(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172348
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】吊り具管理システム
(51)【国際特許分類】
B05C 11/00 20060101AFI20231129BHJP
B05C 13/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B05C11/00
B05C13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084065
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】等々力 正行
(72)【発明者】
【氏名】川端 康幸
(72)【発明者】
【氏名】新二日市 裕希
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AB03
4F042DF02
4F042DH01
4F042DH09
4F042EC00
4F042EC04
(57)【要約】
【課題】粉体塗装に用いられる吊り具の塗膜状態を簡易な構成で管理し、被塗装物の品質を維持しつつ、吊り具の剥離作業を適切かつ効率的に行うことができる吊り具管理システムを提供すること。
【解決手段】粉体塗装の吊り具2に取り付けられ、吊り具2の識別情報に対応した複数の貫通孔5が配置された識別タグ4と、吊り具2を用いた粉体塗装工程の実施ごとに、識別タグ4の貫通孔5の配置をもとに吊り具2の識別情報と取得するとともに、貫通孔5の孔の大きさを検出する吊り具情報取得部21と、貫通孔5の孔の大きさが所定値以下であるか否かを判定し、孔の大きさが所定値以下である場合、識別情報の吊り具2に対する塗装剥離作業の実施を案内する判定部22と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体塗装の吊り具に取り付けられ、該吊り具の識別情報に対応した複数の貫通孔が配置された識別タグと、
前記吊り具を用いた粉体塗装工程の実施ごとに、前記識別タグの前記貫通孔の配置をもとに前記吊り具の識別情報と取得するとともに、前記貫通孔の孔の大きさを検出する吊り具情報取得部と、
前記貫通孔の孔の大きさが所定値以下であるか否かを判定し、孔の大きさが所定値以下である場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内する判定部と、
を備えることを特徴とする吊り具管理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記識別情報を用いて前記吊り具の前記粉体塗装工程の工程回数を累積し、累積した工程回数が所定回数を超えている場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内することを特徴とする請求項1に記載の吊り具管理システム。
【請求項3】
前記吊り具の抵抗値を計測する抵抗値測定部を備え、
前記判定部は、前記抵抗値が所定抵抗値を超えている場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具管理システム。
【請求項4】
前記吊り具の抵抗値を計測する抵抗値測定部を備え、
前記吊り具情報取得部は、前記抵抗値測定部により、前記塗装剥離作業が完了した前記吊り具の抵抗値を取得し、
前記判定部は、前記抵抗値が所定抵抗値を超えていない場合、前記識別情報の吊り具に対する再利用を許可する案内を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具管理システム。
【請求項5】
前記識別タグは、貫通孔の孔形状とは異なる孔形状をもち、複数の前記貫通孔が示す前記識別情報の読取基準位置を示す基準孔が配置され、
前記吊り具情報取得部は、前記基準孔を検出して前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具管理システム。
【請求項6】
前記吊り具情報取得部は、前記貫通孔の画像を取得して前記識別情報及び前記貫通孔の孔の大きさを画像処理によって取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体塗装に用いられる吊り具の塗膜状態を簡易な構成で管理し、被塗装物の品質を維持しつつ、吊り具の剥離作業を適切かつ効率的に行うことができる吊り具管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
粉体塗装では、スプレーガンを用いて帯電した粉体塗料を被塗装物に向かって吹き付け、粉体塗料が、電気的に接地された被塗装物との間の静電気によって引き付けられることで粉体塗料を被塗装物に吸着させて塗膜する。その後、粉体塗料が付着した塗膜は加熱などによって硬化される(特許文献1参照)。この粉体塗装では、被塗装物の大きさや形状の制約が少なく、膜厚範囲の広い、均一な膜厚が得やすいという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、粉体塗装では被塗装物を吊り具にかけて塗装を行うが、被塗装物のみならず、吊り具にも塗膜が形成される。したがって、この吊り具を繰り返し使用すると、吊り具の塗膜が厚くなり、その結果、吊り具を繰り返し使用すると、被塗装物との通電が悪くなり、不均一な帯電により、不均一な塗膜が形成されてしまう。このため、作業者によって吊り具の塗膜状態を目視確認して定期的に吊り具の塗膜を剥離する剥離作業を行うようにしていた。
【0005】
しかし、塗膜の目視確認には個人差が生じ、剥離作業が必要でない吊り具に対して剥離作業が行われ、あるいは剥離作業が必要であるのに繰り返し使用される場合が発生してしまう。この吊り具の剥離作業が適切に行われない場合、無駄な剥離作業の作業時間が発生し、あるいは被塗装物の品質が低下する。また、無駄な剥離作業の増大に伴って予備の吊り具を、余裕をもって準備しておく必要がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、粉体塗装に用いられる吊り具の塗膜状態を簡易な構成で管理し、被塗装物の品質を維持しつつ、吊り具の剥離作業を適切かつ効率的に行うことができる吊り具管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、粉体塗装の吊り具に取り付けられ、該吊り具の識別情報に対応した複数の貫通孔が配置された識別タグと、前記吊り具を用いた粉体塗装工程の実施ごとに、前記識別タグの前記貫通孔の配置をもとに前記吊り具の識別情報と取得するとともに、前記貫通孔の孔の大きさを検出する吊り具情報取得部と、前記貫通孔の孔の大きさが所定値以下であるか否かを判定し、孔の大きさが所定値以下である場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、前記判定部は、前記識別情報を用いて前記吊り具の前記粉体塗装工程の工程回数を累積し、累積した工程回数が所定回数を超えている場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記吊り具の抵抗値を計測する抵抗値測定部を備え、前記判定部は、前記抵抗値が所定抵抗値を超えている場合、前記識別情報の吊り具に対する塗装剥離作業の実施を案内することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記吊り具の抵抗値を計測する抵抗値測定部を備え、前記吊り具情報取得部は、前記抵抗値測定部により、前記塗装剥離作業が完了した前記吊り具の抵抗値を取得し、前記判定部は、前記抵抗値が所定抵抗値を超えていない場合、前記識別情報の吊り具に対する再利用を許可する案内を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記識別タグは、貫通孔の孔形状とは異なる孔形状をもち、複数の前記貫通孔が示す前記識別情報の読取基準位置を示す基準孔が配置され、前記吊り具情報取得部は、前記基準孔を検出して前記識別情報を取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記吊り具情報取得部は、前記貫通孔の画像を取得して前記識別情報及び前記貫通孔の孔の大きさを画像処理によって取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、粉体塗装に用いられる吊り具の塗膜状態を簡易な構成で管理し、被塗装物の品質を維持しつつ、吊り具の剥離作業を適切かつ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である吊り具管理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、吊り具に取り付けられた識別タグの詳細構成を示す図である。
【
図3】
図3は、粉体塗装によって識別タグの貫通孔が塞がる状態を示す図である。
【
図4】
図4は、抵抗値測定を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、吊り具管理システムによる剥離作業管理処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
<概要構成>
図1は、本発明の実施の形態である吊り具管理システム1の構成を示す模式図である。吊り具管理システム1は、粉体塗装工程における被塗装物をかける吊り具2,3の塗膜状態を管理して吊り具2,3の塗膜の剥離作業の実施を案内するシステムである。
【0017】
図1に示すように、粉体塗装工程では、複数の被塗装物100が吊り具2,3にかけられた状態で粉体塗装ライン上を移動する。被塗装物100は、2本の吊り具3上に架け渡され、吊り具3は吊り具2に吊るされる。被塗装物100、吊り具3、吊り具2は通電状態が維持されるとともに、接地されて正極となる。一方、スプレーガン101は、帯電した粉体塗料を噴射する。帯電した粉体塗料は負極となり、静電気力により被塗装物100に吸着され、均一に塗膜する。この際、このスプレーガン101による粉体塗料の噴射によって、吊り具2,3にも塗膜が形成される。
【0018】
吊り具管理システム1は、各吊り具2に取り付けられた識別タグ4と、吊り具管理装置10とを有する。なお、本実施の形態では、識別タグ4に対応した識別タグが2本の吊り具3にそれぞれ取り付けられるが、説明の便宜上、吊り具2のみに識別タグ4が取り付けられているものとして説明する。
【0019】
図2に示すように、識別タグ4は、各吊り具2を個体管理するための識別情報IDに対応した複数の貫通孔5が配置されている。貫通孔5は、ビット孔として機能し、例えば、
図2では、2行8列のビット情報が配置される。貫通孔5を「0」とすると、識別情報IDは、16ビットであり2^16の情報量を提供する。なお、識別タグ4には、貫通孔5の孔形状とは異なる孔形状、例えば矩形形状をもち、複数の貫通孔5が示す識別情報IDの読取基準位置を示す基準孔6が配置される。なお、貫通孔5は円形形状であり、基準孔6は矩形形状であったが、それぞれの形状が異なればよく、任意の孔形状としてもよい。
【0020】
図3に示すように、識別タグ4の貫通孔5は、貫通孔5への塗膜により、貫通孔5の孔径が狭くなる。例えば、塗膜されていない状態(剥離作業が完了している状態)での孔径をR0とすると、塗膜された状態の孔径はRとなり、R0よりも小さくなる。後述するように、この孔径を管理することにより、吊り具2の塗膜状態が管理されることになる。なお、粉体塗装では、被塗装物の形状に影響されることなく均一な塗膜が吸着されるため、貫通孔5の孔の塞がりは吊り具2に形成された塗膜の厚さ成長とほぼ同じであると言える。
【0021】
図1に戻り、吊り具管理装置10には、カメラなどの撮像部30及び照明部31が接続されるとともに、抵抗値測定部40が接続される。撮像部30は、識別タグ4を撮像する。ここで、2つの照明部31は、それぞれ識別タグ4を異なる方向から光を照射し、貫通孔5及び基準孔6を精度高く撮像できるようにしている。なお、照明部31は、3以上設けてもよい。抵抗値測定部40は、後述するように、粉体塗装工程が終了した吊り具2の抵抗値を測定する。
【0022】
吊り具管理装置10は、制御部11、入力部12、表示部13及び記憶部14を有する。入力部12は、マウスやキーボードなどの入力インタフェースである。表示部13は、各種情報を表示する液晶ディスプレイなどの表示インタフェースである。記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリなどの記憶デバイスである。
【0023】
制御部11は、吊り具管理装置10の全体を制御する制御部であり、吊り具情報取得部21及び判定部22を有する。制御部!1は、これらの機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0024】
吊り具情報取得部21は、吊り具2を用いた粉体塗装工程の実施ごとに、撮像部30により撮像した識別タグ4の画像をもとに、識別タグ4の貫通孔5の配置から、吊り具2の識別情報IDと取得するとともに、貫通孔5の孔径(孔の大きさ)を画像処理により検出する。
【0025】
なお、吊り具情報取得部21は、必要に応じて、抵抗値測定部40により吊り具2の抵抗値を測定させて吊り具2の抵抗値を取得する。
図4に示すように、吊り具2の抵抗値の測定は、抵抗値を測定する固定台50上に吊り具2を配置し、抵抗値測定部40が基準点P0に対する測定点P1~P3の抵抗値を測定する。なお、吊り具3が吊るされる吊り具2の凹部の位置を測定点P10としてもよい。
【0026】
判定部22は、貫通孔5の孔の大きさが所定値以下であるか否かを判定し、孔の大きさが所定値以下である場合、識別情報IDの吊り具2に対する塗装剥離作業の実施を案内する。判定部22は、貫通孔5の大きさを貫通孔5の塞がり具合とし、塗膜の厚さに対応するものとしている。また、判定部22は、識別情報IDを用いて吊り具2の粉体塗装工程の工程回数を累積して吊り具管理情報Dとして管理し、累積した工程回数が所定回数を超えている場合、識別情報IDの吊り具2に対する塗装剥離作業の実施を案内する。さらに、判定部22は、抵抗値が所定抵抗値を超えている場合、識別情報IDの吊り具2に対する塗装剥離作業の実施を案内する。抵抗値が所定抵抗値を超える場合、塗膜の成長により粉体塗装の通電に影響を及ぼすと考えるからである。
【0027】
<剥離作業管理処理>
図5は、吊り具管理システム1による剥離作業管理処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、制御部11は、粉体塗装ラインから送られてくる1つの吊り具2に対する粉体塗装工程が終了したか否かを判定する(ステップS101)。粉体塗装工程が終了していない場合(ステップS101:No)には本判定処理を繰り返し行う。一方、粉体塗装工程が終了した場合(ステップS101:Yes)、粉体塗装工程が終了した吊り具2の識別タグ4の画像を取得する(ステップS102)。
【0028】
そして、この画像をもとに、識別タグ4の識別情報IDを取得するとともに、貫通孔5の孔の大きさを取得する(ステップS103)。さらに、この識別情報IDの吊り具2の工程回数をインクリメントし、識別情報IDごとに工程回数の累積回数を保持する吊り具管理情報Dを更新する(ステップS104)。
【0029】
その後、制御部11は、工程回数が所定回数を超えているか否かを判定する(ステップS105)。工程回数が所定回数を超えていない場合(ステップS105:No)には、さらに、貫通孔5の孔の大きさが所定値以下であるか否かを判定する(ステップS106)。貫通孔5の孔の大きさが所定値以下でない場合(ステップS106:No)には、抵抗値測定部40に対して吊り具2の抵抗値測定を行わせ(ステップS107)、抵抗値が所定抵抗値を超えているか否かを判定する(ステップS108)。抵抗値が所定抵抗値を超えていない場合(ステップS108:No)には、そのまま本処理を終了する。
【0030】
一方、工程回数が所定回数を超えている場合(ステップS105:Yes)、貫通孔5の孔の大きさが所定値以下である場合(ステップS106:Yes)、抵抗値が所定抵抗値を超えている場合(ステップS108:Yes)には、表示部13などに識別情報IDの吊り具2の塗装剥離作業の実施を案内する(ステップS109)。その後、塗装剥離作業の実施が終了したか否かを判定する(ステップS110)。塗装剥離作業の実施が終了していない場合(ステップS110:No)には、ステップS109に移行し、ステップS110の判定処理を繰り返す。一方、塗装剥離作業の実施が終了した場合(ステップS110:Yes)には、識別情報IDの工程回数をリセットし(ステップS111)、本処理を終了する。
【0031】
本実施の形態では、識別タグ4の識別情報IDを用いて吊り具2の個体管理を行っているが、この識別情報IDは貫通孔5の配置で形成されているため、シリアル番号やバーコード情報などの印字のように塗膜によって識別ができないということがなく、しかも、貫通孔5の孔の大きさによって塗膜の厚さを吊り具2毎に判別できる。したがって、粉体塗装に用いられる吊り具2の塗膜状態を簡易な構成で個体管理できるとともに、吊り具2の剥離作業の実施を適切に案内することができる。この結果、被塗装物100の品質(均一な膜厚)を維持しつつ、吊り具2の無駄な剥離作業を低減することができる。
【0032】
なお、上記剥離作業管理処理は、ステップS108による抵抗値判定による塗装剥離作業の案内を行わなくてもよい。さらに、ステップS105による工程回数による塗装剥離作業の案内を行わなくてもよい。なお、抵抗値測定を塗装剥離作業の確認として行うようにしてもよい。この場合、上記剥離作業管理処理は、工程回数と貫通孔の大きさとで塗装剥離作業の案内を行い、さらに抵抗値測定の結果を加えて、吊り具2の再利用を判定するとよい。
【0033】
また、上記剥離作業管理処理のステップS108において抵抗値が所定抵抗値を超えていない場合(ステップS108:No)、判定中の吊り具2が再利用可能であることを案内表示するようにしてもよい。
【0034】
さらに、上記の実施の形態では、識別タグ4が吊り具2に取り付けられるものであったが、識別タグ4を吊り具2の一部として一体形成したものでもよい。また、識別タグ4が吊り具2に対して着脱可能であってもよい。なお、識別タグ4の貫通孔5及び基準孔6は、貫通される孔であり、吊り具2と干渉しないように取り付ける。また、識別タグ4の撮像時に背面などに識別タグ4と同色の物体がないように識別タグ4を配置する。
【0035】
また、上記の実施の形態では、吊り具2についての塗装剥離作業の案内の管理を行うものであったが、上記のように、吊り具2に吊り下げられる2つの吊り具3についても、各吊り具3に対して独立して塗装剥離作業の案内の管理を行うことが好ましい。
【0036】
なお、上記の実施の形態では、塗装剥離作業の案内を粉体塗装工程の終了ごとに行うようにしていたが、粉体塗装ラインから外れた吊り具2に対しても行うことができ、さらには吊り具2の再利用判定を行うことができる。
【0037】
また、上記の実施の形態において、塗装剥離作業を実施する吊り具2と再利用する吊り具2とを自動仕分けするようにしてもよい。
【0038】
なお、上述した実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 吊り具管理システム
2,3 吊り具
4 識別タグ
5 貫通孔
6 基準孔
10 吊り具管理装置
11 制御部
12 入力部
13 表示部
14 記憶部
21 吊り具情報取得部
22 判定部
30 撮像部
31 照明部
40 抵抗値測定部
50 固定台
100 被塗装物
101 スプレーガン
D 吊り具管理情報
ID 識別情報
P0 基準点
P1~P3,P10 測定点