(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172389
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成制御方法、画像形成制御システム、画像形成制御プログラムおよび画像処理制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20231129BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231129BHJP
G06T 3/40 20060101ALI20231129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H04N1/387 101
G06F3/12 344
G06F3/12 308
G06F3/12 387
G06T3/40 730
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084157
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】神沢 元紀
【テーマコード(参考)】
5B057
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CD03
5B057CD10
5B057CE09
5B057CE17
5B057DA16
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC40
5C062AA05
5C062AB38
5C062AC24
5C062AC38
5C062AF02
5C062AF10
5C076AA21
5C076BA06
5C076CB04
(57)【要約】
【課題】画像ファイルの画素数にかかわらず、高画質かつ所望の印刷サイズで印刷することができる画像形成制御方法を提供する。
【解決手段】クラウド・コンピューティングを利用したサーバにより具現化された画像処理手段は、情報端末から画像ファイルと印刷条件を満たす印刷画素数とを受信するファイル受信工程S41と、画像ファイルを印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成する高解像度化処理工程S43と、高解像度画像ファイルを情報端末へ出力するファイル返信工程S44と、を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ファイルまたはその所在、印刷条件またはこれを満たす印刷画素数、またはさらに記憶装置の所在を受信するファイル受信工程と、
前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成する高解像度化処理工程と、
前記高解像度画像ファイルを、前記ファイル受信工程の送信元または前記記憶装置へ出力するファイル返信工程と、を実行する画像形成制御方法。
【請求項2】
前記ファイル受信工程と、前記高解像度化処理工程と、前記ファイル返信工程と、を、クラウド・コンピューティングを利用したサーバにより具現化された画像処理手段が実行する請求項1に記載の画像形成制御方法。
【請求項3】
前記ファイル受信工程の前に、情報端末が、前記画像ファイルまたはその所在と、前記印刷条件と、を前記画像処理手段に直接にまたは間接的に送信する印刷条件送信工程を実行し、
画像形成準備手段が、前記画像ファイルまたは前記高解像度画像ファイルと前記印刷条件とを受信して、印刷用ファイルを生成して画像形成装置へ出力する画像形成準備工程を実行する請求項2に記載の画像形成制御方法。
【請求項4】
前記高解像度化処理工程よりも前に、前記情報端末、前記画像形成準備手段、または前記画像処理手段が、前記画像ファイルの画素数と前記印刷画素数とを比較する判定工程を実行し、
前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数以上である場合には、前記画像処理手段が前記高解像度化処理工程および前記ファイル返信工程を実行せず、
前記高解像度化処理工程が実行されなかった場合には、画像形成準備手段が前記画像形成準備工程において前記画像ファイルから前記印刷用ファイルを生成する、請求項3に記載の画像形成制御方法。
【請求項5】
前記情報端末が前記判定工程を実行し、
前記情報端末は、前記印刷条件送信工程において、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数未満である場合には前記画像処理手段に送信し、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数以上である場合には前記画像形成準備手段に送信する、請求項4に記載の画像形成制御方法。
【請求項6】
前記ファイル返信工程において、前記画像処理手段が前記高解像度画像ファイルを前記情報端末へ出力し、
前記ファイル返信工程よりも後であって前記画像形成準備工程よりも前に、前記情報端末が前記高解像度画像ファイルを前記画像形成準備手段へ出力するファイル転送工程を実行する請求項5に記載の画像形成制御方法。
【請求項7】
前記画像形成準備手段が前記判定工程を実行し、
前記情報端末は、前記印刷条件送信工程において前記画像形成準備手段に送信し、
前記画像処理手段は、前記ファイル受信工程において前記画像形成準備手段から受信すると共に、前記ファイル返信工程において前記画像形成準備手段へ出力し、
前記画像形成準備手段は、前記画像ファイルが、前記高解像度画像ファイルを受信すると置き換えられる請求項4に記載の画像形成制御方法。
【請求項8】
前記判定工程は、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数未満であった場合に、前記画像ファイルが画素数不足であることを前記情報端末の表示装置に表示する、請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項9】
前記高解像度化処理工程の実行が、前記情報端末におけるユーザの操作によって決定される、請求項8に記載の画像形成制御方法。
【請求項10】
前記印刷条件送信工程は、前記画像ファイルと共に選択された当該画像ファイルの画像における印刷領域をさらに送信する請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項11】
前記印刷条件における印刷サイズおよび印刷解像度の少なくとも一つが、前記情報端末のユーザに選択されたものである、請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項12】
前記情報端末または前記画像形成装置が、前記画像形成装置の所在を前記画像形成準備手段に送信する画像形成装置情報送信工程を実行する、請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項13】
前記高解像度化処理工程において、前記画像処理手段が、前記高解像度画像ファイルの生成が完了したことを前記情報端末に通知する、請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項14】
前記情報端末の表示装置に表示している画像の画像ファイルの、または前記高解像度画像ファイルの、前記印刷条件に基づいて予想される印刷物の画像を、前記表示装置に表示するプレビュー工程、を実行する請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成制御方法。
【請求項15】
前記高解像度化処理工程の後に、前記画像処理手段により生成された前記印刷画素数以上の画像ファイルによる前記プレビュー工程を、前記情報端末におけるユーザの操作によらずに実行する請求項14に記載の画像形成制御方法。
【請求項16】
コンピュータに、
情報端末に、画像ファイルまたはその所在と印刷条件とを画像処理手段または画像形成準備手段へ送信させる手順、
前記画像処理手段に、画像ファイルまたはその所在と印刷条件またはこれを満たす印刷画素数とを受信させ、前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成させて、前記情報端末を経由してまたは直接に前記画像形成準備手段へ出力させる手順、
前記画像形成準備手段に、画像ファイルと印刷条件とを受信させ、前記画像ファイルと前記印刷条件とから印刷用ファイルを生成させて、画像形成装置へ出力させる手順、
を実行させる画像形成制御プログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
画像ファイルまたはその所在、印刷条件またはこれを満たす印刷画素数、またはさらに記憶装置の所在を外部から受信する手順、
前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成する手順、
前記高解像度画像ファイルを、前記画像ファイルの送信元または前記記憶装置へ送信する手順、
を実行させる画像処理制御プログラム。
【請求項18】
画像ファイルまたはその所在と印刷条件とを送信する情報端末と、
画像ファイルまたはその所在と印刷条件またはこれを満たす印刷画素数とを受信して、前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成して出力する画像処理手段と、
画像ファイルおよび印刷条件を受信して、印刷用ファイルを生成して画像形成装置へ出力する画像形成準備手段と、を備える画像形成制御システム。
【請求項19】
前記画像処理手段が、クラウド・コンピューティングを利用したサーバにより具現化される、請求項18に記載の画像形成制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成制御方法、画像形成制御システム、画像形成制御プログラムおよび画像処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物は300dpi(dots per inch)以上の解像度で網点が人の目で見え難くなることから、一般的に、プリンタや複合機(Multifunction Peripheral/Printer/Product:MFP)等の画像形成装置は、解像度を300dpiとし、またはさらに600dpi、1200dpi等に段階的に設定することができる。長辺方向または短辺方向において、印刷しようとする画像ファイルの画素数mが、解像度rと印刷サイズ(印刷物の周縁部の余白を除いた寸法)Lとの積(r×L)よりも多い場合には、画像ファイルの画素が間引かれて画素数を(r×L)に調整されてから印刷される。反対に、画像ファイルの画素数mが(r×L)よりも少ない場合には、解像度rの設定値にかかわらず、低い解像度(m/L)の画質の粗い画像が印刷される。
【0003】
例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の情報端末の表示部(ディスプレイ)に表示されるWEB(World Wide Web)の画像は、一般的に、表示速度を高速にするために、例えば72ppi(pixels per inch)に最適化されている。したがって、このような画像は、画素(ピクセル)数が少なく、印刷すると、特に印刷サイズが大きいほど画質が粗くなる。また、デジタル写真等の画素数が多い画像であっても、その一部の範囲を取り出して拡大印刷すると、印刷範囲が小さいほど、印刷範囲における画素数が少ないので印刷物の画質が粗くなる。
【0004】
ユーザが設定しようとする印刷条件が画像形成装置による適切な印刷条件から乖離しないようにするために、ユーザが画像形成装置のタッチパネルを操作して印刷条件を設定しているときに、画像形成装置が有する印刷条件に合致した時点で、タッチパネルを振動させて好ましい印刷条件であることを通知する画像形成装置の発明が開示されている(特許文献1)。
【0005】
また、情報端末を操作して、ローカルでまたはネットワークを介して接続した画像形成装置で印刷するためには、一般的に、画像形成装置を制御するための機種固有のソフトウェア(プリンタドライバ)が情報端末にインストールされている必要がある。ただし、近年では、情報端末のオペレーティングシステム(OS)に組み込まれている標準ドライバによって画像形成装置の多くの機種を制御することができる。さらに、外部のサーバに画像加工処理ソフトウェアを備えることにより、情報端末の標準ドライバで生成した印刷用データを、画像形成装置を経由してサーバに送信し、サーバ上で画像加工処理したデータを画像形成装置に返信して印刷して、2in1印刷等の、標準ドライバだけでは困難な画像加工処理を実行することができる(特許文献2)。また、プリンタドライバがクラウドサービス化されて、情報端末へのインストールを不要とする技術が実用化されている。
【0006】
サーバにソフトウェアを搭載してネットワークを経由して利用することにより、情報端末のメモリ容量等のハードウェアスペックにかかわらず、大容量のソフトウェアによる高機能の処理を実行することができる。このように、近年では、情報端末から、ネットワーク接続したクラウドシステムにおけるSaaS(Software as a Service)等の様々なソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)を使用することができる。SaaSには、人工知能(artificial intelligence:AI)を搭載した高機能のツールが存在し、その一つに画像の高解像度化処理(超解像処理)を実行するシステムが開示されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6733536号公報
【特許文献2】特開2020-87256号公報
【特許文献3】特開2020-140563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された画像形成装置では、画像ファイルの画素数が少ないと、印刷物の画質を維持しつつ一定以上には拡大することができない。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、情報端末や画像形成装置のハードウェアスペックが高くなくても、情報端末を操作して、画像ファイルの画素数にかかわらず、高画質かつ所望の印刷サイズで印刷することができる画像形成制御方法、画像形成制御システム、画像形成制御プログラムおよび画像処理制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
【0011】
(1)画像ファイルまたはその所在、印刷条件またはこれを満たす印刷画素数、またはさらに記憶装置の所在を受信するファイル受信工程と、
前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成する高解像度化処理工程と、
前記高解像度画像ファイルを、前記ファイル受信工程の送信元または前記記憶装置へ出力するファイル返信工程と、を実行する画像形成制御方法。
【0012】
(2)前記ファイル受信工程と、前記高解像度化処理工程と、前記ファイル返信工程と、を、クラウド・コンピューティングを利用したサーバにより具現化された画像処理手段が実行する(1)に記載の画像形成制御方法。
【0013】
(3)前記ファイル受信工程の前に、情報端末が、前記画像ファイルまたはその所在と、前記印刷条件と、を前記画像処理手段に直接にまたは間接的に送信する印刷条件送信工程を実行し、
画像形成準備手段が、前記画像ファイルまたは前記高解像度画像ファイルと前記印刷条件とを受信して、印刷用ファイルを生成して画像形成装置へ出力する画像形成準備工程を実行する(2)に記載の画像形成制御方法。
【0014】
(4)前記高解像度化処理工程よりも前に、前記情報端末、前記画像形成準備手段、または前記画像処理手段が、前記画像ファイルの画素数と前記印刷画素数とを比較する判定工程を実行し、
前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数以上である場合には、前記画像処理手段が前記高解像度化処理工程および前記ファイル返信工程を実行せず、
前記高解像度化処理工程が実行されなかった場合には、画像形成準備手段が前記画像形成準備工程において前記画像ファイルから前記印刷用ファイルを生成する、(3)に記載の画像形成制御方法。
【0015】
(5)前記情報端末が前記判定工程を実行し、
前記情報端末は、前記印刷条件送信工程において、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数未満である場合には前記画像処理手段に送信し、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数以上である場合には前記画像形成準備手段に送信する、(4)に記載の画像形成制御方法。
【0016】
(6)前記ファイル返信工程において、前記画像処理手段が前記高解像度画像ファイルを前記情報端末へ出力し、
前記ファイル返信工程よりも後であって前記画像形成準備工程よりも前に、前記情報端末が前記高解像度画像ファイルを前記画像形成準備手段へ出力するファイル転送工程を実行する(5)に記載の画像形成制御方法。
【0017】
(7)前記画像形成準備手段が前記判定工程を実行し、
前記情報端末は、前記印刷条件送信工程において前記画像形成準備手段に送信し、
前記画像処理手段は、前記ファイル受信工程において前記画像形成準備手段から受信すると共に、前記ファイル返信工程において前記画像形成準備手段へ出力し、
前記画像形成準備手段は、前記画像ファイルが、前記高解像度画像ファイルを受信すると置き換えられる(4)に記載の画像形成制御方法。
【0018】
(8)前記判定工程は、前記画像ファイルの画素数が前記印刷画素数未満であった場合に、前記画像ファイルが画素数不足であることを前記情報端末の表示装置に表示する、(4)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0019】
(9)前記高解像度化処理工程の実行が、前記情報端末におけるユーザの操作によって決定される、(8)に記載の画像形成制御方法。
【0020】
(10)前記印刷条件送信工程は、前記画像ファイルと共に選択された当該画像ファイルの画像における印刷領域をさらに送信する(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0021】
(11)前記印刷条件における印刷サイズおよび印刷解像度の少なくとも一つが、前記情報端末のユーザに選択されたものである、(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0022】
(12)前記情報端末または前記画像形成装置が、前記画像形成装置の所在を前記画像形成準備手段に送信する画像形成装置情報送信工程を実行する、(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0023】
(13)前記高解像度化処理工程において、前記画像処理手段が、前記高解像度画像ファイルの生成が完了したことを前記情報端末に通知する、(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0024】
(14)前記情報端末の表示装置に表示している画像の画像ファイルの、または前記高解像度画像ファイルの、前記印刷条件に基づいて予想される印刷物の画像を、前記表示装置に表示するプレビュー工程、を実行する(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の画像形成制御方法。
【0025】
(15)前記高解像度化処理工程の後に、前記画像処理手段により生成された前記印刷画素数以上の画像ファイルによる前記プレビュー工程を、前記情報端末におけるユーザの操作によらずに実行する(14)に記載の画像形成制御方法。
【0026】
(16)コンピュータに、
情報端末に、画像ファイルまたはその所在と印刷条件とを画像処理手段または画像形成準備手段へ送信させる手順、
前記画像処理手段に、画像ファイルまたはその所在と印刷条件またはこれを満たす印刷画素数とを受信させ、前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成させて、前記情報端末を経由してまたは直接に前記画像形成準備手段へ出力させる手順、
前記画像形成準備手段に、画像ファイルと印刷条件とを受信させ、前記画像ファイルと前記印刷条件とから印刷用ファイルを生成させて、画像形成装置へ出力させる手順、
を実行させる画像形成制御プログラム。
【0027】
(17)コンピュータに、
画像ファイルまたはその所在、印刷条件またはこれを満たす印刷画素数、またはさらに記憶装置の所在を外部から受信する手順、
前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成する手順、
前記高解像度画像ファイルを、前記画像ファイルの送信元または前記記憶装置へ送信する手順、
を実行させる画像処理制御プログラム。
【0028】
(18)画像ファイルまたはその所在と印刷条件とを送信する情報端末と、
画像ファイルまたはその所在と印刷条件またはこれを満たす印刷画素数とを受信して、前記画像ファイルを前記印刷画素数以上とした高解像度画像ファイルを生成して出力する画像処理手段と、
画像ファイルおよび印刷条件を受信して、印刷用ファイルを生成して画像形成装置へ出力する画像形成準備手段と、を備える画像形成制御システム。
【0029】
(19)前記画像処理手段が、クラウド・コンピューティングを利用したサーバにより具現化される、(18)に記載の画像形成制御システム。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る画像形成制御方法、画像形成制御システム、画像形成制御プログラムおよび画像処理制御プログラムによれば、情報端末や画像形成装置のハードウェアスペックが高くなくても、情報端末を操作して、画像ファイルの画素数にかかわらず、高画質かつ所望の印刷サイズで印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成制御システムの構成を説明するネットワーク構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成制御方法で印刷される画像の一例である。
【
図3A】本発明の実施形態に係る画像形成制御方法を説明する、情報端末の動作のフローチャートである。
【
図3B】本発明の実施形態に係る画像形成制御方法を説明する、情報端末の動作のフローチャートである。
【
図3C】本発明の実施形態に係る画像形成制御方法を説明する、情報端末の動作のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成制御方法を説明する、画像処理手段の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明を実施するための形態(実施形態)における画像形成制御方法および画像形成制御システムを、図面を参照して説明する。
【0033】
〔画像形成制御システム〕
本発明の実施形態に係る画像形成制御システムは、少なくとも情報端末と画像形成装置、さらにサーバを互いにネットワーク接続して備え、情報端末のユーザが画像ファイルを選択して画像形成装置で印刷することができる。一例として、
図1に示すように、画像形成制御システム10は、インターネット1で接続されたローカルネットワークシステム2およびクラウドシステム3を備える。
【0034】
ローカルネットワークシステム2は、企業等またはその1拠点内や家庭内等に構築され、プロキシサーバ(またはファイアウォール)22を介在させてインターネット1に接続し、有線または無線のLAN(Local Area Network)21で互いに接続した、PC(情報端末)24、プリンタや複合機25(画像形成装置)、さらに必要に応じて、データの保管や共有のためのローカルサーバ(記憶装置)23を、それぞれ1台以上備える。また、インターネット1には、スマートフォン(情報端末)14も接続可能である。これらの要素は、それぞれ公知のものを適用することができる。
【0035】
例えば、PC24は、
図1に示すようなディスプレイ(表示装置)を接続して備えるデスクトップ型やノート型が適用され、表示装置に
図2に示すような画像を表示する。そして、LAN21で接続した複合機25の任意の1台を選択して、この複合機25で印刷用紙に画像を印刷することができる。そのために、PC24は、複合機25のプリンタドライバがインストールされていて画像制御部(画像形成準備手段)を有している。画像制御部は、印刷しようとするファイルを、印刷条件に基づいて、印刷用ファイル形式のデータ、例えばPDL(Page Description Language;ページ記述言語)化されたデータ(PDLデータ)に変換する。画像制御部はまた、印刷物の予想画像(プレビュー画像)を生成する。複合機25は、印刷用紙にインクまたはトナーを定着させる等の印刷を実行するメカニカル部であるプリンタエンジンと、プリンタエンジンを駆動制御し、また、入力されたデータを一時保存するメモリやデータをラスタ画像に変換するソフトウェアを有するプリンタコントローラと、を備える。
【0036】
クラウドシステム3は、1以上のクラウドサーバ(仮想サーバ)を有する。クラウドサーバは、データを保管するクラウドストレージや、外部のエッジデバイス(情報端末)でソフトウェアを利用可能とするSaaS等の機能を有し、これらを有償または無償のサービスとして、インターネット1で接続されたスマートフォンやPC(情報端末、エッジデバイス)のユーザに提供する。SaaSは、具体的には、検索エンジン、Web会議システム、画像処理、会計処理等が挙げられる。SaaSはまた、AIによる高機能な処理を実行するものが含まれ、例えば画像処理の一つとして、高解像度化処理(超解像処理、アップスケーリング、アップコンバート)を実行することができる。本実施形態では、クラウドシステム3は、3台のクラウドサーバ3a,3b,3cを有し、1つが画像処理装置(画像処理手段)3aとして機能し、別の1つがクラウドストレージ(記憶装置)3bとして機能する。
【0037】
画像処理装置3aは、画像の存在しないまたは失われた画素を、類推しながら補完することにより、この画像の解像度を高くし、AIを使用することによりこのような高度な処理を短時間で実行することができる。画像処理装置3aは、解像度を、例えば、n倍または2n倍(n:自然数)に、最大16倍まで段階的に、ユーザが選択して変化させることができる。画像処理装置3aはさらに、色補正、指定座標領域以外を削除するトリミング、指定角度での回転等の画像処理を実行することができる。
【0038】
本実施形態においては、画像処理装置3aは、画像ファイルと共に必要最小限の画素数(印刷画素数)を受信する。すると、画像処理装置3aは、この画素数以上となる最低の高解像度化モードを自動的に選択して、受信した画像ファイルをこのモードで処理した高解像度画像ファイルを生成し、受信元へ出力(返信)する。なお、画像処理装置3aは、最高の高解像度化モード(例えば16倍)でも受信した必要最小限の画素数に到達しない場合には、最高の高解像度化モードを選択する。このような一連の処理は、クラウドサーバである画像処理装置3aを構成するコンピュータ(物理サーバ)にプログラムを記憶することにより、実行することができる。
【0039】
〔画像形成制御方法〕
本発明の実施形態に係る画像形成制御方法は、PC24のユーザがPC24を操作して、選択した画像ファイルの画像を複合機25で印刷するための制御方法である。主にPC24が実行する処理について、
図3A、
図3B、および
図3Cを参照して説明する。
【0040】
PC24は、当該PC24のメモリまたはローカルサーバ23に保管している画像ファイルの画像をディスプレイ(表示装置)に表示している(S11)。ユーザは、この画像を印刷するために、PC24を操作して、印刷サイズおよび解像度を含む印刷条件を設定する(S12)。印刷サイズは、印刷用紙(A3/A4/A5/A6/B4/B5/B6)およびその向き(縦/横/自動)、ならびに上下左右の余白の長さ、あるいはさらに集約(2in1/4in1)によって決定される。解像度は、例えば、300dpi/600dpi/1200dpiから選択する。印刷条件はこの他に、カラー/白黒、片面印刷/両面印刷等を選択することができる。
【0041】
ユーザがプレビュー表示を選択すると(S13,YES)、PC24の画像制御部(画像形成準備手段)が、表示中の画像の画像ファイルから、設定した印刷条件に基づくプレビュー画像を生成して(S2a)、ディスプレイに表示する(S15)。プレビュー画像と共に、印刷物の実寸を基準(100%)とした表示倍率を表示するテキスト、表示倍率を調整するスライダー、およびページ(印刷物)全体の表示可能な最大倍率での表示に切り替えるボタン等のウィジェットがディスプレイに表示されていてもよい。なお、印刷条件を設定すると(S12)、ユーザの操作(S13)によらずにプレビュー画像を生成、表示する構成であってもよい。また、プレビュー画像の表示中に、印刷条件の設定に移行することもできる。また、本実施形態においては、プレビュー画像上で、画像における印刷対象領域(印刷領域)を設定することができる(初期状態:全体)。この場合(S16,YES)、例えばマウスによるドラッグ・アンド・ドロップで、
図2に点線の枠で示すように、印刷領域を指定することができる。また、ディスプレイがタッチパネル機能を有している場合には、ピンチアウトで所望の領域をプレビュー画像全体とすることにより、印刷領域を指定することができる。印刷領域が指定(変更)されたら(S17)、それに合わせてプレビュー画像を生成し直して表示する(S2a,S15)。
【0042】
さらに、画像ファイルが印刷条件の印刷サイズと解像度(印刷解像度)の両方を満たす画素数を有しているかを判定する(S18)。詳しくは、選択した印刷用紙(例えばA4)の1辺の長さから両端の余白の長さを減じた長さが印刷サイズL(inch)となる。また、画像ファイルの画素数mは、印刷領域における1辺方向の画素数とする。印刷解像度r(dpi)と印刷サイズL(inch)との積(r×L)が画像ファイルの画素数m以下(r×L≦m)であれば(S18,YES)、この画像ファイルを用いて、ユーザが選択した印刷サイズかつ解像度の印刷物が得られる。そして、ユーザの操作により、プリンタ(複合機25)を選択し(S19)、印刷の実行を命令する(S51,YES)。
【0043】
すると、画像制御部が、画像ファイルを印刷条件に基づいて印刷用ファイル形式のデータ(例えば、PDLデータ)に変換し(S6)、複合機25へ出力する。ここでは、画像制御部が、プレビュー画像を生成した(S2a)時に画像ファイルを取得しているので(S52,YES)、この画像ファイルをPDLデータに変換する。画像制御部が画像ファイルを取得していない場合には(S52,NO)、画像ファイルを保存しているPC24のメモリまたはローカルサーバ23から画像ファイルを画像制御部に送信する(S53)。複合機25は、受信したPDLデータにプリンタコントローラがラスタライズ処理を施してビットマップデータに変換し、ビットマップデータに対応する画像を印刷用紙に印刷する(S7)。なお、プリンタの選択(S19)は、印刷条件の設定(S12)時に実行することもでき、または、印刷(S7)の直前にユーザが複合機25を操作して実行することもできる。
【0044】
一方、印刷解像度rと印刷サイズLとの積(r×L)が画像ファイルの画素数m超(r×L>m)である場合には(S18,NO)、ユーザが設定した印刷ファイルでは十分な解像度の印刷物が得られないことをディスプレイに表示する(S31)。そして、ユーザは、印刷条件を変更して(S32,YES)、印刷サイズLを小さくするか解像度rを低くする(S12)ことにより、解像度rと印刷サイズLとの積(r×L)を画素数m以下(r×L≦m)として(S18,YES)、前記と同様の処理を実行することができる。
【0045】
印刷条件(印刷サイズ、解像度)を変更せず(S32,NO)、画像ファイルをこのままで(S33,NO)印刷することもできる。この場合には、印刷サイズが優先され、ユーザが設定した印刷解像度rにかかわらず、解像度(m/L)の低い、画質の粗い画像が印刷される。
【0046】
または、印刷条件を変更せず(S32,NO)、画像ファイルを高解像度化して画素数を増やすことを選択する(S33,YES)。ユーザのこの選択により、PC24は、画像ファイルおよび必要な画素数(r×L、印刷画素数)を、インターネット1を経由して接続するクラウドシステム3の画像処理装置(画像処理手段)3aに送信する(S34)。すると、画像処理装置3aは、受信した画像ファイルを印刷画素数以上の画素を有するように高解像度化した画像ファイル(高解像度画像ファイル)を生成する(S4)。そして、PC24は、この高解像度画像ファイルを画像処理装置3aから受信し(S35)、引き続いて画像処理装置3aによる処理完了通知を受信する(S36)。PC24は、高解像度画像ファイルを受信したら(S35)、画像制御部に入力する(S37)。これにより、画像制御部において、プレビュー画像生成時の画像ファイルが高解像度画像ファイルに置き換えられる。
【0047】
処理完了通知を受けて(S36)、ユーザが再びプレビュー表示を選択すると(S13,YES)、画像制御部が高解像度画像ファイルを取得しているので(S14,YES)、この高解像度画像ファイルからプレビュー画像を生成して(S2b)、ディスプレイに表示する(S15)。また、印刷条件と画素数との比較(S18)は、高解像度画像ファイルの画素数について実行する。そして、画像制御部は、高解像度画像ファイルと先に設定した印刷条件からPDLデータを生成し(S6)、複合機25が印刷する(S7)。なお、画像制御部が高解像度画像ファイルを取得すると(S37)、ユーザの操作(S13)によらず、この高解像度画像ファイルからプレビュー画像を生成して(S2b)表示する(S15)構成であってもよい。
【0048】
画像処理装置3aによる高解像度化処理(S4)を実行することにより、ユーザが設定した印刷サイズと解像度の両方を満たす印刷物が得られる。このように、印刷解像度rと印刷サイズLとの積(r×L)が画像ファイルの画素数m超(r×L>m)である場合には(S18,NO)、印刷条件を変更、特に印刷サイズを縮小する、印刷解像度を低くする、または画像ファイルを画像処理により高解像度化する、の3択となる。または、ユーザが印刷条件を変更しない(S32,NO)場合には、ユーザの操作(S33)によらず、画像処理装置3aによる画像ファイルの高解像度化処理(S4)を実行する構成であってもよい。なお、画像ファイルの画素数と印刷条件との比較(S18)においては、ユーザが設定した印刷解像度にかかわらず、所定の印刷解像度(例えば、300dpi)で判定してもよい。また、画像ファイルの画素数と印刷条件との比較(S18)を実行せず、ユーザの操作(S33)によって画像ファイルの高解像度化処理(S4)を実行する構成であってもよい。
【0049】
以下に、画像処理装置3aによる処理について、
図4を参照して説明する。
画像処理装置3aは、PC24から画像ファイルおよび印刷画素数を受信すると(S41)、画像ファイルの画素数と印刷画素数に基づき何倍に高解像度化するかを決定する(S42)。そして、これに基づいて画像ファイルを高解像度化して(S43)、生成した高解像度画像ファイルを画像ファイル等の受信元であるPC24へ出力(返信)し(S44)、引き続いて処理完了通知をPC24に送信する(S45)。なお、画像ファイルの画像の印刷領域が全体ではない場合には、画像処理装置3aは、印刷画素数と共に印刷領域(座標等)も受信し、トリミング加工を施した高解像度画像ファイルを生成する。または、トリミング加工を実行せず、印刷領域に対する印刷画素数となるように、何倍に高解像度化するかを決定する(S42)。
【0050】
画像処理装置3aは、印刷画素数に代えて印刷サイズと印刷解像度を含む印刷条件を受信して(S41)、これらに基づいて必要な解像度(印刷解像度)以上となるように、何倍に高解像度化するかを決定する(S42)構成であってもよい。
【0051】
画像処理装置3aは、生成した高解像度画像ファイルを、ローカルサーバ23等のPC24以外へ出力することもできる。そのために、PC24は、印刷画素数等を送信する(S34,S41)際に、高解像度画像ファイルの出力先としてローカルサーバ23の所在(IPアドレス)を共に送信し、画像処理装置3aは、生成した高解像度画像ファイルをこのIPアドレスへ出力する(S44)。また、処理完了通知(S36)後に、ユーザの要求により、PC24やローカルサーバ23等の所望の記憶装置を指定して、画像処理装置3aから高解像度画像ファイルを出力させる(ダウンロードする)構成であってもよい。
【0052】
画像処理装置3aが画像処理する画像ファイルは、PC24のメモリやローカルサーバ23等のローカルネットワークシステム2の外、例えば、クラウドストレージ(記憶装置)3bに保存されたデータやインターネット1で接続されたWEB上のデータでもよい。この場合には、PC24は、画像ファイルに代えてその所在(IPアドレス)を画像処理装置3aに送信する(S34)。画像処理装置3aは、受信したIPアドレスに基づき、画像ファイルを取得して、これを高解像度化する。
【0053】
画像処理装置3aは、画像ファイルを取得せず、PC24上で動作して、PC24に保存された画像ファイルを高解像度化する構成であってもよい。このような画像処理装置3aによれば、画像ファイルおよびその高解像度画像ファイルをローカルネットワークシステム2外へ出力する必要がないので、機密性を有する画像を、ローカルネットワークシステム2外のソフトウェア(画像処理装置3a)を利用して高解像度化することができる。
【0054】
画像制御部(画像形成準備手段)が、PC24ではなく、複合機25のプリンタコントローラやローカルサーバ23に設けられていてもよい。例えばローカルサーバ23に画像制御部が設けられている場合には、PC24は、高解像度画像ファイルを受信したら(S35)、ローカルサーバ23に送信(転送)する(S37)。または、画像処理装置3aが、PC24を経由せずに直接にローカルサーバ23に高解像度画像ファイルを出力してもよい。そのために、PC24は、前記したように、印刷画素数等と共にローカルサーバ23の所在(IPアドレス)を送信する(S34,S41)。また、ローカルサーバ23の画像制御部が、画像ファイルの画素数と印刷条件との比較(S18)を実行する構成であってもよい。この場合にはさらに、PC24で画像ファイルの高解像度化が選択されると(S33,YES)、ローカルサーバ23が、画像ファイルと印刷条件または印刷画素数とを画像処理装置3aに送信してもよい。
【0055】
また、本実施形態では、画像制御部が画像ファイルのPDLデータへの変換(S6)とプレビュー画像の生成(S2a,S2b)とを実行するとしているが、それぞれ異なる部品(装置)が実行する構成でもよく、例えば、プレビュー画像の生成はPC24が実行し、PDLデータへの変換はローカルサーバ23で実行してもよい。画像制御部が実行する一連の処理は、PC24、ローカルサーバ23、または複合機25のプリンタコントローラにプログラムを記憶することにより、実行することができる。
【0056】
本発明に係る画像形成制御方法は、企業や家庭等に構築されたローカルネットワークシステム2内のPC(情報端末)24と複合機25による処理に限られず、例えば、ネットワークプリントによるDPE(Development - Printing - Enlargement)やPOD(Print On Demand)等のサービスを利用して実行することもできる。以下、別の実施形態として、インターネット1に接続したスマートフォン(情報端末)14から、前記サービスを利用する方法を説明する。
【0057】
クラウドサーバ3cは、ネットワークプリントによるDPEやPOD等のサービスを提供し、画像制御部(画像形成準備手段)を有している。本実施形態では、このサービスの提供者が運営または提携する店舗に、複合機(画像形成装置)25を少なくとも備えるローカルネットワークシステム2が構築されている。または、複合機25がファイアウォール機能を有して、インターネット1に直接に接続されていてもよい。ユーザがスマートフォン14または所有するPC(情報端末、図示省略)を操作して画像ファイルをクラウドサーバ3cに入力(アップロード)すると、店舗の複合機25で画像を印刷することができる。また、前記実施形態と同様に、スマートフォン14のディスプレイ(タッチパネル)で印刷領域を指定することができる。画像ファイルは、スマートフォン14のメモリやクラウドストレージ(記憶装置)3bに保存されたデータでもよいし、WEB上のデータでもよい。印刷条件は、画像ファイルのアップロード時にスマートフォン14を操作して設定することができ、サービスによっては複合機25を操作して設定することができる。また、ユーザがスマートフォン14または複合機25を操作することにより(S13,YES)、スマートフォン14または複合機25のディスプレイにプレビュー画像を表示することもできる(S15)。
【0058】
クラウドサーバ3cは、入力された画像ファイルと印刷条件とに基づき、前記実施形態と同様に、画像ファイルの画素数が印刷条件を満たすかを判定する(S18)。また、印刷領域を指定された場合には、クラウドサーバ3cはトリミング加工を実行する。画像ファイルの画素数が印刷条件(印刷サイズ、解像度)を満たす場合には(S18,YES)、クラウドサーバ3cは、画像ファイルをPDLデータに変換して(S6)ユーザが操作する複合機25へ出力する。すると、複合機25が画像を印刷する(S7)。
【0059】
クラウドサーバ3cは、入力された画像ファイルの画素数が不足している場合には(S18,NO)、画素数の不足をスマートフォン14に、さらにユーザが複合機25を操作している時には複合機25に通知する(S31)。ユーザがスマートフォン14または複合機25を操作して、画像ファイルの高解像度化を選択すると(S33,YES)、クラウドサーバ3cは、別のクラウドサーバである画像処理装置3aに、画像ファイルと印刷条件または印刷画素数とを送信する(S34)。前記実施形態と同様に、画像処理装置3aは、画像ファイルを高解像度化し(S4)、生成した高解像度画像ファイルをクラウドサーバ3cへ出力(返信)する(S35,S44)。画像処理装置3aはさらに処理完了通知をクラウドサーバ3cに送信してもよく(S45)、クラウドサーバ3cは、受信した処理完了通知をスマートフォン14またはさらに複合機25に送信(転送)する。そして、クラウドサーバ3cは、高解像度画像ファイルをPDLデータに変換して(S6)複合機25へ出力する。
【0060】
以上の通り、本発明に係る画像形成制御方法は、PCやスマートフォン等の情報端末を操作して所望の画像形成装置で画像を印刷する際に、適用することができる。
【0061】
本発明に係る画像形成制御方法は、画像の印刷に限らず、PCやスマートフォンのディスプレイ(表示装置)で画像を表示する際に適用することもできる。PCやスマートフォンのディスプレイで画像を所望の大きさ(縮倍率)で表示している時に、高解像度化処理の実行を選択すると、ディスプレイの解像度またはユーザが指定する解像度に対応した解像度になるように、画像処理装置(クラウドサーバ)で画像ファイルを高解像度化する。そして、生成された高解像度画像ファイルに置き換えてその画像をディスプレイで表示する。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 画像形成制御システム
1 インターネット
14 スマートフォン(情報端末)
2 ローカルネットワークシステム
21 LAN
22 プロキシサーバ
23 ローカルサーバ、記憶装置
24 PC(情報端末)
25 複合機(画像形成装置)
3 クラウドシステム
3a クラウドサーバ、画像処理装置(画像処理手段)
3b クラウドサーバ、クラウドストレージ(記憶装置)
3c クラウドサーバ、画像制御部(画像形成準備手段)
S15 プレビュー工程
S18 判定工程
S19 画像形成装置情報送信工程
S34 印刷条件送信工程
S37 ファイル転送工程
S41 ファイル受信工程
S43 高解像度化処理工程
S44 ファイル返信工程
S6 画像形成準備工程
S7 画像形成工程