみの電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を取得する(ステップS2)。すなわち、上述の(手順1)に従って、制御部90の電圧制御部94が、高圧基板75の高圧印加部76を制御して、印加ローラー71に高圧電流を印加する。そして、制御部90の電流計測部95が、高圧基板75の電流検知部77を制御することで、印加ローラー71の検出ローラー72での電流を計測する。これにより、記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71のみでの電流を測定する。
【0076】
次に、制御部90は、全ての印加電圧で、印加ローラー71のみの電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を測定したかどうかを判定する(ステップS3)。全ての印加電圧での測定が完了していない場合(ステップS3のNo)、ステップS2の印加ローラー71の(電圧-電流特性(=抵抗))の測定を出力電圧を変更して行う。
【0077】
全ての印加電圧での測定が完了した場合(ステップS3のYes)、プロファイル情報取得部96は、印加ローラー71のみの電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を、第1のプロファイル情報として取得する(ステップS4)。これにより、図11及び図12に示す、記録材Sを挟持していない状態の印加ローラー71のみの印加電圧、検出電流、及び、抵抗の第1のプロファイル情報を取得することができる。
【0078】
次に、制御部90の搬送制御部98は、画像形成装置200への記録材Sの搬送を開始する(ステップS5)。搬送制御部98によって搬送部50,250を駆動し、記録材供給装置100内の記録材Sの搬送を開始し、記録材Sを抵抗検出部70まで搬送する。
そして、制御部90は、記録材Sが印加ローラー71間に到達したかどうかを判定する(ステップS6)。記録材Sが印加ローラー71間に到達していない場合(ステップS6のNo)、記録材Sが印加ローラー71に到達するまでステップS6の処理を繰り返す。
【0079】
記録材Sが印加ローラー71間に到達した場合(ステップS6のYes)、印加ローラー71に対して出力電圧を可変して、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71の電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を取得する(ステップS7)。すなわち、上述の(手順2)に従って、制御部90の電圧制御部94が、高圧基板75の高圧印加部76を制御して、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71に高圧電流を印加する。そして、制御部90の電流計測部95が、高圧基板75の電流検知部77を制御することで、印加ローラー71の検出ローラー72での電流を計測する。これにより、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71の電流を測定する。
【0080】
次に、制御部90は、全ての印加電圧で、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71の電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を測定したかどうかを判定する(ステップS8)。全ての印加電圧での測定が完了していない場合(ステップS8のNo)、ステップS7の印加ローラー71の(電圧-電流特性(=抵抗))の測定を出力電圧を変更して行う。
【0081】
全ての印加電圧での測定が完了した場合(ステップS8のYes)、プロファイル情報取得部96は、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71の電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を、第2のプロファイル情報として取得する(ステップS9)。これにより、図11及び図12に示す、記録材Sを挟持した状態の印加ローラー71の印加電圧、検出電流、及び、抵抗の第2のプロファイル情報を取得することができる。
【0082】
次に、制御部90の抵抗算出部97は、プロファイル情報取得部96が取得した第1のプロファイル情報と第2のプロファイル情報とから、印加ローラー71の分圧電圧、及び、抵抗を数式から算出する(ステップS10)。この抵抗算出部97による印加ローラー71の分圧電圧、及び、抵抗の算出は、上述の(手順3)に示す手法によって行うことができる。また、抵抗算出部97による印加ローラー71の分圧電圧、及び、抵抗の算出により、図13に示す印加ローラー71の分圧電圧、この分圧電圧における印加ローラー71のみの抵抗を取得することができる。
【0083】
次に、制御部90の抵抗算出部97は、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出する(ステップS11)。この抵抗算出部97による測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出は、上述の(手順3)、及び、(手順4)に示す手法によって行うことができる。まず、抵抗算出部97は、(手順3)により、印加ローラー71へ印加電圧と分圧電圧との差分から記録材Sの分圧電圧を求め、この記録材Sの分圧電圧での抵抗を算出する。これにより、図13に示す記録材Sの分圧電圧、この分圧電圧における記録材Sの抵抗を算出することができる。
そして、抵抗算出部97は、算出した記録材Sの分圧電圧と抵抗とを用いて、(手順4)により記録材Sの分圧電圧、及び、抵抗の関係(関係式;指数関数)を求める。そして、抵抗算出部97は、この記録材Sの分圧電圧、及び、抵抗の関係から、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出する。
測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出した後、本フローチャートによる処理を終了する。
【0084】
上述のフローチャートによる処理では、記録材Sを挟持していない状態、及び、記録材Sを挟持した状態の2つの状態において、印加ローラー71に異なる2以上の電圧で高圧電流を印加し、それぞれの印加電圧での電流(=抵抗)を検出する。これにより、記録材Sを挟持していない状態、及び、記録材Sを挟持した状態の2つの状態において、電圧の変化に対する電流の変化(電圧-電流特性(=抵抗))を第1のプロファイル情報、及び、第2のプロファイル情報として取得する。そして、第1のプロファイル情報と第2のプロファイル情報とを基に、測定基準電圧での記録材Sの抵抗を算出する。これらの処理により、印加ローラー71として印加電圧に応じて電気抵抗が変動する導電性ゴム等を使用する構成において、内部構造に起因して印加電圧に対して電気抵抗が変動する紙等からなる記録材Sの測定基準電圧での抵抗を、精度よく算出することができる。
【0085】
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 画像形成システム、50,250,350 搬送部、54 搬送ローラー、59 記録材供給部、70 抵抗検出部、71 印加ローラー、72 検出ローラー、73 対向ローラー、75 高圧基板、76 高圧印加部、77 電流検知部、80 画像処理部、81 記憶部、82 通信部、90 制御部、91 CPU、92 ROM、93 RAM、94 電圧制御部、95 電流計測部、96 プロファイル情報取得部、97 抵抗算出部、98 搬送制御部、99 画像形成制御部、100 記録材供給装置、200 画像形成装置、220 操作表示部、230 スキャナー、240 画像形成部、241Y,241M,241C,241K 感光体ドラム、、242Y,242M,242C,242K 帯電部、、243Y,243M,243C,243K 露光部、、244Y,244M,244C,244K 現像部、、245Y,245M,245C,245K 一次転写ローラー、246 中間転写ベルト、247 二次転写ローラー、248 定着部、249 環境測定部、251 反転搬送部、300 後処理装置、351 排出部、352 排紙トレイ
図1
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