(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172189
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】表示制御システム及び表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/53 20190101AFI20231129BHJP
【FI】
G06F16/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083823
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大和久 剛志
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175FB03
5B175GB03
(57)【要約】
【課題】会議に関連する画像を適切に検索して表示することができる表示制御システムを提供する。
【解決手段】表示制御システム1は、会議に用いられる画像を表示する表示部11と、会議における発話音声を入力するための音声入力部12と、発話音声を認識してテキストデータに変換する音声認識部21と、テキストデータから複数のワードを、画像又は会議に対応するキーワード群として抽出する抽出部22と、画像又は会議にキーワード群を関係付けて記憶する記憶部23と、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードと、キーワード群とが所定値以上一致する画像又は会議を検索する検索部24とを備え、検索された画像、又は、検索された会議に用いられた画像を、現在の会議で表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議に用いられる画像を表示する表示部と、
前記会議における発話音声を入力するための音声入力部と、
前記発話音声を認識してテキストデータに変換する音声認識部と、
前記テキストデータから複数のワードを、前記画像又は前記会議に対応するキーワード群として抽出する抽出部と、
前記画像又は前記会議に前記キーワード群を関係付けて記憶する記憶部と、
現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードと、前記キーワード群とが所定値以上一致する画像又は会議を検索する検索部と
を備え、
検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像を、現在の会議で表示させる、表示制御システム。
【請求項2】
前記抽出部は、前記発話音声において出現頻度が高いワード、又は、重要度が高いと推定されるワードを優先して前記キーワード群として抽出する請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記重要度は、特定のワードが前記キーワード群として抽出された個数又は割合に応じて、若しくは、特定のワードごとに予め重要度が定義されている重要度データベースに基づいて決定される請求項2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記会議における出席者の情報を取得するための出席者情報取得部と、
前記出席者の情報を対比する出席者対比部と
をさらに備え、
前記記憶部は、取得された出席者の情報を前記画像又は前記会議に関係付けて記憶し、
前記出席者対比部は、検索された画像又は会議に関係付けられている出席者と、前記現在の会議における出席者とを対比し、
対比された出席者が所定値以上一致する場合に、検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像を、現在の会議で表示させる請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項5】
検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像に対して表示を禁止する禁止ワードが含まれているかを確認する用語確認部をさらに備え、
前記用語確認部において前記禁止ワードが含まれていないと判断された画像を、現在の会議で表示させる請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項6】
検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像に対して表示を禁止する禁止ワードが含まれているかを確認する用語確認部をさらに備え、
前記用語確認部において前記禁止ワードが含まれていないと判断された画像を、現在の会議で表示させる請求項4に記載の表示制御システム。
【請求項7】
会議に用いられる画像を表示する表示部と、
前記会議における発話音声を入力するための音声入力部と、
を備え、
前記発話音声から抽出されたキーワード群を関係付けて記憶されている前記画像又は前記会議の中から、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードが前記キーワード群と所定値以上一致するとして検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像を、現在の会議で表示させる、表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議に関連する画像の表示を制御する表示制御システム及び表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議を円滑に行うためには、会議で議論中の議題に関連する資料を素早く確認できることが重要となる。このために、会議における会話から議題に関連する資料を抽出して表示できることが望まれる。
【0003】
例えば、特許文献1には、使用者が音声映像情報の交換中に会話に関連する情報を表示する情報通信システムが提案されている。特許文献1の情報通信システムでは、音声情報を認識し、認識した音声情報から複数の単語を特定し、キーワードを抽出するための条件が設定されたキーワード抽出条件設定データに基づき、複数の単語から複数のキーワードを抽出し、複数のキーワードに関連する関連情報を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の情報通信システムでは、音声認識により認識された単語から選択されたキーワードをもとに関連情報を検索している。そのため、会話に関連する情報であっても、当該関連情報に会話で出てくるキーワードが付与されていないと、当該関連情報を見つけられないという問題がある。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、会議に関連する画像を適切に検索して表示することができる表示制御システム及び表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、表示制御システムは、会議に用いられる画像を表示する表示部と、記会議における発話音声を入力するための音声入力部と、発話音声を認識してテキストデータに変換する音声認識部と、テキストデータから複数のワードを、画像又は会議に対応するキーワード群として抽出する抽出部と、画像又は会議にキーワード群を関係付けて記憶する記憶部と、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードと、キーワード群とが所定値以上一致する画像又は会議を検索する検索部とを備え、検索された画像、又は、検索された会議に用いられた画像を、現在の会議で表示させる。
【0008】
また、本開示によれば、表示制御装置は、会議に用いられる画像を表示する表示部と、会議における発話音声を入力するための音声入力部とを備え、発話音声から抽出されたキーワード群を関係付けて記憶されている画像又は会議の中から、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードがキーワード群と所定値以上一致するとして検索された画像、又は、検索された会議に用いられた画像を、現在の会議で表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、会議に関連する画像を適切に検索して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る表示制御システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る表示制御システムの機能ブロック図である。
【
図3】本開示の表示制御システムで利用される画像管理データベースの一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態1に係る表示制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態1に係る表示制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1の表示制御システムで関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【
図7】本開示の実施形態2に係る表示制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の実施形態2に係る表示制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2の表示制御システムで関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【
図10】本開示の実施形態3に係る表示制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態3の表示制御システムで関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
本開示の表示制御システム及び表示制御装置は、会議に関連する画像にキーワード群を関係付けて記憶しておき、その記憶された画像のデータから会議に関連する画像を検索して表示するために使用する。
【0013】
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る表示制御システム1及び表示制御装置30について説明する。
図1は、本実施形態に係る表示制御システム1の構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る表示制御システム1の機能ブロック図である。
図3は、本開示の表示制御システムで利用される画像管理データベースの一例を示す図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、表示制御システム1は、端末装置10とサーバ装置20とで構成される。端末装置10とサーバ装置20とは、ネットワーク2を介して互いに接続され、ネットワーク2を介して互いに情報及びデータを送受信することが可能である。サーバ装置20に接続される少なくとも1つの端末装置10が表示制御装置30を構成する。
【0015】
なお、表示制御システム1は、1台のコンピュータにより構成されてもよい。この場合、コンピュータが端末装置10及びサーバ装置20の両機能を備え、表示制御装置30を構成する。
【0016】
図1に示すように、表示制御システム1は、表示部11と、音声入力部12と、音声認識部21と、抽出部22と、記憶部23と、検索部24とを備える。また、表示制御システム1は、出席者情報入力部13と、出席者情報取得部25と、出席者対比部26と、用語確認部27とを備えてもよい。表示部11、音声入力部12及び出席者情報入力部13は、端末装置10に備えられる。音声認識部21、抽出部22、記憶部23、検索部24、出席者情報取得部25、出席者対比部26及び用語確認部27は、サーバ装置20に備えられる。また、端末装置10及びサーバ装置20は、それぞれ制御部14,28を備える。
【0017】
表示部11は、会議に用いられる画像を表示するための装置である。また、表示部11は、検索部24で検索された結果を表示する。表示部11は、液晶ディスプレイなどの端末装置10が有する表示装置によって構成される。また、表示部11は、端末装置10からプロジェクターなどを介して投影される画像を映し出すスクリーンとして構成されてもよい。
【0018】
ここで、会議に用いられる画像は、会議の資料として使用される文書データ、画像データなどのあらゆる電子データを意味する。電子データは、端末装置10又はサーバ装置20が有するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置に保存されている。会議に用いられる画像は、会議の出席者が端末装置10を操作することによって補助記憶装置から読み出されて表示部11に表示される。
【0019】
音声入力部12は、会議における発話音声を入力するための装置である。音声入力部12は、マイクロフォンなどの端末装置が有する音声入力装置によって構成される。
【0020】
出席者情報入力部13は、会議に出席している出席者の情報を入力するための装置である。出席者情報入力部13は、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力装置などの端末装置10が有する入力装置によって構成される。
【0021】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備える。制御部14は、制御プログラムを実行することによって、表示部11、音声入力部12及び出席者情報入力部13の動作を制御する。
【0022】
また、制御部14は、発話音声から抽出されたキーワード群を関係付けて記憶されている画像又は会議の中から、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードがキーワード群と所定値以上一致するとして検索された画像、又は、検索された会議に用いられた前記画像を、現在の会議で表示する。
【0023】
音声認識部21は、発話音声を認識してテキストデータに変換する。すなわち、音声認識部21は、音声入力部12から取得した発話音声の情報に対して音声認識を実施し、音声認識結果として得たテキストデータを出力する。
【0024】
抽出部22は、テキストデータから複数のワードを、画像又は会議に対応するキーワード群として抽出する。具体的には、抽出部22は、発話音声を発話した文章のままテキスト化されたテキストデータから名詞などのワードをキーワード群として抽出する。このとき、一定回数(例えば3回)以上出現するワードをキーワード群として抽出する。
【0025】
会議に対応するキーワード群には、会議の間の全ての発話音声から抽出されたワードが含まれる。画像に対応するキーワード群には、画像が表示部11で表示されている間の全ての発話音声から抽出されたワードが含まれる。発話音声の情報には、端末装置10の制御部14によって、当該発話音声を取得したときに表示部11に表示されていた画像の情報が付加されている。音声認識部21において発話音声を変換したテキストデータにも画像の情報が付加されている。抽出部22は、その画像の情報を取得して、画像に対応するワードを抽出する。
【0026】
同一の画像又は会議に対応するワードが多い場合、抽出部22は、発話音声において出現頻度が高いワード、又は、重要度が高いと推定されるワードを優先してキーワード群として抽出する。各画像又は各会議に対応するキーワード群は、例えば10個程度が好ましい。
【0027】
ここで、重要度は、特定のワードがキーワード群として抽出された個数又は割合に応じて、若しくは、特定のワードごとに予め重要度が定義されている重要度データベース41に基づいて決定される。後述するように、抽出部22で抽出されたキーワード群は、対応する画像又は会議に関係付けて保存される。特定のワードがキーワード群として抽出された個数又は割合に応じて重要度が決定される場合では、画像又は会議に関係付けて保存されているキーワード群の中にあまり含まれない珍しいワードを、当該ワードが対応する画像又は会議に特有のワードであり、重要度が高いワードであると判断する。また、重要度データベース41に基づいて重要度が決定される場合、重要度データベース41には、表示制御システム1を使用するユーザによって予め特定のワードと、そのワードの重要度(重要度:高、重要度:中、重要度:低など)とが関係付けて記憶されている。抽出部22は、抽出されたワードを重要度データベース41と対比して重要度が高い・低い等を判断する。
【0028】
検索部24は、現在の会議における発話音声から抽出された複数のキーワードと、キーワード群とが所定値以上一致する画像又は会議を検索する。現在の会議における発話音声に含まれるキーワードは、音声入力部12において入力され、音声認識部21でテキストデータに変換され、抽出部22で抽出される。検索部24は、現在の会議において抽出されたキーワードを、画像又は会議に関係付けて保存されているキーワード群と対比して所定値以上一致した場合に、当該キーワード群に関係付けられている画像又は会議を検索結果として出力する。
【0029】
所定値は、キーワードとキーワード群とで一致するワードの割合である。キーワード群に含まれるワードが時間をあけて出現すると、キーワード群に関係付けられている画像又は会議との関連性が低くなることから、キーワードとキーワード群とは、キーワード群に含まれる1個目のキーワードが出現してから所定時間以内、所定文字数以内又は所定文数以内に所定値以上一致することが好ましい。時間の情報は、端末装置10が有する時計機能を利用して計測され、端末装置10の制御部14によって発話音声の情報に付加される。
【0030】
出席者情報取得部25は、会議における出席者の情報を取得する。例えばリモート会議では、出席者情報取得部25は、リモート会議を運営する会議システムから、リモート会議にログインしたユーザ情報を取得することで、会議の出席者の情報を取得する。会議システムは、端末装置10又はサーバ装置20に搭載されている。また、会議室に複数人集まって行う会議では、出席者情報取得部25は、出席者情報入力部13によって入力された情報を取得することで、会議の出席者の情報を取得する。リモート会議においても、1台の端末装置10で複数人が会議に参加する場合は、出席者情報入力部13で会議の出席者を入力してもよい。出席者の情報は、会議ごと、又は、会議で用いられる画像ごとに取得される。
【0031】
出席者対比部26は、出席者の情報を対比する。出席者情報取得部25で取得された出席者の情報は、会議又は会議で用いられる画像に関係付けてられて保存される。出席者対比部26は、検索された画像又は会議に関係付けられている出席者と、現在の会議における出席者とを対比し、対比した出席者が所定値以上一致するかを判断する。現在の会議における出席者は、出席者情報取得部25で取得される。所定値は、検索された画像又は会議に関係付けられている出席者と、現在の会議における出席者とで一致する出席者の割合である。
【0032】
用語確認部27は、検索部24で検索された画像、又は、検索された会議に用いられた画像に対して表示を禁止する禁止ワードが含まれているかを確認する。禁止ワードは、例えば社外秘、confidentialなどである。禁止ワードは、禁止ワードデータベース42に記憶されている。用語確認部27は、画像解析などによって、画像上に禁止ワードの有無を確認する。
【0033】
記憶部23は、プロセッサが実行する制御プログラム及びデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。記憶部23には、重要度データベース41及び禁止ワードデータベース42が保存されている。また、記憶部23は、画像管理データベース43を保有する。記憶部23は、画像又は会議にキーワード群を関係付けて、画像管理データベース43に記憶する。また、記憶部23は、取得された出席者の情報を画像又は会議に関係付けて画像管理データベース43に記憶する。
【0034】
具体的には、
図3に示すように、記憶部23は、画像管理データベース43に、画像ごとに、キーワード群及び出席者の情報を関係付けて記憶する。また、
図3の破線で示すように、会議ごとに、キーワード群及び出席者の情報を関係付けて記憶する。会議ごとに記憶する際は、会議に用いられる画像も会議と関係付けて記憶される。このとき、画像又は会議については、画像又は会議の名前及びサムネイル画像が記憶される。画像管理データベース43は、新たな会議が開催されるごとに追加される。
【0035】
なお、画像管理データベース43は、出席者の情報を記憶する必要がない場合は、画像又は会議とキーワード群とのみが関係付けて記憶されてもよい。また、画像管理データベース43は、キーワード群と関係付けて記憶するデータベースと、出席者の情報と関係付けて記憶するデータベースとを個別に形成してもよい。
【0036】
制御部28は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備える。制御部28は、制御プログラムを実行することによって、音声認識部21、抽出部22、記憶部23、検索部24、出席者情報取得部25、出席者対比部26及び用語確認部27の動作を制御する。
【0037】
以下、
図4~
図11を参照して、本実施形態に係る表示制御システム1及び表示制御装置30の動作を、フローチャートを用いて説明する。
【0038】
[実施形態1]
まず、
図4~
図6を参照して、実施形態1に係る表示制御システム1及び表示制御装置30の動作を説明する。実施形態1では、現在の会議における発話音声から抽出されたキーワードのみに基づいて、会議に関連する画像を検索するフローについて説明する。そのため、実施形態1では、表示制御システム1及び表示制御装置30は、出席者情報入力部13、出席者情報取得部25、出席者対比部26、用語確認部27、及び、禁止ワードデータベース42を備えなくてもよい。
【0039】
図4及び
図5は、実施形態1に係る表示制御システム1の動作を示すフローチャートである。
図4は、会議においてキーワード群が画像に関係付けられて記憶されるフローを示す。
図5は、現在の会議に関連する画像を提示するフローを示す。
図6は、実施形態1の表示制御システム1で関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【0040】
まず、
図4を参照して、キーワード群が画像に関係付けて記憶されるフローを説明する。
【0041】
会議が行われると、会議の出席者の操作によって会議に関連する画像が表示部11に表示される(ステップS10)。同時に、音声入力部12によって会議における発話音声が入力される(ステップS12)。表示部11で表示されている画像の情報は端末装置10の制御部14で特定され、音声入力部12で入力された発話音声の情報に画像の情報が付加される。音声入力部12で入力された発話音声は、音声認識部21に送られる。
【0042】
音声認識部21は、発話音声の情報を受け取ると、音声認識を行ってテキストデータに変換する(ステップS14)。変換されたテキストデータは、画像の情報が付加されたまま抽出部22へ送られる。抽出部22は、発話音声が入力されたときに表示部11に表示されていた画像に対応させて、テキストデータから複数のワードを、キーワード群として抽出する(ステップS16)。このとき、抽出部22は、ワードの出現頻度又は重要度に応じてワードを抽出する。
【0043】
会議における発話音声は、表示部11で表示されている画像の情報とともに随時送られてくる。ワードの出現頻度に応じてキーワード群を抽出する場合、抽出部22は、特定の画像が表示されている間のワードの出現頻度の統計をとり、画像が切り換わったタイミングで統計に基づきキーワード群を抽出する。また、重要度に応じて抽出する場合、抽出部22は、記憶部23に記憶されている重要度データベース41又は画像管理データベース43を読み出し、重要度データベース41に記憶されている重要度に基づいて、又は、画像管理データベース43で過去に抽出されたキーワード群の個数又は割合に従って決定された重要度に基づいて、キーワード群を抽出する。
【0044】
抽出されたキーワード群は、記憶部23において、対応する画像と関係付けて画像管理データベース43に記憶される(ステップS18)。記憶部23への記憶は、画像が切り換わったタイミング又は会議が終了したタイミングに行われる。表示部11に同時に複数の画像が表示されている場合は、表示されている全ての画像に対して同じキーワード群が抽出され、関係付けられて記憶される。
【0045】
会議に関係付けて記憶する場合は、会議システムが搭載されている端末装置10又はサーバ装置20の制御部14,28が、会議システムから開催されている会議の情報(主催者、テーマなど)を取得する。抽出部22は、会議が終了したタイミングで、画像に対応させて抽出した場合と同様にして会議に対応するキーワード群を抽出する。抽出されたキーワード群は、記憶部23において対応する会議と関係付けて画像管理データベース43に記憶される。
【0046】
画像又は会議に関係付けてキーワード群が記憶されると、処理を終了する。
【0047】
次に、
図5及び
図6を参照して、現在の会議において関連する画像を提示するフローについて説明する。
【0048】
現在の会議が行われると、音声入力部12、音声認識部21及び抽出部22によって、現在の会議における発話音声から複数のキーワードが抽出される(ステップS30)。抽出されたキーワードは、検索部24に送られ、検索部24は、画像管理データベース43に記憶されているキーワード群と照合し、所定値以上一致する画像又は会議を検索する(ステップS32)。
【0049】
具体的には、例えば
図6に示す画像管理データベース43があり、現在の会議で、所定時間(例えば10分)の間にキーワードA・B・C・D・E・Hが抽出されたとする。検索部24では、キーワードとキーワード群とが所定値(例えば50%)以上一致する画像又は会議を検索するとする。この場合、画像1ではキーワード群と全て(100%)のキーワードが一致する。画像2ではキーワード群3個中2個(67%)のキーワードが一致する。一方、画像3ではキーワード群4個中1個(25%)のキーワードしか一致しない。所定値が50%以上と設定されているため、画像1及び画像2のみが提示の条件を満たし、検索結果として出力される。
【0050】
検索部24によって、現在の会議の発話音声から抽出されたキーワードと所定値以上一致するキーワード群と関係付けられている会議が検索結果として出力された場合は、当該会議に関係付けられている会議に用いられる画像が検索結果として出力される。
【0051】
検索部24において現在の会議に関連する画像があると判断されると(ステップS34)、会議の出席者に関連する画像があることを通知する(ステップS36)。具体的には、制御部14によって、会議の出席者が見ている表示部11に、例えば
図6に示すポップアップ画面などによって、関連する画像の名前及びサムネイル画像を表示する。このとき、例えば、画像3のように条件に満たない画像であっても、少なくとも1個のキーワードが出現した場合などに、参考画像として提示してもよい。一方、検索部24において現在の会議に関連する画像がないと判断されると(ステップS34)、処理を終了する。
【0052】
会議の出席者は、提示された画像について表示するか否かを判断して表示の要否を指示する。会議の出席者から提示された画像の表示の指示を受けると(ステップS38)、制御部14は画像を表示部11に表示する(ステップS40)。一方、会議の出席者から提示された画像の表示の指示がなかった場合は、処理を終了する。
【0053】
[実施形態2]
次に、
図7~
図9を参照して、実施形態2に係る表示制御システム1及び表示制御装置30の動作を説明する。実施形態2では、現在の会議における発話音声から抽出されたキーワードと現在の会議の出席者に基づいて、会議に関連する画像を検索するフローについて説明する。そのため、実施形態2では、表示制御システム1及び表示制御装置30は、用語確認部27、及び、禁止ワードデータベース42を備えなくてもよい。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明する。
【0054】
図7及び
図8は、実施形態2に係る表示制御システム1の動作を示すフローチャートである。
図7は、会議においてキーワード群及び出席者が画像に関係付けられて記憶されるフローを示す。
図8は、現在の会議に関連する画像を提示するフローを示す。
図9は、実施形態2の表示制御システム1で関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【0055】
まず、
図7を参照して、キーワード群及び出席者が画像に関係付けて記憶されるフローを説明する。
【0056】
実施形態1と同様にして、会議が行われると、会議に関連する画像が表示部11に表示され(ステップS10)、音声入力部12によって会議における発話音声が入力される(ステップS12)。入力された発話音声は、音声認識部21でテキストデータに変換され(ステップS14)、抽出部22でキーワード群が抽出される(ステップS16)。
【0057】
同時に、出席者情報取得部25は、会議システム又は出席者情報入力部13から会議の出席者の情報を取得する(ステップS20)。会議システムによって出席者の情報が取得される場合、表示部11で表示されている画像の情報が端末装置10の制御部14で特定され、会議システムで取得される出席者の情報に画像の情報が付加される。出席者情報取得部25は、画像の情報とともに出席者の情報を取得する。この場合、出席者情報取得部25は、画像が切り換わるタイミングなどで出席者の情報を取得する。
【0058】
一方、会議の出席者によって出席者情報入力部13を用いて会議の出席者が入力される場合、会議中の適宜のタイミング又は会議終了後などに出席者の情報を入力する。このとき、関係付ける画像又は会議を指定して出席者を入力することが好ましい。この場合、出席者情報取得部25は、出席者情報入力部13で出席者の情報が入力されたタイミングで出席者の情報を取得する。
【0059】
実施形態1と同様にして、抽出されたキーワード群は、記憶部23において、対応する画像と関係付けて画像管理データベース43に記憶される(ステップS22)。また、取得された出席者の情報も、記憶部23において、対応する画像と関係付けて画像管理データベース43に記憶される(ステップS22)。出席者の情報の記憶部23への記憶は、画像が切り換わったタイミング又は会議が終了したタイミングに行われる。表示部11に同時に複数の画像が表示されている場合は、表示されている全ての画像に対して同じ出席者の情報が関係付けられて記憶される。
【0060】
会議に関係付けて記憶する場合は、実施形態1と同様にして、会議システムから開催されている会議の情報(主催者、テーマなど)を取得する。抽出部22及び出席者情報取得部25は、会議が終了したタイミングで、画像に対応させて抽出した場合と同様にして、会議に対応するキーワード群を抽出するとともに、会議の出席者の情報を取得する。抽出されたキーワード群及び取得された出席者の情報は、記憶部23において対応する会議と関係付けて画像管理データベース43に記憶される。
【0061】
画像又は会議に関係付けてキーワード群が記憶されると、処理を終了する。
【0062】
次に、
図8及び
図9を参照して、現在の会議において関連する画像を提示するフローについて説明する。
【0063】
実施形態1と同様に、現在の会議が行われると、音声入力部12、音声認識部21及び抽出部22によって、現在の会議における発話音声から複数のキーワードが抽出される(ステップS30)。そして、検索部24は、画像管理データベース43に記憶されているキーワード群と照合し、所定値以上一致する画像又は会議が検索する(ステップS32)。所定値以上一致する画像又は会議があると、当該画像又は当該会議に関係付けられている会議に用いる画像が検索結果として出力される。
【0064】
検索部24において現在の会議に関連する画像があると判断されると(ステップS34)、出席者対比部26に会議に関連する画像の情報が送られる。一方、検索部24において現在の会議に関連する画像がないと判断されると(ステップS34)、処理を終了する。
【0065】
出席者対比部26は、記憶部23から画像管理データベース43を読み出し、検索部24で出力された画像に関連付けられている出席者の情報を取得する。同時に、出席者対比部26は、現在の会議の出席者の情報を取得する。現在の会議の出席者の情報は、出席者が画像に関係付けて記憶されるフローで説明したのと同様に、出席者情報取得部25から取得する。そして、出席者対比部26は、検索された画像に関係付けられている出席者と、現在の会議の出席者とを対比し、対比された出席者が所定値以上一致するかを判断する(ステップS42)。
【0066】
具体的には、例えば
図9に示す画像管理データベース43があり、現在の会議で、人物A・B・Cが出席し、所定時間(例えば10分)の間にキーワードA・B・C・D・E・Hが抽出されたとする。検索部24では、キーワードとキーワード群とが所定値(例えば50%)以上一致する画像又は会議を検索するとする。この場合、実施形態1で説明したとおり、画像1及び画像2のみが提示の条件を満たし、検索結果として出力される。
【0067】
次に、出席者対比部26で、検索された画像に関係付けられている出席者と、現在の会議の出席者とを対比する。出席者対比部26では、出席者が完全に一致する場合のみ会議の出席者に関連する画像があることを提示するとする。画像1が記憶された際の出席者は人物A・Bのみで、現在の会議の出席者と一致しない。一方、画像2が記憶された際の出席者は人物A・B・Cで、現在の会議の出席者と一致する。出席者が完全に一致していると設定されているため、画像2のみが提示の条件を満たす。
【0068】
なお、出席者が完全に一致とは、現在の会議の出席者が、検索された画像の出席者と同人数で完全に一致する場合に限らず、検索された画像の出席者より少なくても、検索された画像の出席者に全員が含まれている場合も含む。すなわち、
図9の事例では、現在の会議の出席者が人物A・Cの場合も、画像2においては出席者が完全に一致していると判断される。
【0069】
出席者対比部26において、検索された画像に関係付けられている出席者と、現在の会議の出席者とが一致すると判断されると(ステップS44)、実施形態1と同様にして、会議の出席者に関連する画像があることを通知する(ステップS36)。このとき、例えば、画像1のように出席者の条件を満たない画像についても、表示して良いか否かの確認ダイアログを表示してもよい。一方、出席者対比部26において、検索部24において検索された全ての画像に対して、検索された画像に関係付けられている出席者と、現在の会議の出席者とが一致しないと判断されると(ステップS44)、処理を終了する。
【0070】
その後は、実施形態1と同様にして、会議の出席者から提示された画像の表示の指示を受けると(ステップS38)、制御部14は画像を表示部11に表示する(ステップS40)。一方、会議の出席者から提示された画像の表示の指示がなかった場合は、処理を終了する。
【0071】
[実施形態3]
次に、
図10及び
図11を参照して、実施形態3に係る表示制御システム1及び表示制御装置30の動作を説明する。実施形態3では、現在の会議における発話音声から抽出されたキーワード及び画像に含まれる禁止ワードに基づいて、会議に関連する画像を検索するフローについて説明する。実施形態3において、出席者を管理しない場合は、表示制御システム1及び表示制御装置30は、出席者情報入力部13、出席者情報取得部25及び出席者対比部26を備えなくてもよい。以下、実施形態3について、実施形態1及び実施形態2と異なる事項について説明する。
【0072】
図10は、実施形態3に係る表示制御システム1の動作を示すフローチャートである。
図10は、現在の会議に関連する画像を提示するフローを示す。
図11は、実施形態3の表示制御システム1で関連する画像を検索して提示する処理のイメージ図である。
【0073】
キーワード群及び/又は出席者が画像に関係付けて記憶されるフローは、実施形態1又は実施形態2と同様である。
【0074】
図10及び
図11を参照して、現在の会議において関連する画像を提示するフローについて説明する。
【0075】
実施形態1と同様に、現在の会議が行われると、音声入力部12、音声認識部21及び抽出部22によって、現在の会議における発話音声から複数のキーワードが抽出される(ステップS30)。そして、検索部24は、画像管理データベース43に記憶されているキーワード群と照合し、所定値以上一致する画像又は会議を検索する(ステップS32)。所定値以上一致する画像又は会議があると、当該画像又は当該会議に関係付けられている会議に用いる画像が検索結果として出力される。
【0076】
検索部24において現在の会議に関連する画像があると判断されると(ステップS34)、用語確認部27に会議に関連する画像の情報が送られる。一方、検索部24において現在の会議に関連する画像がないと判断されると(ステップS34)、処理を終了する。
【0077】
用語確認部27は、記憶部23から禁止ワードデータベース42を読み出す。そして、用語確認部27は、検索部24で出力された画像に対して画像解析を行い、画像上に禁止ワードデータベース42に記憶されている禁止ワードがないかを確認する(ステップS46)。
【0078】
具体的には、例えば
図11に示す画像管理データベース43があり、現在の会議で、所定時間(例えば10分)の間にキーワードA・B・C・D・E・Hが抽出されたとする。検索部24では、キーワードとキーワード群とが所定値(例えば50%)以上一致する画像又は会議を検索するとする。この場合、実施形態1で説明したとおり、画像1及び画像2のみが提示の条件を満たし、検索結果として出力される。
【0079】
次に、用語確認部27で、検索された画像の画像解析を行う。禁止ワードデータベース42では、「社外秘」が禁止ワードとして登録されている。そして、
図11の事例では、画像2に禁止ワード「社外秘」が記載されている。用語確認部27は、画像1については禁止ワードがないと判断する。一方、用語確認部27は、画像2については禁止ワードがあると判断する。その結果、画像1のみが提示の条件を満たす。
【0080】
用語確認部27において、検索部24において検索された画像に対して禁止ワードが含まれていないと判断されると(ステップS48)、実施形態1と同様にして、会議の出席者に関連する画像があることを通知する(ステップS36)。一方、用語確認部27において、検索部24において検索された画像に対して禁止ワードが含まれていると判断されると(ステップS48)、処理を終了する。
【0081】
その後は、実施形態1と同様にして、会議の出席者から提示された画像の表示の指示を受けると(ステップS38)、制御部14は画像を表示部11に表示する(ステップS40)。一方、会議の出席者から提示された画像の表示の指示がなかった場合は、処理を終了する。
【0082】
なお、実施形態2のようにして現在の会議の出席者の情報を取得し、会議の出席者が全員社員であることが確認できた場合は、禁止ワードを含んでいても会議に関連する画像として提示してもよい。
【0083】
以上のように、本開示の表示制御システム1及び表示制御装置30では、会議中の発話音声を認識し、発話音声中に頻出するワードを、その会議及びその会議で使用されている画像に関係付けて記憶している。そして、その後の別の会議において、会議中の発話音声を取得して、発話音声中に含まれるワードが以前の会議のキーワード群と所定値以上一致すれば、以前の会議で使用した画像を会議に関連する画像として会議の出席者に提示している。これにより、会議の発話音声の中に会議に関連する画像に含まれるキーワードが出現していなくても、以前の会議で似たような会話がなされていたことに基づいて、以前の会議の時の画像は関連性が高い画像であるとして出席者に提示することができる。その結果、会議に関連する画像が適切に示され、会議の出席者が素早く会議に関連する画像を把握することができ、会議の進捗がスムーズになる。
【0084】
また、実施形態2のように、会議の出席者が一致しない場合に会議に関連する画像を提示しないようにすることで、機密性が高い画像が無関係の人物に公開されて内容を知られてしまうことを防ぐことができる。
【0085】
また、実施形態3のように、社外秘などが付されて社外に公開したくない画像について、社外秘などの用語を確認して社外秘などが付されている画像を表示させないようにすることで、社外の人物が会議に参加している場合に、社外秘の画像が社外の人物に公開されてしまうことを防ぐことができる。
【0086】
以上、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の開示の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0087】
上記の実施形態では、キーワード群を画像に関係付けて記憶しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、画像が複数ページにわたる場合、キーワード群は画像全体に関係付けられるだけでなく、ページごとに関係付けられてもよい。この場合、会議に関連する画像を提示する際に、画像の関係するページを提示するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示は、会議に関連する画像の表示を制御する表示制御システム及び表示制御装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 表示制御システム
11 表示部
12 音声入力部
21 音声認識部
22 抽出部
23 記憶部
24 検索部
25 出席者情報取得部
26 出席者対比部
27 用語確認部
30 表示制御装置
41 重要度データベース