(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172065
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】可撓性配線基板ユニット、及び調光ユニット
(51)【国際特許分類】
H05K 1/03 20060101AFI20231129BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20231129BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20231129BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H05K1/03 670
G02F1/13 505
G02F1/1345
G02F1/1334
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083619
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辻 真樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀司
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H189
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088GA10
2H088GA13
2H088HA02
2H088HA05
2H088MA16
2H088MA20
2H092GA03
2H092GA41
2H092GA44
2H092GA49
2H092GA50
2H092GA57
2H092HA04
2H092NA25
2H092NA27
2H092QA08
2H092QA15
2H092RA10
2H189AA04
2H189AA05
2H189AA78
2H189HA12
2H189HA13
2H189HA16
2H189JA06
2H189LA04
2H189MA15
(57)【要約】
【課題】第1可撓性配線基板に対して第2可撓性配線基板の配置を変えることを可能とした可撓性配線基板ユニット及び調光ユニットを提供する。
【解決手段】第1方向D1に延びる第1可撓性配線基板60と、第2方向D2に延びる第2可撓性配線基板70と、を備え、第1可撓性配線基板60は、第1被接着端子61、第2被接着端子62、複数の第1歯端子63P、及び複数の第2歯端子64Pを備え、第2可撓性配線基板70は、複数の第3歯端子71P、複数の第4歯端子72P、第1電源端子73P、及び第2電源端子74Pを備え、第1歯端子63Pの数は、第3歯端子71Pの数よりも多く、第2歯端子64Pの数は、第4歯端子72Pの数よりも多く、各第3歯端子71Pが第1歯端子63Pの何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子72Pが第2歯端子64Pの何れか1つと電気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1可撓性配線基板と、
第2方向に延び、前記第2方向が前記第1方向と交差するように前記第1可撓性配線基板に接続される第2可撓性配線基板と、を備え、
前記第1可撓性配線基板は、
前記第1方向に並ぶ第1被接着端子及び第2被接着端子と、
前記第2方向に並ぶ第1中継端子及び第2中継端子と、を備え、
前記第1中継端子は、前記第1方向に一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第1被接着端子に電気的に接続される複数の第1歯端子を備え、
前記第2中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第2被接着端子に電気的に接続される複数の第2歯端子を備え、
前記第2可撓性配線基板は、
前記第2方向の一端に位置する第3中継端子及び第4中継端子と、
前記第2方向の他端に位置する第1電源端子及び第2電源端子と、を備え、
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、それぞれ外部電源に接続され、
前記第3中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第1電源端子に電気的に接続される複数の第3歯端子を備え、
前記第4中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第2電源端子に電気的に接続される複数の第4歯端子を備え、
前記第1歯端子の数は、前記第3歯端子の数よりも多く、
前記第2歯端子の数は、前記第4歯端子の数よりも多く、
各第3歯端子が複数の前記第1歯端子の何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子が複数の前記第2歯端子の何れか1つと電気的に接続されるように、前記第3中継端子に対して前記第4中継端子が配置される
可撓性配線基板ユニット。
【請求項2】
前記第1可撓性配線基板において、
前記第1中継端子及び前記第2中継端子は、互いに同じ方向に面し、
前記第2可撓性配線基板において、
前記第3中継端子及び前記第4中継端子は、互いに同じ方向に面する
請求項1に記載の可撓性配線基板ユニット。
【請求項3】
前記第1可撓性配線基板において、
前記第1被接着端子は、前記第1中継端子及び前記第2中継端子と同じ方向に面し、
前記第2被接着端子は、前記第1中継端子及び前記第2中継端子と相反する方向に面し、
前記第2可撓性配線基板において、
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第3中継端子及び前記第4中継端子と同じ方向に面する
請求項2に記載の可撓性配線基板ユニット。
【請求項4】
複数の前記第3歯端子のうち、前記第1方向の各端に位置する前記第3歯端子は、位置決め部を備え、
各第1歯端子は、基準部を備え、
前記第1方向及び前記第2方向の各々において、前記第3歯端子が備える前記位置決め部に対して、当該第3歯端子に接続される前記第1歯端子が備える前記基準部が適正な配置であるときに、当該第1歯端子と当該第3歯端子とが適正な配置となる
請求項1ないし3のうち何れか一項に記載の可撓性配線基板ユニット。
【請求項5】
第1方向に延びる縁部を備えた調光シートと、
前記縁部に接着された可撓性配線基板ユニットと、を備える調光ユニットであって、
前記調光シートは、
第1電極端子を備える第1透明電極シートと、
第2電極端子を備える第2透明電極シートと、
前記第1電極端子と前記第2電極端子とが調光層から露出するように前記第1透明電極シートと前記第2透明電極シートとの間に位置する前記調光層と、を備え、
前記第1電極端子と前記第2電極端子とが前記縁部を構成し、かつ前記第1方向に沿って並び、
前記可撓性配線基板ユニットは、
前記第1方向に延びる第1可撓性配線基板と、
第2方向に延び、前記第2方向が前記第1方向と交差するように前記第1可撓性配線基板に接続される第2可撓性配線基板と、を備え、
前記第1可撓性配線基板は、
前記第1方向に並ぶ第1被接着端子及び第2被接着端子と、
前記第2方向に並ぶ第1中継端子及び第2中継端子と、を備え、
前記第1被接着端子は、前記第1電極端子と導通可能に接着され、
前記第2被接着端子は、前記第2電極端子と導通可能に接着され、
前記第1中継端子は、前記第1方向に一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第1被接着端子に電気的に接続される複数の第1歯端子を備え、
前記第2中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第2被接着端子に電気的に接続される複数の第2歯端子を備え、
前記第2可撓性配線基板は、
前記第2方向の一端に位置する第3中継端子及び第4中継端子と、
前記第2方向の他端に位置する第1電源端子及び第2電源端子と、を備え、
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、それぞれ外部電源に接続され、
前記第3中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第1電源端子に電気的に接続される複数の第3歯端子を備え、
前記第4中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第2電源端子に電気的に接続される複数の第4歯端子を備え、
前記第1歯端子の数は、前記第3歯端子の数よりも多く、
前記第2歯端子の数は、前記第4歯端子の数よりも多く、
各第3歯端子が複数の前記第1歯端子の何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子が複数の前記第2歯端子の何れか1つと電気的に接続される
調光ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可撓性配線基板が電気的に接続可能に構成された可撓性配線基板ユニット、及び当該可撓性配線基板ユニットを備えた調光ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
調光シートは、2つの透明電極シートと、2つの透明電極シートの間に挟まれた調光層とを備える。各透明電極シートは、一方の透明電極シートが、調光層及び他方の透明電極シートから露出した電極端子を備える。各透明電極シートが備える電極端子は、調光シートが備える縁部に位置する。各電極端子には、可撓性配線基板が備える被接着端子が1つずつ接着される(例えば、特許文献1,2を参照)。調光シートは、可撓性配線基板を通じて2つの透明電極シート間に電圧が印加されることによって、電圧の印加前に対して調光層の光透過率が変更される。
【0003】
例えば、
図9が示すように、調光シート100は、第1透明電極シート110と、第2透明電極シート120と、第1透明電極シート110と第2透明電極シート120との間に位置する調光層とを備える。なお、
図9では、第1透明電極シート110が第2透明電極シート120に対して紙面手前側に位置する。また、
図9では、各シートの形状を説明する便宜上、第1透明電極シート110を太線によって示すとともに、第2透明電極シート120を細線によって示す。
【0004】
第1透明電極シート110は、
図9中に破線で示すように、その一部が第2透明電極シート120及び調光層から露出した第1端子110Pを備える。なお、第1端子110Pは、
図9において紙面の奥側に向けて面する。第2透明電極シート120は、
図9中にドットで示すように、その一部が第1透明電極シート110及び調光層から露出した第2端子120Pを備える。第2端子120Pは、
図9において紙面の手前側に向けて面する。
【0005】
調光シート100は、第1方向D1に沿って延びる1つの縁部100Eを備える。第1端子110P及び第2端子120Pは、縁部100Eに並設される。第1端子110Pと第2端子120Pとの間には、縁部100Eの一部が切り欠かれた切欠き100E1が設けられる。
【0006】
調光シート100は、可撓性配線基板130を通じて外部電源140に接続される。可撓性配線基板130は、フレキシブルプリント基板(FPC: Flexible Printed Circuits)である。可撓性配線基板130は、第1部分131と、第2部分132とを備える。第1部分131は、第1方向D1に沿って延びる。第2部分132は、第1部分131における第1方向D1の中央から、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って調光シート100と反対側に引き出される。可撓性配線基板130は、第1部分131と第2部分132とによって、略T字状の外形を有する。
【0007】
第1部分131は、第1被接着端子131P1と、第2被接着端子131P2とを備える。第1被接着端子131P1及び第2被接着端子131P2は、それぞれ第1部分131における第1方向D1の各端に設けられる。第1被接着端子131P1は、
図9において紙面の手前側に向けて面する。第1被接着端子131P1は、第1端子110Pと電気的に接続される。第2被接着端子131P2は、
図9において紙面の奥側に向けて面する。第2被接着端子131P2は、第2端子120Pと電気的に接続される。
【0008】
第2部分132は、第1電源端子132P1と、第2電源端子132P2とを備える。第1電源端子132P1及び第2電源端子132P2は、それぞれ第2部分132における第2方向D2の先端に設けられる。第1電源端子132P1及び第2電源端子132P2は、
図9において紙面の手前側に向けて面する。第1電源端子132P1は、可撓性配線基板130の内部で第1被接着端子131P1と電気的に接続される。第2電源端子132P2は、可撓性配線基板130の内部で第2被接着端子131P2と電気的に接続される。第1電源端子132P1及び第2電源端子132P2は、外部電源140と電気的に接続される。外部電源140は、可撓性配線基板130を介して第1透明電極シート110と第2透明電極シート120との間に電圧を印加する。これにより、調光層が光透過率を変える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007-57925号公報
【特許文献2】特開2020-38265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
可撓性配線基板130において、第1部分131から第2部分132を引き出す位置は、調光シート100から外部電源140までの配線経路に応じて決まる。第1部分131から第2部分132を引き出す位置が異なる場合には、第1部分131及び第2部分132の各々が同じ形状でも、可撓性配線基板130の全体を別形状の新たな可撓性配線基板として作製する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための可撓性配線基板ユニットは、第1方向に延びる第1可撓性配線基板と、第2方向に延び、前記第2方向が前記第1方向と交差するように前記第1可撓性配線基板に接続される第2可撓性配線基板と、を備え、前記第1可撓性配線基板は、前記第1方向に並ぶ第1被接着端子及び第2被接着端子と、前記第2方向に並ぶ第1中継端子及び第2中継端子と、を備え、前記第1中継端子は、前記第1方向に一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第1被接着端子に電気的に接続される複数の第1歯端子を備え、前記第2中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第2被接着端子に電気的に接続される複数の第2歯端子を備え、前記第2可撓性配線基板は、前記第2方向の一端に位置する第3中継端子及び第4中継端子と、前記第2方向の他端に位置する第1電源端子及び第2電源端子と、を備え、前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、それぞれ外部電源に接続され、前記第3中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第1電源端子に電気的に接続される複数の第3歯端子を備え、前記第4中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第2電源端子に電気的に接続される複数の第4歯端子を備え、前記第1歯端子の数は、前記第3歯端子の数よりも多く、前記第2歯端子の数は、前記第4歯端子の数よりも多く、各第3歯端子が複数の前記第1歯端子の何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子が複数の前記第2歯端子の何れか1つと電気的に接続されるように、前記第3中継端子に対して前記第4中継端子が配置される。
【0012】
上記課題を解決するための調光ユニットは、第1方向に延びる縁部を備えた調光シートと、前記縁部に接着された可撓性配線基板ユニットと、を備える調光ユニットであって、前記調光シートは、第1電極端子を備える第1透明電極シートと、第2電極端子を備える第2透明電極シートと、前記第1電極端子と前記第2電極端子とが調光層から露出するように前記第1透明電極シートと前記第2透明電極シートとの間に位置する前記調光層と、を備え、前記第1電極端子と前記第2電極端子とが前記縁部を構成し、かつ前記第1方向に沿って並び、前記可撓性配線基板ユニットは、前記第1方向に延びる第1可撓性配線基板と、第2方向に延び、前記第2方向が前記第1方向と交差するように前記第1可撓性配線基板に接続される第2可撓性配線基板と、を備え、前記第1可撓性配線基板は、前記第1方向に並ぶ第1被接着端子及び第2被接着端子と、前記第2方向に並ぶ第1中継端子及び第2中継端子と、を備え、前記第1被接着端子は、前記第1電極端子と導通可能に接着され、前記第2被接着端子は、前記第2電極端子と導通可能に接着され、前記第1中継端子は、前記第1方向に一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第1被接着端子に電気的に接続される複数の第1歯端子を備え、前記第2中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第1可撓性配線基板の内部で前記第2被接着端子に電気的に接続される複数の第2歯端子を備え、前記第2可撓性配線基板は、前記第2方向の一端に位置する第3中継端子及び第4中継端子と、前記第2方向の他端に位置する第1電源端子及び第2電源端子と、を備え、前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、それぞれ外部電源に接続され、前記第3中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第1電源端子に電気的に接続される複数の第3歯端子を備え、前記第4中継端子は、前記第1方向に前記一定のピッチで並び、前記第2可撓性配線基板の内部で前記第2電源端子に電気的に接続される複数の第4歯端子を備え、前記第1歯端子の数は、前記第3歯端子の数よりも多く、前記第2歯端子の数は、前記第4歯端子の数よりも多く、各第3歯端子が複数の前記第1歯端子の何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子が複数の前記第2歯端子の何れか1つと電気的に接続される。
【0013】
上記各構成によれば、第1中継端子に対する第3中継端子の配置、及び、第2中継端子に対する第4中継端子の配置を、各歯端子が並ぶピッチごとに変えることができる。すなわち、第1方向において、第1可撓性配線基板に対する第2可撓性配線基板の配置を、各歯端子が並ぶピッチごとに変えることができる。そして、第1可撓性配線基板に対する第2可撓性配線基板の配置を変えることで、1つの可撓性配線基板ユニットによって、複数種類の配線経路を実現できる。
【0014】
上記可撓性配線基板ユニットにおいて、前記第1可撓性配線基板において、前記第1中継端子及び前記第2中継端子は、互いに同じ方向に面し、前記第2可撓性配線基板において、前記第3中継端子及び前記第4中継端子は、互いに同じ方向に面してもよい。
【0015】
上記構成によれば、第1中継端子と第3中継端子との接続、及び、第2中継端子と第4中継端子との接続を一度に行うことができる。したがって、第1可撓性配線基板と第2可撓性配線基板とを効率よく接続できる。
【0016】
上記可撓性配線基板ユニットにおいて、前記第1可撓性配線基板において、前記第1被接着端子は、前記第1中継端子及び前記第2中継端子と同じ方向に面し、前記第2被接着端子は、前記第1中継端子及び前記第2中継端子と相反する方向に面し、前記第2可撓性配線基板において、前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第3中継端子及び前記第4中継端子と同じ方向に面してもよい。
【0017】
上記構成によれば、第1可撓性配線基板が備える2つの被接着端子が相反する方向に面することを要する場合であっても、第2可撓性配線基板が備える2つの中継端子及び2つの電源端子を、互いに同じ方向に面するように配置することができる。これにより、第2可撓性配線基板の構成を簡素化することができ、結果として、第2可撓性配線基板の耐屈曲性や柔軟性を高めることが可能ともなる。
【0018】
上記可撓性配線基板ユニットにおいて、複数の前記第3歯端子のうち、前記第1方向の各端に位置する前記第3歯端子は、位置決め部を備え、各第1歯端子は、基準部を備え、前記第1方向及び前記第2方向の各々において、前記第3歯端子が備える前記位置決め部に対して、当該第3歯端子に接続される前記第1歯端子が備える前記基準部が適正な配置であるときに、当該第1歯端子と当該第3歯端子とが適正な配置となることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、各第1歯端子に基準部を設けることで、位置決め部を備えた第3歯端子が何れの第1歯端子と接続された場合であっても、基準部と位置決め部との相対的な配置に基づいて、第1歯端子に対して第3歯端子を適正な位置に配置できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、可撓性配線基板ユニットにおいて、第1可撓性配線基板に対して第2可撓性配線基板の配置を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線から見た断面図である。
【
図4】
図4は、可撓性配線基板ユニットを構成する第1可撓性配線基板の平面図である。
【
図5】
図5は、第1可撓性配線基板の第1中継端子を示す要部拡大図である。
【
図6】
図6は、可撓性配線基板ユニットを構成する第2可撓性配線基板の平面図である。
【
図7】
図7は、第2可撓性配線基板の第3中継端子を示す要部拡大図である。
【
図8】
図8は、第1中継端子と第3中継端子とが接着された状態において、第1中継端子と第3中継端子との相対的な位置関係を示す模式図である。
【
図9】
図9は、従来の調光シート及び可撓性配線基板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、調光ユニットの一実施形態について
図1~
図8を参照して説明する。
[調光ユニット]
図1に示すように、調光ユニット1は、調光シート10と、可撓性配線基板ユニット50とを備える。調光シート10は、第1方向D1に延びる1つの縁部10Eを備える。可撓性配線基板ユニット50は、調光シート10が備える縁部10Eに接続される。
【0023】
調光シート10は、第1透明電極シート20と、第2透明電極シート30とを備える。
図1において、第1透明電極シート20は、第2透明電極シート30に対して紙面手前側に位置する。
図1において、第2透明電極シート30は、第1透明電極シート20に対して紙面奥側に位置する。なお、
図1では、第1透明電極シート20と第2透明電極シート30との相対的な位置を説明する便宜上から、第1透明電極シート20を太線によって示すとともに、第2透明電極シート30を細線によって示す。
【0024】
調光シート10は、調光シート10が位置する空間を2つに区切る。
図1において、調光シート10に区切られた2つの空間のうち第1透明電極シート20に接する紙面手前側の空間が第1空間である。
図1において、調光シート10に区切られた2つの空間のうち第2透明電極シート30に接する紙面奥側の空間が第2空間である。
【0025】
調光シート10は、第1電極端子22Pと、第2電極端子32Pとを備える。第1電極端子22Pは、調光シート10のなかで第1透明電極シート20が第2透明電極シート30から露出した部分である。第1電極端子22Pは、第2空間(
図1中、紙面奥側)に面する。第2電極端子32Pは、調光シート10のなかで第2透明電極シート30が第1透明電極シート20から露出した部分である。第2電極端子32Pは、第1空間(
図1中、紙面手前側)に面する。第1電極端子22P及び第2電極端子32Pは、第1方向D1に沿って距離を空けて並ぶ。なお、
図1では、第1電極端子22Pを破線で囲うとともに、第2電極端子32Pにドットを付す。
【0026】
縁部10Eは、切欠き10Aを備える。切欠き10Aは、縁部10Eの一部が縁部10Eから調光シート10の内側に向かって凹んだ窪みである。切欠き10Aは、縁部10Eにおいて、第1電極端子22Pと第2電極端子32Pとの間に位置する。
【0027】
可撓性配線基板ユニット50は、第1方向D1に延びる第1可撓性配線基板60と、第1方向D1と交差する第2方向D2に延びる第2可撓性配線基板70とを備える。第2方向D2は、一例として、第1方向D1と直交する方向である。第1可撓性配線基板60は、可撓性配線基板ユニット50において、給電対象の一例である調光シート10との電気的な接続を担う。第2可撓性配線基板70は、可撓性配線基板ユニット50において、外部電源1Aとの電気的な接続を担う。
【0028】
第1可撓性配線基板60及び第2可撓性配線基板70は、それぞれ1つのフレキシブルプリント基板(FPC)である。第1可撓性配線基板60は、第1被接着端子61と、第2被接着端子62とを備える。第1被接着端子61及び第2被接着端子62は、第1可撓性配線基板60のなかで第1方向D1に沿って並ぶ。第1被接着端子61は、第1可撓性配線基板60のなかで第1方向D1における一端に位置する。第2被接着端子62は、第1可撓性配線基板60のなかで第1方向D1における他端に位置する。
【0029】
第1被接着端子61は、第1電極端子22Pに対して第2空間側(
図1中、紙面奥側)に位置し、かつ、第1空間側(
図1中、紙面手前側)に面する。第1被接着端子61は、第1方向D1に沿って所定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第1被接着歯端子61Pを備える。第1被接着歯端子61Pは、第1電極端子22Pと対向した状態で第1電極端子22Pに対して電気的に接続するように接着される。
【0030】
第2被接着端子62は、第2電極端子32Pに対して第1空間側(
図1中、紙面手前側)に位置し、かつ、第2空間側(
図1中、紙面奥側)に面する。第2被接着端子62は、第1方向D1に沿って所定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第2被接着歯端子62Pを備える。第2被接着歯端子62Pは、第2電極端子32Pと対向した状態で第2電極端子32Pに対して電気的に接続するように接着される。
【0031】
第1可撓性配線基板60は、第1中継端子63と、第2中継端子64とを備える。第1中継端子63及び第2中継端子64は、第1可撓性配線基板60のなかで第2方向D2に沿って互いに一定の距離を空けて並ぶ。第1中継端子63及び第2中継端子64は、第1空間側(
図1中、紙面手前側)に面する。
【0032】
第1被接着端子61及び第2被接着端子62は、第1可撓性配線基板60のなかで第2方向D2における一端に位置する。第2中継端子64は、第1可撓性配線基板60のなかで第2方向D2における第1被接着端子61及び第2被接着端子62と反対の他端に位置する。第1中継端子63は、第2方向D2において、第1被接着端子61及び第2被接着端子62と、第2中継端子64との間に位置する。
【0033】
第1中継端子63は、第1方向D1に沿って一定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第1歯端子63Pを備える。第1中継端子63は、一例として、第1方向D1において、第1被接着端子61の位置から第2被接着端子62の位置にまで跨るように、複数の第1歯端子63Pが並ぶ。
【0034】
第2中継端子64は、第1方向D1に沿って一定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第2歯端子64Pを備える。第2中継端子64は、一例として、第1方向D1において、第1被接着端子61の位置から第2被接着端子62の位置にまで跨るように、複数の第2歯端子64Pが並ぶ。
【0035】
第2可撓性配線基板70は、第2方向D2の一端が第1可撓性配線基板60に対して機械的かつ電気的に接続される。第2可撓性配線基板70は、第1可撓性配線基板60との接続部分から、第2方向D2に沿って調光シート10と反対側に延びる。可撓性配線基板ユニット50は、一例として、第1可撓性配線基板60と第2可撓性配線基板70とによって、略T字状の外形を有する。
【0036】
第2可撓性配線基板70は、第3中継端子71と、第4中継端子72とを備える。第3中継端子71及び第4中継端子72は、第2可撓性配線基板70のなかで第2方向D2の一端に位置する。第3中継端子71及び第4中継端子72は、第4中継端子72が第3中継端子71に対して第2方向D2に沿って一定の距離を空けた状態で、第1方向D1に沿って並ぶ。第3中継端子71及び第4中継端子72は、第2空間側(
図1中、紙面奥側)に面する。
【0037】
第3中継端子71は、第1方向D1に沿って一定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第3歯端子71Pを備える。第4中継端子72は、第1方向D1に沿って一定のピッチで櫛歯状に並ぶ複数の第4歯端子72Pを備える。第1歯端子63P、第2歯端子64P、第3歯端子71P、及び第4歯端子72Pのそれぞれが並ぶピッチは、互いに等しい。
【0038】
第1歯端子63Pの数は、一例として、第2歯端子64Pの数と等しい。第3歯端子71Pの数は、一例として、第4歯端子72Pの数と等しい。第1歯端子63Pの数は、第3歯端子71Pの数よりも多い。第2歯端子64Pの数は、第4歯端子72Pの数よりも多い。
【0039】
各第3歯端子71Pは、複数の第1歯端子63Pのうちの何れか1つに対して機械的かつ電気的に接続される。同様に、各第4歯端子72Pは、複数の第2歯端子64Pのうちの何れか1つに対して機械的かつ電気的に接続される。これにより、第1可撓性配線基板60及び第2可撓性配線基板70は、機械的かつ電気的に接続される。
【0040】
第2可撓性配線基板70は、第1電源端子73Pと、第2電源端子74Pとを備える。第1電源端子73P及び第2電源端子74Pは、第2方向D2において、第3中継端子71及び第4中継端子72が位置する端部と反対側の端部に位置する。第1電源端子73P及び第2電源端子74Pは、それぞれ外部電源1Aに接続される。外部電源1Aは、可撓性配線基板ユニット50を介して、第1透明電極シート20と第2透明電極シート30との間に電圧を印加する。これにより、調光シート10が光透過率を変える。調光シート10は、外部電源1Aが可撓性配線基板ユニット50を介して電力を供給する給電対象の一例である。
【0041】
[調光ユニットの断面構造]
図2及び
図3に示すように、調光シート10は、第1透明電極シート20と、第2透明電極シート30と、調光層40とを備える。第1透明電極シート20は、第1透明基材21と、第1透明電極層22とを備える。第2透明電極シート30は、第2透明基材31と、第2透明電極層32とを備える。調光層40は、第1透明電極層22と第2透明電極層32との間に位置する。調光シート10は、第1透明基材21、第1透明電極層22、調光層40、第2透明電極層32、及び、第2透明基材31がこの順に積層されている。
【0042】
第1透明基材21及び第2透明基材31は、それぞれ可視光を透過する光透過性及び電気的な絶縁性を有する。第1透明基材21及び第2透明基材31を構成する材料は、それぞれ有機高分子化合物、または無機高分子化合物である。有機高分子化合物の一例は、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つである。無機高分子化合物の一例は、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、及び、窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0043】
第1透明電極層22及び第2透明電極層32は、それぞれ可視光を透過する光透過性及び電気的な導電性を有する。第1透明電極層22及び第2透明電極層32を構成する材料の一例は、それぞれ酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ3,4‐エチレンジオキシチオフェンからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0044】
調光層40は、第1透明電極層22及び第2透明電極層32を介した電圧の印加によって印加後の光透過率を印加前の光透過率とは異ならせる。調光層40の一例は、透明有機高分子層と液晶組成物とを備える。透明有機高分子層は、第1透明電極層22と第2透明電極層32との間に、液晶組成物によって充填される空隙を区画する。液晶組成物は、透明有機高分子層が有する空隙に充填されている。液晶組成物は、液晶化合物を含む。液晶化合物の一例は、シッフ塩基系化合物、アゾ系化合物、アゾキシ系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、安息香酸エステル系化合物、トラン系化合物、ピリミジン系化合物、シクロヘキサンカルボン酸エステル系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物、ジオキサン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0045】
調光層40における液晶組成物の保持型式の一例は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、及びカプセル型から構成される群から選択される何れか1つである。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明有機高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明有機高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明有機高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶化合物以外に、透明有機高分子層を形成するためのモノマー、及び二色性色素を含有してもよい。
【0046】
第1可撓性配線基板60は、第1外側絶縁層60A、第2外側絶縁層60B、内側絶縁層60C、第1導体層60D、及び第2導体層60E(
図3参照)を備える。内側絶縁層60Cは、第1外側絶縁層60Aと第2外側絶縁層60Bとの間に位置する。第1外側絶縁層60Aは、内側絶縁層60Cに対して調光シート10が区切る第1空間側に位置する。第2外側絶縁層60Bは、内側絶縁層60Cに対して調光シート10が区切る第2空間側に位置する。第1外側絶縁層60A、第2外側絶縁層60B、及び内側絶縁層60Cは、絶縁性を有した樹脂製のフィルムであって、一例として、ポリイミドから構成される。
【0047】
第1導体層60Dは、第1外側絶縁層60Aと内側絶縁層60Cとの間に位置する。第2導体層60Eは、第2外側絶縁層60Bと内側絶縁層60Cとの間に位置する。第1導体層60D及び第2導体層60Eは、導電性を有した金属製のフィルムであって、一例として、銅箔から構成される。なお、
図2に示す断面中には、第2導体層60Eは配置されていない。また、
図2に示す第1導体層60Dは、
図3に示す第1導体層60Dに対して電気的に絶縁されている。
【0048】
図2に示すように、第1電極端子22Pは、調光シート10のなかで、第1透明電極層22が第2透明電極シート30及び調光層40から露出した部分である。また、第1被接着端子61及び第1中継端子63は、第1可撓性配線基板60のなかで、第1導体層60Dが第1外側絶縁層60Aから露出した部分である。第1被接着端子61は、第1可撓性配線基板60の内部において、第1導体層60Dを介して第1中継端子63と電気的に接続される。
【0049】
第1電極端子22Pには、第1導電性接着剤61Aを介して第1被接着端子61が導通可能に接着される。第1導電性接着剤61Aは、例えば、異方性導電フィルム(ACF: Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP: Anisotropic Conductive Paste)、等方性導電フィルム(ICF: Isotropic Conductive Film)、及び等方性導電ペースト(ICP: Isotropic Conductive Paste)からなる群から選択される少なくとも一種である。
【0050】
第1電極端子22Pには、調光層40の端面を覆うための第1封止部61Bが設けられる。第1封止部61Bは、絶縁性の樹脂である。第1封止部61Bは、一例として、エポキシ樹脂やアクリル系樹脂等から構成される。第1封止部61Bは、第1電極端子22Pと密着し、かつ、第2透明電極シート30の端面及び調光層40の端面に密着している。
【0051】
図3に示すように、第2電極端子32Pは、調光シート10のなかで、第2透明電極層32が第1透明電極シート20及び調光層40から露出した部分である。また、第2被接着端子62は、第1可撓性配線基板60のなかで、第2導体層60Eが第2外側絶縁層60Bから露出した部分である。第2中継端子64は、第1可撓性配線基板60のなかで、第1導体層60Dが第1外側絶縁層60Aから露出した部分である。第2被接着端子62を構成する第2導体層60E、及び、第2中継端子64を構成する第1導体層60Dは、スルーホール65を介して電気的に接続される。
【0052】
第2電極端子32Pには、第2導電性接着剤62Aを介して第1可撓性配線基板60の第2被接着端子62が導通可能に接着される。第2導電性接着剤62Aは、例えば、第1導電性接着剤61Aと同種の材料によって構成される。
【0053】
第2電極端子32Pには、調光層40の端面を覆うための第2封止部62Bが設けられる。第2封止部62Bは、絶縁性の樹脂であって、一例として、エポキシ樹脂やアクリル系樹脂等から構成される。第2封止部62Bは、第2電極端子32Pと密着し、かつ、第1透明電極シート20の端面及び調光層40の端面に密着している。
【0054】
第1封止部61B及び第2封止部62Bは、調光層40の端面を覆うことで、調光層40を構成する液晶組成物が外部に漏出することを防ぐとともに、液晶組成物が酸、水分、紫外線などによって劣化することを抑制する。
【0055】
[第1可撓性配線基板]
図4に示すように、第1方向D1において、第1中継端子63の長さは、第2中継端子64の長さと等しい。第1方向D1において、第2中継端子64は、第1中継端子63に対して、距離L1の分だけ第2被接着端子62側にずらして配置される。第1方向D1において、第1可撓性配線基板60における第2被接着端子62側の端部と、第1中継端子63との間には、複数のスルーホール65が配置される。第2方向D2において、第2中継端子64は、第1中継端子63に対して一定の距離L2を空けた状態で配置される。
【0056】
次に、
図5を参照して第1歯端子63Pの構成について説明する。なお、
図5では、第1導体層60Dに薄いドットを付して示す。また、第2歯端子64Pは、第1歯端子63Pと同様の構成を有することから、その詳細な説明を割愛する。
【0057】
図5に示すように、複数の第1歯端子63Pは、第1方向D1に沿って一定のピッチPで並ぶ。各第1歯端子63Pは、第1凸部66を備える。第1凸部66は、第1方向D1及び第2方向D2の各々において、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを適正な位置に配置するための基準部の一例である。第1凸部66は、一例として、第1方向D1に沿って、第1被接着端子61側から第2被接着端子62側に向かって、第1歯端子63Pの側部から突き出る。第1方向D1において、第1歯端子63Pのなかで第2方向D2に延びる部分の中心から第1凸部66の先端までの長さが距離L3である。第1凸部66は、一例として、第2方向D2において、第1歯端子63Pのほぼ中央に位置する。
【0058】
[第2可撓性配線基板]
次に、
図6を参照して第2可撓性配線基板70について説明する。なお、
図6では、第2可撓性配線基板70を、
図1に示す状態から表裏を反転させた状態を図示している。
【0059】
図6に示すように、第2可撓性配線基板70は、第3外側絶縁層70A、第4外側絶縁層70B、及び導体層70Cを備える。導体層70Cは、第3外側絶縁層70Aと第4外側絶縁層70Bとの間に位置する。第3外側絶縁層70Aは、導体層70Cに対して第1空間側(
図6中、紙面奥側)に位置する。第4外側絶縁層70Bは、導体層70Cに対して第2空間側(
図6中、紙面手前側)に位置する。第3外側絶縁層70A及び第4外側絶縁層70Bは、絶縁性を有した樹脂製のフィルムであって、一例として、ポリイミドから構成される。導体層70Cは、導電性を有した金属製のフィルムであって、一例として、銅箔から構成される。
【0060】
第2可撓性配線基板70が備える第3中継端子71、第4中継端子72、第1電源端子73P、及び第2電源端子74Pは、導体層70Cが第4外側絶縁層70Bから露出した部分である。導体層70Cは、第2可撓性配線基板70の内部において、第3中継端子71と第1電源端子73Pとを電気的に接続するとともに、第4中継端子72と第2電源端子74Pとを電気的に接続する。なお、導体層70Cにおいて、第3中継端子71と第1電源端子73Pとを接続する部分は、第4中継端子72と第2電源端子74Pとを接続する部分に対して、電気的に絶縁されている。
【0061】
第1方向D1において、第3中継端子71の長さは、第4中継端子72の長さと等しい。第1方向D1において、第3中継端子71のうち第4中継端子72から遠い側の端部から、第4中継端子72のうち第3中継端子71に近い側の端部までの距離L4は、距離L1と等しい。第2方向D2において、第4中継端子72は、第3中継端子71に対して一定の距離L5を空けた状態で配置される。距離L5は、距離L2と等しい。
【0062】
このような配置によれば、各第3歯端子71Pが複数の第1歯端子63Pの何れか1つと電気的に接続されたときに、各第4歯端子72Pが複数の第2歯端子64Pの何れか1つと電気的に接続される。換言すると、第3中継端子71は、各第3歯端子71Pが第1歯端子63Pと接続されたときに、各第4歯端子72Pが第2歯端子64Pと接続されるように、第4中継端子72に対して配置される。
【0063】
第1可撓性配線基板60は、3層の絶縁層60A~60C及び2層の導体層60D,60Eによって、第2被接着端子62が、第1被接着端子61、第1中継端子63、及び第2中継端子64と相反する方向に面するように構成される。これに対して、第2可撓性配線基板70は、2つの絶縁層70A,70B及び1つの導体層70Cによって、第3中継端子71、第4中継端子72、第1電源端子73P、及び第2電源端子74Pが互いに同じ方向に面するように構成される。このような構成であれば、第1被接着歯端子61Pと第2被接着歯端子62Pとが相反する方向に面することを要する場合であっても、第2可撓性配線基板70の層構成を簡素化することができる。結果として、構成する層が少ない分だけ、第2可撓性配線基板70の耐屈曲性や柔軟性を高めることが可能ともなる。
【0064】
次に、
図7を参照して第3歯端子71Pの構成について説明する。なお、
図7では、導体層70Cに濃いドットを付して示す。また、第4歯端子72Pは、第3歯端子71Pと同様の構成を有することから、その詳細な説明を割愛する。
【0065】
図7に示すように、複数の第3歯端子71Pは、第1方向D1に沿って一定のピッチPで並ぶ。複数の第3歯端子71Pのうち第1方向D1の各端に位置する第3歯端子71Pは、それぞれ2つの第2凸部75を備える。第2凸部75は、第1方向D1及び第2方向D2の各々において、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを適正な位置に配置するための位置決め部の一例である。
【0066】
第2凸部75は、一例として、第1方向D1に沿って、第3中継端子71側から第4中継端子72側に向かって、第3歯端子71Pの側部から突き出る。第1方向D1において、第3歯端子71Pのなかで第2方向D2に延びる部分の中心から第2凸部75の先端までの長さが距離L6である。距離L6は、一例として、距離L3よりも大きい。2つの第2凸部75は、一例として、第2方向D2において、第1凸部66の幅よりも大きな間隔を空けて並ぶ。
【0067】
[第1可撓性配線基板と第2可撓性配線基板との接続]
各第3歯端子71Pは、複数の第1歯端子63Pのうち何れか1つに対して、対向した状態で電気的に接続される。同時に各第4歯端子72Pは、複数の第2歯端子64Pのうち何れか1つと対向した状態で、第2歯端子64Pと電気的に接続される。第1歯端子63Pと第3歯端子71Pとの接続、及び、第2歯端子64Pと第4歯端子72Pとの接続は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、等方性導電フィルム、及び等方性導電ペーストからなる群から選択される少なくとも一種からなる接着剤が用いられる。
【0068】
第1可撓性配線基板60及び第2可撓性配線基板70は、第1歯端子63Pと第3歯端子71Pとの接続、及び、第2歯端子64Pと第4歯端子72Pとの接続によって一体に構成される。第1歯端子63P及び第2歯端子64Pが互いに同じ方向に面し、かつ、第3歯端子71P及び第4歯端子72Pが互いに同じ方向に面する。そのため、第1歯端子63Pと第3歯端子71Pとの接続、及び、第2歯端子64Pと第4歯端子72Pとの接続を一度に行うことができる。
【0069】
可撓性配線基板ユニット50は、第1歯端子63Pに対する第3歯端子71Pの配置、及び、第2歯端子64Pに対する第4歯端子72Pの配置を、ピッチPごとに変えることができる。すなわち、可撓性配線基板ユニット50は、第1方向D1において、第1可撓性配線基板60に対する第2可撓性配線基板70の配置をピッチPごとに変えることができる。
【0070】
第1被接着端子61は、第1中継端子63、第3中継端子71、及び第1電源端子73Pを介して外部電源1Aに電気的に接続される。第2被接着端子62は、第2中継端子64、第4中継端子72、及び第2電源端子74Pを介して外部電源1Aに電気的に接続される。
【0071】
なお、複数の第1歯端子63Pのうち、第3歯端子71Pと接続されない第1歯端子63Pは、例えば、絶縁性を有した樹脂ペーストを塗工及び硬化させることによって封止される。同様に、複数の第2歯端子64Pのうち、第4歯端子72Pと接続されない第2歯端子64Pは、例えば、絶縁性を有した樹脂ペーストを塗工及び硬化させることによって封止される。
【0072】
次に、
図8を参照して、第1歯端子63Pと第3歯端子71Pとの接続部分の構成について説明する。なお、
図8では、第1可撓性配線基板60が備える第1導体層60Dに薄いドットを付して示すとともに、導体層70Cに濃いドットを付して示す。また、第2歯端子64Pと第4歯端子72Pは、第1歯端子63P及び第3歯端子71Pと同様の構成を有することから、その詳細な説明を割愛する。
【0073】
各第3歯端子71Pは、複数の第1歯端子63Pのうち何れか1つに対して重なった状態で接続される。第2方向D2において、第1方向D1の各端に位置する第3歯端子71Pが備える2つの第2凸部75の間には、第1歯端子63Pが備える第1凸部66が位置する。同時に、第1方向D1において、2つの第2凸部75の先端は、隣り合う第1歯端子63Pの間であって、第1凸部66と、当該第1凸部66に最も近い他の第1歯端子63Pの側縁との間に位置する。換言すると、第1凸部66は、2つの第2凸部75によって構成される凹部の内側に位置する。
【0074】
第1凸部66が2つの第2凸部75によって構成される凹部の内側に位置した状態で、第1方向D1及び第2方向D2の各々において、第1歯端子63Pと第3歯端子71Pとが適正な配置となる。すなわち、第1方向D1及び第2方向D2の各々において、第1凸部66と2つの第2凸部75との相対的な配置に基づいて、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを適正な位置に配置することができる。
【0075】
また、複数の第3歯端子71Pのうち、第1方向D1における各端に位置する第3歯端子71Pにおいて、第1凸部66と第2凸部75とを用いた位置決めが行われる。これにより、第3中継端子71を構成する各第3歯端子71Pを、各々が接続される第1歯端子63Pに対して適正な位置に配置することができる。また、第1凸部66は、何れの第1歯端子63Pにも設けられている。そのため、2つの第2凸部75を備えた第3歯端子71Pが何れの第1歯端子63Pと接続された場合でも、第1凸部66に対して2つの第2凸部75を適正な位置に配置することで、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを適正な位置に配置できる。
【0076】
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)可撓性配線基板ユニット50は、第1方向D1において、第1可撓性配線基板60に対する第2可撓性配線基板70の配置をピッチPごとに変えることができる。したがって、第1可撓性配線基板60に対する第2可撓性配線基板70の配置を変えることで、複数種類の配線経路を実現できる。
【0077】
(2)第1可撓性配線基板60のなかで第1中継端子63及び第2中継端子64が互いに同じ方向に面し、かつ、第2可撓性配線基板70のなかで第3中継端子71及び第4中継端子72が互いに同じ方向に面する。これにより、第1中継端子63と第3中継端子71との接続、及び、第2中継端子64と第4中継端子72との接続を一度に行うことができる。したがって、第1可撓性配線基板60と第2可撓性配線基板70とを効率よく接続できる。
【0078】
(3)第1可撓性配線基板60において、第2被接着端子62が、第1被接着端子61、第1中継端子63、及び第2中継端子64と相反する方向に面する。また、第2可撓性配線基板70において、第3中継端子71、第4中継端子72、第1電源端子73P、及び第2電源端子74Pが互いに同じ方向に面する。このような構成であれば、第1被接着端子61と第2被接着端子62とが相反する方向に面することを要する場合でも、第2可撓性配線基板70の層構成を簡素化することができる。結果として、第2可撓性配線基板70の耐屈曲性や柔軟性を高めることが可能ともなる。
【0079】
(4)各第1歯端子63Pに第1凸部66を設けることで、第2凸部75を備えた第3歯端子71Pが何れの第1歯端子63Pと接続された場合であっても、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを適正な位置に配置できる。同様に、各第2歯端子64Pに第1凸部66を設けることで、第2凸部75を備えた第4歯端子72Pが何れの第2歯端子64Pと接続された場合であっても、第2歯端子64Pに対して第4歯端子72Pを適正な位置に配置できる。
【0080】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、以下に示す変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0081】
・各第1歯端子63P及び各第2歯端子64Pが備える基準部は、第1凸部66に限定されない。同様に、複数の第3歯端子71Pのうち第1方向D1の各端に位置する第3歯端子71P及び複数の第4歯端子72Pのうち第1方向D1の各端に位置する第4歯端子72Pが備える位置決め部は、2つの第2凸部75に限定されない。基準部及び位置決め部は、基準部に対する位置決め部の配置に基づいて、第1歯端子63Pに対して第3歯端子71Pを、もしくは、第2歯端子64Pに対して第4歯端子72Pを適正な位置に配置できる構成であればよい。
【0082】
・例えば、第1歯端子63Pに対する第3歯端子71Pの配置に高い精度を要さない場合には、各第1歯端子63Pに第1凸部66を設ける一方で、各第2歯端子64Pに第1凸部66を設けなくてもよい。この場合、第3歯端子71Pにのみ第2凸部75を設ければよく、第4歯端子72Pに第2凸部75を設けなくてもよい。同様に、第2歯端子64Pに対する第4歯端子72Pの配置に高い精度を要さない場合には、各第2歯端子64Pに第1凸部66を設ける一方で、各第1歯端子63Pに第1凸部66を設けなくてもよい。この場合、第4歯端子72Pにのみ第2凸部75を設ければよく、第3歯端子71Pに第2凸部75を設けなくてもよい。また、各第1歯端子63P及び各第2歯端子64Pの何れにも第1凸部66を設けず、かつ、第3歯端子71P及び第4歯端子72Pの何れにも第2凸部75を設けなくてもよい。
【0083】
・例えば、第2可撓性配線基板70において、第1電源端子73Pと第2電源端子74Pとが互いに相反する方向に面してもよい。この場合、第3中継端子71と第1電源端子73Pとの間、もしくは、第4中継端子72と第2電源端子74Pとの間にスルーホールが設けられる。このような構成の場合、第1電源端子73P及び第2電源端子74Pと外部電源1Aとの接続形態の自由度が高められる。
【0084】
・第1可撓性配線基板60において、第1中継端子63と第2中継端子64とが互いに相反する方向に面してもよい。例えば、第1中継端子63が第1被接着端子61と同じ方向に面し、かつ、第2中継端子64が第2被接着端子62と同じ方向であって、第1被接着端子61及び第1中継端子63と相反する方向に面してもよい。この場合、第1被接着端子61及び第1中継端子63は、第1導体層60Dによって電気的に接続される。また、第2被接着端子62及び第2中継端子64は、第2導体層60Eによって電気的に接続される。なお、スルーホール65は、設けられなくてもよい。このような構成であれば、第1中継端子63と第2中継端子64とを、第1可撓性配線基板60を構成する各層が並ぶ積層方向に並べることができる。そのため、第2方向D2において、第1可撓性配線基板60が調光シート10からはみ出す距離を小さくすることができる。なお、この場合の第2可撓性配線基板70は、第3中継端子71と第4中継端子72とが互いに相反する方向に面するように構成すればよい。この場合、第1中継端子63と第3中継端子71との接続、及び、第2中継端子64と第4中継端子72との接続は、各別に行われる。なお、第2可撓性配線基板70において、第1電源端子73P及び第2電源端子74Pは、互いに相反する方向に面してもよいし、同じ方向に面してもよい。
【0085】
・例えば、複数の第1歯端子63Pのうち、第3歯端子71Pと接続されない第1歯端子63Pは、外表面側に位置する第1外側絶縁層60Aが取り除かれずに、第1外側絶縁層60Aによって覆われていてもよい。換言すると、複数の第1歯端子63Pのうち、少なくとも第3歯端子71Pと接続される第1歯端子63Pが、第1外側絶縁層60Aから露出していればよい。第3歯端子71Pと接続されない第1歯端子63Pを第1外側絶縁層60Aによって覆うことで、第3歯端子71Pと接続されない第1歯端子63Pを封止する作業を簡略化できる。なお、複数の第2歯端子64Pのうち、第4歯端子72Pと接続されない第2歯端子64Pについても同様の変更が可能である。
【0086】
・第1透明電極シート20は、紫外線遮蔽層、赤外線遮蔽層、配向層、粘着層、保護層などの他の機能層を備えてもよい。第2透明電極シート30は、紫外線遮蔽層、赤外線遮蔽層、配向層、粘着層、保護層などの他の機能層を備えてもよい。
【0087】
・調光シート10は、矩形状に限らず、矩形状以外の多角形状、円形状、楕円形状などの幾何学形状でもよいし、幾何学形状以外の不定形状でもよい。調光シート10は、二次元の平面状に限らず、円筒面状、球面状、波状などの曲面状でもよい。
【符号の説明】
【0088】
D1…第1方向
D2…第2方向
P…ピッチ
1…調光ユニット
1A…外部電源
10…調光シート
10E…縁部
20…第1透明電極シート
22P…第1電極端子
30…第2透明電極シート
32P…第2電極端子
40…調光層
50…可撓性配線基板ユニット
60…第1可撓性配線基板
61…第1被接着端子
62…第2被接着端子
63…第1中継端子
63P…第1歯端子
64…第2中継端子
64P…第2歯端子
66…第1凸部
70…第2可撓性配線基板
71…第3中継端子
71P…第3歯端子
72…第4中継端子
72P…第4歯端子
73P…第1電源端子
74P…第2電源端子
75…第2凸部