(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172157
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】自動販売機システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20231129BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G07F9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083773
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 敦
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DC01
3E044DE01
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】補充日の前に1日以上の休業日がある場合であっても、補充日当日における補充商品の不足が発生しないようにすることができる自動販売機システムを提供すること。
【解決手段】管理サーバは、補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出して携帯端末に通知し、ルートマンが最先の休業日の前日に、算出した予測補充数の補充商品を配送車に積載しておき、補充日に、補充日の前日までの商品売上をもとに補充日の前日までの補充数を再集計し、再集計した再集計補充数が、予測補充数より多い場合、補充日に、差分の補充数を追加補充数としてルートマンの携帯端末に通知し、ルートマンに対して追加補充数の商品の配送車への積載を案内する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動販売機、所定の配送ルートに従って各自動販売機に商品補充を行う巡回作業員の携帯端末、及び、前記商品補充の巡回を管理する巡回管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数の算出を行う自動販売機システムであって、
前記管理サーバは、前記補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出して前記携帯端末に通知し、前記補充日に、前記補充日の前日までの商品売上をもとに前記補充日の前日までの補充数を再集計し、再集計した再集計補充数が、前記予測補充数より多い場合、前記補充日に、差分の補充数を追加補充数として前記携帯端末に通知することを特徴とする自動販売機システム。
【請求項2】
複数の自動販売機、所定の配送ルートに従って各自動販売機に商品補充を行う巡回作業員の携帯端末、及び、前記商品補充の巡回を管理する巡回管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数の算出を行う自動販売機システムであって、
前記管理サーバは、前記補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前日に、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、該予測の結果に余裕度を持たせて増分した余裕度追加予測補充数を算出し、集計した補充数と前記余裕度追加予測補充数とを加算した予測補充数を前記携帯端末に通知を行うことを特徴とする自動販売機システム。
【請求項3】
前記余裕度は、前記休業日の日数増加に応じて重み付けを大きくすることを特徴とする請求項2に記載の自動販売機システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、余裕度追加予測補充数の余裕度増分を、予測時の統計値における標準偏差をもとに算出することを特徴とする請求項2に記載の自動販売機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補充日の前に1日以上の休業日がある場合であっても、補充日当日における補充商品の不足が発生しないようにすることができる自動販売機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機の設置業者である飲料メーカーでは、ルートマンが各自動販売機を巡回して、売上金の回収や釣り銭の補充を行うとともに、商品の補充及び入れ替えを行っている。ここで、自動販売機をオンライン化し、自動販売機の販売数データをもとに自動販売機への商品補充量を把握するものが提案されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「DoCoリモ・ネットV2」http://www.nttdocomo.co.jp/biz/service/docoremonetv2/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動販売機に対する商品補充では、管理サーバが、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出して補充日の前日に巡回作業員であるルートマンに通知できるようにしている。そして、ルートマンは、補充日の前日に、通知された補充数の補充商品を配送車に予め積載するピッキング作業を行うようにしている。これは、補充日当日に、配送車の巡回による補充作業が速やかに開始できるようにするためである。
【0005】
しかしながら、補充日の前に1日以上の休業日がある場合、従来、補充日の前日に休業日を加えた予測計算を行い、最先の休業日の前日に予測計算された補充数の商品のピッキング作業を行っていた。このため、ピッキング作業を行ってから補充日までの期間が長くなり、予測計算の精度が悪くなり、巡回時に補充すべき商品が不足する場合が生じやすいという課題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、補充日の前に1日以上の休業日がある場合であっても、補充日当日における補充商品の不足が発生しないようにすることができる自動販売機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の自動販売機、所定の配送ルートに従って各自動販売機に商品補充を行う巡回作業員の携帯端末、及び、前記商品補充の巡回を管理する巡回管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数の算出を行う自動販売機システムであって、前記管理サーバは、前記補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出して前記携帯端末に通知し、前記補充日に、前記補充日の前日までの商品売上をもとに前記補充日の前日までの補充数を再集計し、再集計した再集計補充数が、前記予測補充数より多い場合、前記補充日に、差分の補充数を追加補充数として前記携帯端末に通知することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、複数の自動販売機、所定の配送ルートに従って各自動販売機に商品補充を行う巡回作業員の携帯端末、及び、前記商品補充の巡回を管理する巡回管理者の端末装置に接続された管理サーバを有し、前記管理サーバは、各自動販売機から取得した商品販売情報をもとに各自動販売機の商品売上を取得し、取得した商品売上をもとに各自動販売機に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数の算出を行う自動販売機システムであって、前記管理サーバは、前記補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前日に、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、該予測の結果に余裕度を持たせて増分した余裕度追加予測補充数を算出し、集計した補充数と前記余裕度追加予測補充数とを加算した予測補充数を前記携帯端末に通知を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記余裕度は、前記休業日の日数増加に応じて重み付けを大きくすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理サーバは、余裕度追加予測補充数の余裕度増分を、予測時の統計値における標準偏差をもとに算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、補充日の前に1日以上の休業日がある場合であっても、補充日当日における補充商品の不足が発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、補充日の前に1日以上の休業日がない場合とある場合とにおけるピッキング作業を示すタイムチャートである。
【
図3】
図3は、管理サーバによるピッキング作業管理処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、補充日の前に1日以上の休業日がある場合における変形例によるピッキング作業を示すタイムチャートである。
【
図5】
図5は、変形例による管理サーバによるピッキング作業管理処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0014】
<自動販売機システムの概要構成>
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機システムの概要構成を示す模式図である。この自動販売機システムは、複数の自動販売機1,2の各通信ユニット11,12、所定の配送ルートRに従って各自動販売機1,2に商品補充などの作業を行う巡回作業員であるルートマン100の携帯端末10、配送計画を管理する巡回管理者であるルートマネージャー200の端末装置50に接続される管理サーバ31を有する。ルートマン100の作業には、商品補充の他に、故障対応、売上金回収、釣銭補充などがある。なお、自動販売機1,2は、複数の自動販売機の一例を示している。
【0015】
管理サーバ31は、クラウド30上のサーバであり、商品補充予測部40及びデータベース部41を有する。データベース部41は、自販機DB42、自販機在庫DB43、配送計画44を有する。自販機DB42は、自動販売機1,2の静的な情報であり、自動販売機1,2の設置場所、商品構成情報などを記憶する。自販機在庫DB43は、各自動販売機の動的な在庫情報であり、例えば、自動販売機ごと、商品名、在庫数、補充可能数がほぼリアルタイムで随時更新される。在庫数は、自動販売機から送られる一件明細が示す商品売上をもとに更新し、補充数はルートマン100による商品補充の完了の際、携帯端末10あるいは通信ユニット11,12を介して通知されて更新される。配送計画44は、商品補充情報DTを有する。配送計画44は、配送ルート、配送日、配送車、商品積み込み数(ピッキング数)などが含まれる。この際、各自動販売機に対する商品の補充数、商品コラムなどの商品補充情報DTも含まれる。なお、管理サーバ31は、その他、売上データなども管理する。
【0016】
商品補充予測部40は、各自動販売機1,2から随時送られる一件明細をもとに商品売上を集計し、各自動販売機1,2に対する商品コラムごとに補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出する。ここで、予測する補充数とは、例えば、過去1か月間の各曜日の売上実績の平均値をもとにした補充数である。
【0017】
管理サーバ31は、算出した補充数を携帯端末10、あるいは端末装置50を介してルートマン100に通知する。ルートマン100は、通知された補充数の補充商品を補充日の前日に、配送車20に積載し、補充日当日に配送車20で各自動販売機1,2を巡回することによって各自動販売機1,2に対する商品補充を行う。
【0018】
具体的に、管理サーバ31は、この補充数を含む配送計画を食品管理庫101側に送る。なお、携帯端末10に配送計画を送ってもよいが、管理サーバ31は、食品管理庫101の図示しない端末に配送計画を送り、これに基づいて、各ルートマン100に対する配送計画が渡される。ルートマン100は、設置場所LOの食品管理庫101において配送計画をもとに、補充日前日に、配送車20に補充商品を積み込むピッキング作業を行う。
【0019】
ルートマン100は、補充日当日に、補充商品が詰め込まれた配送車20を配送ルートRに沿って巡回し、各自動販売機1,2に対する補充作業を行う。最初の自動販売機1の設置場所LP1の近くの駐車場PP1に配送車20が到着すると、ルートマン100は、配送車20から補充商品の荷卸しを行い、台車60などにより自動販売機1まで補充商品を搬送する。そして、余剰商品や商品入れ替えに伴う引き出し商品を配送車20まで運搬して積載する。
【0020】
その後、ルートマン100は、次の自動販売機2の設置場所LP2の近くの駐車場PP2に配送車20が到着すると、自動販売機1に対する補充作業と同様の作業を自動販売機2に対して行う。
【0021】
ここで、商品補充予測部40は、補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出する。ルートマン100は最先の休業日の前日に、算出した予測補充数の補充商品を配送車に積載しておく。商品補充予測部40は、補充日に、補充日の前日までの商品売上をもとに補充日の前日までの補充数を再集計し、再集計した再集計補充数が、予測補充数より多い場合、補充日に、差分の補充数を追加補充数として携帯端末10に通知する。そして、ルートマン100は、追加補充数の商品の配送車への積載を行う。
【0022】
図2は、補充日の前に1日以上の休業日がない場合とある場合とにおけるピッキング作業を示すタイムチャートである。
図2(a)に示すように、補充日の前に休業日がない場合、補充日の前日(予測日)の午前0時に、前回の補充日時から補充日の前々日までの商品売上をもとに補充数を集計するとともに、補充日前日の売上予測から補充日前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出する。そして、ルートマン100は、補充日前日に、算出された補充数の補充商品のピッキング作業を行う。そして、補充日にはピッキング作業を行わず、そのまま配送車20を移動して各自動販売機1,2に対する補充作業を行う。
【0023】
一方、
図2(b)に示すように、補充日の前に1日以上の休業日がある場合(
図2(b)では、3日間の休業日がある場合)、前回の補充日時(時点t0)から最先の休業日の前々日(時点t1:最先の休業日の前日の午前0時)までの期間T1の補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日(時点t1)から補充日の前日(時点t3:補充日の午前0時)までの期間T2の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出する。ルートマン100は最先の休業日の前日の時点t2に、算出した予測補充数の補充商品を配送車に積載しておく。管理サーバ31は、補充日の時点t3(午前0時)に、補充日の前日までの商品売上をもとに補充日の前日までの期間(T1+T2)の補充数を再集計し、再集計した再集計補充数が、予測補充数より多い場合、補充日に、差分の補充数を追加補充数として携帯端末10に通知する。そして、ルートマン100は、補充日の時点t4において追加補充数の商品の配送車への積載を行った後、配送車20を移動して各自動販売機1,2に対する補充作業を行う。
【0024】
本実施の形態では、ピッキング作業を行った後、休業日を含む休業期間が長い場合であっても補充数の予測ではなく、休業期間における商品売上をもとにした実際の補充数を集計しているので、補充日当日における各自動販売機1,2の場所での補充商品の不足が発生しないようにすることができる。
【0025】
<ピッキング作業管理>
図3は、管理サーバ31によるピッキング作業管理処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、管理サーバ31は、まず、補充日前に1日以上の休業日があるか否かを判定する(ステップS101)。
【0026】
補充日前に1日以上の休業日がある場合(ステップS101:Yes)、最先の休業日の前日(午前0時)に、前回補充日時から最先の休業日の前日までの商品売上をもとに補充数を集計し、さらに最先の休業日の前日(予測日)から補充日(午前0時)までの商品売上予測から補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した予測補充数を算出して携帯端末10に通知する(ステップS102)。これにより、最先の休業日の前日にルートマン100が予測補充数のピッキング作業を行う。
【0027】
その後、補充日(午前0時)に、補充日の前日までの商品売上をもとに補充日の前日までの補充数を再集計し、再集計した再集計補充数を算出する(ステップS103)。そして、再集計補充数が予測補充数より多いか否かを判定する(ステップS104)。再集計補充数が予測補充数より多い場合(ステップS104:Yes)、補充日に、差分の補充数を追加補充数として携帯端末10に通知し(ステップS105)、追加補充数をルートマン100に案内して、本処理を終了する。一方、再集計補充数が予測補充数より多くない場合(ステップS104:No)、そのまま本処理を終了する。
【0028】
一方、補充日前に1日以上の休業日がない場合(ステップS101:No)、補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出し、この補充数を携帯端末10に通知して(ステップS106)、本処理を終了する。
【0029】
<変形例>
図4は、補充日の前に1日以上の休業日がある場合における変形例によるピッキング作業を示すタイムチャートである。
図4に示すように、補充日の前に1日以上の休業日がある場合、最先の休業日の前日(予測日)の午前0時(時点t1)に、前回の補充日時(時点t0)から最先の休業日の前々日の時点t1までの期間T1の補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの期間T2の補充数を予測し、該予測結果に余裕度を持たせて増分した余裕度追加予測補充数を算出し、集計した補充数と余裕度追加予測補充数とを加算した予測補充数を携帯端末10に通知する。そして、補充日の時点t4で、ルートマン100は予測補充数の商品の配送車への積載を行った後、配送車20を移動して補充作業を行う。
【0030】
本変形例では、休業期間(期間T2)に対する通常予測に対して余裕度を持たせて補充数を増分した余裕度追加予測補充数を算出しているので、休業日を含む休業期間が長い場合であっても、補充日当日における各自動販売機1,2の場所での補充商品の不足が発生しないようにすることができる。
【0031】
<ピッキング作業管理>
図5は、変形例による管理サーバ31によるピッキング作業管理処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、管理サーバ31は、まず、補充日前に1日以上の休業日があるか否かを判定する(ステップS201)。
【0032】
補充日前に1日以上の休業日がある場合(ステップS201:Yes)、最先の休業日の前日に、最先の休業日の前々日までの補充数を集計するとともに、最先の休業日の前日から補充日の前日までの補充数を予測し、該予測結果に余裕度を持たせて増分した余裕度追加予測補充数を算出し、集計した補充数と余裕度追加予測補充数とを加算した予測補充数を携帯端末10に通知し(ステップS202)、本処理を終了する。この通知により、最先の休業日の前日にルートマン100が予測補充数のピッキング作業を行う。
【0033】
一方、補充日前に1日以上の休業日がない場合(ステップS201:No)、補充日の前々日までの補充数を集計するとともに、補充日の前日の補充数を予測し、集計した補充数と予測した補充数とを加算した補充数を算出し、この補充数を携帯端末10に通知して(ステップS203)、本処理を終了する。この通知により、最先の休業日の前日にルートマン100が通知された補充数のピッキング作業を行う。
【0034】
なお、余裕度は、例えば、休業日の日数増加に応じて重み付けを大きくするようにしてもよい。具体的には、休業日が2日の場合、余裕度(重み付け係数)を通常予測の1.1倍にし、休業日が3日以上の場合、余裕度を通常予測の1.15倍にする。これにより、売上予測がずれても、補充数の不足の発生を抑えることができる。
【0035】
また、余裕度追加予測補充数の余裕度増分を、予測時の統計値における標準偏差をもとに算出するようにしてもよい。すなわち、標準偏差(σ)分の補充数を余裕度増分としてもよい。例えば、標準偏差(σ)としたときの+2σ分の補充数を余裕度増分として算出する。なお、この余裕度増分は、例えば標準偏差(σ)の整数倍であればよい。また、この余裕度増分は、予測時の統計における分散度合いを示す値であればよい。
【0036】
なお、補充数を予測計算する際、同じ自動販売機における過去の売上予測と売上実績との差分を、携帯端末10(ルートマン100)あるいは端末装置50(ルートマネージャー200)に提示して、補充数を柔軟に調整できるようにしてもよい。例えば、過去1か月の土日の売上予測と売上実績との差分を提示するようにしてもよい。また、この際、補充数調整の判断材料として、売上に影響する天候、気温などの各種情報を合わせて提示するようにしてもよい。
【0037】
また、上述した実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1,2 自動販売機
10 携帯端末
11,12 通信ユニット
20 配送車
30 クラウド
31 管理サーバ
40 商品補充予測部
42 自販機DB
43 自販機在庫DB
44 配送計画
50 端末装置
60 台車
100 ルートマン
101 食品管理庫
200 ルートマネージャー
DT 商品補充情報
LO,LP1,LP2 設置場所
PP1,PP2 駐車場
R 配送ルート
T1、T2 期間
t1~t3 時点