(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172030
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】キャビネット
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20231129BHJP
A47B 67/02 20060101ALI20231129BHJP
A47K 1/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B67/02 502G
A47K1/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083575
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】大野 正博
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA04
3B067BA01
(57)【要約】
【課題】振動によって収納物が動くことを抑制可能なキャビネットを提供することを目的とする。
【解決手段】収納空間の前方に位置する扉と、前記収納空間内において収納物を載置可能な載置部と、前記載置部に載置された前記収納物が前記載置部から落下することを抑える収納抑え部と、前記載置部に載置された前記収納物を、左右方向の一方側に押して寄せる寄せ機構と、を備えたことを特徴とするキャビネットが提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間の前方に位置する扉と、
前記収納空間内において収納物を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された前記収納物が前記載置部から落下することを抑える収納抑え部と、
前記載置部に載置された前記収納物を、左右方向の一方側に押して寄せる寄せ機構と、
を備えたことを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記扉は、左側部と右側部とを有し、前記左側部及び前記右側部の一方において回動可能に支持され、
前記寄せ機構は、前記載置部に載置された前記収納物を、前記左側部及び前記右側部の前記一方から前記左側部及び前記右側部の他方へ向かう方向に、押して寄せることを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記扉は、前記収納空間の一部の前方を覆い、左右に摺動可能に設けられ、
前記寄せ機構は、前記載置部に載置された前記収納物を、前記収納空間の右端部及び左端部の一方へ向かう方向に、押して寄せることを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記寄せ機構は、前記載置部または前記収納抑え部に配置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のキャビネット。
【請求項5】
前記寄せ機構は、前記収納抑え部に配置されることを特徴とする請求項4に記載のキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、収納物を収納する収納空間を有するキャビネットにおいて、振動が生じると、収納空間内に収納された収納物が動く。これにより、例えば収納物が倒れることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、振動によって収納物が動くことを抑制可能なキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、収納空間の前方に位置する扉と、前記収納空間内において収納物を載置可能な載置部と、前記載置部に載置された前記収納物が前記載置部から落下することを抑える収納抑え部と、前記載置部に載置された前記収納物を、左右方向の一方側に押して寄せる寄せ機構と、を備えたことを特徴とするキャビネットである。
【0006】
このキャビネットによれば、寄せ機構が収納物を左右方向の一方側に押して寄せるため、キャビネットに振動が生じたとしても、載置部に載置された収納物が動くことを抑制できる。例えば、収納物が倒れることを抑制できる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記扉は、左側部と右側部とを有し、前記左側部及び前記右側部の一方において回動可能に支持され、前記寄せ機構は、前記載置部に載置された前記収納物を、前記左側部及び前記右側部の前記一方から前記左側部及び前記右側部の他方へ向かう方向に、押して寄せることを特徴とするキャビネットである。
【0008】
このキャビネットによれば、収納物は、扉の左側部及び右側部の他方側、すなわち扉の開く側に、押して寄せられる。これにより、収納物を取り出すために扉を全開にする必要が低減される。
【0009】
第3の発明は、第1の発明において、前記扉は、前記収納空間の一部の前方を覆い、左右に摺動可能に設けられ、前記寄せ機構は、前記載置部に載置された前記収納物を、前記収納空間の右端部及び左端部の一方へ向かう方向に、押して寄せることを特徴とするキャビネットである。
【0010】
このキャビネットによれば、収納物は、収納空間の右端部及び左端部の一方に、押して寄せられる。これにより、使用者は、収納空間内に収納された収納物を取り出しやすい。
【0011】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記寄せ機構は、前記載置部または前記収納抑え部に配置されることを特徴とするキャビネットである。
【0012】
このキャビネットによれば、寄せ機構が載置部の上方に配置された部材(例えば天板)に配置され、当該部材から下方に延びる場合に比べて、意匠性を向上させることができる。
【0013】
第5の発明は、第4の発明において、前記寄せ機構は、前記収納抑え部に配置されることを特徴とするキャビネットである。
【0014】
このキャビネットによれば、寄せ機構が載置部に配置された場合に比べて、収納物から漏れた液体等が寄せ機構に悪影響を及ぼしにくい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様によれば、振動によって収納物が動くことを抑制可能なキャビネットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係るキャビネットを例示する正面図である。
【
図2】実施形態に係るキャビネットを例示する断面図である。
【
図3】実施形態に係る別のキャビネットを例示する正面図である。
【
図4】実施形態に係る別のキャビネットを例示する断面図である。
【
図5】実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する平面図である。
【
図6】、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する側面図である。
【
図7】実施形態に係るキャビネットの寄せ機構の動作を例示する平面図である。
【
図8】実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する平面図である。
【
図9】実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する平面図である。
【
図10】実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する平面図である。
【
図11】実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する側面図である。
【
図12】実施形態に係るキャビネットを有する洗面化粧台を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るキャビネットを例示する正面図である。
図2は、実施形態に係るキャビネットを例示する断面図である。
図1及び
図2は、実施形態に係るキャビネット101を表す。
図2は、
図1に示したA-A線断面を表す。この例では、キャビネット101は、
図2に表したように、建物の壁Wにネジ止めなどの任意の固定手段によって固定されている。
【0018】
図1及び
図2に表したように、キャビネット101は、本体部10と、扉20と、載置部31と、収納抑え部33と、寄せ機構40と、を有する。
【0019】
本体部10は、内部に収納空間SPを有する。本体部10は、前方が開放された箱形であり、概ね直方体状である。具体的には、
図1に表したように、本体部10は、底板11、天板12、左側板13、右側板14、及び背板15を有する。左側板13は、底板11の左端部から上方に延びる。右側板14は、底板11の右端部から上方に延び、左側板13と対向する。背板15は、底板11の後端部から上方に延び、左側板13と右側板14とを接続する。天板12は、左側板13の上端部と右側板14の上端部とを接続し、底板11と対向する。収納空間SPは、底板11、天板12、左側板13、右側板14、及び背板15に囲まれた領域である。
【0020】
この例では、キャビネット101の本体部10には、中仕切り部16及び中仕切り部17が設けられている。中仕切り部16及び中仕切り部17のそれぞれは、収納空間SPを左右方向において仕切る板状である。具体的には、中仕切り部16及び中仕切り部17のそれぞれは、収納空間SP内において、底板11から天板12まで上下方向に延び、背板15から前方に延びる。中仕切り部16及び中仕切り部17によって、収納空間SPが左右方向において三分割されている。
【0021】
なお、実施形態の説明においては、背板15(または収納空間SP)から、閉じた扉20へ向かう方向を「前方」とし、その反対の方向を「後方」としている。「上方」「下方」「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、閉じた扉20の前方から後方を向いて立つ使用者から見た方向である。
【0022】
扉20は、収納空間SPの前方に位置する。この例では、3つの扉20(第1扉21、第2扉22、及び第3扉23)が設けられている。閉じた状態の3つの扉20は、収納空間SPの全体を前方から覆う。第1~第3扉21~23のそれぞれの前面20aは、鏡である。すなわち、扉20は、鏡扉である。キャビネット101は、例えばミラーキャビネットである。扉20の上方には、鏡を上方から照らす照明装置19が設けられてもよい。
【0023】
扉20(第1~第3扉21~23のそれぞれ)は、例えば開き扉である。すなわち、扉20は、左側部と右側部とを有し、左側部及び右側部の一方において回動可能に支持される。
【0024】
具体的には、
図1に表したように、第1扉21の右側部21a(右辺を含む右端部)は、中仕切り部16の前方に位置する。閉じた状態の第1扉21の左側部21b(左辺を含む左端部)は、左側板13の前方に位置する。第1扉21は、右側部21aにおいて、支持部25によって回動可能に支持される。支持部25は、例えば丁番(ヒンジ)である。第1扉21を回動可能に支持する支持部25は、第1扉21の右側部21aと中仕切り部16とに取り付けられ、第1扉21と中仕切り部16とを接続する。第1扉21は、右側部21aに取り付けられた支持部25を軸にして回動することにより、開閉する。すなわち、第1扉21は、左側が開く扉である。
【0025】
閉じた状態の第2扉22の右側部22a(右辺を含む右端部)は、中仕切り部17の前方に位置する。第2扉22の左側部22b(左辺を含む左端部)は、中仕切り部16の前方に位置する。第2扉22は、左側部22bにおいて、支持部25によって回動可能に支持される。第2扉22を回動可能に支持する支持部25は、第2扉22の左側部22bと中仕切り部16とに取り付けられ、第2扉22と中仕切り部16とを接続する。第2扉22は、左側部22bに取り付けられた支持部25を軸にして回動することにより、開閉する。すなわち、第2扉22は、右側が開く扉である。
【0026】
閉じた状態の第3扉23の右側部23a(右辺を含む右端部)は、右側板14の前方に位置する。第3扉23の左側部23b(左辺を含む左端部)は、中仕切り部17の前方に位置する。第3扉23は、左側部23bにおいて、支持部25によって回動可能に支持される。第3扉23を回動可能に支持する支持部25は、第3扉23の左側部23bと中仕切り部17とに取り付けられ、第3扉23と中仕切り部17とを接続する。第3扉23は、左側部23bに取り付けられた支持部25を軸にして回動することにより、開閉する。すなわち、第3扉23は、右側が開く扉である。
【0027】
載置部31には、収納空間SP内において収納物Qを載置可能である。つまり、収納空間SP内に配置された載置部31の上に収納物Qを載置することにより、収納物Qを収納空間SPに収納することができる。載置部31は、例えば、左右方向において延びる棚板であり、収納空間SPを上下方向において仕切る。底板11が載置部31を兼ねてもよい。
図2に表したように、載置部31の後端は、背板15に接触していてもよい。
【0028】
図1に表したように、第1扉21、第2扉22、第3扉23のそれぞれの後方には、3つの載置部31が設けられている。
第1扉21の後方の載置部31の右端は、中仕切り部16に支持され、第1扉21の後方の載置部31の左端は、左側板13に支持されている。
第2扉22の後方の載置部31の右端は、中仕切り部17に支持され、第2扉22の後方の載置部31の左端は、中仕切り部16に支持されている。
第3扉23の後方の載置部31の右端は、右側板14に支持され、第3扉23の後方の載置部31の左端は、中仕切り部17に支持されている。
【0029】
具体的には、載置部31は、側板や仕切り部(左側板13、右側板14、仕切り部16、仕切り部17)に取り付けられた支持部材(不図示)によって支持される。当該支持部材は、例えば、棚ダボであり、側板や仕切り部に設けられた孔に挿入されている。載置部31は、孔に挿入された棚ダボの上に載置され、当該棚ダボに支持される。このように、載置部31は、支持部材を介して、側板や仕切り部に支持されてもよい。
【0030】
収納抑え部33は、載置部31に載置された収納物Qが載置部31から落下することを抑える。例えば、
図2に表したように、収納抑え部33は、載置部31の前端部の上方に位置する部分を含む。これにより、収納抑え部33は、載置部31に載置された収納物Qの前方への移動を妨げ、収納物Qが前方に落下することを抑える。
【0031】
例えば、載置部31のそれぞれに収納抑え部33が設けられる。この例では、収納抑え部33は、載置部31の前端部に接続され、上方に延びる板状である。収納抑え部33は、上方に延びる柵状または突起状でもよい。収納抑え部33は、載置部31と一体的に形成されていてもよいし、別体でもよい。載置部31と収納抑え部33とによって、収納物Qを収納可能な収納部が形成される。
【0032】
例えば、載置部31及び収納抑え部33の収納空間SP内における上下方向の位置は、可変である。具体的には、上述した、載置部31を支持する支持部材(例えば棚ダボ)の位置を変更することができる。側板や仕切り部には、棚ダボを挿入するための複数の孔が予め設けられており、棚ダボを挿入する孔を変更することで、棚ダボの高さを変えることができる。
【0033】
寄せ機構40は、載置部31に載置された収納物Qを、左右方向の一方側に押して寄せる。寄せ機構40は、載置部31に載置された収納物Qを、当該載置部31の右端または左端に向けて付勢し、当該載置部31の右端または左端に寄せる。
【0034】
例えば、寄せ機構40は、可動部41と弾性体とを含む。可動部41は、弾性体の弾性力によって左右方向の一方側に付勢される。これにより可動部41は、載置部31に載置された収納物Qに当接し、その収納物Qを載置部31の右端または左端に押して寄せ、付勢する。可動部41は、載置部31の左右方向の一方側の端に収納物Qを寄せた状態において、その収納物Qに左右方向の当該一方側に向かう力を加えている。これにより、キャビネットが振動したときに、キャビネットに対する収納物Qの動きが抑えられる。
【0035】
例えば、収納物を収納する収納空間を有するキャビネットにおいて、振動が生じると、収納空間内に収納された収納物が動いて倒れることがある。例えば、洗面化粧台に設けられるキャビネットの場合、収納空間には、化粧品のスプレー缶や、化粧水などの液体が入れられた円柱状または直方体状の容器など、細長い形状の物品が収納されることがある。収納空間の前方に設けられたキャビネットの扉を開閉した際の衝撃によってキャビネットが振動し、収納物が動いて倒れる場合がある。
【0036】
これに対して、実施形態によれば、寄せ機構40が収納物Qを左右方向の一方側に押して寄せるため、キャビネット101に振動が生じたとしても、載置部31に載置された収納物Qが動くことを抑制できる。例えば、収納物Qが倒れることを抑制できる。また、寄せ機構40によって、収納物Qが載置部31の左右方向の一方側に集められるため、使用者は、載置部31上の収納物Qの中から目的物を容易に見つけることができる。
【0037】
また、収納物が動いて倒れると、キャビネットから落下して、キャビネットの下方に位置する洗面化粧台のカウンタ部やボウル部を破損させることも考えられる。これに対して、実施形態によれば、寄せ機構40によって収納物Qの動きが抑制されるため、収納物Qがキャビネットから落下することを抑制できる。
【0038】
図1に表したように、例えば、載置部31のそれぞれに、1つ以上の寄せ機構40が設けられる。この例では、1つの載置部31に1つの寄せ機構40が設けられている。つまり、第1扉21、第2扉22及び第3扉23のそれぞれの後方には、3つの寄せ機構40が設けられている。
【0039】
第1扉21の後方の寄せ機構40は、第1扉21の後方の載置部31に載置された収納物Qを、右側部21aから左側部21bへ向かう方向に、押して寄せる。
第2扉22の後方の寄せ機構40は、第2扉22の後方の載置部31に載置された収納物Qを、左側部22bから右側部22aへ向かう方向に、押して寄せる。
第3扉23の後方の寄せ機構40は、第3扉23の後方の載置部31に載置された収納物Qを、左側部23bから右側部23aへ向かう方向に、押して寄せる。
【0040】
つまり、1つの扉20の後方において、寄せ機構40は、載置部31に載置された収納物Qを、その扉20を支持する支持部25から遠ざける方向に押して寄せる。すなわち、寄せ機構40は、扉20の回動軸(丁番)とは、反対側に収納物Qを寄せる。
【0041】
このように、寄せ機構40は、載置部31に載置された収納物Qを、扉20の左側部及び右側部のうち回動可能に支持された一方から、左側部及び右側部の他方へ向かう方向に押して寄せる。収納物Qは、扉20の左側部及び右側部の他方側、すなわち扉20の開く側に、押して寄せられる。これにより、収納物Qを取り出すために扉20を全開にする必要が低減される。例えば、使用者は、扉を大きく開かなくても、収納空間SP内に収納された収納物を取り出しやすい。
【0042】
第1扉21の後方において、寄せ機構40の可動部41は、例えば、中仕切り部16に隣接する位置から左側板13に隣接する位置までスライド可能である。
第2扉22の後方において、寄せ機構40の可動部41は、例えば、中仕切り部16に隣接する位置から中仕切り部17に隣接する位置までスライド可能である。
第3扉23の後方において、寄せ機構40の可動部41は、例えば、中仕切り部17に隣接する位置から右側板14に隣接する位置までスライド可能である。
【0043】
図3は、実施形態に係る別のキャビネットを例示する正面図である。
図4は、実施形態に係る別のキャビネットを例示する断面図である。
図3及び
図4は、実施形態に係るキャビネット102を表す。
図4は、
図3に示したB-B線断面を表す。
【0044】
この例では、キャビネット102には、1つの扉20(例えば鏡扉)が設けられている。この扉20は、収納空間SPの一部の前方を覆う。つまり、扉20の左右方向の幅は、本体部10の幅(収納空間SPの幅)よりも狭い。
【0045】
扉20は、左右に摺動可能に設けられたスライド扉である。扉20は、例えば、収納空間SPの右端部SPaの前方の位置と、収納空間SPの左端部SPbの前方の位置と、の間の範囲を摺動可能である。なお、
図3は、扉20が収納空間SPの左右方向における中央SPCの前方に位置する状態を表す。
図3の状態においては、収納空間SPの右端部SPa及び左端部SPbのそれぞれの前方は、扉20で覆われておらず、開放されている。
【0046】
図4に表したように、扉20の上端部は、例えば天板12に設けられたレール27aによって摺動可能に支持される。扉20の下端部は、例えば底板11に設けられたレール27bによって摺動可能に支持される。
【0047】
図3に表したように、キャビネット102の本体部10には、中仕切り部16及び中仕切り部17が設けられなくてもよい。収納空間SP内には、3つの載置部31が設けられている。載置部31の右端は、右側板14に支持され、載置部31の左端は、左側板13に支持されている。
【0048】
図3の例では、1つの載置部31に対して2つの寄せ機構40(寄せ機構40a及び寄せ機構40b)が設けられる。寄せ機構40aは、収納空間SPの中央SPCと、収納空間SPの右端部SPaと、の間に載置された収納物Qを、中央SPCから右端部SPaへ向かう方向に押して寄せる。寄せ機構40bは、収納空間SPの中央SPCと、収納空間SPの左端部SPbと、の間に載置された収納物Qを、中央SPCから左端部SPbへ向かう方向に押して寄せる。
【0049】
このように、寄せ機構40は、中央SPCと、右端部SPa及び左端部SPbの一方と、の間に載置された収納物Qを、中央SPCから右端部SPa及び左端部SPbの当該一方へ向かう方向に、押して寄せる。このように、収納物Qは、収納空間SPの右端部SPa及び左端部SPbの一方に、押して寄せられる。これにより、使用者は、収納空間SP内に収納された収納物Qを取り出しやすい。例えば、扉20を収納空間SPの左右方向の中央SPCに配置したときに、収納空間SPの右端部SPa及び左端部SPbの一方の前方は扉20で覆われていないため、使用者は収納物Qにアプローチしやすい。
【0050】
上述したように、この例では、1つの載置部31において、2つの寄せ機構40によって、収納物Qを中央から左右の両端に向かって押す。例えば、寄せ機構40aは、収納空間SPの中央SPCから右端部SPaまでスライド可能である。例えば、寄せ機構40bは、収納空間SPの中央SPCから左端部SPbまでスライド可能である。
【0051】
ただし、寄せ機構40は、1つの載置部31に対して1つでも良いし、3つ以上でもよい。例えば、寄せ機構40は、収納空間SPの右端部SPaと左端部SPbの一方から、右端部SPaと左端部SPbの他方までスライド可能であってもよい。収納物Qは、左右の一方に寄せられてもよい。
【0052】
図5は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する平面図である。
図6は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する側面図である。
図7は、実施形態に係るキャビネットの寄せ機構の動作を例示する平面図である。
【0053】
図5及び
図6に表したように、寄せ機構40は、例えば、可動部41と、弾性体42と、レール43と、弾性体固定部44と、を有する。
【0054】
可動部41は、押し部41aと、保持部41bと、支持部41cと、を有する。押し部41aは、例えば左右に摺動可能であり、載置部31上の収納物Qに当接して、収納物Qを押す。押し部41aは、例えば、上下方向及び前後方向に沿って延在する板状であり、載置部31上の収納空間SPを左右に仕切る仕切り板である。
【0055】
保持部41bは、弾性体42を保持する。保持部41bには、弾性体42の端部42bが固定される。保持部41bは、例えば、上下方向に延びる回転軸41bxを中心に回転可能な円柱状のドラム部を有する。
【0056】
支持部41cは、押し部41aと保持部41bとを支持する。押し部41aの支持部41cに対する相対的な位置、及び、保持部41bの支持部41cに対する相対的な位置は、固定されている。
【0057】
この例では、
図6に表したように、支持部41cは、互いに上下方向に並び、水平方向に延在する2枚の板状部を有する。押し部41aは、2枚の板状部に接続(固定)されている。また、2枚の板状部の間において、保持部41bの回転軸41bxは、2枚の板状部のそれぞれに接続(固定)されている。これにより、保持部41bのドラム部は、2枚の板状部の間に回転可能に配置されている。
【0058】
支持部41cは、レール43に取り付けられる。支持部41cは、レール43に取り付けられた状態において、レール43に沿って左右方向に摺動可能である。具体的には、
図6に表したように、支持部41cの端部に設けられた係合部41ce(この例では凸部)が、レール43の係合部(この例では溝部43g)と係合する。つまり、支持部41cの係合部41ceが、レール43の溝部43g内に配置される。これにより、可動部41は、左右方向に摺動可能である。
【0059】
この例では、弾性体42は、定荷重バネである。弾性体42は、ぜんまいバネでもよい。弾性体42は、例えば金属を含むバネである。弾性体42は、ゴム等の樹脂を含むものでもよい。
図5に表したように、弾性体42の少なくとも一部は、レール43の溝部43g内に配置されている。
【0060】
レール43の溝部43gは、左右方向に延びる。上述したように、溝部43gは、支持部41cの係合部41ceと係合する。この例では、レール43は、収納抑え部33と一体的に設けられている。つまり、レール43は、収納抑え部33に設けられた凹凸部(溝部)でもよい。言い換えれば、レール43は、収納抑え部33の一部であってもよい。レール43は、収納抑え部33に内蔵されていてもよい。ただし、レール43は、収納抑え部33と別体でもよく、収納抑え部33に取り付けられたものでもよい。
【0061】
弾性体固定部44は、弾性体42の端部42aが固定される部分である。弾性体固定部44は、キャビネットの本体部10に対して直接的又は間接的に固定されている。
図5に表したように、この例では、弾性体固定部44は、レール43の溝部43g内に固定されている。弾性体固定部44は、収納抑え部33またはレール43と一体でもよい。弾性体固定部44は、収納抑え部33の一部であってもよい。弾性体固定部44は、収納抑え部33またはレール43とは別体でもよく、収納抑え部33またはレール43に取り付けられたものでもよい。弾性体固定部44の本体部10(収納空間SP)に対する相対的な位置は固定されている。
【0062】
弾性体42の弾性力によって、弾性体42の一端が固定された保持部41bは、弾性体42の他端が固定された弾性体固定部44の方向へ引っ張られる。弾性体42がドラム(保持部41b)に巻き取られながら、可動部41が弾性体固定部44の方向へ引っ張られる。これにより、押し部41aは、弾性体42の弾性力によって、収納物Qを弾性体固定部44の方向へ押して寄せることができる。
【0063】
例えば、
図7に表した例では、収納空間に3つの収納物Q(収納物Q1~Q3)が収納されている。すなわち、載置部31の上に収納物Q1~Q3が載置されている。押し部41aは、収納物Q1に当接して、収納物Q1を左側へ押す。収納物Q2は、収納物Q1に押され、収納物Q3は、収納物Q2に押される。これにより、収納物Q1~Q3は、左側へ寄せられる。
【0064】
また、この例では、寄せ機構40は、収納抑え部33に配置されている。すなわち、既に述べたように、例えば、レール43は、収納抑え部33と一体であり、弾性体固定部44は、レール43に設けられている。実施形態に係るキャビネットにおいては、寄せ機構40は、例えば、載置部31または収納抑え部33に配置される。言い換えれば、寄せ機構40の一部は、載置部31及び収納抑え部33の少なくとも一方に取り付けられる、または、載置部31及び収納抑え部33の少なくとも一方と一体である。
【0065】
寄せ機構40を載置部31または収納抑え部33に配置することにより、キャビネットの意匠性を向上させることができる。例えば、寄せ機構40が載置部31の上方に配置された部材(例えば天板)に配置され、当該部材から下方に延びる場合に比べて、意匠性を向上させることができる。例えば、寄せ機構40が、載置部31または収納抑え部33に配置されることで、寄せ機構40の少なくとも一部が、収納抑え部33の後方に位置する。これにより、寄せ機構40が前方から目立ちにくく、意匠性を向上させることができる。
【0066】
例えば、押し部41aの上端の高さ(上下方向の位置)は、収納抑え部33の上端の高さと同じ、または、収納抑え部33の上端の高さよりも低い。これにより、例えば、押し部41aの全体が、収納抑え部33の後方に配置され、前方から目立ちにくい。
【0067】
寄せ機構40を収納抑え部33に配置した場合には、寄せ機構40が載置部31に配置された場合に比べて、収納物Qから漏れた液体等が寄せ機構40に悪影響を及ぼしにくい。例えば、寄せ機構40が載置部31よりも上方の収納抑え部33に位置するため、収納物Qから漏れた液体等がレール43や弾性体42などの寄せ機構40の一部に付着することを抑制できる。これにより、例えば、液体が付着することで寄せ機構40の一部が錆びることを抑制できる。
【0068】
また、寄せ機構40を載置部31または収納抑え部33に配置することにより、例えば、寄せ機構40を、載置部31または収納抑え部33と一緒に動かすことができる。載置部31または収納抑え部33の収納空間SP内における位置が可変である場合、載置部31または収納抑え部33の位置の変更とともに、寄せ機構40の位置も変更されるため使い勝手がよい。
【0069】
図8は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部及び寄せ機構を例示する平面図である。
図8に表したように、キャビネットには、可動部41の摺動を止めるストッパ45が設けられてもよい。ストッパ45の少なくとも一部は、レール43上に配置される。例えば、ストッパ45は、レール43又は収納抑え部33に取り付けられており、ストッパ45の一部は、レール43の溝部内に配置される。
【0070】
例えば、ストッパ45のレール43に対する位置は、固定されている。弾性体42の弾性力によってレール43上を摺動する可動部41の支持部41c又は押し部41aは、ストッパ45に当接する。これにより、可動部41の摺動が止められる。このように、ストッパ45は、可動部41の摺動を止めて、可動部41が摺動可能な区間を規定することができる。例えば、ストッパ45によって可動部41を止めることで、可動部41を固定された仕切り板として用いることも可能である。
【0071】
例えば、ストッパ45は、レール43に対して着脱可能である。使用者は、レール43に対してストッパ45を取り付けたり、取り外したりすることができる。ストッパ45を取り付ける方法は、可動部41がストッパ45に当接したときに、ストッパ45が動かないようにストッパ45の位置を規定できる方法であればよく、例えば、係合、嵌合、または螺合など任意の方式でよい。レール43等とストッパ45との摩擦抵抗を利用して、ストッパ45の位置を規定してもよい。
【0072】
レール43にストッパ45を取り付ける位置は、可変でもよい。これにより、可動部41がストッパ45に止められる位置や、可動部41の摺動可能な範囲(スライド区間SR)を変更することができる。例えば、ストッパ45は、使用者の好みの位置に手動でスライドされる。
【0073】
図9は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する平面図である。
押し部41aの収納物Q1に当接する面は、当該面が収納物Q1を押すときに、当該面から収納物Q1に、収納物Q1が係合部41ceに近づく方向の力が加えられるように傾斜している。例えば、押し部41aの収納物Q1に当接する面は、平面状である。押し部41aの収納物Q1に当接する面は、前後方向に対して傾いている。また、押し部41aの収納物Q1に当接する面は、可動部41が収納物Q1を押すときに移動する方向に対して傾いている。なお、可動部41が収納物Q1を押すときに移動する方向は、左方向及び右方向の一方であり、
図9においては矢印で表した左方向である。
【0074】
例えば、押し部41aの後端部41arは、押し部41aの前端部41afよりも、可動部41が収納物Q1を押すときに移動する方向側(この例において左側)に位置する。すなわち、前端部41afの左右方向の位置から後端部41arの左右方向の位置へ向かう方向は、可動部41が収納物Q1を押すときに移動する方向に沿う方向である。
【0075】
このように押し部41aが傾斜している場合には、収納物Q1は、押し部41aによって押されたときに、例えば前方に移動する。収納物Q1を、レール43及び支持部41cの係合部41ceに近づけることができる。つまり、収納物Q1と押し部41aとの接点と、レール43と係合部41ceが係合する位置と、の間の距離を短くすることができる。そのため、レール43と係合部41ceとが係合する位置にかかるモーメントを小さくすることができる。これにより、係合部41ceとレール43との間の摩擦を低減することができ、可動部41をスムーズにスライドさせることができる。
【0076】
図10は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する平面図である。
図11は、実施形態に係るキャビネットの載置部、収納抑え部、及び別の寄せ機構を例示する側面図である。
図10及び
図11に表したように、弾性体42は、コイルバネでもよい。この場合、可動部41には、弾性体42を保持する保持部41b(ドラム)が設けられない。弾性体42の端部42bは、支持部41cに固定される。
【0077】
なお、上記の例では、コイルバネや定荷重バネなどの弾性体42は、可動部41を引っ張るように配置されているが、可動部41を押すように配置されてもよい。すなわち、例えば、コイルバネは、引っ張りバネでも良いし、圧縮バネでもよい。圧縮バネを用いて可動部41を押す場合には、弾性体固定部44は、可動部41から見て、可動部41が収納物Qを押す方向とは反対側(この例では右側)に配置される。
【0078】
弾性体42が可動部41を引っ張る場合には、弾性体42に定荷重バネを用いることができ、定荷重バネをレール43内に配置しやすい。
【0079】
図12は、実施形態に係るキャビネットを有する洗面化粧台を例示する斜視図である。洗面化粧台150は、洗面器52と、水栓装置54と、支持台56と、キャビネット101と、を有する。なお、洗面化粧台150は、キャビネット101の代わりに、キャビネット102を有していてもよい。
【0080】
洗面器52は、ボウル部62と、バックガード部64と、を有する。ボウル部62は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。ボウル部62は、水栓装置54からの水を受ける。ボウル部62は、受けた水を排水口から排水する。洗面器52のうち、ボウル部62の上端の周囲は、水平方向に延びるカウンタ部となっている。バックガード部64は、ボウル部62の後端から上方に延びる。
【0081】
洗面器52は、支持台56の上に設けられる。支持台56は、洗面器52を支持する。支持台56は、例えば、本体部56aと、2つの引き出し56b、56cと、を有する。各引き出し56b、56cは、本体部56aに前後に移動可能に支持される。各引き出し56b、56cの内部に物品を収納することができる。
【0082】
なお、支持台56は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台56は、洗面器52を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器52は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台56は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0083】
水栓装置54は、洗面器52のバックガード部64に取り付けられ、ボウル部62の上方に配置される。これにより、水栓装置54は、ボウル部62に向けて水を吐出する。水栓装置54の取付位置は、上記に限ることなく、ボウル部62内に水を吐出可能な任意の位置でよい。
【0084】
キャビネット101は、ボウル部62を有する洗面器52よりも上方に設置される。なお、キャビネット101に設けられる扉及び鏡の数は、3枚に限ることなく、1枚又は2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
【0085】
このように、実施形態に係るキャビネットは、例えばミラーキャビネットであり、洗面化粧台に設けられる。ただし、実施形態に係るキャビネットは、必ずしもミラーキャビネットでなくてもよい。すなわち、扉の前面は、必ずしも鏡でなくてもよい。また、実施形態に係るキャビネットは、必ずしも洗面化粧台に設けられるものでなくてもよい。例えば、実施形態に係るキャビネットは、トイレ室に設けられ洗剤やトイレットペーパを収納するキャビネットでもよいし、キッチンに設けられ調味料等を収納するキャビネットでもよい。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、キャビネットや洗面化粧台が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0087】
10 本体部、 11 底板、 12 天板、 13 左側板、 14 右側板、 15 背板、 16、17 中仕切り部、 19 照明装置、 20 扉、 20a 前面、 21 第1扉、 21a 右側部、 21b 左側部、 22 第2扉、 22a 右側部、 22b 左側部、 23 第3扉、 23a 右側部、 23b 左側部、 25 支持部、 27a、27b レール、 31 載置部、 33 収納抑え部、 40、40a、40b 寄せ機構、 41 可動部、 41a 押し部、 41af 前端部、 41ar 後端部、 41b 保持部、 41bx 回転軸、 41c 支持部、 41ce 係合部、 42 弾性体、 42a、42b 端部、 43 レール、 43g 溝部、 44 弾性体固定部、 45 ストッパ、 52 洗面器、 54 水栓装置、 56 支持台、 56a 本体部、 56b、56c 引き出し、 62 ボウル部、 64 バックガード部、 101、102 キャビネット、 150 洗面化粧台、 Q、Q1~Q3 収納物、 SP 収納空間、 SPC 中央、 SPa 右端部、 SPb 左端部、 SR スライド区間、 W 壁