(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172063
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ホッピング走行ロボット及びホッピング走行ロボット設計方法
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B25J5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083617
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】597065329
【氏名又は名称】学校法人 龍谷大学
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 純也
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707HS27
3C707HT36
3C707MT07
3C707WA12
3C707WM04
(57)【要約】
【課題】移動速度の調整が可能なホッピング走行ロボットを提供する。
【解決手段】このホッピング走行ロボット1は、胴体部2と、関節部31において胴体部2に上端部が回動可能に接続され、変形量に応じた復元力を有する脚バネ体32と脚バネ体32のバネ定数を調整するバネ定数調整器33が設けられた脚部3と、胴体部2と脚部3の間に接続され、関節部21、31を中心とした胴体部2と脚部3の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体4と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体部と、
関節部において前記胴体部に上端部が回動可能に接続され、変形量に応じた復元力を有する脚バネ体と該脚バネ体のバネ定数を調整するバネ定数調整器が設けられた脚部と、
前記胴体部と前記脚部の間に接続され、前記関節部を中心とした前記胴体部と前記脚部の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体と、
を備えるホッピング走行ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のホッピング走行ロボットにおいて、
前記脚部は1脚のみ又は同時に変形される複数脚であるホッピング走行ロボット。
【請求項3】
胴体部と、関節部において前記胴体部に上端部が回動可能に接続され、変形量に応じた復元力を有する脚バネ体が設けられた脚部と、前記胴体部と前記脚部の間に接続され、前記関節部を中心とした前記胴体部と前記脚部の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体と、を備えるホッピング走行ロボットのモデルがコンピュータ内に記憶されており、
該モデルによるシミュレーションに基づいて前記脚バネ体のバネ定数と移動速度の相関関係を得ることで、所望の移動速度を実現するホッピング走行ロボットの設計を行うホッピング走行ロボット設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッピング走行ロボット及びホッピング走行ロボット設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、脚を有しそれでもって移動するロボットの中で最も広く知られているのは、センサとアクチュエータと電子制御装置を備え、電子制御装置がセンサの検知情報に基づいてアクチュエータをフィードバック制御することにより、脚を動作させ移動を継続するものである(例えば、特許文献1など)。これに対し、センサと電子制御装置とアクチュエータによりフィードバック制御せずとも移動を継続できる受動歩行ロボット(例えば、特許文献2など)及び受動走行ロボット(例えば、特許文献3など)が提案されている。このような受動歩行ロボット及び受動走行ロボットは、適切に設計して安定なリミットサイクルを発現させることによって移動を継続することが可能である。安定なリミットサイクルとは、移動の状態の継続的な遷移からなる閉じた軌道であり、仮にその軌道の近傍に何らかの摂動により離れたとしても再び閉じた軌道に収束する現象(引き込み現象)を起こすものである。
【0003】
特許文献2には、脚の関節に一定トルクを入力して平衡点を生成したり、脚の着地位置をストッパにより一定にして平衡点を大域的に安定化したり、脚の着地位置を平衡点と現在の状態量の偏差に応じて変化させて平衡点を局所的に安定化したりする受動歩行ロボット(脚式移動体)が開示されている。
【0004】
特許文献3には、カンガルーなどの動物のようにホッピングにより受動走行するホッピング走行ロボット(1脚式受動走行ロボット及び多脚式受動走行ロボット)が開示されている。このホッピング走行ロボットは、胴体部、それに回動可能に接続された脚部、胴体部と脚部の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体(第1バネ体)、脚部において変形量に応じた復元力を有する脚バネ体(第2バネ体)、が設けられている。特許文献3には、ホッピング走行ロボットが空中に有る状態、着地時、地面に接している状態、を繰り返すことで、ホッピングによる受動走行を継続することが可能であり、下りの走行では、空気抵抗や地面との摩擦等によりエネルギーを損失しても、位置エネルギー(又は重力)によって補填して、走行を継続することが可能であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-337849号公報
【特許文献2】国際公開WO2006/132330号公報
【特許文献3】特開2019-209412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなホッピング走行ロボットのホッピングによる受動走行は、受動歩行に比べ、早い速度での移動が期待される。しかしながら、特許文献3のホッピング走行ロボットは、移動速度の調整については開示されていない。
【0007】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動速度の調整が可能なホッピング走行ロボットを提供することにあり、また、所望の移動速度を実現するホッピング走行ロボットの設計が可能なホッピング走行ロボット設計方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のホッピング走行ロボットは、胴体部と、関節部において前記胴体部に上端部が回動可能に接続され、変形量に応じた復元力を有する脚バネ体と該脚バネ体のバネ定数を調整するバネ定数調整器が設けられた脚部と、前記胴体部と前記脚部の間に接続され、前記関節部を中心とした前記胴体部と前記脚部の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体と、を備える。
【0009】
請求項2に記載のホッピング走行ロボットは、請求項1に記載のホッピング走行ロボットにおいて、前記脚部は1脚のみ又は同時に変形される複数脚である。
【0010】
請求項3に記載のホッピング走行ロボット設計方法は、胴体部と、関節部において前記胴体部に上端部が回動可能に接続され、変形量に応じた復元力を有する脚バネ体が設けられた脚部と、前記胴体部と前記脚部の間に接続され、前記関節部を中心とした前記胴体部と前記脚部の間の角度に応じた復元力を有する関節バネ体と、を備えるホッピング走行ロボットのモデルがコンピュータ内に記憶されており、該モデルによるシミュレーションに基づいて前記脚バネ体のバネ定数と移動速度の相関関係を得ることで、所望の移動速度を実現するホッピング走行ロボットの設計を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明のホッピング走行ロボットによれば、移動速度の調整が可能となる。また、本発明のホッピング走行ロボット設計方法によれば、所望の移動速度を実現するホッピング走行ロボットの設計が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るホッピング走行ロボットの例の外観を示すものであって、(a)が左側面図、(b)が正面図である。
【
図2】同上のホッピング走行ロボットの例の
図1(b)に示すA-Aで示す線で切断した左側面視断面図である。
【
図3】同上のホッピング走行ロボットのモデルを下りの地面とともに示す模式図である。
【
図4】同上のホッピング走行ロボットのモデルが下りの地面を走行する様子を示す模式図である。
【
図5】同上のホッピング走行ロボットのモデルが段差の有る下りの地面を走行する様子を示す模式図である。
【
図6A】同上のホッピング走行ロボットのモデルが段差の有る下りの地面を走行する場合のシミュレーション結果であって、地面の垂線からの脚部の角度の変化を示すものである。
【
図6B】
図6Aと同じ場合のシミュレーション結果であって、地面の垂線からの脚部の角度の変化速度の変化を示すものである。
【
図6C】
図6Aと同じ場合のシミュレーション結果であって、脚部の長さの変化速度の変化を示すものである。
【
図7】同上のホッピング走行ロボットのモデルが下りの地面を走行する途中で脚バネ体のバネ定数が変化させられた場合のシミュレーション結果であって、モデルの移動速度の変化を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係るホッピング走行ロボット1は、
図1(a)、(b)に示すように胴体部2と脚部3と関節バネ体4を備えるものである。
【0014】
胴体部2は、関節部21を有している。
図1(a)、(b)では、関節部21は、胴体部2のその他の部分に固定された円柱形状(シャフト形状)をしている。また、胴体部2は、様々な形状及び構造が可能である。
図1(a)、(b)では単純な形状のものを示しているが、例えば、人体の頭部、首部、腕部に対応する部分を設けることも可能である。
【0015】
脚部3は、関節部31において胴体部2に上端部が回動可能に接続されている。具体的には、関節部31は、
図1(a)、(b)に示すように、2個に別れて円柱形状の関節部21を囲んで設けられるようにできる。
【0016】
脚部3は、脚バネ体32とバネ定数調整器33が設けられている。脚バネ体32は、変形量に応じた復元力を有する。バネ定数調整器33は、脚バネ体32のバネ定数KLを調整する。脚バネ体32は、上脚部34と下脚部35の間に設けることが可能である。
【0017】
バネ定数調整器33は、様々な方式で脚バネ体32のバネ定数K
Lを調整することが可能であるが、例えば、
図1(a)、(b)及び
図2に示すように、脚バネ体32のバネの有効巻数N
Lを調整するようにできる。バネ定数K
Lは、有効巻数N
Lに反比例する。
【0018】
ここでは、螺旋状の突起33aaを外周面に有し雌ネジ部33abを中心部に有するバネ有効巻数調整部材33aが用いられている。螺旋状の突起33aaのピッチと雌ネジ部33abのピッチは、脚バネ体32のバネのピッチと略一致している。突起33aaはバネ線の間に位置しバネの伸縮を妨げるので、突起33aよりも下側のバネが脚バネ体32の有効巻数NLとなる。バネ有効巻数調整部材33aは、下脚部35に固定され上方に突出した雄ネジ部35aに対して回動して上下に移動することで突起33aaが移動し、有効巻数NLが変わる。例えば、バネ有効巻数調整部材33aが上方に移動すると、有効巻数NLは増加しバネ定数KLは減少する。バネ有効巻数調整部材33aが下方に移動すると、有効巻数NLは減少しバネ定数KLは増加する。
【0019】
バネ有効巻数調整部材33aを回動させて上下に移動させるには、モータなどを用いたり或いは手動で行ったりすることができる。例えば、
図2に示すように、ステッピングモータ等のモータ33bとそれを制御するコントローラ33cを設け、バネ有効巻数調整部材33aがモータ33bのロータから回動の力を受けつつロータに対して自在にスライド可能なように結合させるようにできる。そのためには、例えば、モータ33bのロータ(又はそれに固定された部材)の外側面の軸方向に直線状の1個又は複数個の凹部又は凸部を設け、バネ有効巻数調整部材33aの内側面の軸方向に直線状の1個又は複数個の凸部又は凹部を設け、凹部に凸部を入れ込むようにすることができる。
【0020】
脚部3は、下脚部35の下端面(足裏に相当する面)35bを前後方向に滑らかに曲がる曲面とすることができる。この曲面は、球冠状の曲面とすることも可能である。
【0021】
なお、脚部3は、具体的な形状及び構造が特に限定されるものではない。また、脚部3は、1脚のみならず2脚以上の複数脚にしてそれらが同時に変形されて同じタイミングでホッピング動作するようにできる。
【0022】
関節バネ体4は、胴体部2と脚部3の間に接続されている。関節バネ体4は、胴体部2と脚部3の関節部21、31を中心とした胴体部2と脚部3の間の角度に応じた復元力を有する。胴体部2と脚部3が静止した自然体のときには、関節バネ体4には復元力は発生しない。
【0023】
関節バネ体4は、具体的には、線形ねじりバネとすることができる。
図1(a)、(b)の例では、2個の関節バネ体4が円柱状の関節部21に巻かれて設けられている。2個の関節バネ体4の各々は、一端部4aが胴体部2に接続され他端部4bが脚部3に接続されている(
図1(a)参照)。2個の関節バネ体4は、巻き込む方向を互いに異ならせることができる。
【0024】
このようなホッピング走行ロボット1は、ホッピングにより受動走行する。フィードバック制御せずとも走行が可能である。ホッピング走行ロボット1は、バネ定数調整器33により脚バネ体32のバネ定数KLが調整でき、脚バネ体32のバネ定数KLの調整により、後のシミュレーションで示すように、移動速度の調整が可能となる。
【0025】
ホッピング走行ロボット1は、以下に述べるホッピング走行ロボット設計方法によって設計が可能である。ホッピング走行ロボット設計方法は、ホッピング走行ロボット1を簡略化(モデル化)したモデル10がコンピュータ内に記憶されており、このモデル10によるコンピュータ内でのシミュレーションに基づいて設計を行うものである。
【0026】
先ず、
図3に示すように、モデル10が下りの地面Gの上を走行する状況を考える。
【0027】
モデル10は、胴体部2と脚部3と関節バネ体4を備え、胴体部2が関節部21を有し、脚部3が関節部31と脚バネ体32と上脚部34と下脚部35を有する。ここで、関節部21と関節部31は一致し、胴体部2の重心と脚部3の重心はともに関節部21(31)に位置するものとする。胴体部2は姿勢が変わらない(換言すれば、慣性モーメントが無限大)とする。脚バネ体32、関節バネ体4、下脚部35は無質量とする。下脚部35の下端面35b(
図3以下では図示せず)と地面Gの間では、滑りは発生しないものとする。また、下脚部35の下端面35bが地面Gに着地するときの衝突は、非弾性衝突とする。
【0028】
モデル10は、胴体部2と脚部3を含めた全重量をM、脚部3の長さr(
図3参照)の自然長(脚バネ体32が変形していないときの長さ)をr
0、脚部3の慣性モーメントをJ
L、関節バネ体4のバネ定数をK
H、脚バネ体32のバネ減衰係数をC
Lとする。脚バネ体32のバネ定数は、上記と同様にK
Lである。また 地面Gのスロープ角をα、地面Gの垂線からの脚部3の角度をθ、関節部21(31)の水平方向の位置をx、関節部21(31)の鉛直方向の位置をyとする。
【0029】
モデル10の走行は、
図4に示すように、着地時(touchdown phase)(図中、符号aで示す)、立脚時(stance phase)(図中、符号bで示す)、離陸時(lift-off phase)(図中、符号cで示す)、遊脚時(flight phase)(図中、符号dで示す)で構成される。着地時は、モデル10が地面Gに着地する瞬間である。立脚時は、モデル10の着地直後から離陸直前までの期間である。離陸時は、モデル10の下端面35bが地面Gを離れる瞬間である。モデル10は、脚部3における脚バネ体32の変形量に応じた復元力、つまり弾性力を用いて、立脚時の状態から離陸時の状態に遷移することになる。遊脚時は、モデル10の離陸直後から着地直前までの期間である。なお、
図4においては、モデル10が右方向に走行している状態を示しており、着地時、立脚時、離陸時、遊脚時の状態を重ねて示している。
【0030】
着地時においては、着地直前と着地直後との間の脚部3の長さ方向の運動量保存則及び接地点まわりの全角運動量保存則より、着地直後の状態(添え字の
+で示す)と着地直前の状態(添え字の
-で示す。)は、θ、rの変化速度(各文字の頭上の
・で示す)を用いて、下記(式1)、(式2)に示す関係式で表すことができる。
【0031】
(式1)、(式2)の関係式で表された着地時の状態の後は、立脚時の状態となる。立脚時においては、θ、rの変化速度(各文字の頭上の
・で示す)及び変化加速度(各文字の頭上の
・・で示す)を用いて、下記(式3)、(式4)に示す関係式で表すことができる。なお、gは重力加速度である。
【0032】
(式3)及び(式4)の関係式で表された立脚時の状態の後は、離陸時の状態となる。離陸時においては、離陸直前と離陸直後との間の脚部3の長さ方向の運動量保存則及び接地点まわりの全角運動量保存則より、離陸直後の状態(添え字の
+で示す)と離陸直前の状態(添え字の
-で示す。)は、θ、x、y及びそれらの変化速度(各文字の頭上の
・で示す)を用いて、下記(式5)~(式10)に示す関係式で表すことができる。
【0033】
(式5)~(式10)の関係式で表された離陸時の状態の後は、遊脚時の状態となる。
空中に有る状態は、θ、x、yの変化加速度(各文字の頭上の
・・で示す)を用いて、下記(式11)~(式13)に示す関係式で表す。
【0034】
以上説明した着地時、立脚時、離陸時、遊脚時の関係式(式1)~(式13)を満たす特定の物理パラメータ(M、r0、JL、KL、CL、KH)により、安定なリミットサイクル(閉じた軌道)が発現するようにできる。
【0035】
例えば、M=17kg、r
0=0.25m、J
L=0.32kg・m
2、K
L=15000N/m、C
L=10N・s/m、K
H=5Nm/radとすると、
図5に示すように下りの地面Gに段差Hを設けることでモデル10に走行時の摂動を与えた場合でも、
図6A~
図6Cに示すように再び安定な軌道に収束する。なお、α=0.07rad、H/r
0=0.4としている。初期条件としては、着地直後におけるθ、θの変化速度、rの変化速度をそれぞれ、0.2039rad、-1.4322rad/s、-4.4007m/sとしている。
【0036】
モデル10は、4歩目が終わった後に段差Hを超える。
図6A~
図6Cの横軸は、歩数(Number of Steps)である。
図6A、
図6B、
図6Cの縦軸はそれぞれ、着地直後におけるθ、θの変化速度、rの変化速度である。
図6A~
図6Cより、モデル10は、23歩目くらいからは4歩目以前の状態に戻って走行していることが分かる。
【0037】
次に、脚バネ体32のバネ定数K
Lが走行途中で変化させられた場合のシミュレーション結果を
図7に示す。ここでは、M=17kg、r
0=0.25m、J
L=0.4kg・m
2、初期のK
L=25000N/m、C
L=6N・s/m、K
H=2.5Nm/radとし、α=0.05radとしている。初期条件としては、着地直後におけるθ、θの変化速度、rの変化速度をそれぞれ、0.1378rad、-1.2168rad/s、-6.5413m/sとしている。
【0038】
モデル10は、
図7に示すように、9歩目から20歩目まで徐々にバネ定数K
L(
図7中の曲線e)が上げられ、それに伴い、モデル10の移動速度(xの変化速度)(
図7中の曲線f)は、27歩目くらいから安定し、かつ、初期状態よりも低くなっている。また、45歩目から56歩目まで徐々にバネ定数K
Lが元の状態に下げられ、それに伴い、モデル10の移動速度(xの変化速度)は、75歩目くらいから安定し、かつ、初期状態と等しくなっている。
【0039】
このように、モデル10によるシミュレーションに基づいてバネ定数KLと移動速度の相関関係を得ることで、所望の移動速度を実現するホッピング走行ロボット1の設計が可能になる。
【0040】
以上、本発明の実施形態に係るホッピング走行ロボット及びホッピング走行ロボット設計方法について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内での様々な設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 ホッピング走行ロボット
10 モデル
2 胴体部
21 胴体部の関節部
3 脚部
31 脚部の関節部
32 脚バネ体
33 バネ定数調整器
33a バネ有効巻数調整部材
33aa バネ有効巻数調整部材の突起
33ab バネ有効巻数調整部材の雌ネジ部
33b モータ
33c コントローラ
34 上脚部
35 下脚部
35a 下脚部に固定された雄ネジ部
35b 下脚部の下端面
4 関節バネ体
4a 関節バネ体の一端部
4b 関節バネ体の他端部
G 地面