(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172250
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法
(51)【国際特許分類】
E05F 15/76 20150101AFI20231129BHJP
E05F 15/73 20150101ALI20231129BHJP
E05F 15/75 20150101ALI20231129BHJP
【FI】
E05F15/76
E05F15/73
E05F15/75
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083919
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】592131560
【氏名又は名称】日本自動ドア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】村田 良文
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA04
2E052CA06
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA05
2E052GA07
2E052GB01
(57)【要約】
【課題】本発明に係る自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法によれば、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができる。
【解決手段】本発明に係る自動ドア制御システム1は、自動ドア11と、自動ドア11を開閉するドア駆動部12と、を有する自動ドア装置10と、自動ドア11に近づいた対象人物を識別する識別部30と、対象人物から操作入力を受け付ける入力部21と、開閉操作画像を含む操作画像を表示する表示部20と、識別部30の識別結果に応じて表示部20に表示させる操作画像を制御する制御部40と、を備え、制御部40は、表示部20に開閉操作画像が表示されている場合であって、入力部21から開閉操作画像に対する操作が入力されたとき、自動ドア11の開閉を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドアと、前記自動ドアを開閉するドア駆動部と、を有する自動ドア装置と、
前記自動ドアに近づいた対象人物を識別する識別部と、
前記対象人物から操作入力を受け付ける入力部と、
開閉操作画像を含む操作画像を表示する表示部と、
前記識別部の識別結果に応じて前記表示部に表示させる前記操作画像を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記表示部に前記開閉操作画像が表示されている場合であって、前記入力部から前記開閉操作画像に対する操作が入力されたとき、前記自動ドアの開閉を制御する、
自動ドア制御システム。
【請求項2】
前記識別部は、前記対象人物に取り付けられたICタグを検出するICタグ検出部と、前記ICタグに記憶されている識別情報を読み取るICタグ読取部と、を備え、前記対象人物のうち前記ICタグを身に着ける特定人物と前記ICタグを身に着けない人物とを識別する
請求項1に記載の自動ドア制御システム。
【請求項3】
前記識別部は、前記対象人物の顔を撮影する撮影部と、前記対象人物の顔を認証する顔認証部と、を備え、前記対象人物の中から特定人物の顔を識別する
請求項1に記載の自動ドア制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記ICタグに記憶されている前記識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項2に記載の自動ドア制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記識別部によって前記特定人物の顔を識別した識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項3に記載の自動ドア制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記識別情報が前記第一グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記開閉操作画像を表示せず、
前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記開閉操作画像を表示する、
請求項4または請求項5に記載の自動ドア制御システム。
【請求項7】
前記操作画像は、暗証番号入力画像を含み、
前記制御部は、
前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記暗証番号入力画像を表示し、
前記入力部から入力された暗証番号が管理者によって登録されたロック解除番号と一致するとき、前記暗証番号入力画像に代え前記開閉操作画像を前記表示部に表示する、
請求項4または請求項5に記載の自動ドア制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記識別部から信号を受信すると、外部端末と通信を行う発信部をさらに備える
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の自動ドア制御システム。
【請求項9】
自動ドアを制御する自動ドア制御装置であって、
前記自動ドアに近づいた対象人物を識別する識別部と、
前記対象人物から操作入力を受け付ける入力部と、
開閉操作画像を含む操作画像を表示する表示部と、
前記識別部の識別結果に応じて前記表示部に表示させる前記操作画像を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記表示部に前記開閉操作画像が表示されている場合であって、前記入力部から前記開閉操作画像に対する操作が入力されたとき、前記自動ドアの開閉を制御する、
自動ドア制御装置。
【請求項10】
前記識別部は、前記対象人物に取り付けられたICタグを検出するICタグ検出部と、前記ICタグに記憶されている識別情報を読み取るICタグ読取部と、を備え、前記対象人物のうち前記ICタグを身に着ける特定人物と前記ICタグを身に着けない人物とを識別する
請求項9に記載の自動ドア制御装置。
【請求項11】
前記識別部は、前記対象人物の顔を撮影する撮影部と、前記対象人物の顔を認証する顔認証部と、を備え、前記対象人物の中から特定人物の顔を識別する
請求項9に記載の自動ドア制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記ICタグに記憶されている前記識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項10に記載の自動ドア制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記識別部によって前記識別部によって前記特定人物の顔を識別した識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項11に記載の自動ドア制御装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記識別情報が前記第一グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記開閉操作画像を表示せず、
前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記開閉操作画像を表示する、
請求項12または請求項13に記載の自動ドア制御装置。
【請求項15】
前記操作画像は、暗証番号入力画像を含み、
前記制御部は、
前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記表示部に前記暗証番号入力画像を表示し、
前記入力部から入力された暗証番号が管理者によって登録されたロック解除番号と一致するとき、前記暗証番号入力画像に代え前記開閉操作画像を前記表示部に表示する、
請求項12または請求項13に記載の自動ドア制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記識別部から信号を受信すると、外部端末と通信を行う発信部をさらに備える
請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の自動ドア制御装置。
【請求項17】
自動ドアに近づいた対象人物を識別する識別ステップと、
識別結果に応じて表示させる開閉操作画像を含む操作画像を制御する操作画像制御ステップと、
前記対象人物から操作入力を受け付ける入力ステップと、
前記開閉操作画像が表示されている場合であって、前記開閉操作画像に対する操作が入力されたとき、前記自動ドアの開閉を制御する開閉制御ステップと、
を備える自動ドアの制御方法。
【請求項18】
前記識別ステップは、前記対象人物に取り付けられたICタグを検出して、前記ICタグに記憶されている識別情報を読み取り、前記対象人物のうち前記ICタグを身に着ける特定人物と前記ICタグを身に着けない人物とを識別する
請求項17に記載の自動ドアの制御方法。
【請求項19】
前記識別ステップは、前記対象人物の顔を撮影して、前記対象人物の顔を認証して前記対象人物の顔の中から特定人物の顔を識別する
請求項17に記載の自動ドアの制御方法。
【請求項20】
前記操作画像制御ステップは、前記ICタグに記憶されている前記識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項18に記載の自動ドアの制御方法。
【請求項21】
前記操作画像制御ステップは、前記特定人物の顔を識別した識別情報が第一グループと第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報によって、前記識別情報が前記第一グループと前記第二グループとのどちらに属するかを判定する
請求項19に記載の自動ドアの制御方法。
【請求項22】
前記操作画像制御ステップは、前記識別情報が前記第一グループに含まれると判定すると、前記開閉操作画像を表示せず、前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記開閉操作画像を表示する
請求項20または請求項21に記載の自動ドアの制御方法。
【請求項23】
前記操作画像は、暗証番号入力画像を含み、
前記操作画像制御ステップは、前記識別情報が前記第二グループに含まれると判定すると、前記暗証番号入力画像を表示して、入力された暗証番号が管理者によって登録されたロック解除番号と一致するとき、前記暗証番号入力画像に代え前記開閉操作画像を表示する
請求項20または請求項21に記載の自動ドアの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物等の出入り口に設置され、開閉可能な自動ドア本体をロックした状態で、付近にタッチパネル等の情報入力可能な表示部を設置して、自動ドア本体の開閉を制御し、建物内部及び外部への人物の移動を制限する自動ドア開閉装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような自動ドア開閉装置は、例えば、幼稚園または学校、介護施設等の建物内部側に表示部を設置して、自動ドア本体をロックした状態で設置することで、お年寄りや子供等の対象人物が表示部の表示面に表示された開閉ボタンやテンキーを操作して自動ドア本体の開閉しようとしても、管理者によって設定した操作以外では、自動ドア本体がロック解除されないように設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のような装置は、管理者によって設定した操作を対象人物に知られてしまうと、容易に自動ドア本体のロックを解除されてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができる自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る自動ドア制御システムは、自動ドアと、前記自動ドアを開閉するドア駆動部と、を有する自動ドア装置と、前記自動ドアに近づいた対象人物を識別する識別部と、前記対象人物から操作入力を受け付ける入力部と、開閉操作画像を含む操作画像を表示する表示部と、前記識別部の識別結果に応じて前記表示部に表示させる前記操作画像を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示部に前記開閉操作画像が表示されている場合であって、前記入力部から前記開閉操作画像に対する操作が入力されたとき、前記自動ドアの開閉を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法によれば、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る自動ドア制御システムの一例を模式的に示す正面図である。
【
図3】同自動ドア制御システムを開口側からみた状態と、自動ドア制御システムに近づく対象人物を示す図である。
【
図4】同自動ドア制御システムの表示部に操作画像の開閉操作画像が表示された状態を示す図である。
【
図5】同自動ドア制御システムの表示部に操作画像が表示されていない状態を示す図である。
【
図6】同自動ドア制御システムの動作及び作用について示すフロー図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る自動ドア制御システムの一例を模式的に示す正面図である。
【
図9】同自動ドア制御システムを開口側からみた状態と、自動ドア制御システムに近づく対象人物を示す図である。
【
図10】同自動ドア制御システムの顔認証部において顔画像記憶データの特定人物の顔と、顔画像データの対象人物の顔とが一致しない場合を示す図である。
【
図11】同自動ドア制御システムの顔認証部において顔画像記憶データの特定人物の顔と、顔画像データの対象人物の顔とが一致する場合を示す図である。
【
図12】同自動ドア制御システムの動作及び作用について示すフロー図である。
【
図13】本発明の第三実施形態に係る自動ドア制御システムの構成図である。
【
図14】同自動ドア制御システムの表示部に暗証番号入力画像が表示された状態を示す図である。
【
図15】同自動ドア制御システムの動作及び作用について示すフロー図である。
【
図16】本発明の自動ドア制御システムの他の変形例を説明する図である。
【
図17】本発明の自動ドア制御システムの他の変形例を説明する図であり、(a)は、夜間時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。(b)は、非セキュリティ時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。(b)は、対象人物が検知された時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について、
図1から
図6を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態や変形例において、相互に対応する構成については同一の符号を付し、重複部分については説明を省略する場合がある。さらに、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的または絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0010】
[自動ドア制御システム1]
図1は、本発明の第一実施形態に係る自動ドア制御システム1の一例を模式的に示す正面図である。
図2は、自動ドア制御システム1の構成図である。
図3は、自動ドア制御システム1を開口側B1からみた状態と、自動ドア制御システム1に近づく対象人物Uを示す図である。
自動ドア制御システム1は、自動ドア装置10の自動ドア本体(自動ドア)11に近づく対象人物Uを識別して、表示部20に操作画像Fを表示し、自動ドア本体11の開閉を制御する。操作画像Fは、開閉操作画像F1と、操作に必要なその他の画像と、を含む。自動ドア制御システム1は、本実施形態では、建物の壁部Hに形成された開口部Tに設けられている。自動ドア制御システム1は、自動ドア装置10と、自動ドア制御装置2とを備える。
【0011】
以下の自動ドア制御システム1の説明において、自動ドア装置10の設置面側である鉛直方向Aの鉛直下側を下側A2とし、設置面とは反対側である鉛直方向Aの鉛直上側を上側A1とする。また、壁部Hに沿って鉛直方向Aと垂直に交わる水平方向を左右方向Bとし、鉛直方向Aと左右方向Bとに直交する水平方向を室内外方向Cとする。左右方向Bにおいて、後述の自動ドア装置10の自動ドア本体(自動ドア)11が出入り口TAを形成する左側を開口側B1とする。また、左右方向Bにおいて、自動ドア装置10において常に閉口されている右側を閉口側B2とする。また、室内外方向Cの一方側を室内側C1とし、室内外方向Cの他方側を室外側C2とする。
【0012】
ここで、対象人物Uとは、自動ドア装置に近づくすべての人である。本実施形態では、例えば対象人物Uのうち、後述のICタグ33を身に着ける人を特定人物UAとする。特定人物UAは、例えば、お年寄りや子供等の人物である。ただし、特定人物UAは、特に限定されずICタグ33を身に着けていなくてもよい。
【0013】
[自動ドア装置10]
自動ドア装置10は、
図1に示すように、建物の壁部Hに形成された開口部Tに設けられている。自動ドア装置10は、入力部21によって操作が入力され、制御部40から開信号を取得することによって、自動ドア本体11を開閉する。自動ドア装置10は、自動ドア本体(自動ドア)11と、自動ドア駆動部12と、ロック機構13と、ドア制御部14とを備える。
【0014】
[自動ドア本体(自動ドア)11]
自動ドア本体(自動ドア)11は、
図1に示すように、自動ドア装置10において、室内外方向Cの室内側C1からみて開口側B1に備えられる。自動ドア本体11は、後述の自動ドア駆動部12によって、閉口側B2に移動して、開口側B1に出入り口TAを形成する引き戸の形態となっている。自動ドア本体11は、出入り口TAにおいて建物や部屋などの内外を連通させ人や物などを通行可能にする。ただし、自動ドア本体11は、特に限定されず、開口側B2に備えられ、閉口側B2に出入り口TAを形成してもよい。
【0015】
自動ドア駆動部12は、自動ドア本体11の上部に配置された電気モータ等からなる周知の駆動機構である。自動ドア駆動部12は、ドア制御部14から開閉操作の指示を取得して、自動ドア本体11を左右方向Bに駆動させて開閉する。
【0016】
ロック機構13は、自動ドア装置10の自動ドア本体11をロックする。ロック機構13は、ドア制御部14から設定または解除の指示を取得して、ロックを設定または解除する。ロック機構13は、特に限定されず、周知のロック機構を適用することができる。ロック機構13は、ロックを設定または解除すると、ドア制御部14に完了の信号を送信する。
【0017】
[ドア制御部14]
ドア制御部14は、マイクロコントローラなどの情報処理装置を用いて構成される。ドア制御部14は、自動ドア本体11を開閉可能に制御するとともに、ロック機構13を制御する。
【0018】
ドア制御部14は、例えば後述の制御部40から開信号を取得すると、ロック機構13にロック解除を指示し、ロックを解除する。ドア制御部14は、ロック機構13から解除の完了の信号を取得すると、自動ドア駆動部12に自動ドア本体11の開操作を指示する。また、ドア制御部14は、例えば一定時間経過したのち、自動ドア駆動部12に自動ドア本体11の閉操作を指示する。その後、ドア制御部14は、ロック機構13にロックの設定を指示する。なお、ロック機構13は必須の構成ではない。また、ドア制御部14は、ロック機構13から完了の信号を取得しなくてもよい。ドア制御部14による自動ドア本体11の開閉制御は、特に限定されない。ドア制御部14は、例えば、制御部40から開信号に加えて閉信号を取得してもよいし、図示しないセンサ等によって開閉信号を取得してもよい。また、ドア制御部14は、その他の情報を取得してもよい。さらに、ドア制御部14は、複数取得した信号を組み合わせて自動ドア本体11の開閉を制御してもよい。
【0019】
[自動ドア制御装置2]
自動ドア制御装置2は、自動ドア装置10に近づく対象人物Uを検知して、自動ドア装置の自動ドア本体11の開閉を制御する。自動ドア制御装置2は、表示部20と、入力部21と、識別部30と、制御部40と、を備える。
【0020】
[表示部20]
図4は、自動ドア制御システム1の表示部20に操作画像Fの開閉操作画像F1が表示された状態を示す図である。
図5は、自動ドア制御システム1の表示部20に操作画像Fが表示されていない状態を示す図である。
表示部20は、例えば、OLED(有機ELディスプレイ)、電子ペーパー、マイクロLED、LCD(液晶)、QLED(量子配列液晶)、CLED(Crystal LED Display)等のモニタを用いることができる。表示部20は、制御部40からの指示によって、表示面20aに操作画像Fの開閉操作画像F1を表示する。なお、表示部20は操作画像Fに限定されず、ICタグ33の識別情報や判断した結果を示す情報等を表示してもよい。
【0021】
表示部20は、例えば略板状であり、
図3に示すように、鉛直方向Aと左右方向Bとに沿う水平面上に備える表示面20aを室内側C1に向けて配置される。また、表示部20は、
図1に示すように、室内外方向Cの室内側C1からみて自動ドア装置10よりも開口側B1の壁部Hに備えられている。そのため、自動ドア装置10の自動ドア本体11が表示部20によって操作され開口した際に、対象人物Uがすぐに出入り口TAを通り室内側C1から室外側C2に出ることができる。
【0022】
また、表示部20は、壁部Hの水平面上から全体が突出しないように壁部Hに埋設されているのが好ましい。壁部Hの水平面上から全体が突出しないことで、表示部20の付近を通行する人物や所持した荷物等が表示部20に当たって破損したり、雨風等にさらされて、故障したりしてしまうことを防止することができる。なお、表示部20は、室外側C2に備えられていてもよいし、閉口側B2の壁部Hに備えられていてもよい。また、表示部20は、壁部Hの水平面上から全体が突出していてもよい。さらに、表示部20は、壁部Hではなくポール等の支持部材によって立設していてもよい。表示部20の設置面からの高さ位置は、特に限定されず、例えば自動ドア制御システム1を管理する管理者(不図示)や対象人物Uが操作しやすい高さに設定されている。
【0023】
表示部20は、例えば、タッチパネル等である。表示部20は、表示面20aに情報入力が可能な入力部21を備える。また、表示部20は、制御部40から画像表示指示を取得する前は操作画像Fの開閉操作画像F1を表示している状態である。なお、表示部20は、開閉操作画像F1を制御部40から表示指示を取得する前に表示していなくてもよい。
【0024】
ここで、開閉操作画像F1は、例えば、
図4に示すような開閉ボタン画像である。開閉操作画像F1は、操作画像Fに含まれており、記憶部41に記憶されている。
【0025】
[入力部21]
入力部21は、対象人物Uから表示面20aに表示された開閉操作画像F1に対する操作が入力されることで情報を入力可能なタッチパネルの入力部である。入力部21は、表示部20の表示面20aに備えられる。入力部21は、対象人物Uからの操作入力を受け付ける。具体的には、入力部21は、表示面20aにおいて開閉操作画像F1の開閉ボタンを押下した場合に操作入力される。なお、入力部21は、タッチパネルに限定されず、リモコン、キーボード、マウス等を操作して入力してもよい。
【0026】
表示部20は、例えば入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力された場合に、制御部40に自動ドア装置10の自動ドア本体11を開けるための信号(開信号)を送信する。また、表示部20は、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力されない場合は、制御部40に開信号を送信しない。表示部20が制御部40に送信する信号は、開信号に限定されず、自動ドア本体11を閉めるための信号(閉信号)を送信してもよいし、その他の信号を送信してもよい。
【0027】
[識別部30]
識別部30は、自動ドア装置10の自動ドア本体11に近づく対象人物Uを識別する。識別部30は、本実施形態では、ICタグ検出部31と、ICタグ読み取り部32とを備える。
【0028】
[ICタグ検出部31]
ICタグ検出部31は、特定人物UAに取り付けられたICタグ33を検出する。ICタグ検出部31は、例えばICタグアンテナである。ICタグ検出部31は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を利用して、
図3に示すように、ICタグ33が電波領域P内に入ったときにICタグ33と通信し、ICタグ33を検出する。ICタグ検出部31は、自動ドア装置10の自動ドア本体11に近づく特定人物UAが身に着けているICタグ33を電波領域P内で検出できるように配置される。ICタグ検出部31は、室内側C1を向けて配置される。ただし、ICタグ検出部31の電波の種類や指向性等は特に限定されない。また、ICタグ検出部31は、電波領域Pを任意に設定可能であり、複数配置することで電波領域Pを広げてもよい。この場合、複数のICタグ検出部31が同一のICタグ33から識別情報を検出し、ICタグ読み取り部32によって情報が制御部40に送信されると、制御部40は重複を除いて処理を行うものとする。なお、ICタグ検出部31は、電波領域P内に入ったICタグ33を電波領域P内で常時監視及び常時検出可能である。
【0029】
[ICタグ読み取り部32]
ICタグ読み取り部32は、ICタグ33に記憶されている識別情報を読み取り、ICタグ検出部31によって検出した情報(検出情報)と読み取った識別情報とを識別結果として制御部40に送信する。また、ICタグ読み取り部32は、例えばICタグ検出部31によって電波領域P内でICタグ33が検出された時間が所定時間以上である場合に、制御部40に警報信号を送信する。なお、識別結果は、識別情報を含まず検出情報のみであってもよい。
【0030】
識別部30は、上述の構成により、対象人物UのうちICタグ33を身に着ける特定人物UAとICタグ33を身に着けない人物とを識別する。識別部30は、本実施形態では、ICタグ検出部31と、ICタグ読み取り部32とを備えるが、ICタグ読み取り部32を備えていなくてもよく、ICタグ検出部31が、識別結果を制御部40に送信してもよい。また、ICタグ検出部31が、電波領域P内でICタグ33が検出された時間が所定時間以上である場合に、制御部40に警報信号を送信してもよい。
【0031】
ここで、ICタグ33は、電磁誘導または電波を利用して非接触通信をおこなうICタグ33である。ICタグ33は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。特定人物UAは、このICタグ33を日常的に身に着けている。ICタグ33には、特定人物UAを識別するための識別情報が記録されている。ICタグ33は、この識別情報を外部に発信する機能を有している。識別情報は、例えば、ICタグ33に一意的に割り当てられた個人特定情報である。また、ICタグ33は、年齢や出身地等の特定人物UAに関する情報を含んでいてもよい。
【0032】
[制御部40]
制御部40は、自動ドア制御システム1全体の動作を制御する。制御部40は、例えば、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等である。制御部40は、記憶部41と、通信部42と、識別判定部43と、発信部44とを備える。
【0033】
[記憶部41]
記憶部41は、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶手段であり、プログラムやデータを記憶する。記憶部41は、表示部20に表示する操作画像Fを記憶する。操作画像Fは、上述の開閉操作画像F1と、操作に必要なその他の画像と、を含んでおり、本実施形態では、記憶部41は、
図4に示すような開閉操作画像F1を記憶する。なお、記憶部41に記憶される操作画像Fは、特に限定されず、複数備えていてもよい。また、記憶部41は、操作画像に限らず、任意の数の画像データを記憶することができる。
【0034】
[通信部42]
通信部42は、例えば有線または無線ネットワーク等によって、制御部40に接続された自動ドア装置10と、表示部20と、識別部30とに、データまたは情報を送受信する。通信部42は、表示部20から開信号を取得すると、入力部21から表示部20に表示された開閉操作画像F1に対する操作に基づいて自動ドア本体11の開閉を制御する。具体的には、通信部42は、表示部20に開閉操作画像F1が表示されている場合に、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力され、表示部20から開信号を取得すると、開信号を自動ドア装置10のドア制御部14に送信する。
【0035】
[識別判定部43]
識別判定部43は、識別部30からの識別結果に応じて、表示部20に表示させる操作画像Fを制御する。識別判定部43は、識別部30から識別結果を取得した場合は、表示部20に画像表示指示を送信する。本実施形態では、表示部20は、制御部40から画像表示指示を取得する前は操作画像Fの開閉操作画像F1を表示している状態である。識別判定部43は、識別部30から識別結果を取得した場合は、表示部20に画像表示指示を送信して、開閉操作画像F1の表示を消す。識別判定部43は、識別部30から識別結果を取得していない場合は、表示部20に画像表示指示を送信せず、
図4に示すように、開閉操作画像F1を表示した状態を維持させる。表示部20は、制御部40から画像表示指示を取得する前に開閉操作画像F1を表示していなくてもよく、識別判定部43は、識別部30からの識別結果に応じて、表示部20に表示させる操作画像Fを任意に制御することができる。
【0036】
[発信部44]
発信部44は、識別部30から警報信号を取得すると、通信回線網50を介して、外部端末51と通信を行う。
【0037】
通信回線網50は、制御部40と外部端末51とを接続する。通信回線網50は、例えば、公知の通信回線網を使用できる。その通信方法は、特に制限されず、例えば、有線でも無線でもよく、具体的には、例えば、インターネット回線、電話回線等があげられる。
【0038】
外部端末51は、通信回線網50を介して、発信部44と通信可能な装置である。外部端末51は、例えば、自動ドア制御システム1の管理者よって携帯可能であるのが好ましい。外部端末51は、特に制限されず、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話、及びウェアラブルデバイス等のポータブル端末である。ただし、外部端末51は、特に限定されず、携帯可能でない端末装置であってもよい。
【0039】
発信部44は、例えば、外部端末51に加えて、パトライト(登録商標)やスピーカ、モニタ等の警報装置部(不図示)に警告を表示する信号を送信してもよい。
【0040】
[自動ドア制御システム1の動作及び作用]
次に、
図6を参照して、自動ドア制御システム1の動作及び作用について説明する。
図6は、自動ドア制御システム1の動作及び作用について示すフロー図である。
【0041】
始めに、記憶部41は、
図4に示すような開閉操作画像F1と、操作に必要なその他の画像と、を含む操作画像Fを記憶する。自動ドア制御システム1は、記憶部41に操作画像Fを記憶させた状態で動作を開始する。
【0042】
(ステップS1)
ステップ(識別ステップ)S1において、建物内から外に出ようとする対象人物Uが自動ドア制御システム1に近づく。識別部30は、対象人物UのうちICタグ33を身に着ける特定人物UAとICタグ33を身に着けない人物とを識別する。自動ドア制御システム1の識別部30に備えられたICタグ検出部31は、ICタグ33を常時監視する。ICタグ検出部31は、ICタグ33が電波領域P内に入ったかどうか検出する。識別部30は、ICタグ33が電波領域P内に入ったと検出した場合は、ICタグ読み取り部32によってICタグ33に記憶されている識別情報を読み取り、検出情報と識別情報とを識別結果として制御部40に送信する。識別部30は、次にステップS2を実行する。識別部30は、ICタグ33を電波領域P内において検出しない場合は、ステップS4を実行する。
【0043】
(ステップS2)
ステップS2において、自動ドア制御システム1の識別部30に備えられたICタグ検出部31は、電波領域P内に入ったICタグ33を電波領域P内で常時検出できる。識別部30のICタグ読み取り部32は、ICタグ検出部31によって電波領域P内で検出された時間が所定時間以上である場合に、警報信号を制御部40に送信する。その後、自動ドア制御システム1は、ステップS3を実行する。ICタグ読み取り部32は、ICタグ検出部31によって電波領域P内でICタグ33が検出された時間が所定時間未満である場合は、警報信号を制御部40に送信しない。そして、自動ドア制御システム1は、再度ステップS1に戻り、識別部30のICタグ検出部31によってICタグ33の常時監視を行う。
【0044】
(ステップS3)
ステップS3おいて、制御部40は、識別部30から警報信号を取得すると、発信部44によって通信回線網50を介して、外部端末51と通信を行う。その後、自動ドア制御システム1は、動作を完了する。
【0045】
(ステップS4)
ステップS4(操作画像制御ステップ)において、制御部40の識別判定部43は、識別部30からの識別結果に応じて、表示部20に表示させる操作画像Fを制御する。識別判定部43は、識別部30から識別結果を取得した場合は、開閉操作画像F1の表示を消して表示しない。制御部40の識別判定部43は、識別部30によってICタグ33を検出しない場合は、識別結果を取得しない。そのため、識別判定部43は、識別部30から識別結果を取得していない場合は、開閉操作画像F1を表示した状態を維持することができる。次に、制御部40は、ステップS5を実行する。
【0046】
(ステップS5)
ステップ(入力ステップ)S5において、ICタグ33を所持せず識別部30によって検出されない対象人物Uは、表示部20の表示面20aに備えられた入力部21を操作する。入力部21は、対象人物Uからの操作入力を受け付ける。表示部20は、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力された場合には、制御部40Bに開信号を送信する。次に制御部40は、ステップS6を実行する。表示部20Bは、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力されない場合には、制御部40に開信号を送信せず、ステップS1に戻り、識別部30のICタグ検出部31によって再度ICタグ33の常時監視を行う。
【0047】
(ステップS6)
ステップ(開閉制御ステップ)S6において、制御部40の通信部42は、表示部20に開閉操作画像F1が表示されている場合に、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力され、表示部20から開信号を取得すると、開信号を自動ドア装置10のドア制御部14に送信する。次に、制御部40は、ステップS7を実行する。
【0048】
(ステップS7)
ステップS7において、自動ドア装置10のドア制御部14は、開信号を取得すると、ロック機構13を解除する。次に、自動ドア装置10のドア制御部14は、ステップS8を実行する。
【0049】
(ステップS8)
ステップS8において、自動ドア装置10のドア制御部14は、ロック機構13が解除されると、自動ドア駆動部12に開操作の指示を送信する。自動ドア駆動部12は、本実施形態では、左右方向Bの閉口側B2に自動ドア本体11を駆動させる。すると、自動ドア本体11は、閉口側B2に移動して開口側B1に出入り口TAを形成し、対象人物Uを通行可能にする。次に、自動ドア装置10のドア制御部14は、ステップS9を実行する。
【0050】
(ステップS9)
ステップS9において、自動ドア装置10のドア制御部14は、例えば一定時間経過したのち、自動ドア駆動部12に自動ドア本体11の閉操作を指示する。その後、ドア制御部14は、図示しないセンサ等によって自動ドア本体11が閉まり、対象人物Uが通行したことを確認すると、ロック機構13を設定する。以上のステップが終わると、自動ドア制御システム1は動作を終了する。
【0051】
本実施形態では、対象人物Uのうち、特定人物UAがICタグ33を身に着けている。自動ドア制御システム1は、識別部30のICタグ検出部31によって自動ドア装置10の自動ドア本体11に近づく特定人物UAを検出して、ICタグ33を身に着けている特定人物UAと、ICタグ33を身に着けていない人物とを識別することができる。そのため、対象人物Uのうち、特定人物UAに対して表示部20に表示させる操作画像Fを制御することができる。
【0052】
また、本実施形態では、識別部30によってICタグ33が検出された場合に、制御部40が表示部20に表示していた操作画像に含まれる開閉操作画像F1の表示を消して表示しない。この構成により、自動ドア制御システム1は特定人物UAが表示部20に表示される入力部21を操作不能にして、自動ドア装置10を制御することができる。そのため、お年寄りや子供等の特定人物UAが建物から外に飛び出したり、徘徊したりする虞を無くすことができる。
【0053】
また、本実施形態では、制御部40の識別判定部43は、識別部30によってICタグ33を検出しない場合は、識別結果を取得しない。そのため、表示部20は、表示面20aに開閉操作画像F1を示した状態を維持することができる。この構成により、自動ドア制御システム1は、ICタグ33を持たない対象人物Uに対して、入力部21へ操作入力を可能にする。
【0054】
また、本実施形態では、制御部40の備える発信部44が、識別部30から警報信号を取得すると、外部端末51と通信を行うことができる。そのため、自動ドア制御システム1の管理者は、外部端末51によって取得した情報から、特定人物UAが自動ドア装置10の周囲にいることを把握することができる。また、識別部30のICタグ読み取り部32は、ICタグ検出部31によって電波領域P内でICタグ33が検出された時間が所定時間以上である場合に、警報信号を制御部40に送信する。そのため、自動ドア制御システム1は、特定人物UAが短時間で自動ドア装置10付近を通る場合は、警報信号を送信しないように設定することができる。
【0055】
また、本実施形態では、発信部44は、外部端末51に加えて、パトライト(登録商標)やスピーカ、モニタ等の警報装置部(不図示)に警告を表示する信号を送信できる。この場合、警報装置部は、例えば自動ドア装置10の周囲に配置され、発信部44から信号を取得すると、警報として音や光を発する。これによって、発信部44は、特定人物UAが自動ドア装置10の周囲にいることを自動ドア装置10の周辺の特定人物UA以外の人物に知らせ、特定人物UAが外に出てしまうことを防止することができる。
【0056】
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0057】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、
図7及び
図12を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態では、いずれも第一実施形態と比較して、表示部、識別部及び制御部が異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
図7は、本発明の第二実施形態に係る自動ドア制御システム1Aの構成図である。
図8は、自動ドア制御システム1Aの構成図である。
図9は、自動ドア制御システム1Aを開口側B1からみた状態と、自動ドア制御システム1Aに近づく対象人物Uを示す図である。
【0059】
自動ドア制御システム1Aの自動ドア制御装置2Aが備える表示部20Aは、第一実施形態と比較して、制御部40Aから画像表示指示を取得する前は操作画像Fの開閉操作画像F1を表示しない。
【0060】
自動ドア制御システム1Aの備える識別部30Aは、自動ドア本体11に近づいた対象人物Uを識別する。識別部30Aは、カメラ(撮影部)31Aと、顔認証部32Aと、を備える。
【0061】
[カメラ(撮影部)31A]
カメラ(撮影部)31Aは、対象人物Uの顔を撮影する。カメラ31Aは、室内側C1に設けられる。本実施形態では、カメラ31Aには、
図9に示すように、自動ドア装置10の自動ドア本体11に近づく対象人物Uの顔を撮影可能な撮影範囲PAが設定されている。カメラ31Aは、撮影範囲PAに入った対象人物Uの顔を撮影する。カメラ31Aは、撮影した対象人物Uの顔画像データを顔認証部32Aに送信する。ただし、カメラ31Aの撮影範囲PAは特に限定されない。また、カメラ31Aは、撮影範囲PAを任意に設定可能であり、複数配置することで撮影範囲PAを広げてもよい。
【0062】
カメラ31Aの起動は、例えばカメラ31Aに近づいた対象人物Uの体温を検知するサーモセンサや対象人物Uの移動を検知するモーションセンサ等をトリガーにして起動してもよいし、対象人物Uが手動でカメラ31Aを起動してもよい。また、カメラ31Aの撮影タイミングは、カメラ31Aの起動後にタイマー等で自動撮影してもよいし、対象人物Uが手動でカメラ31Aを操作して撮影してもよい。なお、カメラ31Aは、複数設けていてもよい。
【0063】
[顔認証部32A]
図10は、自動ドア制御システム1Aの顔認証部32Aにおいて顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、カメラ31Aによって撮影された顔画像データの対象人物Uの顔とが一致しない場合を示す図である。
図11は、自動ドア制御システム1Aの顔認証部32Aにおいて顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致する場合を示す図である。
顔認証部32Aは、対象人物Uの顔と、後述の顔データ記憶部33Aに記憶された特定人物UAの顔とを識別して顔認証結果(識別情報)を制御部40Aに送信する。顔認証部32Aは、顔データ記憶部33Aと、顔認証判定部34Aと、を備える。
【0064】
顔データ記憶部33Aは、ROM、RAM、HDDなどの記憶手段であり、プログラムやデータを記憶する。顔データ記憶部33Aは、事前に複数の特定人物UAの顔の顔画像記憶データを記憶する。また、顔データ記憶部33Aは、カメラ31Aによって撮影された対象人物Uの顔画像データをデータベース(不図示)として格納する。なお、顔データ記憶部33Aに記憶される顔画像記憶データは、特に限定されず、任意の数の画像データを記憶することができる。また、顔データ記憶部33Aは、識別部30Aに備えられていなくてもよい。例えば、顔データ記憶部33Aは、制御部40Aに備えられていてもよい。
【0065】
顔認証判定部(顔認証部)34Aは、対象人物Uの顔を認証して、対象人物Uの顔の中から特定人物UAの顔を識別する。顔認証判定部34Aは、本実施形態では、カメラ31Aによって撮影された対象人物Uの顔画像データの対象人物Uの顔の中から顔データ記憶部33Aに記憶された顔画像記憶データの特定人物UAの顔を識別して、一致するか否かを判定する。顔認証判定部34Aは、
図10に示すように、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致しない場合はOKとして、顔認証結果を制御部40Aに送信する。顔認証判定部34Aは、
図11に示すように、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致する場合はNGとして、制御部40AにOKの顔認証結果を送信せず、警報信号を送信する。なお、顔認証結果(識別情報)は本実施形態に限定されず、OKとNGとが反対であってもよい。また、顔認証判定部34Aは、OKとNGとの顔認証結果の情報に限定されず、任意の情報を送信できる。
【0066】
制御部40Aは、第一実施形態と同様に、自動ドア制御システム1A全体の動作を制御する。制御部40Aは、記憶部41と、通信部42と、識別判定部43Aと、発信部44とを備える。通信部42と、記憶部41と、発信部44とは、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
識別判定部43Aは、識別部30Aの識別結果に応じて、表示部20Aに表示させる操作画像Fを制御する。本実施形態では、表示部20Aは、制御部40Aから画像表示指示を取得する前は操作画像Fの開閉操作画像F1を表示しない。識別判定部43Aは、識別部30Aの顔認証部32AからOK判定の顔認証結果を取得した場合は、通信部42を介して表示部20Aに画像表示指示を送信して、表示部20Aに開閉操作画像F1を表示させる。識別判定部43Aは、顔認証部32Aから顔認証結果を取得しない場合は、表示部20Aに画像表示指示を送信せず、表示部20Aに操作画像Fを表示しない状態を維持させる。このように、識別判定部43Aは、識別部30Aの識別結果に応じて、表示部20Aに開閉操作画像F1を表示させるかどうかを判定する。
【0068】
[自動ドア制御システム1Aの動作及び作用]
次に、
図12を参照して、第二実施形態に係る自動ドア制御システム1Aの動作及び作用について説明する。
図12は、自動ドア制御システム1Aの動作及び作用について示すフロー図である。ここで、ステップS3からステップS9については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。始めに、記憶部41は、第一実施形態と同様に、
図4に示すような開閉操作画像F1と、操作に必要なその他の画像と、を含む操作画像Fを記憶する。自動ドア制御システム1Aは、記憶部41に開閉操作画像F1を記憶させた状態で動作を開始する。
【0069】
(ステップS1a)
ステップS1aにおいて、建物内から外に出ようとする対象人物Uが自動ドア制御システム1Aに近づく。自動ドア制御システム1Aの識別部30Aは、カメラ31Aの撮影範囲PAに対象人物Uの顔が入ると、所定の方法でカメラ31A及び自動ドア制御システム1Aを起動させ、動作を開始する。なお、カメラ31A及び自動ドア制御システム1Aは常に起動した状態であってもよい。カメラ31Aは、対象人物Uの顔を撮影する。識別部30Aの顔認証部32Aは、カメラ31Aから取得した顔画像データから顔認証を行う。
【0070】
顔認証判定部34Aは、対象人物Uの顔を認証する。顔認証部32Aは、カメラ31Aの顔画像データの対象人物Uの顔の中から顔データ記憶部33Aに記憶された顔画像記憶データの特定人物UAの顔を識別する。その後、顔認証部32Aの顔認証判定部34Aは、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致するか否かを判定する。顔認証判定部34Aは、
図10に示すように、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致しない場合はOKとして、顔認証結果を制御部40Aに送信し、次にステップS4を実行する。顔認証判定部34Aは、
図11に示すように、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、カメラ31Aの顔画像データの対象人物Uの顔とが一致する場合はNGとして、警報信号を制御部40Aに送信する。その後ステップS3を実行する。なお、顔認証部32Aは、OKとNGとをどちらの場合にも顔認証結果として、制御部40Aに送信することで制御部40Aが顔画像の判定を行ってもよい。
【0071】
(ステップS3~9)
ステップS3~ステップS9は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。以上のステップが終わると、自動ドア制御システム1Aは動作を終了する。
【0072】
本実施形態では、自動ドア制御システム1Aが顔認証部32Aを備えているため、対象人物Uの中から特定人物UAを識別することができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部40Aが、顔認証部32AによってOK判定の顔認証結果を取得した場合に、表示部20Aに開閉操作画像F1を表示する。識別判定部43Aは、顔認証部32Aから顔認証結果を取得しない場合は、表示部20Aに開閉操作画像F1を表示しない。この構成により、自動ドア制御システム1Aは、特定人物UA以外の対象人物Uのみが、表示部20Aに表示される入力部21を操作可能にすることができる。
【0074】
また、本実施形態では、顔認証判定部34Aは、顔画像記憶データの特定人物UAの顔と、顔画像データの対象人物Uの顔とが一致する場合はNGとして、警報信号を制御部40Aに送信する。また、この場合は、制御部40Aは、顔認証部32Aによって顔認証結果を取得しないため、表示部20Aに開閉操作画像F1を表示しない。そのため、自動ドア制御システム1Aは、お年寄りや子供等の特定人物UAが、表示部20Aにおいて入力部21を操作し、自動ドア本体11を開閉させて建物から外に飛び出したり、徘徊したりする虞を無くすことができる。
【0075】
また、本実施形態では、制御部40Aの備える発信部44が、識別部30Aから警報信号を取得すると、外部端末51と通信を行うことができる。そのため、自動ドア制御システム1Aの管理者は、外部端末51によって取得した情報から、特定人物UAが自動ドア装置10の周囲にいることを把握することができる。
【0076】
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0077】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について、
図13から
図15を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態では、いずれも第一実施形態と比較して、表示部と制御部とが異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
【0078】
ここで、本実施形態では、対象人物Uは、例えばICタグ33を身に着けており、特定人物UAではない管理者と、ICタグ33を身に着ける特定人物UAと、ICタグ33を身に着けていない人物とを含む。管理者とは、例えば、自動ドア制御システム1Bを管理する人物等である。
【0079】
図13は、自動ドア制御システム1Bの構成図である。
図14は、自動ドア制御システム1Bの表示部20Bに暗証番号入力画像F2が表示された状態を示す図である。
【0080】
自動ドア制御システム1Bの自動ドア制御装置2Bが備える表示部20Bは、第一実施形態に加えて、制御部40Bからの指示を取得して、記憶部41Bに記憶された開閉操作画像F1と、暗証番号入力画像F2と、操作に必要なその他の画像とを含む複数の操作画像Fを切り替えて表示することができる。
【0081】
表示部20Bは、第一実施形態と比較して、制御部40Bから画像表示指示を取得する前は操作画像Fの開閉操作画像F1を表示しない。また、表示部20Bは、制御部40Bから画像表示指示を取得する前は暗証番号入力画像F2を表示する。
【0082】
ここで、暗証番号入力画像F2は、例えば、
図14に示すような数字や記号を入力可能なテンキー画像である。暗証番号入力画像F2は、操作画像Fに含まれており、記憶部41Bに記憶されている。
【0083】
表示部20Bは、例えば図示しない記憶部に、管理者によって登録されたロック解除番号を記憶する。ロック解除番号は、任意に設定可能な数字である。表示部20Bは、暗証番号入力画像F2が表示され、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致する場合に、制御部40Bに開信号を送信する。表示部20Bは、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致しない場合は、制御部40Bに開信号を送信しない。
【0084】
また、表示部20Bは、第一実施形態と同様に、開閉操作画像F1が表示され、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力された場合に、制御部40に開信号を送信する。表示部20Bは、入力部21から開閉操作画像F1に対する操作が入力されない場合は、制御部40に開信号を送信しない。
【0085】
制御部40Bは、上述の実施形態と同様に、自動ドア制御システム1B全体の動作を制御する。制御部40Bは、記憶部41Bと、通信部42と、識別判定部43Bと、画像切替部45Bと、を備える。通信部42は、上述の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、制御部40Bは、上述の実施形態と同様に、さらに発信部44を備えていてもよい。
【0086】
記憶部41Bは、第一実施形態の記憶部41に加えて、複数の操作画像Fを記憶する。操作画像Fは、開閉操作画像F1と、暗証番号入力画像F2と、操作に必要なその他の画像と、を含む。記憶部41Bは、本実施形態では、
図4に示す開閉操作画像F1と、
図14に示す暗証番号入力画像F2とを記憶する。なお、記憶部41Bに記憶される画像データは、本実施形態に限定されない。
【0087】
また、記憶部41Bは、複数のグループGと、ICタグ33の識別情報が複数のグループGのいずれに属するかを示す識別分別情報を記憶する。グループGは、例えば、第一グループG1と第二グループG2とを含む。識別分別情報は、各グループGに割り振られている。ただし、記憶部41Bに記憶されるグループGは、本実施形態に限定されず二つ以上に構成されていてもよい。また、記憶部41Bは、ひとつのICタグ33の識別情報が複数のグループGに含まれるようなグループGを記憶してもよい。
【0088】
識別分別情報とは、各グループGに割り振られた情報である。記憶部41Bに記憶された識別分別情報は、後述の識別判定部43BによってICタグ33の識別情報が第一グループG1と第二グループG2とのいずれに属するかを判定できるように構成される。
【0089】
第一グループG1は、例えばICタグ33を身に着けている対象人物Uのうちお年寄りや子供等の特定人物UAが身に着けるICタグ33の識別情報が属するような識別分別情報を含む。第二グループG2は、ICタグ33を身に着けている対象人物Uのうち特定人物UAではない管理者が身に着けるICタグ33の識別情報が属するような識別分別情報を含む。ICタグ33は、本実施形態では、例えば、識別分別情報によって第一グループG1と第二グループG2とのいずれかに属される識別情報を記憶している。
【0090】
識別判定部43Bは、識別部30のICタグ読み取り部32からの識別結果に応じて、表示部20Bに操作画像Fを表示させるかどうかを判定する。具体的には、識別判定部43Bは、ICタグ33に記憶されている識別情報を識別結果として取得すると、記憶部41に記憶された識別分別情報によって識別情報が第一グループG1と第二グループG2とのいずれかに属するか判定する。識別判定部43Bは、識別情報が第一グループG1と第二グループG2とのいずれかに属するか判定することでさらに対象人物Uを識別する。識別判定部43Bは、例えば、ICタグ33の識別情報が第一グループG1に含まれていると判定すると、画像切替部45Bにその判定結果を送信する。識別判定部43Bは、ICタグ33の識別情報が第二グループG2に含まれていると判定すると、画像切替部45Bにその判定結果を送信する。なお、画像切替部45Bは、識別部30から識別結果を取得していない場合は、画像切替部45Bに判定結果を送信しない。
【0091】
画像切替部45Bは、識別判定部43Bから取得する判定結果に応じて、表示部20Bに表示させる操作画像Fを制御する。画像切替部45Bは、識別判定部43Bから判定結果を取得していない場合は、表示部20Bに画像表示指示を送信せず、
図14に示すように、表示部20Bに暗証番号入力画像F2を表示した状態を維持させる。
【0092】
また、画像切替部45Bは、判定結果が第一グループG1である場合は、その画像表示指示を表示部20Bに送信して、第一実施形態で説明した
図5に示すように、表示部が表示していた暗証番号入力画像F2の表示を消して表示しない。また、画像切替部45Bは、操作画像Fの開閉操作画像F1についても表示しない。
【0093】
また、画像切替部45Bは、判定結果が第二グループG2である場合は、複数の操作画像Fの中から開閉操作画像F1に切り替える指示を表示部20Bに送信する。そのため、画像切替部45Bは、表示部20Bが表示していた暗証番号入力画像F2に代えて開閉操作画像F1を表示させることができる。
【0094】
[自動ドア制御システム1Bの動作及び作用]
次に、
図15を参照して、第三実施形態に係る自動ドア制御システム1Bの動作及び作用について説明する。
図15は、自動ドア制御システム1Bの動作及び作用について示すフロー図である。ここで、ステップS4からステップS9については、上述の実施形態と同様である。始めに、記憶部41Bは、複数の操作画像Fを記憶する。記憶部41Bは、本実施形態では、開閉操作画像F1と、暗証番号入力画像F2とを記憶する。また、記憶部41Bは、複数のグループGと、ICタグ33の識別情報が複数のグループGのいずれに属するかを示す識別分別情報を記憶する。自動ドア制御システム1Bは、この状態で動作を開始する。
【0095】
(ステップS1b)
ステップS1bにおいて、建物内から外に出ようとする対象人物Uが自動ドア制御システム1Bに近づく。自動ドア制御システム1Bの識別部30に備えられたICタグ検出部31は、ICタグ33を常時監視する。ICタグ検出部31は、ICタグ33が電波領域P内に入ったかどうか検出する。識別部30は、ICタグ33が電波領域P内に入ったと検出しない場合は、ステップS4aを実行する。識別部30は、電波領域P内においてICタグ33を検出した場合は、ICタグ読み取り部32によってICタグ33に記憶されている識別情報を読み取り、検出情報と識別情報とを識別結果として制御部40Bに送信して、ステップS1cを実行する。
【0096】
(ステップS4a)
ステップS4a(操作画像制御ステップ)において、識別判定部43Bは、識別部30から識別結果を取得していない場合は、
図14に示すように、表示部20Bに暗証番号入力画像F2を表示した状態を維持させる。次に、識別判定部43BはステップS5aを実行する。
【0097】
(ステップS5a)
ステップS5a(入力ステップ)において、入力部21は、対象人物Uからの操作入力を受け付ける。表示部20Bは、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致する場合に、制御部40Bに開信号を送信する。次に、表示部20Bは、ステップS6を実行する。表示部20Bは、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致しない場合は、制御部40Bに開信号を送信せず、ステップS1bに戻り、識別部30のICタグ検出部31によって再度ICタグ33の常時監視を行う。
【0098】
(ステップS1c)
ステップS1cにおいて、制御部40Bの識別判定部43Bは、識別部30のICタグ読み取り部32からの識別結果に応じて、表示部20Bに操作画像Fを表示させるかどうかを判定する。識別判定部43Bは、記憶部41に記憶された識別分別情報によってICタグ33の識別情報から、ICタグ33が第一グループG1と第二グループG2とのどちらに含まれるかを判定する。識別判定部43Bは、ICタグ33が第二グループG2であると判定した場合は、画像切替部45Bに判定結果を送信し、ステップS4を実行する。一方、画像切替部45Bは、判定結果が第一グループG1である場合は、第一実施形態で説明した
図5に示すように、制御部40Bから画像表示指示を取得する前に表示部20Bが表示していた暗証番号入力画像F2の表示を消して表示しない。また、画像切替部45Bは、操作画像Fの開閉操作画像F1についても表示部20Bに表示しない。そして、自動ドア制御システム1Bは、動作を完了する。
【0099】
(ステップS4)
ステップS4(操作画像制御ステップ)において、画像切替部45Bは、第一実施形態と同様に、識別判定部43Bから取得する判定結果に応じて、表示部20Bに表示させる操作画像Fを制御する。ここで、画像切替部45Bは、判定結果が第二グループG2である場合は、複数の操作画像Fの中から開閉操作画像F1に切り替える指示を表示部20Bに送信する。本実施形態では、表示部20Bは、制御部40Bから画像表示指示を取得する前は暗証番号入力画像F2を表示する。そのため、画像切替部45Bは、判定結果が第二グループG2である場合は、表示部20Bが表示していた暗証番号入力画像F2に代えて開閉操作画像F1を表示させる。次に、画像切替部45Bは、ステップS5を実行する。ステップS5は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
(ステップS6~9)
ステップS6~ステップS9は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。以上のステップが終わると、自動ドア制御システム1Bは動作を終了する。
【0101】
本実施形態では、制御部40Bの画像切替部45Bが、識別判定部43Bから取得する判定結果に応じて、表示部20Bに表示する操作画像Fを切り替えることができる。自動ドア制御システム1Bの記憶部41Bに記憶された識別分別情報は、後述の識別判定部43BによってICタグ33の識別情報が第一グループG1と第二グループG2とのいずれに属するかを判定できるように構成される。また、第一グループG1は、例えばICタグ33を身に着けている対象人物Uのうちお年寄りや子供等の特定人物UAが身に着けるICタグ33の識別情報が属するような識別分別情報を含む。第二グループG2は、ICタグ33を身に着けている対象人物Uのうち特定人物UAではない管理者が身に着けるICタグ33の識別情報が属するような識別分別情報を含む。ICタグ33は、本実施形態では、例えば、識別分別情報によって第一グループG1と第二グループG2とのいずれかに属される識別情報を記憶している。制御部40Bの画像切替部45Bは、第二グループG2の場合に、暗証番号入力画像F2に代えて暗証番号入力画像F2を表示部20Bに表示させる。開閉操作画像F1は、暗証番号入力画像F2と比較して、ボタンスイッチの押下のみで自動ドア装置の開閉を操作できるため、短時間で容易に自動ドア装置の開閉を行うことができる。また、制御部40Bは、第一グループG1の場合に、暗証番号入力画像F2の表示を消して表示しない。また、制御部40Bは、操作画像Fの開閉操作画像F1についても表示部20Bに表示しない。この構成により、自動ドア制御システム1Bは特定人物UAが表示部20Bに表示される入力部21を操作不能にして、自動ドア装置10を制御することができる。そのため、お年寄りや子供等の特定人物UAが建物から外に飛び出したり、徘徊したりする虞を無くすことができる。
【0102】
また、本実施形態では、暗証番号入力画像F2は、制御部40Bから画像表示指示を取得する前は表示部20Bに表示されている。そのため、ICタグ33を身に着けていない人物が、自動ドア装置の開閉を操作したい場合に、暗証番号入力画像F2から情報を入力して、開信号を制御部40に送信することができる。
【0103】
また、本実施形態では、暗証番号入力画像F2が、数字や記号を入力可能なテンキー画像である。表示部20は、暗証番号入力画像F2が表示され、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致する場合に、制御部40Bに開信号を送信することができる。そのため、特定人物UAがICタグ33を身に着けていない場合においても、容易に自動ドア装置10の自動ドア本体11が開閉されてしまうのを防止することができる。
【0104】
以上、本発明の第三実施形態について図面を参照して詳述したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の省略、置き換え、設計変更等も含まれる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0105】
(変形例)
上述の実施形態では、ICタグは、対象人物Uのうち、特定人物UAが身に着けているが、特に限定されず、特定人物UAでない特定外の人物が身に着けておいてもよい。また、識別部は、ICタグ検出部を複数配置し、ICタグ読み取り部32によって異なる種類のICタグを検出可能に設定することで、異なる識別結果を制御部に送信してもよい。
【0106】
また、上述の実施形態の識別部は、ICタグ検出部によるICタグの検出と、顔認証部による対象人物Uの顔の検出との両方を行ってもよい。この場合は、自動ドア制御システム1Bは、特定人物UAが自動ドア装置の開閉を操作して、特定人物UAが建物から外に飛び出したり、徘徊したりする虞をさらに削減することができる。
【0107】
また、上述の実施形態の操作画像は、特に限定されない。操作画像は、例えば、
図16に示すように、インターホンとなる画像であってもよい。この場合は、表示部を室外側C2に備えることで、建物の外部から内部に入ろうとする対象人物に対して、
図16に示すインターホンとなる操作画像を用いることができる。
【0108】
また、上述の実施形態の制御部の記憶部は、特定人物UAの顔が紐付いた顔画像記憶データのうち第一グループと、第一グループではない第二グループとのいずれに属するかを示す識別分別情報を記憶してもよい。また、識別部の顔認証判定部は、対象人物Uの顔に一致した、または一致しないと識別した特定人物UAの顔の顔画像記憶データを顔認証結果(識別情報)に含めて制御部に送信してもよい。そして、識別判定部は、識別部の顔認証判定部から顔認証結果を取得すると、記憶部に記憶された識別分別情報によって顔認証結果(識別情報)が第一グループG1と第二グループG2とのいずれかに属するか判定することでさらに対象人物Uを識別することができる。この構成により、制御部は、判定結果に応じて、表示部に表示させる操作画像を制御することができる。この場合においても、本発明の自動ドア制御システムは、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができる。
【0109】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムの自動ドア装置は、さらに開閉を検知するセンサ等を備えていてもよい。また、自動ドア本体付近に人がいるかどうかを検知するセンサを備えていてもよい。
【0110】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムは、時間ごとに実施形態を変更してもよい。自動ドア制御システムは、例えば、自動ドア装置を使用した建物内外への通行が多い場合には、ICタグ検出や顔認証の識別部を使用せず、建物内外への通行が少ない場合にのみ、識別部を使用できるように設定されていてもよい。
【0111】
また、第三実施形態に係る自動ドア制御システムの制御部40Bは、判定結果が第二グループG2である場合に、表示部20Bにおいて表示していた暗証番号入力画像F2に代えて開閉操作画像F1を表示させなくてもよい。制御部40Bは、表示部20Bに暗証番号入力画像F2を表示した状態を維持してもよい。また、制御部40Bは、判定結果が第二グループG2であり、暗証番号入力画像F2が表示された状態において、暗証番号入力画像F2のテンキー画像によって入力部21から入力された数字の暗証番号が記憶されたロック解除番号と一致する場合に、表示していた暗証番号入力画像F2に代えて開閉操作画像F1を表示するように制御してもよい。
【0112】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムの表示部は、操作可能な画像でなくてもよい。また、表示部は、時間や環境、その時の状況ごとに画像が変更されるように制御されていてもよい。
図17は、本発明の自動ドア制御システムの他の変形例を説明する図であり、(a)は、夜間時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。(b)は、非セキュリティ時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。(b)は、対象人物が検知された時において、表示部に画像が表示された状態を示す図である。表示部は、例えば、営業時間を設けている施設に設けられ、夜間時に
図17(a)に示す画像を表示することで、自動ドア装置に近づく対象人物に対して営業が終了したことを認識させることができる。また、表示部は、例えば、上述の実施形態以外のような非セキュリティ時には、
図17(b)に示す画像を表示することで、どの対象人物に対しても自動ドア装置を通過可能なことを認識させることができる。さらに、表示部は、
図17(c)に示す画像を表示することで、検知された対象人物に対して設置された施設の職員等の管理者に自動ドア装置を開閉してもらうように促すことができる。
【0113】
また、上述の実施形態に係る自動ドア制御システムの表示部は、制御部40Bから画像表示指示を取得する前に操作画像を表示しなくてもよい。この場合は、表示部は、例えば表示面に操作画像を表示しない状態で表示面を触れられると、制御部に起動情報等を制御部に送信することで、制御部は、識別結果に応じて表示部に操作画像を表示させることができる。また、例えば、自動ドア制御システムが自動ドア装置に近づく対象人物を検知可能なセンサ(不図示)をさらに備えることで、制御部がセンサから情報を取得し、表示部に操作画像を表示させてもよい。
【0114】
いずれの上記実施形態においても、本発明に係る自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法によれば、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明に係る自動ドア制御システム、自動ドア制御装置及び自動ドアの制御方法によれば、特定の人物が建物に設置された自動ドアを容易に開閉するのを防止することができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
1、1A、1B 自動ドア制御システム
2、2A、2B 自動ドア制御装置
10 自動ドア装置
11 自動ドア本体(自動ドア)
12 自動ドア駆動部
13 ロック機構
14 ドア制御部
20、20A、20B 表示部
21 入力部
30、30A 識別部
31 ICタグ検出部
32 ICタグ読み取り部
33 ICタグ
31A カメラ(撮影部)
32A 顔認証部
33A 顔データ記憶部(記憶部)
34A 顔認証判定部(顔認証部)
40、40A、40B 制御部
41、41B 記憶部
42 通信部
43、43A、43B 識別判定部
44 発信部
45B 画像切替部
50 通信回線網
51 外部端末
A 鉛直方向
B 左右方向
C 室内外方向
F 操作画像
F1 開閉操作画像
F2 暗証番号入力画像
G1 第一グループ
G2 第二グループ
H 壁部
T 開口部
TA 出入り口
U 対象人物
UA 特定人物
P 電波領域
PA 撮影範囲