(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172213
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20231129BHJP
B65H 1/26 20060101ALI20231129BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231129BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 138
G03G21/16 195
B65H1/26 310F
G03G15/00 401
B41J29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083866
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】儀間 啓
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓哉
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H171
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB35
2C061CD05
2C061CF06
2C061DF03
2C061DF09
2C061DF19
2C061DF24
2H072BA03
2H072BA12
2H072BA17
2H072BB01
2H171FA03
2H171FA06
2H171FA22
2H171GA09
2H171GA11
2H171GA12
2H171GA25
2H171HA15
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA25
2H171JA17
2H171JA36
2H171JA46
2H171JA59
2H171KA17
2H171KA22
2H171QA02
2H171QA08
2H171SA10
2H171SA13
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA34
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC28
3F343GA03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA01
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3F343HC22
3F343KB02
3F343KB08
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA14
3F343LA16
(57)【要約】
【課題】騒音防止のため装置の隙間部をスポンジ等の弾性体でふさぐものがあったが、経時での劣化やちぎれが発生し、騒音低減効果を失うという問題があった。
【解決手段】画像形成部12を備えた画像形成装置1において、規制ガイド部35を有する給紙カセット31と、装置本体11を開閉すべく、装置本体11によって変位可能に保持されたフロントカバー21と、規制ガイド部35と当接可能な当接部14aを備えてスライド移動可能に保持され、当接部14aに当接する規制ガイド部35が給紙カセット31の挿脱方向移動に伴って移動するのに応じて位置移動する媒体搬送ガイド14とを備え、媒体搬送ガイド14は、給紙カセット31の装着時に、記録用紙の搬送をガイドし、且つ給紙カセット31とフロントカバー21との間に生じる隙間101を介して画像形成装置1の内部と外部とが空間的に通じるのを遮断又は軽減する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される記録媒体に現像剤画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置において、
装置本体に対して挿脱自在に備えられ、ガイド部を有する給紙カセットと、
前記装置本体の前記給紙カセットを挿脱する側において、前記装置本体の内部を開閉すべく、前記装置本体によって変位可能に保持された外装カバーと、
前記ガイド部と当接可能な当接部を備えて前記装置本体によってスライド移動可能に保持され、前記当接部に当接する前記ガイド部が前記給紙カセットの挿脱方向移動に伴って移動するのに応じて位置移動する用紙ガイド部材と
を備え、
前記用紙ガイド部材は、前記給紙カセットの装着時に対応する移動位置において、前記記録媒体の搬送をガイドし、且つ前記給紙カセットと前記外装カバーとの間に生じる隙間を介して前記画像形成装置の内部と外部とが空間的に通じるのを遮断又は軽減することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙ガイド部材は、前記給紙カセットの装着時に対応する移動位置において、下端部が、前記給紙カセットの、引き出し側の上部に配設された当接面に当接することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙ガイド部材の前記位置移動の方向が略鉛直方向であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙ガイド部材は、前記給紙カセットが、前記装置本体に挿入されて装着されるまでの間に上方移動することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記給紙カセットが、前記装置本体に挿入されて装着されるまでの間に前記当接部を上方に押し上げる傾斜部を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
装着された前記給紙カセットから前記記録媒体を搬送路に送出する媒体供給部を備え、前記用紙ガイド部材は、前記媒体供給部と前記隙間との間に配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記外装カバーは、前記装置本体によって回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記給紙カセットは、挿脱時に、前記当接面以外において前記下端部と接触しないように構成されたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に騒音低減のための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、給紙カセットや装置カバー間の操作部の隙間にスポンジなどの弾性体を付勢し、間隙を塞ぐようにして装置内部の騒音が外部に漏れ出てくるのを防止するといったものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-91606号公報(第9頁、
図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作部の近くに設けられたスポンジなどの弾性体は、経時での劣化やちぎれにより、騒音低減効果の低減、更には装置内部への異物混入による画質劣化等を誘発するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像形成装置は、搬送される記録媒体に現像剤画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置であって、
装置本体に対して挿脱自在に備えられ、ガイド部を有する給紙カセットと、前記装置本体の前記給紙カセットを挿脱する側において、前記装置本体の内部を開閉すべく、前記装置本体によって変位可能に保持された外装カバーと、前記ガイド部と当接可能な当接部を備えて前記装置本体によってスライド移動可能に保持され、前記当接部に当接する前記ガイド部が前記給紙カセットの挿脱方向移動に伴って移動するのに応じて位置移動する用紙ガイド部材とを備え、
前記用紙ガイド部材は、前記給紙カセットの装着時に対応する移動位置において、前記記録媒体の搬送をガイドし、且つ前記給紙カセットと前記外装カバーとの間に生じる隙間を介して前記画像形成装置の内部と外部とが空間的に通じるのを遮断又は軽減することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による画像形成装置によれば、用紙ガイド部材が、給紙カセットの装着位置において、像形成装置の隙間を塞ぐように移動するため、経時においても騒音低減効果を維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による実施の形態1の画像形成装置の外観斜視図である。
【
図2】フロントカバーが開いた状態の画像形成装置の外観斜視図である。
【
図3】回動軸部の構成を示すため、フロントカバーの一部カバーを除いた外観斜視図である。
【
図4】
図3に示す回動アームの周辺を逆方向からみた外観斜視図である。
【
図7】
図6に示す隙間の近傍を示す部分拡大図である。
【
図8】
図7に示す隙間の近傍の構成を模式的に示す模式図である。
【
図9】給紙カセットの左側前端部を後斜め上方からみた外観斜視図である。
【
図10】画像形成装置の装置本体内に配置された媒体搬送フレームとこれによって保持される媒体搬送ガイドを示す斜視図である。
【
図12】装着された状態の給紙カセットと媒体搬送フレームと媒体搬送ガイドの位置関係を、これらの構成要素のみで示す斜視図である。
【
図13】給紙カセットが装着された状態での、ガイド長孔近傍を示す部分拡大図である。
【
図14】給紙カセットが装着された状態での、画像形成装置の前方左端部の内部構成を示す斜視図である。
【
図15】給紙カセットが装着された状態での、画像形成装置の前方左端部の内部構成を示す側面図である。
【
図16】給紙カセットが僅かに引き出された状態での、画像形成装置の前方左端部の内部構成を示す斜視図である。
【
図17】給紙カセットが僅かに引き出された状態での、画像形成装置の前方左端部の内部構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像形成装置1の外観斜視図であり、
図2は、フロントカバー21が開いた状態の画像形成装置1の外観斜視図であり、
図5は、給紙カセット31単体の外観斜視図であり、
図6は、画像形成装置1の内部構成図である。
【0009】
これらの図に示すように、画像形成装置1は、画像形成部12(
図6)を備える装置本体11と、装置本体11によって回動自在に保持されたフロントカバー21と、装置本体に11に対して着脱自在に備えられた給紙カセット31を備える。
尚、上記したように、画像形成装置1の、給紙カセット31、フロントカバー21等のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を装置本体と称す場合がある。
【0010】
尚、
図1中のX、Y、Zの各方向は、フロントカバー21の回動軸の方向をY方向とし、水平方向であり且つY方向と直交する方向をX方向とし、これ等の両方向と直交する方向をZ方向(鉛直方向)としている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各方向が示される場合、これらの方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のX、Y、Zの各方向は、各図の描写部分が、
図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。また、
図1に示すように、画像形成装置を矢印A方向からみて、上、下、左、右、前、後を特定する場合がある。ここで、矢印A方向は、X方向と平行であり、画像形成装置1は、水平面上に配置されているものとする。
【0011】
給紙カセット31は、画像形成装置1の下部に配置されて、装置本体11によって、X方向にスライド移動して着脱可能保持されている。例えば使用者は、その把持部32をつかんで手前(-X方向)に引き出し或いは取り外し、記録用紙を載置面33に載置した後、逆方向に押し込むことによって装置本体11に装着する。
【0012】
外装カバーとしのフロントカバー21は、画像形成装置1の前端部において、給紙カセット31の上部で装置本体11によって回動自在に保持されている。
図3は、この回動軸部の構成を示すため、フロントカバー21の一部カバーを除いた外観斜視図であり、
図4は、
図3に示す回動アーム21bの周辺を逆方向からみた外観斜視図である。
【0013】
これ等の図に示すように、フロントカバー21の左側端部に配設された回動アーム21bは、その先端部に回動軸孔21cを備え、一方装置本体11の左前端部には、回動軸孔21cに嵌入した状態で、フロントカバー21を、
図1に示す閉位置と
図2に示す開位置との間で回動自在に支持する回動軸突起11aが形成されている。尚ここでは、装置本体11及びフロントカバー21の左側における構成を示して説明したが、装置本体11及びフロントカバー21の右側においても略左右対称に形成された図示しない回動軸孔21c及び回動軸突起11aが形成されているものである。
【0014】
画像形成装置1を右側からみた内部構成を示す
図6に示すように、フロントカバー21が閉じられて閉位置にあるとき、フロントカバー21の下端部とこれに対向する給紙カセット31の上端部間には、僅かな隙間101が生じている。
【0015】
図7は、
図6に示す隙間101の近傍を示す部分拡大図であり、
図8は、更に隙間101の近傍の構成を模式的に示す模式図である。尚、
図6の内部構成図は、画像形成装置1の左右中央部における断面図に相当する。従って、
図6、
図7には、後述する規制ガイド部35等は示されていない。
【0016】
図7に示すように、画像形成装置1は、給紙カセット31に収容された記録用紙を供給する媒体供給部15を備える。
【0017】
媒体供給部15は、給紙カセット31に収容された記録用紙に当接するように配置されたピックアップローラ15aと、ピックアップローラ15aに隣接して配置されたフィードローラ15bと、フィードローラ15bに対向するように配置されたリタードローラ15cとを有する。ピックアップローラ15aは、給紙カセット31に収容された記録用紙を繰り出し、フィードローラ15bは繰り出された記録用紙を搬送路に送り出す。リタードローラ15cは、フィードローラ15bによる送り出し方向とは逆方向に回転し、記録用紙に搬送抵抗を付与して重送を防止する。
【0018】
搬送路に送り出された記録用紙は、搬送路に沿って配設された給紙ガイド13及び用紙ガイド部材としの媒体搬送ガイド14によってガイドされながら搬送ローラ対16に至る。搬送ローラ対16は、記録用紙の先端がそのニップ部に当接してから所定のタイミングで回転を開始することによってスキューが矯正された記録用紙を画像形成部12に搬送する。画像形成部12は、記録用紙に現像剤画像を形成する。
【0019】
閉位置にあるフロントカバー21と装着された給紙カセット31との間に生じる隙間101は、
図8に示すように、フロントカバー21の下端部で後側に突出するL字状の対向部21aと、給紙カセット31の前端上部面に形成された段部31aが離間した状態で対向することによって断面段状に形成される。これによって画像形成装置1は、この隙間101が形成された箇所において、隙間101を介して内部側と外部側とが通じている。
【0020】
更に
図8に示すように、給紙カセット31が装着された状態で、給紙カセット31の段部31aの最後部に相当する当接面34には、媒体搬送ガイド14の下端部14cが当接した状態となるように構成されている。
【0021】
次に、給紙カセット31が装着されたとき、給紙カセット31の当接面34に、媒体搬送ガイド14の当接部としての下端部14cが当接するようにした構成及びその動作について説明する。
【0022】
図9は、給紙カセット31の左側前端部を後斜め上方からみた外観斜視図であり、
図10は、画像形成装置1の装置本体11内に配置された媒体搬送フレーム17とこれによって保持される媒体搬送ガイド14とを、これ等の構成要素のみで示す斜視図であり、
図11は、
図10の保持部周辺の部分拡大図である。
【0023】
図9に示すように、給紙カセット31の媒体搬送領域外の左端部には、X-Z平面に略平行な同一平面に沿って形成され、略水平方向に延在する第1ガイド部35a(L)、第1ガイド部35a(L)の後端に続いて下方に傾斜する傾斜部としの第2ガイド部35b(L)、及び第1ガイド部35a(L)の前端に続いて下方に傾斜する第3ガイド部35c(L)を有するガイド部としての規制ガイド部35(L)が形成されている。
【0024】
尚、給紙カセット31は、搬送領域外の右端部においても、そのY方向の中央部で交わる仮想基準面(X-Z平面)に対して、規制ガイド部35(L)と略面対称に形成された規制ガイド部35(R)を有する。同様に、この仮想基準面に対して左右面対称に形成されている画像形成装置1の部材には符号の末尾に「L」、「R」を付して区別し、またこれらの部材では、構成、動作が左右対称であるため、これらを一方のみで説明する場合がある。
【0025】
図10、
図11において、媒体搬送ガイド14は、画像形成装置1の装置本体11内に配置された媒体搬送フレーム17の図示しないスライド移動保持部によって上下方向にスライド移動可能に保持されている。尚、ここでは、媒体搬送ガイド14がスライド移動可能に保持された構成としたが、回動自在に保持された構成であってもよい。
【0026】
更に、媒体搬送ガイド14の左端部に形成された規制突起14b(L)が、この規制突起14b(L)に対向して媒体搬送フレーム17の左端側に形成された上下方向に長いガイド長孔17a(L)に遊嵌し、これにより媒体搬送ガイド14は上下方向移動範囲が規制されている。
【0027】
図12は、装着された状態の給紙カセット31と媒体搬送フレーム17と媒体搬送ガイド14の位置関係を、これらの構成要素のみで示す斜視図であり、
図13は、給紙カセット31が装着された状態での、ガイド長孔17a(L)近傍を示す部分拡大図である。
【0028】
図12に示すように、媒体搬送ガイド14は、装着された給紙カセット31の前側上方に配置された媒体搬送フレーム17によって保持され、
図13に示すように、その左端下方部に形成された当接部14a(L)が、給紙カセット31の規制ガイド部35(L)の第1ガイド部35a(L)に当接して自重による下方移動が規制されている。尚、ここでは、媒体搬送ガイド14が自重で下方移動するように説明したが、付勢部材によって下方に付勢された構成とすることも可能である。
【0029】
このとき、媒体搬送ガイド14の下端部14cが給紙カセット31の段部31aの当接面34に当接する。
図6、
図7及び
図8に示す媒体搬送ガイド14は、その下端部14cが給紙カセット31の当接面34に当接した状態を示すものである。
【0030】
以上の構成を有する画像形成装置1において、給紙カセット31の着脱移動に伴う媒体搬送ガイド14の動作について、
図14~
図17を参照しながら説明する。
【0031】
図14は、給紙カセット31が装着された状態での、画像形成装置1の前方左端部の内部構成を示す斜視図であり、
図15は同状態での、画像形成装置1の前方左端部の内部構成を示す側面図である。
図16は、給紙カセット31が僅かに引き出された状態での、画像形成装置1の前方左端部の内部構成を示す斜視図であり、
図17は同状態での、画像形成装置1の前方左端部の内部構成を示す側面図である。
【0032】
図14、
図15に示すように、給紙カセット31が画像形成装置本体11に装着された状態において、媒体搬送ガイド14は、その当接部14a(L)が給紙カセット31の規制ガイド部35(L)の第1ガイド部35a(L)に当接し、自重による下方移動が規制されている。このとき、媒体搬送ガイド14の規制突起14b(L)は、媒体搬送フレーム17のガイド長孔17a(L)上端部近傍に位置し、
図7、
図8に示すように、媒体搬送ガイド14の下端部14cは、給紙カセット31の段部31aの当接面34に当接している。
【0033】
これにより、閉位置にあるフロントカバー21と装着された給紙カセット31との間に隙間101が生じていても、画像形成装置1は、少なくとも幅方向(Y方向)の媒体搬送ガイド14の存在する領域(搬送領域外の両端部を除く略全域)において、装置内部が、装置外部から遮蔽された状態となっている。
【0034】
次に、例えば操作者が、給紙カセット31の把持部32に手を掛けて給紙カセット31を引き出すと、媒体搬送ガイド14の当接部14a(L)は、手前方向(-X方向)に移動する給紙カセット31の第1ガイド部35aに続いて下方に傾斜した第2ガイド部35bに対峙する。この過程で、媒体搬送ガイド14の下端部14cは、給紙カセット31の当接面34から外れた状態となる。
【0035】
これにより媒体搬送ガイド14は、その当接部14aをガイドする第2ガイド部35bの手前方向(-X方向)への移動と共に下方に移動し、やがて規制突起14b(L)がガイド長孔の下部に当接して下方移動が規制され、その下方移動位置を保つ。従って、媒体搬送ガイド14は、給紙カセット31が引き出されている間、この下方移動位置を保つ。
【0036】
再度、操作者が、給紙カセット31を引き出した状態から装置本体11に装着する場合、給紙カセット31は、
図16、
図17に示す装着直前の位置から更に後方(+X方向)に移動する。この移動に伴って、媒体搬送ガイド14は、その当接部14aが上方に傾斜した第2ガイド部35b(L)に当接し、更にガイドされて上方に移動し、その規制突起14b(L)もガイド長孔17aの下部から離間して上方に移動する。
【0037】
更に給紙カセット31が後方に移動すると、媒体搬送ガイド14の当接部14aは、その当接位置が第2ガイド部35b(L)から第1ガイド部35aに移り、その後給紙カセット31が装着位置に至るまでその上方移動位置を保つ。媒体搬送ガイド14は、上方移動位置を保つ間、その下端部14cが、給紙カセット31の後方移動に伴って給紙カセット31の当接面34に接して当接面34上を摺動し、給紙カセット31が装着した段階で、
図7、
図8に示すように、当接面34と当接した状態を維持する。
【0038】
尚、ここでは画像形成装置1の、主に媒体搬送領域外の前側左端部近傍の構成を示して媒体搬送ガイド14の上下移動を説明したが、媒体搬送領域外の前側右端部においても、少なくとも末尾(L)が付いた構成要素に対しては面対称に形成された構成要素が配置され、同様の動作を行うものである。
【0039】
また、給紙カセット31は、その着脱時に、当接面34以外において媒体搬送ガイド14の下端部14cと接触しないように、内部構成部材の高さが考慮されるものである。
【0040】
以上のように、媒体搬送ガイド14は、画像形成装置1内に配置された媒体搬送フレーム17によって、上方移動位置と下方移動位置との間で上下方向に移動可能に保持され、給紙カセット31の作用によって、給紙カセット31が装置本体11に装着されているときには上方移動位置に移動され、給紙カセット31が外された状態では下方移動位置移動する。
【0041】
更に、媒体搬送ガイド14は、給紙カセット31が装着され上方移動位置あるとき、搬送される記録用紙をガイドすると共に、その下端部14cが給紙カセット31の当接面34と当接した状態となる。これにより、閉位置にあるフロントカバー21と装着された給紙カセット31との間に隙間101が生じていても、画像形成装置1は、少なくとも幅方向(Y方向)の媒体搬送ガイド14の存在する領域(搬送領域外の両端部を除く略全域)において、装置内部が、装置外部から遮蔽された状態となっている。
【0042】
以上のように、実施の形態1の画像形成装置1によれば、媒体供給部15よりも手前、且つフロントカバー21と給紙カセット31との間に生じている隙間101よりも後(奥)側で、媒体搬送ガイド14によって装置内部が外部から遮蔽されるため、媒体供給部15等で発生する騒音が装置外に漏れるのを抑制できる。
【0043】
また、媒体搬送ガイド14が、給紙カセット31の着脱と連動して上下に移動するため、給紙カセット着脱の操作性を損なうことはない。また固定されたスポンジなどの弾性部材を付勢して隙間を塞ぐ場合に生じる、経時での劣化やちぎれなどの問題が生じない。
【0044】
前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、画像形成装置を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本実施の形態では画像形成装置として単色の画像形成を行うモノクロプリンタを用いて説明したが、カラープリンタ、複写機、FAX、更にこれらを複合させた複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置、 11 装置本体、 11a 回動軸突起、 12 画像形成部、 13 給紙ガイド、 14 媒体搬送ガイド、 14a 当接部、 14b 規制突起、 14c 下端部、 15 媒体供給部、 15a ピックアップローラ、 15b フィードローラ、 15c リタードローラ、 16 搬送ローラ対、 17 媒体搬送フレーム、 17a ガイド長孔、 21 フロントカバー、 21a 対向部、 21b 回動アーム、 21c 回動軸孔、 31 給紙カセット、 31a 段部、 32 把持部、 33 載置面、 34 当接面、 35 規制ガイド部、 35a 第1ガイド部、 35b 第2ガイド部、 35c 第3ガイド部、 101 隙間。