(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172339
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電源回路、電源管理回路および電子機器
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
G05F1/56 310N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084050
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】坂本 忠之
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB02
5H430BB09
5H430BB11
5H430CC05
5H430EE04
5H430EE09
5H430EE18
5H430FF02
5H430FF13
5H430GG08
5H430HH03
(57)【要約】
【課題】さまざまなプラットフォームで汎用的に利用可能な電源回路を提供する。
【解決手段】N型トランジスタMN1は、入力ピンVINと出力ピンVOUTの間に接続される。P型トランジスタMP1は、入力ピンVINと出力ピンVOUTの間に、N型トランジスタMN1と並列に接続される。第3制御回路130は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、N型トランジスタMN1のゲートにハイ電圧を印加する。第4制御回路140は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、P型トランジスタMP1のゲートにロー電圧を印加する。第3モードにおいて、第3制御回路130と第4制御回路140がイネーブル状態となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子の間に接続されたN型トランジスタと、
前記入力端子と前記出力端子の間に、前記N型トランジスタと並列に接続されたP型トランジスタと、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記出力端子に発生する出力電圧が目標電圧に近づくように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第1制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記出力電圧が目標電圧に近づくように、前記P型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第2制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記N型トランジスタのゲートにハイ電圧を印加する第3制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記P型トランジスタのゲートにロー電圧を印加する第4制御回路と、
を備え、
前記第1制御回路がイネーブルである第1モードと、
前記第2制御回路がイネーブルである第2モードと、
前記第3制御回路および前記第4制御回路がイネーブルである第3モードと、
が切替可能である、電源回路。
【請求項2】
前記第3制御回路および前記第4制御回路は、前記第3モードにおいて、前記電源回路の起動時に、前記N型トランジスタと前記P型トランジスタが実質的に同時にオンするように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧および前記P型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御する、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記出力電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータを含み、前記出力電圧が前記第1しきい値電圧を超えるとアサートされるパワーグッド信号を生成するパワーグッド回路をさらに備える、請求項1または2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記パワーグッド回路は、
前記N型トランジスタのゲート電圧を第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータと、
前記P型トランジスタのゲート電圧を第3しきい値電圧と比較する第3コンパレータと、
をさらに含み、
前記第3モードでは、前記出力電圧が前記第1しきい値電圧を超え、かつ、前記N型トランジスタの前記ゲート電圧が前記第2しきい値電圧を超え、かつ前記P型トランジスタの前記ゲート電圧が前記第3しきい値電圧を下回ったことを条件として、前記パワーグッド信号をアサートする、請求項3に記載の電源回路。
【請求項5】
前記第3制御回路および前記第4制御回路は、前記第3モードにおいて、前記電源回路の起動時に、前記第2コンパレータの出力と前記第3コンパレータの出力が実質的に同時に変化するように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧および前記P型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御する、請求項4に記載の電源回路。
【請求項6】
前記第3制御回路は、
前記N型トランジスタの前記制御電極と電源端子の間に接続された第1電流源と、
前記N型トランジスタのゲートソース間に接続され、前記第1モードおよび前記第2モードにおいてオンとなる第1スイッチと、
を含む、請求項1または2に記載の電源回路。
【請求項7】
前記第4制御回路は、
前記P型トランジスタの前記制御電極と接地の間に接続された第2電流源と、
前記P型トランジスタのゲートソース間に接続され、前記第1モードおよび前記第2モードにおいてオンとなる第2スイッチと、
を含む、請求項1または2に記載の電源回路。
【請求項8】
ひとつの半導体基板に一体集積化される、請求項1または2に記載の電源回路。
【請求項9】
DC/DCコンバータと、
請求項1または2に記載の電源回路と、
を備える、電源管理回路。
【請求項10】
請求項9に記載の電源回路を備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は大きく、スイッチング電源とリニアレギュレータに分けられる。システムの設計者は、設計対象のアプリケーションに関して、入力電圧と出力電圧の関係、負荷電流の大きさ、スイッチングノイズが許容できるかなどを考慮して、スイッチング電源かリニアレギュレータを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、さまざまなプラットフォームで汎用的に利用可能な電源回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様は、電源回路に関する。電源回路は、入力端子と出力端子と、入力端子と出力端子の間に接続されたN型トランジスタと、入力端子と出力端子の間に、N型トランジスタと並列に接続されたP型トランジスタと、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、出力端子に発生する出力電圧が目標電圧に近づくように、N型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第1制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、出力電圧が目標電圧に近づくように、P型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第2制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、N型トランジスタのゲートにハイ電圧を印加する第3制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、P型トランジスタのゲートにロー電圧を印加する第4制御回路と、を備える。電源回路は、第1制御回路がイネーブルである第1モードと、第2制御回路がイネーブルである第2モードと、第3制御回路および第4制御回路がイネーブルである第3モードと、が切替可能である。
【0006】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0007】
本開示のある態様によれば、半導体集積回路を小型化し、低消費電力化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電源回路のブロック図である。
【
図2】
図2は、第1モードで動作する電源回路を備えるシステムの等価回路図である。
【
図3】
図3は、第2モードで動作する電源回路を備えるシステムの等価回路図である。
【
図4】
図4は、第3モードで動作する電源回路を備えるシステムの等価回路図である。
【
図5】
図5は、実施例1に係る電源回路の回路図である。
【
図6】
図6は、実施例2に係る電源回路の回路図である。
【
図7】
図7は、PMICを備える電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0010】
一実施形態に係る電源回路は、入力端子と出力端子と、入力端子と出力端子の間に接続されたN型トランジスタと、入力端子と出力端子の間に、N型トランジスタと並列に接続されたP型トランジスタと、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、出力端子に発生する出力電圧が目標電圧に近づくように、N型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第1制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、出力電圧が目標電圧に近づくように、P型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第2制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、N型トランジスタのゲートにハイ電圧を印加する第3制御回路と、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、P型トランジスタのゲートにロー電圧を印加する第4制御回路と、を備える。電源回路は、第1制御回路がイネーブルである第1モードと、第2制御回路がイネーブルである第2モードと、第3制御回路および第4制御回路がイネーブルである第3モードと、が切替可能である。
【0011】
本明細書において、N型トランジスタは、NチャンネルFET(Field Effect Transistor)やNPN型バイポーラトランジスタであり、P型トランジスタは、PチャンネルFETやPNP型バイポーラトランジスタである。また本明細書では、ドレイン、ソースは、バイポーラトランジスタのコレクタ、エミッタを指す。
【0012】
この構成によれば、入力電圧が電源回路に供給される電源電圧以下で、電源電圧と出力電圧の差分がN型トランジスタのしきい値電圧よりも十分大きい場合には、第1モードを選択し、入力電圧が電源回路に供給される電源電圧以下で、入力電圧がP型トランジスタのしきい値電圧よりも十分大きい場合には、第2モードを選択することで、安定化された出力電圧を負荷に供給できる。また、入力電圧が、別の外部電源によって安定化された電圧である場合には、第3モードを選択することで、電源回路をロードスイッチとして動作させることができる。このように、電源回路は、さまざまなプラットフォームで汎用的に利用できる。
【0013】
第3モードでは、入力電圧の電圧レベルにかかわらず、N型トランジスタとP型トランジスタの両方がオンするように、第3制御回路および第4制御回路が動作する。そのため、N型トランジスタ、P型トランジスタの一方のみがオンとなるロードスイッチに比べて、オン抵抗を低減でき、回路損失を低減できる。
【0014】
一実施形態において、第3制御回路および第4制御回路は、第3モードにおいて、電源回路の起動時に、N型トランジスタとP型トランジスタが実質的に同時にオンするように、N型トランジスタの制御電極の電圧およびP型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御してもよい。N型トランジスタとP型トランジスタの一方のみが先にオン状態となり、他方がオンしていない状態で、負荷電流が流れると、オン状態である一方のトランジスタに電流が集中し、発熱するという問題がある。N型トランジスタとP型トランジスタを実質的に同時にオンさせることにより、電流の集中を防止できる。
【0015】
一実施形態において、電源回路は、出力電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータを含み、出力電圧が第1しきい値電圧を超えるとアサートされるパワーグッド信号を生成するパワーグッド回路をさらに備えてもよい。
【0016】
一実施形態において、パワーグッド回路は、N型トランジスタのゲート電圧を第2しきい値と比較する第2コンパレータと、P型トランジスタのゲート電圧を第3しきい値と比較する第3コンパレータと、をさらに含んでもよい。パワーグッド回路は、第3モードにおいて、出力電圧が第1しきい値電圧を超え、かつ、N型トランジスタのゲート電圧が第2しきい値電圧を超え、かつP型トランジスタのゲート電圧が第3しきい値電圧より低くなったことを条件として、パワーグッド信号をアサートしてもよい。これにより、N型トランジスタ、P型トランジスタの両方がオンした後に、パワーグッド信号がアサートされることとなり、いずれか一方のみがオンの状態で負荷が動作開始するのを防止できる。
【0017】
一実施形態において、第3制御回路および第4制御回路は、第3モードにおいて、電源回路の起動時に、第2コンパレータの出力と第3コンパレータの出力が実質的に同時に変化するように、N型トランジスタの制御電極の電圧およびP型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御してもよい。
【0018】
一実施形態において、第3制御回路は、N型トランジスタの制御電極と電源端子の間に接続された第1電流源と、N型トランジスタのゲートソース間に接続される第1スイッチと、を含んでもよい。この構成では、第3モードにおいて、第1スイッチをオンからオフに切り替えることで、第1電流源が生成する電流によってN型トランジスタのゲート容量が充電され、ソフトスタートが実現できる。
【0019】
一実施形態において、第4制御回路は、P型トランジスタの制御電極と接地の間に接続された第2電流源と、P型トランジスタのゲートソース間に接続され、第1モードおよび第2モードにおいてオンとなる第2スイッチと、を含んでもよい。この構成では、第4モードにおいて、第2スイッチをオンからオフに切り替えることで、第2電流源が生成する電流によってP型トランジスタのゲート容量が放電され、ソフトスタートが実現できる。
【0020】
一実施形態において、電源回路は、ひとつの半導体基板に集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0021】
一実施形態に係る電源管理回路は、DC/DCコンバータと、上述のいずれかの電源回路と、を備える。
【0022】
(実施形態)
以下、好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、開示および発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示および発明の本質的なものであるとは限らない。
【0023】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0024】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に接続された(設けられた)状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0025】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る電源回路100のブロック図である。電源回路100は、入力ピンVIN、出力ピンVOUT、電源ピンVSYS、N型トランジスタMN1、P型トランジスタMP1、第1制御回路110、第2制御回路120、第3制御回路130、第4制御回路140、コントローラ150、パワーグッド回路160を備える。電源回路100は、ひとつの半導体基板に集積化された機能ICである。
【0026】
入力ピンVINには、外部から入力電圧VINが供給される。また出力ピンVOUTには図示しない負荷が接続される。電源ピンVSYSには、外部電源から電源電圧VSYSが供給される。電源ピンVSYSには、電源ライン102が接続されており、電源電圧VSYSは、電源回路100の内部の各ブロックに供給される。電源電圧VSYSは、電源回路100に集積化される内部レギュレータによって生成されてもよい。
【0027】
N型トランジスタMN1は、入力ピンVINと出力ピンVOUTの間に接続される。P型トランジスタMP1は、入力ピンVINと出力ピンVOUTの間に、N型トランジスタMN1と並列に接続される。
【0028】
第1制御回路110は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能である。第1制御回路110は、イネーブル状態において、出力ピンVOUTに発生する出力電圧VOUTが目標電圧VOUT(REF)に近づくように、N型トランジスタMN1の制御電極(ゲート)の電圧VgNを制御する。第1制御回路110の出力は、ディセーブル状態においてハイインピーダンスとなる。
【0029】
第1制御回路110は、第1オペアンプOA1を含む。第1オペアンプOA1は、その非反転入力端子(+)に基準電圧VREFを受ける。第1オペアンプOA1の反転入力端子(-)には、出力電圧VOUTに応じたフィードバック電圧VFBが入力される。フィードバック電圧VFBは、抵抗R11,R12を含む分圧回路によって生成される。なお、本実施形態では、抵抗R11,R12が電源回路100に集積化されているが、抵抗R11,R12は外付けとしてもよい。その場合、電源回路100に、フィードバック電圧VFBを受けるためのフィードバックピンを追加すればよい。第1オペアンプOA1の出力は、N型トランジスタMN1のゲートに接続される。第1オペアンプOA1は、オン、オフが切り替え可能であり、第1オペアンプOA1のオン状態が、第1制御回路110のイネーブル状態に対応する。
【0030】
第2制御回路120は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能である。第2制御回路120は、イネーブル状態において、出力電圧VOUTが目標電圧VOUT(REF)に近づくように、P型トランジスタMP1の制御電極(ゲート)の電圧VgPを制御する。第2制御回路120の出力は、ディセーブル状態においてハイインピーダンスとなる。
【0031】
第2制御回路120は、第2オペアンプOA2を含む。第2オペアンプOA2は、その反転入力端子(-)に基準電圧VREFを受ける。第2オペアンプOA2の非反転入力端子(+)には、出力電圧VOUTに応じたフィードバック電圧VFBが入力される。第2オペアンプOA2の出力は、P型トランジスタMP1のゲートに接続される。第2オペアンプOA2は、オン、オフが切り替え可能であり、第2オペアンプOA2のオン状態が、第2制御回路120のイネーブル状態に対応する。
【0032】
第3制御回路130は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能である。第3制御回路130は、イネーブル状態において、N型トランジスタMN1のゲートにハイ電圧VHを印加する。ハイ電圧VHは、典型的には電源電圧VSYSであるが、その限りでない。たとえば第3制御回路130は、出力電圧VOUTよりも、所定電圧幅高い電圧を、ハイ電圧VHとして、N型トランジスタMN1のゲートに印加してもよい。第3制御回路130の出力は、ディセーブル状態においてハイインピーダンスとなる。
【0033】
第4制御回路140は、イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、P型トランジスタMP1のゲートにロー電圧VLを印加する。ロー電圧VLは、典型的には接地電圧0Vであるが、その限りでない。たとえば第4制御回路140は、入力電圧VINよりも、所定電圧幅低い電圧を、ロー電圧VLとして、P型トランジスタMP1のゲートに印加してもよい。第4制御回路140の出力は、ディセーブル状態においてハイインピーダンスとなる。
【0034】
電源回路100は、第1モード、第2モード、第3モードの3つのモードが切り替え可能であり、モードは、電源回路100の動作中には変化せず、電源回路100が使用されるアプリケーションやプラットフォームによって選択され、固定される。モードの設定は、図示しない設定ピンを利用して行ってもよいし、図示しないインタフェース回路を利用して、外部のホストコントローラから、電源回路100の起動時に受信してもよい。あるいは電源回路100は、モードの設定値を保持する不揮発性メモリを備えてもよい。
【0035】
コントローラ150は、設定されたモードに応じて、第1制御回路110、第2制御回路120、第3制御回路130、第4制御回路140に対してイネーブル信号EN1~EN4を供給し、イネーブル、ディセーブルを制御する。
【0036】
コントローラ150は、第1モードにおいてイネーブル信号EN1をアサート(たとえばハイ)し、イネーブル信号EN2~EN4をネゲートして、第1制御回路110をイネーブルとする。コントローラ150は、第2モードにおいてイネーブル信号EN2をアサート、イネーブル信号EN1,EN3,EN4をネゲートして、第2制御回路120をイネーブルとする。コントローラ150は、第3モードにおいてイネーブル信号EN3、EN4をアサートし、イネーブル信号EN1,EN2をネゲートし、第3制御回路130および第4制御回路140をイネーブルとする。
【0037】
パワーグッド回路160は、出力電圧VOUTを監視し、出力電圧VOUTがその目標電圧レベルVOUT(REF)付近まで上昇したことを検出すると、パワーグッド信号PGをアサートする。パワーグッド信号PGは、出力ピンVOUTに接続される負荷に供給され、負荷は、パワーグッド信号PGのアサートを待って、動作を開始する。たとえばパワーグッド回路160は、出力電圧VOUTをしきい値電圧VTH1と比較する第1コンパレータCOMP1を含んでもよい。
【0038】
あるいは、パワーグッド信号PGは、負荷を制御するマイクロコントローラに供給される。マイクロコントローラは、パワーグッド信号PGのアサートを待って、負荷の動作を開始する。
【0039】
以上が電源回路100の構成である。続いてその動作を、第1モード~第3モードそれぞれについて説明する。
【0040】
(第1モード)
図2は、第1モードで動作する電源回路100を備えるシステム200の等価回路図である。電源回路100の入力ピンVINには、電源電圧V
SYS以下の入力電圧V
INが供給され、出力ピンVOUTには負荷202が接続される。第1モードでは、出力電圧V
OUTは、V
OUT(REF)=V
REF×(R11+R12)/R12に安定化される。
【0041】
(第2モード)
図3は、第2モードで動作する電源回路100を備えるシステム200の等価回路図である。電源回路100の入力ピンVINには、電源電圧V
SYS以下の入力電圧V
INが供給され、出力ピンVOUTには負荷202が接続される。第2モードでは、第1モードと同様に、出力電圧V
OUTは、V
OUT(REF)=V
REF×(R11+R12)/R12に安定化される。
【0042】
第1モードおよび第2モードでは、電源回路100が電圧レギュレーション機能を有するため、入力電圧VINは、変動する電圧であってもよい。
【0043】
図4は、第3モードで動作する電源回路100を備えるシステム200の等価回路図である。第3モードでは電源回路100は、ロードスイッチとして動作する。電源回路100の入力ピンVINには、外部電源204から、所定の電圧レベルに安定化された入力電圧V
INが供給される。入力電圧V
INは、電源電圧V
SYSよりも低いことが好ましいが、高くてもよい。外部電源204は、DC/DCコンバータであってもよいし、リニアレギュレータであってもよい。
【0044】
第3モードにおいて、N型トランジスタMN1、P型トランジスタMP1はフルオン状態となる。これにより、負荷202には、入力電圧VINと実質的に同じ電圧レベルを有する出力電圧VOUTが供給される。
【0045】
以上が電源回路100の動作である。この電源回路100は、さまざまなプラットフォームで汎用的に利用できる。電源回路100の利点は比較技術との対比によって明確となる。
【0046】
比較技術では、電源回路100はロードスイッチとして動作する際に、N型トランジスタMN1またはP型トランジスタMP1の一方のみがフルオンし、他方はオフとされる。たとえば、入力電圧VINの電圧レベルによらずにロードスイッチとして確実に動作させる場合、P型トランジスタを利用する必要がある。一般に、P型トランジスタの方が、N型トランジスタよりもオン抵抗が高いため、比較技術では損失が大きくなる。
【0047】
あるいは比較技術において、入力電圧VINが電源電圧VSYSより高いシステムでは、P型トランジスタMP1をオンとし、入力電圧VINが電源電圧VSYSより低いシステムでは、N型トランジスタMN1をオンする構成も考えられる。この場合、入力電圧VINと電源電圧VSYSの電位差が小さい場合に、オンとなるトランジスタのオン抵抗が十分に小さくならない可能性がある。
【0048】
実施形態に戻る。実施形態では、第3モードでは、入力電圧VINの電圧レベルにかかわらず、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1の両方がフルオンするように、第3制御回路130および第4制御回路140が動作する。そのため、N型トランジスタ、P型トランジスタの一方のみがオンとなるロードスイッチに比べて、オン抵抗を低減でき、回路損失を低減できる。
【0049】
本開示は、
図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本開示の範囲を狭めるためではなく、本開示や本発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0050】
(実施例1)
図5は、実施例1に係る電源回路100Aの回路図である。この実施例において、第3制御回路130は、第1電流源CS1および第1スイッチSW1を含む。第1電流源CS1は、N型トランジスタMN1のゲートと接続され、定電流をゲートにソースする。第1スイッチSW1は、N型トランジスタMN1のゲートと接地間に接続される。
【0051】
第4制御回路140は、第2電流源CS2および第2スイッチSW2を含む。第2電流源CS2は、P型トランジスタMNPのゲートと接続され、定電流をゲートからシンクする。第2スイッチSW2は、P型トランジスタMP1のゲートソース間に接続される。
【0052】
第3モードで動作するとき、出力電圧VOUTの出力開始前の状態では、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2はオンしている。これにより、N型トランジスタMN1のゲートは0Vに固定され、またP型トランジスタMP1のゲートは、入力電圧VINに固定される。したがって、N型トランジスタMN1およびP型トランジスタMP1はオフとなる。
【0053】
出力電圧VOUTの出力開始のトリガーが発生すると、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2がオフとなる。これにより、N型トランジスタMN1のゲートは、第1電流源CS1が生成する電流によって充電され、ゲート電圧VgNが時間とともにゆっくりと上昇する。またP型トランジスタMP1のゲートは、第2電流源CS2が生成する電流によって放電され、ゲート電圧VgPが時間とともにゆっくりと低下する。そしてN型トランジスタMN1、P型トランジスタMP1それぞれのゲートソース間電圧が、FETのしきい値を越えると、N型トランジスタMN1、P型トランジスタMP1がターンオンする。
【0054】
ここで、第3制御回路130と第4制御回路140は、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1が実質的に同じタイミングでターンオンするように構成される。具体的には、第1電流源CS1の電流量と第2電流源CS2の電流量が、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1が同時にオンするように設計されている。「同時にオンする」とは完全に同一のタイミングでオンすることに限定されず、たとえば数十μs程度の時間差があってもよい。
【0055】
以上が電源回路100Aの構成である。電源回路100Aの利点を説明する。もし、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1の一方のみがオンで、他方がオフの状態で、パワーグッド信号PGがアサートされると、先にオンとなったトランジスタに負荷電流が集中的に流れて、発熱が大きくなる。これに対して、
図5の電源回路100Aでは、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1が実質的に同時にターンオンする。そのため、電流の集中を防止でき、発熱を抑制できる。
【0056】
(実施例2)
図6は、実施例2に係る電源回路100Bの回路図である。
図5の電源回路100Bは、パワーグッド回路160Bの構成が、
図5のパワーグッド回路160と異なっている。
【0057】
パワーグッド回路160Bは、第3モードにおいて、出力電圧VOUTに加えて、N型トランジスタMN1のゲート電圧VgNおよびP型トランジスタMP1のゲート電圧VgPを監視する。第3モードにおいて、パワーグッド回路160Bは、出力電圧VOUTがしきい値電圧VTH1を超え、かつN型トランジスタMN1のゲート電圧VgNがしきい値電圧VTH2を超え、かつP型トランジスタMP1のゲート電圧VgPがしきい値電圧VTH3を下回ると、パワーグッド信号PGをアサートする。
【0058】
言い換えると、第3モードにおいて、パワーグッド回路160Bは、出力電圧VOUTがしきい値電圧VTH1を超え、かつN型トランジスタMN1、P型トランジスタMP1それぞれのゲートソース間電圧が、FETのしきい値電圧を超えると、パワーグッド信号PGをアサートする。
【0059】
パワーグッド回路160Bは、コンパレータCOMP1~COMP3およびロジック回路162を含む。第1コンパレータCOMP1は、出力電圧VOUTをしきい値電圧VTH1と比較する。第2コンパレータCOMP2は、出力電圧VOUTをしきい値電圧VTH2と比較する。第3コンパレータCOMP3は、出力電圧VOUTをしきい値電圧VTH3と比較する。ロジック回路162は、第3モードにおいて、3つのコンパレータCOMP1~COMP3がすべてアサートされると、パワーグッド信号PGをアサートする。第1モード、第2モードでは、ロジック回路162は、第1コンパレータCOMP1の出力がアサートされると、パワーグッド信号PGをアサートする。
【0060】
以上が電源回路100Bの構成である。電源回路100Bでは、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1の両方がオンするまでパワーグッド信号PGがアサートされない。言い換えると、パワーグッド信号PGがアサートされた時点では、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1がオンであることが保証される。したがって、一方のトランジスタに電流が集中するのを防止でき、発熱を抑制できる。
【0061】
実施例2では、N型トランジスタMN1とP型トランジスタMP1は必ずしも実質的に同じタイミングでターンオンする必要がないが、実施例1と同様に、実質的に同じタイミングでターンオンするように、第3制御回路130および第4制御回路140が構成されてもよい。つまり、第3制御回路130と第4制御回路140は、第2コンパレータCOMP2の出力と、第3コンパレータCOMP3の出力が実質的に同時に変化するように構成されてもよい。
【0062】
(用途)
続いて電源回路100の用途を説明する。その限りでないが、電源回路100は、電源管理回路(PMIC:Power Management IC)に使用することができる。
【0063】
図7は、PMIC300を備える電子機器400のブロック図である。電子機器400は、民生機器であってもよいし、車載機器であってもよいし、産業機器であってもよい。
【0064】
PMIC300は、複数n個(n≧2)の負荷402_1~402_nを有する電子機器400に搭載され、複数の負荷402_1~402_nに適切な電源電圧VOUT1~VOUTnを供給する。負荷402の種類や個数は特に限定されない。たとえば複数の負荷402_1~402_nは、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、オーディオ回路、ディスプレイドライバなどが例示される。1個の負荷402に対応する構成や機能の単位を、チャンネルCHと表記する。nをチャンネル数と称する。
【0065】
負荷402のいくつかは、SOC(System On Chip)あるいはマイクロコントローラの内部に設けられる複数のブロック(CPUブロック、メモリブロック)であってもよい。あるいは複数の負荷402_1~402_nは、別々のデバイスであってもよい。
【0066】
電子機器400を正常に動作させるためには、複数の負荷402を所定の順序で起動する必要があり、したがってそれらの部品に対する電源電圧のオン、オフのシーケンスは、数μsのオーダーで正しく制御する必要がある。たとえばRAMに対する電源供給は、CPUがRAMにアクセスする前に完了していなければならない。
【0067】
PMIC300は、主として、制御ロジック310、複数の電源回路320_1~320_n、ならびに図示しないインタフェース回路を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。
【0068】
複数の電源回路320_1~320_nは、複数の負荷402_1~402_nに対応する。複数の電源回路320_1~320_nは、個別にオン、オフが切りかえ可能に構成される。電源回路320は、昇圧型、降圧型、昇降圧型のDC/DCコンバータであってもよいし、LDO(Low Drop Output)などのリニアレギュレータであってもよいし、あるいはチャージポンプ回路などであってもよい。当業者であれば電源回路320を構成する部品の一部、たとえばインダクタやトランス、平滑キャパシタ、フィードバック用の抵抗、スイッチング素子などが、チップ部品やディスクリート部品で構成され、PMIC300のIC外部に外付けされることが理解される。
【0069】
制御ロジック310は、PMIC300を統合的に制御する。制御ロジック310の主たる機能のひとつはシーケンサである。制御ロジック310は、電子機器400の動作モードの変更に関連するイベントを検出すると、電源回路320_1~320_nの状態を変化させる。ここでの動作モードは、通常動作、休止、スタンバイ、シャットダウンなどが例示される。どのような動作モードをサポートするかは、電子機器400の種類などに応じており、本開示において限定されない。
【0070】
たとえば制御ロジック310は、起動イベントを検出すると、複数の電源回路320_1~320_nを、所定の順序および所定の時間間隔で起動する。
【0071】
また制御ロジック310は、シャットダウンイベントを検出すると、複数の電源回路320_1~320_nを、所定の順序および所定の時間間隔で停止する。
【0072】
また制御ロジック310は、スタンバイイベントを検出すると、複数の電源回路320_1~320_nのうちのいくつかを停止状態に遷移させる。反対に制御ロジック310は、スタンバイ復帰イベントを検出すると、複数の電源回路320_1~320_nのうちのいくつかを停止状態から動作状態に遷移させる。
【0073】
図7において、第4チャンネルの電源回路320_4は、上述の電源回路100に対応する。電源回路320_4をリニアレギュレータとして動作させたい場合、第1モードあるいは第2モードに設定すればよい。電源回路320_4をロードスイッチとして動作させたい場合、第3モードに設定すればよい。
【0074】
本開示に係る実施形態について、具体的な用語を用いて説明したが、この説明は、理解を助けるための例示に過ぎず、本開示あるいは請求の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、請求の範囲によって規定されるものである。また、実施形態のみでなく、ここでは説明しない実施形態、実施例、変形例も、本発明の範囲に含まれる。
【0075】
(付記)
本開示には以下の技術が開示される。
【0076】
(項目1)
入力端子と出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子の間に接続されたN型トランジスタと、
前記入力端子と前記出力端子の間に、前記N型トランジスタと並列に接続されたP型トランジスタと、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記出力端子に発生する出力電圧が目標電圧に近づくように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第1制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記出力電圧が目標電圧に近づくように、前記P型トランジスタの制御電極の電圧を制御する第2制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記N型トランジスタのゲートにハイ電圧を印加する第3制御回路と、
イネーブル状態とディセーブル状態が切り替え可能であり、イネーブル状態において、前記P型トランジスタのゲートにロー電圧を印加する第4制御回路と、
を備え、
前記第1制御回路がイネーブルである第1モードと、
前記第2制御回路がイネーブルである第2モードと、
前記第3制御回路および前記第4制御回路がイネーブルである第3モードと、
が切替可能である、電源回路。
【0077】
(項目2)
前記第3制御回路および前記第4制御回路は、前記第3モードにおいて、前記電源回路の起動時に、前記N型トランジスタと前記P型トランジスタが実質的に同時にオンするように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧および前記P型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御する、項目1に記載の電源回路。
【0078】
(項目3)
前記出力電圧を第1しきい値電圧と比較する第1コンパレータを含み、前記出力電圧が前記第1しきい値電圧を超えるとアサートされるパワーグッド信号を生成するパワーグッド回路をさらに備える、項目1または2に記載の電源回路。
【0079】
(項目4)
前記パワーグッド回路は、
前記N型トランジスタのゲート電圧を第2しきい値電圧と比較する第2コンパレータと、
前記P型トランジスタのゲート電圧を第3しきい値電圧と比較する第3コンパレータと、
をさらに含み、
前記第3モードでは、前記出力電圧が前記第1しきい値電圧を超え、かつ、前記N型トランジスタの前記ゲート電圧が前記第2しきい値電圧を超え、かつ前記P型トランジスタの前記ゲート電圧が前記第3しきい値電圧を下回ったことを条件として、前記パワーグッド信号をアサートする、項目3に記載の電源回路。
【0080】
(項目5)
前記第3制御回路および前記第4制御回路は、前記第3モードにおいて、前記電源回路の起動時に、前記第2コンパレータの出力と前記第3コンパレータの出力が実質的に同時に変化するように、前記N型トランジスタの制御電極の電圧および前記P型トランジスタの制御電極の電圧をソフトスタート制御する、項目4に記載の電源回路。
【0081】
(項目6)
前記第3制御回路は、
前記N型トランジスタの前記制御電極と電源端子の間に接続された第1電流源と、
前記N型トランジスタのゲートソース間に接続され、前記第1モードおよび前記第2モードにおいてオンとなる第1スイッチと、
を含む、項目1から5のいずれかに記載の電源回路。
【0082】
(項目7)
前記第4制御回路は、
前記P型トランジスタの前記制御電極と接地の間に接続された第2電流源と、
前記P型トランジスタのゲートソース間に接続され、前記第1モードおよび前記第2モードにおいてオンとなる第2スイッチと、
を含む、項目1から6のいずれかに記載の電源回路。
【0083】
(項目8)
ひとつの半導体基板に一体集積化される、項目1から7のいずれかに記載の電源回路。
【0084】
(項目9)
DC/DCコンバータと、
項目1から8のいずれかに記載の電源回路と、
を備える、電源管理回路。
【0085】
(項目10)
項目9に記載の電源管理回路を備える、電子機器。
【0086】
(項目11)
項目1から8のいずれかに記載の電源回路を備える、電子機器。
【符号の説明】
【0087】
100 電源回路
MP1 P型トランジスタ
MN1 N型トランジスタ
102 電源ライン
110 第1制御回路
OA1 第1オペアンプ
120 第2制御回路
OA2 第2オペアンプ
130 第3制御回路
CS1 第1電流源
SW1 第1スイッチ
140 第4制御回路
CS2 第2電流源
SW2 第2スイッチ
R11,R12 抵抗
150 コントローラ
160 パワーグッド回路
VIN 入力ピン
VOUT 出力ピン
VSYS 電源ピン
300 PMIC
310 制御ロジック
320 電源回路
400 電子機器
402 負荷