(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172271
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】制御装置、無人航空機、作業システム、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/04 20060101AFI20231129BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20231129BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20231129BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20231129BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20231129BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20231129BHJP
E01D 22/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G08G5/04 A
G05D1/10
B64C13/18 Z
B64C27/04
B64C39/02
B64D47/08
E01D22/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083953
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】須藤 伸一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 益夫
(72)【発明者】
【氏名】太田 秀司
【テーマコード(参考)】
2D059
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
2D059GG39
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL09
5H301AA06
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301GG07
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL06
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】ドローンと移動物件との間の距離を定められた距離以上に保つことが可能な制御装置を得ること。
【解決手段】あらかじめ設定された作業範囲で作業するドローン1を制御する制御装置30であって、ドローン1の周辺の状況を検出するカメラ12の検出結果であり周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する移動物件検出部11、移動情報算出部13および位置合わせ部15と、接近移動物件の検出結果を用いて、接近移動物件とドローン1との間の距離を定められた距離以上とするように接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部17と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置であって、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部と、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記センサ情報に基づいて前記接近移動物件の位置を予測する移動予測部、
を備え、
前記回避動作決定部は、前記接近移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、前記移動予測部による予測結果とを用いて、前記接近移動物件の前記禁止領域への侵入を避けるように前記回避動作を決定し、
前記禁止領域は、前記作業無人航空機と前記接近移動物件との3次元空間における距離が前記定められた距離以上となるように、3次元空間における領域として定められることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記回避動作決定部は、前記禁止領域と、前記予測結果とを用いて、前記接近移動物件が前記禁止領域に到達する禁止領域到達時間を算出し、前記禁止領域到達時間を用いて前記回避動作の開始時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記回避動作決定部は、前記禁止領域と、前記予測結果とを用いて、前記作業無人航空機が前記接近移動物件を回避するために移動する位置である回避位置を決定し、前記回避位置と前記作業無人航空機の現在位置とを用いて、前記回避位置への移動に要する所要時間を算出し、前記禁止領域到達時間と前記所要時間とを用いて、前記回避動作の開始時間を決定することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記回避動作の実行中は、前記作業無人航空機に前記作業を中断させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項6】
前記センサは、前記作業無人航空機に搭載されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項7】
前記センサは、地上に設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記センサは、前記作業無人航空機とは別の無人航空機である監視無人航空機に搭載されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項9】
前記監視無人航空機の飛行経路を生成する飛行経路生成部、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記飛行経路生成部は、要求される分解能を満たし、かつ前記作業範囲に接近する移動物件を検出可能なように、前記監視無人航空機の高度を決定することを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記飛行経路生成部は、前記作業無人航空機の現在位置から前記作業無人航空機が前記接近移動物件を回避するために移動する位置までの距離に基づいて、前記監視無人航空機の高度を決定することを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項12】
前記監視無人航空機に搭載された前記センサは、斜め下方を観測し、
前記回避動作決定部は、前記センサ情報から算出された前記接近移動物件の高さを用いて、前記回避動作を決定することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項13】
前記作業無人航空機は、前記回避動作において、少なくとも高度を変更することにより前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項14】
前記回避動作決定部は、前記作業無人航空機と前記接近移動物件との間に遮蔽物がある場合には、前記遮蔽物の位置に応じて前記禁止領域を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項15】
作業を行う無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置であって、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて前記物件のうち移動する物件である移動物件の位置を予測する移動予測部と、
前記移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、前記移動予測部による予測結果とを用いて、前記移動物件の前記禁止領域への侵入を避けるように回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備え、
前記禁止領域は、前記作業無人航空機と前記移動物件との3次元空間における距離が定められた距離以上となるように、3次元空間における領域として定められることを特徴とする制御装置。
【請求項16】
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機であって、
前記無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部と、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備えることを特徴とする無人航空機。
【請求項17】
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機と、
前記作業無人航空機を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部と、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備えることを特徴とする作業システム。
【請求項18】
地上に設置される前記センサ、
を備えることを特徴とする請求項17に記載の作業システム。
【請求項19】
前記作業無人航空機とは別の無人航空機である監視無人航空機、
を備え、
前記センサは、前記監視無人航空機に搭載されることを特徴とする請求項17または18に記載の作業システム。
【請求項20】
作業を行う無人航空機である無人航空機である作業無人航空機と、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出することで前記作業無人航空機の周辺の物件の位置を示すセンサ情報を取得するセンサと、
前記作業無人航空機を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記センサ情報に基づいて移動する前記物件である移動物件の位置を予測する移動予測部と、
前記センサから前記センサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
前記移動予測部による予測結果を用いて、前記移動物件と前記作業無人航空機との距離か定められた距離以上となるように、前記移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備えることを特徴とする作業システム。
【請求項21】
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置における制御方法であって、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出するステップと、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項22】
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置に、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出するステップと、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人航空機を制御する制御装置、無人航空機、作業システム、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン(無人航空機)の利用が拡大しており、点検作業、監視作業、測量作業といった作業へのドローンの導入も進められている。
【0003】
特許文献1には、コンテナを荷役するコンテナクレーンの運転を補助する作業にドローンを用いる技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、コンテナクレーンを用いてコンテナをコンテナ載置面に載置させる際に、カメラを搭載したドローンがコンテナ載置面の近傍を飛行し、ドローンに搭載されたカメラがコンテナ載置面を撮影する。コンテナクレーンを運転する作業員は、ドローンに搭載されたカメラで撮影された映像を確認することで、コンテナ載置面の周辺の状況を確認しながら、コンテナクレーンを運転することができる。また、特許文献1には、船倉の中など障害物の比較的多い場所でドローンが障害物に接触して故障することを防ぐために、ドローンに周囲の障害物との距離を測定する距離センサを搭載し、距離センサの測定結果に基づいて衝突防止制御を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の衝突防止制御は、定められた作業範囲のなかで、すなわちドローンを飛行させる管理者によって管理される作業範囲内で当該管理者の管理対象の物件(管理対象物件)との衝突を防止している。航空法においては、ドローンと管理対象物とは接近することが許容されるが、一方で、ドローンは、作業とは関係のない第三者や作業とは関係のない物件とは、定められた距離以上離れて飛行することが定められている。この定められた距離は、例えば30mであり、衝突を避けるための距離より長い。特許文献1に記載の技術では、障害物は停止している前提であるため距離センサの測定結果を用いて衝突を防止することはできるが、作業とは関係のない物件との距離を上記の定められた距離以上とすることは考慮されていない。また、特許文献1に記載の衝突防止技術を移動物件との距離を定められた距離以上に保つために適用しようとしても、距離センサによる測定結果を用いてドローンの位置を制御しているため、移動物件の速度によっては、ドローンの位置の変更が間に合わず、ドローンと移動物件との間の距離を定められた距離以上に保つことが困難な場合がある。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ドローンと移動物件との間の距離を定められた距離以上に保つことが可能な制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる制御装置は、あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置であって、作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部と、接近移動物件の検出結果を用いて、接近移動物件と作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドローンと移動物件との間の距離を定められた距離以上に保つことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかるドローンの構成例を示す図
【
図2】作業位置が固定されている場合の、実施の形態1のカメラの画角と禁止領域との一例を示す図
【
図3】作業位置が1箇所ではない場合の、実施の形態1のカメラの画角と禁止領域との一例を示す図
【
図4】作業位置が1箇所ではない場合の、実施の形態1のカメラの画角と禁止領域との別の一例を示す図
【
図7】実施の形態1の回避動作および復帰動作の一例を模式的に示す図
【
図8】実施の形態1のドローンにおける移動物件の回避に関する動作の一例を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1の回避動作の開始後のドローンの動作の一例を示すフローチャート
【
図10】実施の形態1の制御装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
【
図11】実施の形態1にかかる変形例の作業システムの構成例を示す図
【
図12】実施の形態2にかかる作業システムの構成例を示す図
【
図14】実施の形態3にかかる作業システムの構成例を示す図
【
図15】実施の形態3の作業ドローンおよび監視ドローンの配置の一例を示す図
【
図16】実施の形態3の監視ドローンにおけるカメラの撮影方向の別の一例を示す図
【
図17】実施の形態3の移動物件の高さを用いた回避距離の決定方法の一例を模式的に示す図
【
図18】実施の形態3の制御装置における移動物件の回避制御に関する動作の一例を示すフローチャート
【
図19】実施の形態3の作業ドローンの回避動作の開始後の制御装置における動作の一例を示すフローチャート
【
図20】実施の形態3の監視ドローンの配置の一例を示す図
【
図21】実施の形態3の作業ドローンの位置に応じた監視ドローンの位置の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる制御装置、無人航空機、作業システム、制御方法およびプログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるドローンの構成例を示す図である。本実施の形態のドローン1は、あらかじめ定められた作業範囲において作業を行う作業ドローン(作業無人航空機)である。ドローン1は、例えば、点検作業、監視作業、測量作業などの作業を行う作業ドローンである。ドローン1が行う作業はこれらの例に限定されない。
図1に示すように、ドローン1は、移動物件検出部11、カメラ12、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17、作業情報記憶部18、飛行制御部19、測位部20およびモータ21を備える。
【0012】
移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17および作業情報記憶部18は、ドローン1が、移動物件との距離を定められた距離以上に保つ制御を行う制御装置30を構成する。定められた距離は、例えば、航空法で定められた30mであるが、この例に限定されない。なお、
図1では、飛行制御部19が制御装置30外に設けられているが、飛行制御部19が制御装置30内に設けられてもよい。また、飛行制御部19が回避動作決定部17としての機能を有することで、飛行制御部19と回避動作決定部17とが統合されてもよい。
【0013】
カメラ12は、ドローン1の周辺の状況を検出するセンサの一例であり、カメラ12は、検出結果として周辺の物件の位置を示すセンサ情報を取得する。具体的には、カメラ12は、ドローン1の周辺の映像を撮影することで、センサ情報の一例である映像を取得する。カメラ12は、1つであってもよいし、複数であってもよい。1つのカメラ12が、ドローン1の飛行制御と移動物件を検出するための映像の取得とに用いられてもよいし、カメラ12として、障害物の映像を取得し飛行制御のために用いられるカメラと、移動物件を検出するための映像を取得するカメラとが個別に設けられてもよい。また、ドローン1が行う作業が点検作業、監視作業、測量作業などのように撮影を伴う作業である場合、カメラ12は、作業用カメラを含むが、作業用カメラが移動物件を検出するための映像を取得するカメラとして用いられてもよい。なお、点検作業、監視作業、測量作業などの作業のために取得された情報は、図示を省略した通信部から地上へ送信されるが、作業のための動作には特に制約はなく一般的な動作を適用可能であり、詳細な説明は省略する。
【0014】
測位部20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)などの測位信号を受信し、測位信号を用いて測位を行うことでドローン1の現在位置を算出する。飛行制御部19は、測位部20が算出した現在位置を用いてドローン1のモータ21を制御することで図示しないプロペラなどを駆動させ、ドローン1の飛行を制御する。飛行制御部19は、例えば、作業情報記憶部18に記憶されている作業経路情報と、測位部20が算出した現在位置とを用いて、ドローン1が、作業経路情報に示される経路を飛行するようにモータ21を制御する。
【0015】
また、飛行制御部19は、カメラ12の映像を用いて障害物を検出することで、障害物との距離を保つ制御を行ってもよい。また、ドローン1が、障害物との距離を測定する図示しないセンサを備え、飛行制御部19は、センサの検出結果を用いて障害物を回避する制御を行ってもよい。作業経路情報は、ドローン1が作業のために飛行する経路を示す情報である。ドローン1は、固定された作業位置で作業を行ってもよく、この場合には、例えば、作業経路情報は、ドローン1の作業位置と作業時間とを含む。ドローン1は、定められた作業範囲内で移動してもよく、この場合には、作業経路情報は、作業範囲でのドローン1の時間ごとの位置を示す情報を含んでいてもよいし、複数の作業位置と当該作業位置における滞在時間とを含んでいてもよい。なお、ドローン1が作業範囲内で移動する場合も、作業中のドローン1は、例えば、走行する車両などに比べて十分に低速で移動することとする。
【0016】
飛行制御部19のドローン1の作業中の動作は、一般的な作業ドローンと同様であるため、詳細な説明を省略する。飛行制御部19は、回避動作決定部17から移動物件の回避のための動作を指示されると、指示にしたがってモータ21を制御する。移動物件の回避のための動作については後述する。
【0017】
作業情報記憶部18は、上述した作業経路情報と、作業範囲を示す作業範囲情報とを記憶する。作業範囲は、例えば、緯度経度高度などの地理的位置で表されるが、これに限らず地球固定座標系で表されていればよい。
【0018】
移動物件検出部11、移動情報算出部13および位置合わせ部15は、センサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部を構成する。移動物件と接近移動物件とは、作業とは関係のない第三者や作業とは関係のない物件である。作業範囲に接近するとは、作業範囲に近づく方向に移動中であることを意味し、例えば、作業範囲との距離が短くなる方向に移動している場合である。なお、すでに作業範囲内にある移動物件も、作業範囲に接近する移動物件に含む。
【0019】
移動物件検出部11は、カメラ12によって同一場所が撮影された映像から、複数の時刻の画像を抽出し、抽出した複数の画像を画像処理することで、移動する物件(物体)を検出し、検出結果を、抽出した複数の画像とともに移動情報算出部13へ出力する。なお、同一場所は、厳密に同一でなくてもよく、ある程度の変動があってもよい。移動する物件の検出方法としては、どのような方法が用いられてもよいが、例えば、移動物件検出部11は、複数の画像における同一の物件を検出し、同一の物件の、複数の画像における位置の変化が一定値以上である場合に移動物件であると判定する。移動する物件の検出方法は、この例に限定されない。
【0020】
移動情報算出部13は、複数の画像と、移動物件検出部11による移動物件の検出結果とを用いて、移動物件の移動速度と移動方向とを算出し、算出した移動物件の移動速度と移動方向とを、複数の画像ともに位置合わせ部15へ出力する。移動情報算出部13は、例えば、移動物件に識別情報を付与し、識別情報ごとに、移動物件の位置情報と移動速度と移動方向とを算出して、算出した初期位置、移動速度および移動方向を識別情報へ出力する。移動物件の位置情報は、例えば、移動物件の複数の画像のうち最も時刻の早い画像における位置(初期位置)である。
【0021】
地図情報記憶部16は、地図情報を記憶する。地図情報は、建物、自然物などに関する高さの情報も含む3次元地図情報である。
【0022】
位置合わせ部15は、画像ごとに、測位部20によって算出されたドローン1の現在位置と、カメラ12の撮影方向(カメラ12の向き)を示す情報と、に基づいて、画像における位置を地球固定座標系における位置(例えば、緯度経度などの地理的位置)に対応づけることで位置合わせ処理を実施する。カメラ12の撮影方向は、カメラ12のレンズの中心の方向であり、視野の中心の方向である。ここでは、画像を地理的位置に対応づける例を説明するが、これに限らず地球固定座標系で表された位置であればよい。位置合わせ部15は、位置合わせの結果を用いて移動物件の位置情報および移動方向を地理的位置で表す。カメラ12の撮影方向を示す情報については後述する。
【0023】
位置合わせ部15は、移動物件の地理的位置で表された位置情報および移動方向と、作業情報記憶部18に格納されている作業範囲情報とを用いて、移動物件が作業範囲に接近する移動物件(接近移動物件)であるか否かを判定する。位置合わせ部15は、作業範囲に接近する移動物件に対応する識別情報を、地理的位置で表された位置情報および移動方向とともに移動予測部14へ通知する。また、位置合わせ部15は、移動予測部14から移動物件の移動経路(時間(時刻または現在時刻からの経過時間)ごとの位置)の予測結果を受けとると、地図情報から、移動経路の予測結果に対応する領域の情報を抽出し、抽出した地図情報と移動経路の予測結果とを用いて移動経路の各時間に対応する移動物件の高度を算出し、移動物件の高度を移動経路の予測結果に含める。位置合わせ部15は、抽出した地図情報と移動経路の予測結果(高度を含む)とドローン1の現地位置とを回避動作決定部17へ出力する。なお、ドローン1の現地位置は、位置合わせ部15から回避動作決定部17へ通知される代わりに、測位部20から回避動作決定部17へ通知されてもよい。なお、ドローン1の作業範囲などから移動物件の高度が例えば固定値などとして想定できる場合には、位置合わせ部15は、高度の算出を行わず、想定される高度を移動物件の高度として回避動作決定部17へ通知してもよい。
【0024】
カメラ12の撮影方向を示す情報は、カメラ12が撮影方向を変更可能でない場合には、ドローン1へのカメラ12の取り付け時に決定され、決定した撮影方向を示す情報が、ドローン1に設定される。また、カメラ12が撮影方向を変更可能な場合には、位置合わせ部15は、カメラ12から設定されている撮影方向を取得してもよいし、位置合わせ部15が、移動物件の移動方向に基づいて、カメラ12の撮影方向を決定して、カメラ12に指示してもよい。
【0025】
例えば、ドローン1の作業範囲の下方に、一方通行の道路が存在する場合などのように移動物件の移動方向があらかじめある程度想定できる場合には、道路を通過する車両の進行方向の反対の向きを多く撮影できるようにカメラ12が取り付けられてもよい。また、カメラ12の撮影方向を変更可能な場合には、例えば、一方通行の道路が下方に存在する場合には、作業範囲に接近する移動物件の移動方向は概ね一方向となるため、位置合わせ部15は、道路を通過する車両の進行方向の反対の向き、つまり作業範囲へ接近する車両を多く撮影できるように撮影方向を制御してもよい。また、作業範囲に接近する移動物件を検出可能なように複数のカメラ12を用いて撮影が行われてもよい。例えば、ドローン1の作業範囲の周辺の道路の延伸方向に撮影範囲が並ぶように、複数のカメラ12を用いて撮影が行われてもよい。また、広域を撮影するカメラ12と、撮影方向を変更可能な高分解能で狭域を撮影するカメラ12とを備え、位置合わせ部15は、広域を撮影するカメラ12で撮影した映像を用いて算出された映像に基づいて道路を特定し、道路にそって作業範囲に近づく移動物件を撮影できるように、狭域を撮影するカメラ12の撮影方向を制御してもよい。
【0026】
移動予測部14は、センサ情報に基づいて作業範囲に接近する移動物件の位置を予測する。詳細には、位置合わせ部15から通知された移動速度と移動方向とを用いて、各移動物件の位置を示す移動経路を予測する。移動速度と移動方向とは、センサ情報に基づいて算出されたものであり、移動予測部14は、センサ情報に基づいて接近移動物件の位置を予測することになる。移動経路は、例えば、時間ごとの位置を示すものであってもよいし、移動経路を時間の多項式などで近似した当該多項式を示すものであってもよい。移動経路の表現形式はこれらに限定されない。移動予測部14は、移動経路の予測結果を移動物件の識別情報とともに位置合わせ部15へ出力する。
【0027】
回避動作決定部17は、移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、移動物件の移動経路の予測結果とを用いて、移動物件と作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように移動物件を回避する回避動作を決定する。予測結果は、例えば、上述したように、接近移動物件の検出結果を用いて、接近移動物件に関して得られているため、この場合、回避動作決定部17は、接近移動物件の検出結果を用いて、回避動作を決定することになる。
【0028】
詳細には、回避動作決定部17は、作業範囲情報が示す作業範囲、作業経路情報が示す作業経路およびドローン1の現在位置のうち少なくとも1つに基づいて、移動物件の侵入が禁止される禁止領域を決定する。例えば、禁止領域は、ドローン1と接近移動物件との3次元空間における距離が定められた距離以上となるように、3次元空間における領域として定められる。例えば、禁止領域は、作業範囲に基づいて決定されてもよいし、ドローン1の現在位置に基づいて決定されてもよいし、作業経路に基づいて決定されてもよい。回避動作決定部17は、禁止領域に基づいて、移動物件が禁止領域に侵入することを回避するための回避動作を行うか否かを判定し、回避動作を行うと判定した場合には、回避動作の実施を飛行制御部19へ指示する。回避動作は、例えば、ドローン1が作業を中断して作業位置から離れる動作、飛行を中断する動作である。回避動作決定部17は、詳細には、回避動作を開始するまでの猶予時間を算出し、猶予時間が経過すると回避動作を飛行制御部19へ指示する。猶予時間については後述する。
【0029】
ここで、本実施の形態の作業範囲と禁止領域とカメラ12の撮影範囲について説明する。
図2は、作業位置が固定されている場合の、本実施の形態のカメラ12の画角と禁止領域との一例を示す図である。
図2に示した例では、ドローン1は定められた作業位置で橋梁の点検作業中であり、ドローン1のカメラ12の画角202の方向は斜め下方である。すなわち、カメラ12は、斜め下方を観測する。作業位置が固定されている場合には、作業中のドローン1の作業位置が作業範囲201となる。また、ドローン1からの距離が定められた距離以内となる範囲が禁止領域203となる。
図2に示した例では、カメラ12として橋梁の区間を含む道路に沿った紙面の右側と左側とを撮影する2つのカメラ12を含んでおり、
図2ではこのうち左側の撮影範囲に対応するカメラ12の画角202を示している。
図2に示した例では、画角202に対応する撮影範囲に、車両204が含まれており、車両204は作業範囲201に近づく方向に移動中である。なお、
図2では、禁止領域203のうち車両204に関連する一部を図示しているが、禁止領域203はドローン1からの距離が定められた距離以内となる球状の領域である。定められた距離は、上述したように例えば航空法で定められた距離である。なお、禁止領域203の球状の領域の半径を定められた距離に一定値のマージンを加えた値に設定してもよい。
図2に示した例では、禁止領域203は、作業範囲201である作業位置に基づいて決定される。
【0030】
ドローン1の制御装置30は、カメラ12の映像から抽出された複数の画像を用いて、車両204が作業範囲に接近する移動物件であると判定し、車両204の移動経路を予測する。
図2に示した例では、車両204は橋梁の道路にそって紙面の左から右へ向かって移動するため、このまま車両204が移動すると、禁止領域203に車両204が侵入することになる。本実施の形態では、車両204が作業範囲に接近する移動物件であると判定すると、例えば、ドローン1が作業を中断して、高度を上げたり、斜め上方へ移動したりといった回避動作を行うことで、車両204とドローン1との距離が定められた距離未満となることを避ける。ドローン1は、車両204が通過した後には、作業位置に復帰して作業を再開する。なお、回避動作としてドローン1が移動する方向は、高度方向などのようにあらかじめ定められていてもよいし、移動物件の移動方向に応じて定められてもよい。例えば、ドローン1は、回避動作において、少なくとも高度を変更することにより移動物件とドローン1機との間の距離を定められた距離以上とするようにしてもよい。ここでは、回避動作としてドローン1が移動する方向を高度方向とする例を主に説明するが、回避動作としてドローン1が移動する方向は高度方向に限定されない。
【0031】
図3は、作業位置が1箇所ではない場合の、本実施の形態のカメラ12の画角と禁止領域との一例を示す図である。
図3の上側の図は、ドローン1の作業範囲205を示している。
図3に示した例では、ドローン1の作業位置は1箇所ではなく、ドローン1は
図3に示す作業範囲205内で作業を行う。
図3に示した例では、
図2に示した例と同様に2つのカメラ12を含んでおり、
図2ではこのうち左側の撮影範囲に対応するカメラ12の画角202を示している。
図3に示した例では、ドローン1の制御装置30は、カメラ12の映像から抽出された複数の画像を用いて、車両204が作業範囲205に接近する移動物件であると判定し、車両204の移動経路を予測する。
【0032】
図3の下側の図は、禁止領域203を示している。
図2と同様に、禁止領域203の一部を図示しているが、禁止領域203はドローン1を中心とする球状の領域である。ドローン1の制御装置30は、
図3に示した例では、禁止領域203をドローン1の現在位置または作業経路に基づいて決定する。ドローン1が車両204の速度に比べて十分に低速に移動する場合、車両204が作業範囲205に近づいてから作業範囲205の付近を通過するまで期間におけるドローン1の位置の変化は、車両204の位置の変化に比べて小さい。このため、禁止領域203としてこの変化の分のマージンを設定しておくことで、ドローン1の現在位置に基づいて禁止領域203を設定することができる。
図3の下側の図に示した禁止領域203は、ドローン1の現在位置に伴って移動する。
図2に示した例と同様に、ドローン1の制御装置30は、車両204の移動経路の予測結果と禁止領域203とに基づいて、高度を上げたり、斜め上方へ移動したりといった回避動作を行い、車両204が通過した後には、作業位置に復帰して作業を再開する。
【0033】
また、制御装置30は、禁止領域203をドローン1の作業経路に基づいて決定してもよい。すなわち、ドローン1がこれから移動する位置を考慮して、禁止領域203を設定してもよい。この場合も、ドローン1の制御装置30は、車両204の移動経路の予測結果と禁止領域203とに基づいて、高度を上げたり、斜め上方へ移動したりといった回避動作を行うことで、禁止領域203に車両204が侵入することを防ぎ、車両204が通過した後には、作業位置に復帰して作業を再開する。
【0034】
図4は、作業位置が1箇所ではない場合の、本実施の形態のカメラ12の画角と禁止領域との別の一例を示す図である。
図4に示した例では、
図3に示した例と同様に、ドローン1の作業位置は1箇所ではなく、ドローン1は
図3に示す作業範囲205内で作業を行う。
図3に示した例では、禁止領域203をドローン1の現在位置に基づいて決定したが、
図4に示した例では、作業範囲205に基づいて禁止領域206を決定する。例えば、
図4に示すように、作業範囲205の各点からの距離が定められた距離以内となる領域を全て含むような禁止領域206を決定する。制御装置30は、車両204の移動経路と禁止領域206とに基づいて、高度を上げたり、斜め上方へ移動したりといった回避動作を行うことで、禁止領域206に車両204が侵入することを防ぎ、車両204が通過した後には、作業位置に復帰して作業を再開する。
図4に示す例では、禁止領域206が禁止領域203に比べて広くなるが、例えば、作業範囲205内で複数のドローン1が作業を行う場合には、ドローン1の現在位置を考慮した回避動作の判定を行う必要がなく処理を簡素化できる。また、作業範囲205内で複数のドローン1が協調した作業を行う場合などのように、複数のドローン1をひとまとまりとして作業の中断の判定を行う場合にも、
図4に示したように作業範囲205に基づいて禁止領域206を設定してもよい。
【0035】
図5は、本実施の形態の禁止領域の別の一例を示す図である。
図5では、橋梁の支柱などの道路の下部の点検作業をドローン1が行っている例を示している。
図5に示した例では、作業位置211で作業を行うドローン1と、作業位置212で作業を行うドローン1とが示されており、このような場合には、ドローン1は、図示を省略しているが、例えばカメラ12の撮影方向を上方として、移動物件を検出してもよい。
図5では、作業位置211に対応する禁止領域213と、作業位置212に対応する禁止領域214とが設定される。
図5は、2つのドローン1がそれぞれ固定の作業位置211,212を作業範囲として作業を行っているが、
図3に示したように、ドローン1の現在位置または作業経路に基づいて禁止領域が設定される場合も、
図5と同様に、ドローン1が作業位置211に位置する場合と作業位置212に位置する場合とに、それぞれ禁止領域213,214が設定される。
【0036】
なお、
図5に示す例では、例えば、ドローン1が橋梁の真下に存在する場合などには、車両204がドローン1に最も近づいたときに、ドローン1と車両204との間に道路が存在する場合がある。このように、ドローン1と車両204との間に道路、壁、建物などのように遮蔽物が存在する場合には、禁止領域が狭められてもよい。例えば、
図5に示した禁止領域214のうち、道路の下面を含む方向の領域を禁止領域214から削除してもよいし、道路の下面から上の部分を禁止領域214から削除してもよい。このように、球状の禁止領域内に遮蔽物が存在する場合には、遮蔽物が存在する方向の禁止領域を狭めてもよい。
図5に示したように、遮蔽物が上部に存在する例だけでなく、下部や水平方向などであってもよく、ドローン1と移動物件との間に存在する任意の方向の遮蔽物に関して同様に、遮蔽物が存在する方向に関しては禁止領域を狭めてもよい。なお、禁止領域を狭める場合、遮蔽物の位置とドローン1の作業範囲とに基づいてあらかじめ禁止領域を狭めておいてもよいし、移動物件との間に遮蔽物が存在する場合に移動物件を回避動作の対象外としてもよい。このように、回避動作決定部27は、ドローン1と移動物件との間に遮蔽物がある場合には、遮蔽物の位置に応じて禁止領域を決定してもよい。例えば、制御装置30の回避動作決定部17は、移動物件の移動経路の予測結果に基づいて、移動物件とドローン1との間が定められた距離以内となる期間において、移動物件とドローン1との間に常に遮蔽物が存在する場合には、当該移動物件を回避動作の対象から除外してもよい。
【0037】
なお、遮蔽物を考慮する場合、制御装置30は、球状の禁止領域内の遮蔽物の有無は、上述した地図情報に基づいて、判断する。すなわち、この場合、例えば、位置合わせ部15は、抽出した地図情報を回避動作決定部17へ出力し、回避動作決定部17は、地図情報と、作業範囲情報が示す作業範囲、作業経路情報が示す作業経路およびドローン1の現在位置のうち少なくとも1つとに基づいて、禁止領域を決定する。
【0038】
図6は、本実施の形態の禁止領域の別の一例を示す図である。
図6では、ドローン1が道路の表示板221,222の点検作業を行う例を示している。この場合、ドローン1の作業位置は、例えば、表示板221,222の上空であり、この作業位置が作業範囲となる。
図6に示した例では、禁止領域223,224は、表示板221,222に対応する作業位置からの距離が定められた距離以内となる領域である。このように、作業範囲が複数の箇所に分かれている場合、ドローン1は、複数の作業範囲のそれぞれで作業を行い作業と作業との合間に作業範囲間を移動するが、この移動に関しては、作業中ではないため、この間の飛行経路はどのように決定されてもよい。作業範囲間の移動の飛行経路においても、作業中と同様に移動物件を検出した回避動作を行うようにしてもよいし、この飛行経路においては別の飛行経路の決定方法を適用してもよい。
【0039】
なお、
図2~
図6は例示であり、ドローン1の作業対象は橋梁や表示板に限定されず、作業位置、作業範囲についても、
図2~
図6に示した例に限定されない。また、禁止領域の決定方法についても、ドローン1と移動物件との距離を定められた距離以上となるように定められればよく、
図2~
図6に示した例に限定されない。また、
図5を用いて説明したように、遮蔽物を考慮して禁止領域を定めてもよい。
【0040】
次に、本実施の形態のドローン1における回避動作および復帰動作について説明する。
図7は、本実施の形態の回避動作および復帰動作の一例を模式的に示す図である。
図7に示した例では、ドローン1は、作業範囲に接近する移動物件を検出すると、移動物件の移動経路を予測し、予測結果に基づいて、ドローン1が作業を継続すると移動物件が禁止領域に侵入するか否かを判定し、移動物件が禁止領域に侵入すると判定した場合には、回避動作を実施する。
図7に示した例では、ドローン1は、
図7の上側の図に示したように回避動作(回避)として高度を上昇させる動作を行う。移動物件が通過すると、
図7の下側の図に示したように、ドローン1は、復帰動作(復帰)として高度を下げる動作を行い、作業位置に戻る。
【0041】
ここでは、ドローン1が、主に移動物件より高度の高い位置に存在する例を説明するため、回避動作では高度を上げ、復帰動作では高度を下げるが、ドローン1が移動物件より高度の低い位置に存在する場合には、回避動作では高度を下げ、復帰動作では高度を上げる。また、作業位置と道路との位置関係により、回避動作における回避方向は、高度方向に限定されず、例えば、移動物件の移動方向に直交する方向であってもよいし、移動物件の移動方向と高度方向との両方の成分を含む方向であってもよい。例えば、
図7に示したように、紙面の左右方向に道路が存在し、左側から移動物件が近づく場合には、紙面の右斜め上方向へ回避してもよい。
【0042】
次に、本実施の形態の回避動作に関する処理について説明する。
図8は、本実施の形態のドローン1における移動物件の回避に関する動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、ドローン1は、ドローン1の現在位置を取得する(ステップS1)。詳細には、測位部20が測位を行うことでドローン1の現在位置を算出し、位置合わせ部15が測位部20からドローン1の現在位置を取得する。
【0043】
次に、ドローン1は、移動物件の検出および移動情報の取得を行う(ステップS2)。移動物件検出部11が、カメラ12で撮影された映像から抽出された複数の画像を用いて、移動物件を検出し、移動情報算出部13が、移動物件の移動速度および移動方向を算出する。
【0044】
次に、ドローン1は、位置合わせ処理を実施する(ステップS3)。詳細には、位置合わせ部15は、画像ごとに、測位部20によって算出されたドローン1の現在位置と、カメラ12の撮影方向を示す情報と、に基づいて、画像における位置を地理的位置に対応づけ、位置合わせの結果を用いて移動物件の位置情報および移動方向を地理的位置に変換する。
【0045】
次に、ドローン1は、作業範囲に接近する移動物件があるか否かを判断する(ステップS4)。詳細には、位置合わせ部15は、移動物件ごとに、地理的位置で表された位置情報および移動方向と、作業情報記憶部18に格納されている作業範囲情報とを用いて、移動物件が作業範囲に接近する移動物件であるか否かを判定し、位置合わせ部15は、判定結果に基づいて、作業範囲に接近する移動物件であるか否かを判断する。
【0046】
作業範囲に接近する移動物件がない場合(ステップS4 No)、ドローン1は、回避動作は行わずにドローン1の飛行制御を行う(ステップS9)。ステップS4でNoの場合に行われるドローン1の飛行制御は、ドローン1が作業を継続するための制御であり、例えば、上述した作業経路に基づく制御である。
【0047】
作業範囲に接近する移動物件がある場合(ステップS4 Yes)、ドローン1は、回避距離算出処理を実施する(ステップS5)。詳細には、位置合わせ部15は、作業範囲に接近する移動物件がある場合、作業範囲に接近する移動物件に対応する識別情報を、地理的位置で表された位置情報および移動方向とともに移動予測部14へ通知する。移動予測部14は、位置情報および移動方向に基づいて移動物件の移動経路を予測し、予測結果を移動予測部14へ出力する。位置合わせ部15は、移動予測部14から移動物件の移動経路の予測結果を受けとると、地図情報から、移動経路の予測結果に対応する領域の情報を抽出し、抽出した地図情報と移動物件の移動経路の予測結果とドローン1の現地位置とを回避動作決定部17へ出力する。回避動作決定部17は、作業範囲情報が示す作業範囲、作業経路情報が示す作業経路およびドローン1の現在位置のうち少なくとも1つに基づいて決定された禁止領域と、移動物件の移動経路の予測結果とを用いて、予測結果に対応する移動物件のうち、禁止領域に侵入する移動物件を決定する。なお、回避動作決定部17は、予測結果に対応する移動物件のうち、禁止領域に侵入する移動物件が1つもない場合には、ステップS4でNoと判定した場合と同様に、ステップS5~ステップS8を実施せずにステップS9を実施する。
【0048】
回避距離算出処理では、回避動作決定部17は、禁止領域と、移動物件の移動経路の予測結果とを用いて、移動物件が禁止領域に到達する時間を、禁止領域到達時間として算出する。禁止領域到達時間は、移動物件が禁止領域に侵入し始める時間であり、移動物件が禁止領域外から、禁止領域の境界に到達する時間である。禁止領域到達時間は、時刻で表されてもよいし、現在時刻からの経過時間で表されてもよい。ドローン1は、禁止領域到達時間までに、最接近したドローン1との距離が定められた距離以上となるように高度を上げる必要がある。現在のドローン1の高度をh
1とし、最接近したドローン1との距離が定められた距離となる高度に一定値のマージンを加えた高度をh
2とし、回避する際には、高度h
2までドローン1が移動することで移動物件を回避するとする。すなわち、ドローン1は、禁止領域到達時間までにh
2の高度に移動することで移動物件を回避すると仮定する。一定値のマージンは、例えば移動物件の高さなどを考慮して設定されるが0であってもよい。回避のための移動距離、すなわち回避距離は、h
2-h
1となる。なお、移動物件の高度は、上述したように、地図情報を用いて算出されるが、カメラ12の映像(画像)から高度情報を抽出可能な場合には、画像から抽出した高度情報を用いてもよい。ここでは、高度方向に回避を行っているが、一般化すると、回避のための移動の目標位置を回避位置(回避目標位置)X
2とし、ドローン1の現在位置をX
1とすると、回避距離は、X
2-X
1となる。なお、現在位置X
1から回避位置X
2までの経路は直線では現在位置X
1と回避位置X
2とを直接結ぶ最短ルートではなくてもよく、回避距離は、現在位置X
1から回避位置X
2までの経路の長さであればよい。回避動作決定部17は、現在位置X
1から回避位置X
2までの経路の長さを回避距離として算出する。
図7に示した例のように、高度方向に回避する場合には、回避動作決定部17は、h
2-h
1を回避距離として算出する。
【0049】
次に、ドローン1は、回避開始時間算出処理を実施する(ステップS6)。詳細には、回避動作決定部17が、回避距離とドローン1の移動速度とを用いて、例えば、以下のように、回避動作を開始する時間である回避開始時間を算出する。回避開始時間は、時刻であってもよいし、現在時刻からの経過時間であってもよい。ドローン1の移動速度をvとするとき、回避距離の移動に要する時間である所要時間ΔTは、以下の式(1)で表すことができる。
ΔT=(h2-h1)/v ・・・(1)
【0050】
なお、vは、ドローン1の加減速も含めた平均的な速度であるとする。または、回避距離と所要時間との対応をテーブルまたは計算式によって保持しておき、回避動作決定部17は、保持している対応を用いて回避距離に対応する所要時間ΔTを求めてもよい。禁止領域到達時間をTmとすると、回避動作決定部17は、Tm-ΔTを、回避開始時間とする。また、回避動作決定部17は、回避開始時間と現在時刻との差を猶予時間として算出する。このように、回避動作決定部17は、禁止領域到達時間と所要時間とを用いて、回避動作の開始時間(回避開始時間)を決定する。
【0051】
ステップS6の後、ドローン1は、回避開始時間となったか否かを判断する(ステップS7)。例えば、回避動作決定部17は、ステップS6で猶予時間を算出すると、猶予時間になると満了するタイマを起動し、タイマが満了すると回避開始時間となったと判断することができるが、回避開始時間となったか否かを判断する方法はこの例に限定されない。
【0052】
回避開始時間となっていないと判断した場合(ステップS7 No)、ドローン1は、ステップS7を繰り返す。回避開始時間となったと判断した場合(ステップS7 Yes)、ドローン1の回避動作決定部17は、回避動作指示を行い(ステップS8)、飛行制御部19はドローン1の飛行制御を行う(ステップS9)。詳細には、回避動作決定部17は、ステップS8では回避動作を飛行制御部19へ指示し、ステップS9では、飛行制御部19は回避動作の指示に基づく飛行制御を行う。これにより、ドローン1は回避動作を行うことになる。回避動作は、作業を中断して回避を行う動作であり、例えば、回避位置に移動してとどまってもよいし、定められた構造物などに着地することで飛行を停止してもよい。すなわち、制御装置30は、回避動作の実行中は、ドローン1に作業を中断させる。
【0053】
ドローン1は、
図8に示した処理を定期的に行うことで、移動物件の移動経路の予測結果を更新し、更新した予測結果を用いて回避動作を行うことができる。これにより、移動物件の速度が変化した場合でも、適切に回避動作を行うことができる。
【0054】
次に、回避動作の開始後のドローン1の動作について説明する。なお、回避動作決定部17は、ドローン1が回避動作を開始すると、回避動作を開始したことを位置合わせ部15に通知するとともに、回避前の作業位置に対応する禁止領域を位置合わせ部15へ通知する。これにより、位置合わせ部15は、回避動作中の処理を実施する。
図9は、本実施の形態の回避動作の開始後のドローン1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS11~ステップS13は、
図8に示したステップS1~ステップS3と同様である。なお、移動物件検出部11は、一旦検出した移動物件については、同一の識別情報を付与して移動情報算出部13へ出力する。これにより、移動情報算出部13は、
図8に示した処理によって禁止領域に侵入すると判定された移動物件に関して継続して位置と移動方向を算出することができる。
【0055】
ステップS13の後、ドローン1は、復帰開始時間を算出する(ステップS14)。詳細には、位置合わせ部15は、
図8に示した処理によって禁止領域に侵入すると判定された移動物件の位置と移動方向と移動速度とを地理的位置に変換して移動予測部14へ出力する。移動予測部14は、移動物件の位置と移動方向と移動速度とに基づいて移動経路を予測し、予測した移動経路を位置合わせ部15へ出力する。位置合わせ部15は、移動経路の予測結果を回避動作決定部17へ通知し、回避動作決定部17は、予測結果を用いて移動物件が禁止領域を出る時間である退出時間を算出する。退出時間は、時刻であってもよいし、現在時刻からの経過時間であってもよい。回避動作決定部17は、回避位置X
2から作業位置までの所要時間をステップS6と同様に算出し、退出時間から所要時間を減じた時間を復帰開始時間とする。
【0056】
ドローン1は、復帰開始時間になったか否かを判断し(ステップS15)、復帰開始時間になっていないと判断した場合(ステップS15 No)、ステップS15を繰り返す。復帰開始時間になったと判断した場合(ステップS15 Yes)、ドローン1は、復帰経路を生成し(ステップS16)、ドローン1の飛行制御を行う(ステップS17)。詳細には、ステップS16では、回避動作決定部17が、回避位置から作業位置までの経路を生成し、飛行制御部19へ経路を通知する。ステップS17では、飛行制御部19が通知された経路に基づいてドローン1の飛行を制御する。なお、
図7に示すように、高度方向に回避を行う場合には、復帰経路は、高度を下げて元の作業位置に戻る経路となるが、復帰経路はこの例に限定されない。
【0057】
なお、回避動作の開始後にも新たに移動物件が作業範囲に接近することもあるため、
図8に示した処理は、
図9に示した処理と並行して行われてもよい。この場合、回避動作の開始後に別の移動物件が作業範囲に接近すると判定されると、
図8に示した処理により回避動作が行われるが、別の移動物件に対応する回避動作開始時間と先に検出された移動物件に対応する復帰開始時間との差がしきい値未満の場合には、ドローン1は、復帰は行わずに回避位置にとどまるようにしてもよい。
【0058】
また、
図9に示した例では、退出時間から復帰の所要時間を減じた復帰開始時間に復帰を開始するようにしたが、これに限らず、退出時間になったときに復帰の動作を開始してもよい。または、カメラ12の映像に基づいて、実際に対応する移動物件が禁止領域を退出したことが確認できた場合に、復帰の動作を開始してもよい。
【0059】
次に、本実施の形態のドローン1の制御装置30のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の制御装置30は、コンピュータシステム上で、制御装置30における処理が記述されたコンピュータプログラムであるプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが制御装置30として機能する。
図10は、本実施の形態の制御装置30を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。
図10に示すように、このコンピュータシステムは、処理回路であり、制御部101と記憶部102とを備える。なお、コンピュータシステムは、例えば、無線通信を行う通信部を備えていてもよい。または、ドローン1に、制御装置30とは別に通信部が設けられていてもよい。
【0060】
図10において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の制御装置30における処理が記述されたプログラムを実行する。記憶部102は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部102は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。
【0061】
ここで、本実施の形態のプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しない通信部を介して、他のコンピュータシステムに接続されたCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、プログラムが記憶部102にインストールされる。そして、プログラムの実行時に、記憶部102から読み出されたプログラムが記憶部102の主記憶領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部102に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の制御装置30としての処理を実行する。
【0062】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、制御装置30における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0063】
図1に示した移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15および回避動作決定部17は、
図10に示した記憶部102に記憶されたプログラムが
図10に示した制御部101により実行されることにより実現される。移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15および回避動作決定部17の実現には、
図10に示した記憶部102も用いられる。
図1に示した地図情報記憶部16および作業情報記憶部18は、
図10に示した記憶部102の一部である。
【0064】
例えば、本実施の形態のプログラムは、制御装置30に、ドローン1の周辺の状況を検出するセンサの検出結果でありドローン1の周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出するステップと、接近移動物件の検出結果を用いて、接近移動物件と作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように接近移動物件を回避する回避動作を決定するステップと、を実行させる。
【0065】
なお、以上述べた例では、移動物件を検出し、移動物件の移動方向および移動速度を算出するためにカメラ12の映像を用いたが、上述したように、カメラ12は、センサの一例である。センサによって取得されたセンサ情報から、移動物件を検出し、移動物件の移動方向および移動速度を算出することが可能であれば、センサはカメラ12に限定されない。センサは複数種類のセンサの組み合わせであってもよい。
【0066】
また、
図1では、ドローン1が作業経路に基づいて自律的に飛行する例を説明したが、作業中のドローン1の飛行は、地上の作業員などの操作に基づいて行われてもよいし、自律的な飛行と作業員の操作による飛行とが切替可能であってもよい。地上の作業員が操作を行う場合には、図示を省略した地上の飛行制御装置から送信された指示を、図示を省略したドローン1の通信部が受信し、受信した指示に基づいて飛行制御部19がドローン1の飛行を制御する。作業員による操作によって作業が行われる場合も、作業経路、作業範囲はあらかじめ定められており、作業員は、作業経路、作業範囲にしたがって操作を行う。ドローン1は、この場合も回避動作や復帰動作が行われる場合には、作業のための飛行を中断してこれらの動作が行われる。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、ドローン1に搭載されたセンサによって取得されたセンサ情報を用いて、作業範囲に接近する移動物件を検出し、検出結果を用いて、当該移動物件の回避動作を決定するようにした。このため、ドローン1と移動物件との間の距離を定められた距離以上に保つことができる。
【0068】
なお、以上述べた例では、ドローン1は、移動物件が作業範囲に接近するか否かを判定し、接近する移動物件に関して回避動作を決定する2段階の処理を行うようにしたが、これに限らず、移動物件が作業範囲に接近するか否かにかかわらず、移動物件の移動経路の予測を行い、予測結果と禁止領域とを用いて、回避位置を決定してもよい。すなわち、移動予測部14は、センサ情報を用いて物件のうち移動する物件である移動物件の位置を予測し、回避動作決定部17は、移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、移動予測部14による予測結果とを用いて、移動物件の禁止領域への侵入を避けるように回避動作を決定してもよい。
【0069】
2段階の処理を行う場合には、接近する移動物件に関してのみ移動経路の予測を行い予測結果に基づいて回避動作の要否を判定するため、全ての移動物件に関して予測を行って回避動作の要否を判定する場合に比べて、処理負荷を抑制することができる。
【0070】
また、本実施の形態では、禁止領域を3次元の領域として定めている。すなわち、禁止領域を、少なくとも高さ(鉛直)方向の成分も含む領域として定めている。例えば、移動物件の水平面内の移動経路を予測し、ドローン1の禁止領域を水平面内で定め、当該水平面内にはどのような高さであっても移動物件の侵入を禁止する場合(例えば、円柱上に禁止領域を定める)ことも考えられるが、この場合、移動物件の上空付近や直下付近では作業ができなくなる。これに対して、禁止領域を3次元の領域として定めることで、例えば、
図5に示す作業位置211では、ドローン1の上空付近を車両204が通過しても、回避のために作業を中断する必要がなく、作業を継続することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、移動物件との距離が定められた距離となるように、ドローン1が自動で回避するため、移動物件の接近を監視するための補助員の配置が不要になり、また、作業範囲の周辺で、車両を通行止めにしたり、通行制限をしたりする必要がなく、交通流に影響を与えずに、ドローン1による作業を行うことができる。
【0072】
<変形例>
図11は、本実施の形態にかかる変形例の作業システムの構成例を示す図である。
図1に示した例では、ドローン1が制御装置30を備えたが、
図11に示すように、地上に制御装置2が設けられてもよい。
図11に示す変形例の作業システムは、ドローン1aと、地上に設けられた制御装置2とを備える。制御装置2は、
図1に示した制御装置30と同様に、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17および作業情報記憶部18を備える。制御装置2は、さらに、ドローン1aと無線通信を行う通信部23を備える。ドローン1aは、
図1に示したドローン1から制御装置30が削除され、制御装置2と無線通信を行う通信部22が追加されている。
図1と同様の機能を有する構成要素は
図1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0073】
図11に示した例では、ドローン1aの通信部22が、カメラ12で撮影された映像を制御装置2へ送信する。制御装置2の通信部23は、ドローン1aからカメラ12で撮影された映像を受信し、移動物件検出部11へ出力する。また、ドローン1aの通信部22が、カメラ12の画角が変更可能な場合には、カメラ12の撮影方向を示す情報を制御装置2へ送信し、制御装置2の通信部23は、ドローン1aからカメラ12の撮影方向を示す情報を受信し、位置合わせ部15へ出力する。
【0074】
制御装置2は、
図8に示したステップS1~ステップS8の処理を行うが、ステップS8では回避動作指示は、回避動作決定部17から、通信部23を介してドローン1aへ送信される。ドローン1aでは、通信部22を介して飛行制御部19が回避動作指示を受け取り回避動作指示に基づいた飛行制御を行う。また、制御装置2は、
図9に示したステップS11~ステップS16の処理を行うが、ステップS16で生成された復帰経路は、回避動作決定部17から、通信部23を介してドローン1aへ送信される。ドローン1aでは、通信部22を介して飛行制御部19が復帰経路を受け取り復帰経路に基づいた飛行制御を行う。なお、飛行制御部19は、作業経路を内部に保持していてもよいし、制御装置2の回避動作決定部17または図示しない機能部が、作業経路を作業情報記憶部18から読み出して通信部23を介してドローン1aへ送信してもよい。
【0075】
ドローン1aと制御装置2との間の無線通信回線はどのような回線が用いられてもよいが、例えば、5G(5th Generation Mobile Communication System:第5世代移動通信システム)回線などのように高伝送速度、大容量で低遅延の通信回線が用いられてもよい。また、無線通信回線として、ローカル5Gを利用した回線などのように、限られたエリアで専用の無線リソースを用いる専用無線回線が用いられると、Wi-Fi(登録商標)、携帯電話網などの干渉を受けにくく、高画質の映像データをリアルタイムに伝送することができる。このように、ドローン1aと制御装置2との間は、作業範囲における専用無線回線により送信されてもよい。なお、専用無線回線は、ローカル5Gを用いた回線に限らず、第6世代移動通信システムにおけるローカル5G相当の仕様を用いた回線などであってもよく、高速伝送が可能であり専用に用いることができる無線回線であればよい。
【0076】
なお、ドローン1aが作業のために取得した映像などの情報が地上に送信される場合、制御装置2は、この情報を受信する装置としての機能も有していてもよい。
【0077】
制御装置2も、例えば
図10に示したコンピュータシステムにより実現されるが、このコンピュータシステムは、無線通信を行う通信部を備えていてもよいし、コンピュータシステムとは別に通信装置が設けられ、当該通信装置が
図11に示した通信部23として機能してもよい。また、コンピュータシステムは、マウス、キーボードなどの入力部、ディスプレイ、モニタなどの表示部、を備えていてもよい。また、制御装置2は複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0078】
なお、
図11に示したドローン1aと地上の制御装置2との機能の切り分けは一例であり、制御装置2の構成要素のうちの一部がドローン1aに設けられてもよい。例えば、移動物件検出部11、移動情報算出部13および移動予測部14が制御装置2内ではなくドローン1aに設けられ、位置合わせ部15と移動情報算出部13および移動予測部14とのやりとりは、通信部22および通信部23を介して行われてもよい。このように、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17および作業情報記憶部18を備える制御装置は、ドローン内に設けられてもよく、地上に設けられてもよく、ドローンと地上とに機能部が分散して設けられてもよい。すなわち、制御装置を実現するハードウェアは、ドローンと地上の制御装置とに分かれていてもよい。
【0079】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2にかかる作業システムの構成例を示す図である。
図12に示すように、本実施の形態の作業システムは、ドローン1bと、地上に設けられた制御装置2aと、地上に設置されるセンサ3と、を備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0080】
実施の形態1では、センサ情報として、ドローン1,1aに搭載されたセンサの一例であるカメラ12が取得したセンサ情報が用いられたが、本実施の形態では、地上に設けられたセンサ3によって取得されたセンサ情報を用いて移動物件の検出や移動物件の移動方向および移動速度の算出が行われる。
図13は、本実施の形態のセンサ3の一例を示す図である。
図13では、センサ3の視野301が橋梁の外側を向いているが、視野301は橋梁側を向いていてもよく、橋梁の外側と橋梁側との両方に視野を有してもよく、視野301は
図13に示した例に限定されない。センサ3は、例えば、カメラ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダーなどであるが、これらに限定されない。センサ3は1つであっても複数であってもよく、複数の種類のセンサの組み合わせであってもよい。また、
図13では、センサ3が2か所に設けられているが、センサ3の配置される位置、設置される箇所の数は、
図13に示した例に限定されない。センサ3は、ドローン1bの作業のために設置されたものであってもよいし、既存のものを用いてもよい。例えば、センサ3として、道路の監視用、または自動運転用の監視カメラ、LiDAR、ミリ波レーダーなどが用いられてもよい。
【0081】
ドローン1bは、実施の形態1の変形例と同様の通信部22が追加され、カメラ12の代わりにカメラ24を備え、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15および地図情報記憶部16が削除される以外は、実施の形態1のドローン1と同様である。カメラ24は、点検作業、監視作業、測量作業といった作業で用いられるカメラ、飛行制御のために用いられるカメラなどであり、本実施の形態では、カメラ24は、移動物件の検出のための映像の取得に用いられるものでなくてよい。また、ドローン1bと制御装置2aとの間の無線通信回線はどのような回線が用いられてもよいが、例えば、5G回線などのように大容量で低遅延の通信回線が用いられてもよい。
【0082】
制御装置2aは、実施の形態1の
図1,11に記載した移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、地図情報記憶部16、作業情報記憶部18および通信部23を備え、位置合わせ部15aを備える。移動物件検出部11は、センサ3からセンサ情報を取得する。制御装置2aが直接センサ3と接続されることで、移動物件検出部11がセンサ3からセンサ情報を取得してもよいし、通信部23または図示しない別の通信部を介して、移動物件検出部11が、センサ3からセンサ情報を取得してもよい。
図12に示した例では、作業情報記憶部18がドローン1bと制御装置2aとの両方に設けられているが、これらの両方に、作業経路情報および作業範囲情報が格納されていてもよいし、回避動作決定部17が禁止領域の決定に作業範囲を用いない場合には、ドローン1bにおける作業情報記憶部18には作業範囲情報が格納されてなくてもよく、また、制御装置2aにおける作業情報記憶部18には作業経路情報が格納されていなくてもよい。
【0083】
移動物件検出部11、移動情報算出部13および移動予測部14の動作は、移動物件検出部11および移動情報算出部13が、カメラ24の映像の代わりに、センサ3から取得されたセンサ情報を用いて、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行う以外は、実施の形態1と同様である。位置合わせ部15aは、センサ3の位置およびセンサ3の撮影方向を用いて位置合わせ処理を行うとともに、回避動作決定部17とのやりとりを通信部23および通信部22を介して行うが、これら以外は、実施の形態1の位置合わせ部15と同様である。なお、カメラ24が実施の形態1のカメラ12と同様の機能を有し、カメラ24の映像とセンサ3から取得されたセンサ情報との両方を用いて、位置合わせ部15aは、ドローン1の現在位置およびカメラ12の撮影方向の代わりに、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ってもよい。これにより、ドローン1bのカメラ24によって取得された映像の死角を、センサ3によってカバーすることができ、移動物件の検出精度が向上する。これにより、移動物件がドローン1bのカメラ24の死角に入っているときに速度が変化した場合でも、適切に回避動作を行うことができる。また、位置合わせ部15aが、各センサ3からのセンサ情報を地図上に集約させることで、移動物件の移動方向および移動速度の算出精度を向上させ、これにより移動物件の移動経路の予測精度を向上させることができる。
【0084】
本実施の形態においても、移動物件検出部11、移動情報算出部13および位置合わせ部15aは、接近移動物件検出部を構成し、接近移動物件検出部は、センサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する。
【0085】
ドローン1bの動作の回避動作決定部17は、通信部23および通信部22を介して制御装置2aの位置合わせ部15aとのやりとりを行う以外は、実施の形態1の回避動作決定部17と同様である。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
【0086】
制御装置2aも、例えば
図10に示したコンピュータシステムにより実現されるが、このコンピュータシステムは、無線通信を行う通信部を備えていてもよいし、コンピュータシステムとは別に通信装置が設けられ、当該通信装置が
図12に示した通信部23として機能してもよい。また、コンピュータシステムは、マウス、キーボードなどの入力部、ディスプレイ、モニタなどの表示部、を備えていてもよい。また、制御装置2aは複数のコンピュータで実現されてもよい。ドローン1bの回避動作決定部17および作業情報記憶部18も例えば
図10に示したコンピュータシステムにより実現される。また、センサ3に通信装置と測位部を設け、制御装置2aを例えばMEC(Multi-access Edge Computing)によって実現してもよい。この場合、地上設備は通信機能および測位付きのセンサ3のみでよい。
【0087】
図12に示した例では、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15a、地図情報記憶部16、回避動作決定部17および作業情報記憶部18を備える制御装置の機能が、ドローン1bと制御装置2aとに分散されているが、
図12に示したドローン1bと地上の制御装置2aとの機能の切り分けは一例であり、ドローン1bと地上の制御装置2aとの機能の切り分けは
図12に示した例に限定されない。例えば、ドローン1bが移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、地図情報記憶部16、作業情報記憶部18および位置合わせ部15aを備え、通信部22が、センサ3からセンサ情報を受信してもよい。また、回避動作決定部17を制御装置2aに追加し、実施の形態1の変形例と同様に回避動作指示などの指示を制御装置2aからドローン1bへ送信してもよい。このように、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15a、地図情報記憶部16、回避動作決定部17および作業情報記憶部18を備える制御装置は、ドローン内に設けられてもよく、地上に設けられてもよく、ドローンと地上とに機能部が分散して設けられてもよい。すなわち、制御装置を実現するハードウェアは、ドローンと地上の制御装置とに分かれていてもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、地上のセンサ3を用いて移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ったが、ドローンに搭載されたセンサによって取得されたセンサ情報をさらに用いて、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ってもよい。
【0089】
以上のように、本実施の形態では、地上のセンサ3を用いて移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行う。これにより、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、ドローン1bに移動物件の検出のためのセンサを搭載する必要がない。このため、移動物件の検出のためのセンサを搭載していないドローンを作業用のドローン1bとして用いることができる。また、ドローン1bに移動物件の検出のためのセンサを搭載する必要がないため、ドローン1bのコストを抑えることができる。また、特に、複数のドローン1bが同一の作業範囲内で作業する場合には、複数のドローン1bがセンサ3を共用できるため、コストの削減効果が大きくなる。さらに、既設のセンサ3を用いるとさらにコストを抑制することができる。
【0090】
また、ドローン1bに移動物件の検出のためのセンサを搭載してもよく、この場合には、ドローン1bによって取得されたセンサ情報と地上のセンサ3との両方を用いて移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行うことができるため、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出の精度を高めることができる。
【0091】
実施の形態3.
図14は、実施の形態3にかかる作業システムの構成例を示す図である。
図14に示すように、本実施の形態の作業システムは、作業ドローン1cと、監視ドローン4と、地上に設けられた制御装置2bと、を備える。実施の形態1,2と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1,2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1,2と異なる点を主に説明する。
【0092】
無人航空機である作業ドローン1cは、実施の形態1,2で述べたドローン1,1a,1bと同様に、作業を行う作業ドローンである。監視ドローン4は、作業ドローン1cとは別のドローンであり、作業ドローン1cの回避動作を補助するために監視を行う無人航空機である。
【0093】
作業ドローン1cは、カメラ12の代わりにカメラ24を備える以外は、実施の形態1の変形例のドローン1aと同様である。監視ドローン4は、実施の形態1の変形例のドローン1aと同様である。監視ドローン4は、1つであってもよいし複数であってもよい。監視ドローン4の通信部22は、カメラ12によって撮影された映像と測位部20によって算出された監視ドローン4の現在位置とを制御装置2bへ送信する。また、監視ドローン4の通信部22は、制御装置2bから飛行経路を受信し、受信した飛行経路を飛行制御部19へ出力し、飛行制御部19は、受け取った飛行経路にしたがって監視ドローン4の飛行を制御する。
【0094】
制御装置2bは、飛行経路生成部25が追加される以外は実施の形態1の変形例の制御装置2と同様であるが、通信部23は、センサ情報として、監視ドローン4のカメラ12によって撮影された映像を受信し、受信した映像を移動物件検出部11および位置合わせ部15へ出力する。また、作業ドローン1cと制御装置2bとの間の無線通信回線、監視ドローン4と制御装置2bとの間の無線通信回線はどのような回線が用いられてもよいが、例えば、5G回線などのように大容量で低遅延の通信回線が用いられてもよい。
【0095】
本実施の形態においても、移動物件検出部11、移動情報算出部13および位置合わせ部15は、接近移動物件検出部を構成し、接近移動物件検出部は、センサ情報を用いて、移動する物件を検出し、移動する物件のうち作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する。
【0096】
図15は、本実施の形態の作業ドローン1cおよび監視ドローン4の配置の一例を示す図である。
図15に示した例では、作業ドローン1cは、定められた作業位置で、橋梁の点検作業を行っており、橋梁の区間を含む道路に沿って2つの監視ドローン4が配置されている。画角401は、監視ドローン4のカメラ12の画角を示している。なお、監視ドローン4のカメラ12もセンサの一例であり、監視ドローン4に搭載されるセンサは、カメラ12以外のセンサであってもよい。なお、
図15に示した監視ドローン4の数、監視ドローン4の配置は例示であり、監視ドローン4の数および監視ドローン4の配置は
図15に示した例に限定されない。
【0097】
図15では、監視ドローン4のカメラ12の撮影方向は下向きであるが、撮影方向はこれに限定されない。
図16は、本実施の形態の監視ドローン4におけるカメラ12の撮影方向の別の一例を示す図である。
図16に示した例では、監視ドローン4の撮影方向は、斜め下方であり、このように斜めに撮影を行うことで、移動物件の高さとして車両204の車高402に関する情報を取得することができ、監視ドローン4のカメラ12によって取得された映像を用いて移動物件の車高402を推定することができる。なお、移動物件は車両204に限定されず、斜めに撮影を行うことで、車両204以外の移動物件の高さを推定することができる。また、監視ドローン4自身の位置情報と画角を加味した3次元地図の地図情報との位置合わせすることで道路の高さを算出し、道路の高さを用いて車両204の高さを算出してもよい。
【0098】
図17は、本実施の形態の移動物件の高さを用いた回避距離の決定方法の一例を模式的に示す図である。
図17では、高度を変更することで作業ドローン1cが回避を行う例を示している。作業ドローン1cが回避を行う際の回避距離(ドローンが回避飛行する距離)は、実施の形態1で述べたように、移動物件の高さとして、地図情報に基づいて、道路の高さが算出される場合、例えば移動物件の高さなどを考慮して一定値のマージンを加算するが、一定値のマージンの代わりに推定された移動物件の高さを考慮することで、精度よく回避距離を設定することができる。これにより、作業時間が中断の余分に発生することや、移動物件との距離が定められた距離未満となることを防ぐことができる。なお、推定された移動物件の高さを考慮する場合も、マージンを加算してもよいが、このマージンは推定された移動物件の高さを考慮しない場合に比べて小さな値とすることができる。
【0099】
図17に示した例では、車両204が移動物件であり、車両204の車高を考慮しないと、道路から定められた距離(飛行禁止境界までの距離)となる高度へ作業ドローン1cが移動することで回避を行うと、作業ドローン1cは、
図17に示した「ドローンから飛行禁止境界までの距離」と記載された距離を移動して回避することになる。この場合、車両204の上部から作業ドローン1cまでの距離は、定められた距離より短くなる。これに対して、道路から定められた距離(飛行禁止境界までの距離)となる高度から車高分を加算した距離まで回避を行うことで、車両204の上部から作業ドローン1cまでの距離が、定められた距離未満となることを避けることができる。なお、実施の形態1で述べたドローン1,1aに搭載されたカメラ12の映像を用いる場合も同様に斜めの撮影を行って高さを推定して、推定した高さを用いて回避距離が算出されてもよい。実施の形態2で述べた地上のセンサ3を用いる場合も、センサ3によって取得されたセンサ情報から高さを推定できる場合には、推定した高さを用いて回避距離が算出されてもよい。このように、回避動作決定部17は、センサ情報から算出された移動物件の高さを用いて、回避動作を決定してもよい。
【0100】
図18は、本実施の形態の制御装置2bにおける移動物件の回避制御に関する動作の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、制御装置2bは、ドローンの現在位置および監視ドローン4の画像を取得する(ステップS1a)。ドローンの現在位置は、作業ドローン1cおよび監視ドローン4の現在位置であり、通信部23が、作業ドローン1cから作業ドローン1cの現在位置を受信し、監視ドローン4から監視ドローン4の現在位置と映像を受信する。
【0101】
次に、実施の形態1と同様にステップS2~ステップS4が行われる。ただし、画像の位置合わせにおいては、監視ドローン4の現在位置とカメラ12の撮影方向を示す情報とが用いられる。作業範囲については、実施の形態1と同様に作業ドローン1cの作業範囲が用いられる。
【0102】
作業範囲に接近する移動物件がある場合(ステップS4 Yes)、制御装置2bは、移動物件の高さ判定処理を行う(ステップS21)。詳細には、移動物件検出部11が、監視ドローン4のカメラ12によって撮影された映像から抽出された画像を用いて、移動物件の高さを推定することで移動物件の高さを判定する。なお、移動物件の高さを推定しない場合には、ステップS21は行われなくてもよい。
【0103】
次に、制御装置2bは、回避距離算出処理を実施する(ステップS5a)。ステップS5aは、移動物件の高さが考慮される以外は、実施の形態1のステップS5と同様である。ステップS6およびステップS7は、実施の形態1と同様であり、ステップS7の後、回避動作決定部17は、作業ドローン1cへ回避指示を行う(ステップS22)。詳細には、回避動作決定部17は、作業ドローン1cが回避位置へ移動するための回避経路、速度などを示す回避指示を作成し、通信部23を介して作業ドローン1cへ送信する。作業ドローン1cは、回避指示を受信すると指示にしたがって飛行制御を行うことで回避動作を実施する。
【0104】
図19は、本実施の形態の作業ドローン1cの回避動作の開始後の制御装置2bにおける動作の一例を示すフローチャートである。ステップS11aはステップS1aと同様である。ステップS12~ステップS16は、実施の形態1と同様である。ただし、画像の位置合わせにおいては、監視ドローン4の現在位置とカメラ12の撮影方向を示す情報とが用いられる。ステップS16の後、回避動作決定部17は、作業ドローン1cへ復帰指示を行う(ステップS23)。詳細には、回避動作決定部17は、作業ドローン1cが回避位置から作業位置へ復帰するための復帰経路、速度などを示す復帰指示を作成し、通信部23を介して作業ドローン1cへ送信する。作業ドローン1cは、復帰指示を受信すると指示にしたがって飛行制御を行うことで作業位置へ復帰する。なお、上記の例に限定されず、回避動作決定部17は、実施の形態1と同様に、監視ドローン4のカメラ12の映像に基づいて移動物件が、作業ドローン1cが作業位置に復帰しても、移動物件と作業ドローン1cとの距離が定められた距離以上となる位置に移動したことを確認した後に、復帰指示を行ってもよい。
【0105】
制御装置2bの飛行経路生成部25は、監視ドローン4の飛行経路を生成し、生成した飛行経路を、通信部23を介して、監視ドローン4へ送信する。監視ドローン4の飛行経路は、例えば、作業ドローン1cの作業範囲に基づいて決定される。または、作業ドローン1cの作業経路に基づいて監視ドローン4の飛行経路が決定されてもよい。例えば、監視ドローン4のカメラ12の画角に基づいて、作業範囲を含む領域を撮影できるように監視ドローン4の高度と位置を決定することで監視ドローン4の飛行経路を決定してもよい。また、作業範囲または作業範囲の周辺に道路がある場合には、これらの道路を網羅できるように監視ドローン4を配置してもよい。また、作業ドローン1cが、
図6に例示したように、複数の作業位置間を移動する場合には、監視ドローン4も作業ドローン1cとともに移動させてもよい。
【0106】
また、制御装置2bの飛行経路生成部25は、監視ドローン4のカメラ12の画角に基づいて、監視ドローン4の配置を最適化してもよい。例えば、監視ドローン4の高度が上がると、撮影範囲は広くなるが、取得される画像の分解能が低下する。移動物件を広い範囲で検出するためには、監視ドローン4の高度は高い方がよいが、一方で分解能が低下すると移動物件の検出、移動速度の検出、移動物件の高さの検出が困難になる場合がある。このため、飛行経路生成部25は、映像(画像)を用いた処理で要求される分解能を満たす範囲でより撮影範囲を広くするように高度を決定することで、監視ドローン4の配置の最適化を行うことができる。例えば、飛行経路生成部25は、要求される分解能を満たし、かつ作業範囲に接近する移動物件を検出可能なように、監視ドローン4の高度を決定してもよい。また、作業範囲に接近する移動物件を検出するには、作業範囲より広い範囲を撮影する必要がある。例えば、作業範囲より定められた距離分外側に拡張した範囲を必要監視範囲として定めると、要求される分解能を満たし、かつ必要監視範囲を撮影できるように監視ドローン4の配置を決定することになる。作業範囲によっては、1つの監視ドローン4では、この条件を満たすことができない。このような場合には、飛行経路生成部25は、要求される分解能を満たし、かつ必要監視範囲を撮影できる最小の数の監視ドローン4を配置することで、最適化を行ってもよい。なお、監視ドローン4の配置は、作業範囲などに応じて決定されればよく、最適化された配置に限定されない。
【0107】
図20は、本実施の形態の監視ドローン4の配置の一例を示す図である。
図20に示した例では、作業範囲から定める必要監視範囲403を3機の監視ドローン4を用いて監視している。撮影範囲404-1~404-3は、3機の監視ドローン4のカメラ12のそれぞれの撮影範囲を示している。3機の監視ドローン4の高度は、カメラ12によって撮影される映像(画像)の分解能が、要求される分解能を満たすように定められる。
図20に示した例では、要求される分解能を満たすように監視ドローン4の高度を定めると、2機の監視ドローン4では必要監視範囲403をカバーできないが、3機の監視ドローン4を用いると、
図20に示すように必要監視範囲403をカバーできる。また、3機より多い数の監視ドローン4を用いても、要求される分解能を満たし、かつ必要監視範囲403をカバーできるが、運用する監視ドローン4の数が3機より増えてしまうためコストを要することになる。
図20に示した例では、3機の監視ドローン4を用いることで、コストを抑制しつつ、要求される分解能を満たし、かつ必要監視範囲403をカバーすることができる。
図20に示した必要監視範囲および監視ドローン4の配置は一例であり、必要監視範囲および監視ドローン4の配置は
図20に示した例に限定されず、同様に、例えば、作業範囲に基づいて、最適化が行われればよい。
【0108】
また、監視ドローン4の配置が、作業ドローン1cの作業位置(例えば、現在位置)から回避位置までの距離である回避距離に応じて決定されてもよい。例えば、回避距離が長い場合には、作業ドローン1cが回避に要する所要時間が長くなるため、回避距離が短い場合に比べて、早く移動物件を検出する必要がある。このため、回避距離が長い方が監視ドローン4の撮影範囲が広い方が望ましい。例えば、高度方向に回避を行う場合、作業ドローン1cの作業位置の高度が低い方が、回避距離が長くなるため、作業ドローン1cの作業位置の高度が高い場合に比べて、早く移動物件を検出する必要がある。
【0109】
図21は、本実施の形態の作業ドローン1cの位置に応じた監視ドローン4の位置の一例を示す図である。
図21に示すように、作業位置P1で作業ドローン1cが作業を行っている場合と、作業位置P1より高度が高い作業位置P2で作業ドローン1cが作業を行っている場合とを比較する。移動物件である車両204が最接近したときに、車両204との距離を定められた距離以上とするための回避位置(回避目標位置)まで移動する回避距離は、作業ドローン1cが作業位置P1で作業を行っている場合の方が、作業ドローン1cが作業位置P2で作業を行っている場合より長い。したがって、例えば、作業位置P2で作業ドローン1cが作業を行っている場合には、高度H1に監視ドローン4を配置し、作業位置P1で作業ドローン1cが作業を行っている場合は、高度H1より高度が高い高度H2に監視ドローン4を配置する。監視ドローン4の画角401に対応する撮影範囲は、高度H1より高度H2の方が広くなる。このように、飛行経路生成部25は、回避距離に応じて監視ドローン4の高度を決定してもよい。なお、
図21では、作業ドローン1cが、高度方向に回避する例を説明したが、実施の形態1で述べたように、作業ドローン1cが、回避する方向は高度方向に限定されない。高度方向以外に回避する場合も、同様に、飛行経路生成部25は、回避距離に応じて監視ドローン4の高度を決定してもよい。
【0110】
制御装置2bは、例えば
図10に示したコンピュータシステムにより実現されるが、このコンピュータシステムは、無線通信を行う通信部を備えていてもよいし、コンピュータシステムとは別に通信装置が設けられ、当該通信装置が
図14に示した通信部23として機能してもよい。また、コンピュータシステムは、マウス、キーボードなどの入力部、ディスプレイ、モニタなどの表示部、を備えていてもよい。また、制御装置2bは複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0111】
図14に示した例では、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17、作業情報記憶部18および飛行経路生成部25が、制御装置2bに設けられているが、これらのうちの少なくとも一部が作業ドローン1c、または監視ドローン4内に設けられてもよい。例えば、作業ドローン1cが、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17、作業情報記憶部18および飛行経路生成部25を備え、監視ドローン4から映像を受信することで、実施の形態1と同様に、回避動作を行ってもよい。また、実施の形態2のドローン1bと同様に、回避動作決定部17および作業情報記憶部18が作業ドローン1cに設けられてもよい。このように、移動物件検出部11、移動情報算出部13、移動予測部14、位置合わせ部15、地図情報記憶部16、回避動作決定部17、作業情報記憶部18および飛行経路生成部25を備える制御装置は、作業ドローン1c、監視ドローン4および地上の装置のいずれかに設けられてもよいし、これらの機能部が、作業ドローン1c、監視ドローン4および地上の装置のうち2つ以上に分散して設けられてもよい。すなわち、制御装置を実現するハードウェアは、ドローンと地上の制御装置とに分かれていてもよい。
【0112】
また、本実施の形態では、監視ドローン4に搭載されたカメラ12などのセンサで取得されたセンサ情報を用いて移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ったが、作業ドローン1cに実施の形態1と同様にカメラ12などのセンサを搭載し、作業ドローン1cによって取得されたセンサ情報をさらに用いて、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ってもよい。また、実施の形態2で述べた地上のセンサ3によって取得されたセンサ情報と監視ドローン4で取得されたセンサ情報とを用いて、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ってもよい。また、作業ドローン1cによって取得されたセンサ情報と、地上のセンサ3によって取得されたセンサ情報と、監視ドローン4で取得されたセンサ情報とを用いて、移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行ってもよい。
【0113】
以上のように、本実施の形態では、監視ドローン4に搭載されたカメラ12を用いて移動物件の検出、移動物件の移動方向および移動速度の算出を行う。これにより、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、作業ドローン1cに移動物件の検出のためのセンサを搭載する必要がない。このため、移動物件の検出のためのセンサを搭載していないドローンを作業ドローン1cとして用いることができる。また、作業ドローン1cに移動物件の検出のためのセンサを搭載する必要がないため、作業ドローン1cのコストを抑えることができる。また、特に、複数の作業ドローン1cが同一の作業範囲ないで作業する場合には、複数の作業ドローン1cが監視ドローン4を共用できるため、コストの削減効果が大きくなる。また、
図6に示した例のように、複数の作業位置間を移動して作業を行う場合、地上のセンサ3を用いると、作業位置ごとにセンサ3を設置する必要があるが、本実施の形態では監視ドローン4を作業ドローン1cの移動とともに移動させることができるため、作業位置ごとに監視ドローン4を設置する必要がない。また、作業ドローン1cの作業位置に応じて監視ドローン4の高度を変更することができるため、分解能の要求や撮影範囲の要求に柔軟に対応することができる。
【0114】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0115】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0116】
(付記1)
あらかじめ設定された作業範囲で作業する無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置であって、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて、移動する前記物件を検出し、移動する前記物件のうち前記作業範囲へ接近する接近移動物件を検出する接近移動物件検出部と、
前記接近移動物件の検出結果を用いて、前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とするように前記接近移動物件を回避する回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
(付記2)
前記センサ情報に基づいて前記接近移動物件の位置を予測する移動予測部、
を備え、
前記回避動作決定部は、前記接近移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、前記移動予測部による予測結果とを用いて、前記接近移動物件の前記禁止領域への侵入を避けるように前記回避動作を決定し、
前記禁止領域は、前記作業無人航空機と前記接近移動物件との3次元空間における距離が前記定められた距離以上となるように、3次元空間における領域として定められることを特徴とする付記1に記載の制御装置。
(付記3)
前記回避動作決定部は、前記禁止領域と、前記予測結果とを用いて、前記接近移動物件が前記禁止領域に到達する禁止領域到達時間を算出し、前記禁止領域到達時間を用いて前記回避動作の開始時間を決定することを特徴とする付記2に記載の制御装置。
(付記4)
前記回避動作決定部は、前記禁止領域と、前記予測結果とを用いて、前記作業無人航空機が前記接近移動物件を回避するために移動する位置である回避位置を決定し、前記回避位置と前記作業無人航空機の現在位置とを用いて、前記回避位置への移動に要する所要時間を算出し、前記禁止領域到達時間と前記所要時間とを用いて、前記回避動作の開始時間を決定することを特徴とする付記3に記載の制御装置。
(付記5)
前記回避動作の実行中は、前記作業無人航空機に前記作業を中断させることを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記6)
前記センサは、前記作業無人航空機に搭載されることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記7)
前記センサは、地上に設置されることを特徴とする付記1から6のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記8)
前記センサは、前記作業無人航空機とは別の無人航空機である監視無人航空機に搭載されることを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記9)
前記監視無人航空機の飛行経路を生成する飛行経路生成部、
を備えることを特徴とする付記8に記載の制御装置。
(付記10)
前記飛行経路生成部は、要求される分解能を満たし、かつ前記作業範囲に接近する移動物件を検出可能なように、前記監視無人航空機の高度を決定することを特徴とする付記9に記載の制御装置。
(付記11)
前記飛行経路生成部は、前記作業無人航空機の現在位置から前記作業無人航空機が前記接近移動物件を回避するために移動する位置までの距離に基づいて、前記監視無人航空機の高度を決定することを特徴とする付記9に記載の制御装置。
(付記12)
前記監視無人航空機に搭載された前記センサは、斜め下方を観測し、
前記回避動作決定部は、前記センサ情報から算出された前記接近移動物件の高さを用いて、前記回避動作を決定することを特徴とする付記8から11のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記13)
前記作業無人航空機は、前記回避動作において、少なくとも高度を変更することにより前記接近移動物件と前記作業無人航空機との間の距離を定められた距離以上とすることを特徴とする付記1から12のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記14)
前記回避動作決定部は、前記作業無人航空機と前記接近移動物件との間に遮蔽物がある場合には、前記遮蔽物の位置に応じて前記禁止領域を決定することを特徴とする付記2から4のいずれか1つに記載の制御装置。
(付記15)
作業を行う無人航空機である作業無人航空機を制御する制御装置であって、
前記作業無人航空機の周辺の状況を検出するセンサの検出結果であり前記周辺の物件の位置を示すセンサ情報を用いて前記物件のうち移動する物件である移動物件の位置を予測する移動予測部と、
前記移動物件の侵入を禁止する領域である禁止領域と、前記移動予測部による予測結果とを用いて、前記移動物件の前記禁止領域への侵入を避けるように回避動作を決定する回避動作決定部と、
を備え、
前記禁止領域は、前記作業無人航空機と前記移動物件との3次元空間における距離が定められた距離以上となるように、3次元空間における領域として定められることを特徴とする制御装置。
【符号の説明】
【0117】
1,1a,1b ドローン、1c 作業ドローン、2,2a,2b,30 制御装置、3 センサ、4 監視ドローン、11 移動物件検出部、12,24 カメラ、13 移動情報算出部、14 移動予測部、15,15a 位置合わせ部、16 地図情報記憶部、17 回避動作決定部、18 作業情報記憶部、19 飛行制御部、20 測位部、21 モータ、22,23 通信部、25 飛行経路生成部。