(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172394
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】目隠しフェンス
(51)【国際特許分類】
E04H 17/16 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
E04H17/16 102A
E04H17/16 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084164
(22)【出願日】2022-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (イ) 展示日 :令和3年11月17日~令和3年11月19日 展示会名 :トイレ産業展2021 主催者名 :一般社団法人日本能率協会 (ロ) 公開開始日:令和4年3月2日 公開先 :太田機工株式会社 ハウス資材課(鹿児島県薩摩郡さつま町久富木字下川内6320-1) 第一機械産業株式会社 本社・鹿屋営業所(鹿児島県鹿屋市笠之原町25-10)
(71)【出願人】
【識別番号】513049480
【氏名又は名称】株式会社ハマネツ
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】町田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 正喜
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA03
2E142DD02
2E142DD06
2E142DD13
2E142DD24
2E142DD38
2E142HH01
2E142HH11
2E142HH12
2E142HH13
2E142HH24
2E142JJ08
2E142KK03
2E142LL02
2E142MM03
(57)【要約】
【課題】設置スペースを小さくできるとともに他の物品との物理的干渉の防止または美観を向上させることができる目隠しフェンスを提供する。
【解決手段】目隠しフェンス100は、フェンスパネル101の外縁部105,106にそれぞれ支持棒取付部110,111,112,113をそれぞれ備えている。支持棒取付部110,111,112,113が設けられた外縁部105,106の外側には、支持棒取付部110,111,112,113に取り付けられるフェンス支持棒200の軸線方向上にこのフェンス支持棒200を収容するための第1支持棒収容空間116a,119a、第2支持棒収容空間116b,119bおよび第3支持棒収容空間116c,119cが形成されている。これらの各支持棒収容空間は、フェンス支持棒200におけるフェンスパネル101の板面の形成方向の外側の側面を同側面の幅方向の全範囲で露出させるように開口している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成されたフェンスパネルと、
前記フェンスパネルを支持するとともに同フェンスパネルを別の物品に連結するための連結具を支持する棒状のフェンス支持棒が取り付けられる支持棒取付部とを備え、
前記支持棒取付部は、
前記フェンスパネルの外縁部に設けられており、
前記支持棒取付部が設けられた前記外縁部の外側には、
前記支持棒取付部に取り付けられる前記フェンス支持棒の軸線方向上にこのフェンス支持棒を収容するための支持棒収容空間が形成されており、
前記支持棒収容空間は、
前記支持棒取付部に取り付けられた前記フェンス支持棒における前記フェンスパネルの板面の形成方向の外側の側面を同側面の幅方向の全範囲で露出させるように開口していることを特徴とする目隠しフェンス。
【請求項2】
請求項1に記載された前記目隠しフェンスにおいて、
前記支持棒収容空間は、
前記連結具を前記フェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ隣接させて取り付けることができる大きさで形成されていることを特徴とする目隠しフェンス。
【請求項3】
請求項2に記載された前記目隠しフェンスにおいて、
前記支持棒収容空間は、
前記フェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ以上が互いに繋がらずに独立した状態で形成されていることを特徴とする目隠しフェンス。
【請求項4】
請求項1に記載された前記目隠しフェンスにおいて、
前記支持棒取付部は、
1つの前記フェンス支持棒に対して少なくとも2つ形成されており、
前記支持棒収容空間は、
前記2つの支持棒取付部間に形成されていることを特徴とする目隠しフェンス。
【請求項5】
請求項4に記載された前記目隠しフェンスにおいて、さらに、
前記2つの支持棒取付部の間に設けられて前記フェンス支持棒に取り付けられる中間支持棒取付部とを有することを特徴とする目隠しフェンス。
【請求項6】
請求項1に記載された前記目隠しフェンスにおいて、
前記フェンスパネルにおける前記外縁部は、
前記支持棒取付部に取り付けられた前記フェンス支持棒における前記フェンスパネルの表面側の外表面を覆う支持棒カバー体を有しており、
前記支持棒カバー体は、
前記フェンス支持棒の軸線方向に沿って断続的に形成されていることを特徴とする目隠しフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外または屋内に設置される個室ユニットの目隠しとして使用される目隠しフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、休憩室、トイレ、更衣室、シャワー室、喫煙所、授乳室、物置、仮眠室、読書室、救護室または事務所として一時的に設置される個室の目隠しとして使用される目隠しフェンスがある。例えば、下記特許文献1には、地面から起立する支柱に複数のルーバーパネルが支持されて仮設トイレを囲う仮設トイレ用囲いが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された仮設トイレ用囲いにおいては、支柱1eに対して保持具11が内側に大きく張り出して連結具10に連結される構造であるため、ルーバーパネル2が必ず仮設トイレCの外側に配置されなければならず(
図3参照)、ルーバーパネル2の設置スペースを大きく確保する必要があるという問題がある。また、上記仮設トイレ用囲いにおいては、連結構造が大型であるため前扉Dを開けた際にこの連結構造に衝突するリスクがあるとともに美観も損なわれるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、設置スペースを小さくできるとともに他の物品との物理的干渉の防止または美観を向上させることができる目隠しフェンスを提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、板状に形成されたフェンスパネルと、フェンスパネルを支持するとともに同フェンスパネルを別の物品に連結するための連結具を支持する棒状のフェンス支持棒が取り付けられる支持棒取付部とを備え、支持棒取付部は、フェンスパネルの外縁部に設けられており、支持棒取付部が設けられた外縁部の外側には、支持棒取付部に取り付けられるフェンス支持棒の軸線方向上にこのフェンス支持棒を収容するための支持棒収容空間が形成されており、支持棒収容空間は、支持棒取付部に取り付けられたフェンス支持棒におけるフェンスパネルの板面の形成方向の外側の側面を同側面の幅方向の全範囲で露出させるように開口していることにある。
【0007】
これによれば、目隠しフェンスは、支持棒取付部が設けられた外縁部の外側に形成された支持棒収容空間が支持棒取付部に取り付けられたフェンス支持棒におけるフェンスパネルの板面の形成方向の外側の側面を同側面の幅方向(換言すれば、フェンス支持棒の太さ方向)の全範囲で露出させるように開口しているため、フェンス支持棒に対してフェンスパネルの板面の形成方向の外側に向かって連結具を設けることができる。すなわち、目隠しフェンスは、フェンスパネルにおける板面の形成方向の外側に向かって連結具を設けることができるため、フェンスパネルの板面に対して直交する方向への連結具の張り出しを最小限に抑えることができ、フェンスパネルの設置スペースを小さくできるとともに他の物品との物理的干渉の防止または美観を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記目隠しフェンスにおいて、支持棒収容空間は、連結具をフェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ隣接させて取り付けることができる大きさで形成されていることにある。
【0009】
これによれば、目隠しフェンスは、支持棒収容空間が連結具をフェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ隣接させて取り付けることができる範囲でフェンス支持棒の側面を露出させているため、少なくとも2つの連結具を隣接して設けることができるほか、連結具の取付位置をフェンス支持棒の軸線方向に自由に設定することもできる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記目隠しフェンスにおいて、支持棒収容空間は、フェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ以上が互いに繋がらずに独立した状態で形成されていることにある。
【0011】
これによれば、目隠しフェンスは、支持棒収容空間がフェンス支持棒の軸線方向に少なくとも2つ以上が互いに繋がらずに独立した状態で形成されているため、少なくとも2つ以上の支持棒収容空間の相互の間の空間に支持棒取付部またはリブなどの他の構成要素を形成することができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記目隠しフェンスにおいて、支持棒取付部は、1つのフェンス支持棒に対して少なくとも2つ形成されており、支持棒収容空間は、2つの支持棒取付部間に形成されていることにある。
【0013】
これによれば、目隠しフェンスは、支持棒収容空間が2つの支持棒取付部間に形成されているため、連結具を2つの支持棒取付部間に設けることができ連結具を他のフェンスパネルまたは個室ユニットなどの他の物品に安定的に連結することができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記目隠しフェンスにおいて、さらに、前記2つの支持棒取付部の間に設けられてフェンス支持棒に取り付けられる中間支持棒取付部を有することにある。
【0015】
これによれば、目隠しフェンスは、2つの支持棒取付部の間に設けられる中間支持棒取付部を有しているため、フェンスパネルが支持棒取付部のほかに中間支持棒取付部を介してフェンス支持棒によって規制されることでフェンスパネルの経時的な変形を抑えることができる。この場合、中間支持棒取付部は、フェンス支持棒に対して固定的に取り付けられていてもよいし、フェンス支持棒に対して特定の方向または量だけ変位または変形を許容しつつこの特定の方向以外または量以外の量の変位または変形を規制するように取り付けられていてもよい。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記目隠しフェンスにおいて、フェンスパネルにおける外縁部は、支持棒取付部に取り付けられたフェンス支持棒におけるフェンスパネルの表面側の外表面を覆う支持棒カバー体を有しており、支持棒カバー体は、フェンス支持棒の軸線方向に沿って断続的に形成されていることにある。
【0017】
これによれば、目隠しフェンスは、フェンス支持棒におけるフェンスパネルの表面側の外表面を覆う支持棒カバー体がフェンス支持棒の軸線方向に沿って断続的に形成されているため、フェンスパネルの組み立て時または撤去の各作業時において支持棒カバー体のない部分を介してフェンスパネルの表面側からフェンス支持棒にアクセスすることができ作業性を向上させることができる。また、目隠しフェンスは、フェンス支持棒が軸線方向に部分的にフェンスパネルの表面側にも露出しているため、種々の形態または形状の連結具を用い易くなり連結方法のバリエーションを豊富にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る目隠しフェンスの外観構成の概略を表面側から示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す目隠しフェンスの外観構成の概略を裏面側から示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す目隠しフェンスが設置される仮設トイレで構成された個室ユニットの構成の概略を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す個室ユニットに
図1に示す目隠しフェンスを8つ設置した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示す目隠しフェンスを個室ユニットに連結している連結具の外観構成の概略を第1部品側から見た斜視図である。
【
図6】
図5に示す連結具の外観構成の概略を第2部品側から見た斜視図である。
【
図7】
図4に示す目隠しフェンス同士を連結している連結具の外観構成の概略を示す分解斜視図である。
【
図8】
図1に示す目隠しフェンスを上下方向に並べて2つのフェンス支持棒で連結した連結体を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す連結体を個室ユニットに隣接配置した状態を示す斜視図である。
【
図10】
図5に示す連結具がフェンス支持棒と個室ユニットとを連結している状態を説明するための部分拡大斜視図である。
【
図11】
図4に示す破線円11内において連結具が2つのフェンス支持棒を連結している状態を説明するための部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る目隠しフェンスの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る目隠しフェンス100の外観構成の概略を表面側から示す斜視図である。また、
図2は、
図1に示す目隠しフェンス100の外観構成の概略を裏面側から示す斜視図である。
【0020】
この目隠しフェンス100は、主として屋外に一時的に設置される仮設トイレからなる個室ユニット10の出入り口付近に設置されてこの出入り口付近に対する視線を遮るために用いられる。
【0021】
(個室ユニット10の構成)
まず、目隠しフェンス100の設置対象である個室ユニット10を説明する。個室ユニット10は、
図3に示すように、主として、屋外において下水道工事を伴わずに設置、移動または撤去ができる簡易設置型のトイレである。この個室ユニット10は、便槽11上に個室本体13を備えて構成されている。
【0022】
便槽11は、個室ユニット10が設置される設置面上に載置されて屎尿を貯留するとともに個室本体13内の床面を構成する部品である。より具体的には、便槽11は、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)またはFRP(繊維強化樹脂)材などの樹脂材を水平方向に延びる箱状に形成して構成されている。この場合、便槽11は、内部に屎尿を貯留するための空洞部(図示せず)が形成されている。
【0023】
一方、便槽11の外表面には、使用者が個室本体13に出入りし易くするために前側部分に階段11aが形成されている。また、便槽11の上面は、個室本体13内の床面を構成しており、便器12が設けられている。なお、便槽11には、便槽11内の臭気を排気する脱気管や貯留した屎尿を回収するための汲取り口などが設けられているが本発明に直接関わらないため、これらの説明は省略する。
【0024】
便器12は、使用者が排泄した屎尿を受け止めて便槽11内に導くための器であり、FRP(繊維強化樹脂)材またはセラミック材を上方に向かって開口した形状に形成して構成されている。この便器12は、本実施形態においては、使用者が腰掛けた状態で排泄を行う洋式型の便器で構成されているが、使用者が跨いだ状態で屈んで排泄を行う和式型の便器であってもよい。
【0025】
個室本体13は、便器12を収容して使用者が用を足すための空間を形成する小屋状の建物であり、便槽11上に上下方向に延びる箱状に形成されている。より具体的には、個室本体13は、便槽11の上面である床面上に外壁14および屋根17をそれぞれ備えて構成されている。
【0026】
外壁14は、便器12の四方を囲って個室空間を形成するための部品であり、金属製または樹脂製の複数(本実施形態においては4つ)の板材を互いに連結して構成されている。より具体的には、外壁14は、図示上下方向に延びる長方形状の4つの板材を平面視で方形状の筒状に連結して構成されている。すなわち、外壁14は、1つの前面14a、1つの左側面14b、1つの右側面14cおよび1つの背面14dからなる4つの壁面で構成されている。
【0027】
前面14aは、個室ユニット10の正面側の壁面を構成する部分である。この前面14aは、左右の縁部にそれぞれ2か所ずつ凹状に窪んだ連結凹部15aが形成されており、これらの連結凹部15aにボルトで構成された連結具15bが貫通することで左側面14bおよび右側面14cの各前端部に連結されている。また、この前面14aの中央部には、扉16が設けられている。
【0028】
左側面14bおよび右側面14cは、前面14aに対して左右の側方にそれぞれ設けられて個室ユニット10の左右の壁面をそれぞれ構成する部分である。背面14dは、前面14aに便器12を介して対向配置されて個室ユニット10の後方側の壁面を構成する部分である。この背面14dは、前面14aと同様に、左右の縁部にそれぞれ2か所ずつ凹状に窪んだ連結凹部15aが形成されており、これらの連結凹部15aに連結具15bと同様の連結具(図示せず)が貫通することで左側面14bおよび右側面14cの各後端部に連結されている。
【0029】
扉16は、使用者が個室本体13内を開閉自在に塞ぐための部品であり、金属材または樹脂材を平面視で長方形状の板状に形成して構成されている。この扉16は、前面14aに対して蝶番を介して開閉するように取り付けられている。なお、前面14aは、扉16を省略して常に開口する開口部を設けて構成することもできる。
【0030】
屋根17は、個室本体13内における天井部分を構成する部品であり、方形の板状に形成されて外壁14の上端部に取り付けられている。この屋根17は、平面状に形成されているとともに照射された光の一部を透過させる半透明に形成されている。なお、屋根17は、照射された光を透過しない不透光性で構成できることは当然である。
【0031】
(目隠しフェンス100の構成)
目隠しフェンス100は、フェンスパネル101を備えている。フェンスパネル101は、目隠しフェンス100の主要部を構成する部品であり、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)またはFRP(繊維強化樹脂)材などの樹脂材を板状に形成して構成されている。この目隠しフェンス100は、主として、ルーバ部102、外縁部103、104,105,106、支持棒取付部110,111,112,113、中間支持棒取付部114,115,117,118および支持棒カバー体120,121,122,123をそれぞれ備えて構成されており、これらが一体的に成形されている。
【0032】
このフェンスパネル101は、目隠しフェンス100として本質的には表面および裏面は存在しないが、
図4において個室ユニット10の外側を向いている面を表面101aとし、個室ユニット10側を向いている面を裏面101bとする。また、フェンスパネル101は、水平な姿勢または傾斜した姿勢で設置することもできるが、本実施形態においては垂直に起立した姿勢で設置する場合を前提として説明する。したがって、目隠しフェンス100は、フェンスパネル101における表面101aの前方を目隠しフェンス100の前方とし、フェンスパネル101における裏面101bの前方を目隠しフェンス100の後方とする
【0033】
ルーバ部102は、フェンスパネル101における表面101aと裏面101bとの両面の間で通気性を確保しつつ視線を遮る部分であり、裏面101b側から表面101a側に向けて下り傾斜となる傾斜面を有して構成されている。この場合、ルーバ部102は、水平方向に延びる傾斜面を図示上下方向に複数枚(本実施形態においては10枚)並べて配置するとともにこれらの傾斜面を図示左右方向に所定の間隔で縦桟によって区画(本実施形態においては8つ)して形成されている。
【0034】
外縁部103、104,105,106は、ルーバ部102の外縁部を囲む部分であり、ルーバ部102の4つの各辺に沿って帯びて形成されている。外縁部103は、ルーバ部102の図示上側に形成された部分であり、裏面101b側から見て左右方向に延びて裏面101b側が開口する箱型に形成されている。この場合、外縁部103における図示上面には、フェンスパネル101を他の物品にボルトなどを用いて連結するための2つの取付孔103aが形成されている。また、外縁部103の図示左右の両端部には、支持棒取付部110,111がそれぞれ形成されている。
【0035】
外縁部104は、外縁部103と同様に、ルーバ部102の図示下側に形成された部分であり、裏面101b側から見て左右方向に延びて裏面101b側が開口する箱型に形成されている。この場合、外縁部104における図示下面には、フェンスパネル101を他の物品にボルトなどを用いて連結するための2つの取付孔104aが形成されている。また、外縁部104の図示左右の両端部には、支持棒取付部112、113がそれぞれ形成されている。
【0036】
外縁部105は、ルーバ部102における正面視で右側に形成された部分であり、上下方向に延びる平板状に形成されている。この外縁部105には、支持棒取付部110,112、中間支持棒取付部114,115および支持棒カバー体120,121がそれぞれ形成されている。
【0037】
外縁部106は、外縁部105と同様に、ルーバ部102における正面視で左側に形成された部分であり、上下方向に延びる平板状に形成されている。この外縁部106には、支持棒取付部111,113、中間支持棒取付部116,117および支持棒カバー体122,123がそれぞれ形成されている。
【0038】
支持棒取付部110は、後述するフェンス支持棒200にフェンスパネル101を取り付けるための部分であり、フェンス支持棒200が貫通可能な筒状に形成されている。本実施形態においては、支持棒取付部110は、円筒状に形成されている。この支持棒取付部110は、外縁部105が延びる図示上下方向に軸線が平行になる姿勢で外縁部103における長手方向の一方の端部に形成されている。この場合、支持棒取付部110は、外縁部103および外縁部105に対してそれぞれ一体的に繋がった状態で形成されている。すなわち、支持棒取付部110は、外縁部105における図示上側の一方の端部にも支持された状態で形成されている。この支持棒取付部110の側面には、フェンス支持棒200を固定するためのボルトが貫通する長孔状の取付孔110aが形成されている。
【0039】
支持棒取付部111は、フェンス支持棒200にフェンスパネル101を取り付けるための部分であり、フェンス支持棒200が貫通可能な筒状に形成されている。本実施形態においては、支持棒取付部111は、円筒状に形成されている。この支持棒取付部111は、外縁部106が延びる図示上下方向に軸線が平行になる姿勢で外縁部103における長手方向の他方の端部に形成されている。この場合、支持棒取付部111は、外縁部103および外縁部106に対してそれぞれ一体的に繋がった状態で形成されている。すなわち、支持棒取付部111は、外縁部106における図示上側の一方の端部にも支持された状態で形成されている。この支持棒取付部111の側面には、フェンス支持棒200を固定するためのボルトが貫通する長孔状の取付孔111aが形成されている。すなわち、支持棒取付部111は、支持棒取付部110に対して左右対称に形成されている。
【0040】
支持棒取付部112は、フェンス支持棒200にフェンスパネル101を取り付けるための部分であり、フェンス支持棒200が貫通可能な筒状に形成されている。本実施形態においては、支持棒取付部112は、円筒状に形成されている。この支持棒取付部112は、外縁部105が延びる図示上下方向に軸線が平行になる姿勢で外縁部104における長手方向の一方の端部に形成されている。この場合、支持棒取付部112は、外縁部104および外縁部105に対してそれぞれ一体的に繋がった状態で形成されている。すなわち、支持棒取付部112は、外縁部105における図示下側の他方の端部にも支持された状態で形成されている。この支持棒取付部112の側面には、フェンス支持棒200を固定するためのボルトが貫通する丸状の取付孔112aが形成されている。
【0041】
支持棒取付部113は、フェンス支持棒200にフェンスパネル101を取り付けるための部分であり、フェンス支持棒200が貫通可能な筒状に形成されている。本実施形態においては、支持棒取付部113は、円筒状に形成されている。この支持棒取付部113は、外縁部106が延びる図示上下方向に軸線が平行になる姿勢で外縁部104における長手方向の他方の端部に形成されている。この場合、支持棒取付部113は、外縁部104および外縁部106に対してそれぞれ一体的に繋がった状態で形成されている。すなわち、支持棒取付部113は、外縁部106における図示下側の他方の端部にも支持された状態で形成されている。この支持棒取付部113の側面には、フェンス支持棒200を固定するためのボルトが貫通する丸状の取付孔113aが形成されている。すなわち、支持棒取付部113は、支持棒取付部112に対して左右対称に形成されている。
【0042】
中間支持棒取付部114,115は、フェンス支持棒200に対するフェンスパネル101の変位または変形を規制するための部分であり、フェンス支持棒200によって変位または変形が規制され得る形状に形成されている。具体的には、中間支持棒取付部114,115は、裏側部114a,115aと表側部114b,115bとで構成されている。
【0043】
裏側部114a,115aは、フェンスパネル101が前方側(表面101a側)および左右の側方側(外縁部105,106側)にそれぞれ変位または変形することを防止するための部分であり、後方側(裏面101b側)に向かって半円状に凹む溝状に形成されている。すなわち、裏側部114a,115aは、前方側(表面101a側)に向かって開口する断面形状がC字状に形成されている。この場合、裏側部114a,115aは、フェンス支持棒200の外表面に沿う半形状に形成されている。この裏側部114a,115aは、外縁部105から側方に張り出した状態で同外縁部105の幅方向における後方側(裏面101b側)に形成されている。
【0044】
表側部114b,115bは、フェンスパネル101が後方側(裏面101b側)および左右の側方側(外縁部105,106側)にそれぞれ変位または変形することを防止するための部分であり、前方側(表面101a側)に向かって半円状に凹む片状に形成されている。すなわち、表側部114b,115bは、後方側(裏面101b側)に向かって開口する断面形状がC字状に形成されている。この場合、裏側部114a,115aは、フェンス支持棒200の外表面に沿う半形状に形成されている。これら表側部114b,115bは、裏側部114a,115aの上下方向の各両端部の上方および下方におけるそれぞれ隣接する位置に外縁部105から側方に張り出した状態で同外縁部105の幅方向における前方側(表面101a側)に形成されている。そして、これらの表側部114b,115bは、前記した裏側部114a,115aと一体的に繋がって形成されているとともに後述する支持棒カバー体120,121にも一体的に繋がって形成されている。
【0045】
これらの中間支持棒取付部114,115は、支持棒取付部110と支持棒取付部112との間の中間部分に互いに図示上下方向に離隔した状態で形成されている。これにより、外縁部105の外側には、支持棒取付部110と中間支持棒取付部114との間、支持棒取付部112と中間支持棒取付部115との間および中間支持棒取付部114と中間支持棒取付部115との間にそれぞれフェンス支持棒200を収容する第1支持棒収容空間116a、第2支持棒収容空間116bおよび第3支持棒収容空間116cが形成される。
【0046】
この場合、第1支持棒収容空間116aおよび第2支持棒収容空間116bは、後述する連結具210,220をフェンス支持棒200の軸線方向に少なくとも2つ隣接させて取り付けることができる大きさ形成されている。また、第3支持棒収容空間116cは、連結具210,220を少なくとも1つ取り付けることができる大きさで形成されている。
【0047】
中間支持棒取付部117,118は、フェンス支持棒200に対するフェンスパネル101の変位または変形を規制するための部分であり、フェンス支持棒200によって変位または変形が規制され得る形状に形成されている。これらの中間支持棒取付部117,118は、前記した中間支持棒取付部114,115に対して左右対称に形成されているため、説明を省略する。すなわち、中間支持棒取付部117,118は、裏側部114a,115aおよび表側部114b,115bにそれぞれ対応する裏側部117a,118aと表側部117b,118bを備えている。
【0048】
また、外縁部106の外側には、第1支持棒収容空間116a、第2支持棒収容空間116bおよび第3支持棒収容空間116cにそれぞれ対応する第1支持棒収容空間119a、第2支持棒収容空間119bおよび第3支持棒収容空間119cがそれぞれ形成される。
【0049】
支持棒カバー体120,121は、支持棒取付部110,112を貫通するフェンス支持棒200を目隠しフェンス100の前方側から視認し難くするための部分であり、図示上下方向に延びる板状に形成されている。より具体的には、支持棒カバー体120は、支持棒取付部110の下端部と中間支持棒取付部114の上端部との間に形成されている。また、支持棒カバー体121は、支持棒取付部112の上端部と中間支持棒取付部115の下端部との間に形成されている。
【0050】
これにより、第1支持棒収容空間116aおよび第2支持棒収容空間116bは、フェンスパネル101の側方側および後方側がそれぞれ開放されている。また、第3支持棒収容空間116cは、フェンスパネル101の前方側、側方側および後方側にそれぞれ開放されている。
【0051】
支持棒カバー体122,123は、支持棒取付部111,113を貫通するフェンス支持棒200を目隠しフェンス100の前方側から視認し難くするための部分であり、図示上下方向に延びる板状に形成されている。より具体的には、支持棒カバー体122は、支持棒取付部111の下端部と中間支持棒取付部117の上端部との間に形成されている。また、支持棒カバー体123は、支持棒取付部113の上端部と中間支持棒取付部118の下端部との間に形成されている。
【0052】
これにより、第1支持棒収容空間119aおよび第2支持棒収容空間119bは、フェンスパネル101の側方側および後方側がそれぞれ開放されている。また、第3支持棒収容空間119cは、フェンスパネル101の前方側、側方側および後方側にそれぞれ開放されている。
【0053】
ここで、本発明に係る目隠しフェンス100の設置のために用いるフェンス支持棒200、支持棒ベース201および連結具210,220について説明しておく。
【0054】
フェンス支持棒200は、
図4に示すように、目隠しフェンス100を起立、水平または傾斜などの姿勢で支持するための部品であり、金属材または樹脂材を棒状に形成して構成されている。本実施形態においては、フェンス支持棒200は、ステンレス材を断面形状が円形のパイプに形成して構成されている。また、フェンス支持棒200は、2つの目隠しフェンス100を上下方向に並べて支持できる長さに形成されている。
【0055】
また、フェンス支持棒200は、目隠しフェンス100を固定するためのネジ孔が長手方向に所定の間隔で複数形成されている。なお、フェンス支持棒200は、棒状に延びて形成されていればよく、必ずしも筒状のパイプである必要はない。すなわち、フェンス支持棒200は、中実の棒であってもよいし、断面形状が円形(だ円を含む)以外の形状、例えば方形または多角形状で形成されていてもよい。
【0056】
支持棒ベース201は、フェンス支持棒200を起立した状態で支持するための部品であり、金属材または樹脂材をブロック状に形成して構成されている。この支持棒ベース201の上面には、フェンス支持棒200を挿し込んで支持するための挿し込み孔が2つ形成されている。
【0057】
連結具210は、
図5および
図6にそれぞれ示すように、フェンス支持棒200を個室ユニット10に連結するための部品であり、主として、第1部品211、第2部品215およびボルト216をそれぞれ備えて構成されている。
【0058】
第1部品211は、フェンス支持棒200と個室ユニット10とを繋ぐ部品であり、金属製または樹脂製の帯状体が屈曲して構成されている。この第1部品211は、主として、嵌合部212、アーム部213および接続部214をそれぞれ備えて構成されている。
【0059】
嵌合部212は、フェンス支持棒200の外周部に嵌まり込む部分であり、フェンス支持棒200が嵌まり込むU字状に窪んで形成されている。この嵌合部212には、第2部品215の引掛け片215aが嵌合する嵌合孔212aが形成されている。アーム部213は、嵌合部212から接続部214に向かって延びる板状に形成されている。このアーム部213には、ボルト216がネジ嵌合するナット213aが取り付けられている。
【0060】
接続部214は、個室ユニット10の前面14aに形成された連結凹部15a内に嵌まり込む部分であり、平板状に形成されている。この場合、接続部214は、アーム部213に対して直交する方向に屈曲して延びている。この接続部214には、連結具15bが貫通する貫通孔214aが形成されている。
【0061】
第2部品215は、嵌合部212内にフェンス支持棒200を固定するための部品であり、金属製または樹脂製の帯状体で構成されている。この第2部品215における一方の端部には、前記嵌合孔212aが貫通して引っ掛かる引掛け片215aが凸状に張り出して形成されている。また、第2部品215における他方の端部側には、ボルト216が貫通する貫通孔が形成されている。
【0062】
連結具220は、
図7に示すように、2つのパイプ材を互いに連結するための部品であり、主として、第1部品221、第2部品222、ボルト223およびナット224をそれぞれ備えて構成されている。
【0063】
第1部品221および第2部品222は、互いに隣接する2つのフェンス支持棒200を同時に両側から挟むことで連結するための部品であり、金属製または樹脂製の板状体に2つの半円弧状の窪み221a,222aをそれぞれ有して構成されている。そして、第1部品221および第2部品222は、それぞれ2つずつの窪み221a,222aの中間部にボルト223が貫通する貫通孔221b,222bがそれぞれ形成されている。
【0064】
(目隠しフェンス100の作動)
次に、このように構成した目隠しフェンス100の作動について説明する。この目隠しフェンス100は、個室ユニット10における出入り口付近に設置される。具体的には、作業者は、まず、目隠しフェンス100、フェンス支持棒200、支持棒ベース201および連結具210,220をそれぞれ用意する。本実施形態においては、8つの目隠しフェンス100A~100H、8つのフェンス支持棒200A~200H、4つの支持棒ベース201A~201D、2つの連結具210A,210Bおよび6つの220A~220Fをそれぞれ用意する。
【0065】
次に、作業者は、目隠しフェンス100Aと目隠しフェンス100B、目隠しフェンス100Cと目隠しフェンス100D、目隠しフェンス100Eと目隠しフェンス100Fおよび目隠しフェンス100Gと目隠しフェンス100Hとをそれぞれ連結する。具体的には、作業者は、
図8に示すように、目隠しフェンス100Aの支持棒取付部110,112および目隠しフェンス100Bの支持棒取付部110,112にフェンス支持棒200Aを貫通させて各取付孔110a,112aを介してボルト(図示せず)で固定する。この場合、フェンス支持棒200Aは、目隠しフェンス100A,100Bにおける各中間支持棒取付部114,115をそれぞれ貫通していることは当然である。なお、フェンス支持棒200Aは、中間支持棒取付部114,115を貫通するのみで中間支持棒取付部114,115に対して固定されていない。
【0066】
次に、作業者は、フェンス支持棒200Bをフェンス支持棒200Aと同じ要領で目隠しフェンス100Aの支持棒取付部111,113および目隠しフェンス100Bの支持棒取付部111,113にそれぞれ貫通させて固定する。これにより、目隠しフェンス100Aと目隠しフェンス100Bとが、フェンス支持棒200A,200Bによって連結される。
【0067】
次に、作業者は、目隠しフェンス100Aと目隠しフェンス100Bとの連結作業と同じ要領で目隠しフェンス100Cと目隠しフェンス100D、目隠しフェンス100Eと目隠しフェンス100Fおよび目隠しフェンス100Gと目隠しフェンス100Hとをフェンス支持棒200C~200Hを用いてそれぞれ連結する。ここで、これ以降、目隠しフェンス100Aと目隠しフェンス100Bとの連結体を連結体AB、目隠しフェンス100Cと目隠しフェンス100Dとの連結体を連結体CD、目隠しフェンス100Eと目隠しフェンス100Fとの連結体を連結体EFおよび目隠しフェンス100Gと目隠しフェンス100Hとの連結体を連結体GHと呼ぶことがある。
【0068】
次に、作業者は、連結体ABを個室ユニット10に連結する。具体的には、作業者は、
図9に示すように、連結体ABを個室ユニット10における連結体ABを連結する部分の近傍に起立した状態で配置する。本実施形態においては、作業者は、フェンス支持棒200Aが前面14aの図示右側の上下2つの連結凹部15aに対向するように連結体ABを配置する。この場合、作業者は、フェンス支持棒200Bを支持棒ベース201A上に起立させて支持させるとよい。
【0069】
次に、作業者は、フェンス支持棒200Aに2つの連結具210A,210Bをそれぞれ取り付ける。具体的には、作業者は、
図10に示すように、連結具210Aにおける第1部品211の嵌合部212を第1支持棒収容空間116a内に位置するフェンス支持棒200Aに対してフェンスパネル101の裏面101b側(つまり、後方側)から宛がった後、第2部品215をフェンス支持棒200Aと支持棒カバー体120との間に挿し込んで引掛け片215aを嵌合孔212aに挿し込む。
【0070】
次に、作業者は、ボルト216を第2部品215の貫通孔に挿し込んで第1部品211のナット213aにねじ込む。この場合、作業者は、第1支持棒収容空間116a内におけるフェンス支持棒200A上において連結具210Aを個室ユニット10における2つの連結凹部15aのうちの一方に対応する位置で固定する。
【0071】
次に、作業者は、連結具210Bについても連結具210Aと同様に、第2支持棒収容空間116b内に位置するフェンス支持棒200A上に取り付ける。この場合、作業者は、第1支持棒収容空間116a内におけるフェンス支持棒200A上において連結具210Bを個室ユニット10における2つの連結凹部15aのうちの他方に対応する位置で固定する。これにより、2つの連結具210A,210Bは、アーム部213の先端部および接続部214がフェンスパネル101の側方から張り出した状態で取り付けられる。
【0072】
次に、作業者は、フェンス支持棒200Aに取り付けられた2つの連結具210A,210Bを個室ユニット10における2つの連結凹部15aにそれぞれ連結する。具体的には、作業者は、2つの連結凹部15aからそれぞれ連結具15bを取り外した後、2つの連結具210A,210Bにおける各接続部214をそれぞれ対向する連結凹部15aに宛がって再度連結具15bを締め付ける。これにより、作業者は、連結体ABをフェンス支持棒200Aおよび連結具210A,210Bをそれぞれ介して個室ユニット10に連結することができる。この場合、連結体ABは、個室ユニット10の右側面14cの延長線上に設置(換言すれば、右側面14cと面一に設置)することができる。
【0073】
次に、作業者は、連結体ABに連結体CDを連結する。具体的には、作業者は、連結体CDにおけるフェンス支持棒200Cを支持棒ベース201A上に挿し込んで連結体CDを連結体ABに隣接配置する。この場合、作業者は、支持棒ベース201Bを用意して連結体CDにおけるフェンス支持棒200Dを挿し込んで連結体CDを支持させる。
【0074】
次に、作業者は、フェンス支持棒200Bとフェンス支持棒200Cとを2つの連結具220A,220Bを用いて互いに連結する。具体的には、作業者は、
図11に示すように、目隠しフェンス100A,100Bの各第3支持棒収容空間119c内にそれぞれ位置するフェンス支持棒200Bと目隠しフェンス100C,100Dの各第3支持棒収容空間116c内にそれぞれ位置するフェンス支持棒200Cとを連結具220A,220Bを用いてそれぞれ連結する。
【0075】
この場合、第3支持棒収容空間119cおよび第3支持棒収容空間116cは、それぞれフェンスパネル101の前方、側方および後方に開放されているため、連結具220A,220Bを側方に張り出した向きで取り付けることができるとともに前方側または後方側から取付作業を行うことができる。これにより、作業者は、連結体ABと連結体CDとをフェンス支持棒200B,200Cおよび連結具210A,210Bをそれぞれ介して互いに連結することができる。
【0076】
次に、作業者は、連結体ABと連結体CDとの連結作業と同じ要領で、連結体CDに連結体EFを連結具220C,220Dを用いて連結する。この場合、連結体EFは、連結体CDに対して直交した向きで連結される。しかし、この場合においても、第3支持棒収容空間119cおよび第3支持棒収容空間116cは、それぞれフェンスパネル101の前方、側方および後方に開放されているため連結具220C,220Dを前方、側方および後方に張り出した向きで取り付けることができる。
【0077】
次に、作業者は、連結体ABと連結体CDとの連結作業と同じ要領で、連結体EFに連結体GHを連結具220E,220Fを用いて連結する。これにより、作業者は、個室ユニット10の扉16の前方にL字状に目隠しフェンス100A~100Hをそれぞれ設置することができる。
【0078】
次に、作業者は、目隠しフェンス100A~100Hの使用を終えた場合には、上記設置の手順とは逆の手順にて目隠しフェンス100A~100Hを解体および撤去をすることができる。また、作業者は、連結体AB、連結体CD、連結体EFおよび連結体DH間で相対的な設置角度を変更した場合には、連結具210A,210Bまたは連結具220A~220Fの締結を緩めることで互いの設置角度を変更することができる。
【0079】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、目隠しフェンス100は、支持棒取付部110~113が設けられた外縁部105,106の外側に形成された第1支持棒収容空間116a、第2支持棒収容空間116bおよび第3支持棒収容空間116cが支持棒取付部110~113に取り付けられたフェンス支持棒200におけるフェンスパネル101の板面の形成方向の外側の側面を同側面の幅方向(換言すれば、フェンス支持棒200の太さ方向)の全範囲で露出させるように開口しているため、フェンス支持棒200に対してフェンスパネル101の板面の形成方向の外側に向かって連結具210A,210B,220A~220Fを設けることができる。すなわち、目隠しフェンス100は、フェンスパネル101における板面の形成方向の外側に向かって連結具210A,210B,220A~220Fを設けることができるため、フェンスパネル101の板面に対して直交する方向への連結具210A,210B,220A~220Fの張り出しを最小限に抑えることができ、フェンスパネル101の設置スペースを小さくできるとともに他の物品との物理的干渉の防止または美観を向上させることができる。
【0080】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態においては、作業者は、連結体AB、連結体CD、連結体EFおよび連結体DHを組み立てた後、連結体ABを個室ユニット10に連結した。そして、作業者は、この連結体ABに連結体CDを連結した後、連結体CDに連結体EFを連結するとともに連結体EFに連結体GHを連結するように組み立てた。しかし、目隠しフェンス100の組み立て手順は、上記実施形態に限られず、作業者の任意の手順で組み立てることができる。例えば、支持棒ベース201A~201Dを配置した後、これらの支持棒ベース201A~201D上に目隠しフェンス100A~100Hを組み付けて互いに連結することもできる。
【0082】
また、上記実施形態においては、フェンス支持棒200を個室ユニット10または他のフェンス支持棒200などの他の物品に連結するために2つの種類の連結具210,220を用いた。しかし、連結具は、フェンス支持棒200を個室ユニット10または他のフェンス支持棒200などの他の物品に連結することができるように構成されていればよく、連結具210,220以外の形態であってもよいことは当然である。したがって、連結具は、例えば、自由に屈曲する紐またはワイヤーを用いることができる。
【0083】
また、上記実施形態においては、第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bは、それぞれ連結具210をフェンス支持棒200の軸線方向に2つ並べて取り付けることができる大きさに形成した。しかし、第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bは、フェンス支持棒200の軸線方向上に少なくとも1つの連結具210を取り付けることができる大きさで形成されていればよい。したがって、第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bは、少なくとも2つまたは3つ以上の連結具210を取り付けることができる大きさで形成することができる。
【0084】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、第1支持棒収容空間116aと第2支持棒収容空間116bとは、互いに連続的に繋がらずに独立した状態で形成した。また、目隠しフェンス100は、第1支持棒収容空間119aと第2支持棒収容空間119bとは、互いに連続的に繋がらずに独立した状態で形成した。さらに、目隠しフェンス100は、第3支持棒収容空間116c,119cを第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bとは、互いに連続的に繋がらずに独立した状態で形成した。すなわち、目隠しフェンス100は、左右の外縁部105,106にそれぞれ3つずつの支持棒収容空間を形成した。しかし、目隠しフェンス100は、外縁部103,104,105,106のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの支持棒収容空間が形成されていればよい。
【0085】
また、上記実施形態においては、第3支持棒収容空間116c,119cは、それぞれ1つの連結具220を取り付けることができる大きさに形成した。しかし、第3支持棒収容空間116c,119cは、少なくとも1つの連結具220を取り付けることができる大きさで形成されていればよい。したがって、第3支持棒収容空間116c,119cは、少なくとも2つまたは3つ以上の連結具220を取り付けることができる大きさで形成することができる。なお、第3支持棒収容空間116c,119cには、連結具210を取り付けてもよいことは当然である。
【0086】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、1つのフェンス支持棒200に対して2つの支持棒取付部110,112(または支持棒取付部111,113)を備えて構成した。しかし、目隠しフェンス100は、1つのフェンス支持棒200に対して少なくとも1つの支持棒取付部110(または支持棒取付部112)または支持棒取付部111(または支持棒取付部113)を備えていればよい。
【0087】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、外縁部105の上下方向の両端部に支持棒取付部110,112をそれぞれ形成して構成した。しかし、目隠しフェンス100は、外縁部105の上下方向の両端部より内側(例えば、上下方向の中央部)に支持棒取付部110および/または支持棒取付部112を形成して構成することもできる。
【0088】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、外縁部105に2つの中間支持棒取付部114,115を備えるとともに、外縁部106に2つの中間支持棒取付部117,118を備えて構成した。しかし、目隠しフェンス100は、中間支持棒取付部114,115,117,118を省略して構成することもできる。
【0089】
また、上記実施形態においては、中間支持棒取付部114,115,117,118は、それぞれ第3支持棒収容空間116c,119cを形成するように中間支持棒取付部114,115と中間支持棒取付部117,118とを互いに離隔して形成した。しかし、中間支持棒取付部114,115,117,118は、中間支持棒取付部114,115と中間支持棒取付部117,118とを互いに密着して形成することもできる。すなわち、目隠しフェンス100は、第3支持棒収容空間116c,119cを省略して構成することもできる。
【0090】
また、上記実施形態においては、中間支持棒取付部114,115,117,118は、フェンス支持棒200における裏面101b側を覆って表面101a側に開口する裏側部114a,115a,117a,118aと表面101a側を覆って裏面101b側に開口する表側部114b,115b,117b,118bとで構成した。これにより、目隠しフェンス100は、裏側部114a,115a,117a,118aと表側部114b,115b,117b,118bとでフェンス支持棒200に対する径方向の位置ズレを規制しつつ裏側部114a,115a,117a,118aによって表面101a側からフェンス支持棒200を視認または作業を行うことができる。しかしながら、中間支持棒取付部114,115,117,118は、支持棒取付部110~113のように円筒状に形成することもできる。
【0091】
また、上記実施形態においては、中間支持棒取付部114,115,117,118は、フェンス支持棒200が貫通するのみでフェンス支持棒200に対して固定されていない。つまり、中間支持棒取付部114,115,117,118は、フェンス支持棒200に対して特定の方向または量だけ変位または変形を許容しつつこの特定の方向以外または量以外の量の変位または変形を規制するように取り付けられている。これにより、中間支持棒取付部114,115,117,118は、簡単な構成でフェンスパネル101の位置ズレまたは変形を抑制することができる。しかし、中間支持棒取付部114,115,117,118は、フェンス支持棒200に対してボルトなどの固定具を用いて固定的に取り付けられていいてもよいことは当然である。
【0092】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、支持棒カバー体120,121,122,123をそれぞれ備えて構成した。これより、目隠しフェンス100は、第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bにおける目隠しフェンス100の各表面101a側が覆われることでフェンス支持棒200に対する表面101a側から視線を遮ることができる。しかし、目隠しフェンス100は、支持棒カバー体120,121,122,123をそれぞれ省略して構成することもできる。これによれば、目隠しフェンス100は、第1支持棒収容空間116a,119aおよび第2支持棒収容空間116b,119bにおける目隠しフェンス100の表面101a側が開口しているため、フェンス支持棒200における表面101a側に連結具210,220を設けることができるとともに同表面101a側(つまり、前方側)から作業を行うこともできる。
【0093】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、支持棒カバー体120,122と支持棒カバー体121,123とをフェンス支持棒200の軸線方向に連続的に形成せずに断続的に形成した。これにより、目隠しフェンス100は、第3支持棒収容空間116c,119cを目隠しフェンス100の側方および後方に加えて表面101a側にも開口しているため、目隠しフェンス100の組み立て時または撤去の各作業時において支持棒カバー体120~123のない部分を介して目隠しフェンス100の表面101a側からフェンス支持棒200にアクセスすることができ作業性を向上させることができる。また、目隠しフェンス100は、フェンス支持棒200が軸線方向に部分的に目隠しフェンス100の表面101a側にも露出しているため、種々の形態または形状の連結具を用い易くなり連結方法のバリエーションを豊富にすることができる。しかし、目隠しフェンス100は、支持棒カバー体120,122と支持棒カバー体121,123とをフェンス支持棒200の軸線方向に連続的に形成することもできる。
【0094】
また、上記実施形態においては、第1支持棒収容空間116a,119a、第2支持棒収容空間116b,119bおよび第3支持棒収容空間116c,119cは、目隠しフェンス100の裏面101b側を開口するように構成した。しかし、目隠しフェンス100は、外縁部105,106における目隠しフェンス100の裏面101b側に支持棒カバー体120~123に相当する支持棒カバー体を設けることで第1支持棒収容空間116a,119a、第2支持棒収容空間116b,119bおよび第3支持棒収容空間116c,119cは、目隠しフェンス100の裏面101b側を閉塞するように構成することもできる。すなわち、第1支持棒収容空間116a,119a、第2支持棒収容空間116b,119bおよび第3支持棒収容空間116c,119cは、目隠しフェンス100の側方が少なくとも開口するように構成されていればよい。
【0095】
また、上記実施形態においては、フェンスパネル101は、ルーバ部102を備えて構成した。しかし、フェンスパネル101は、フェンスパネル101の表裏面で視線を遮るように構成されていればよい。したがって、フェンスパネル101は、ルーバ部102を省略して通風性を有さない単なる板状に形成することもできる。
【0096】
また、上記実施形態においては、目隠しフェンス100は、仮設トイレからなる個室ユニット10に設置した。しかし、目隠しフェンス100は、目隠しフェンス100を必要とする個室ユニット10に広く設置することもできる。したがって、個室ユニット10としては、例えば、公園などの常設の屋外トイレ、休憩室、更衣室、シャワー室、喫煙所、授乳室、物置、仮眠室、読書室、救護室または事務所で構成することができる。
【符号の説明】
【0097】
10…個室ユニット、11…便槽、11a…階段、12…便器、13…個室本体、14…外壁、14a…前面、14b…左側面、14c…右側面、14d…背面、15a…連結凹部、15b…連結具、16…扉、17…屋根、
100,100A~100H…目隠しフェンス、101…フェンスパネル、101a…表面、101b…裏面、102…ルーバ部、103…外縁部、103a…取付孔、104…外縁部、104a…取付孔、105…外縁部、106…外縁部、
110,111,112,113…支持棒取付部、110a,111a,112a,113a…取付孔、114,115,117,118…中間支持棒取付部、114a,115a…裏側部、114b,115b…表側部、117a,118a…裏側部、117b,118b…表側部、116a,119a…第1支持棒収容空間、116b,119b…第2支持棒収容空間、116c,119c…第3支持棒収容空間、
120,121,122,123…支持棒カバー体、
200,200A~200H…フェンス支持棒、201,201A~201D…支持棒ベース、
210,210A,210B…連結具、211…第1部品、212…嵌合部、212a…嵌合孔、213…アーム部、213a…ナット、214…接続部、214a…貫通孔、215…第2部品、215a…引掛け片、216…ボルト、
220,220A~220F…連結具、221…第1部品、221a…窪み、221b…貫通孔、222…第2部品、222a…窪み、222b…貫通孔、223…ボルト、224…ナット。