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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172257
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法及び蒸着装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/10 20060101AFI20231129BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231129BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231129BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20231129BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20231129BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20231129BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20231129BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20231129BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231129BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H05B33/10
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/22 Z
H05B33/12 B
H05B33/04
H05B33/26 Z
C23C14/24 J
G09F9/00 342
G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083932
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水越 寛文
(72)【発明者】
【氏名】福田 加一
(72)【発明者】
【氏名】竹中 貴史
(72)【発明者】
【氏名】高山 健
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC45
3K107DD44X
3K107DD44Y
3K107DD89
3K107DD95
3K107EE46
3K107EE48
3K107FF00
3K107GG04
3K107GG13
3K107GG28
3K107GG32
4K029AA09
4K029AA11
4K029AA24
4K029AA25
4K029BA21
4K029BA42
4K029BC07
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB04
4K029DB05
4K029JA02
4K029KA01
5C094AA31
5C094BA27
5C094DA07
5C094EA07
5C094FB02
5G435AA14
5G435BB05
5G435EE09
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】一実施形態によれば、表示装置の製造方法は、基板の上方に下電極を形成し、前記下電極と重なる開口を有するリブを形成し、前記リブの上に位置する下部及び前記下部の上に位置し前記下部の側面から突出した上部を含む隔壁を形成した処理基板を用意し、前記開口において前記下電極の上に有機層を形成し、前記有機層の上にエッチングストッパー層を形成し、前記エッチングストッパー層を形成する工程は、チャンバーの内部に処理基板を搬入し、前記チャンバーの内部において、前記処理基板の法線に対して傾斜した蒸着源から前記エッチングストッパー層を形成するための材料を放射し、前記法線に直交する面内で前記処理基板を回転させながら搬送し、前記蒸着源から放射された前記材料を前記処理基板に蒸着する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に下電極を形成し、前記下電極と重なる開口を有するリブを形成し、前記リブの上に位置する下部及び前記下部の上に位置し前記下部の側面から突出した上部を含む隔壁を形成した処理基板を用意し、
前記開口において前記下電極の上に有機層を形成し、
前記有機層の上にエッチングストッパー層を形成し、
前記エッチングストッパー層を形成する工程は、
チャンバーの内部に処理基板を搬入し、
前記チャンバーの内部において、前記処理基板の法線に対して傾斜した蒸着源から前記エッチングストッパー層を形成するための材料を放射し、
前記法線に直交する面内で前記処理基板を回転させながら搬送し、前記蒸着源から放射された前記材料を前記処理基板に蒸着する、表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記チャンバーの内部において、前記処理基板を360°回転させながら搬送する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記チャンバーの内部において、前記処理基板を180°回転させながら搬送する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記エッチングストッパー層として、前記有機層の上に上電極を形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
さらに、前記エッチングストッパー層の上にキャップ層を形成し、
前記キャップ層の上に封止層を形成し、
前記封止層の上にパターニングしたレジストを形成し、
前記レジストをマスクとして、前記封止層のドライエッチングを行い、
前記封止層のドライエッチングに際して、前記エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記封止層のエッチングレートより小さい、請求項4に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記リブ及び前記封止層は、シリコン窒化物で形成する、請求項5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記上電極は、マグネシウム及び銀の合金で形成する、請求項6に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
さらに、前記有機層の上に上電極を形成し、
前記上電極の上に透明層を形成し、
前記透明層の上に、前記エッチングストッパー層として無機層を形成し、
前記無機層の上に封止層を形成し、
前記封止層の上にパターニングしたレジストを形成し、
前記レジストをマスクとして、前記封止層のドライエッチングを行い、
前記封止層のドライエッチングに際して、前記エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記封止層のエッチングレートより小さい、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記リブ及び前記封止層は、シリコン窒化物で形成する、請求項8に記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記無機層は、フッ化リチウム(LiF)で形成する、請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
チャンバーと、
前記チャンバーに収容された蒸着源と、
前記チャンバーに搬入された処理基板の法線に直交する面内で前記処理基板を回転させながら搬送する搬送機構と、を備え、
前記蒸着源は、前記処理基板の前記法線に対して傾斜し、前記搬送機構により回転しながら搬送される前記処理基板に向けて、エッチングストッパー層を形成するための材料を放射するように構成されている、蒸着装置。
【請求項12】
前記搬送機構は、前記チャンバーの内部において、前記処理基板を360°回転させながら搬送する、請求項11に記載の蒸着装置。
【請求項13】
前記搬送機構は、前記チャンバーの内部において、前記処理基板を180°回転させながら搬送する、請求項11に記載の蒸着装置。
【請求項14】
前記蒸着源から放射される前記材料は、マグネシウム及び銀の混合物である、請求項11に記載の蒸着装置。
【請求項15】
前記蒸着源から放射される前記材料は、フッ化リチウム(LiF)である、請求項11に記載の蒸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置の製造方法及び蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。この表示素子は、薄膜トランジスタを含む画素回路と、画素回路に接続された下電極と、下電極を覆う有機層と、有機層を覆う上電極と、を備えている。有機層は、発光層の他に、正孔輸送層や電子輸送層などの機能層を含んでいる。
このような表示素子を製造する過程において、信頼性の低下を抑制する技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【特許文献6】国際公開第2018/179308号
【特許文献7】米国特許出願公開第2022/0077251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置の製造方法及び蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、表示装置の製造方法は、
基板の上方に下電極を形成し、前記下電極と重なる開口を有するリブを形成し、前記リブの上に位置する下部及び前記下部の上に位置し前記下部の側面から突出した上部を含む隔壁を形成した処理基板を用意し、前記開口において前記下電極の上に有機層を形成し、前記有機層の上にエッチングストッパー層を形成し、前記エッチングストッパー層を形成する工程は、チャンバーの内部に処理基板を搬入し、前記チャンバーの内部において、前記処理基板の法線に対して傾斜した蒸着源から前記エッチングストッパー層を形成するための材料を放射し、前記法線に直交する面内で前記処理基板を回転させながら搬送し、前記蒸着源から放射された前記材料を前記処理基板に蒸着する。
【0006】
一実施形態によれば、蒸着装置は、
チャンバーと、前記チャンバーに収容された蒸着源と、前記チャンバーに搬入された処理基板の法線に直交する面内で前記処理基板を回転させながら搬送する搬送機構と、を備え、前記蒸着源は、前記処理基板の前記法線に対して傾斜し、前記搬送機構により回転しながら搬送される前記処理基板に向けて、エッチングストッパー層を形成するための材料を放射するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
図2図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。
図3図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
図4図4は、表示素子201乃至203の構成の一例を示す図である。
図5図5は、図2中のC-D線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
図6図6は、図2中のE-F線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
図7図7は、図2中のC-D線に沿う表示装置DSPの他の断面図である。
図8図8は、図2中のE-F線に沿う表示装置DSPの他の断面図である。
図9図9は、蒸着装置EVを説明するための図である。
図10図10は、図9に示した蒸着装置EVにおいて、処理基板SUBを360°回転させる場合を説明するための図である。
図11図11は、図9に示した蒸着装置EVにおいて、処理基板SUBを180°回転させる場合を説明するための図である。
図12図12は、表示装置DSPの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
図13図13は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図14図14は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図15図15は、第1薄膜31の形成過程を説明するための図である。
図16図16は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図17図17は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図18図18は、第1薄膜31の除去過程を説明するための図である。
図19図19は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向と称し、Y軸に沿った方向を第2方向と称し、Z軸に沿った方向を第3方向と称する。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末等に搭載され得る。
【0011】
図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
表示装置DSPは、絶縁性の基板10の上に、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周辺の周辺領域SAと、を有している。基板10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限らず、正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
【0013】
表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを含む。一例では、画素PXは、第1色の副画素SP1、第2色の副画素SP2および第3色の副画素SP3を含む。第1色、第2色、及び、第3色は、互いに異なる色である。なお、画素PXは、副画素SP1,SP2,SP3とともに、あるいは副画素SP1,SP2,SP3のいずれかに代えて、白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0014】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子20とを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2および駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0015】
画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極およびドレイン電極の一方は信号線SLに接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極およびキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3において、ソース電極およびドレイン電極の一方は電源線PLおよびキャパシタ4に接続され、他方は表示素子20のアノードに接続されている。
【0016】
なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。例えば、画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタおよびキャパシタを備えてもよい。
【0017】
表示素子20は、発光素子としての有機発光ダイオード(OLED)であり、有機EL素子と称する場合がある。
【0018】
図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。
図2の例においては、副画素SP2と副画素SP3が第2方向Yに並んでいる。さらに、副画素SP2,SP3がそれぞれ副画素SP1と第1方向Xに並んでいる。
【0019】
副画素SP1,SP2,SP3がこのようなレイアウトである場合、表示領域DAには、副画素SP2,SP3が第2方向Yに交互に配置された列と、複数の副画素SP1が第2方向Yに繰り返し配置された列とが形成される。これらの列は、第1方向Xに交互に並ぶ。
【0020】
なお、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトは図2の例に限られない。他の一例として、各画素PXにおける副画素SP1,SP2,SP3が第1方向Xに順に並んでいてもよい。
【0021】
表示領域DAには、リブ5および隔壁6が配置されている。リブ5は、副画素SP1,SP2,SP3においてそれぞれ開口AP1,AP2,AP3を有している。
【0022】
隔壁6は、平面視においてリブ5と重なっている。隔壁6は、第1方向Xに延びる複数の第1隔壁6xと、第2方向Yに延びる複数の第2隔壁6yとを有している。複数の第1隔壁6xは、第2方向Yに隣り合う開口AP2,AP3の間、および、第2方向Yに隣り合う2つの開口AP1の間にそれぞれ配置されている。第2隔壁6yは、第1方向Xに隣り合う開口AP1,AP2の間、および、第1方向Xに隣り合う開口AP1,AP3の間にそれぞれ配置されている。
【0023】
図2の例においては、第1隔壁6xおよび第2隔壁6yは、互いに接続されている。これにより、隔壁6は、全体として開口AP1,AP2,AP3を囲う格子状に形成されている。隔壁6は、リブ5と同様に副画素SP1,SP2,SP3において開口を有するということもできる。
【0024】
副画素SP1,SP2,SP3は、表示素子20として、それぞれ表示素子201,202,203を備えている。
副画素SP1は、開口AP1とそれぞれ重なる下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1を備えている。副画素SP2は、開口AP2とそれぞれ重なる下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2を備えている。副画素SP3は、開口AP3とそれぞれ重なる下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3を備えている。
【0025】
図2の例においては、下電極LE1、LE2、LE3の外形は点線で示し、有機層OR1、OR2、OR3、および、上電極UE1、UE2、UE3の外形は一点鎖線で示している。下電極LE1、LE2、LE3のそれぞれの周縁部は、リブ5に重なっている。なお、図示した下電極、有機層、上電極のそれぞれの外形は、正確な形状を反映したものとは限らない。
【0026】
下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1は、副画素SP1の表示素子201を構成する。下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2は、副画素SP2の表示素子202を構成する。下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3は、副画素SP3の表示素子203を構成する。
【0027】
下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、表示素子のアノードに相当する。上電極UE1、UE2、UE3は、表示素子のカソード、あるいは、共通電極に相当する。
【0028】
下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素SP1の画素回路1(図1参照)に接続されている。下電極LE2は、コンタクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回路1に接続されている。
【0029】
図2の例においては、開口AP1の面積が開口AP2の面積よりも大きく、開口AP2の面積が開口AP3の面積よりも大きい。換言すると、開口AP1から露出した下電極LE1の面積は開口AP2から露出した下電極LE2の面積よりも大きく、開口AP2から露出した下電極LE2の面積は開口AP3から露出した下電極LE3の面積よりも大きい。
【0030】
例えば、副画素SP1の表示素子201は、青波長域の光を放つように構成される。また、副画素SP2の表示素子202は、緑波長域の光を放つように構成され、また、副画素SP3の表示素子203は、赤波長域の光を放つように構成される。
【0031】
図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
上述の基板10の上に回路層11が配置されている。回路層11は、図1に示した画素回路1、走査線GL、信号線SLおよび電源線PLなどの各種回路や配線を含む。回路層11は、絶縁層12により覆われている。絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化する平坦化膜として機能する。
【0032】
下電極LE1,LE2,LE3は、絶縁層12の上に配置されている。リブ5は、絶縁層12および下電極LE1,LE2,LE3の上に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3の端部は、リブ5により覆われている。つまり、下電極LE1,LE2,LE3の端部は、絶縁層12とリブ5との間に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3のうち、互いに隣接する下電極の間では、絶縁層12がリブ5により覆われている。
【0033】
隔壁6は、リブ5の上に配置された下部(茎)61と、下部61の上に配置された上部(笠)62と、を含む。図の左側に示した隔壁6の下部61は、開口AP1と開口AP2との間に位置している。図の右側に示した隔壁6の下部61は、開口AP2と開口AP3との間に位置している。上部62は、下部61よりも大きい幅を有している。これにより、図3においては上部62の両端部が下部61の側面よりも突出している。このような隔壁6の形状は、オーバーハング状ということもできる。上部62のうち、下部61よりも開口AP1に向かって突出した部分は突出部621と称し、下部61よりも開口AP2に向かって突出した部分は突出部622と称し、下部61よりも開口AP3に向かって突出した部分は突出部623と称する。
【0034】
有機層OR1は、開口AP1を通じて下電極LE1に接触し、下電極LE1を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。上電極UE1は、下電極LE1と対向するとともに、有機層OR1の上に配置されている。さらに、上電極UE1は、下部61の側面に接触している。有機層OR1及び上電極UE1は、上部62よりも下方に位置している。
【0035】
有機層OR2は、開口AP2を通じて下電極LE2に接触し、下電極LE2を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。上電極UE2は、下電極LE2と対向するとともに、有機層OR2の上に配置されている。さらに、上電極UE2は、下部61の側面に接触している。有機層OR2及び上電極UE2は、上部62よりも下方に位置している。
【0036】
有機層OR3は、開口AP3を通じて下電極LE3に接触し、下電極LE3を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。上電極UE3は、下電極LE3と対向するとともに、有機層OR3の上に配置されている。さらに、上電極UE3は、下部61の側面に接触している。有機層OR3及び上電極UE3は、上部62よりも下方に位置している。
【0037】
図3に示す例では、副画素SP1,SP2,SP3は、有機層OR1,OR2,OR3の発光層が発する光の光学特性を調整するためのキャップ層(光学調整層)CP1、CP2、CP3を含む。
キャップ層CP1は、開口AP1に位置し、上部62よりも下方に位置し、上電極UE1の上に配置されている。キャップ層CP2は、開口AP2に位置し、上部62よりも下方に位置し、上電極UE2の上に配置されている。キャップ層CP3は、開口AP3に位置し、上部62よりも下方に位置し、上電極UE3の上に配置されている。
【0038】
副画素SP1,SP2,SP3には、封止層SE1,SE2,SE3がそれぞれ配置されている。
封止層SE1は、キャップ層CP1、及び、隔壁6の下部61及び上部62に接し、副画素SP1の各部材を連続的に覆っている。封止層SE2は、キャップ層CP2、及び、隔壁6の下部61及び上部62に接し、副画素SP2の各部材を連続的に覆っている。封止層SE3は、キャップ層CP3、及び、隔壁6の下部61及び上部62に接し、副画素SP3の各部材を連続的に覆っている。
封止層SE1,SE2,SE3は、保護層13により覆われている。
【0039】
図3に示す例では、有機層OR1の一部、上電極UE1の一部、及び、キャップ層CP1の一部は、隔壁6と封止層SE1との間に位置し、上部62の上に配置され、上部62よりも下方に位置する部分とは離間している。
また、有機層OR2の一部、上電極UE2の一部、及び、キャップ層CP2の一部は、隔壁6と封止層SE2との間に位置し、上部62の上に配置され、上部62よりも下方に位置する部分とは離間している。
また、有機層OR3の一部、上電極UE3の一部、及び、キャップ層CP3の一部は、隔壁6と封止層SE3との間に位置し、上部62の上に配置され、上部62よりも下方に位置する部分とは離間している。
【0040】
絶縁層12は、有機絶縁層である。リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3は、無機絶縁層である。
【0041】
封止層SE1,SE2,SE3は、例えば、同一の無機絶縁材料で形成されている。
リブ5は、無機絶縁材料の一例であるシリコン窒化物(SiNx)で形成されている。なお、リブ5は、他の無機絶縁材料として、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)のいずれかの単層体として形成されてもよい。また、リブ5は、シリコン窒化物層、シリコン酸化物層、シリコン酸窒化物層、及び、酸化アルミニウム層のうちの少なくとも2つの組合せによる積層体として形成されてもよい。
封止層SE1,SE2,SE3は、無機絶縁材料の一例であるシリコン窒化物(SiNx)で形成されている。なお、封止層SE1,SE2,SE3は、他の無機絶縁材料として、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)のいずれかの単層体として形成されてもよい。また、封止層SE1,SE2,SE3は、シリコン窒化物層、シリコン酸化物層、シリコン酸窒化物層、及び、酸化アルミニウム層のうちの少なくとも2つの組合せによる積層体として形成されてもよい。このため、封止層SE1,SE2,SE3は、リブ5と同一材料で形成される場合があり得る。
【0042】
隔壁6の下部61は、導電材料によって形成され、各上電極UE1,UE2,UE3と電気的に接続されている。隔壁6の下部61及び上部62がいずれも導電性を有してもよい。
【0043】
リブ5の厚さは、隔壁6や絶縁層12の厚さに比べて十分に小さい。一例では、リブ5の厚さは、200nm以上かつ400nm以下である。
隔壁6の下部61の厚さ(リブ5の上面から上部62の下面までの厚さ)は、リブ5の厚さより大きい。
封止層SE1の厚さ、封止層SE2の厚さ、及び、封止層SE3の厚さは、ほぼ同等である。
【0044】
下電極LE1,LE2,LE3は、ITOなどの透明導電材料で形成されてもよいし、銀(Ag)などの金属材料と透明導電材料の積層構造を有してもよい。上電極UE1,UE2,UE3は、例えばマグネシウム及び銀の合金(MgAg)などの金属材料で形成されている。上電極UE1,UE2,UE3は、ITOなどの透明導電材料で形成されてもよい。
【0045】
有機層OR1は、発光層EM1を含む。有機層OR2は、発光層EM2を含む。発光層EM2は、発光層EM1とは異なる材料で形成されている。有機層OR3は、発光層EM3を含む。発光層EM3は、発光層EM1及びEM2とは異なる材料で形成されている。
【0046】
発光層EM1を形成する材料、発光層EM2を形成する材料、及び、発光層EM3を形成する材料は、互いに異なる波長域の光を放つ材料である。
一例では、発光層EM1は、青波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM2は、緑波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM3は、赤波長域の光を放つ材料によって形成されている。
【0047】
キャップ層CP1、CP2、CP3は、例えば、透明な薄膜の多層体によって形成されている。多層体は、薄膜として、無機材料によって形成された薄膜及び有機材料によって形成された薄膜を含んでいてもよい。また、これらの複数の薄膜は、互いに異なる屈折率を有している。多層体を構成する薄膜の材料は、上電極UE1、UE2、UE3の材料とは異なり、また、封止層SE1、SE2、SE3の材料とも異なる。なお、キャップ層CP1、CP2、CP3は、省略してもよい。
【0048】
保護層13は、透明な薄膜の多層体によって形成され、例えば、薄膜として、無機材料によって形成された薄膜及び有機材料によって形成された薄膜を含んでいる。
【0049】
隔壁6には、共通電圧が供給されている。この共通電圧は、下部61の側面に接触した各上電極UE1,UE2,UE3にそれぞれ供給される。下電極LE1,LE2,LE3には、副画素SP1,SP2,SP3がそれぞれ有する画素回路1を通じて画素電圧が供給される。
【0050】
下電極LE1と上電極UE1の間に電位差が形成されると、有機層OR1のうちの発光層EM1が青波長域の光を放つ。下電極LE2と上電極UE2の間に電位差が形成されると、有機層OR2のうちの発光層EM2が緑波長域の光を放つ。下電極LE3と上電極UE3の間に電位差が形成されると、有機層OR3のうちの発光層EM3が青波長域の光を放つ。
【0051】
図4は、表示素子201乃至203の構成の一例を示す図である。なお、ここでは、下電極がアノードに相当し、上電極がカソードに相当する場合を例について説明する。
【0052】
表示素子201は、下電極LE1と上電極UE1との間に有機層OR1を含む。
有機層OR1において、正孔注入層HIL1、正孔輸送層HTL1、電子ブロッキング層EBL1、発光層EM1、正孔ブロッキング層HBL1、電子輸送層ETL1、及び、電子注入層EIL1は、この順に積層されている。
キャップ層CP1は、透明層TL1及び無機層IL1を含む。透明層TL1は、上電極UE1の上に配置されている。無機層IL1は、透明層TL1の上に配置されている。封止層SE1は、無機層IL1の上に配置されている。
【0053】
表示素子202は、下電極LE2と上電極UE2との間に有機層OR2を含む。
有機層OR2において、正孔注入層HIL2、正孔輸送層HTL2、電子ブロッキング層EBL2、発光層EM2、正孔ブロッキング層HBL2、電子輸送層ETL2、及び、電子注入層EIL2は、この順に積層されている。
キャップ層CP2は、透明層TL2及び無機層IL2を含む。透明層TL2は、上電極UE2の上に配置されている。無機層IL2は、透明層TL2の上に配置されている。封止層SE2は、無機層IL2の上に配置されている。
【0054】
表示素子203は、下電極LE3と上電極UE3との間に有機層OR3を含む。
有機層OR3において、正孔注入層HIL3、正孔輸送層HTL3、電子ブロッキング層EBL3、発光層EM3、正孔ブロッキング層HBL3、電子輸送層ETL3、及び、電子注入層EIL3は、この順に積層されている。
キャップ層CP3は、透明層TL3及び無機層IL3を含む。透明層TL3は、上電極UE3の上に配置されている。無機層IL3は、透明層TL3の上に配置されている。封止層SE3は、無機層IL3の上に配置されている。
【0055】
透明層TL1、TL2、TL3は、例えば有機材料によって形成された有機層であり、また、上電極UE1、UE2、UE3よりも大きい屈折率を有する高屈折率層である。無機層IL1、IL2、IL3は、例えば、フッ化リチウム(LiF)またはシリコン酸化物(SiO)によって形成された透明な薄膜であり、透明層TL1、TL2、TL3よりも小さい屈折率を有する低屈折率層である。
なお、キャップ層CP1、CP2、CP3は、3層以上の積層体であってもよい。
【0056】
有機層OR1、OR2、OR3は、上記した機能層の他に、必要に応じてキャリア発生層などの他の機能層を含んでいてもよいし、上記した機能層の少なくとも1つが省略されてもよい。
また、上記の機能層は、それぞれ表示素子201乃至203毎に個別に形成される。このため、上記の機能層の各々の厚さは、表示素子201乃至203毎に異なる場合があり得る。
【0057】
図4に示す例では、表示素子201において、上電極UE1及び無機層IL1の少なくとも一方は、封止層SE1をドライエッチングする際のエッチングストッパー層として機能する。表示素子202において、上電極UE2及び無機層IL2の少なくとも一方は、封止層SE2をドライエッチングする際のエッチングストッパー層として機能する。表示素子203において、上電極UE3及び無機層IL3の少なくとも一方は、封止層SE3をドライエッチングする際のエッチングストッパー層として機能する。
【0058】
エッチングストッパー層と封止層とを同一条件でドライエッチングした際のエッチングレートを比較すると、エッチングストッパー層(上電極または無機層)のエッチングレートは、封止層のエッチングレートより小さい。このため、エッチングストッパー層の上に封止層が積層された積層体について、ドライエッチングを行った場合、封止層が除去される一方で、エッチングストッパー層においてエッチングの進行を止めることができる。
例えば、エッチングストッパー層として機能する上電極UE1、UE2、UE3は、リブ5とは異なる材料によって形成され、また、封止層SE1,SE2,SE3とは異なる材料によって形成されている。例えば、リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3がシリコン窒化物で形成されているのに対して、上電極UE1、UE2、UE3は、シリコン窒化物と比較して、ドライエッチングに対して高い耐性を有する材料であるマグネシウム及び銀の合金で形成されている。
【0059】
他の例として、エッチングストッパー層として機能する無機層IL1、IL2、IL3は、リブ5とは異なる材料によって形成され、また、封止層SE1,SE2,SE3とは異なる材料によって形成されている。例えば、リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3がシリコン窒化物で形成されているのに対して、無機層IL1、IL2、IL3は、シリコン窒化物と比較して、ドライエッチングに対して高い耐性を有する材料であるフッ化リチウムで形成されている。
【0060】
ここで、上電極UE1がエッチングストッパー層として機能する場合について説明する。
【0061】
図5は、図2中のC-D線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図5に示す断面図は、副画素SP1の第1方向Xに沿った一対の短辺と交差する断面図に相当し、第2方向Yに並んだ複数の副画素SP1を含む。なお、図5では、図3に示した基板、回路層、保護層の図示を省略する。
【0062】
図の中央に位置する副画素SP1に着目する。有機層OR1の第2方向Yに沿った両端部は、リブ5の上に位置し、隔壁6から離間している。つまり、隔壁6と有機層OR1との間では、リブ5が露出している。
【0063】
上電極UE1は、有機層OR1を覆い、また、有機層OR1と隔壁6との間のリブ5を覆っている。また、上電極UE1の第2方向Yに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、図示した例では、副画素SP1の第1方向Xに沿った一対の短辺において、上電極UE1は、リブ5と封止層SE1との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0064】
キャップ層CP1は、上電極UE1の上に配置されている。図示した例では、キャップ層CP1は、隔壁6から離間している。但し、キャップ層CP1の一部が隔壁6に接している場合もあり得る。
【0065】
図6は、図2中のE-F線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図6に示す断面図は、副画素SP1の第2方向Yに沿った一対の長辺と交差する断面図に相当し、第1方向Xにおいて交互に並んだ副画素SP1及び副画素SP2を含む。なお、図6では、図3に示した基板、回路層、保護層の図示を省略する。
【0066】
図の右側に位置する副画素SP1に着目する。有機層OR1の第1方向Xに沿った両端部は、リブ5の上に位置し、隔壁6から離間している。つまり、隔壁6と有機層OR1との間では、リブ5が露出している。
【0067】
上電極UE1は、有機層OR1を覆い、また、有機層OR1と隔壁6との間のリブ5を覆っている。また、上電極UE1の第1方向Xに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、図示した例では、副画素SP1の第2方向Yに沿った一対の長辺において、上電極UE1は、リブ5と封止層SE3との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0068】
このように、副画素SP1においては、上電極UE1は、第1方向Xに沿った一対の短辺及び第2方向Yに沿った一対の長辺において、隔壁6に接している。つまり、上電極UE1は、副画素SP1の全周にわたって隔壁6に接し、隔壁6と有機層OR1との間のリブ5を覆っている。
【0069】
副画素SP2においても、上電極UE2は、副画素SP2の全周に亘って、隔壁6と有機層OR1との間のリブ5を覆っている。例えば、図6の左側に位置する副画素SP2に着目する。有機層OR2の第1方向Xに沿った両端部は、リブ5の上に位置し、隔壁6から離間している。上電極UE2は、有機層OR2を覆い、また、有機層OR2と隔壁6との間のリブ5を覆っている。また、上電極UE2の第1方向Xに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、上電極UE2は、リブ5と封止層SE2との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0070】
同様に、副画素SP3においても、上電極UE3は、副画素SP3の全周に亘って、隔壁6と有機層OR1との間のリブ5を覆い、リブ5と封止層SE3との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0071】
次に、無機層IL1がエッチングストッパー層として機能する場合について説明する。
【0072】
図7は、図2中のC-D線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。なお、図7では、図3に示した基板、回路層、保護層の図示を省略する。
図中に拡大した断面図に示すように、キャップ層CP1に含まれる無機層IL1は、透明層TL1を覆い、上電極UE1の上に配置されている。また、無機層IL1の第2方向Yに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、図示した例では、副画素SP1の第1方向Xに沿った一対の短辺において、無機層IL1は、リブ5と封止層SE1との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0073】
図8は、図2中のE-F線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。なお、図8では、図3に示した基板、回路層、保護層の図示を省略する。
【0074】
図の右側に位置する副画素SP1に着目する。図中に拡大した断面図に示すように、無機層IL1の第1方向Xに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、図示した例では、副画素SP1の第2方向Yに沿った一対の長辺において、無機層IL1は、リブ5と封止層SE3との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0075】
このように、副画素SP1においては、無機層IL1は、第1方向Xに沿った一対の短辺及び第2方向Yに沿った一対の長辺において、隔壁6に接している。なお、無機層IL1が副画素SP1の全周に亘って隔壁6に接する場合、上電極UE1は副画素SP1の少なくとも一辺に沿って隔壁6に接していればよい。
【0076】
副画素SP2においても、無機層IL2は、副画素SP2の全周に亘って隔壁6に接している。例えば、図8の左側に位置する副画素SP2に着目する。無機層IL2の第1方向Xに沿った両端部は、隔壁6の下部61に接している。つまり、無機層IL2は、リブ5と封止層SE2との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0077】
同様に、副画素SP3においても、無機層IL3は、副画素SP3の全周に亘って隔壁6に接し、リブ5と封止層SE3との間に、エッチングストッパー層として配置されている。
【0078】
なお、図5乃至図8に示した例では、エッチングストッパー層が各副画素の全周に亘って隔壁6に接する場合について説明したが、これに限らいない。例えば、エッチングストッパー層が一対の短辺及び一方の長辺に沿って隔壁6に接する場合や、エッチングストッパー層が一方の短辺及び一方の長辺に沿って隔壁6に接する場合などがあり得る。
【0079】
次に、エッチングストッパー層ESを形成するための蒸着装置EVについて説明する。
【0080】
図9は、蒸着装置EVを説明するための図である。
蒸着装置EVは、搬送機構100と、蒸着源110と、チャンバー130と、を備えている。チャンバー130は、処理基板SUBを搬入するための搬入口131と、処理基板SUBを搬出するための搬出口132と、を有している。本明細書で説明する表示装置の製造装置はインライン方式のものであり、搬入口131は他の蒸着装置と接続され、また、搬出口132はさらに他の蒸着装置と接続されている。
【0081】
搬送機構100は、処理基板SUBの法線(あるいは基板10の法線)Nに直交する面内で処理基板SUBを回転させながら搬送するように構成されている。ここでの処理基板SUBは、例えば、基板10の上に、回路層11、絶縁層12、下電極LE、リブ5、隔壁6、及び、有機層ORを形成したものである。搬送機構100は、搬送方向TDに沿って搬入口131から搬出口132まで処理基板SUBを搬送する間に、処理基板SUBを90°以上回転させる。
【0082】
蒸着源110は、エッチングストッパー層ESを形成するための材料Mを放射するように構成されている。図示した例では、蒸着源110は、チャンバー130に収容され、図示しない固定具によりチャンバー130に固定されている。蒸着源110は、材料Mの放射方向を規制するノズル120を有している。ノズル120の先端には、吐出口121が形成されている。このような蒸着源110は、処理基板SUBの法線(あるいは基板10の法線)Nに対して傾斜している。
【0083】
図示した蒸着源110は、法線Nに対して図の右側に傾斜している。このとき、吐出口121は、搬入口131の側を向いている。つまり、蒸着源110は、処理基板SUBの搬送方向TDの矢印の反対向きに材料Mを放射する。蒸着源110の傾斜角度θは、処理基板SUBの搬送方向TDと処理基板SUBの法線Nとで規定される断面において、法線Nとノズル120の延出方向とのなす角度として規定することができる。蒸着源110の傾斜角度θは、法線Nに対して時計回りに鋭角の角度である。傾斜角度θは、例えば、5°以上、40°以下である。
【0084】
蒸着源110から放射される材料Mは、例えば、エッチングストッパー層ESとして上電極UEを形成する場合、マグネシウム(Mg)及び銀(Ag)の混合物を放射する。また、エッチングストッパー層ESとして無機層ILを形成する場合、蒸着源110から放射される材料Mは、フッ化リチウム(LiF)を放射する。
【0085】
図10は、図9に示した蒸着装置EVにおいて、処理基板SUBを360°回転させる場合を説明するための図である。図10は、処理基板SUBを平面視する図である。
処理基板SUBは、搬送機構100により、図9に示した処理基板SUBの法線Nと平行な回転軸Rを中心として360°回転しながら、搬送方向TDに沿って搬送される。処理基板SUBが回転する様子を理解しやすくするために、処理基板SUBの対角線上に位置する一方の角付近に黒丸を付与し、他方の角付近にバツ印を付与している。
図9及び図10に示したような蒸着装置EVにおいて、搬入口131からチャンバー130の内部に搬入された処理基板SUBについては、以下の通り処理を行う。
まず、蒸着源110から材料Mの放射を開始する。そして、搬送機構100が処理基板SUBを回転させながら搬送し、蒸着源110から放射された材料Mを処理基板SUBに蒸着する。このとき、蒸着源110から放射された材料Mは、有機層ORの上に堆積するとともに、隔壁6の下部61に回り込む。材料Mが蒸着される間に処理基板SUBが360°回転することにより、副画素の全周に亘って材料Mが隔壁6の下部61に回り込む。これにより、副画素の全周に亘って隔壁に接するような断面を有するエッチングストッパー層ESが形成され、有機層ORと隔壁6との間のリブ5がエッチングストッパー層ESで覆われる。
【0086】
図11は、図9に示した蒸着装置EVにおいて、処理基板SUBを180°回転させる場合を説明するための図である。
処理基板SUBは、搬送機構100により、図9に示した処理基板SUBの法線Nと平行な回転軸Rを中心として180°回転しながら、搬送方向TDに沿って搬送される。
蒸着源110から放射された材料Mが処理基板SUBに蒸着される間、処理基板SUBが180°回転することにより、副画素の一対の短辺及び一方の長辺に亘って材料Mが隔壁6の下部61に回り込む。これにより、一対の短辺及び一方の長辺に沿って隔壁6に接するエッチングストッパー層が形成される。
【0087】
また、図示しないが、処理基板SUBは、回転軸Rを中心として90°回転しながら、搬送方向TDに沿って搬送されてもよい。この場合、蒸着源110から放射された材料Mが処理基板SUBに蒸着される間、処理基板SUBが90°回転することにより、副画素の一方の短辺及び一方の長辺に亘って材料Mが隔壁6の下部61に回り込む。これにより、一方の短辺及び一方の長辺に沿って隔壁6に接するエッチングストッパー層が形成される。
【0088】
なお、図9乃至図11に示した例の蒸着装置EVは、処理基板SUBの蒸着面が基板10の上方に位置する状態(フェイスアップ)で処理基板SUBを搬送し、蒸着源110が材料Mを下方に向けて放射するように構成された場合に相当するが、これに限らない。例えば、蒸着装置EVは、処理基板SUBの蒸着面が基板10の下方に位置する状態(フェイスダウン)で処理基板SUBを搬送し、蒸着源110が材料Mを上方に向けて放射するように構成されてもよい。また、蒸着装置EVは、処理基板SUBを水平面に対して垂直に立てた状態で搬送し、蒸着源110が材料Mを横向きに放射するように構成されてもよい。
【0089】
次に、表示装置DSPの製造方法の一例について説明する。
【0090】
図12は、表示装置DSPの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
ここに示す製造方法は、大別して、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3を有する処理基板SUBを用意する工程(ステップST1)と、副画素SP1の表示素子201を形成する工程(ステップST2)と、副画素SP2の表示素子202を形成する工程(ステップST3)と、副画素SP3の表示素子203を形成する工程(ステップST4)と、を含む。
【0091】
ステップST1においては、まず、基板10の上に、副画素SP1の下電極LE1、副画素SP2の下電極LE2、副画素SP3の下電極LE3、リブ5、及び、隔壁6を形成した処理基板SUBを用意する。図3に示したように、基板10と下電極LE1、LE2、LE3との間には、回路層11及び絶縁層12も形成される。
【0092】
ステップST2においては、まず、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、発光層EM1を含む第1薄膜31を形成する(ステップST21)。その後、第1薄膜31の上に所定の形状にパターニングされた第1レジスト41を形成する(ステップST22)。その後、第1レジスト41をマスクとしたエッチングにより第1薄膜31の一部を除去する(ステップST23)。その後、第1レジスト41を除去する(ステップST24)。これにより、副画素SP1が形成される。副画素SP1は、所定の形状の第1薄膜31を有する表示素子201を備える。
【0093】
ステップST3においては、まず、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、発光層EM2を含む第2薄膜32を形成する(ステップST31)。その後、第2薄膜32の上に所定の形状にパターニングされた第2レジスト42を形成する(ステップST32)。その後、第2レジスト42をマスクとしたエッチングにより第2薄膜32の一部を除去する(ステップST33)。その後、第2レジスト42を除去する(ステップST34)。これにより、副画素SP2が形成される。副画素SP2は、所定の形状の第2薄膜32を有する表示素子202を備える。
【0094】
ステップST4においては、まず、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、発光層EM3を含む第3薄膜33を形成する(ステップST41)。その後、第3薄膜33の上に所定の形状にパターニングされた第3レジスト43を形成する(ステップST42)。その後、第3レジスト43をマスクとしたエッチングにより第3薄膜33の一部を除去する(ステップST43)。その後、第3レジスト43を除去する(ステップST44)。これにより、副画素SP3が形成される。副画素SP3は、所定の形状の第3薄膜33を有する表示素子203を備える。
【0095】
なお、第2薄膜32、第2レジスト42、第3薄膜33、及び、第3レジスト43の詳細な図示は省略する。
【0096】
以下、ステップST1及びステップST2について図13乃至図19を参照しながら説明する。なお、図13図14、16、17、及び、図19に示す各断面は、例えば図2中のA-B線に沿う断面に相当する。
【0097】
まず、ステップST1においては、図13に示すように、処理基板SUBを用意する。処理基板SUBを用意する工程は、基板10の上に回路層11を形成する工程と、回路層11の上に絶縁層12を形成する工程と、絶縁層12の上に、副画素SP1の下電極LE1、副画素SP2の下電極LE2、副画素SP3の下電極LE3を形成する工程と、下電極LE1、LE2、LE3の各々と重なる開口AP1、AP2、AP3を有するリブ5を形成する工程と、リブ5の上に配置された下部61及び下部61の上に配置され下部61の側面から突出した上部62を含む隔壁6を形成する工程と、を含む。なお、図14、16、17、及び、図19の各図においては、絶縁層12よりも下層の基板10及び回路層11の図示を省略する。
リブ5は、例えばシリコン窒化物で形成する。
【0098】
続いて、ステップST21においては、図14に示すように、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、第1薄膜31を形成する。第1薄膜31を形成する工程は、処理基板SUBの上に、発光層EM1を含む有機層OR1を形成する工程と、有機層OR1の上にエッチングストッパー層として上電極UE1を形成する工程と、上電極UE1の上にキャップ層CP1を形成する工程と、キャップ層CP1の上に封止層SE1を形成する工程と、を含む。つまり、図示した例では、第1薄膜31は、有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1を含む。
【0099】
有機層OR1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の上にそれぞれ形成されるとともに、隔壁6の上にも形成されている。有機層OR1のうち、上部62の上に形成された部分は、各下電極の上に形成された部分から離間している。
【0100】
上電極UE1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、有機層OR1の上にそれぞれ形成され、リブ5を覆い、隔壁6の下部61に接している。また、上電極UE1は、上部62の直上において、有機層OR1の上にも形成されている。上電極UE1のうち、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分から離間している。
【0101】
キャップ層CP1は、図4に示した透明層TL1及び無機層IL1を含む。キャップ層CP1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、上電極UE1の上にそれぞれ形成されるとともに、上部62の直上において、上電極UE1の上にも形成されている。キャップ層CP1のうち、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分から離間している。
【0102】
封止層SE1は、キャップ層CP1、及び、隔壁6を覆うように形成されている。つまり、封止層SE1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、キャップ層CP1の上にそれぞれ形成されるとともに、上部62の直上において、キャップ層CP1の上にも形成されている。封止層SE1において、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分と繋がっている。
【0103】
封止層SE1は、例えばシリコン窒化物で形成する。
【0104】
図15は、第1薄膜31の形成過程を説明するための図である。ここでは、下電極LE1の上に形成される第1薄膜31の形成過程を例に説明する。下電極LE1の上の第1薄膜31の断面が図の左から右に向かって形成順に並んでいる。
まず、下電極LE1の上に有機層OR1を形成する。有機層OR1は、図4を参照して説明したように、各種機能層及び発光層を含む。有機層OR1の各層は、例えば蒸着法により形成される。
その後、エッチングストッパー層として、有機層OR1の上に上電極UE1を形成する。上電極UE1は、蒸着法により、マグネシウム及び銀の合金で形成される。上電極UE1は、図9などを参照して説明した蒸着装置EVにおいて形成することができる。
その後、上電極UE1の上にキャップ層CP1の透明層TL1を形成する。透明層TL1は、例えば蒸着法で形成される。
その後、透明層TL1の上にキャップ層CP1の無機層IL1を形成する。無機層IL1は、例えば、フッ化リチウムまたはシリコン酸化物で形成される。無機層IL1がエッチングストッパー層としてフッ化リチウムで形成される場合、蒸着法が適用され、図9などを参照して説明した蒸着装置EVにおいて無機層IL1を形成することができる。なお、無機層IL1がシリコン酸化物で形成される場合、CVD法が適用される。
その後、無機層IL1の上に封止層SE1を形成する。封止層SE1は、例えばCVD法で形成される。
【0105】
続いて、ステップST22においては、図16に示すように、封止層SE1の上のパターニングした第1レジスト41を形成する。第1レジスト41は、副画素SP1の第1薄膜31を覆い、副画素SP2及び副画素SP3の第1薄膜31を露出する。つまり、第1レジスト41は、下電極LE1の直上に位置する封止層SE1に重なっている。また、第1レジスト41は、副画素SP1から隔壁6の上方に延出している。副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上において、第1レジスト41は、副画素SP1側(図の左側)に配置され、副画素SP2側(図の右側)では封止層SE1を露出している。また、第1レジスト41は、副画素SP2及び副画素SP3において、封止層SE1を露出している。
【0106】
その後、ステップST23においては、図17に示すように、第1レジスト41をマスクとしてエッチングを行い、第1レジスト41から露出した副画素SP2及び副画素SP3の第1薄膜31を除去し、副画素SP1に第1薄膜31が残留する。これにより、副画素SP2において下電極LE2が露出し、また、下電極LE2を囲むリブ5が露出する。また、副画素SP3において下電極LE3が露出し、また、下電極LE3を囲むリブ5が露出する。また、副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6において、副画素SP2側が露出する。また、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6が露出する。
【0107】
図18は、第1薄膜31の除去過程を説明するための図である。ここでは、副画素SP2における下電極LE2の上に形成された第1薄膜31の除去過程を例に説明する。下電極LE2の上の第1薄膜31の断面が図の左から右に向かって除去順に並んでいる。
まず、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、第1レジスト41から露出した封止層SE1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ウエットエッチングを行い、封止層SE1から露出したキャップ層CP1の無機層IL1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、無機層IL1から露出したキャップ層CP1の透明層TL1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ウエットエッチングを行い、透明層TL1から露出した上電極UE1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、上電極UE1から露出した有機層OR1を除去し、下電極LE2を露出する。
同様に、副画素SP3における封止層SE1、キャップ層CP1、上電極UE1、及び、有機層OR1も除去される。
【0108】
その後、ステップST24においては、図19に示すように、第1レジスト41を除去する。これにより、副画素SP1の封止層SE1が露出する。これらのステップST21乃至ST24を経て、副画素SP1において、表示素子201が形成される。表示素子201は、下電極LE1、発光層EM1を含む有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1によって構成される。また、表示素子201は、封止層SE1によって覆われている。
【0109】
副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上には、発光層EM1を含む有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1の積層体が形成される。また、隔壁6のうち、副画素SP1の側の部分は、封止層SE1で覆われる。なお、図18に示した隔壁6上の積層体は、完全に除去される場合があり得る。
【0110】
本実施形態によれば、図16に示したように、封止層SE1のエッチングを行う前には、副画素SP2及びSP3において、リブ5と封止層SE1との間の上電極UE1は、隔壁6と有機層OR1との間でリブ5を覆っている。このため、封止層SE1は、リブ5に接することがない。上電極UE1は、エッチングストッパー層として機能し、上電極UE1のエッチングレートは、封止層SE1のエッチングレートより小さい。このため、封止層SE1のドライエッチングに際して、封止層SE1が完全に除去された後に、上電極UE1でドライエッチングの進行を止めることができる。これにより、封止層SE1のドライエッチングに際して、リブ5は、ほとんどダメージを受けることがない。また、リブ5を絶縁層12まで貫通する不所望な孔(水分浸入経路)の形成が抑制される。さらには、不所望な水分の影響による下電極の変色や、腐食による有機EL素子の滅点化などの不具合が抑制される。
したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0111】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制し、製造歩留まりを向上することが可能な表示装置の製造方法及び蒸着装置を提供することができる。
【0112】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置の製造方法及び蒸着装置の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0113】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0114】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0115】
DSP…表示装置
10…基板 SUB…処理基板
5…リブ AP1,AP2,AP3…開口
6…隔壁 61…下部 62…上部
SP1,SP2,SP3…副画素
20,201,202,203…表示素子(有機EL素子)
LE,LE1,LE2,LE3…下電極(アノード)
UE,UE1,UE2,UE3…上電極(カソード)
OR,OR1,OR2,OR3…有機層
CP,CP1,CP2,CP3…キャップ層
TL,TL1,TL2,TL3…透明層
IL,IL1,IL2,IL3…無機層
SE,SE1,SE2,SE3…封止層
EV…蒸着装置 100…搬送機構 110…蒸着源 130…チャンバー
図1
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