(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017202
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法
(51)【国際特許分類】
C09K 3/00 20060101AFI20230131BHJP
C09K 3/32 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
C09K3/00 111Z
C09K3/32 G
C09K3/32 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121300
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福積 京子
(72)【発明者】
【氏名】片岡 公雄
(72)【発明者】
【氏名】宮本 英俊
(57)【要約】
【課題】吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法を提供する。
【解決手段】泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなり、原液および液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%であり、外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100~2000mN(20℃)である、発泡性エアゾール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなり、
前記原液および前記液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%であり、
外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100~2000mN(20℃)である、発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記泡硬化成分は、脂肪酸石鹸、アミノ酸石鹸、高級アルコールおよび水溶性高分子からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記液化ガスは、可燃性液化ガスを含み、
前記可燃性液化ガスの含有量は、発泡性エアゾール組成物中、3~30質量%である、請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記原液は、炭素数が2~3個の1価アルコールを含み、
前記アルコールの含有量は、発泡性エアゾール組成物中、0.1~20質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール組成物を含む、発泡性エアゾール製品。
【請求項6】
吐出物の燃焼性を抑制するための、燃焼性抑制方法であり、
エアゾール組成物を外部に吐出して吐出物を形成し、
前記エアゾール組成物は、
泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなり、
前記原液および前記液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%であり、
外部に吐出した場合に形成される泡の硬度が、100~2000mN(20℃)に調整された、燃焼性抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性エアゾール組成物および発泡性エアゾール製品に関する。より詳細には、本発明は、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、泡状に吐出される発泡性エアゾール組成物が開発されている(たとえば、特許文献1)。発泡性エアゾール組成物は、発泡性が優れていることから噴射剤として液化石油ガスが使用されてきた。液化石油ガスは、可燃性液化ガスである。そのため、外部に吐出されて形成された泡は、裸火を近づけると着火する。着火した泡は、燃焼時間が長い場合や、高い火柱を生じる場合、周囲に延焼しやすい。近年、保管や輸送時の安全性を高くするために、燃焼性が小さいエアゾール組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、発泡物を特定の硬度に調整することにより、手のひらなどの吐出対象物上で発泡物が所定形状(バラの花)に成形することができる。しかしながら、特許文献1に記載の発泡性エアゾール製品は、泡の燃焼性を抑制する点について、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなり、前記原液および前記液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%であり、外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100~2000mN(20℃)である、発泡性エアゾール組成物。
【0008】
このような構成によれば、吐出して形成される泡の硬度は、特定の範囲となるよう調整されている。これにより、泡は、裸火を近づけて着火しても、泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散が抑制され、燃焼性(燃焼時間や火柱の高さ)が抑制される。
【0009】
(2)前記泡硬化成分は、脂肪酸石鹸、アミノ酸石鹸、高級アルコールおよび水溶性高分子からなる群から選択される少なくとも1つである、(1)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0010】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、吐出して形成される泡の硬度を調整しやすく、燃焼性を抑制する効果が得られやすい。
【0011】
(3)前記液化ガスは、可燃性液化ガスを含み、前記可燃性液化ガスの含有量は、発泡性エアゾール組成物中、3~30質量%である、(1)または(2)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0012】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、発泡性が優れ、特定硬度の泡を形成しやすく、燃焼抑制効果が得られやすい。
【0013】
(4)前記原液は、炭素数が2~3個の1価アルコールを含み、前記アルコールの含有量は、発泡性エアゾール組成物中、0.1~20質量%である、(1)~(3)のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。
【0014】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、燃焼性を抑制する効果が得られやすい。
【0015】
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物を含む、発泡性エアゾール製品。
【0016】
このような構成によれば、吐出して形成される泡の硬度は、特定の範囲となるよう調整されている。これにより、泡は、裸火を近づけて着火しても、泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散が抑制され、燃焼性(燃焼時間や火柱の高さ)が抑制される。
【0017】
(6)吐出物の燃焼性を抑制するための、燃焼性抑制方法であり、エアゾール組成物を外部に吐出して吐出物を形成し、前記エアゾール組成物は、泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなり、前記原液および前記液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%であり、外部に吐出した場合に形成される泡の硬度が、100~2000mN(20℃)に調整された、燃焼性抑制方法。
【0018】
このような構成によれば、吐出して形成される泡の硬度は、特定の範囲となるよう調整されている。これにより、泡は、裸火を近づけて着火しても、泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散が抑制され、燃焼性(燃焼時間や火柱の高さ)が抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<発泡性エアゾール組成物>
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール組成物(以下、エアゾール組成物ともいう)は、泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなる。原液および液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%である。外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100~2000mN(20℃)である。以下、それぞれについて説明する。
【0021】
(原液)
原液は、泡硬化成分および水を含む。原液は、外部に吐出されると液化ガスの気化により発泡され、泡の液膜を構成し、頭髪や皮膚などの対象物に有効成分の効果を付与する。
【0022】
・泡硬化成分
泡硬化成分は、エアゾール組成物が吐出されて形成される泡の硬度を調整し、泡に着火したときに泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散を抑制し、燃焼性抑制効果を得るために用いられる。
【0023】
泡硬化成分は特に限定されない。一例を挙げると、泡硬化成分は、脂肪酸石鹸、アミノ酸石鹸、高級アルコールおよび水溶性高分子からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。泡硬化成分がこれらを含むことにより、エアゾール組成物は、吐出して形成される泡の硬度を調整しやすく、燃焼性を抑制する効果が得られやすい。
【0024】
脂肪酸石鹸は特に限定されない。一例を挙げると、脂肪酸石鹸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸などの炭素数が10~20である脂肪酸と、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-アミノ-2-メチル-1、3-プロパンジオール(AMPD)などの有機アルカリ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリとのけん化物等である。
【0025】
脂肪酸石鹸が配合される場合、脂肪酸石鹸の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、脂肪酸石鹸の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、脂肪酸石鹸の含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。脂肪酸石鹸の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0026】
アミノ酸石鹸は特に限定されない。一例を挙げると、アミノ酸石鹸は、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウムおよびN-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどのN-アシルグルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムおよびN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN-アシルグリシン塩;N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミンなどのN-アシルアラニン塩等である。
【0027】
アミノ酸石鹸が配合される場合、アミノ酸石鹸の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アミノ酸石鹸の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、アミノ酸石鹸の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。アミノ酸石鹸の含有量が上記範囲内であることにより、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0028】
高級アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、高級アルコールは、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール等である。
【0029】
高級アルコールが配合される場合、高級アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、高級アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、高級アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。高級アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0030】
水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、セルロースナノファイバー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガムなどのガム質、ポリウレタン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等である。
【0031】
水溶性高分子が配合される場合、水溶性高分子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子の含有量は、エアゾール組成物中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、エアゾール組成物中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0032】
・水
水は、泡硬化成分や有効成分などの溶媒として用いられる。水が含まれることにより、エアゾール組成物は、特定の硬度を有する泡を形成しやすく、泡の燃焼性を低くすることができる。
【0033】
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
【0034】
水の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、水は、エアゾール組成物中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、水は、エアゾール組成物中、95質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、特定の硬度を有する泡を形成しやすく、泡の燃焼性を低くすることができる。
【0035】
・任意成分
原液は、泡硬化剤および水のほか、各種有効成分、界面活性剤、1価アルコール、多価アルコール、油剤、高揮発性溶剤、パウダー等の任意成分が含まれてもよい。
【0036】
有効成分は、エアゾール組成物の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。一例を挙げると、有効成分は、天然香料、合成香料などの各種香料、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体などの両性樹脂;アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸・アクリル酸アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコン共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ポリウレタンなどのアニオン性樹脂、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム-11)、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジメチル硫酸塩、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩酸塩、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7)、塩化-o-〔2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10)、塩化-o-〔2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-24)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルアリルアンモニウムクロライド(ポリクオタニウム-4)などのカチオン性樹脂などの頭髪用セット剤、l-メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ジベンゾイルチアミン、リボフラビンおよびこれらの混合物などのビタミン類、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールなどの防腐剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤、ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタンなどの紫外線散乱剤、アルブチン、コウジ酸などの美白剤、クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤等である。
【0037】
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、有効成分を配合することによる効果が得られやすい。
【0038】
界面活性剤は、エアゾール組成物の起泡性、泡の硬度、保持性などを調整する等の目的で好適に配合される。
【0039】
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、コカミドDEA、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの脂肪酸石鹸以外の陰イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの陽イオン型界面活性剤;アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤;シリコーン系界面活性剤等である。なお、これらの界面活性剤は、本実施形態における可燃性成分には含まれない。
【0040】
界面活性剤が配合される場合、界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、界面活性剤を配合することによる効果が得られやすい。
【0041】
アルコールは、水に溶解しない有効成分を溶解するための溶媒として好適に配合される。
【0042】
アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコールであることが好ましい。本実施形態において、これらのアルコールは、可燃性成分に含まれる。
【0043】
アルコールが配合される場合、アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡の硬度による燃焼性抑制効果が得られつつ、有効成分を配合しやすい。アルコールの含有量がエアゾール組成物中20質量%を超える場合は、泡が硬くなりにくく、燃焼性抑制効果が得られにくい。
【0044】
多価アルコールは、エアゾール組成物の発泡性や乾燥性を調整するなどの目的で好適に配合される。
【0045】
多価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等である。
【0046】
多価アルコールが配合される場合、多価アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、多価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。多価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、発泡性や乾燥性を調整しやすい。
【0047】
油剤は、エアゾール組成物の発泡性や泡の硬度を調整する、油性の汚れを除去する等の目的で好適に配合される。
【0048】
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、コハク酸ジエトキシエチル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油、流動パラフィン、ケロシン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素油、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油等の油脂、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン等のシリコーンオイル等である。なお、これらの油剤は、本実施形態における可燃性成分に含まれる。
【0049】
油剤が配合される場合、油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、油剤を配合することによる効果が得られやすい。
【0050】
高揮発性溶剤は、エアゾール組成物の発泡性を調整する等の目的で好適に用いられる。
【0051】
高揮発性溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、高揮発性溶剤は、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E)、沸点19℃)、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(Z)、沸点39℃)、シス-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン(HFO-1224yd(Z)、沸点15℃)等、沸点が10~40℃であるハイドロフルオロオレフィン等である。これらの高揮発性溶剤は不燃性溶剤であり、本実施形態における可燃性成分に含まれない。
【0052】
高揮発性溶剤が配合される場合、高揮発性溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、高揮発性溶剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、高揮発性溶剤の含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。高揮発性溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、発泡性を調整しやすい。
【0053】
パウダーは、使用感を向上させる等の目的で好適に用いられる。
【0054】
パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、シリカ、ゼオライト、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等である。
【0055】
パウダーが配合される場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、エアゾール組成物中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が上記範囲内であることにより、パウダーを配合することによる効果が得られやすい。
【0056】
原液の調製方法は特に限定されない。原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、原液は、泡硬化成分と、有効成分、界面活性剤、アルコールなどの任意成分とを、水や温水に添加することにより調製し得る。
【0057】
原液の含有量は、エアゾール組成物中70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。また、原液の含有量は、エアゾール組成物中、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。原液の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡質が優れ、所定の硬度の泡を形成しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0058】
(液化ガス)
液化ガスは、エアゾール容器内では液化しており、外部に吐出されると気化して容積が増大し、原液を発泡させて泡を形成する。
【0059】
液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、キメが細かく優れた泡質になり、所定の硬度の泡を形成しやすい点から、可燃性液化ガスであることが好ましく、液化石油ガス、ジメチルエーテルおよびこれらの混合物であることがより好ましい。
【0060】
可燃性液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、可燃性液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。可燃性液化ガスの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡質が優れ、所定の硬度の泡を形成しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0061】
なお、泡質や泡の硬度を低下させない範囲で、可燃性液化ガスと共に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234ze、沸点-19℃)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234yf、沸点-29℃)などの沸点が5℃未満のハイドロフルオロオレフィンが混合されてもよい。
【0062】
また、発泡性エアゾール組成物は、圧縮ガスで加圧してもよい。圧縮ガスは特に限定されない。一例を挙げると、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素、二酸化炭素、亜酸化窒素等である。
【0063】
圧縮ガスが使用される場合、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が0.4MPa以上となるよう充填されることが好ましく、0.45MPa以上となるよう充填されることがより好ましい。また、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が0.7MPa以下となるよう充填されることが好ましく、0.65MPa以下となるよう充填されることがより好ましい。圧力が上記範囲内になるよう圧縮ガスが充填されることにより、低温時でも安定に吐出することができる。
【0064】
本実施形態のエアゾール組成物は、原液および液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量が、エアゾール組成物中、5質量%以上であればよく、7質量%以上であることが好ましい。また、可燃性成分の合計含有量は、30質量%以下であればよく、25質量%以下であることが好ましい。可燃性成分の合計含有量が5質量%未満である場合、エアゾール組成物は、発泡性が悪くなる。一方、可燃性成分の合計含有量が30質量%を超える場合、エアゾール組成物は、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火すると、燃え続けたり、火炎の高さが大きくなる。
【0065】
また、本実施形態のエアゾール組成物を外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100mN(20℃)以上であればよく、105mN(20℃)以上であることが好ましい。また、泡の硬度は、2000mN(20℃)以下であればよく、1000mN(20℃)以下であることが好ましい。泡の硬度が100mN(20℃)未満である場合、エアゾール組成物は、泡内部において、可燃性成分の気化ガスの拡散を抑えることができず、泡の外に可燃性成分が漏れだしやすい。その結果、泡は、長く燃えたり、大きな火炎を生じやすい。一方、泡の硬度が2000mN(20℃)を超える場合、塗り伸ばしにくくなるなど、使用感が低下しやすい。
【0066】
<発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法>
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール製品(以下、エアゾール製品ともいう)は、上記した発泡性エアゾール組成物を含む。本実施形態のエアゾール製品は、エアゾール組成物を充填することにより、調製することができる。具体的には、容器本体に原液を充填してバルブを固着し、バルブから液化ガスを充填し、原液と液化ガスを混合することによってエアゾール組成物を調製するとともに、エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を調製することができる。
【0067】
容器本体は、エアゾール組成物が充填される容器であり、有底筒状である。容器本体の開口部には、バルブが取り付けられる。
【0068】
容器本体の材質は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体の材質は、アルミニウム、ブリキ等の金属、各種合成樹脂、耐圧ガラス等である。
【0069】
バルブは、容器本体の開口部を閉止して密封するための部材である。また、バルブは、容器本体の開口部に装着されるマウンティングカップに保持されるハウジングと、容器本体の内外を連通するステム孔が形成されたステムと、ステム孔の周囲に取り付けられ、ステム孔を閉止するためのステムラバーとを主に備える。ハウジングは、ステムと、ステムラバーと、ステムを上方に付勢するスプリングとを収容する。ステムの上端には、エアゾール組成物を噴霧するための噴射部材が取り付けられる。
【0070】
噴射部材は、バルブの開閉を操作してエアゾール組成物を噴射するための部材であり、ステムの上端に取り付けられる。噴射部材は、噴射孔が形成されたノズル部と、使用者が指等により操作する操作部とを主に備える。噴射孔からは、エアゾール組成物が噴射される。噴射孔の数および形状は特に限定されない。噴射孔は、複数であってもよい。また、噴射孔の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
【0071】
本実施形態のエアゾール製品は、噴射部材が押し下げられると、バルブのステムが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバーが下方に撓み、ステム孔が開放される。その結果、容器本体内と外部とが連通する。容器本体内と外部とが連通すると、容器本体内の圧力と外部との圧力差によって、エアゾール組成物がハウジング内に取り込まれ、次いで、ステム孔、ステム内通路を通過し、噴射部材に送られ、その後、噴射孔から噴射される。吐出されたエアゾール組成物は、対象面(たとえば腕など)において発泡し、フォームを形成する。
【0072】
また、本実施形態のエアゾール製品を用いることにより、吐出物の燃焼性が抑制される。すなわち、本発明の一実施形態の燃焼性抑制方法は、吐出物の燃焼性を抑制するための、燃焼性抑制方法である。燃焼性抑制方法は、エアゾール組成物を外部に吐出して吐出物を形成する。エアゾール組成物は、泡硬化成分および水を含む原液と、液化ガスとからなる。原液および液化ガスに含まれる可燃性成分の合計含有量は、発泡性エアゾール組成物中、5~30質量%である。外部に吐出した場合に形成される泡の硬度は、100~2000mN(20℃)に調整されている。このような燃焼性抑制方法によれば、上記実施形態のエアゾール組成物以外の従来のエアゾール組成物を用いた場合と比較して、泡は、裸火を近づけて着火しても、泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散が抑制され、燃焼性(燃焼時間や火柱の高さ)が抑制される。
【実施例0073】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0074】
(実施例1)
以下の表1に示される処方に従って原液1を調製し、アルミニウム製容器本体に90g(90質量%)充填した。容器本体の開口部にバルブを固着し、バルブから液化石油ガスを10g(10質量%)充填し、エアゾール容器内で原液1と液化石油ガスを混合し、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0075】
【0076】
(実施例2、比較例1~4)
原液の処方を表1に記載の処方に変更し、原液2、4~7を調製した。得られたそれぞれの原液2、4~7を用いて、実施例1と同様の方法により、実施例2、比較例1~4をそれぞれ調製した。
【0077】
実施例1~2、比較例1~4で得られたエアゾール組成物について、以下の評価方法により、泡の硬度、泡の燃焼性(火炎の高さおよび燃焼時間)を評価した。結果を表2に示す。
【0078】
<泡の硬度>
エアゾール製品を20℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を20℃に調整し、有底円筒状のカップ(内径32mm、深さ27mm)に吐出してカップ内を泡で満たし、カップの開口をプレートですり切って泡の表面を平らにした。この泡に、直径30mmの円板状のプランジャーで上から荷重をかけて圧縮することにより硬度(破断点)を測定した。なお硬度と弾性の測定はEZ-test((株)島津製作所製)を使用した。
【0079】
<泡の燃焼試験>
エアゾール製品を20℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を20℃に調整し、時計皿に5g吐出して泡を形成した。泡に裸火を近づけ、泡に引火したときの炎の高さと燃焼時間を測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:泡は、着火しなかった。
○:泡は、着火したが、2秒以内に消えた。
△:泡は、着火し、火炎の高さが4cm未満であった。
×:泡は、着火し、火炎の高さが4cm以上で、燃焼時間が7秒以上であった。
【0080】
【0081】
表2に示されるように、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1のエアゾール組成物は、高級アルコールを入れることで泡の硬度が100mNを超え、着火しなかったことに対し、比較例1のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、着火した。実施例2と比較例2を比較すると、実施例1と比較例1との比較と同様に、エアゾール組成物は、高級アルコールを入れることで着火を抑えることができた。比較例3と比較例4とは、可燃性成分の含有量が30質量%を超えており、エアゾール組成物は、高級アルコールを入れても、泡の硬度が100mNを下回り、燃焼性を抑えることができなかった。
【0082】
(実施例3)
表1に示す原液4を85g(85質量%)、液化石油ガスを15g(15質量%)充填した以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0083】
(比較例5)
表1に示す原液5を用いた以外は、実施例3と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0084】
(実施例4)
表1に示す原液1を80g(80質量%)、液化石油ガスを20g(20質量%)充填した以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0085】
(比較例6)
表1に示す原液2を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0086】
(実施例5)
表1に示す原液3を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0087】
実施例3~5、比較例5~6で得られたエアゾール組成物について、上記評価方法により、泡の硬度、泡の燃焼性(火炎の高さおよび燃焼時間)を評価した。結果を表3に示す。
【0088】
【0089】
表3に示されるように、実施例3と比較例5とを比較すると、実施例3のエアゾール組成物は、高級アルコールを入れることで泡の硬度が100mNを超え、着火はしたが燃焼時間が2秒以内であったことに対し、比較例5のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、火炎の高さが10cmで燃焼時間が26秒であった。実施例4と比較例6とを比較すると、実施例4のエアゾール組成物は、高級アルコールを入れることで泡の硬度が100mNを超え、着火しなかったことに対し、比較例6のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、火炎の高さが15cmで燃焼時間が10秒であった。また、実施例4のエアゾール組成物にエタノールが入った実施例5のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを超え、着火はしたが燃焼時間が2秒以内であった。
【0090】
(実施例6)
表4に示す原液8を95g(95質量%)、液化石油ガスを5g(5質量%)充填した以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0091】
(比較例7)
表5に示す原液9を用いた以外は、実施例6と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0092】
【0093】
【0094】
(実施例7)
表6に示す原液10を80g(80質量%)、液化石油ガスを20g(20質量%)充填した以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0095】
(比較例8)
表6に示す原液11を用いたこと以外は、実施例7と同様にして発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0096】
【0097】
実施例6~7、比較例7~8で得られたエアゾール組成物について、上記評価方法により、泡の硬度、泡の燃焼性(火炎の高さおよび燃焼時間)を評価した。結果を表7に示す。
【0098】
【0099】
表7に示されるように、実施例6と比較例7とを比較すると、実施例6のエアゾール組成物は、アミノ酸石鹸を入れることで、泡の硬度が100mNを超え、火炎の高さが3cmで燃焼時間が10秒だったことに対し、比較例7のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、火炎の高さが3cmで燃焼時間が18秒だった。実施例7と比較例8とを比較すると、実施例7のエアゾール組成物は、脂肪酸石鹸を入れることで、泡の硬度が100mNを超え、火炎の高さが13cmで燃焼時間が2秒以内であったことに対し、比較例8のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、火炎の高さが20cmで燃焼時間が12秒だった。
【0100】
(実施例8)
表8に示す原液12を80g(80質量%)、液化石油ガスを20g(20質量%)充填した以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0101】
【0102】
実施例8で得られたエアゾール組成物について、上記評価方法により、泡の硬度、泡の燃焼性(火炎の高さおよび燃焼時間)を評価した。結果を表9に示す。
【0103】
【0104】
表9に示されるように、実施例8と可燃性成分量が同じで泡硬化成分が入っていない比較例6とを比較すると、実施例8のエアゾール組成物は、水溶性高分子を入れることで、泡の硬度が100mNを超え、火炎の高さが18cmで燃焼時間が2秒以内だったことに対し、比較例6のエアゾール組成物は、泡の硬度が100mNを下回り、火炎の高さが15cmで燃焼時間が10秒であった。