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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172355
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】車両用リッド装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20231129BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20231129BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B60K15/05 B
B60K1/04 Z
F16C11/04 B
F16C11/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084086
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 和輝
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
3J105
【Fターム(参考)】
3D038CA07
3D038CA32
3D038CB01
3D038CC14
3D038CC16
3D038CD03
3D038CD14
3D038CD19
3D235AA01
3D235BB41
3D235CC15
3D235HH08
3J105AA02
3J105AB02
3J105AB23
3J105AC06
3J105DA13
(57)【要約】
【課題】リッド開での供給口への水分の滴下を防止すること。
【解決手段】車両用リッド装置は、車体側面部に取り付けられ、車両へのエネルギ供給のための供給口を収容する収容空間と、収容空間と車体奥側とを連絡する連絡孔と、供給口を車体外方に露出させる開口部と、を有するボックスと、開口部を閉じる閉位置と開口部を開放する開位置との間で開閉動作するリッドと、ボックスとリッドとの間に介在し、開口部の上縁側に設けられた軸線を中心にしてリッドをボックスに対して開閉動作させる開閉機構と、を備える。開閉機構は、軸線の延びる軸方向を含めた方向に板状に広がり、リッドが開いた際に開口部の上部に形成されるボックスとリッドとの隙間を塞ぐヒンジアームを有する。ヒンジアームの軸方向両端はそれぞれ、供給口又は連絡孔における軸方向の縁端よりも軸方向外側に位置している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側面部に取り付けられ、車両へのエネルギ供給のための供給口を収容する収容空間と、前記収容空間と車体奥側とを連絡する連絡孔と、前記供給口を車体外方に露出させる開口部と、を有するボックスと、
前記開口部を閉じる閉位置と前記開口部を開放する開位置との間で開閉動作するリッドと、
前記ボックスと前記リッドとの間に介在し、前記開口部の上縁側に設けられた軸線を中心にして前記リッドを前記ボックスに対して開閉動作させる開閉機構と、
を備え、
前記開閉機構は、前記軸線の延びる軸方向を含めた方向に板状に広がり、前記リッドが開いた際に前記開口部の上部に形成される前記ボックスと前記リッドとの隙間を塞ぐヒンジアームを有し、
前記ヒンジアームにおける前記軸方向の両端はそれぞれ、前記供給口又は前記連絡孔における前記軸方向の縁端に対して軸方向外側に位置している、車両用リッド装置。
【請求項2】
前記開閉機構は、前記リッドを前記閉位置と前記開位置との間で所定開角度に保持するラッチ機構部を有する、請求項1に記載された車両用リッド装置。
【請求項3】
前記開閉機構は、前記リッドの裏面側に取り付けられたカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記リッドの前記閉位置で前記リッドの裏面側に格納されると共に、前記リッドが前記閉位置から前記開位置へ開動作した状態で前記リッドの裏面側から前記開口部を覆うように展開する、請求項1又は2に記載された車両用リッド装置。
【請求項4】
前記リッドが前記開位置から前記閉位置に向けて閉動作する際に前記カバー部材が格納状態に無いことの検知を行う検知部と、
前記検知部により前記検知がなされた場合に、前記リッドの閉動作を停止させる処理を実行する処理実行部と、
を備える、請求項3に記載された車両用リッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用リッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される車両用リッド装置が知られている(例えば、特許文献1)。この車両用リッド装置は、車両へのエネルギ供給のための供給口を収容するボックスの開口部をリッドを用いて開閉する装置である。ボックスは、車体奥側に配置されている。ボックスの開口部は、車体開口を通じて車体外方に連絡しており、供給口を車体外方に露出させる。リッドは、ヒンジにより、開口部を閉じる閉位置と開口部を開放する開位置との間で開閉動作する。ヒンジは、ボックスとリッドとの間に介在し、開口部の上縁側に設けられた軸線を中心にしてリッドをボックスに対して開閉動作させる。
【0003】
上記の車両用リッド装置は、リッドが開位置にある際やリッドが開閉動作する際に開口部を覆うカバー部材を備えている。カバー部材は、板状又はシート状に形成されている。カバーは、リッドの開位置においてリッドのヒンジ側を除く三辺の周縁部と開口部の上縁部を除く縁部とを繋ぐように位置する。このため、カバー部材によれば、リッドが開位置にあるときや開閉動作しているときに、開口部外側から開口部内側の供給口へ雨滴が入り込むのを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-76606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1記載の車両用リッド装置において、ヒンジは、リッドを正面から見て左右に分かれた一対のアームからなる。このヒンジ構造では、リッドが開いたとき、開口部の上部における一対のアームの間に、ボックスとリッドとの隙間が外部に露出する。このため、このヒンジ構造では、リッドが開いたとき、ボックスが取り付けられた車体側面部よりも車体上部や開状態のリッドの表面において落下する雨水などが堰き止められることなく開口部の上縁外部から上記の隙間を介して直接に開口部内の供給口に滴下して、供給口に水分が付着するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リッド開での供給口への水分の滴下を防止することが可能な車両用リッド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、車体側面部に取り付けられ、車両へのエネルギ供給のための供給口を収容する収容空間と、前記収容空間と車体奥側とを連絡する連絡孔と、前記供給口を車体外方に露出させる開口部と、を有するボックスと、前記開口部を閉じる閉位置と前記開口部を開放する開位置との間で開閉動作するリッドと、前記ボックスと前記リッドとの間に介在し、前記開口部の上縁側に設けられた軸線を中心にして前記リッドを前記ボックスに対して開閉動作させる開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、前記軸線の延びる軸方向を含めた方向に板状に広がり、前記リッドが開いた際に前記開口部の上部に形成される前記ボックスと前記リッドとの隙間を塞ぐヒンジアームを有し、前記ヒンジアームにおける前記軸方向の両端はそれぞれ、前記供給口又は前記連絡孔における前記軸方向の縁端よりも軸方向外側に位置している、車両用リッド装置である。
【0008】
この構成によれば、リッド開での供給口への水分の滴下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用リッド装置が車体に取り付けられた後のリッド閉状態を表した斜視図である。
図2】本実施形態の車両用リッド装置のリッド開状態を表した斜視図である。
図3】本実施形態の車両用リッド装置が車体に取り付けられる前の一方側からの分解斜視図である。
図4】本実施形態の車両用リッド装置が車体に取り付けられる前の他方側からの分解斜視図である。
図5】本実施形態の車両用リッド装置のリッド閉位置での(A)正面図及び(B)側面図である。
図6】本実施形態の車両用リッド装置のリッド開位置での(A)正面図及び(B)側面図である。
図7】本実施形態の車両用リッド装置が備える開閉機構のラッチ機構部の動作を説明するための図である。
図8】一変形形態に係る車両用リッド装置が備える開閉機構のカバー部材の格納状態を表したリッド裏面図である。
図9】変形形態の車両用リッド装置のリッド開状態を表した斜視図である。
図10】変形形態の車両用リッド装置が備える制御装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図10を参照して、本発明に係る車両用リッド装置の具体的な実施形態及び変形形態について説明する。
【0011】
一実施形態の車両用リッド装置1は、車両に設けられた車体開口を開閉可能なリッドを開閉動作させる装置である。車両用リッド装置1は、例えばガソリン車やディーゼル車,電気自動車,ハイブリッド自動車などの車両に搭載される。
【0012】
車両は、図1に示す如く、車体左右面や車体前面,車体後面などの車体側面部2を有している。車体側面部2には、車体開口2aが設けられている。車体開口2aは、車両へのエネルギ供給のための供給口3(図2において破線で示す。)が配置される開口である。車体開口2aは、車体を内外方向である表裏方向に貫いている。
【0013】
供給口3は、給油のための給油口やバッテリ充電のための充電口である。供給口3は、リッド開状態で車体開口2aを介して車体外方へ露出するように配置される。供給口3は、給油管や電線の一端に設けられている。この給油管や電線の他端は、車体奥側(すなわち、車体内側)に配置された給油タンクやバッテリなどに接続されている。供給口3には、キャップ開状態でエネルギ供給のための給油ガンや充電ガンなどが接続可能である。尚、供給口3は、防塵や防水等のため、操作者の手動操作により開閉可能なキャップにより覆われてよい。
【0014】
車両用リッド装置1は、ボックス10と、リッド20と、開閉機構30と、を備えている。尚、以下では、リッド20の正面側から見たときを基準にして方向(例えば、左右)や配置を示すものとする。
【0015】
ボックス10は、供給口3を収容する箱体である。ボックス10は、車体開口2aに嵌るように車体側面部2の車体奥側に配置されている。ボックス10は、図2図3、及び図4に示す如く、一つの底壁部11と、四つの周壁部12と、開口部13と、収容空間14と、を有している。
【0016】
底壁部11は、四角板状に広がる部位である。周壁部12は、底壁部11の周縁に接続されており、四つの周壁部12は、底壁部を取り囲むように底壁部11の周縁から立設した壁部位である。底壁部11と周壁部12とは、供給口3を収容する収容空間14を形成している。底壁部11は、連絡孔11aを有している。連絡孔11aは、収容空間14と底壁部11の車体奥側とを連絡して給油管や電線が亘る通路であって、供給口3を収容空間14に収容するために必要な貫通孔である。連絡孔11aは、底壁部11の中央に設けられている。供給口3は、収容空間14に収容された状態でリッド開時に開口部13及び車体開口2aを通じて車体外方に露出する。
【0017】
開口部13は、ボックス10に設けられた開口である。開口部13は、収容空間14を挟んで底壁部11と対向する側に設けられている。開口部13は、リッド20により開閉される。開口部13は、リッド20が閉位置にあるときに閉じられ、リッド20が閉位置に無いときに開放される。開口部13は、開放時において、収容空間14内の供給口3を車両外方に露出させる。ボックス10は、開口部13が水平方向に又は水平方向よりも僅かに斜め上方に向くように車体側面部2に取り付けられている。
【0018】
ボックス10は、枠部15を有している。枠部15は、周壁部12の突端において開口部13の周縁に沿って環状に形成されている。枠部15は、開口部13の周縁から枠外方向に向けて延出するようにフランジ状に形成されている。ボックス10は、例えば枠部15の裏面が車体側面部2の車体開口周縁などに当接することにより車体側面部2に位置決めされる。
【0019】
尚、ボックス10は、排出孔(図示せず)を有している。この排出孔は、収容空間14の底に溜まる水を収容空間14すなわちボックス10の外部に排出する孔である。この排出孔は、収容空間14の底を形成する壁(例えば、周壁部12や周壁部12と底壁部11との境界)に設けられており、その壁を上下方向に貫通している。収容空間14に進入してその底に至った水分は、排出孔を介してボックス10の外部へ排出される。
【0020】
リッド20は、ボックス10の開口部13を塞ぐ蓋部材である。リッド20は、開口部13を閉じる閉位置(具体的には、全閉位置)と開口部13を開放する開位置(具体的には、全開位置)との間で開閉動作することが可能である。リッド20は、ボックス10に対して回動可能に支持されている。リッド20は、板状に形成されている。リッド20は、開口部13に合わせた形状(例えば略長方形状)及び大きさに形成されている。リッド20は、リッド20の閉位置で開口部13の周縁における枠部15又は車体側面部2の車体開口2aの周縁部に接して開口部13を閉じる。尚、リッド20の表面は、車体側面部2の表面形状などに合わせて湾曲していてもよい。
【0021】
リッド20は、閉位置と開位置との間で操作者の手動操作により開閉動作することができる。リッド20は、ロック部材(図示せず)により閉位置にロックされることが可能である。また、リッド20は、閉位置でのロック状態でロック解除操作(例えばワイヤ引っ張り操作など)が行われた場合に、後述のスプリング34の付勢力により開動作することができる。尚、リッド20は、操作者の手動操作に代えて、モータなどの駆動力を用いて開閉動作することとしてもよい。
【0022】
リッド20は、リッド本体21と、リッドインナ22と、を有している。リッド本体21は、リッド20の閉位置で車体側面部2に面一になる板部である。リッドインナ22は、リッド20の閉位置でボックス10の底壁部11の連絡孔11aを塞ぐ部位である。リッドインナ22は、連絡孔11aを塞ぐ際にボックス10の底壁部11の表面に環状のガスケット23を介して接する。リッドインナ22は、後述のヒンジアーム32を介してリッド本体21に一体化されている。例えば図3及び図4に示す如く、リッドインナ22は、ヒンジアーム32の裏面側にスクリュウ24を用いて螺合される。そして、ヒンジアーム32は、リッド本体21の裏面側に嵌合固定される。
【0023】
開閉機構30は、軸線31を中心にしてリッド20をボックス10に対して閉位置と開位置との間で開閉動作させる機構であって、いわゆるグースネックタイプである。開閉機構30は、ボックス10とリッド20との間に介在している。開閉機構30は、リッド20を上開きさせる。開閉機構30は、図3及び図4に示す如く、ヒンジアーム32と、シャフト部材33と、スプリング34と、ダンパ35と、を有している。
【0024】
ヒンジアーム32は、リッド20と一体となってリッド20をボックス10に対して開閉動作させる部材である。ヒンジアーム32は、軸線31を中心にして回動可能である。軸線31は、左右方向に延びる線であって、ヒンジアーム32の回動中心線及びシャフト部材33の回転中心線である。尚、軸線31は、水平な左右方向に延びていてもよいし、水平方向に対して傾いていてもよい。軸線31は、ボックス10の開口部13の上縁側に設けられている。具体的には、軸線31は、車体側面部2よりも車体奥側の空間において、開口部13の上縁よりも上方で左右方向に延びている。
【0025】
ヒンジアーム32は、軸線31の延びる軸方向を含めた方向に板状に広がっている。ヒンジアーム32は、軸線31の軸方向とその軸線31に交わる径方向との双方を含む面を有し、軸線31を基点にしてアーム状に延びている。ヒンジアーム32は、支持足部32aを有している。支持足部32aは、軸線31とヒンジアーム32の本体とを繋ぐアーム状の支持部である。支持足部32aは、軸方向に離れて一対設けられている。
【0026】
各支持足部32aは、後述のシャフト部材33を固定する固定孔32bを有している。固定孔32bは、支持足部32aの一端部に設けられている。シャフト部材33は、軸方向両端で固定孔32bに固定されて支持足部32aひいてはヒンジアーム32と一体化されている。各支持足部32aは、固定孔32b側から車体奥側に向けて延びている。各支持足部32aの他端部は、ヒンジアーム32の本体に接続されている。ヒンジアーム32の本体は、リッド20の開閉動作時にボックス10などとの干渉が生じないように湾曲して形成されている。ヒンジアーム32の本体は、軸方向において幅広に形成されている。
【0027】
ボックス10の底壁部11は、連絡孔11aとは別の貫通孔11bを有している。貫通孔11bは、ヒンジアーム32が貫く孔である。貫通孔11bは、底壁部11において連絡孔11aよりも上方に設けられている。貫通孔11bは、ヒンジアーム32の軸方向幅に合わせて長方形状に形成されている。尚、貫通孔11bの軸方向の幅は、貫通孔11bの周縁部位でのヒンジアーム32との干渉が生じない幅であればよく、ヒンジアーム32の本体の軸方向幅よりも大きければよい。ヒンジアーム32は、軸線31から貫通孔11bを貫いて収容空間14側に突出している。
【0028】
ヒンジアーム32は、リッド20が開いた際に開口部13の上部に形成されるボックス10とリッド20との隙間を塞ぐことが可能である。ヒンジアーム32は、貫通板部32cを有している。貫通板部32cは、ヒンジアーム32における軸線31寄りであって貫通孔11bを貫く部位のことである。貫通板部32cは、軸方向に隙間なく連続するように幅広の板状に形成されている。貫通板部32cは、リッド20が閉位置と開位置との間で開閉動作するとき及びリッド20が開位置に位置するときに連続して上記のボックス10とリッド20との隙間をその隙間の下方から塞ぐ。
【0029】
貫通板部32cは、供給口3の軸方向に占める範囲をカバー可能な大きさに形成されている。すなわち、貫通板部32cの軸方向の幅は、供給口3の軸方向の幅以上であって、供給口3の幅方向の幅を超えていることが好ましい。貫通板部32cは、供給口3よりも上方においてその供給口3の軸方向の範囲をカバーするように配置されている。すなわち、貫通板部32cにおける軸方向の両端はそれぞれ、供給口3における軸方向の縁端に対して軸方向外側に位置している。具体的には、その貫通板部32cの両端はそれぞれ、その供給口3の縁端と軸方向同じ或いはその縁端よりも軸方向外側に位置している。
【0030】
尚、幅や配置について、「供給口3」は、空間としての供給口3自体だけでなく、その供給口3の周縁を形成する筒状部材を含むものとしてもよい。この点、例えば、「供給口3の軸方向の幅」は、供給口3自体の軸方向の幅でもよいし、或いは、供給口3の周縁を形成する筒状部材の軸方向の外縁端間の幅であってもよい。
【0031】
また、貫通板部32cは、リッド20の開位置を含み閉位置と開位置との間において、軸方向に傾斜しない形状に形成されていてもよいが、軸方向の何れか一端側から何れか他端側にかけて傾斜していてもよいし或いは軸方向中央部から軸方向両端側にかけてそれぞれ下方に傾斜していてもよい。
【0032】
ヒンジアーム32は、リッド取付部32dを有している。リッド取付部32dは、リッド本体21に取り付けられる部位のことである。リッド取付部32dは、ヒンジアーム32の突出先端部に設けられている。リッド取付部32dは、表面がリッド本体21の裏面に沿うように配置されており、リッド本体21の裏面側に嵌合固定されている。リッド20は、ヒンジアーム32の軸線31を中心にした回動を伴って開閉動作する。リッド取付部32dの裏面側には、上記のリッドインナ22がスクリュウ24を用いて取り付けられている。
【0033】
シャフト部材33は、軸線31を構成する軸体である。シャフト部材33は、車体側面部2の奥側の空間に配置されており、開口部13の上縁よりも上方で左右方向に延びている。シャフト部材33は、ヒンジアーム32の支持足部32aの固定孔32bに固定されており、ヒンジアーム32に一体化されている。シャフト部材33は、ヒンジアーム32と一体で軸線31を中心にして回転する。
【0034】
ボックス10は、シャフト部材33を回転可能に支持する支持部16を有している。支持部16は、ボックス10の上部の周壁部12又は底壁部11から上方に突出している。支持部16は、左右方向に離れて一対設けられている。一対の各支持部16は、互いに軸方向に対向する軸孔16aを有している。シャフト部材33の両端部は、一対の軸孔16aに挿入されている。シャフト部材33は、支持部16に対して回転可能に支持されている。
【0035】
スプリング34は、リッド20を閉位置から開位置に向けて付勢する付勢力を発生するバネ部材である。スプリング34は、シャフト部材33に外挿されている。スプリング34の一端部は、シャフト部材33に支持されている。スプリング34の他端部は、ボックス10側(具体的には、支持部16)に支持されている。スプリング34は、付勢力をシャフト部材33に伝達することによりヒンジアーム32を回動させひいてはリッド20を開動作させる。スプリング34の付勢力は、リッド20の閉位置で最大であり、リッド20の開位置(全開位置)で最小である。リッド20は、閉位置にロックされている状態からロック解除操作などによりそのロックが解除されたときにスプリング34の付勢力により開動作する。
【0036】
ダンパ35は、リッド20が開動作する際の速度を緩和する部材である。ダンパ35は、シャフト部材33の軸上に配置されている。ダンパ35は、ダンパカバー36により軸方向から覆われている。ダンパ35は、リッド20の開動作時に例えばオイルの粘性などを利用してリッド20の速度を低下させる。
【0037】
開閉機構30は、図3図4図5図6、及び図7に示す如く、ラッチ機構部40を有している。ラッチ機構部40は、リッド20を閉位置と開位置との間で所定開角度に保持する機構のことである。ラッチ機構部40は、ボックス10側に設けられたボックス側調整部41と、リッド20側に設けられたリッド側調整部42と、を有している。ボックス側調整部41とリッド側調整部42とは、互いに係合することにより、スプリング34の付勢力に抗してリッド20を閉位置と開位置との間で所定開角度に保持することが可能である。
【0038】
ボックス側調整部41は、リッド20の開閉動作時にリッド20側(具体的には、リッド側調整部42)と接触することが可能となるように軸方向内方に突出する突起部である。ボックス側調整部41は、ボックス10の一対の支持部16のうち少なくとも一方に設けられていればよい。ボックス側調整部41は、支持部16の軸方向内面における軸孔16aから径方向に離れた箇所でありかつリッド開閉動作時のリッド側調整部42の移動軌跡上に配置されている。
【0039】
ラッチ機構部40は、リッド20が保持される開角度を複数のうちから調整可能である。すなわち、ボックス側調整部41は、複数個(本実施例では3個)設けられている。これら複数個のボックス側調整部41は、軸孔16aを中心とした周方向に互いに離れた状態で並んで配置されている。尚、ボックス側調整部41の数は、リッド20を保持可能な開角度の数に合わせて設定される。
【0040】
リッド側調整部42は、リッド20の開閉動作時にボックス側調整部41と接触することが可能となるように軸方向に突出する突起部である。リッド側調整部42は、例えばヒンジアーム32の一対の支持足部32aのうちボックス側調整部41が設けられた支持部16に対応する支持足部32aに設けられている。リッド側調整部42は、支持足部32aの軸方向外面における固定孔32bから径方向に離れた箇所に配置されている。リッド側調整部42は、径方向に延びるように線状に設けられている。リッド側調整部42は、リッド20の開閉動作中にその開角度が変化する過程で、ボックス10側の複数個のボックス側調整部41に順に接触する。
【0041】
リッド側調整部42と各ボックス側調整部41とが接する位置は、リッド20の正面側から収容空間14への雨滴の進入をリッド開位置(すなわち全開位置;例えば、開角度90°)よりも抑制できるものであればよく、リッド20の開位置よりもリッド20の開角度が小さい位置である。この位置は、例えば、リッド20の閉位置(開角度0°)を基準にして開角度が65°、75°、85°となる位置である。
【0042】
リッド側調整部42は、リッド20の閉位置からスプリング34の付勢力が作用した際は、各ボックス側調整部41と接触するが、リッド20の慣性力ですべてのボックス側調整部41を乗り越えてリッド20の開位置まで移動することが可能である。また、リッド側調整部42は、操作者が手動で開状態のリッド20を閉位置側に戻した際にスプリング34の付勢力に抗してボックス側調整部41に係合した状態に保持されることが可能である。操作者は、リッド20の戻し位置を調整して、リッド側調整部42が係合するボックス側調整部41を選択することが可能である。
【0043】
次に、車両用リッド装置1の動作について説明する。
車両用リッド装置1において、車両走行中などは、リッド20は、ボックス10の開口部13を閉じた閉位置にある。この場合、リッド20は、スプリング34の付勢力に抗してロック部材により閉位置にロックされている。リッド20の閉位置では、ボックス10の収容空間14内の供給口3が車体外方に露出されないので、その供給口3への給油ガンや充電ガンの接続は不可能である。
【0044】
車両運転者や車両使用者などの操作者は、リッド20の閉位置で車両の給油やバッテリ充電を希望する場合、車両を停車させたうえで、車両に対してリッド20を開位置まで開動作させるために必要な作業を行う。この作業は、リッド20の閉位置でのロックを解除するロック解除操作を含み、操作者の状況に応じた、例えば、車両に対応するスマートキーを携帯した状態でその車両に接近して車両と携帯機との間の通信により車両に照合を行わせること、スマートフォンのアプリによる開指示、車内に配置された開スイッチボタンの押下操作、又は車内に配置された開レバーの引っ張り操作などである。
【0045】
上記の作業が行われると、リッド20の閉位置でのロックが解除されてリッド20が開動作する。具体的には、リッド20の閉位置ロックが解除されると、開閉機構30のスプリング34の付勢力によりシャフト部材33が回転してヒンジアーム32が軸線31を中心にして回動するので、リッド20が閉位置から軸線31を中心にして開動作する。そして、リッド20は、開位置に到達する。
【0046】
また、操作者は、車両の給油やバッテリ充電が完了してリッド20を閉位置に戻すことを希望する場合は、手動でリッド20をスプリング34の付勢力に抗して閉位置まで閉動作させる。リッド20が閉動作されて閉位置に達すると、ロック部材がそのリッド20を閉位置に保持する。これにより、リッド20は、閉位置にロックされる。
【0047】
このように、車両用リッド装置1においては、リッド20を閉位置と開位置との間で開閉動作させることができる。このリッド20の開閉動作は、開口部13の上縁よりも上方で左右方向に延びる軸線31を中心にして行われる。このため、リッド20の開位置では、リッド20のリッド本体21が開口部13を上方から覆う庇状態になるので、開口部13の上方から収容空間14への雨滴などの水分の進入を抑えることができる。
【0048】
また、開閉機構30は、ヒンジアーム32を有している。このヒンジアーム32の貫通板部32cは、リッド20の開位置では、開口部13の上部に形成されるボックス10(具体的には、開口部13の上縁)とリッド20(具体的には、リッド本体21の周縁(より具体的には、リッド本体21のリッド閉位置での上縁))との隙間をその隙間の下方から塞ぐ。貫通板部32cは、軸方向に隙間なく連続するように幅広板状に形成されている。そして、貫通板部32cの軸方向両端はそれぞれ、供給口3における軸方向の縁端よりも軸方向外側に位置している。
【0049】
この構造においては、開口部13の上部に形成されるボックス10とリッド20との隙間に雨滴などが進入しかつその水分がヒンジアーム32の貫通板部32cの軸方向両端に導かれてその軸方向両端から落下しても、その水分の落下は、供給口3が軸方向に占める範囲よりも軸方向外側で生じる。従って、車両用リッド装置1によれば、リッド開で開口部13の上部に形成されるボックス10とリッド20との隙間から進入した水分が供給口3に滴下するのを防止することができる。このため、供給口3への水の進入や付着を防止して、給油タンクへの水の混入或いはバッテリのショートなどの発生を回避することができる。
【0050】
尚、ヒンジアーム32の貫通板部32cの軸方向両端から落下した水分は、収容空間14に進入しても、供給口3に進入することなく収容空間14の底に集まり、ボックス10の排出孔を介してボックス10の外部へ排出される。このため、収容空間14に水分が滞留するのを防止して、供給口3への水分の進入や付着を防止する防水機能を向上させることができる。
【0051】
また、開閉機構30は、ラッチ機構部40を有している。ラッチ機構部40は、リッド20が保持される開角度を調整可能な機構である。この構造においては、リッド20が保持される開角度をリッド20の開位置よりも小さくすることができ、リッド20の開状態での保持位置を閉位置側とすることができる。このため、リッド20の開位置での収容空間14への雨滴などの水分の進入を抑えることができ、供給口3の防水機能を更に向上させることができる。
【0052】
ところで、上記の実施形態においては、開閉機構30のヒンジアーム32の軸方向両端がそれぞれ、供給口3における軸方向の縁端よりも軸方向外側に位置している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉機構30のヒンジアーム32の軸方向両端がそれぞれ、ボックス10の連絡孔11aにおける軸方向の縁端よりも軸方向外側に位置していてもよい。
【0053】
一般的に、ボックス10の底壁部11に設けられる連絡孔11aの大きさは、収容空間14に収容する供給口3の大きさよりも大きい。このため、上記の変形形態の構造においても、リッド開時に開口部13の上部に形成されるボックス10とリッド20との隙間に進入した水分がヒンジアーム32の貫通板部32cの軸方向両端から落下しても、その落下は、供給口3が軸方向に占める範囲よりも軸方向外側で生じるので、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、上記の実施形態においては、開閉機構30のラッチ機構部40が、ボックス10側(具体的には、支持部16)に設けられたボックス側調整部41と、リッド20側(具体的には、ヒンジアーム32の支持足部32a)に設けられたリッド側調整部42と、を有するものとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ラッチ機構部40のボックス側調整部41が軸孔16a周縁に設けられ、リッド側調整部42がシャフト部材33に設けられるものとしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態においては、開閉機構30のヒンジアーム32を幅広形状にして、供給口3への水分の滴下を防止することとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、更に、供給口3への水分の進入や付着を防止する防止機能を向上させるために、開閉機構30が、図8及び図9に示す如く、カバー部材50を有するものとしてもよい。
【0056】
この変形形態の車両用リッド装置1において、カバー部材50は、リッド20の開位置で開口部13の一部を覆う部材である。具体的には、カバー部材50は、リッド20の開位置でリッド本体21の周縁と開口部13の周縁との間に形成される収容空間14の露出する隙間の少なくとも一部を埋める。カバー部材50は、板状又はシート状に形成されている。カバー部材50は、リッド20の裏面側に取り付けられている。カバー部材50は、リッド20の閉位置でリッド20の裏面側に折り畳まれて格納されている。また、カバー部材50は、リッド20が閉位置から開位置へ開動作した状態(すなわち、リッド20が開動作している途中或いはリッド20が開位置に到達した状態)でリッド20の裏面側から開口部13を覆うように展開する。
【0057】
カバー部材50は、正面カバー部51と、二つのサイドカバー部52と、を有している。尚、カバー部材50は、正面カバー部51及びサイドカバー部52のうち何れか一方を有するものとしてもよいが、少なくともサイドカバー部52を有するものとしてもよい。正面カバー部51は、リッド20の開位置でリッド本体21の下縁と開口部13の下縁との隙間の少なくとも一部を埋める部位である。正面カバー部51は、長方形状に形成されている。二つのサイドカバー部52は、リッド20の開位置でリッド本体21の左右端と開口部13の左右端との隙間の少なくとも一部を埋める部位である。各サイドカバー部52は、三角形状又は扇形状に形成されている。
【0058】
正面カバー部51とサイドカバー部52とは、リッド20の閉位置において所定順序でリッド20の裏面側に折り畳まれた格納状態にある。この格納状態では、例えば、各サイドカバー部52がリッド20の裏面に接しかつ正面カバー部51が二つのサイドカバー部52をリッド20の裏面との間に挟むように、各カバー部51,52が折り畳まれて積層されている。尚、逆に、格納状態で、正面カバー部51がリッド20の裏面に接しかつ各サイドカバー部52が正面カバー部51をリッド20の裏面との間に挟むように、各カバー部51,52が折り畳まれて積層されていてもよい。
【0059】
カバー部材50は、リッド20の閉位置での格納状態でロック部材(図示せず)によりロックされている。このロック部材は、操作者の手動操作やスイッチ操作により、カバー部材50を格納状態にロックし或いはそのロックを解除することが可能である。尚、カバー部材50の格納状態へのロックは、モータなどの駆動力を用いて行われるものであってもよい。また、カバー部材50の格納状態のロック解除すなわち展開は、モータなどの駆動力を用いて行われるものであってもよいし、リッド20が開動作している途中又はリッド20が開位置に到達した際にカバー部材50の自重により行われるものであってもよい。
【0060】
この変形形態の構造においては、リッド20の開動作中又は開位置でカバー部材50が図9に示す如くリッド20の裏面側から開口部13を覆うように展開する。この構造によれば、リッド20の開位置で、正面カバー部51によりリッド本体21の周縁(より具体的には、リッド本体21のリッド閉位置での下縁)と開口部13の下縁との隙間の少なくとも一部を埋めると共に、サイドカバー部52によりリッド本体21の左右端と開口部13の左右端との隙間の少なくとも一部を埋めるので、ボックス10の外側から開口部13を通じて収容空間14に進入する水分を少なくすることができ、供給口3への水分の防水機能を向上させることができる。
【0061】
ところで、上記の変形形態において、リッド20が開位置から閉動作する際にカバー部材50が展開したままであると、カバー部材50とボックス10や車体側面部2とが干渉して、リッド20を閉位置に到達させることができなくなり、ひいては、リッド20や車体側面部2が損傷するおそれがある。
【0062】
そこで、車両用リッド装置1は、図10に示す如く、リッド20の開閉動作時に必要な制御を行う制御装置60を備えることとしてもよい。制御装置60は、リッド20が開位置から閉位置に向けて閉動作する際にカバー部材50が上記の格納状態に無いことの検知を行い、その検知がなされた場合に、リッド20の閉動作を停止させる処理を実行することが可能である。制御装置60は、マイクロコンピュータを主体に構成されている。尚、制御装置60は、ボックス10近傍に配置されていてもよいが、ボックス10から離れて車体奥側に配置されていてもよい。
【0063】
制御装置60は、検知部61と、処理実行部62と、を有している。検知部61は、リッド20が開位置から閉位置に向けて閉動作する際にカバー部材50が格納状態に無いことの検知を行う部位である。検知部61は、リッド20の裏面側などに配置されたセンサ/スイッチ63の出力する信号に基づいて上記の検知を行う。センサ/スイッチ63は、複数種類設けられていてもよく、感圧センサや接触センサ,角度センサ,近接センサ,カメラなどであってよい。センサ/スイッチ63は、リッド20に配置されていてもよいが、ボックス10に配置されていてもよい。
【0064】
処理実行部62は、リッド20の開動作時にカバー部材50が格納状態に無いことの検知がなされた場合に、リッド20の閉動作を停止させる閉動作停止処理を実行する部位である。処理実行部62は、閉動作停止処理として、例えば、ストッパ部材(図示せず)の突出により操作者による上記閉動作を物理的に停止させる処理、或いは、上記閉動作を行う操作者に音声や表示による警告や注意喚起を行う処理などである。
【0065】
リッド閉動作の停止処理は、処理実行部62からモータ64へ供給される電気信号により実行される。モータ64は、処理実行部62からの指令に従ってストッパ部材をリッド20の閉動作時の移動軌跡上に突出させる駆動力を発生してリッド20の閉動作を物理的に停止させる。尚、モータ64は、シャフト部材33の近傍に配置されて、シャフト部材33の回転軌跡に対してストッパ部材を進退させるものであってよい。
【0066】
また、警告処理や注意喚起処理は、処理実行部62からブザースピーカ65及び警告表示器66へ供給される電気信号により実行される。ブザースピーカ65は、処理実行部62からの指令に従って、リッド20を閉動作させている操作者にその閉動作の停止を促す警告音や注意喚起メッセージを発する。また、警告表示器66は、処理実行部62からの指令に従って、リッド20を閉動作させている操作者にその閉動作の停止を促す警告表示や注意喚起表示を行う。ブザースピーカ65は、ボックスの裏面側などに配置されてよい。また、警告表示器66は、ボックス10やリッド20の周縁部を赤色点灯させ、或いは、リッド20の表面に注意喚起表示するものであってよい。
【0067】
この変形形態の構成によれば、リッド20が開位置から閉位置に向けて閉動作する際にカバー部材50が格納状態に無いことを検知することができと共に、この検知に基づいてリッド20の閉動作時にその閉動作をモータ64を用いて強制的に停止させ、或いは、カバー部材50の格納忘れをブザースピーカ65を用いて操作者に知らせることができる。従って、リッド20の閉動作時におけるカバー部材50の格納忘れに起因するカバー部材50やボックス10,車体側面部2などの破損を防ぐことができる。
【0068】
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0069】
1:車両用リッド装置、2:車体側面部、2a:車体開口、3:供給口、10:ボックス、11:底壁部、11a:連絡孔、11b:貫通孔、12:周壁部、13:開口部、14:収容空間、20:リッド、21:リッド本体、30:開閉機構、31:軸線、32:ヒンジアーム、33:シャフト部材、34:スプリング、40:ラッチ機構部、41:ボックス側調整部、42:リッド側調整部、50:カバー部材、51:正面カバー部、52:サイドカバー部、60:制御装置、61:検知部、62:処理実行部、63:センサ/スイッチ、64:モータ、65:ブザースピーカ、66:警告表示器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10