(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172286
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】廃棄物収集支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20231129BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083979
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】泉 敏幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】廃棄物の収集計画の作成を支援する廃棄物収集支援システムを提供する。
【解決手段】廃棄物収集支援システム10は、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさ、廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報を取得する取得部21aと、廃棄物収集情報と廃棄物を収集する収集便を示す情報とを表示部に表示させる表示制御部21bと、廃棄物を収集便に割り当てる指示を受け付ける受付部21cと、割り当てられた廃棄物を収集便によって収集する際の収集経路を作成する収集経路作成部21dと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物の収集位置、前記廃棄物の大きさ、前記廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報を取得する取得部と、
前記廃棄物収集情報と前記廃棄物を収集する収集便を示す情報とを表示部に表示させる表示制御部と、
前記廃棄物を前記収集便に割り当てる指示を受け付ける受付部と、
割り当てられた前記廃棄物を前記収集便によって収集する際の収集経路を作成する収集経路作成部と、を備える、
廃棄物収集支援システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記収集便を示す情報に色付けした表示を行い、地図上において前記収集便を示す情報の色に対応した色で前記収集位置を表示させる、
請求項1に記載の廃棄物収集支援システム。
【請求項3】
前記受付部は、
前記収集便による前記廃棄物の収集順を受け付け、
前記表示制御部は、
前記収集便における前記収集順を示す番号を前記収集位置に対応付けて地図上に表示させる、
請求項1または2に記載の廃棄物収集支援システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記収集便の荷台の容積と前記収集便に割り当てられた前記廃棄物の全体積との差を示す情報を前記表示部に表示させる、
請求項1または2に記載の廃棄物収集支援システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、
所定の廃棄物に関する前記廃棄物収集情報の表示順序を、他の廃棄物に関する前記廃棄物収集情報の表示順序より上位の順序とし、表示順序に従って前記廃棄物毎の前記廃棄物収集情報を前記表示部に表示させる、
請求項1または2に記載の廃棄物収集支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物収集支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粗大ごみを収集する作業者が、粗大ごみの種類、粗大ごみ収集位置などの廃棄物の収集情報が含まれるファイルをプリントアウトして、これに従って、廃棄物の収集を行う技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、粗大ごみなどの廃棄物の収集作業を行う際には、収集作業を行う者(例えば作業者や管理者)の知識やノウハウによって、廃棄物を収集する収集計画を作成することがあり、当該収集計画の作成を支援することが求められる。しかしながら、特許文献1のシステムでは、収集作業を行う者の知識やノウハウによって収集計画を作成することが考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、廃棄物の収集計画の作成を支援する、廃棄物収集支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、廃棄物収集支援システムは、廃棄物の収集位置、前記廃棄物の大きさ、前記廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報を取得する取得部と、前記廃棄物収集情報と前記廃棄物を収集する収集便を示す情報とを表示部に表示させる表示制御部と、前記廃棄物を前記収集便に割り当てる指示を受け付ける受付部と、割り当てられた前記廃棄物を前記収集便によって収集する際の収集経路を作成する収集経路作成部と、を備える。
【0007】
上記のように、廃棄物収集支援システムは、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさ、廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報を示す情報と、廃棄物を収集する収集便を示す情報と、を表示部に表示させる。廃棄物の収集作業を行う者は、表示部に表示された情報を基に廃棄物を収集する収集順などを決める収集計画を作成する。すなわち、廃棄物収集支援システムは、収集順などの収集計画を作成するための支援を行う。これにより、収集作業を行う者は、廃棄物の収集順などの収集計画を容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】廃棄物収集支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】廃棄物収集情報の一例を説明するための図である。
【
図3】表示部の表示の一例(収集便に割り当てを行う前の初期画面)を示す模式図である。
【
図4】表示部の表示の一例(収集便に割り当て後の画面)を示す模式図である。
【
図5】廃棄物収集支援システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)廃棄物収集支援システムの構成:
(2)フローチャート:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)廃棄物収集支援システムの構成:
本実施形態における廃棄物収集支援システムは、依頼者からの依頼に基づいて、家庭で生じる廃棄物など最終的に区市町村が管理するいわゆる一般廃棄物や事業活動に伴って生じる廃棄物であるいわゆる産業廃棄物を収集する際のシステムに関するものである。以下、一般廃棄物や産業廃棄物を、単に「廃棄物」または「ごみ」と記す。なお、廃棄物の種類は、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ、粗大ごみなど種類を問わないものの、本実施形態では、説明の便宜上、廃棄物の種類として、粗大ごみを例として説明する。
【0011】
図1は、本発明における廃棄物収集支援システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態において、廃棄物収集支援システム10は、サーバコンピュータで構成されている。廃棄物収集支援システム10は、廃棄物の収集作業を管理する管理者が利用する管理者端末100、廃棄物の収集作業を行う作業者が利用する作業者端末200、および、廃棄物の収集経路を探索する経路探索サーバ300のそれぞれと通信可能である。
図1では、作業者端末200を一台示しているものの、廃棄物収集支援システム10は、複数の作業者端末200と通信可能であってよい。なお、経路探索サーバ300は、二地点間を最小の移動コストで移動可能な経路を公知のアルゴリズムによって探索するサーバである。
【0012】
管理者端末100、作業者端末200、および、廃棄物収集支援システム10の各構成について説明する。
【0013】
管理者端末100は、廃棄物の収集作業を管理する管理者(または責任者)によって利用される情報処理装置である。本実施形態において、管理者端末100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)などを想定してよい。管理者端末100は、記録媒体110と、通信部120と、制御部130と、ユーザI/F部140とを備えている。制御部130は、CPU,ROM,RAM等を備え、ROMや記録媒体110に記録された各種プログラムをCPUが実行可能である。
【0014】
記録媒体110には、依頼者(例えば市民)から取得した廃棄物に関する情報である廃棄物収集情報110aが記録されている。依頼者は、インターネットや電話等によって、廃棄物の収集の依頼を行うことが想定される。
図2は、廃棄物収集情報110aのデータ構成の一例を示す図である。ここに示すデータ構成には、依頼者ID、廃棄物の収集日、廃棄物の収集位置、廃棄物の品目、および、廃棄物の大きさに関する情報が記録されている。なお、
図2には示さないものの、廃棄物収集情報110aとして、その他廃棄物の収集量(個数)などの情報が含まれてよい。
【0015】
依頼者IDは、市民など依頼者の識別情報であり、この依頼者IDに廃棄物の収集日、廃棄物の収集位置、廃棄物の品目、および、廃棄物の大きさの各種情報が対応付けられている。
【0016】
収集日は、依頼者が廃棄物の収集を希望する日である。なお、収集日には、日付の他、具体的な時刻(例えば9時)や時間帯(例えば9時~11時)が含まれてもよい。
【0017】
収集位置は、依頼者が廃棄物の収集場所として指定する位置であり、例えば依頼者がスマートフォンなどの端末を操作して位置情報を入力する、または、依頼者が当該端末に表示される地図画面を操作して収集位置を選択するなどによって決定される。なお、収集位置は、依頼者が収集位置を指定する他、自治体や地域毎によって予め定められた廃棄物の収集所などであってもよい。なお、依頼者が電話やファクシミリ等によって廃棄物の収集を依頼する場合には、当該依頼を受けた担当者等が収集位置を入力することになる。
【0018】
廃棄物の品目は、具体的な廃棄物の内容を示すものであって、例えば廃棄物の種類が粗大ごみである場合には、「ソファ」、「ベッド」、「タンス」、「テレビ」などが想定される。
【0019】
廃棄物の大きさは、廃棄物の具体的な大きさを示すものであって、例えば廃棄物の縦、横、高さを示す情報が記録される。
【0020】
図2に示す例では、依頼者01に、「収集日:2022年5月1日」、「収集位置(座標):XXX」、「品目:ソファ」、および、「大きさ:90×160×40」の情報が、それぞれ対応付けられている。なお、依頼者02以降については、
図2に示す通りであるため、その説明を省略する。
【0021】
また、廃棄物収集情報110aは更新され得る。具体的には、管理者がユーザI/F部140を操作して、収集便に廃棄物を割り当てる作業を行うと、当該廃棄物を割り当てた情報が廃棄物収集情報110aに記録され、更新される。なお、収集便に廃棄物を割り当てる作業の具体的な内容については後述する。
【0022】
通信部120は、外部の装置と無線通信を行うための装置であり、管理者端末100は通信部120を介して少なくとも廃棄物収集支援システム10と通信することができる。ユーザI/F部140は、管理者の指示を入力し、また、管理者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、地図や廃棄物の収集情報などを表示するディスプレイである表示部150、および、スイッチ、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部(図示せず)を備えている。
【0023】
制御部130は、依頼者が廃棄物の収集を依頼した場合に、廃棄物収集情報110aを後述する廃棄物収集支援システム10に送信する。また制御部130は、廃棄物を収集する収集計画を作成するための情報を廃棄物収集支援システム10から取得し、当該取得した情報をユーザI/F部140の表示部150に表示させる。
【0024】
作業者端末200は、廃棄物の収集を行う作業者(すなわち収集者)によって利用される情報処理装置である。本実施形態において、作業者端末200は、例えば、タブレット端末、スマートフォンなどの可搬型の端末を想定してよい。作業者端末200は、記録媒体210、通信部220、GNSS受信部230、制御部240、および、ユーザI/F部250を備えている。制御部240は、CPU,ROM,RAM等を備え、ROMや記録媒体210に記録されたナビゲーションプログラムを含む様々なプログラムをCPUが実行可能である。
【0025】
記録媒体210には、廃棄物収集情報210aが記録されている。廃棄物収集情報210aには、廃棄物収集情報110aのうち、作業者が担当する収集便に割り当てられた廃棄物に関する情報が記録されている。例えば、作業者が担当する収集便に割り当てられた廃棄物の品目、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさ、収集便の収集経路、廃棄物の収集順などの情報が記録されている。
【0026】
通信部220は、外部の装置と無線通信を行うための装置であり、作業者端末200は、通信部220を介して少なくとも廃棄物収集支援システム10と通信することができる。ユーザI/F部250は、作業者の指示を入力し、また、作業者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、地図や廃棄物の収集情報などを表示するディスプレイである表示部260、および、スイッチ、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部(図示せず)を備えている。
【0027】
GNSS受信部230は、GNSS信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、作業者端末200の位置を算出するための信号を出力する。制御部240は、ナビゲーションプログラムを実行することにより、当該信号を取得して作業者端末200の位置を取得する。
【0028】
制御部240は、廃棄物収集支援システム10から作業者端末200を所持する作業者の収集便に割り当てられた廃棄物の情報を取得し、当該収集便における収集経路と、GNSS受信部230で取得した作業者端末200の位置とを地図に重畳させて、ユーザI/F部250の表示部260に表示させる。
【0029】
廃棄物収集支援システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30、および、通信部40を備えている。通信部40は、他の装置と通信を行う回路を備えており、廃棄物収集支援システム10は、通信部40を介して管理者端末100、作業者端末200、および、経路探索サーバ300と通信することが可能である。
【0030】
記録媒体30には、地図情報30a、および、廃棄物収集情報110aが含まれる。地図情報30aには、廃棄物を収集する収集便(すなわち収集車両)が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、および、道路やその周辺に存在する施設の位置等を示す施設データ等を含んでいる。ここでノードとは交差点に対応し、リンクは交差点から他の交差点までの道路区間に対応する。
【0031】
記録媒体30に記録された廃棄物収集情報110aは、管理者端末100から取得される。すなわち、記録媒体110に記録された廃棄物収集情報110aと、記録媒体30に記録された廃棄物収集情報110aとは同一である。したがって、本実施形態では、管理者端末100に記録された廃棄物収集情報と、廃棄物収集支援システム10に記録された廃棄物収集情報とに同じ符号(110a)を付してある。廃棄物収集情報110aには、上述のように、例えば廃棄物の品目、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさに関する情報が含まれる。また、廃棄物収集支援システム10から送信した情報に基づいて管理者が作成した廃棄物の収集順に関する情報、収集便に廃棄物を割り当てる割り当てに関する情報などが含まれる。そして、管理者端末100から取得する廃棄物に関する情報は、上述のように管理者が表示部150を操作することにより更新され得る。したがって、管理者が廃棄物に関する情報を更新した場合には、廃棄物収集情報110aにおける情報も更新されることになる。
【0032】
制御部20は、記録媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態では、このプログラムの一例として、廃棄物収集支援プログラム21を実行することができる。廃棄物収集支援プログラム21は、管理者や作業者に対して廃棄物の収集のための情報を提供する(すなわち廃棄物の収集に関する支援をする)ためのプログラムである。廃棄物収集支援プログラム21が実行されると、制御部20は、取得部21a、表示制御部21b、受付部21c、および、収集経路作成部21dとして機能する。なお、以下において、取得部21a、表示制御部21b、受付部21c、および、収集経路作成部21dが行うものとして記載する処理は、制御部20により実現される処理である。
【0033】
取得部21aの機能により制御部20は、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさ、廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報110aを取得する。すなわち、取得部21aは、通信部40を介して、管理者端末100から、廃棄物の収集位置を示す座標、廃棄物の大きさ、タンス、ベッド、椅子、テレビなどの廃棄物の品目に関する廃棄物収集情報110aを取得する。そして、取得部21aは、取得した廃棄物収集情報110aを記録媒体30に記録する。
【0034】
表示制御部21bの機能により制御部20は、管理者が収集計画を作成するための情報を管理者端末100の表示部150に表示させる。具体的には、表示制御部21bは、表示部150に表示させる情報として、通信部40を介して廃棄物収集情報110aを示す情報、収集便の情報、廃棄物収集情報110aに含まれる収集位置を反映させた地図に関する情報を管理者端末100に送信する。本実施形態において、収集便の情報は、管理者が管理しており、作業者が使用可能な収集便を示す情報である。収集便の情報は、種々の態様で定義されてよく、本実施形態においては、収集便の識別情報と、収集便が収集を行う時間帯(午前または午後)と、が収集便の情報に含まれている。同一の時間帯において同一の収集車両が収集便となることはできないが、異なる時間帯であれば同一の収集車両がそれぞれの時間帯の収集便として使用されてもよい。
【0035】
本実施形態において、地図に関する情報は、廃棄物収集情報110aが示す各廃棄物の位置を示す地図を表示させるための画像データである。制御部20は、廃棄物収集情報110aに基づいて収集位置が存在する領域を特定し、当該領域を表示部150に表示させる際の地図の縮尺を特定する。そして、制御部20は、地図情報30aに基づいて当該領域の地図を描画し、さらに、当該地図上に各廃棄物の収集位置を示すアイコンを重畳する。制御部20は、得られた描画結果を示す画像データを生成する。
【0036】
管理者端末100の制御部130は、通信部120を介して、これらの情報を取得し、ユーザI/F部140の表示部150を制御して当該取得した情報を表示させる。管理者は、表示部150に表示された情報に基づいて、収集便の数を決定、収集便に割り当てる廃棄物を決定、ならびに、廃棄物の収集順を決定する。以上のように、本実施形態においては、廃棄物収集支援システム10の制御部20が、表示制御部21bの機能によって、管理者端末100に情報を送信して、ユーザI/F部140の表示部150に情報を表示させる。このような処理を、以後、単に、表示制御部21bが表示部150に情報を表示させると表記する場合もある。
【0037】
図3は、表示部150に表示される初期画面の例である。制御部130は、ユーザI/F部140を制御し、廃棄物収集情報110aを表示部150に一覧表示させる。この際に、制御部130は、所定の基準に沿って廃棄物に関する情報をソートして表示させる。所定の基準は、種々の基準であってよく、例えば品目によってソートされてもよいし、大きさによってソートされてもよいし、収集日によってソートされてもよい。
図3の表示部B1には、廃棄物収集情報110aが一覧表示されている状態が例示されている。
【0038】
なお、廃棄物収集情報110aを一覧表示させる際には、上述のように種々の基準でソートされてよいが、ソートに例外があってもよい。自治体等によっては、廃棄物の収集順が予め定められている場合がある。例えば収集する廃棄物に家電が含まれる場合には、家電を他の廃棄物に比べて早く収集するなどの規定がある。したがって、そのような規定がある場合には、当該廃棄物の表示順位を他の廃棄物よりも上位の順序にすることにより、当該廃棄物を目立たせることができる。そこで、表示制御部21bは、表示順位を優先すべき所定の廃棄物が廃棄物収集情報110aに含まれる場合、その廃棄物に対して、その旨を示すフラグを付与し、管理者端末100に送信する。制御部130は、廃棄物収集情報110aに基づいて、廃棄物を一覧表示する際、当該フラグが付与されている廃棄物は、他の廃棄物よりも上位に表示させる。
図3の表示部B1においては、品目が家電である廃棄物が他の廃棄物よりも上位の順位になる構成において、家電が最上位に表示されている例を示している。
【0039】
さらに、制御部130は、ユーザI/F部140を制御し、収集便の情報を表示部150に表示させる。具体的には、制御部130は、収集便の情報が示す識別情報と収集便が収集を行う時間帯とを示す文字と、各収集便を使用するか否かを指定するためのチェックボックスを表示させる。
図3の表示部B2には、収集便の情報の表示例が示されている。管理者が、ユーザI/F部140の入力部を操作してチェックボックスに対するチェックを行うと、制御部130は、チェックされた収集便を使用するものとみなす。この場合、制御部130は、チェックされた収集便に対応した枠を表示部150に表示させる。
図3においては、表示部B2に示された4台の収集便の全てにチェックが行われ、全ての収集便に対応する枠Fが表示された状態を示している。
【0040】
制御部130は、通信部120を介して、チェックされた収集便の識別情報を、廃棄物収集支援システム10に送信する。廃棄物収集支援システム10の制御部20は、通信部40を介して当該識別情報を取得し、収集に用いられる収集便を特定する。本実施形態において、収集便を示す枠Fは表示部150において着色される。そこで、制御部20は、収集に用いられる収集便に色を割り当て、通信部40を介して、色を示す情報を送信する。管理者端末100の制御部130は、通信部120を介して、当該色を示す情報を受信し、収集便を示す枠Fのそれぞれを、収集便に割り当てられた色に着色する。
図3においては、赤、青、黄、緑の文字によって各枠Fが着色されることが文字によって示されている。
【0041】
さらに、制御部130は、地図を示す画像データに基づいて、ユーザI/F部140を制御し、表示部150に地図を表示させる。上述のように、当該地図には、廃棄物の収集位置を示すアイコンが含まれている。
図3においては、「○」によって廃棄物の収集位置を示すアイコンが表現されており、直線によって道路が表現されている。地図上の記号「☆」は、収集便が出発する拠点を示している。なお、アイコンで示された収集位置と、表示部B1において示された各廃棄物は、同一の識別情報を表示させたり、引き出し線で両者を結んだりして対応付けられていてもよい。
【0042】
管理者は、
図3のように表示された廃棄物収集情報110aに基づいて、廃棄物の収集位置、廃棄物の品目、廃棄物の大きさなどの情報を見ながら廃棄物を収集便へ割り当てる作業を行うことができる。本実施形態において管理者は、廃棄物を収集便に割り当てる際に、表示部150に表示された廃棄物収集情報110aから割り当てる廃棄物を選択し、ユーザI/F部140の入力部を操作して、選択した廃棄物を収集便に対応した枠に移動させる。収集便の移動は、各種の態様で実施可能であるが、例えば、管理者が、地図上に表示された収集位置を示すアイコンや、表示部B1にリスト表示された廃棄物を選択し、枠Fに移動させるドラッグ&ドロップ等によって実施する構成等を採用可能である。
【0043】
ドラッグ&ドロップが行われると、制御部130は、ドラッグ&ドロップが行われた廃棄物を示す識別情報と、ドロップされた(すなわち廃棄物が割り当てられた)収集便を示す情報とを特定する。制御部130は、記録媒体110に記憶された廃棄物収集情報110aを参照し、割り当てが行われた廃棄物に対して、収集便を示す識別情報を対応付ける。さらに、制御部130は、通信部120を介して、収集便を示す識別情報と、当該収集便に割り当てられた廃棄物を示す情報と、を廃棄物収集支援システム10に対して送信する。廃棄物収集支援システム10の制御部20が、通信部40を介して当該情報を受信すると、制御部20は、受付部21cの機能によって、廃棄物を収集便に割り当てる指示を受け付ける。すなわち、制御部20は、受付部21cの機能により、廃棄物収集情報110aを参照し、受信した廃棄物の識別情報と同一の識別情報が対応付けられた廃棄物を特定し、当該廃棄物に対して収集便の識別情報を対応付ける。この結果、当該廃棄物を当該収集便に割り当てた状態になる。
【0044】
廃棄物が収集便に割り当てられた場合、表示制御部21bに割り当てられた収集便と廃棄物の収集位置とを対応付けるための表示を行う。具体的には、表示制御部21bは、収集便を示す情報を表示部150に表示させる際に、収集便を示すアイコンに色付けをした表示を行う。このため、表示制御部21bは、廃棄物が割り当てられた収集便に対応する色を特定し、通信部40を介して当該色を示す情報を送信する。管理者端末100の制御部130は、通信部120を介して、当該色を示す情報を受信し、表示部150を制御して、地図上の廃棄物の収集位置に表示されたアイコンを、当該色に着色する。例えば、
図3の例のように、「収集便:AM1便」が赤色で示されている場合には、当該AM1便に割り当てられた廃棄物の収集位置のアイコンの色が赤に着色される。むろん、この際、表示部B1の表示が変化してもよい。例えば、割り当てられた廃棄物は表示部B1から削除されたり、割り当てられた廃棄物は、収集便を示すアイコンと同色で表示されたりする構成を採用可能である。さらに、廃棄物が収集便に割り当てられた後、枠内の廃棄物がドラッグ&ドロップ可能であり、割り当てを修正可能であってもよい。
【0045】
本実施形態において管理者は、以上のような
図3に示すユーザーインターフェースを用いて上述の操作を繰り返すことにより、各廃棄物を各収集便に割り当てることができる。
図4は、複数の廃棄物が複数の収集便に割り当てられた後の表示部150の表示例を示す図である。
図4の例では、説明の都合上、「収集便:AM1便」を、赤色を意味する「実線」で示し、「収集便:AM2便」を、青色を意味する「破線」で示し、「収集便:PM1便」を、黄色を意味する「一点鎖線」で示し、「収集便:PM2便」を、緑色を意味する「二点鎖線」で示している。
【0046】
本実施形態においては、以上のようなユーザーインターフェースによる割り当ての過程で、管理者が、廃棄物の収集順を決定することができる。収集便の枠内にドロップされた廃棄物は、例えば
図4に示すように収集順にソートされて表示される。そこで、管理者は、表示された廃棄物の収集順に対して挿入したい位置に廃棄物をドロップさせる。例えば所定の廃棄物を
図4の例において、「収集便:AM1便」の2番目に収集したい場合、管理者は、1番目の収集順の廃棄物と2番目の収集順の廃棄物との間に廃棄物をドロップさせる。
【0047】
収集順の指定方法はこのような態様に限定されないが、いずれにしても、収集順が指定された状態で廃棄物が収集便に割り当てられると、制御部130は、廃棄物収集情報110aを更新する。すなわち、制御部130は、収集便に割り当てられた廃棄物の収集順を特定し、記録媒体110に記憶された廃棄物収集情報110aを参照し、割り当てが行われた廃棄物に対して収集順を示す情報を対応付ける。
【0048】
さらに、制御部130は、通信部120を介して、廃棄物の識別情報と収集順を示す情報を、廃棄物収集支援システム10に送信する。廃棄物収集支援システム10の制御部20は、受付部21cの機能により、通信部40を介して当該廃棄物の識別情報と収集順を取得し、当該識別情報の廃棄物に対して、当該収集順を対応付け、記録媒体30に記憶された廃棄物収集情報110aを更新する。このように、廃棄物収集情報110aの同期が行われると、制御部20は、表示制御部21bの機能により、通信部40を介して、当該廃棄物の収集順の登録が正常に完了したことを示す情報を送信する。管理者端末100の制御部130は、通信部120を介して、当該情報を受信すると、収集便における収集順を示す番号を収集位置に対応付けて地図上に表示させる。
図4においては、収集位置を示すアイコン内に示す数値によって収集順が示されている。当該収集順を示す数値は、枠F内の廃棄物のそれぞれに対しても対応付けられて表示されている。
【0049】
本実施形態においては、以上のユーザーインターフェースにおいて、さらに各種の機能を備えている。例えば、管理者は、
図3、および、
図4に示す地図の縮尺を変化させることが可能である。管理者は、廃棄物の収集位置を含む周辺の道路の幅を把握した上で、"どの収集便にどの廃棄物を割り当てるかの操作(すなわちドラッグ&ドロップの操作)を行う。具体的には、管理者は、ユーザI/F部140の入力部を操作し、表示部150に表示された地図の拡大・縮小を指示する。拡大または縮小の指示が行われると、制御部130は、通信部120を介して、指示内容を示す情報を廃棄物収集支援システム10に送信する。制御部20は、受付部21cの機能により、通信部40を介して当該指示を受け付ける。
【0050】
さらに、制御部20は、指示内容に基づいて地図の縮尺を特定する。そして、制御部20は、表示制御部21bの機能により、地図情報30aに基づいて収集位置が含まれる領域の地図を描画し、さらに、当該地図上に各廃棄物の収集位置を示すアイコンを重畳する。制御部20は、得られた描画結果を示す画像データを生成する。画像データが生成されると、制御部20は、表示制御部21bの機能により、通信部40を介して画像データを管理者端末100に送信し、表示部150に縮尺変更後の地図を表示させる。以上の構成により、管理者は、廃棄物の収集位置を含む周辺の道路の幅を把握した上で、"どの収集便にどの廃棄物を割り当てるかの操作を行う。これにより、例えば、所定の収集位置が含まれる周辺の道路の幅が比較的狭い箇所については、当該収集位置の廃棄物を小型車両の便に割り当てを行うなどの操作を実施可能である。
【0051】
さらに、表示制御部21bは、管理者が収集便に廃棄物を割り当てる作業を支援する情報として、収集便の荷台の容積と収集便に割り当てられた廃棄物の全体積との差を示す情報を表示部150に表示させる。管理者は、廃棄物が収集便の荷台に積みきれるか否かの判断を行い、当該荷台に廃棄物を積みきれないと判断した場合には、別の収集便に廃棄物を割り当てる作業を行う。そこで、表示制御部21bは、このような収集便に廃棄物を割り当てる作業を支援するために、収集便の荷台の容積と収集便に割り当てられた廃棄物の全体積との差を示す情報を表示部150に表示させる。
【0052】
具体的には、表示制御部21bは、収集便に対して予め対応付けられた荷台の容積と、廃棄物収集情報110aを参照して収集便に割り当てられた廃棄物の大きさ(縦、横、高さ)に関する情報とを取得する。そして、表示制御部21bは、取得した廃棄物の縦、横、高さの積を算出し、各廃棄物の体積を取得する。また、表示制御部21bは、各廃棄物の体積の和を取得して、当該収集便に割り当てられた全ての廃棄物の体積の総和(すなわち廃棄物の全体積)を算出する。さらに、表示制御部21bは、当該収集便の容積と廃棄物の全体積との差を算出し、その算出した体積の差を表示部150に表示させる。表示制御部21bは、同様の処理を管理者端末100で選択された全ての収集便について行う。
【0053】
以上のユーザーインターフェースによって割り当てが行われると、収集経路作成部21dの機能により制御部20は、割り当てられた廃棄物を収集便によって収集する際の収集経路を作成する。具体的には、収集経路作成部21dは、記録媒体30に記憶された廃棄物収集情報110aを参照し、廃棄物が割り当てられた収集便毎に、各廃棄物の収集位置と収集順とを取得する。そして、収集経路作成部21dは、通信部40を介して、収集便、収集位置、収集便の情報を経路探索サーバ300に送信する。すなわち収集経路作成部21dは、経路探索サーバ300に経路探索の指示を行う。経路探索の指示を受けた経路探索サーバ300は、受信した収集順に関する情報を参照して、収集便毎に各二地点間の経路探索を行う。具体的には、経路探索サーバ300は、収集拠点と一つ目の収集位置との二地点間の経路探索を行う。また、収集地点が複数ある場合には、経路探索サーバ300は、一つ目の収集位置と二つの収集位置との二地点間の経路探索を行う。経路探索サーバ300は、同様の処理を収集順の各二地点間の全てにおいて経路探索を行う。経路探索は、経路探索サーバ300の記録媒体(図示せず)に記録された地図情報に基づいて実行される。なお、地図情報には、各リンクの移動コストが含まれている。移動コストは、種々の手法で特定されてよい。例えば、各リンクに対応するプローブ交通情報(実際に車両が走行した位置や車速などを用いて生成された道路交通情報)から取得した移動時間やVICS(登録商標)情報から生成した移動時間が移動コストとみなされてよい。また、移動時間は、渋滞度や混雑度を反映した情報であってもよい。さらに、移動コストはリンクの距離であってもよい。なお、上述の経路探索は、種々のアルゴリズムで実施されてよく、例えば、ダイクストラ法、A*アルゴリズム、または、これらの改良型アルゴリズムなどを採用可能である。
【0054】
そして、制御部20は、収集経路の作成が完了したら、表示制御部21bの機能により当該作成した収集経路、および、収集位置を含む地図を作業者端末200の表示部260に表示させる。廃棄物を収集する作業者は、表示部260に表示された案内に沿って廃棄物の収集を行う。
【0055】
(2)フローチャート:
つぎに、制御部20が実行する廃棄物収集支援処理を、
図5のフローチャートを参照しつつ説明する。この廃棄物収集支援処理は、例えば管理者が、廃棄物の収集計画を作成するための指示を行い、当該指示に応じて、管理者端末100から廃棄物収集支援システム10に処理の開始要求が行われたことに応じて実行される。以下、具体的な処理内容について説明する。
【0056】
廃棄物収集支援処理が開始されると、制御部20は、廃棄物収集情報110aを読み込む(ステップS1)。すなわち制御部20は、取得部21aの機能により取得し、記録媒体30に記録されている廃棄物収集情報110aを参照して、廃棄物の収集位置、廃棄物の品目、および、廃棄物の大きさに関する情報を読み込む。
【0057】
ついで、制御部20は、表示部150に収集位置を反映させた地図、収集便のチェックボックス、および廃棄物の一覧を表示させる(ステップS2)。すなわち、制御部20は、表示制御部21bの機能により、ステップS1で読み込んだ情報に基づいて、通信部40を介して廃棄物収集情報110aを示す情報、収集便の情報、廃棄物収集情報110aに含まれる収集位置を反映させた地図に関する情報を管理者端末100に送信する。この結果、管理者端末100の表示部150に
図3に示すようなユーザーインターフェースが表示される。廃棄物収集情報110aは、所定の基準でソートされて表示されるが、表示制御部21bは、廃棄物収集情報110aの中に、所定の廃棄物(例えば家電)が含まれる場合には、当該所定の廃棄物の表示順序を他の廃棄物の表示順序より上位の順序として表示させてもよい。この場合、本実施形態によれば、所定の廃棄物を他の廃棄物より目立たせることができ、管理者は、所定の廃棄物の存在を認識しやすくなる。
【0058】
ついで、制御部20は、収集便の数の受け付けを行う(ステップS3)。これは、収集便のアイコンを幾つ作成するかを決定するためのステップである。管理者が、ユーザI/F部140の入力部を操作して、チェックボックスにチェックを行うと、チェック結果を示す情報が廃棄物収集支援システム10に送信される。制御部20は、受付部21cの機能により、当該情報を受信し、管理者が選択した収集便を特定する。
【0059】
ついで、制御部20は、収集便の情報を表示させる(ステップS4)。具体的には、制御部20は、表示制御部21bの機能により、ステップS3で受け付けた収集便の数に応じた収集便に対応した色を示す情報を管理者端末100に送信する。この結果、管理者端末100の表示部150には、収集便を示す枠が表示され、さらに、収集便の枠が赤、青、黄、緑などで着色される。
【0060】
ついで、制御部20は、廃棄物の割り当ての受け付けを行う(ステップS5)。具体的には、制御部20は、受付部21cの機能により、管理者端末100から収集便に廃棄物を割り当てた情報を取得することで当該割り当ての受け付けを行う。管理者は、ユーザI/F部140を操作して収集便に廃棄物の割り当てる作業を行う。具体的には、管理者は、表示部150に表示された廃棄物収集情報110aを示す情報から、収集便に割り当てる廃棄物を選択して、当該選択した廃棄物を上述の収集便の枠内にドロップさせる。また、管理者は、収集便の枠内に廃棄物をドロップさせるとともに廃棄物の収集順を決定する。管理者は、この作業をステップS4で表示された収集便の数に応じた分、それぞれ行う。
【0061】
また、制御部20は、管理者が収集便の枠内に廃棄物をドロップして割り当てる作業を行う際に、表示制御部21bの機能により、所定の廃棄物がドロップされたら、当該所定の廃棄物の収集順を上位になるように表示してもよい。例えば、上述したように、家電の収集順が最初に定められているような自治体の収集計画を作成する場合には、制御部20は、所定の廃棄物である家電が枠内にドロップされた際に、収集順が最初になるように表示部150に表示させる。すなわち、制御部20は、管理者に対して、廃棄物の収集順を決定するための情報を提供する。これにより、管理者は、廃棄物の収集順を決定する際に、所定の廃棄物である家電の収集順についての決定が容易となる。
【0062】
また、制御部20は、表示制御部21bの機能により、管理者が収集便に廃棄物を割り当てる作業を支援する情報として、収集便の荷台の容積と収集便に割り当てられた廃棄物の全体積との差を示す情報を表示部150に表示させる(ステップS6)。上述のように、管理者は、廃棄物が収集便の荷台に積みきれるか否かの判断を行う。そこで、表示制御部21bは、このような収集便に廃棄物を割り当てる作業を支援するために、収集便の荷台の容積と収集便に割り当てられた廃棄物の全体積との差を示す情報を表示部150に表示させる。
【0063】
ついで、制御部20は、廃棄物の割り当てを受け付けたら、表示部150の地図を更新させる(ステップS7)。表示部150には、ステップS2の処理により既に収集位置を含む地図が表示されている。また、制御部20は、ステップS5の処理により、管理者からの廃棄物を収集便に割り当てるドラッグ&ドロップの操作を受け付けている。そこで、表示制御部21bは、表示部150に既に表示されている地図に、管理者からの廃棄物の割り当てに関する情報を反映させるために、廃棄物の収集位置を地図上で収集便を示す情報の色に対応した色で表示させる。すなわち、表示制御部21bは、ステップS4で表示した収集便の枠のうち赤色の枠内に含まれる収集位置について、地図上における収集位置の色を赤色で表示させる。同様に、その他の収集位置についても、当該収集位置が含まれる収集便の枠に対応した色で表示させる。
【0064】
また、表示制御部21bは、表示部150の地図を更新させる際に、収集便における収集順を示す番号を収集位置に対応付けて地図上に表示させる。上述のステップS5の処理により、制御部20は、受付部21cの機能により廃棄物の収集順を受け付けており、したがって、制御部20は、表示制御部21bの機能により、当該廃棄物の収集順を示す番号を地図上の収集位置に対応付けて表示させる。すなわち、表示制御部21bは、地図の表示を更新する際に、収集位置を示すアイコンの色付けに加えて収集順を示す表示を行う。なお、このステップS7と上述のステップS6との順序は反対であってもよい。
【0065】
ついで、制御部20は、廃棄物の割り当てが全て完了したか否かを判断する(ステップS8)。具体的には、制御部20は、受付部21cの機能により、管理者による廃棄物の割り当て完了の指示を受け付ける。廃棄物の割り当て完了の指示とは、例えば、管理者が表示部150を操作して、"廃棄物の割り当て終了"、"収集経路作成"などの廃棄物の割り当てが完了したことを指示する操作である。
【0066】
このステップS8で否定的に判断された場合、すなわち受付部21cの機能により廃棄物の割り当てが完了した通知を受けて付けていないなどにより廃棄物の割り当てが全て完了していないと判断した場合には、制御部20は、処理をステップS5へ戻し、このステップS8で肯定的に判断されるまで、ステップS5~ステップS8の処理を繰り返し実行する。
【0067】
一方、このステップS8で肯定的に判断された場合、すなわち受付部21cの機能により廃棄物の割り当てが完了した通知を受けたことにより廃棄物の割り当てが全て完了したと判断した場合には、収集経路を作成する(ステップS9)。すなわち、制御部20は、収集経路作成部21dの機能により、受付部21cで受け付けた収集便による廃棄物の収集順に関する情報を、通信部40を介して経路探索サーバ300に送信する。経路探索の指示を受けた経路探索サーバ300は、収集便毎に収集順に従って廃棄物の収集位置を巡回する経路を探索する。作成された経路を示す情報は、廃棄物収集支援システム10に送信される。
【0068】
そして、制御部20は、収集経路の作成が完了したら、表示制御部21bの機能により当該作成した収集経路、および、収集位置を含む地図を、各収集便で使用される作業者端末200の表示部260に表示させる。廃棄物を収集する作業者は、作業者端末200のナビゲーション機能により表示部260に表示された案内に沿って廃棄物の収集を行うことができる。
【0069】
つぎに、本実施形態における効果について説明する。上述のように本実施形態では、制御部20は、表示制御部21bの機能により、廃棄物の割り当てを行う管理者端末100の表示部150に、廃棄物の収集位置、廃棄物の大きさ、廃棄物の品目を含む廃棄物収集情報110aと、収集便の枠を表示させる。これにより、管理者は、各廃棄物の、収集位置、大きさを把握しながら,廃棄物を収集便に割り当てることができる。このような構成により、廃棄物の収集計画の作成を支援することができ、管理者は、廃棄物の収集計画を作成するための廃棄物の割り当てを容易に実施することができる。
【0070】
また、制御部20は、表示部150に収集便の枠内に廃棄物を割り当てるための情報を表示させる。すなわち、制御部20は、管理者に対して収集順などの収集計画を作成するための支援を行う。これにより、管理者は、廃棄物の収集順を含む収集計画を容易に作成することができる。また、このように、収集計画を作成するための支援を行うことができることにより、例えば、収集作業や収集計画の作成に関する経験が少ない者が収集計画を作成する場合であっても、容易に収集計画を作成することができる。
【0071】
また、本実施形態では、制御部20は、表示制御部21bの機能により表示部150に収集位置を含む地図を表示させる。管理者は、表示部150に表示された地図を拡大・縮小させるなどの操作により、収集位置を含む周辺の道路の幅を特定することができる。その結果、道路の幅が小さい収集位置の廃棄物を小型車両の収集便に割り当てることが可能となり、例えば実際の現場で、収集便の車両が大きすぎて収集位置に近づけないなどの不都合が生じることを防止できる。また、制御部20は、表示制御部21bの機能により、表示部150に廃棄物の大きさに関する情報を表示させる。すなわち、制御部20は、
図4に示すように、廃棄物の縦、横、高さの情報を表示部150に表示させる。これにより例えば、管理者は、廃棄物の大きさを示す情報が表示されない場合に比べて、収集便の荷台に廃棄物が載りきるか否かの判断が容易となる。
【0072】
また、制御部20は、廃棄物収集情報110aに関する情報を表示部150に表示させる際に、所定の廃棄物が廃棄物収集情報110aに含まれる場合、当該所定の廃棄物の表示順序を他の廃棄物に比べて上位に表示させる。この構成によれば、管理者は、所定の廃棄物の存在を認識しながら廃棄物の割り当てを実行することができる。このため、優先的に割り当てを行うべき廃棄物を見落として割り当てを進め、後から、優先すべき廃棄物に気づき、割り当てをやり直すなどの手間が発生しにくい。その結果、管理者の収集計画の作成の負荷を更に低減させることができる。
【0073】
また、制御部20は、収集便の枠の表示に色付けをし、更に収集位置を含む地図を表示させる際に、収集位置を地図上で収集便の枠の色に対応した色で表示させる。これにより、地図上には、収集便の枠に対応した収集位置が収集便の枠と同じ色で表示されることになるので、廃棄物を収集便に割り当てる作業を行う際に、管理者は、同じ収集便に割り当てた廃棄物が地図上のどの収集位置に位置し、収集位置同士の位置関係の把握が容易となる。
【0074】
また、制御部20は、地図を表示部150に表示させる際に、収集便における収集順を示す番号を収集位置に対応付けて地図上に表示させる。これにより、地図上には、収集便に応じた収集順が収集位置に表示されることになるので、管理者は、地図上で収集位置と収集順との対応関係を把握しつつ、収集順を含む廃棄物の割り当てを行うことができる。また、この収集順の表示と上述の収集便の枠に対応した色付けの表示とを併せて行うことにより、地図上の収集位置と、収集便の枠内の表示との対応関係が更に把握しやすくなるため、ひいては管理者の廃棄物を収集便に割り当てる作業の効率を向上させることができる。
【0075】
また、制御部20は、管理者が収集便に廃棄物を割り当てる作業を支援する情報として、収集便の荷台の容積と収集便に割り当てられた廃棄物の全体積との差を示す情報を表示部150に表示させる。つまり、管理者に対して、割り当てを行った廃棄物が収集便の荷台に積みきれるか否かの判断をする情報を提供する。そのため、管理者は、このような情報が表示されない場合に比べて、収集便の荷台に廃棄物を積みきれるか否かの判断が容易となる。
【0076】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。廃棄物収集支援システム10を構成する取得部21a、表示制御部21b、受付部21c、収集経路作成部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していてもよい。例えば、取得部21a、表示制御部21b、受付部21c、収集経路作成部21dの機能の一部が他のサーバで実現されてもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態を構成するシステムや端末は、機能を共有したより少ない装置で構成されてもよい。例えば、
図1に示す少なくとも一台のシステムまたは端末が、他の一台以上のシステムや端末と同一の装置で構成される例が挙げられる。例えば、廃棄物収集支援システム10と管理者端末100とが一体の装置で構成されてもよい。あるいは、廃棄物収集支援システム10と作業者端末200とが一体の装置で構成されてもよい。あるいは、管理者端末100と作業者端末200とが一体の装置で構成されてもよい。
【0078】
むろん、作業者端末200は、収集便である収集車両に備えられていてもよいし、可搬型の端末等であってもよい。さらに、
図1に示すシステムがより多数のシステムで構成されてもよい。例えば、廃棄物収集支援システム10がクラウドサーバで構成されてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、表示部150に表示させる収集便を示す情報として、収集便の枠を例として説明したものの、当該収集便を示す情報は、収集便の枠の他、収集便を示す何らかのアイコンやシンボルであればよい。例えば、上述の枠のアイコンに替えて、収集便である収集車両のアイコンを表示部150に表示し、更に表示制御部21bは、当該収集車両のアイコンを収集便毎に異なる色付けをして表示させる。
【0080】
また、上述の実施形態では、収集便における廃棄物の収集順を管理者が決定するが、収集順の決定は、管理者の他、作業者が行ってもよく、または、廃棄物収集支援システム10で実行してもよい。廃棄物収集支援システム10が実行する場合には、例えば移動時間や移動距離等の移動コストが最小になるように収集順を決定する。
【0081】
また、表示制御部21bは、収集便を示す情報に色付けした表示を行い、収集位置を地図上で収集便を示す情報の色に対応した色で表示させるものの、当該表示は、各収集便を識別できればよい。例えば上述の実施形態では、赤の色付けを意味する実線、青の色付け意味する破線のように、色と線の種類とで収集便の識別をしたが、これは少なくとも一方の表示であってよい。また、その他、例えば収集便を示す情報に「○」や「◎」等の図形等の記号を付して表示してもよい。その場合には、表示制御部21bは、地図上の収集位置に、収集便を示す情報に付された記号を付して表示させる。
【0082】
また、上述の実施形態では、管理者が廃棄物を割り当てる作業を実行する例を説明したものの、当該廃棄物を割り当てる作業は、廃棄物の収集作業を行う作業者が実行してもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、廃棄物収集支援システム10、管理者端末100、作業者端末200のそれぞれ記録媒体が備えられていたが、当該記録媒体は、少なくともいずれかの端末やシステムに備えられていればよい。その場合には、廃棄物収集支援システム10、管理者端末100、作業者端末200は互いの通信部を介して廃棄物に関する情報を送受信すればよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、廃棄物の種類として、ベッド、タンス、テレビ等の粗大ごみを例として説明したが、廃棄物は、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみなどのその他の廃棄物であってもよい。
【0085】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0086】
10…廃棄物収集支援システム、20…制御部、21…廃棄物収集支援プログラム、21a…取得部、21b…表示制御部、21c…受付部、21d…収集経路作成部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…通信部、100…管理者端末、110…記録媒体、110a…廃棄物収集情報、120…通信部、130…制御部、140…ユーザI/F部、150…表示部、200…作業者端末、210…記録媒体、210a…廃棄物収集情報、220…通信部、230…GNSS受信部、240…制御部、250…ユーザI/F部、260…表示部。