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  • 特開-ミスト噴霧装置、及び、印刷装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172196
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ミスト噴霧装置、及び、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20231129BHJP
   B41F 15/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B41F15/08 303A
B41F15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083838
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】戸島 隆人
(72)【発明者】
【氏名】兼平 正巳
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA27
2C035FD01
2C035FE04
(57)【要約】
【課題】印刷装置及びミスト噴霧装置において、スクリーンにおけるペーストの固化を防止する。
【解決手段】ミスト噴霧装置1は、スクリーンSへミストMを噴霧するミスト噴霧装置1であって、スクリーンSの下部の空間AへミストMを噴霧する噴霧部10を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンへミストを噴霧するミスト噴霧装置であって、
前記スクリーンの下部の空間へミストを噴霧する噴霧部を備える
ことを特徴とするミスト噴霧装置。
【請求項2】
前記ミスト噴霧装置は、前記スクリーン上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置に配置される
ことを特徴とする請求項1記載のミスト噴霧装置。
【請求項3】
前記噴霧部は、前記スクリーンの下部の前記空間の周囲に配置され、水平方向に対する噴霧角度を調整可能である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のミスト噴霧装置。
【請求項4】
前記噴霧部は、ミストを吐出する吐出孔が設けられた吐出パイプを有し、
前記吐出孔は、前記吐出パイプにおけるミストが流れる第1方向に直交する第2方向に対して、前記第1方向とは反対方向に傾斜している
ことを特徴とする請求項1又は2記載のミスト噴霧装置。
【請求項5】
前記噴霧部は、ミストを吐出する吐出孔が設けられた吐出パイプを有し、
前記噴霧部は、前記吐出パイプが前記スクリーンの下部の前記空間を挟んで2つ設けられ、前記各吐出パイプから噴霧されたミストが、前記スクリーンの下部の前記空間で交わることを特徴とする請求項1又は2記載のミスト噴霧装置。
【請求項6】
スクリーン上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置であって、
前記スクリーンが張り付けられたスクリーン枠を保持する保持部と、
前記スクリーンの下部の空間へミストを噴霧する噴霧部を備えるミスト噴霧装置と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンへミストを噴霧するミスト噴霧装置と、スクリーン上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン印刷用の製版装置において、スクリーン枠によって保持されたスクリーンには、例えば、サーマルヘッドによって印刷部分に感熱穿孔が施される。或いは、メッシュ状のスクリーンの印刷部分以外で薬剤を硬化させることなどによっても製版を行うことができる。
【0003】
スクリーンの製版後、ユーザは、スクリーン枠を製版装置から取り外して印刷装置に取り付け、スキージによりスクリーンの孔を通してインクを印刷対象物に塗布する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-234627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スクリーン上に供給される水性インク等のペーストのスキージングによって多数回の印刷を行うと、スクリーンのうち印刷対象物側の底面(例えばフィルム面)側が乾燥し、画像の欠落を引き起こす。このような画像の欠落は、例えば、紗の隙間に入り込んだペーストが固化することによって引き起こされる。
【0006】
なお、ペーストが固化すると、乾燥したペーストを除去するために、スクリーンの底面側を水拭きするなどの手間のかかる作業が発生する。
【0007】
本発明の目的は、スクリーンにおけるペーストの固化を防止することができるミスト噴霧装置及び印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、ミスト噴霧装置は、スクリーンへミストを噴霧するミスト噴霧装置であって、前記スクリーンの下部の空間へミストを噴霧する噴霧部を備える。
【発明の効果】
【0009】
前記態様によれば、スクリーンにおけるペーストの固化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態に係る印刷装置を示す斜視図である。
図2】一実施の形態に係る印刷装置(スクリーンを省略した状態)を示す斜視図(その1)である。
図3】一実施の形態に係る印刷装置(スクリーンを省略した状態)を示す斜視図(その2)である。
図4】一実施の形態に係る印刷装置を示す正面図である。
図5図4のV-V断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態に係るミスト噴霧装置及び印刷装置について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、一実施の形態に係る印刷装置100を示す斜視図である。
【0013】
図2及び図3は、印刷装置100(スクリーンSを省略した状態)を示す斜視図である。
【0014】
図4は、印刷装置100を示す正面図であり、図5は、図4のV-V断面図である。
【0015】
なお、図1図5に示す前後、左右、上下の各方向は、一例ではあるが、前後方向及び左右方向が水平方向であり、上下方向が鉛直方向である。
【0016】
図1図4に示す印刷装置100は、ミスト噴霧装置1と、左右一対の保持部110と、刷り台120と、水平支柱130と、斜め支柱140とを備える。
【0017】
図2及び図3に示すように、ミスト噴霧装置1は、噴霧部10と、ミスト発生器20と、供給パイプ30と、連結部40とを備える。
【0018】
噴霧部10は、上流パイプ11と、T字ジョイント12と、2本の分岐パイプ13と、2つのL字ジョイント14と、2本の吐出パイプ15と、2つの角度調整レバー16と、6つのパイプ支え17と、2つのドレン18とを有する。
【0019】
上流パイプ11は、刷り台120よりも後方において、スクリーンSの長手方向である前後方向に延びるように配置され、後述するミスト発生器20において発生し、供給パイプ30を介して供給されるミストMを流す。
【0020】
T字ジョイント12は、上流パイプ11と、左右方向にミストMを流す2本の分岐パイプ13とを連結する。
【0021】
2つのL字ジョイント14のそれぞれは、分岐パイプ13と、前後方向にミストMを流す吐出パイプ15とを連結する。なお、後述するが、吐出パイプ15が長手方向である前後方向を中心に回転可能であるように、L字ジョイント14は、吐出パイプ15を回転可能に保持する。
【0022】
図4に示すように、2本の吐出パイプ15は、スクリーン枠Fの底面に張り付けられたスクリーンSの下部の空間A(図4に破線で図示)の周囲において、スクリーン枠Fの左右端部のそれぞれの下方に1本ずつ配置されている。すなわち、噴霧部10は、吐出パイプ15がスクリーンSの下部の空間Aを挟んで2つ例えば対向して設けられている。そして、各吐出パイプ15から噴霧されたミストMは、スクリーンSの下部の空間Aの略中央部(水平面内での略中央部)で交わる。噴霧部10は、スクリーンSの下部の空間へミストMを噴霧するものであればよいため、吐出パイプ15の本数や位置などは特に制限されないが、図2及び図3に示すように、2本の吐出パイプ15が、スクリーンSの下部の空間Aを挟んだ両側に配置されている場合や、スクリーン枠Fの長手方向(前後方向)に沿って延びる場合には、ミストMが空間Aに滞留しやすくなる。なお、スクリーンSは、例えば、スクリーン枠Fの底面に貼り付けられた状態で、製版装置のサーマルヘッドによって印刷部分に感熱穿孔が施されるか、或いは、メッシュ状のスクリーンSの印刷部分以外で薬剤を硬化させることなどによって、印刷領域に製版が行われている。
【0023】
図2及び図3に示すように、2本の吐出パイプ15のそれぞれには、スクリーンSの下部の空間AへミストMを噴霧するための吐出孔15aが複数(例えば7つ)設けられている。図5に示すように、吐出孔15a(貫通方向の中心を1点鎖線で図示)は、吐出パイプ15におけるミストMが流れる方向である第1方向D1(前方)に直交する第2方向D2(点線矢印参照)に対して、第1方向D1とは反対方向に角度θ傾斜している。これにより、吐出孔15aから吐出されるミストMが、吐出パイプ15内の第1方向D1の気流によって、第2方向D2よりも第1方向D1側に傾斜して吐出されるのが抑制され、第2方向D2に近い方向に吐出孔15aからミストMが吐出される。なお、角度θは、0°よりも大きく90°未満の角度であればよいが、一例としては45°である。
【0024】
図4に示すように、2本の角度調整レバー16のそれぞれは、吐出パイプ15に一体に固定され、吐出パイプ15から、吐出パイプ15の径方向に棒状に延びる。そのため、例えば手動で角度調整レバー16を回転させることによって、吐出パイプ15が長手方向である前後方向を中心に回転し、吐出孔15aの水平方向に対する噴霧角度が調整可能となる。なお、噴霧角度は、吐出孔15aが形成される向きによっても変動するが、特にミストMが自重で落下しやすい場合には、吐出孔15aが水平方向よりも斜め上方にミストMを吐出するとよい。
【0025】
図2及び図3に示す6つのパイプ支え17(図2では左側の3つのみ図示)のそれぞれは、半円筒形状を呈し、2つの吐出パイプ15のそれぞれを3つずつのパイプ支え17によって回転可能に保持する。パイプ支え17は、例えば後述する保持部110のベース部111などの移動不能な部材に固定されているとよい。
【0026】
2つのドレン18は、吐出パイプ15の先端(L字ジョイント14とは反対側の前端)に配置され、吐出パイプ15を流れるミストM又はその液体を下方に排出する。図示はしないが、ドレン18の下部には、廃液受けが配置されているとよい。
【0027】
図1図3に示すミスト発生器20は、例えば水からミストMを発生させる。ミスト発生器20としては、ミストMを発生させるものであればよいが、加熱式加湿器である場合、ミストMが熱を持ってしまい、スクリーンSのフィルムの張力に影響を与えるため、例えば、超音波加湿器などが用いられるとよい。ミスト発生器20は、スキージによるスキージングの間、印刷対象物の交換時などに亘って連続的にミストMを発生させていてもよいし、ミストMを所定の期間のみに断続的に発生させてもよい。なお、噴霧部10自体がミスト発生器として機能する場合には、ミスト発生器20が噴霧部10とは別個に配置されていなくともよい。
【0028】
供給パイプ30は、ミスト発生器20から下方に供給されるミストMを前方に流すようにL字形状を呈する。なお、ミスト発生器20と供給パイプ30との間は、例えば図示しない可撓性ホースが配置されているとよい。
【0029】
連結部40は、供給パイプ30と噴霧部10(上流パイプ11)とを連結する。
【0030】
2つの保持部110は、スクリーンS(図1参照)が貼り付けられたスクリーン枠Fを保持する。例えば、一方の保持部110がスクリーン枠Fの左端を保持し、他方の保持部110がスクリーン枠Fの右端を保持する。
【0031】
2つの保持部110のそれぞれは、ベース部111と、押さえ部材112と、押さえネジ113とを有する。
【0032】
ベース部111は、上水平部111aと、鉛直部111bと、下水平部111c(図4参照)とが連続的に設けられることによって、スクリーン枠F側に向かって開口する横向きのU字板状を呈する板金である。また、上水平部111aの上部には、膨出部111dが設けられている。
【0033】
押さえ部材112は、膨出部111dの上部から挿入される押さえネジ113がねじ込まれることによって、押さえネジ113の回転操作に伴い上下動する。押さえ部材112は、底面の水平部分において、下水平部111cに載せられたスクリーン枠Fを下方に押さえる。これにより、スクリーン枠Fが押さえ部材112と下水平部111cとの間に保持される。
【0034】
なお、保持部110の構成は任意であり、保持部110としては、スクリーンSが張り付けられたスクリーン枠Fを保持するものであればよい。
【0035】
刷り台120は、ガーメントなどの印刷対象物が載置される。例えば、この印刷対象物がTシャツである場合には、刷り台120が後述する水平支柱130とともにTシャツの内部に位置するように、Tシャツが印刷装置100に配置される。
【0036】
水平支柱130は、一端である前端において刷り台120の下部に固定され、他端側が水平に後方に延びる。
【0037】
斜め支柱140は、一端である前端において刷り台120の下部に固定され、他端側が斜め下方に後方に延びる。
【0038】
ここで、ミスト噴霧装置1としては、スクリーンS上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置100に配置されるものに限られず、任意のスクリーンSの下部の空間AへミストMを噴霧する噴霧部10を備えるものであればよい。なお、刷り台120、水平支柱130、及び斜め支柱140は、これらを1組として印刷装置100に複数組(例えば8組)配置される。例えば、これらの組は、印刷装置100の上下方向に延びる図示しない中心部を回転中心として回転し、回転方向に等間隔で配置される。一方、ミスト噴霧装置1、保持部110、及びスクリーン枠Fは、回転せず、刷り台120上の印刷対象物が順次、複数のスクリーン枠Fのそれぞれの下方に回転し、例えばスクリーン枠Fごとに異なる色で供給された水性インク(ペーストの一例)を用いてスクリーン印刷が行われる。なお、スクリーン印刷が行われる場合、スクリーンS上に自動又は手動で供給されたペーストは、例えば、スキージによって自動又は手動でスクリーンSが下方に押圧されながらスキージングされ、スクリーンSの開口部分である印刷領域(製版領域)を通って印刷対象物に塗布される。
【0039】
以上説明した本実施の形態では、ミスト噴霧装置1は、スクリーンSへミストMを噴霧するミスト噴霧装置1であって、スクリーンSの下部の空間AへミストMを噴霧する噴霧部10を備える。
【0040】
このように、噴霧部10がスクリーンSの下部の空間AにミストMを噴霧するため、例えば、水性インク等のペーストがスクリーンSのうち底面(例えばフィルム面)において乾燥するのを抑制することができる。よって、本実施の形態によれば、スクリーンSにおけるペーストの固化を防止することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、ミスト噴霧装置1は、スクリーンS上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置100に配置される。
【0042】
また、本実施の形態では、印刷装置100は、スクリーンS上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置100であって、スクリーンSが張り付けられたスクリーン枠Fを保持する保持部110と、スクリーンSの下部の空間AへミストMを噴霧する噴霧部10を備えるミスト噴霧装置1とを備える。
【0043】
これらのミスト噴霧装置1及び印刷装置100においても、噴霧部10がスクリーンSの下部の空間AにミストMを噴霧するため、水性インク等のペーストが多数回の印刷が行われている間にスクリーンSのうち印刷対象物側の底面において乾燥するのを抑制することができる。これにより、ペーストの固化に起因するスクリーン印刷の画像の欠落が生じるのを防止することができる。また、スクリーンSにおけるペーストの固化を防止することができるため、乾燥したペーストを除去するためにスクリーンSの底面側を水拭きするなどの手間のかかる作業を省略することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、噴霧部10(吐出パイプ15)は、スクリーンSの下部の空間Aの周囲に配置され、水平方向に対する噴霧角度を調整可能である。
【0045】
これにより、例えば、スクリーン枠Fの位置や大きさ、スクリーンSに製版される印刷領域の位置や大きさなどに応じて、ミストMを噴霧する噴霧角度を調整することができる。そのため、より一層、スクリーンSにおけるペーストの固化を防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、噴霧部10は、ミストMを吐出する吐出孔15aが設けられた吐出パイプ15を有し、吐出孔15aは、吐出パイプ15におけるミストMが流れる第1方向D1に直交する第2方向D2に対して、第1方向D1とは反対方向に傾斜している。
【0047】
これにより、吐出孔15aから吐出されるミストMが、吐出パイプ15内の第1方向D1の気流によって、第2方向D2よりも第1方向D1側に傾斜して吐出されるのが抑制され、第2方向D2に近い方向に吐出孔15aからミストMを吐出することができる。したがって、スクリーンSの下部の空間AにミストMを滞留させやすくすることができるため、より一層、スクリーンSにおけるペーストの固化を防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、噴霧部10は、ミストMを吐出する吐出孔15aが設けられた吐出パイプ15を有し、噴霧部10は、吐出パイプ15が、スクリーンSの下部の空間Aを挟んで2つ設けられている。各吐出パイプ15から噴霧されたミストMは、スクリーンSの下部の空間Aで交わる。
【0049】
これにより吐出パイプ15から噴霧されたミストMが流れることなく有効に利用され、スクリーンSにおけるペーストの固化の防止を有効に行うことができる。これに対して、もし、吐出パイプ15が、スクリーンSの下部の空間Aの片側のみに設けられていた場合には、噴霧されたミストMがスクリーンSの下部の空間Aを通り抜けて流れるようになり、噴霧されたミストMの利用効率が低下してしまう。
【0050】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0051】
[付記1]
スクリーンへミストを噴霧するミスト噴霧装置であって、
前記スクリーンの下部の空間へミストを噴霧する噴霧部を備える
ことを特徴とするミスト噴霧装置。
【0052】
[付記2]
前記ミスト噴霧装置は、前記スクリーン上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置に配置される
ことを特徴とする付記1記載のミスト噴霧装置。
【0053】
[付記3]
前記噴霧部は、前記スクリーンの下部の前記空間の周囲に配置され、水平方向に対する噴霧角度を調整可能である
ことを特徴とする付記1又は2記載のミスト噴霧装置。
【0054】
[付記4]
前記噴霧部は、ミストを吐出する吐出孔が設けられた吐出パイプを有し、
前記吐出孔は、前記吐出パイプにおけるミストが流れる第1方向に直交する第2方向に対して、前記第1方向とは反対方向に傾斜している
ことを特徴とする付記1又は2記載のミスト噴霧装置。
【0055】
[付記5]
前記噴霧部は、ミストを吐出する吐出孔が設けられた吐出パイプを有し、
前記噴霧部は、前記吐出パイプが前記スクリーンの下部の前記空間を挟んで2つ設けられ、前記各吐出パイプから噴霧されたミストが、前記スクリーンの下部の前記空間で交わることを特徴とする付記1又は2記載のミスト噴霧装置
【0056】
[付記6]
スクリーン上に供給されたペーストを用いて印刷対象物に印刷を行うための印刷装置であって、
前記スクリーンが張り付けられたスクリーン枠を保持する保持部と、
前記スクリーンの下部の空間へミストを噴霧する噴霧部を備えるミスト噴霧装置と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【符号の説明】
【0057】
1 ミスト噴霧装置
10 噴霧部
11 上流パイプ
12 T字ジョイント
13 分岐パイプ
14 L字ジョイント
15 吐出パイプ
15a 吐出孔
16 角度調整レバー
17 パイプ支え
18 ドレン
20 ミスト発生器
30 供給パイプ
40 連結部
100 印刷装置
110 保持部
111 ベース部
111a 上水平部
111b 鉛直部
111c 下水平部
111d 膨出部
112 押さえ部材
113 押さえネジ
120 刷り台
130 水平支柱
140 斜め支柱
A 空間
D1 第1方向
D2 第2方向
F スクリーン枠
M ミスト
S スクリーン
図1
図2
図3
図4
図5