(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172094
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】バーナ効率改善用取付け部品、及びその取付け構造
(51)【国際特許分類】
F23C 3/00 20060101AFI20231129BHJP
F23D 14/12 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F23C3/00 301
F23D14/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083666
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】向井 協
(72)【発明者】
【氏名】富永 健一
【テーマコード(参考)】
3K017
3K091
【Fターム(参考)】
3K017BA01
3K017BB04
3K017BE05
3K017BE11
3K091EA08
3K091EA14
3K091EA22
(57)【要約】
【課題】燃焼用空気の排気側へのショートパスを低減して、シングル型蓄熱燃焼バーナのバーナ効率を改善する。
【解決手段】給排気面の中心部から前方に突出する筒状の燃料吐出部13と、給排気口12が設けられた給排気面11とを備えるシングル型蓄熱燃焼バーナ1に対し、取付け部品3は、燃料吐出部13の軸と同方向に軸を向けて、内径面を燃料吐出部13の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を給排気面11と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が筒状の燃料吐出部13の外径よりも大きな筒状の部品であり、筒状の取付け部品3は、軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部31と、縮径部31よりも一端開口部側の部分であって、一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている第1拡径部32と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給排気口が開口する給排気面と、上記給排気面の中心部から前方に突出する筒状の燃料吐出部とを備えるシングル型蓄熱燃焼バーナに対し、上記燃料吐出部の外周に配置されてバーナ効率を改善するための取付け部品であって、
上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けて、内径面を上記燃料吐出部の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が上記筒状の燃料吐出部の外径よりも大きな筒状の部品であり、
上記筒状の取付け部品は、
軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部と、
上記縮径部よりも上記一端開口部側の部分であって、上記一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている拡径部と、
を備えることを特徴とするバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項2】
上記縮径部よりも上記一端開口部とは反対側の他端開口部の部分であって、上記他端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている第2拡径部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項3】
上記シングル型蓄熱燃焼バーナが、ラジアントチューブ炉のラジアントチューブの給気口に、上記筒状の燃料吐出部の先端開口側が挿入された状態で設置される、そのシングル型蓄熱燃焼バーナに配置される上記取付け部品であって、
上記一端開口部とは反対側の他端開口部の開口が、上記給気口の開口の形状及び寸法と同じである、
ことを特徴とする請求項1に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項4】
上記シングル型蓄熱燃焼バーナが、ラジアントチューブ炉のラジアントチューブの給気口に、上記筒状の燃料吐出部の先端開口側が挿入された状態で設置される、そのシングル型蓄熱燃焼バーナに配置される上記取付け部品であって、
上記一端開口部とは反対側の他端開口部の開口が、上記給気口の開口の形状及び寸法と同じである、
ことを特徴とする請求項2に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項5】
上記給排気面の中心から上記給排気口の中心までの距離を、上記給排気口のピッチ円半径としたとき、
上記拡径部側の開口端の内径は、上記給排気口のピッチ円半径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項6】
上記給排気面の中心から上記給排気口の中心までの距離を、上記給排気口のピッチ円半径としたとき、
上記拡径部側の開口端の内径は、上記給排気口のピッチ円半径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項7】
上記給排気面の中心から上記給排気口の中心までの距離を、上記給排気口のピッチ円半径としたとき、
上記拡径部側の開口端の内径は、上記給排気口のピッチ円半径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項8】
上記給排気面の中心から上記給排気口の中心までの距離を、上記給排気口のピッチ円半径としたとき、
上記拡径部側の開口端の内径は、上記給排気口のピッチ円半径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項4に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項9】
上記一端開口部側の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、上記縮径部からの軸方向距離が短い、
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項10】
上記一端開口部側の開口端面の周方向に沿った環状の面を規定する面は、軸直方向の平面に対し軸方向に傾斜した面である、
ことを特徴とする請求項9に記載したバーナ効率改善用取付け部品。
【請求項11】
複数の給排気口が開口する給排気面と、上記給排気面の中心部から前方に突出する筒状の燃料吐出部とを備えるシングル型蓄熱燃焼バーナに対し、上記燃料吐出部の外周に配置されてバーナ効率を改善するための取付け部品の取付け構造であって、
上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けて、内径面を上記燃料吐出部の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が上記筒状の燃料吐出部の外径よりも大きな筒状の部品であり、
上記筒状の取付け部品は、軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部と、上記縮径部よりも上記一端開口部側の部分であって、上記一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている拡径部と、を備え、
上記縮径部よりも上記一端開口部とは反対側の他端開口部の部分であって、上記他端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている第2拡径部を備え、
上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けると共に、一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で、上記燃料吐出部の外周に配置させて取り付けられる、
ことを特徴とする取付け構造。
【請求項12】
上記シングル型蓄熱燃焼バーナが、ラジアントチューブ炉のラジアントチューブの給気口に、上記筒状の燃料吐出部の先端開口側が挿入された状態で設置される設備に取り付けられ、
上記一端開口部とは反対側の他端開口部の開口を、上記給気口の開口の形状及び寸法と同じ構成として、当該他端開口部を上記給気口に連結する、
ことを特徴とする請求項11に記載した取付け構造。
【請求項13】
ラジアントチューブから排気される排ガスを、上記一端開口部と上記給排気面との間隙に向けて、上記拡径部の半径方向に沿った方向から案内する排ガス導入通路を備える設備に取り付けられ、
上記一端開口部側の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、上記縮径部からの軸方向距離が短い構造となっており、
上記一端開口部と上記給排気面との間隙における、周方向に沿った間隙の大きさについて、上記排ガス導入通路が配置された側の間隙を、その他の部分の間隙よりも大きくなるように、取付け部品を配置する、
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載した取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングル型蓄熱燃焼バーナと一緒に用いてバーナ効率を改善するための取付け部品、及びその取付け構造に関する。本発明は、特に、シングル型蓄熱燃焼バーナをラジアントチューブ炉で使用する場合に好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シングル型蓄熱燃焼バーナは、単一のバーナ本体と、複数の給排気通路を有する蓄熱体と、給排気切換弁を備える。そして、シングル型蓄熱燃焼バーナは、蓄熱体を通しての燃焼用空気の供給(給気)及び排ガスの排出(排気)を交互に行うことで、給排気間の熱交換を行う。これによって、シングル型蓄熱燃焼バーナは、給気(燃焼用空気)を予熱すると共に排ガス温度を低下させて、熱効率を高めることができる機構となっている。このようなシングル型蓄熱燃焼バーナは、例えばラジアントチューブ炉で用いられる。
【0003】
ここで、従来技術には、ラジアントチューブ炉で用いられるシングル型蓄熱燃焼バーナ用の筒状の部品について開示されているものがある。その筒状の部品は、給排気面の中心部から突出する筒状の燃料吐出部の外周側に、燃焼用空気吐出通路を形成してバーナ効率を向上させるための取付け部品である。
【0004】
例えば、特許文献1には、シングル型蓄熱燃焼バーナの燃料吐出部の周囲に設けられ、燃料吐出部の外側に燃焼用空気吐出通路を形成する筒状の圧力損失ピースが記載されている。この圧力損失ピースは、燃焼用空気吐出通路の上流部にヘッダー(テーパ部)を形成し、そのヘッダーの下流に絞り部(直筒部)を有する形状からなる。また、圧力損失ピースには、蓄熱バーナの給排気口近傍の側方部分に2以上の排気導入口が開口している。特許文献1には、圧力損失ピースによって、給排気口における給気と排気を両立させると共に、燃料ガスが排気側の給排気口にショートパスすることを防止することが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、シングル型蓄熱燃焼バーナの燃料吐出部の周囲に供給される燃焼用空気を絞るための第1絞り部材と、第1絞り部材上流側にあるバーナの給排気口周囲に給排気口から吐き出される燃焼用空気を絞るための漏斗形状の第2絞り部材を設けることが記載されている。そして、特許文献2には、第1絞り部材と第2絞り部材の間及び第1絞り部材の外周に排ガスを導入するようにした技術が開示されている。特許文献2には、第1絞り部材と第2絞り部材との組合せによって、排ガス再循環量を増大させてNOxの発生を低減することが可能となることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-130338号公報
【特許文献2】特開2004-132574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の環状の圧力損失ピースでは、燃焼用空気が排気側の給排気口へショートパスしてしまう量が多いという問題点があった。その理由は、次の通りである。圧力損失ピースを用いた場合、圧力損失ピースで形成される排気導口から給排気口への流路が狭い。このため、排気導口から給排気口側に排ガスを十分に吸い込めないことから、相対的に燃焼用空気のショートパス量が増大してしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載される第1絞り部材と漏斗状の第2絞り部材との組合せは、供給された燃料ガスがバーナ側へショートパスすることを抑制すると共に排ガス再循環率を高める。このため、第1絞り部材と第2絞り部材との組合せは、排ガスが燃料吐出部の方向へ流れることを促しており、燃焼用空気のショートパスは改善されていない。
【0008】
ここで、上述のように燃焼用空気がショートパスした場合、予熱に使われた熱が燃焼に寄与せずに排出されることになるため、結果として回収熱量が低減し燃料量の増加に繋がる。また、上記従来技術では、いずれの技術においても、取付け部品によって燃焼用空気の流路が曲げられる際に、燃焼用空気の気流で渦を発生し、燃焼用空気の一部が排気側に逆流してしまう。
【0009】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、燃焼用空気の排気側へのショートパスを低減して、シングル型蓄熱燃焼バーナのバーナ効率を改善することが可能な取付け部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題解決のために、本発明の一態様は、複数の給排気口が開口する給排気面と、上記給排気面の中心部から前方に突出する筒状の燃料吐出部とを備えるシングル型蓄熱燃焼バーナに対し、上記燃料吐出部の外周に配置されてバーナ効率を改善するための取付け部品であって、上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けて、内径面を上記燃料吐出部の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が上記筒状の燃料吐出部の外径よりも大きな筒状の部品であり、上記筒状の取付け部品は、軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部と、上記縮径部よりも上記一端開口部側の部分であって、上記一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている拡径部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様の取付け部品を、シングル型蓄熱燃焼バーナの燃料吐出部の外周に配置した場合、筒状の取付け部品の内径面と燃料吐出部の外径面との間に燃焼用空気吐出通路が形成される。このとき、給排気面に形成された給排気口からの給気流である燃焼用空気の流れが、拡径部で絞られることで、燃焼用空気吐出通路において、燃焼用空気が周方向に行き渡る。更に、拡径部よりも下流側位置において、燃焼用空気の流れが縮径部で絞られることで、燃焼用空気吐出通路での燃焼用空気の流速を増加させると共に、燃焼用空気を燃料ガス吐出部の全周に更に行き渡らせる。
【0012】
そして、本発明の態様によれば、縮径部での絞りによって、燃焼用空気の流速を増加させることで、燃焼用空気吐出通路での燃焼用空気の逆流による燃焼用空気のショートパスを防止する。
また、燃焼用空気を絞るための本発明の取付け部品をバーナ本体から分離して隙間を形成したことで、バーナの給排気口において排ガスを吸い込む際の障壁が無くなり、排ガスの排気側の給排気口への排気が促進される。その結果、給気側の給排気口から吐き出された燃焼用空気は相対的に排気側の給排気口へ吸い込まれにくくなり、排気側の給排気口への燃焼用空気のショートパス量が低減される。
【0013】
以上のことから、本発明の態様によれば、燃焼用空気の排気側へのショートパスを低減して、シングル型蓄熱燃焼バーナのバーナ効率を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に基づく実施形態に係るラジアントチューブバーナの一実施形態の模式図である。
【
図2】バーナ効率改善用取付け部品の各部の寸法を示す図である。
【
図3】下側の給排気口が排気の場合のガスの流れの模式図である。
【
図4】上側の給排気口が排気の場合のガスの流れの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下の説明では、バーナ効率改善用取付け部品を配置したシングル型蓄熱燃焼バーナを、ラジアントチューブバーナとして用いる場合を例に説明する。
(シングル型蓄熱燃焼バーナ1)
図1に示すシングル型蓄熱燃焼バーナ1は、筒状の燃料吐出部13と複数の蓄熱体10とを備える。燃料吐出部13は、給排気面11の中央から前方に突出し、その先端の燃料吐出口13aから、燃料ガス及びパイロットエアを吐出する。各蓄熱体10は、給排気面11に給排気口12を有する。給排気面11に開口する複数の給排気口12は、給排気面11の中央を中心とした同一の円の円周上に沿って配置されている。そして、シングル型蓄熱燃焼バーナ1は、給排気切換弁14によって、各蓄熱体10を介した燃焼用空気の給気と排ガスの排気とを交互に行うことにより、蓄熱体10で熱交換を行う。そのため、各給排気口12では、給気と排気が連続的に切り替わりながら交互に行われ、給気及び排気が給排気面11において行われる。
【0016】
(バーナ効率改善用取付け部品3)
本実施形態のバーナ効率改善用取付け部品3は、燃料吐出部13の外周に配置されてバーナ効率を改善するための部品である。バーナ効率改善用取付け部品3は、
図1のように、筒状の部品であって、最小の内径が燃料吐出部13の外径よりも大きな部品からなる。
そして、そのバーナ効率改善用取付け部品3は、
図1に示すように、燃料吐出部13の軸と同方向(この例では同軸)に軸を向けて、内径面を燃料吐出部13の外径面と間隙を有して対向させた状態で、且つ一端開口部(
図1中右端側)を、給排気面11と間隙を開けて対向させた状態で取り付けられる。
バーナ効率改善用取付け部品3は、
図1に示すように、縮径部31と、拡径部を構成する第1拡径部32と、第2拡径部33と、を備える。
【0017】
<縮径部31>
縮径部31は、軸方向途中部分に形成された、内径が小径に絞られた部分である。
ここで、燃料吐出部13の外面と縮径部31の内面との間の離隔距離(径方向の隙間)は、20mm以上200mm以下が好ましい。離隔距離が小さすぎると、燃焼空気の必要流量が確保できない。
【0018】
<第1拡径部(拡径部)32>
第1拡径部32は、縮径部31よりも一端開口部側(給排気面11側)の部分であって、一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている。本実施形態の第1拡径部32は、縮径部31に連通し、内径面が周方向全周に渡って所定の傾斜角からなるテーパがつけられたテーパ面を有する、円錐台形状となっている。
縮径部31と第1拡径部32との間に軸方向の径が等しい直筒の直筒部を有していても良い。
【0019】
<第2拡径部33>
また、第2拡径部33は、縮径部31よりも他端開口部側の部分であって、他端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている。本実施形態の第2拡径部33は、縮径部31に連通し、内径面が周方向全周に渡って所定の傾斜角からなるテーパがつけられたテーパ面を有する、円錐台形状となっている。縮径部31と第2拡径部33の間に軸方向の径が等しい直筒の直筒部を有していても良い。
【0020】
また、第2拡径部33は、軸方向に沿って内径が等しい筒状の部分で構成されていても良いが、圧力損失を低減するためにテーパがある方が好ましい。
また、本実施形態のバーナ効率改善用取付け部品3では、他端開口部の開口が、ラジアントチューブ21の給気口21aの開口の形状及び寸法と同じに設定されている。すなわち、給気口21aの開口形状が円形形状であれば、他端開口部の開口も同形の円形形状となっている。また、給気口21aの開口形状が楕円形状であれば、他端開口部の開口も同形の楕円形状となっている。
【0021】
これによって、他端開口部を、ラジアントチューブ21の給気口21aに密封状態で連結可能となっている。
ここで、本実施形態のバーナ効率改善用取付け部品3では、
図2に示すように、縮径部31の内径が、上記ラジアントチューブ21の給気口21aの内径よりも小さい。
また、本実施形態のバーナ効率改善用取付け部品3では、
図2に示すように、給排気面11の中心から上記給排気口12の中心までの距離を、給排気口12のピッチ円半径(D1/2)としたとき、拡径部側の開口端の半径(D2/2)は、給排気口12のピッチ円半径(D1/2)よりも大きい。
【0022】
ここで、D2が小さすぎる場合、燃焼用空気が取付け部品3の外に漏れてしまう恐れがある。またD2が大きすぎる場合、渦が発生しやすくなってショートパス量が増加する。
また、D3が小さすぎると、燃料吐出部13と取付け部品3との間の通路に必要流量の燃焼用空気が入らなくなる。一方、D3が大きすぎると燃焼用空気の逆流の発生によって燃焼用空気のショートパス量が増加する。
以上のことから、D2及びD3の好適な範囲は、それぞれD1、D4とのバランスで設計することが好ましく、例えば、1.2≦D2/D1≦1.6、0.6≦D3/D4≦0.9の範囲がそれぞれ好ましい。
【0023】
また、本実施形態のバーナ効率改善用取付け部品3は、一端開口部側の開口端、つまり第1拡径部32の開口端面を構成する環状の面を規定する面Sが、
図2に示すように、軸直方向の平面に対し軸P方向に傾斜した面となっている。すなわち、軸直方向の平面に対し軸P方向に傾斜した面Sに位置するように、第1拡径部32の開口端面が形成されている。
これによって、第1拡径部32の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、縮径部31からの軸方向距離が短い非対称の形状となっている。
【0024】
第1拡径部32の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、縮径部31からの軸方向距離が短い形状となっていれば、これに限定されない。一端開口部の周方向の一部を切欠くなどによって実現してもよい。
ただし、第1拡径部32の開口端において、周方向の一部が、相対的に、縮径部31からの軸方向距離が短い構成であっても、当該開口端の周方向全周において、第1拡径部32側の開口端の半径が、給排気口12のピッチ円半径よりも大きくなるように設定される。例えば、第1拡径部32の開口端の周方向全周において、どの部分も半径が等しくなるように構成する。この場合、相対的に縮径部31からの軸方向距離が短い部分の第1拡径部32の位置のテーパ角が、相対的に大きく設定される。
【0025】
ここで、第1拡径部32の開口端と給排気面11との間の間隙は、例えば、50mm以上200mm以下が好ましい。当該隙間が50mm未満の場合、排ガスの吸い込みが十分に行えない恐れがある。一方、隙間が200mmより大きいと、燃焼用空気が広がり、取付け部品3の外側へ必要以上に漏れてしまう恐れがある。
また、第2拡径部33のテーパ角は、第1拡径部32のテーパ角よりも小さい。
第2拡径部33のテーパ角は、20度以下が好ましい。第2拡径部33のテーパ角が大きすぎると、燃焼用空気の流れが剥離して、許容以上に圧力損失が増大するおそれがある。
【0026】
以下、バーナ効率改善用取付け部品3を、単に取付け部品3とも記載する。
(ラジアントチューブ炉20)
本実施形態のラジアントチューブ炉20は、
図1に示すように、ラジアントチューブ21と、バーナ取付け装置4と、を備える。
バーナ取付け装置4は、ラジアントチューブ21の給気口21a側に、シングル型蓄熱燃焼バーナ1の燃料吐出部13の先端部側を挿入した状態で、シングル型蓄熱燃焼バーナ1を支持する躯体部分である。また、バーナ取付け装置4は、内部に、ラジアントチューブ21の排気口に接続し、燃料吐出部13の給排気面11側の外周空間に向けて延びる排ガス導入通路41が形成されている。
排ガス導入通路41は、ラジアントチューブ21から排気される排ガスを、第1拡径部32の開口端と給排気面11との間隙に向けて、拡径部の半径方向に沿った方向から案内する通路である。
図1に示す排ガス導入通路41は、下方から上方に向けて排ガスの気流を案内し、下方から排ガスを導入するように構成されている。
【0027】
(バーナ効率改善用取付け部品3の取付け)
本実施形態の筒状の取付け部品3は、
図1に示すように、燃料吐出部13の外周に同軸に配置されている。取付け部品3は、第1拡径部32側の一端開口部とバーナ1の給排気面11とが軸方向で所定の間隙を有するように配置し、他端開口部(第2拡径部33側)を、ラジアントチューブ21の給気口21aに連結することで行われる。連結は、ガスが漏れないようにして、給気口21aに設けたフランジ部と他端開口部に設けたフランジ部をボルト締結などで接続することによって行われる。
【0028】
また、本実施形態では、
図2に示すように、第1拡径部32の開口端の周方向で縮径部31からの軸方向距離が短い側を下方、つまり排ガス導入通路41を通じて送られてくる排ガスの気流と対向する側となるように、取付け部品3の円周方向の向きを調整して当該取付け部品3を配置しておく。面Sを傾けた場合、第1拡径部32の開口端と給排気面11との周方向に沿った間隙について、排ガス導入通路41側に近づくほど、相対的に間隙が大きくなるように設定する。
ここで、この間隙は、排気側の給排気口12への排ガス導入口50となる。
【0029】
(動作その他)
取付け部品3は、縮径部31と縮径部31に連通する第1拡径部32とを備える筒状の部品である。第1拡径部32は、縮径部31に連通して該取付け部品3の軸方向片端(給排気面11側)に向かって径が広がり、該取付け部品3の軸に対して鋭角の円錐台状の内面を有する。そして、第1拡径部32を、給排気面11と取付け部品3の軸方向に間隙を設けて対向させ、取付け部品3の内径面が、筒状の燃料吐出部13の外径面と該取付け部品3の半径方向に間隔を設けて、当該取付け部品3は、燃料吐出部13の外側に配置される。これにより、燃料吐出部13の外径面と取付け部品3の内径面との間が燃焼用空気吐出通路が形成される。
【0030】
そして、給排気面11の一部の給排気口12から給気された燃焼用空気は、第1拡径部32から取り入れられて縮径部31へと導かれる。
更に、
図1に示すように、取付け部品3を取り付けたシングル型蓄熱燃焼バーナ1をラジアントチューブバーナとして適用する場合は、ラジアントチューブ21の給気口21a側(入口側)には、シングル型蓄熱燃焼バーナ1の燃料吐出部13の先端部側が挿入された状態でバーナ1が取り付けられ、ラジアントチューブ21の排気側は、排ガス導入通路41に接続される。
【0031】
そして、取付け部品3で形成される燃焼用空気吐出通路を通じて、給気される燃焼用空気をラジアントチューブ21内に導入する。
このとき、給排気面11に形成された給排気口12からの給気流である燃焼用空気の流れが、第1拡径部32で絞られることで、燃焼用空気吐出通路において、燃焼用空気が周方向に行き渡る。
また、D2/2をD1/2以上とすることで、給気側の給排気口12から燃焼用空気は、より確実に第1拡径部32内に取り込まれるようになる。これによって、第1拡径部32の開口端近傍での渦の発生を抑制可能となる。
【0032】
続いて、本実施形態では、第1拡径部32よりも下流側位置において縮径部31で絞られることで、燃焼用空気吐出通路での燃焼用空気の流速を増加させると共に、流れを中央側に寄せて、燃焼用空気の逆流を抑制する。そして、本発明の態様によれば、縮径部31での絞りで、燃焼用空気の流速を増加させることで、ラジアントチューブ21からの逆流によるショートパスを防止する。
【0033】
また、第2拡径部33で、給気口21a側に向けて径を広げることで、圧力損失を低減して燃焼用空気の拡散を促し、燃焼用空気の周方向への均一化を高める
また、ラジアントチューブ21からの排ガスは、排ガス導入通路41を通じて燃料吐出部13の外周空間に向けて供給される。具体的には、排ガス導入通路41は、ラジアントチューブ21の外気側から排気された排ガスを、第1拡径部32と給排気面11の間の間隙からなる排ガス導入口50に導入する。
排ガス導入口50へ導入された排ガスは、排ガス導入口50から入り、給排気面11に設けられた排気側の給排気口12より排気される。
【0034】
本実施形態では、取付け部品3の第1拡径部32と給排気面11との間が分離していることから、第1拡径部32と給排気面11の間は、周方向全周に渡って間隙が形成され、その間隙の調整も容易である。したがって、第1拡径部32と給排気面11との間の間隔を広く設定することができる。このように、第1拡径部32と給排気面11との間隙からなる排ガス導入口50を広く且つ周方向全周に形成できるため、給排気面11に形成したバーナ1の給排気口12で排ガスを吸い込み易くなっている。すなわち、排ガスの排気が促進される。その結果、給気側の給排気口12から吐出された燃焼用空気が、排気側の給排気口12に対し相対的に吸い込まれにくくなり、排気側へのショートパス量が低減される。
【0035】
ここで、本発明者らの検討によれば、排ガスは、流速のある状態よりも淀んだ状態(流速が遅い状態)である方が、排気側の給排気口12から吸い込まれやすい。このため、第1拡径部32と給排気面11との間隙を周方向全周に渡って等しく設定した場合、排ガス導入通路41に近い側の給排気口12(
図1では下側)では、相対的に排ガスの流速が高く淀み難いため、排ガス導入通路41から遠い側の給排気口12(
図1では上側)よりも、排ガス量が減少する。つまり、排ガス導入通路41から遠く排ガスの流速が小さい給排気口12では、排ガス導入通路41に近い給排気口12よりも、排気量が多くなり、その結果、相対的に、下側の給排気口12にて排気時の燃焼用空気のショートパス量が増大する、という知見を得た。
【0036】
これに対し、本実施形態では、
図2のように、第1拡径部32の開口端を規定する面Sを、取付け部品3の軸直の平面に対し軸方向に傾けた形状とした。これよって、第1拡径部32の開口端とバーナ1の給排気面11との距離を、排ガス導入通路41に近いほど相対的に大きくなるように構成した。そのため、
図2に示すように、排ガス導入通路41に近い下側の給排気口12側の排ガス導入口50を広げることで排気を促し、周方向における各給排気口12の位置によるショートパス量の差を低減した。すなわち、本実施形態では、全体のショートパス量を低減することが可能となった。
【0037】
これによって、給排気面11に対し周方向で並ぶ各給排気口12の位置によるショートパス量の差を小さくし、全体のショートパス量を低減することが可能となった。
ここで、
図3及び
図4に、燃焼用空気の流れ70と、排ガスの流れ60、61を例示する模式図を示す。
図3は、排ガス導入通路41に近い下側の給排気口12Bが排気側の場合の図である。
図4は、排ガス導入通路41から遠い上側の給排気口12Aが排気側の場合の図である。
【0038】
図3の場合、排ガス導入通路41からの排ガス60の流速が高いために、排ガス導入口50から排ガスを引き込み難くなりがちである。これに対し、本実施形態では、相対的に、下側部分の排ガス導入口50を広くすることで、下側の給排気口12への排ガスの導入を促進して、上側の給排気口12からの燃焼用空気の吸い込みを抑制する。
なお、符号61の排ガスの流れは、上側の給排気口12からの燃焼用空気の流れに、エジェクタ効果で引き込まれて再循環する排ガスの流れを示す。
【0039】
図4の場合、送られてきた排ガスが取付け部の上側の空間で淀んで、排ガスの流速が遅くなっている。その遅くなった排ガスが、排ガスの流れ60のように上側の給排気口12Aから吸い込まれる。この場合、上側部分の排ガス導入口50が相対的に小さくなっているが、排ガスの給排気口12Aからの排気を下側の給排気口12Bからの排気と同程度となる。
【0040】
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)複数の給排気口が開口する給排気面と、上記給排気面の中心部から前方に突出する筒状の燃料吐出部とを備えるシングル型蓄熱燃焼バーナに対し、上記燃料吐出部の外周に配置されてバーナ効率を改善するための取付け部品であって、
上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けて、内径面を上記燃料吐出部の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が上記筒状の燃料吐出部の外径よりも大きな筒状の部品であり、
上記筒状の取付け部品は、
軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部と、
上記縮径部よりも上記一端開口部側の部分であって、上記一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている拡径部と、
を備える。
【0041】
(2)上記縮径部よりも上記一端開口部とは反対側の他端開口部の部分であって、上記他端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている第2拡径部を備える。
(3)上記シングル型蓄熱燃焼バーナが、ラジアントチューブ炉のラジアントチューブの給気口に、上記筒状の燃料吐出部の先端開口側が挿入された状態で設置される、そのシングル型蓄熱燃焼バーナに配置される上記取付け部品であって、
上記一端開口部とは反対側の他端開口部の開口が、上記給気口の開口の形状及び寸法と同じである。
【0042】
(4)上記給排気面の中心から上記給排気口の中心までの距離を、上記給排気口のピッチ円半径としたとき、
上記拡径部側の開口端の内径は、上記給排気口のピッチ円半径よりも大きい。
(5)上記一端開口部側の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、上記縮径部からの軸方向距離が短い。
(6)上記一端開口部側の開口端面の周方向に沿った環状の面を規定する面は、軸直方向の平面に対し軸方向に傾斜した面である。
【0043】
(7)本開示のバーナ効率改善用取付け部品の取付け構造であって、
上記取付け部品は、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けると共に、一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で、上記燃料吐出部の外周に配置させて取り付けられる。
本開示のバーナ効率改善用取付け部品としては、上記燃料吐出部の軸と同方向に軸を向けて、内径面を上記燃料吐出部の外径面と間隙を有して対向させ且つ一端開口部を上記給排気面と間隙を開けて対向させた状態で使用される、最小の内径が上記筒状の燃料吐出部の外径よりも大きな筒状の部品であり、上記筒状の取付け部品は、軸方向途中部分に内径が小径に絞られた縮径部と、上記縮径部よりも上記一端開口部側の部分であって、上記一端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている拡径部と、を備え、上記縮径部よりも上記一端開口部とは反対側の他端開口部の部分であって、上記他端開口部の開口端に向けて、当該開口端に近づくほど内径が大きくなっている第2拡径部を備える取付け部品が例示できる。
【0044】
(8)上記シングル型蓄熱燃焼バーナが、ラジアントチューブ炉のラジアントチューブの給気口に、上記筒状の燃料吐出部の先端開口側が挿入された状態で設置される設備に取り付けられ、
上記一端開口部とは反対側の他端開口部の開口を、上記給気口の開口の形状及び寸法と同じ構成として、当該他端開口部を上記給気口に連結する。
【0045】
(9)ラジアントチューブから排気される排ガスを、上記一端開口部と上記給排気面との間隙に向けて、上記拡径部の半径方向に沿った方向から案内する排ガス導入通路を備える設備に取り付けられ、
上記一端開口部側の開口端は、周方向に沿った一部分が、周方向に沿った他の部分よりも、上記縮径部からの軸方向距離が短い構造となっており、
上記一端開口部と上記給排気面との間隙における、周方向に沿った間隙の大きさについて、上記排ガス導入通路が配置された側の間隙を、その他の部分の間隙よりも大きくなるように、取付け部品を配置する。
【実施例0046】
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
上述のように、
図2において、符号D1は、給排気口12のピッチ円直径、符号D2は、取付け部品3の第1拡径部32の開口端での内径の直径、符号D3は、取付け部品3の縮径部31の内径の直径、符号D4は、ラジアントチューブ21の給気口21a側の内径の直径である。また、符号Aは、第1拡径部32の開口端とバーナ1の給排気面11との、円周方向の位置による距離の差の最大値を表している。その最大値の位置は、
図2のように、下側となるように設定する。
「実験例1」
実験例1では、D3=D4=170mmとして、取付け部品3に対し縮径部31を形成しないで、第1拡径部32だけを形成した場合の例である。
そして、第1拡径部32の開口端の内径D2を変更した際のショートパス率を求めた。その結果を表1に示す。
ここで、ショートパス率とは燃焼用空気の給気量に対する、ショートパスして排気された燃焼用空気量の比である。
【0047】
【0048】
表1から分かるように、D2/D1が小さくなると、ショートパス率が高くなることが分かる。
すなわち、D2/D1が小さくなると、燃焼用空気が取付け部品3の第1拡径部32の外部へ漏洩しやすくなる。その後、漏洩した燃焼用空気が、排ガスと共に、排気用の給排気口12から排気されるため、ショートパス率が高くなる。
そして、D2/D1は1.2以上であることが好ましい。
「実験例2」
次に、D2/D1を1.4と固定した状態で、縮径部31の内径D3を変更した際のショートパス率を求めた。その結果を表2に示す。
【0049】
【0050】
表2から分かるように、D3/D4が1以上となるとショートパス率が大きく増大することがわかる。
表2の結果から、縮径部31の内径をラジアントチューブ21内径以下に絞ることで、縮径部31を設ける場合に比べて、ショートパス率が低減することが分かった。
ここで、D3/D4を1未満とすると、テーパ状の第2拡径部33を有する取付け部品3形状となる。
「実験例3」
更に、
図2におけるオフセット量Aを変更した際のショートパス率を求めた。その結果を表3に示す。
この実験例では、D1=170mm、D2=240mm、D3=100mmに設定した場合の例である。
【0051】
【0052】
表3から分かるように、周方向において、排ガス導入通路41に近い側の大径部の開口端と給排気面11との距離を、相対的に大きくすることで燃焼用空気のショートパス率を低減できることが分かった。