(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172023
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20231129BHJP
H01R 13/506 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01R13/42 E
H01R13/42 F
H01R13/506
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083568
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 奨
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE04
5E087EE11
5E087FF08
5E087FF13
5E087GG15
5E087GG26
5E087HH01
5E087LL02
5E087LL12
5E087RR06
5E087RR25
5E087RR29
(57)【要約】
【課題】部品点数および製造工程の削減を図ることができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ1は、ハウジング10と、リテーナ部51を備えるフロントホルダ40と、を備え、ハウジング10が、端子収容部11から突出する第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32を備え、フロントホルダ40が、周壁43から突出し、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときには第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との間に配され、フロントホルダ40が本係止位置にあるときには第1ハウジングロック31に隣接して配置される第1リテーナロック61と、周壁43から突出し、フロントホルダ40が本係止位置にあるときには第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との間に配され、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときには第2ハウジングロック32に隣接して配置される第2リテーナロック62と、を備える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合面と、前記嵌合面に開口して内部に端子金具を収容するキャビティと、を有する端子収容部を備えて相手コネクタと嵌合されるハウジングと、
前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記端子収容部を囲む周壁と、前記周壁から突出するリテーナ部と、を備えて仮係止位置と本係止位置との間で変位可能なフロントホルダと、を備え、
前記リテーナ部が、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記キャビティから外れた位置に配置され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記キャビティの内部に配置されて前記端子金具に係合する抜け止め部を備え、
前記ハウジングが、前記端子収容部から突出する第1ハウジングロックおよび第2ハウジングロックを備え、
前記フロントホルダが、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックに隣接して配置される第1リテーナロックと、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第2ハウジングロックに隣接して配置される第2リテーナロックと、を備える、コネクタ。
【請求項2】
前記周壁のうち少なくとも前記リテーナロックが配された部分が、前記フロントホルダの仮係止位置と本係止位置との間での移動に伴って、前記第2リテーナロックよりも前記第1リテーナロックが前記端子収容部から離れるように撓み変形可能となっており、
前記第2ハウジングロックの突出高さが前記第1ハウジングロックの突出高さよりも低くなっている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記周壁が、前記相手コネクタに備えられた案内部を受け入れる案内受部を備えており、
前記第1リテーナロックおよび前記第2リテーナロックが、前記前壁に対して前記案内受部よりも離れた位置に配されている、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングが、前記端子収容部から突出し、前記第2ハウジングロックに対して前記第1ハウジングロックと反対側に配された離脱防止ロックを備えており、
前記離脱防止ロックにおいて前記第2ハウジングロックを向く面が、前記端子収容部に近づくほど前記第2ハウジングロックから離れる向きに傾く離脱規制面となっており、
前記第2ハウジングロックが、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときに前記離脱規制面に係合する規制受け面を有している、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
端子金具を収容するハウジングと、端子金具をハウジングのキャビティ内に抜け止めするサイドリテーナと、を備えたコネクタが知られている。サイドリテーナはハウジングに対して、キャビティへの端子金具の挿入方向と交差する方向に差し込まれ、端子金具を抜け止めするようになっている。リテーナは、キャビティへの端子金具の挿抜作業を許容する仮係止位置と、端子金具の挿抜を規制する本係止位置との間で、ハウジングに対して相対的に変位可能となっている。このようなコネクタは、ハウジングの前面を覆うフロントマスクを備えていることがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成のコネクタでは、部品点数が多くなって製造工程が複雑化し、コネクタが大型化しがちであるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるコネクタは、嵌合面と、前記嵌合面に開口して内部に端子金具を収容するキャビティと、を有する端子収容部を備えて相手コネクタと嵌合されるハウジングと、前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記端子収容部を囲む周壁と、前記周壁から突出するリテーナ部と、を備えて仮係止位置と本係止位置との間で変位可能なフロントホルダと、を備え、前記リテーナ部が、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記キャビティから外れた位置に配置され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記キャビティの内部に配置されて前記端子金具に係合する抜け止め部を備え、前記ハウジングが、前記端子収容部から突出する第1ハウジングロックおよび第2ハウジングロックを備え、前記フロントホルダが、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックに隣接して配置される第1リテーナロックと、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第2ハウジングロックに隣接して配置される第2リテーナロックと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本明細書によって開示されるコネクタによれば、部品点数および製造工程の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態のコネクタの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態のコネクタの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態のハウジングの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態のハウジングの側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態のハウジングの底面図である。
【
図6】
図6は、実施形態のハウジングを
図3とは異なる方向から示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態のフロントホルダの斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態のフロントホルダを
図7とは異なる方向から示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態のフロントホルダの平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態において、ハウジングに対してフロントホルダが仮係止位置に保持されている状態を示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態において、ハウジングに対してフロントホルダが本係止位置に保持されている状態を示す平面図である。
【
図21】
図21は、ハウジングに対してフロントホルダを本係止位置から仮係止位置へ移動させる途中の様子を、
図16のE-E線と同位置で切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
(1)本明細書によって開示されるコネクタは、嵌合面と、前記嵌合面に開口して内部に端子金具を収容するキャビティと、を有する端子収容部を備えて相手コネクタと嵌合されるハウジングと、前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記端子収容部を囲む周壁と、前記周壁から突出するリテーナ部と、を備えて仮係止位置と本係止位置との間で変位可能なフロントホルダと、を備え、前記リテーナ部が、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記キャビティから外れた位置に配置され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記キャビティの内部に配置されて前記端子金具に係合する抜け止め部を備え、前記ハウジングが、前記端子収容部から突出する第1ハウジングロックおよび第2ハウジングロックを備え、前記フロントホルダが、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックに隣接して配置される第1リテーナロックと、前記周壁から突出し、前記フロントホルダが前記本係止位置にあるときには前記第1ハウジングロックと前記第2ハウジングロックとの間に配され、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときには前記第2ハウジングロックに隣接して配置される第2リテーナロックと、を備える。
【0009】
上記の構成によれば、フロントホルダがリテーナ部を備えているので、フロントホルダとリテーナとが別体となっている構成と比較して、部品点数および製造工程を削減することができる。また、フロントホルダの本係止位置から仮係止位置への移動、および、仮係止位置から本係止位置への移動の双方が、2つのハウジングロックと2つのリテーナロックとで規制されているので、フロントホルダの仮係止位置および本係止位置への保持力が向上する。
【0010】
(2)上記(1)のコネクタにおいて、前記周壁のうち少なくとも前記リテーナロックが配された部分が、前記フロントホルダの仮係止位置と本係止位置との間での移動に伴って、前記第2リテーナロックよりも前記第1リテーナロックが前記端子収容部から離れるように撓み変形可能となっており、前記第2ハウジングロックの突出高さが前記第1ハウジングロックの突出高さよりも低くなっている。
【0011】
上記の構成によれば、フロントホルダが仮係止位置と本係止位置との間で移動する際には、周壁が撓み変形することで、第1リテーナロックが第1ハウジングロックを、第2リテーナロックが第2ハウジングロックを、それぞれ乗り越えることが可能となる。仮に、第2ハウジングロックの突出高さが、第1ハウジングロックの突出高さと等しくなっていると、周壁が撓んで斜めの姿勢となることにより、第1リテーナロックが第1ハウジングロックから浮き上がってしまう。このため、フロントホルダが仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第2リテーナロックが乗り上げている第2ハウジングロックのみで受けることとなる。これに対し、第2ハウジングロックの突出高さが、第1ハウジングロックの突出高さよりも低くなっていると、周壁が撓んで斜めの姿勢となったときに、フロントホルダが仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第1ハウジングロックと第2ハウジングロックとの双方で受けることができる。これにより、第2ハウジングロックの潰れを抑制できる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)のコネクタにおいて、前記周壁が、前記相手コネクタに備えられた案内部を受け入れる案内受部を備えており、前記第1リテーナロックおよび前記第2リテーナロックが、前記前壁に対して前記案内受部よりも離れた位置に配されている。
【0013】
このような構成によれば、第1リテーナロックおよび第2リテーナロックの構成を変えることなく案内受部の設計を変更することができるので、設計の自由度が高まる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)のいずれかのコネクタにおいて、前記ハウジングが、前記端子収容部から突出し、前記第2ハウジングロックに対して前記第1ハウジングロックと反対側に配された離脱防止ロックを備えており、前記離脱防止ロックにおいて前記第2ハウジングロックを向く面が、前記端子収容部に近づくほど前記第2ハウジングロックから離れる向きに傾く離脱規制面となっており、前記第2ハウジングロックが、前記フロントホルダが前記仮係止位置にあるときに前記離脱規制面に係合する規制受け面を有している。
【0015】
このような構成によれば、離脱防止ロックに係止した第2リテーナロックが離脱防止ロックを乗り越えることは難しく、仮係止位置にあるフロントホルダが端子収容部から離脱するためには比較的大きな力が必要となっている。これにより、フロントホルダが本係止位置から仮係止位置に移動される際に、勢い余って端子収容部から離脱してしまうことが回避される。
【0016】
[実施形態の詳細]
本明細書によって開示される技術の具体例を、以下に
図1から
図21を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0017】
[コネクタ1の全体構造]
実施形態のコネクタ1は、
図1および
図2に示すように、端子金具70を収容可能なキャビティ12を有し、相手コネクタと嵌合するハウジング10と、ハウジング10に組み付けられるシールリングSおよびフロントホルダ40と、を備えている。以下の説明において、コネクタ1の相手コネクタに対する嵌合方向(
図1の右下-左上方向)を前後方向とし、相手コネクタが組み付けられる側(
図1の右下側)を前側とする。
【0018】
[ハウジング10]
ハウジング10は、合成樹脂製であって、
図3、
図4、
図5および
図6に示すように、端子収容部11と、フード部21と、ロックアーム24と、を備えている。
【0019】
端子収容部11は、扁平なブロック状をなしており、端子収容部11の外面は、
図4および
図5に示すように、嵌合面11Aと、嵌合面11Aに対して垂直なリテーナ配置面11Bと、リテーナ配置面11Bと反対側に配され、リテーナ配置面11Bと平行なホルダロック面11Cと、リテーナ配置面11Bとホルダロック面11Cとを繋ぐリテーナ進入面11Dと、を有している。端子収容部11は、嵌合面11Aからその反対側の面まで貫通する複数のキャビティ12(本実施形態では3つ)を有している。複数のキャビティ12は、リテーナ配置面11Bに沿って一列に並んで配されている。各キャビティ12の内部に、端子金具70が収容されている。
【0020】
端子収容部11は、
図3および
図4に示すように、リテーナ配置面11Bに配され、各キャビティ12に連通するリテーナ進入凹部13を有している。リテーナ進入凹部13は、複数のキャビティ12を横切るように延びており、リテーナ進入面11Dに開口部(第1進入口13A)を有している。
【0021】
端子収容部11においてリテーナ進入凹部13よりも前方の部分には、リテーナ配置面11Bに隣接する壁が切り欠かれた形状のランス配置凹部14が配されており、このランス配置凹部14の内部空間はキャビティ12と連通している。このランス配置凹部14には、端子金具70を係止するランス15が配置されている。ランス15は、ランス配置凹部14とリテーナ進入凹部13との間の壁部から前方に延びる板ばね状をなしている。
【0022】
フード部21は、
図3に示すように、端子収容部11を囲む筒状をなしている。端子収容部11において嵌合面11Aに隣接する一部は、フード部21から前方に突出している。端子収容部11とフード部21とは
図15および
図20に示すように、接続壁22によって接続されている。フード部21は、
図3および
図4に示すように、リテーナ進入面11Dに対向する位置に、前端から後方に向かって凹み、フロントホルダ40の進入を許容するホルダ進入凹部23を有している。
【0023】
ロックアーム24は、端子収容部11から延びる板ばね状をなし、相手コネクタと嵌合する際に、相手コネクタに備えられたロック突起に係止するようになっている。
【0024】
[シールリングS]
シールリングSは、ゴム等の弾性材料により形成された環状の部材であって、
図15および
図20に示すように、端子収容部11の外周に装着されている。シールリングSは、端子収容部11の外周面と相手コネクタとの間に圧縮状態で配され、ハウジング10と相手コネクタとの隙間に水が進入することを防ぐための部材である。
【0025】
[フロントホルダ40]
フロントホルダ40は、合成樹脂製であって、端子収容部11においてシールリングSが装着されている部分よりも前側の部分に組み付けられる部材である。フロントホルダ40は、
図7に示すように、端子収容部11を囲むホルダ部41と、ホルダ部41の内部に配されるリテーナ部51とを備えている。
【0026】
ホルダ部41は、嵌合面11Aに沿って配される前壁42と、前壁42の周縁から延び、端子収容部11を囲む周壁43と、を備えている。周壁43は、
図7に示すように、リテーナ配置面11Bに沿って配される第1周壁43Aと、ホルダロック面11Cに沿って配され、第1周壁43Aと平行な第2周壁43Bと、リテーナ進入面11Dに沿って配され、第1周壁43Aと第2周壁43Bとを繋ぐ第3周壁43Cとを有するU字状をなし、第3周壁43Cおよび前壁42と反対側に、それぞれ開口部を有している。第3周壁43Cと反対側の開口部は、端子収容部11の進入を許容する第2進入口44となっている。
【0027】
ホルダ部41は、
図8に示すように、前壁42を貫通する複数の端子挿入孔45と、複数の治具挿入孔46と、を有している。複数の端子挿入孔45は、複数のキャビティ12とそれぞれ連通しており、相手コネクタに備えられる相手端子を挿入可能となっている。複数の治具挿入孔46は、端子金具70をハウジング10から取り外す際にランス15を強制的に撓み変形させるための解除治具(図示せず)を挿入可能となっている。
【0028】
フロントホルダ40は、
図15および
図20に示すように、端子金具70において端子収容部11から露出する部分を覆って保護するとともに、シールリングSを前方から押さえることで、シールリングSが端子収容部11に対する正規の装着位置から前方に抜けることを規制している。
【0029】
ホルダ部41は、
図7および
図9に示すように、第2周壁43Bの外面に配され、相手コネクタに設けられたリブ状の案内部を受け入れる案内溝47(案内受部の一例)を有している。案内溝47は、前壁42から、前壁42と反対側の開口部の手前まで延びている。
【0030】
リテーナ部51は、
図7および
図8に示すように、リテーナ本体52と、複数の抜け止め突起53(抜け止め部の一例)とを備えている。リテーナ本体52は、第1周壁43Aから第2周壁43Bに向かって突出し、第2進入口44の口縁から第3周壁43Cに向かって、前壁42と平行に延びている。複数の抜け止め突起53は、リテーナ本体52から第2周壁43Bに向かって延びている。複数の抜け止め突起53は、複数のキャビティ12に対応して配置されている。
【0031】
フロントホルダ40は、端子収容部11に対して、仮係止位置(
図11に示す位置)と本係止位置(
図16に示す位置)との間で、嵌合面11Aおよび前壁42に平行な方向(
図11および
図16の上下方向)に変位可能となっている。
【0032】
[ハウジングロック31、32、離脱防止ロック33、およびリテーナロック61、62]
ハウジング10は、端子収容部11から突出する第1ハウジングロック31、第2ハウジングロック32、および離脱防止ロック33を備えており、フロントホルダ40は、周壁43から突出してハウジングロック31、32および離脱防止ロック33と係合する第1リテーナロック61および第2リテーナロック62を備えている。
【0033】
図6、
図12および
図17に示すように、離脱防止ロック33、第2ハウジングロック32、および第1ハウジングロック31は、ホルダロック面11Cから突出し、リテーナ進入面11Dに近い側からこの順に、間隔を開けて並んで配置されている。
図13および
図18に示すように、2つのハウジングロック31、32において、リテーナ進入面11D側(
図13および
図18の右側)の側面には、それぞれ、ホルダロック面11Cから離れるほどリテーナ進入面11Dから離れる向きに傾く前進案内面31A、32Aが配されている。また、第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32において、リテーナ進入面11Dとは反対側(
図13および
図18の左側)の側面には、それぞれ、ホルダロック面11Cから離れるほどリテーナ進入面11Dに近づく向きに傾く後退案内面31B、32Bが配されている。離脱防止ロック33において、リテーナ進入面11D側の側面には、ホルダロック面11Cから離れるほどリテーナ進入面11Dから離れる向きに傾く進入案内面33Aが配されており、リテーナ進入面11Dとは反対側の側面には、ホルダロック面11Cから離れるほどリテーナ進入面11Dから離れる向きに傾く離脱規制面33Bが配されている。
【0034】
図18に示すように、第1ハウジングロック31、第2ハウジングロック32、および離脱防止ロック33において、突出端からホルダロック面11Cまでの距離で規定される突出高さをそれぞれH1、H2、H3としたとき、第2ハウジングロック32の突出高さH2は、第1ハウジングロック31の突出高さH1および離脱防止ロック33の突出高さH3よりも低くなっている。
【0035】
図7、
図12および
図17に示すように、第1リテーナロック61および第2リテーナロック62は、第2周壁43Bから内側に向かって(第1周壁43Aに向かって)突出し、第2進入口44に近い側からこの順に、間隔を開けて並んで配されている。2つのリテーナロック61、62は、
図7および
図10に示すように、案内溝47よりも後方(前壁42から離れた側)に配されている。第2リテーナロック62において、第3周壁43Cを向く側面には、
図13および
図18に示すように、第2周壁43Bから離れるほど第3周壁43Cに近づく向きに傾き、離脱規制面33Bに係止する規制受け面62Aが配されている。
【0036】
[端子金具70]
端子金具70は、雌型の端子金具であって、
図15および
図20に示すように、角筒状をなし、相手コネクタに備えられた相手端子を受け入れる接続筒部71と、接続筒部71の一端から延びる連結部72と、連結部72に連なり、電線Wに圧着される電線接続部73と、を備える。接続筒部71は、筒壁を貫通するランス受け孔74を有している。なお、端子金具70は、
図15及び
図20においてのみ図示され、他の図では省略されている。
【0037】
[コネクタ1の組み立て、及び分解]
上記の構成のコネクタ1を組み立てる手順の一例を以下に説明する。
【0038】
まず、ハウジング10に対してフロントホルダ40が仮係止位置に装着される。端子収容部11が第2進入口44からフロントホルダ40の内部に進入する。このとき、リテーナ部51が第1進入口13Aからリテーナ進入凹部13に進入する。第1リテーナロック61が離脱防止ロック33に乗り上げると、第2周壁43Bが端子収容部11から離れる方向に撓む。このとき、進入案内面33Aが、第1リテーナロック61の離脱防止ロック33への乗り上げを案内する。第1リテーナロック61が離脱防止ロック33を乗り越えると、第2周壁43Bが弾性復帰し、離脱防止ロック33と第2ハウジングロック32との間に第1リテーナロック61が入り込む。
【0039】
さらに端子収容部11をフロントホルダ40の内部に押し込んでいくと、第1リテーナロック61が第2ハウジングロック32に、第2リテーナロック62が離脱防止ロック33に乗り上げ、第2周壁43Bが再び端子収容部11から離れる方向に撓む。このとき、前進案内面32Aが、第1リテーナロック61の第2ハウジングロック32への乗り上げを案内し、進入案内面33Aが、第2リテーナロック62の離脱防止ロック33への乗り上げを案内する。第1リテーナロック61が第2ハウジングロック32を乗り越え、第2リテーナロック62が離脱防止ロック33を乗り越えると、第2周壁43Bが弾性復帰し、フロントホルダ40が仮係止位置に保持される。
【0040】
フロントホルダ40が仮係止位置に保持された状態では、
図12および
図13に示すように、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との間に入り込む。また、第2リテーナロック62は第2ハウジングロック32に対して第1ハウジングロック31とは反対側に配され、離脱防止ロック33と第2ハウジングロック32との間に入り込む。第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32に、それぞれ係止することで、フロントホルダ40の予期せぬ本係止位置への移動が規制される。また、第1リテーナロック61が第2ハウジングロック32に、第2リテーナロック62が離脱防止ロック33に、それぞれ係止することで、フロントホルダ40の予期せぬ端子収容部11からの離脱が規制される。各抜け止め突起53は、
図14に示すように、各キャビティ12から外れて配置される。つまり、各抜け止め突起53が、各キャビティ12への端子金具70の挿入経路上から外れて配置されており、端子金具70のキャビティ12に対する挿抜が可能となっている。
【0041】
続いて、端子金具70がハウジング10に装着される。各端子金具70が、後方から各キャビティ12の内部に挿入される。端子金具70が進入していくと、ランス15が接続筒部71に押されて外側に撓む。端子金具70が正規位置に達すると、ランス15が弾性復帰する。ランス15の先端部は、
図15に示すように、キャビティ12内に突出してランス受け孔74に入り込み、その孔縁に係止して端子金具70を抜け止めする(一次係止)。
【0042】
次に、フロントホルダ40が本係止位置に移動される。端子収容部11をフロントホルダ40の内部に押し込んでいくと、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32に乗り上げ、第2周壁43Bが端子収容部11から離れる方向に撓む。このとき、前進案内面31A、32Aが、第1リテーナロック61および第2リテーナロック62の第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32への乗り上げを案内する。第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31を乗り越え、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32を乗り越えると、第2周壁43Bが弾性復帰し、フロントホルダ40が本係止位置に保持される。
【0043】
フロントホルダ40が本係止位置に保持された状態では、
図17および
図18に示すように、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に対して第2ハウジングロック32と反対側に配される。また、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32と第1ハウジングロック31との間に入り込む。第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32に、それぞれ係止することで、フロントホルダ40の予期せぬ仮係止位置への移動が規制される。また、各抜け止め突起53は、
図19および
図20に示すように、各キャビティ12の内部に突出して配置される。
図20に示すように、各抜け止め突起53が各端子金具70の接続筒部71の後端に係止することにより、端子金具70のキャビティ12からの離脱が規制される(二次係止)。
【0044】
次に、メンテナンスのためにコネクタ1を分解する手順の一例を説明する。
【0045】
図21に示すように、取り外し用治具Jを第2進入口44から第2周壁43Bと端子収容部11との間に差し入れ、第2周壁43Bを端子収容部11から離れる方向に撓ませる。これにより、第1リテーナロック61の第1ハウジングロック31への係止、第2リテーナロック62の第2ハウジングロック32への係止が解除される。この状態で、フロントホルダ40が仮係止位置へ移動される。このとき、後退案内面31B、32Bが、第1リテーナロック61および第2リテーナロック62の第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32への乗り上げを案内する。第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31を乗り越え、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32を乗り越えると、第2周壁43Bが弾性復帰し、フロントホルダ40が仮係止位置に保持される。フロントホルダ40が仮係止位置に保持された状態では、上記したように、各抜け止め突起53が各キャビティ12への端子金具70の挿入経路上から外れて配置され、キャビティ12に対する端子金具70の挿抜が可能となる。
【0046】
次に、治具挿入孔46に挿入された解除治具によってランス15が撓み変形されることにより、端子金具70へのランス15の係止が解除される。この後、端子金具70がキャビティ12から引き抜かれる。
【0047】
ここで、上記したように、フロントホルダ40が仮係止位置に保持された状態では、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32に、それぞれ係止することで、フロントホルダ40の予期せぬ本係止位置への移動が規制される(
図12参照)。一方、フロントホルダ40が本係止位置に保持された状態では、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31に、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32に、それぞれ係止することで、フロントホルダ40の予期せぬ仮係止位置への移動が規制される(
図17参照)。このように、2つのハウジングロック31、32と2つのリテーナロック61、62とによって、フロントホルダ40の本係止位置-仮係止位置間での予期せぬ移動が規制されているため、1つのハウジングロックによって移動が規制される場合と比較して、フロントホルダ40の予期せぬ移動を確実に規制できる。
【0048】
また、第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32は、後退案内面31B、32Bを有しているため、コネクタ1のメンテナンスの際のフロントホルダ40の本係止位置から仮係止位置への移動は、比較的小さな力で行うことが可能となっている。これに対し、離脱防止ロック33は、離脱規制面33Bを有し、第2リテーナロック62は、離脱規制面33Bに係止する規制受け面62Aを有しているため、離脱防止ロック33に係止した第2リテーナロック62が離脱防止ロック33を乗り越えることは難しく、仮係止位置にあるフロントホルダ40が端子収容部11から離脱するためには比較的大きな力が必要となっている(
図13参照)。これにより、フロントホルダ40が本係止位置から仮係止位置に移動される際に、勢い余って端子収容部11から離脱してしまうことが回避される。
【0049】
また、上記したように、フロントホルダ40の仮係止位置から本係止位置への移動、本係止位置から仮係止位置への移動の際には、第2周壁43Bが端子収容部11から離れる方向に撓む。このとき、第2周壁43Bは、第1進入口13A側が第3周壁43C側よりも端子収容部11から離れる向きに傾く。すなわち、第2リテーナロック62よりも第1リテーナロック61の方が端子収容部11から離れて位置することとなる(
図21参照)。
【0050】
仮に、第2ハウジングロックの突出高さが、第1ハウジングロックの突出高さと等しくなっている場合には、第2周壁が撓んでホルダロック面に対して斜めの姿勢となることにより、第1リテーナロックが第1ハウジングロックから浮き上がってしまう。したがって、フロントホルダが仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第2リテーナロックが乗り上げている第2ハウジングロックのみで受けることとなる。このため、コネクタのメンテナンスに伴ってフロントホルダの仮係止位置-本係止位置への移動が繰り返し行われると、第2ハウジングロックが潰れてしまうことが懸念される。
【0051】
しかし、本実施形態では、上記したように、第2ハウジングロック32の突出高さH2が、第1ハウジングロック31の突出高さH1よりも低くなっている。このため、第2周壁43Bが撓んでホルダロック面11Cに対して斜めの姿勢となった際に、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31から浮き上がってしまうことを回避し、フロントホルダ40が仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との双方で受けることができる。これにより、第2ハウジングロック32の潰れを抑制できる。
【0052】
[作用効果]
以上のように本実施形態によれば、コネクタ1は、嵌合面11Aと、嵌合面11Aに開口して内部に端子金具70を収容するキャビティ12と、を有する端子収容部11を備えて相手コネクタと嵌合されるハウジング10と、嵌合面11Aに沿って配される前壁42と、前壁42から延びて端子収容部11を囲む周壁43と、周壁43から突出するリテーナ部51と、を備えて仮係止位置と本係止位置との間で変位可能なフロントホルダ40と、を備え、リテーナ部51が、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときにはキャビティ12から外れた位置に配置され、フロントホルダ40が本係止位置にあるときにはキャビティ12の内部に配置されて端子金具70に係合する抜け止め突起53を備え、ハウジング10が、端子収容部11から突出する第1ハウジングロック31および第2ハウジングロック32を備え、フロントホルダ40が、周壁43から突出し、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときには第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との間に配され、フロントホルダ40が本係止位置にあるときには第1ハウジングロック31に隣接して配置される第1リテーナロック61と、周壁43から突出し、フロントホルダ40が本係止位置にあるときには第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との間に配され、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときには第2ハウジングロック32に隣接して配置される第2リテーナロック62と、を備える。
【0053】
上記の構成によれば、フロントホルダ40がリテーナ部51を備えているので、フロントホルダとリテーナとが別体となっている場合と比較して、部品点数および製造工程を削減することができる。また、フロントホルダ40の本係止位置から仮係止位置への移動、および、仮係止位置から本係止位置への移動の双方が、2つのハウジングロック31、32と2つのリテーナロック61、62とで規制されているので、フロントホルダ40の仮係止位置および本係止位置への保持力が向上する。
【0054】
また、周壁43のうちリテーナロック61、62が配された第2周壁43Bが、フロントホルダ40の仮係止位置と本係止位置との間での移動に伴って、第2リテーナロック62よりも第1リテーナロック61が端子収容部11から離れるように撓み変形可能となっており、第2ハウジングロック32の突出高さH2が第1ハウジングロック31の突出高さH1よりも低くなっている。
【0055】
上記の構成によれば、フロントホルダ40が仮係止位置と本係止位置との間で移動する際には、第2周壁43Bが撓み変形することで、第1リテーナロック61が第1ハウジングロック31を、第2リテーナロック62が第2ハウジングロック32を、それぞれ乗り越えることが可能となる。仮に、第2ハウジングロックの突出高さが、第1ハウジングロックの突出高さと等しくなっていると、周壁が撓んで斜めの姿勢となることにより、第1リテーナロックが第1ハウジングロックから浮き上がってしまう。このため、フロントホルダが仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第2リテーナロックが乗り上げている第2ハウジングロックのみで受けることとなる。本実施形態では、第2ハウジングロック32の突出高さH2が、第1ハウジングロック31の突出高さH1よりも低くなっているので、第2周壁43Bが撓んで斜めの姿勢となったときに、フロントホルダ40が仮係止位置に移動しようとして加えられる荷重を、第1ハウジングロック31と第2ハウジングロック32との双方で受けることができる。これにより、第2ハウジングロック32の潰れを抑制できる。
【0056】
また、周壁43が、相手コネクタに備えられた案内部を受け入れる案内溝47を備えており、第1リテーナロック61および第2リテーナロック62が、前壁42に対して案内溝47よりも離れた位置に配されている。
【0057】
このような構成によれば、第1リテーナロック61および第2リテーナロック62の構成を変えることなく案内溝47の設計を変更することができるので、設計の自由度が高まる。
【0058】
また、ハウジング10が、端子収容部11から突出し、第2ハウジングロック32に対して第1ハウジングロック31と反対側に配された離脱防止ロック33を備えており、離脱防止ロック33において第2ハウジングロック32を向く面が、端子収容部11に近づくほど第2ハウジングロック32から離れる向きに傾く離脱規制面33Bとなっており、第2ハウジングロック32が、フロントホルダ40が仮係止位置にあるときに離脱規制面33Bに係合する規制受け面62Aを有している。
【0059】
このような構成によれば、離脱防止ロック33に係止した第2リテーナロック62が離脱防止ロック33を乗り越えることは難しく、仮係止位置にあるフロントホルダ40が端子収容部11から離脱するためには比較的大きな力が必要となっている。これにより、フロントホルダ40が本係止位置から仮係止位置に移動される際に、勢い余って端子収容部11から離脱してしまうことが回避される。
【0060】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、端子金具は雌端子金具であったが、端子金具が雄端子金具であっても構わない。
(2)上記実施形態では、キャビティは3つであったが、キャビティは2つ以下または4つ以上であっても構わない。
【符号の説明】
【0061】
1:コネクタ
10:ハウジング
11:端子収容部
11A:嵌合面
11B:リテーナ配置面
11C:ホルダロック面
11D:リテーナ進入面
12:キャビティ
13:リテーナ進入凹部
13A:第1進入口
14:ランス配置凹部
15:ランス
21:フード部
22:接続壁
23:ホルダ進入凹部
24:ロックアーム
31:第1ハウジングロック
31A、32A:前進案内面
31B、32B:後退案内面
32:第2ハウジングロック
33:離脱防止ロック
33A:進入案内面
33B:離脱規制面
40:フロントホルダ
41:ホルダ部
42:前壁
43:周壁
43A:第1周壁
43B:第2周壁
43C:第3周壁
44:第2進入口
45:端子挿入孔
46:治具挿入孔
47:案内溝(案内受部)
51:リテーナ部
52:リテーナ本体
53:抜け止め突起(抜け止め部)
61:第1リテーナロック
62:第2リテーナロック
62A:規制受け面
70:端子金具
71:接続筒部
72:連結部
73:電線接続部
74:ランス受け孔
H1:第1ハウジングロックの突出高さ
H2:第2ハウジングロックの突出高さ
H3:離脱防止ロックの突出高さ
J:取り外し治具
S:シールリング
W:電線