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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172159
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】作業用テント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/20 20060101AFI20231129BHJP
   E04H 15/22 20060101ALI20231129BHJP
   E04H 15/14 20060101ALI20231129BHJP
   E04H 15/34 20060101ALI20231129BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
E04H15/20 C
E04H15/22
E04H15/14
E04H15/34 Z
F24F7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083776
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】595016428
【氏名又は名称】再処理機器株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】円谷 信一
(72)【発明者】
【氏名】小林 一太
(72)【発明者】
【氏名】上野 博之
(72)【発明者】
【氏名】岡山 雄飛
【テーマコード(参考)】
2E141
3L058
【Fターム(参考)】
2E141AA01
2E141BB07
2E141CC05
2E141DD02
2E141EE32
2E141GG11
2E141HH01
3L058BF09
(57)【要約】
【課題】簡素な構成を有し、二次廃棄物の発生を低減できる作業用テントを提供する。
【解決手段】作業用テントは、汚染された対象物を搬入して作業を行うための作業用テントであって、空気によって膨らむ気柱を有するフレームと、フレームの内側に着脱可能に取り付けられて、内側に作業空間を形成する内張り部材と、作業空間内の空気を外部に排出する排気部と、を備える。これにより、簡素な構成を実現できるとともに、二次廃棄物の発生を低減できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染された対象物を搬入して作業を行うための作業用テントであって、
空気によって膨らむ気柱を有するフレームと、
該フレームの内側に着脱可能に取り付けられて、内側に作業空間を形成する内張り部材と、
前記作業空間内の空気を外部に排出する排気部と、
を備える作業用テント。
【請求項2】
前記作業空間は、互いに独立した複数の区画に分けられ、前記内張り部材は、前記区画ごとに独立して設けられている請求項1に記載の作業用テント。
【請求項3】
前記複数の区画は、互いに連通可能に連結されている請求項2に記載の作業用テント。
【請求項4】
前記排気部は、前記複数の区画のうち、最も汚染度の低い前記区画には、外部から空気を取り入れる吸気口が形成され、最も汚染度の高い前記区画には、外部に空気を排出する排気口が形成され、前記排気部は、前記吸気口から取り入れた空気を前記排気口から外部に排出する請求項3に記載の作業用テント。
【請求項5】
前記排気部は、汚染物質を捕集するフィルタ部をさらに有する請求項1から4のいずれか一項に記載の作業用テント。
【請求項6】
前記気柱は、
床面から上方に延びる一対の柱部と、
該一対の柱部の上方の端部同士を接続する梁部と、
を有し、
前記フレームは、前記梁部の延びる方向に直交する水平方向に間隔をあけて複数配列されている請求項1に記載の作業用テント。
【請求項7】
前記内張り部材のうち、前記フレーム同士の間に位置する領域の天井面には開閉可能な開口部が形成されている請求項1に記載の作業用テント。
【請求項8】
前記フレームは、前記気柱に沿って延びるとともに、該気柱よりも高い剛性を有する補助フレームをさらに有する請求項1に記載の作業用テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業用テントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば原子力施設では、放射性物質で汚染された機器・設備の点検や補修作業を行う際に、機器に付着している放射性物質の飛散防止を図るため、テント状の簡易的な作業区画が作られる。これまでは、金属製パイプと、ポリエチレン製の養生シートを用いて、作業の都度、作業区画を形成することが一般的であった。しかしながら、組立と解体に手間がかかるため、より簡便な方法によって作業区画を形成できる技術に対する要請がある。
【0003】
そこで、例えば下記特許文献1に記載されたエアーテントを作業区画として用いる方法が考えられる。このエアーテントは、内部が複数の区画(部屋)に分けられているとともに、各区画が負圧とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-11502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に係るエアーテントは全体が一体に形成されている。このため、汚染が生じていない部分も含めて、作業後には全てを廃棄しなければならない。つまり、二次廃棄物が大量に発生してしまう。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、簡素な構成を有し、二次廃棄物の発生を低減できる作業用テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る作業用テントは、汚染された対象物を搬入して作業を行うための作業用テントであって、空気によって膨らむ気柱を有するフレームと、該フレームの内側に着脱可能に取り付けられて、内側に作業空間を形成する内張り部材と、前記作業空間内の空気を外部に排出する排気部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡素な構成を有し、二次廃棄物の発生を低減できる作業用テントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る作業用テントの構成を示す正面図である。
図2】本開示の実施形態に係る作業用テントの構成を示す平面図である。
図3】本開示の実施形態に係る作業用テントの作業空間の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る作業用テント1について、図1から図3を参照して説明する。作業用テント1は、例えば原子力発電プラントで汚染された機器を解体・補修する際に、汚染物質の飛散を防ぐために屋内に設営される。また、原子力発電プラントに限られず、化学汚染された機器や生物汚染された機器を取り扱うためにこの作業用テント1が用いられてもよい。
【0011】
(作業用テントの構成)
図1又は図2に示すように、作業用テント1は、複数のフレーム10と、複数の内張り部材20と、給気部30と、排気部40と、を備えている。
【0012】
フレーム10は、気柱11と、補助フレーム12と、を有する。気柱11は、空気が注入されることによって膨らむ袋状をなしている。気柱11は、床面から上方に向かって延びる一対の柱部13と、これら柱部13の上方の端部同士を接続する梁部14と、を有する。柱部13と梁部14とは一体に形成されている。つまり、任意の一か所から空気を注入することによって、柱部13と梁部14とに空気が充満し、フレーム10として床面上に立設される。
【0013】
補助フレーム12は、気柱11内の圧力が不足した場合等に、フレーム10としての剛性を補完するために設けられている。補助フレーム12は、柱部13に沿って延びる一対の第一部材15と、梁部14に沿って延びる第二部材16と、を有する。これら第一部材15、及び第二部材16は、例えばアルミニウム等の軽金属で形成されたパイプ状をなしている。補助フレーム12は、気柱11に空気が充填された後に、当該気柱11に外側から取り付けられることが望ましい。なお、補助フレーム12を省略した構成を採ることも可能である。つまり、上述の気柱11のみによってもフレーム10は自立することが可能である。また、補助フレーム12を備える場合であっても、上記の第二部材16を省略し、第一部材15のみを備える構成を採ることが可能である。
【0014】
フレーム10は、梁部14の延びる方向に直交する水平方向に間隔をあけて複数(一例として3つ)設けられている。
【0015】
内張り部材20は、フレーム10の内側に作業空間50を形成するために設けられている。内張り部材20は、フレーム10に対して着脱可能に取り付けられている。内張り部材20は、例えばファスナーや面ファスナーによってフレーム10に取り付けられている。内張り部材20は、床面に接する底面と、底面に対向する天井面と、これら底面及び天井面を上下方向に接続する側面を有する。つまり、内張り部材20は、内部に閉空間を形成している。
【0016】
図3に示すように、作業空間50は、複数(一例として3つ)の区画に分けられている。内張り部材20は、これら区画ごとに独立して設けられている。つまり、区画ごとに内張り部材20を着脱・交換することが可能である。
【0017】
汚染された対象物を作業空間50に搬入して作業を行う場合、サーベイ区画51、脱衣区画52、及び作業区画53の3つの区画が必要となる。図3の例では、図示右上にサーベイ区画51が位置し、当該サーベイ区画51に対して作業用テント1の幅方向に隣接するようにして脱衣区画52が設けられている。サーベイ区画51には外部と連通する出入口60が形成されている。サーベイ区画51と脱衣区画52とは第一扉61によって連通している。
【0018】
さらに、サーベイ区画51と脱衣区画52との間には、両者を連通する第一通気孔81が設けられている。同様に、脱衣区画52と作業区画53との間には、両者を連通する第二通気孔82が設けられている。これら第一通気孔81と第二通気孔82は、作業員や物品の移動ではなく、空気の流れを形成して各区画間の圧力を調整するために形成されている。後述する排気部40によって作業空間50内の空気を吸引すると、第一通気孔81、及び第二通気孔82を通じて空気の流れが生じ、結果としてサーベイ区画51、脱衣区画52、作業区画53の順で圧力が小さくなる。つまり、圧力勾配が形成される。なお、これら第一通気孔81、及び第二通気孔82は、気柱11の圧力や、作業空間50の容積、壁面の面積等に応じて、適宜その大きさが調節されている。また、これら第一通気孔81、及び第二通気孔82の開口面積を調節できるように、フラップ状の部材を併設することも可能である。
【0019】
作業区画53は、サーベイ区画51、及び脱衣区画52に対して作業用テント1の奥行方向から隣接している。作業区画53は、サーベイ区画51、及び脱衣区画52に比べて容積が大きい。作業区画53は、脱衣区画52と第二扉62によって連通している。出入口60、第一扉61、及び第二扉62は、いずれもファスナーによって開閉可能である。また、上述のように区画ごとに内張り部材20が独立していることから、第一扉61、及び第二扉62は二重扉となっている。さらに、サーベイ区画51には、外部から空気を取り込むための吸気口63が形成されている。作業区画53には、内部の空気を外部に排出するための排気口64が形成されている。
【0020】
サーベイ区画51では、作業者の被ばく状況の確認作業等が行われる。脱衣区画52では、作業者が防護服や防護マスクを着用する。作業区画53では、作業の対象物が搬入されて各種の作業が行われる。つまり、作業区画53、脱衣区画52、サーベイ区画51の順で汚染度が高い。
【0021】
さらに、図2に示すように、内張り部材20のうち、作業区画53に対応する内張り部材20の天井には、開閉可能な開口部65が形成されている。この開口部65は例えばファスナーによって開閉可能とされている。開口部65を通じて、天井面から大型の作業機器が搬出入される。
【0022】
また、この開口部65の周囲における内張り部材20の外面には、作業区画53内を照らすための照明装置70が設けられている。照明装置70は、例えばLEDである。内張り部材20は、一定程度の透光性を有することから、外側からLEDによる光を照射しても、十分に照明効果が得られる。
【0023】
給気部30は、気柱11に空気を供給するための装置である(図2参照)。給気部30は一例として送風ファンである。また、給気部30として小型の圧縮機を用いてもよい。給気部30は、複数(3つ)の気柱11のそれぞれに対して空気を供給する。つまり、給気部30は1つ以上設けられていればよい。給気部30は、気柱11の内圧に応じて連続的、又は断続的に気柱11に空気を供給する。つまり、この場合、気柱11の内圧を計測する圧力センサーが1つ以上の気柱11に設けられていてもよい。
【0024】
排気部40は、作業空間50内の空気を外部に排出するための装置である。排気部40は一例として送風ファンである。図3に示すように、排気部40は、作業空間50内で発生した汚染物質を捕集するためのフィルタ部41を有している。フィルタ部41としては、HEPAフィルタ等が好適に用いられる。排気部40を駆動することによって、サーベイ区画51の吸気口63から、脱衣区画52、作業区画53の排気口64に向かって、この順で空気の流れが形成される(図3中の矢印)。フィルタ部41によって捕集された汚染物質は、フィルタ部41ごと二次廃棄物として回収・処理される。
【0025】
なお、排気部40によって排気された作業空間50の圧力(陰圧)と、給気部30によって気柱11に供給される空気の圧力とは、気柱11が立設されている限りにおいて、適宜そのバランスが調節されることが望ましい。
【0026】
(作用効果)
次いで、作業用テント1の設営手順の一例について説明する。作業用テント1を設営するに当たってはまず、気柱11に空気を注入する前に、フレーム10の内側に内張り部材20を取り付ける。その後、給気部30によって各気柱11に空気を供給する。これにより、気柱11が床面上で立設してフレーム10が形成される。これにより、フレーム10の内側の内張り部材20が展開し、作業空間50が形成される。その後、フレーム10に補助フレーム12を取り付ける。その後、排気口64に排気部40を接続し、排気を開始する。これにより、作業用テント1の設営作業が完了する。
【0027】
ここで、従来のテントでは、作業空間50が複数の区画に分けられていても、テント全体が一体に形成されていることが一般的であった。このため、汚染が生じた場合には、汚染が生じていない清浄な部分も含めて、作業後には全てを廃棄しなければならない。つまり、二次廃棄物が大量に発生してしまうという課題があった。そこで、本実施形態に係る作業用テント1は上述の各構成を採っている。
【0028】
上記構成によれば、気柱11を膨らませてフレーム10を設営し、当該フレーム10に内張り部材20を取り付けることのみによって作業空間50を短時間のうちに簡便に形成することができる。さらに、内張り部材20がフレーム10に対してファスナー等によって着脱可能に取り付けられていることから、当該内張り部材20が汚染された際には、内張り部材20のみを廃棄すればよく、気柱11を含むフレーム10は次の作業に再利用することができる。これにより、一回の作業ごとに発生する二次廃棄物の量を大幅に低減することが可能となる。
【0029】
また、フレーム10が気柱11を有することから、他の剛性の高い素材に比べて、当該フレーム10は弾力性を有する。したがって、作業用テント1に対して外力が加わった場合であっても、気柱11が優先的に弾性変形することによって当該外力を吸収する。これにより、フレーム10に変形が生じても、内張り部材20に破損を生じることなく、使用を継続することができる。
【0030】
さらに、上記構成によれば、作業空間50が複数の区画に分けられていることから、作業の目的や汚染の度合いに合わせて、これら複数の区画を使い分けることができる。本実施形態では、上述したようにサーベイ区画51、脱衣区画52、及び作業区画53の3つに作業空間50が区画されている。これにより、区画ごとに汚染レベルを精緻に管理することが可能となる。また、区画ごとに内張り部材20が独立していることから、汚染された区画の内張り部材20のみを廃棄し、残余の汚染されていない区画の内張り部材20は再利用することができる。これにより、二次廃棄物をさらに低減することが可能となる。
【0031】
また、上記構成によれば、複数の区画が互いに連通している。具体的には、サーベイ区画51と脱衣区画52は第一扉61によって連通し、脱衣区画52と作業区画53は第二扉62によって連通している。これにより、これら区画同士の間を作業者が行き来することができる。
【0032】
加えて、上記構成によれば、最も汚染度の低い区画であるサーベイ区画51から最も高い区画である作業区画53に向かって空気の流れが形成される。つまり、作業区画53からサーベイ区画51に向かう空気の流れは形成されない。作業区画53内の空気は排気部40によって排気され、汚染物質はフィルタ部41によって捕集される。したがって、外部に汚染物質が漏洩してしまう可能性を低減することができる。このため、作業の安全性をさらに向上させることが可能となる。
【0033】
さらに、上記構成によれば、汚染物質をフィルタ部41が捕集することで、外部に汚染物質が飛散してしまう可能性を低減することができる。また、フィルタ部41のみを適宜交換することで、長期間にわたって排気部40を使用し続けることができる。これにより、作業に要する資材コストを削減することが可能となる。
【0034】
また、上記構成によれば、フレーム10が水平方向に間隔をあけて配列されているため、内張り部材20がフレーム10同士の間では外部に露出した状態となる。これにより、例えばフレーム10同士の間の内張り部材20に窓や開口部65を形成することが可能となる。特に、上記構成によれば、天井面の開口部65から、大型の作業機器をクレーンで直接、搬出入することができる。
【0035】
さらに、上記構成によれば、フレーム10が補助フレーム12を有することによって、気柱11の圧力が不足している場合でも、これを補完してフレーム10の剛性を確保することができる。つまり、気柱11が一部損傷して空気が漏れ出たとしても、補助フレーム12の剛性によって作業用テント1の形状を維持することが可能となる。これにより、作業中に作業用テント1が倒壊してしまう可能性を低減し、安定的に作業を継続することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上述した作業空間50の各区画は一例であって、区画の個数や容積は、上述のものに限定されない。また、上記実施形態では、屋内で作業用テント1を用いる例について説明した。しかしながら、屋外で作業用テント1を使用することも可能である。この場合、風雨を避けるため、作業用テント1を覆うように天蓋をさらに設けることが望ましい。
【0037】
<付記>
各実施形態に記載の作業用テント1は、例えば以下のように把握される。
【0038】
(1)第1の態様に係る作業用テント1は、汚染された対象物を搬入して作業を行うための作業用テント1であって、空気によって膨らむ気柱11を有するフレーム10と、該フレーム10の内側に着脱可能に取り付けられて、内側に作業空間50を形成する内張り部材20と、前記作業空間50内の空気を外部に排出する排気部40と、を備える。
【0039】
上記構成によれば、気柱11を膨らませてフレーム10を設営し、当該フレーム10に内張り部材20を取り付けることのみによって作業空間50を簡便に形成することができる。さらに、内張り部材20がフレーム10に対して着脱可能に取り付けられていることから、当該内張り部材20が汚染された際には、内張り部材20のみを廃棄すればよく、気柱11は再利用することができる。これにより、二次廃棄物を低減することが可能となる。
【0040】
(2)第2の態様に係る作業用テント1は、(1)の作業用テント1であって、前記作業空間50は、互いに独立した複数の区画に分けられ、前記内張り部材20は、前記区画ごとに独立して設けられている。
【0041】
上記構成によれば、作業空間50が複数の区画に分けられていることから、作業の目的や汚染の度合いに合わせて、これら複数の区画を使い分けることができる。また、区画ごとに内張り部材20が独立していることから、汚染された区画の内張り部材20のみを廃棄し、残余の汚染されていない区画の内張り部材20は再利用することができる。これにより、二次廃棄物をさらに低減することが可能となる。
【0042】
(3)第3の態様に係る作業用テント1は、(2)の作業用テント1であって、前記複数の区画は、互いに連通可能に連結されている。
【0043】
上記構成によれば、複数の区画が互いに連通していることから、これら区画同士の間を作業者が行き来することができる。
【0044】
(4)第4の態様に係る作業用テント1は、(3)の作業用テント1であって、前記排気部40は、前記複数の区画のうち、最も汚染度の低い前記区画には、外部から空気を取り入れる吸気口63が形成され、最も汚染度の高い前記区画には、外部に空気を排出する排気口64が形成され、前記排気部40は、前記吸気口63から取り入れた空気を前記排気口64から外部に排出する。
【0045】
上記構成によれば、最も汚染度の低い区画から最も高い区画に向かって空気の流れが形成される。これにより、外部に汚染物質が漏洩してしまう可能性を低減することができる。
【0046】
(5)第5の態様に係る作業用テント1は、(1)から(4)のいずれか一態様に係る作業用テント1であって、前記排気部40は、汚染物質を捕集するフィルタ部41をさらに有する。
【0047】
上記構成によれば、汚染物質をフィルタ部41が捕集することで、外部に汚染物質が飛散してしまう可能性を低減することができる。
【0048】
(6)第6の態様に係る作業用テント1は、(1)から(5)のいずれか一態様に係る作業用テント1であって、前記気柱11は、床面から上方に延びる一対の柱部13と、該一対の柱部13の上方の端部同士を接続する梁部14と、を有し、前記フレーム10は、前記梁部14の延びる方向に直交する水平方向に間隔をあけて複数配列されている。
【0049】
上記構成によれば、フレーム10が水平方向に間隔をあけて配列されているため、内張り部材20がフレーム10同士の間では外部に露出した状態となる。これにより、例えばフレーム10同士の間の内張り部材20に窓や開口部65を形成することが可能となる。
【0050】
(7)第7の態様に係る作業用テント1は、(1)から(6)のいずれか一態様に係る作業用テント1であって、前記内張り部材20のうち、前記フレーム10同士の間に位置する領域の天井面には開閉可能な開口部65が形成されている。
【0051】
上記構成によれば、天井面の開口部65から、大型の作業機器を搬出入することができる。
【0052】
(8)第8の態様に係る作業用テント1は、(1)から(7)のいずれか一態様に係る作業用テント1であって、前記フレーム10は、前記気柱11に沿って延びるとともに、該気柱11よりも高い剛性を有する補助フレーム12をさらに有する。
【0053】
上記構成によれば、フレーム10が補助フレーム12を有することによって、気柱11の圧力が不足している場合でも、これを補完してフレーム10の剛性を確保することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…作業用テント
10…フレーム
11…気柱
12…補助フレーム
13…柱部
14…梁部
15…第一部材
16…第二部材
20…内張り部材
30…給気部
40…排気部
41…フィルタ部
50…作業空間
51…サーベイ区画
52…脱衣区画
53…作業区画
60…出入口
61…第一扉
62…第二扉
63…吸気口
64…排気口
65…開口部
70…照明装置
81…第一通気孔
82…第二通気孔
図1
図2
図3