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特開2023-172037プログラム、情報処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172037
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
E05B49/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083589
(22)【出願日】2022-05-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】521256908
【氏名又は名称】KEYes株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野寄 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 博人
(72)【発明者】
【氏名】藤懸 英昭
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA01
2E250BB48
2E250FF23
2E250FF36
2E250FF37
2E250GG06
(57)【要約】
【課題】オフラインの状態でもユーザ端末により電子錠の解錠操作を実行することを可能にするプログラム等を提供する。
【解決手段】
本発明の一態様におけるアプリケーションプログラムは、オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するためのアプリケーションプログラムであって、電子錠を解錠するための解錠情報を取得する処理(S105)と、異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される解錠情報を電子錠へ送信する処理(S107)と、をユーザ端末に実行させる。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するためのアプリケーションプログラムであって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する処理と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理と、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記解錠情報を取得する処理は、
前記異なる二以上の有効期限のうち少なくとも一番短い有効期限が設定される前記解錠情報に対応する取得可能期間内に実行されることで前記解錠情報を取得する処理を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
オフライン状態であることを前記ユーザ端末が判定した際に前記有効期限の始期を設定する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記有効期限が過ぎた場合に、前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理を無効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記無効化する処理により無効化された前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理を再有効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、請求項4に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項6】
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するための情報処理方法であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得するステップと、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信するステップと、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
オフライン時に電子錠を解錠するためのユーザ端末であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する取得部と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするユーザ端末。
【請求項8】
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するための解錠情報を生成する情報処理装置であって、
前記解錠情報を求める解錠情報取得要求を受け付ける受付部と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記ユーザ端末へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、近距離無線通信等で施解錠可能な電子錠が知られている。
【0003】
特許文献1には、近距離無線通信やバイオメトリック等で施解錠可能な電子南京錠が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2013-534580
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子錠は既存の錠前の代替品としての利用方法しか想定されていない。特に、特許文献1に開示された従来技術では、ユーザがユーザ端末によりネットワーク通信を介してサーバから解錠情報を取得して電子錠の解錠操作を実行するシステムにおいて、ユーザ端末のネットワーク通信可能エリア外で解錠操作を実行しようとする場合や、ネットワーク通信が利用不能になったりサーバが停止した場合(以下、これらの状態を総じて「オフライン」とも称する。)に生じ得る課題に対する対処はなされていない。
【0006】
そこで、本発明は、オフライン状態でもユーザ端末により電子錠の解錠操作を実行することを可能にする情報処理装置等を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するためのアプリケーションプログラムであって、前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する処理と、異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理と、を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とするアプリケーションプログラム等が得られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オフライン状態でもユーザ端末により電子錠の解錠操作を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態によるシステムの構成イメージ図である。
図3図1のサーバの機能ブロック図である。
図4】サーバに格納されるユーザ情報の一例を示す図である。
図5】サーバに格納される、解錠権限レベル情報と解錠情報の有効期間及び取得可能期間との関連付けを示すテーブル情報の一例を示す図である。
図6図1のユーザ端末の機能ブロック図である。
図7】本システムの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するためのアプリケーションプログラムであって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する処理と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理と、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とするアプリケーションプログラム。
[項目2]
前記解錠情報を取得する処理は、
前記異なる二以上の有効期限のうち少なくとも一番短い有効期限が設定される前記解錠情報に対応する取得可能期間内に実行されることで前記解錠情報を取得する処理を含む、
ことを特徴とする、項目1に記載のアプリケーションプログラム。
[項目3]
オフライン状態であることを前記ユーザ端末が判定した際に前記有効期限の始期を設定する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、項目1または2に記載のアプリケーションプログラム。
[項目4]
前記有効期限が過ぎた場合に、前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理を無効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、項目1ないし3のいずれかに記載のアプリケーションプログラム。
[項目5]
前記無効化する処理により無効化された前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理を再有効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、項目4に記載のアプリケーションプログラム。
[項目6]
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するための情報処理方法であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得するステップと、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信するステップと、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とする情報処理方法。
[項目7]
オフライン時に電子錠を解錠するためのユーザ端末であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する取得部と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするユーザ端末。
[項目8]
オフライン時にユーザ端末で電子錠を解錠するための解錠情報を生成する情報処理装置であって、
前記解錠情報を求める解錠情報取得要求を受け付ける受付部と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記ユーザ端末へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0011】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態による情報処理システム(以下、単に「システム」という)ついて、図面を参照しながら説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0012】
<システムの全体構成と概要>
図1は、本発明の実施形態に係る、ユーザが操作するユーザ端末により行われる電子錠の施解錠を管理する情報処理システムを示すブロック構成図である。本システム1は、情報処理装置であるサーバ100と、ユーザ端末200A,200B(以下、総称して「ユーザ端末200」と呼ぶこともある)、電子錠300A,300B(以下、総称して「電子錠300」と呼ぶこともある)とで構成される。
【0013】
サーバ100、ユーザ端末200A,200Bは、各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。なお、電子錠300も、ネットワークNWを介してサーバ100に接続されていてもよい。
【0014】
サーバ100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンや携帯電話等の情報処理装置であり得る。
【0016】
電子錠300は、管理空間に進入することを施錠により妨げるように用いられており、ユーザ端末200との通信により施解錠操作が可能な電子錠であればどのような構成であってもよいが、特に電子錠300本体にロック構造を有し、電子錠300単体のみで施解錠操作が可能なものであることが好ましい。すなわち、電子錠300は、例えば、電子南京錠であったり、ワイヤ型やチェーン型などといった本体にロック構造を有する電子錠300であることが好ましい。これによって、デッドボルト等を備える扉とストライク等を備える枠を有する一般的なドアが存在しなくとも、例えば図2に示されるように、掛金により施錠される門扉(例えば、フェンス製など)の掛金に使用することも可能であるし、チェーンなどと組み合わせて簡易な錠を構成するなど、自由度の高い利用が可能となる。また、電子錠300は、筐体を有し、当該筐体の内部に物理鍵(例えば、シリンダー錠用など)が収納されたキーボックス型であってもよく、この場合、物理鍵をキーボックス内に施錠することにより、管理空間に進入することを間接的に施錠により妨げるように用いられているといえる。
【0017】
電子錠300の施解錠操作は、例えばユーザ端末200により実行されてもよい。より具体的には、例えばユーザ端末200上で実行されるアプリケーションにおいて解錠要求操作が実行された場合に、ユーザ端末200の近距離無線通信インターフェース(Bluetooth(登録商標)やBLE、赤外線等)により電子錠300へ解錠要求を送信するようにしてもよい。なお、アプリケーションにおいて解錠要求操作機能のみを備える場合には、電子錠300は施錠操作を従来の錠前と同様に物理な施錠構成により手動で非電気的に実行する(例えば南京錠型であればシャックルを本体に挿入するとロックがかかる等)ようにしてもよい。この時、必要に応じて物理的な施錠構成に対してセンサを設けるなどして施錠検知信号を生成してユーザ端末200へ送信するようにして施錠操作を認識してもよい。また、当該解錠要求操作機能に加えて、施錠要求操作機能を備えていてもよく、例えば施解錠ごとにアプリケーション上から要求操作を実行して、解錠要求操作の際と同様に電子錠300へ施錠要求を送信してもよい。この場合、電子錠300は施錠要求を受けて、モータなどを駆動することにより施錠を実行してもよい。
【0018】
図2は、本システムにおける使用例を模式的に示す図である。図示されるように、ユーザが電子錠300を解錠する際には、事前にユーザはユーザ端末200上のアプリケーションで「解錠情報」アイコンを選択するなどして解錠情報要求操作を実行して、当該電子錠300を解錠する解錠情報をネットワークNWを介してサーバ100に要求する。サーバ100は、その要求に対する解錠情報の可否を判断し、解錠情報の提供が可能な場合には解錠情報をネットワークNWを介してユーザ端末200に送信する。その後、ユーザはユーザ端末200上のアプリケーションで「解錠操作」アイコンを選択するなどして解錠操作を実行し、電子錠300(図2では電子南京錠を例示)へ近距離無線通信インターフェースを介して解錠情報を送信して、電子錠300を解錠する。
【0019】
上記の本システムの使用例は、サーバ100が正常に動作しており、かつサーバ100とユーザ端末200とがネットワークNWを介して通信可能な状態では動作可能である。しかしながら、例えば停電や災害発生、メンテナンス等によりサーバ100の動作が停止している場合や、ネットワークNWを介した通信が不通になったり障害が生じているような場合、電子錠300が地下や山奥、建物内などに存在することでネットワークNWを介した通信環境下にない場合(すなわち、サーバ100またはユーザ端末200の少なくともいずれかがオフライン状態)には、ユーザ端末200はサーバ100から解錠情報を取得できないため、ユーザ端末200で電子錠300を解錠できない。
【0020】
本実施形態によるシステムは、上記のようなオフライン状態になった場合であっても、ユーザ端末200による電子錠300の解錠を実行することを可能にする手段を提供するものである。
【0021】
<ハードウェア構成>
本実施の形態によるサーバ100は、以下のようなハードウェア構成を有する。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していても良い。
【0022】
<サーバ100>
図3は、図1のサーバ100の機能ブロック構成図である。サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入力部140と、表示部150とを備える。サーバ100は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティング技術等によって論理的に実現されてもよい。
【0023】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。なお、通信部110は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)やWi-Fi等に例示される無線通信インターフェースを備えていてもよい。
【0024】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、例えば、ユーザに関連する各種情報を格納するユーザ情報格納部121、及び、本システムが管理する各電子錠の識別情報(電子錠ID)と、各電子錠IDに関連付けられた解錠コード情報とを含む電子錠情報を格納する電子錠情報格納部122を有する。なお、上記ユーザ情報及び電子錠情報を含む各種データを格納したデータベースが、記憶部120外またはサーバ100外に構築されていてもよい。
【0025】
記憶部120のユーザ情報格納部121は、例えば図4に示されるユーザ情報1000であり、ユーザに関連する各種データを格納する。図4において、説明の便宜上、一ユーザ(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。各々のユーザに関連する各種情報として、例えば、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、任意のユーザ名、ユーザの所属名、ユーザの役職、メールアドレス、電話番号、管理ユーザ権限等)、及び、ユーザの解錠権限情報(解錠可能な電子錠の識別情報、解錠権限レベル情報、解錠権限レベル情報の付与日時情報等)を格納することができる。ここで、解錠権限レベル情報の付与日時情報は、例えば、解錠権限レベル情報がユーザIDに関連付けてユーザ情報格納部121に新たに格納された日時、あるいは、ユーザ情報格納部121に格納された解錠権限レベル情報が更新された日時を示す情報である。
【0026】
一例として、ユーザの基本情報は、ユーザ自身がユーザ端末200Aを操作して入力してサーバ100に送信したり、ユーザが属する組織等の管理者ユーザがユーザ端末200Bを操作して入力してサーバ100に送信することで、記憶部120のユーザ情報格納部121に格納することが可能であるが、特にユーザの解錠権限情報(特に解錠可能な電子錠の識別情報や解錠権限レベル情報)は、管理者ユーザがユーザ端末200Bを操作して入力(複数の解錠権限情報からの選択も含む)してサーバ100に送信することで、ユーザ情報格納部121に格納することが可能である。さらには、上記のように管理者ユーザの操作により特定のユーザ識別情報に対して解錠権限情報を登録(設定)する構成に代えて、または、加えて、所属識別情報や役職識別情報に対して一括で解錠権限情報を登録する構成としてもよい。なお、それらの情報の入力・変更等を行うことができる者はこの例に限らず、例えば管理者ユーザについても特定のユーザ識別情報に対して管理者権限を付与してもよいし、これに代えて、または、加えて、所属識別情報や役職識別情報に対して一括で管理者権限を付与してもよい。
【0027】
また、電子錠情報格納部122は、上述した電子錠情報に加えて、各々の解錠権限レベル情報について、ユーザがユーザ端末200で解錠情報を取得可能な取得可能期間と、解錠情報の有効期間との少なくともいずれかを関連付けたテーブル情報(図5参照)を格納してもよい。なお、図5に例示したテーブル情報では全ての解錠権限レベル情報について有効期間情報と取得可能期間情報とが関連付けられているが、例えば取得可能期間情報については、それらの一部の解錠権限レベル情報(特に解錠権限レベルが低い側)についてのみ設定してもよいし、いずれにも設定されていなくてもよい。例えば、各々の解錠権限レベル情報のうち、少なくとも有効期間が最も短い解錠権限レベル情報(図5の例では、権限レベル1)についてのみ取得可能期間情報を設定し、それ以外の解錠権限レベル情報については取得可能期間情報の設定無し(すなわち、取得期間に関する制限無し)としてもよい。取得可能期間情報が設定されていない場合には、対象ユーザのユーザ識別情報を管理者ユーザがユーザ端末200Bを操作してサーバ100へ登録したタイミング以降の任意のタイミングで解錠情報を送信するようにしてもよい。任意のタイミングは、登録したタイミングと同時に送信されてもよいし、対象ユーザがユーザ端末200A上でアプリケーションを起動したタイミングであってもよい。
【0028】
なお、ユーザ情報格納部121及び電子錠情報格納部122が格納する上記情報は一例であり、これ以外の情報を格納していてもよいし、一部の情報が省略されていてもよい。
【0029】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、ユーザ端末200から所定の要求または情報を受け付ける情報受付部131と、ユーザ端末200からの解錠情報取得要求に基づいて電子錠を解錠するための解錠情報を生成する解錠情報生成部132と、ユーザ端末200へ解錠情報等の情報を送信する情報送信部133と、ユーザ端末200のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する画面情報生成部134とを有する。なお、画面情報生成部134が生成する画面情報の一部または全部は、各ユーザ端末200に格納されたアプリケーションへの操作に基づき後述の画面情報生成部243により生成される構成であってもよい。
【0030】
制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200から、上述の解錠情報取得要求、ユーザ情報、電子錠識別情報等の情報を、通信部110を介して受信する。
【0031】
解錠情報生成部132は、情報受付部131で受信した解錠情報取得要求に基づいて、特定の電子錠300を解錠するための解錠情報を生成する。解錠情報取得要求は、一例として、当該解錠情報取得要求を送信したユーザ端末200にログインしているユーザ(すわなち、当該ユーザ端末200を使用しているユーザ)のユーザIDと、解錠対象の電子錠300を特定する電子錠識別情報(電子錠ID)とを含む。解錠対象の電子錠300の特定は、解錠情報取得要求送信時に、ユーザ端末200Aのアプリケーション上に提示される複数の電子錠情報の中からユーザが選択操作により選択してもよいし、ユーザ端末200Aに紐づけられた複数の電子錠情報を一括で解錠対象としてもよい。
【0032】
より詳細には、本実施形態における解錠情報生成部132は、解錠情報取得要求を取得すると、解錠情報取得要求に含まれるユーザIDに基づいて記憶部120のユーザ情報格納部121を検索し、そのユーザIDに関連付けて格納されている解錠権限レベル情報を参照する。また、解錠情報生成部132は、解錠情報取得要求に含まれている、解錠対象の電子錠IDを参照し、その電子錠IDが当該ユーザIDに関連付けられた解錠権限情報に含まれているかどうかを判定する。
【0033】
上記電子錠IDが当該ユーザIDに関連付けられた解錠権限情報に含まれている場合には、解錠情報生成部132は、電子錠情報格納部122に格納されているテーブル情報(図5参照)を参照し、当該ユーザIDに関連付けてユーザ情報格納部121に格納されている解錠権限レベル情報に対応する有効期間情報を特定する。また、解錠情報生成部132は、電子錠情報格納部122を参照し、解錠情報取得要求において指定された解錠対象の電子錠300の電子錠IDに対応する解除コード情報を特定する。そして、解錠情報生成部132は、これらの解除コード情報及び有効期間情報を含む、上記電子錠IDの解錠情報を生成する。解錠情報には、ユーザIDに関連付けられている解錠権限レベル情報を含めてもよい。
【0034】
情報送信部133は、サーバ100において生成または取得した所定の情報(例えば、上述した解錠情報や、ユーザ情報格納部121に格納された解錠権限情報等)を、通信部110を介してユーザ端末200へ送信する。
【0035】
画面情報生成部134は、ユーザ端末200のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストを配置することで生成されるユーザインターフェース画面を構成するための情報を生成する。例えば、画面情報生成部134は、テキストデータをユーザ端末200に送信し、かつ、画像データへのリンクをユーザ端末200に送信し、テキストデータを所定レイアウト規則に基づいてユーザ端末200に送信させつつ、ユーザ端末200の要求に応じて画像データを送信することで、ユーザインターフェース画面をユーザ端末200に表示させることができる。画面情報生成部134に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0036】
入力部140はシステム管理者が各種データ(例えば、各ユーザの解錠権限情報等)を入力することに用いることが可能なものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0037】
表示部150は、制御部130からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0038】
<ユーザ端末200>
図6は、図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを有する。
【0039】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。なお、通信部210は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)やWi-Fi等に例示される無線通信インターフェースを備えていてもよい。
【0040】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200により実行される。
【0041】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ100との通信内容を一時的に記憶している。
【0042】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成され、各種機能を実行する機能部が実現される。制御部240の機能として、電子錠300へ所定の要求(例えば解錠要求、施錠要求など)を送信したり、サーバ100へ前述の各種情報を送信する情報送信部241と、ユーザ端末のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する画面情報生成部242とを有する。
【0043】
本実施形態における情報送信部241は、ユーザ端末200が通信部210を介してサーバ100との通信が有効に実行されているかどうかを判定する機能、すなわちオフライン状態であるかどうかを判定する機能も備えている。より具体的には、情報送信部241は、ユーザ端末200の通信部210がネットワークNWに有効に接続されているか否かの判定(例えば、ユーザ端末自体の通信状況情報を取得して通信環境外(いわゆる圏外)を示しているかを判定する、など)と、ユーザ端末200の通信部210がネットワークNWに有効に接続されている場合にサーバ100との通信が有効に実行されているか否か(例えば、サーバ100からの応答があるか否かを判定する、など)の判定とを実行するように構成されていてもよい。当該判定は、それぞれ個別に判定され、いずれの判定によりオフライン状態であるかを特定してもよいし、それぞれ個別に判定せずに、例えば、ユーザ端末200から要求送信を実行し、何らかの理由によりサーバ100からの応答が得られないことをもって、いずれかの構成がオフライン状態であることを判定するようにしてもよい。情報送信部241は、上記の判定に基づき、通信状態情報(すなわち、通信が有効であるか否か(オフライン状態であるか否か)を示す情報)を生成してもよい。
【0044】
<処理の流れ>
図7は、本システムの処理の流れの一例を示す図である。
【0045】
まず、管理者ユーザがユーザ端末200Bの表示操作部220を操作して、所定の電子錠IDの電子錠300の解錠権限を付与する対象のユーザIDに対して付与すべき権限レベルに応じた解錠権限レベル情報を入力する(ステップS101)。一例として、ユーザ端末200Bを操作する管理者ユーザは、電子錠情報格納部122に格納されている図5に示すテーブル情報を参照し、付与すべき権限レベルに応じた解錠権限レベル情報を選択することが可能である。
【0046】
サーバ100の情報受付部131は、入力された解錠権限レベル情報を、当該ユーザIDと解錠を許可する電子錠IDとに関連付けた状態で、サーバ100のユーザ情報格納部121に格納する。これにより、当該ユーザIDのユーザに対して、解錠権限レベル情報に従って当該電子錠IDの電子錠300をユーザ端末200Aを介して解錠する権限が付与される。本例では、図5に示した解錠権限レベルのうち「権限レベル1」が付与された場合について例示的に説明する。
【0047】
次に、サーバ100の情報送信部133により、上記ユーザIDでログインされているユーザ端末200Aへ、上記ユーザIDに対して電子錠300の解錠権限が付与された旨の通知を送信する(ステップS102)。この通知は、例えば、「(ユーザID)さんに、(電子錠ID)の電子錠を解錠する権限レベル1が付与されました。」のようなテキストメッセージを含んでもよい。なお、通知に代えて、または、加えて、アプリケーション上でログインしているユーザのユーザ情報(すなわち、自らのユーザ情報)を確認する機能(ユーザ情報参照機能)を備えていてもよく、当該機能にて自らの解錠権限レベル情報を表示することで参照可能としてもよい。もしくは、管理者ユーザではない個人ユーザからは解錠権限レベル情報を参照できない構成(特に、解錠権限レベル情報が所属単位や役職単位で設定されている場合など)となっていてもよい。
【0048】
なお、付与された解錠権限レベル情報において解錠情報の取得可能期間が設定されている場合には、ユーザ端末200Aの操作表示部220に、上記のテキストメッセージに加えて「この電子錠の解錠情報を取得できる期限は、YYYY年MM月DD日〇時△分迄です。」のように、付与された解錠権限レベル情報に関してユーザがユーザ端末200Aから解除情報取得要求を実行できる取得可能スケジュール(取得可能期限を含む)を示すテキストメッセージを併せて表示してもよい。一例として、サーバ100の制御部130は、ユーザ情報格納部121に格納されている解錠権限レベル情報の付与日時に、電子錠情報格納部122に格納された図5に示すテーブル情報を参照して得られる、解錠権限レベル情報に関連付けられている取得可能期間を加算して、ユーザがユーザ端末200Aで解除情報を取得できる取得可能スケジュールの日時を求め、上記のような取得可能スケジュールを示すテキストメッセージを生成することが可能である。なお、解除情報を取得できる取得可能スケジュールを示す取得可能スケジュール情報の期限日時は、解錠権限レベル情報の付与日時を基準とすることに代えて、管理者ユーザのユーザ端末200Bによって設定された取得可能開始日時を基準として、これに取得可能期間を加算して求められてもよい。もしくは、解錠権限レベルに対応して取得可能期間を設定する構成に代えて、または、加えて、管理者ユーザのユーザ端末200Bによってユーザごとに取得可能期間を設定する構成や、ユーザごとに取得可能スケジュール(取得可能開始日時及び取得可能期限、または、取得可能期限のみなど)を設定する構成としてもよい。
【0049】
サーバ100から送信された通知がユーザ端末200Aによって受信されると、ユーザ端末200Aの画面情報生成部242は操作表示部220に上記のようなテキストメッセージを表示させる。これにより、そのユーザ端末200Aを操作しているユーザ(上記ユーザID)は、自身に対して電子錠300の解錠権限が付与されたことを知ることができる。
【0050】
次に、ユーザ端末200Aの情報送信部241により、電子錠IDの電子錠300を解錠するための解錠情報取得要求をサーバ100に送信する(ステップS103)。一例として、解錠情報取得要求は、それを送信するユーザ端末200にログインしているユーザIDと、解錠要求対象の電子錠300の電子錠IDとを含む。
【0051】
なお、サーバ100にて取得可能スケジュール情報が設定されている場合には、ユーザ端末200Aの制御部240は、解錠情報取得要求をサーバ100に送信する時点がその取得可能スケジュール情報が示す期限日時を過ぎているかどうかを判定し、期限日時を過ぎていると判定した場合には、上記の解錠情報取得要求をサーバ100に送信する処理を実行しない。この場合は、ユーザ端末200Aの画面情報生成部242は操作表示部220に「取得可能期間を過ぎているため解錠情報取得要求を送信できません」のような、解錠情報取得要求を実行可能な期限を徒過している旨をユーザに知らせる通知(テキストメッセージ)を表示させてもよい。このように、解錠情報取得要求をサーバ100に送信する時点がその取得可能スケジュール情報が示す期限日時を過ぎている場合には、ユーザ端末200Aは解錠対象の電子錠300を解錠するための解錠情報を取得できない。これにより、システム管理者がユーザに対して電子錠300の解錠許可を付与してから大幅に時間・日が経過した後に電子錠300の解錠操作が実行されて、システム管理者が意図していた期間の後にユーザが電子錠300を解錠して施設内や敷地内に進入するような事態を防ぐことができる。なお、取得可能スケジュール情報が示す期限日時を過ぎているかどうかを判定は、サーバ100の制御部130にて実行されてもよく、サーバ100側でステップS104に進むことができないと判断された場合には、解錠情報取得要求を実行可能な期限を徒過している旨をユーザに知らせる通知をサーバ100からユーザ端末200Aに送信するようにしてもよい。
【0052】
次に、サーバ100が解錠情報取得要求を受信すると、サーバ100は解錠情報を生成して、上記ユーザ端末200に送信する(ステップS104)。
【0053】
具体的には、サーバ100の解錠情報生成部132は、解錠情報取得要求に含まれるユーザIDに基づいて記憶部120のユーザ情報格納部121を検索し、そのユーザIDに関連付けて格納されている解錠権限レベル情報を特定する。また、解錠情報生成部132は、解錠情報取得要求に含まれている解錠要求対象の電子錠IDを参照し、その電子錠IDが当該ユーザIDに関連付けられた解錠権限情報に含まれているかどうかを判定する。上記電子錠IDが当該ユーザIDに関連付けられた解錠権限情報に含まれている場合には、解錠情報生成部132は、電子錠情報格納部122に格納されているテーブル情報(図5参照)を参照し、当該ユーザIDに関連付けてユーザ情報格納部121に格納されている解錠権限レベル情報に対応する有効期間情報を特定する。解錠情報生成部132はさらに、電子錠情報格納部122を参照し、解錠情報取得要求において指定された解錠対象の電子錠300の電子錠IDに対応する解除コード情報を特定する。そして、解錠情報生成部132は、これらの解除コード情報及び有効期間情報を含む、上記電子錠IDの解錠情報を生成して、上記ユーザ端末200Aに送信する。解錠情報には、ユーザIDに関連付けられている解錠権限レベル情報を含めてもよい。
【0054】
サーバ100から送信された解錠情報は、ユーザ端末200Aによって受信される。ユーザ端末200Aが取得した解錠情報は、ユーザ端末200Aの記憶部230に記憶される。これにより、ユーザ端末200Aが、電子錠IDを有する電子錠300を解錠するための解錠情報を取得する(ステップS105)。このようにして、ユーザ端末200Aは、ネットワークNWを介してサーバ100との間に有効に通信が確立している間に、換言すれば、ネットワークNWの通信可能エリア外(移動体通信の電波が届かない山間部や倉庫等の建物内)にユーザ端末200を移動させる前や、停電や災害の発生、あるいはネットワークNW若しくはサーバ100の故障やメンテナンス等の種々の理由によりユーザ端末200Aがサーバ100と有効に通信できなくなる前(オフライン状態になる前)に、解除対象の電子錠IDを有する電子錠300を解錠するための解錠情報を取得することができる。
【0055】
次に、ユーザ端末200Aの情報送信部241は、ユーザ端末200Aの通信部210を介してサーバ100との通信が有効に実行されているかどうかを判定し、ユーザ端末200Aがサーバ100と有効に通信されていない(オフライン)と判定した場合には、ユーザ端末200Aの制御部240は記憶部230に記憶されている解錠情報を有効化する処理を実行する(ステップS106)。なお、本願明細書及び特許請求の範囲の記載において、「オフライン」は、ユーザ端末200Aがサーバ100と有効に通信されていない状態を意味し、例えば、ユーザ端末200AがネットワークNWに接続されていない状態(ユーザ端末200がネットワークNWの通信可能エリア外に位置していてネットワークNWに接続できない場合、ネットワークNWの切断や通信障害等によりネットワークNWが機能していない場合等も含む)や、停電・故障等の不具合やメンテナンス等によりサーバ100が停止していたりサーバ100からの応答が無い状態等を含む。
【0056】
より具体的には、情報送信部241は、通信部210がネットワークNWに有効に接続されているか否かの判定と、通信部210がネットワークNWに有効に接続されている場合にサーバ100との通信が有効に実行されているか否か(例えば、サーバ100からの応答があるか否か)の判定とを実行して、ユーザ端末200Aとサーバ100との通信が有効に実行されているかどうかを判定する。ユーザ端末200Aがサーバ100と有効に通信されていない(オフライン状態)と判定され、ユーザ端末200Aの制御部240が解錠情報を有効化する処理を実行したとき、画面情報生成部242は、解錠情報が有効化されたことを示す通知として、例えば「(電子錠ID)の解錠情報が有効化されました。」のようなテキストメッセージを表示操作部220に表示させてもよい。
【0057】
ユーザ端末200とサーバ100との通信が有効に実行されているかどうかの判定は、例えばアプリケーションを起動したタイミングで実行されてもよいし、後述の解錠操作を実行したタイミングで実行されてもよいし、アプリケーション起動中に連続的に実行してもよいし、例えば所定の時間間隔(10分毎、1時間毎等)を置いて間欠的に実行してもよい。
【0058】
また、解錠情報に有効期間が設定されている場合には、ユーザ端末200Aの制御部240は上記のように解錠情報を有効化する処理を実行した時点をその解錠情報の始期として、その時点から有効期間が経過するまでの期間に限って解錠情報を有効化し、有効期間が経過した時点でその解錠情報を無効化してもよい。解錠情報の無効化は、例えば、解錠情報に解錠情報を使用不能な状態にすることを示す識別子を付与する処理や、解錠情報に解錠情報を送信不能な状態にすることを示す識別子を付与する処理を制御部240が実行することで実施することが可能である。これにより、有効期間の経過御はその解錠情報を使って電子錠300を解錠することができなくなるため、ユーザに付与した解錠権限レベルに応じて当該ユーザによる解錠可能期間を制限することができる。
【0059】
最後に、ユーザ端末200Aの情報送信部241により、ユーザ端末200A上のアプリケーションで「解錠操作」アイコンを選択するなどの解錠操作に応じて、無線通信インターフェースを介して電子錠300へ解錠情報を送信し、解錠情報が有効である場合には電子錠300を解錠する(ステップS107)。
【0060】
なお、ユーザ端末200Aの情報送信部241は、電子錠300へ解錠情報を送信した日時を記憶部230に記憶する。そして、その後に情報送信部241がユーザ端末200Aと通信部210を介してサーバ100との通信が有効に実行されていると判定すると(換言すれば、ユーザ端末200とサーバ100との通信状態がオフラインからオンラインに復帰すると)、情報送信部241により、電子錠300へ解錠情報を送信した日時がサーバ100に送信される。サーバ100の制御部130は、ユーザIDが操作するユーザ端末200が電子錠300へ解錠情報を送信した日時をサーバ100の記憶部120に記憶する。これにより、サーバ100においてユーザによる電子錠300の解錠操作履歴を管理することが可能となる。
【0061】
<変形例>
以下、上述した本実施形態の変形例について説明する。
【0062】
(変形例1)
上述した本実施形態では、サーバ100の解錠情報生成部132が、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザIDに関連付けられている解錠権限レベル情報に応じた有効期限を設定した解除情報を生成する例を示した。これに対して本変形例は、ユーザ端末200Aにおいて解除情報に解錠権限レベル情報に応じた有効期限を設定することを可能とする手段を提供する。
【0063】
本変形例のユーザ端末200Aは、その利用者であるユーザのユーザIDに関連付けられてサーバ100のユーザ情報格納部121に確認されている解錠権限レベル情報をサーバ100から取得して、記憶部230に記憶している。さらに、本変形例のユーザ端末200Aは、図5を参照して説明したテーブル情報をサーバ100から取得して、記憶部230に記憶している。
【0064】
図7を参照して上述した例では、サーバ100が解錠情報を生成してユーザ端末200Aに送信する処理(ステップS104)において、解錠情報生成部132は、電子錠情報格納部122に格納されているテーブル情報(図5参照)を参照し、ユーザIDに関連付けてユーザ情報格納部121に格納されている解錠権限レベル情報に対応する有効期間情報を含む解錠情報を生成してユーザ端末200Aに送信する。これに対して本変形例では、上記ステップS104において、サーバ100の解錠情報生成部132がユーザ端末200Aに送信する解錠情報にはその有効期間に関する有効期間情報を含まない。その代わりに、本変形例のユーザ端末200Aの制御部240は、図7を参照して説明したステップS105において解除情報を受信すると、記憶部230に記憶しているテーブル情報(図5参照)を参照し、ユーザIDに関連付けて記憶部230に記憶されている解錠権限レベル情報に対応する有効期間情報を特定し、その有効期間情報を受信した解錠情報の有効期間として設定する。すなわち、対応する電子錠の解錠情報をサーバ100からいずれのユーザ端末200に対しても有効期限情報を選択せずに共通に送ることが可能となり、ユーザ端末200上のアプリケーションにおいてユーザに対して何れの解錠権限レベル情報が設定されているかを記憶しておき、これに合わせてユーザ端末200側で有効期限情報を参照して有効期限を設定することが可能となります。
【0065】
本変形例のサーバ100及びユーザ端末200は、その他は上述した実施形態と同様に動作する。このように、本変形例によれば、ユーザ端末200において解除情報に解錠権限レベル情報に応じた有効期限を設定することが可能となる。
【0066】
(変形例2)
上述した本実施形態では、解錠情報に有効期間が設定されている場合に、ユーザ端末200の制御部240が、解錠情報を有効化する処理を実行した時点をその解錠情報の始期として、その時点から有効期間が経過するまでの期間に限って解錠情報を有効化し、有効期間が経過した時点でその解錠情報を無効化するように構成されている例を示した。本変形例は、無効化された解錠情報を再び有効化する手段を提供する。
【0067】
一例として、ユーザ端末200Aの制御部240は、解錠情報を無効化する処理を実行した時点から再有効化待ち時間として所定の時間(例えば、24時間等)が経過した時に、その解錠情報を再び有効化する処理を自動的に実行するように構成されてもよい。制御部240による解錠情報の再有効化処理は、例えば、無効化処理において解錠情報に付与されていた、解錠情報を使用不能な状態にすることを示す識別子や、解錠情報に解錠情報を送信不能な状態にすることを示す識別子を削除することで実施可能である。
【0068】
なお、再有効化処理が可能な解錠情報は、ユーザIDに関連付けられた解錠権限レベルに応じて設定することが可能である。例えば、サーバ100の解錠情報生成部132が、ユーザ端末200A側で解錠情報の再有効化処理を実行することを許可する情報(識別子等)を解錠情報を生成する際に解錠権限レベルに応じて付与してもよい。当該情報は、再有効化を繰り返し可能な回数を指定する情報を含んでもよい。一例として、解錠情報生成部132は、ユーザIDに関連付けられた解錠権限レベルが最も低いレベル1(図5参照)である場合には再有効化処理を許可する情報を付与せず、それ以外の解錠権限レベルが関連付けられている場合には付与するように構成されていてもよい。ユーザ端末200Aの制御部240は、解錠情報に上記のような再有効化処理を実行することを許可する情報が含まれている場合に、解錠情報の再有効化処理を実行可能である。
【0069】
また、再有効化処理は、上述のように自動的な処理に代えて、または、加えて、管理者ユーザのユーザ端末200Bからの再有効化指示によりユーザ端末200A上の無効化された解錠情報を再有効化するように構成してもよい。
【0070】
ユーザ端末200Aにおいて再有効化された解錠情報は、再有効化されたされた時点から有効期間が経過するまで有効化され、その有効期間が経過すると再び無効化される。再有効化処理は、再有効化処理を実行することを許可する情報において指定された回数だけ繰り返され、その回数の再有効化処理が実行されて解錠情報が無効化された後は、その解錠情報は使用不能となる。
【0071】
このように、本変形例によれば、ユーザIDに関連付けられた解錠権限レベルに応じて解錠情報の再有効化を行い、解錠情報を継続して使用することが可能となる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態及び下記変形例のシステムによれば、ユーザ端末200が電子錠300の解除情報をサーバ100から事前に取得しておくことで、ネットワーク通信可能エリア外で解錠操作を実行しようとする場合や、災害発生時等にネットワーク通信が利用不能になった場合等のオフライン時においても、ユーザ端末200を用いて電子錠300の解錠することが可能となる。
【0073】
上述した実施形態及び変形例は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
100 サーバ
200 ユーザ端末
300 電子錠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末で電子錠を解錠するためのアプリケーションプログラムであって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する処理と、
前記ユーザ端末がネットワークを介してサーバと有効に通信されていないオフライン状態であることを判定した際に前記解錠情報の有効期限の始期を設定する処理と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する処理と、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記解錠情報を取得する処理は、
前記異なる二以上の有効期限のうち少なくとも一番短い有効期限が設定される前記解錠情報に対応する取得可能期間内に実行されることで前記解錠情報を取得する処理を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記有効期限が過ぎた場合に、前記解錠情報無効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記無効化する処理により無効化された前記解錠情報再有効化する処理をさらに実行させる、
ことを特徴とする、請求項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
ユーザ端末で電子錠を解錠するための情報処理方法であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得するステップと、
前記ユーザ端末がネットワークを介してサーバと有効に通信されていないオフライン状態であることを判定した際に前記解錠情報の有効期限の始期を設定するステップと、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信するステップと、
を前記ユーザ端末に実行させることを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
電子錠を解錠するためのユーザ端末であって、
前記電子錠を解錠するための解錠情報を取得する取得部と、
前記ユーザ端末がネットワークを介してサーバと有効に通信されていないオフライン状態であることを判定した際に前記解錠情報の有効期限の始期を設定する設定部と、
異なる二以上の有効期限のうちユーザ情報に応じた有効期限が設定される前記解錠情報を前記電子錠へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするユーザ端末。