IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ハマネツの特許一覧

<>
  • 特開-棒体連結具 図1
  • 特開-棒体連結具 図2
  • 特開-棒体連結具 図3
  • 特開-棒体連結具 図4
  • 特開-棒体連結具 図5
  • 特開-棒体連結具 図6
  • 特開-棒体連結具 図7
  • 特開-棒体連結具 図8
  • 特開-棒体連結具 図9
  • 特開-棒体連結具 図10
  • 特開-棒体連結具 図11
  • 特開-棒体連結具 図12
  • 特開-棒体連結具 図13
  • 特開-棒体連結具 図14
  • 特開-棒体連結具 図15
  • 特開-棒体連結具 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172395
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】棒体連結具
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20231129BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F16B2/06 A
F16B2/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084165
(22)【出願日】2022-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開開始日:令和4年3月2日 公開先 :太田機工株式会社 ハウス資材課(鹿児島県薩摩郡さつま町久富木字下川内6320-1) 第一機械産業株式会社 本社・鹿屋営業所(鹿児島県鹿屋市笠之原町25-10)
(71)【出願人】
【識別番号】513049480
【氏名又は名称】株式会社ハマネツ
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 唯
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 孝紀
(72)【発明者】
【氏名】月岡 良太
【テーマコード(参考)】
3J022
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC17
3J022EC22
3J022FA01
3J022FA05
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA12
3J022GB33
(57)【要約】
【課題】基部の形状または取付対象物の自由度を高めることができるとともに取付作業負担も軽減することができる棒体連結具を提供する。
【解決手段】棒体連結具100は、連結具本体101と宛がい体120とで構成されている。連結具本体101は、棒体保持部102、アーム部105および取付部110を備えている。棒体保持部102は、棒体10の外周部に嵌るU字状に形成されており、一方の端部にのみアーム部105を介して取付部110が設けられているとともに、他方の端部に延長部103を介して凹状嵌合部104が形成されている。アーム部105には、ナット108が設けられている。取付部110は、アーム部105の先端部に対して屈曲して延びて形成されている。宛がい体120は、板状に形成されており、ナット108に嵌合するボルト107が貫通する挿し込み部121および凹状嵌合部104に嵌合する第2連結具孔122が形成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺に延びる棒体を取付対象物に固定するための棒体連結具であって、
前記棒体の外周部に嵌るU字状に形成された棒体保持部と、
前記棒体保持部を前記取付対象物に取り付けるための取付部とを備え、
前記取付部は、
前記U字状に形成された前記棒体保持部における両端部のうちの一方にのみ設けられていることを特徴とする棒体連結具。
【請求項2】
請求項1に記載した棒体連結具において、さらに、
前記棒体を前記棒体保持部内に固定する棒体固定具を備えることを特徴とする棒体連結具。
【請求項3】
請求項2に記載した棒体連結具において、
前記棒体固定具は、
前記棒体保持部の内側に向かって張り出して前記棒体を押す押し体を備えることを特徴とする棒体連結具。
【請求項4】
請求項2に記載した棒体連結具において、さらに、
前記棒体保持部から延びて前記取付部を前記棒体保持部から離隔した位置に位置させるアーム部を備えることを特徴とする棒体連結具。
【請求項5】
請求項4に記載した棒体連結具において、
前記アーム部は、
突起が存在しない平坦な平板状に形成されていることを特徴とする棒体連結具。
【請求項6】
請求項4に記載した棒体連結具において、
前記棒体固定具は、
前記棒体保持部における開口部および前記アーム部に宛がわれる宛がい体と、
前記宛がい体と前記アーム部とを連結する宛がい体連結具とを備えることを特徴とする棒体連結具。
【請求項7】
請求項6に記載した棒体連結具において、
前記棒体保持部は、
前記U字状に形成された前記棒体保持部における両端部のうちの他方の端部に孔状または切欠き状の凹状嵌合部を有し、
前記宛がい体は、
前記凹状嵌合部に挿し込んで嵌合する挿し込み部を有することを特徴とする棒体連結具。
【請求項8】
請求項6に記載した棒体連結具において、
前記宛がい体連結具は、
前記宛がい体と前記アーム部との間で締め付けられる雄ネジ部および雌ネジ部をそれぞれ有していることを特徴とする棒体連結具。
【請求項9】
請求項8に記載した棒体連結具において、
前記宛がい体または前記アーム部は、
前記雄ネジ部が貫通する長孔状の連結具孔を有していることを特徴とする棒体連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺に延びる中実または中空の棒体を取付対象物に固定するための棒体連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺に延びる中実または中空の棒体を取付対象物に固定するための棒体連結具がある。例えば、下記特許文献1には、パイプの外表面に嵌合するU字状のクランプが板状の基部を介して建物の壁などにボルトで固定されるパイプサポートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6092877号公報
【0004】
しかしながら、このような上記特許文献1に記載されたパイプサポートなどの棒体連結具においては、クランプが必ず基部を介して建物の壁などの取付対象物に固定されるため、基部の形状または取付対象物が限定されることがあるとともにクランプ、基部および取付対象部品相互間の位置合わせなど取付作業の負担も増大するという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、基部の形状または取付対象物の自由度を高めることができるとともに取付作業負担も軽減することができる棒体連結具を提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、長尺に延びる棒体を取付対象物に固定するための棒体連結具であって、棒体の外周部に嵌るU字状に形成された棒体保持部と、棒体保持部を取付対象物に取り付けるための取付部とを備え、取付部は、U字状に形成された棒体保持部における両端部のうちの一方にのみ設けられていることにある。
【0007】
これによれば、棒体連結具は、棒体保持部の両端部のうちの一方にのみ取付対象物に直接取り付けるための取付部を有しており、従来技術における上記基部を介することなく取付対象物に直接取り付けることができるため、この基部の形状または取付対象物の自由度を高めることができるとともに取付作業負担も軽減することができる。この場合、棒体連結具は、従来技術における上記基部自体を省略することもできる。なお、棒体には、中実の棒体および中空のパイプが含まれるものである。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、さらに、棒体を棒体保持部内に固定する棒体固定具を備えることにある。
【0009】
これによれば、棒体連結具は、さらに、棒体を棒体保持部内に固定する棒体固定具を備えているため、棒体を安定的に保持することができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、棒体固定具は、棒体保持部の内側に向かって張り出して棒体を押す押し体を備えることにある。
【0011】
これによれば、棒体連結具は、棒体固定具が棒体保持部の内側に向かって張り出して棒体を押す押し体を備えているため、棒体保持部内で簡単な構成で棒体を保持することができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、さらに、棒体保持部から延びて取付部を棒体保持部から離隔した位置に位置させるアーム部を備えることにある。
【0013】
これによれば、棒体連結具は、棒体保持部から延びて取付部を棒体保持部から離隔した位置に位置させるアーム部を備えているため、棒体に対して離れた位置の取付対象物に対しても棒体を取り付けることができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、アーム部は、突起が存在しない平坦な平板状に形成されていることにある。
【0015】
これによれば、棒体連結具は、アーム部が突起が存在しない平坦な平板状に形成されているため、取付対象物と棒体との間の間隔を少なくすることができ、棒体の固定に必要なスペースを小さくすることができる。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、棒体固定具は、棒体保持部における開口部およびアーム部に宛がわれる宛がい体と、宛がい体とアーム部とを連結する宛がい体連結具とを備えることにある。
【0017】
これによれば、棒体連結具は、棒体固定具が棒体保持部における開口部およびアーム部に宛がわれる宛がい体と、この宛がい体とアーム部とを連結する宛がい体連結具とを備えているため、棒体保持部の開口部を塞いで棒体をより確実に保持することができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、棒体保持部は、U字状に形成された棒体保持部における両端部のうちの他方の端部に孔状または切欠き状の凹状嵌合部を有し、宛がい体は、凹状嵌合部に挿し込んで嵌合する挿し込み部を有することにある。
【0019】
これによれば、棒体連結具は、棒体保持部に孔状または切欠き状の凹状嵌合部が形成されるとともに宛がい体に凹状嵌合部に挿し込んで嵌合する挿し込み部を有しているため、宛がい体を棒体保持部に対して正確に位置決めした状態でアーム部に取り付けることができる。
【0020】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、宛がい体連結具は、宛がい体とアーム部との間で締め付けられる雄ネジ部および雌ネジ部をそれぞれ有していることにある。
【0021】
これによれば、棒体連結具は、宛がい体連結具が宛がい体とアーム部との間で締め付けられる雄ネジ部および雌ネジ部をそれぞれ有して構成されているため、簡単な構成で宛がい体をアーム部に脱着することができる。
【0022】
また、本発明の他の特徴は、前記棒体連結具において、宛がい体またはアーム部は、雄ネジ部が貫通する長孔状の連結具孔を有していることにある。
【0023】
これによれば、棒体連結具は、宛がい体またはアーム部が雄ネジ部が貫通する長孔状の連結具孔を有しているため、宛がい体とアーム部とを長孔状の連結具孔の形成方向に沿って相対的にスライド変位させることで棒体保持部内に対して棒体を簡単に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る棒体連結具の外観構成の概略を連結具本体側から示す斜視図である。
図2図1に示す棒体連結具の外観構成の概略を宛がい体側から示す斜視図である。
図3】(A)~(C)は図1に示す棒体連結具の外観構成を示しており、(A)は棒体連結具の左側面図であり、(B)は棒体連結具の正面図であり、(C)は棒体連結具の底面図である。
図4図3(B)に示す棒体連結具における宛がい体をスライドさせて棒体保持部の開口部を開口させた状態を示す正面図である。
図5図1に示す棒体連結具が取り付けられる棒体およびこの棒体に目隠しフェンスが2つ取り付けられた状態を示す斜視図である。
図6図5に示す目隠しフェンスを前側から見た状態を示す斜視図である。
図7図5に示す目隠しフェンスを後ろ側から見た状態を示す斜視図である。
図8図5に示す目隠しフェンスが取り付けられる取付対象物としての仮設トイレの構成の概略を示す斜視図である。
図9図5に示す目隠しフェンスを取付対象物としての仮設トイレに取り付けた状態を示す斜視図である。
図10図1に示す棒体連結具が棒体と取付対象物とを連結する状態を示す斜視図である。
図11】本発明の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を宛がい体側から示す斜視図である。
図12】本発明の他の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を宛がい体側から示す斜視図である。
図13】本発明の他の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を示す斜視図である。
図14】本発明の他の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を示す斜視図である。
図15】本発明の他の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を示す斜視図である。
図16】本発明の他の変形例に係る棒体連結具の外観構成の概略を宛がい体側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る棒体連結具の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る棒体連結具100の外観構成の概略を連結具本体101側から示す斜視図である。また、図2は、図1に示す棒体連結具100の外観構成の概略を宛がい体120側から示す斜視図である。図3(A)~(C)は、図1に示す棒体連結具100の外観構成を示しており、(A)は棒体連結具100の左側面図であり、(B)は棒体連結具100の正面図であり、(C)は棒体連結具100の底面図である。
【0026】
この棒体連結具100は、長尺に延びる丸棒で構成された棒体10を取付対象物20に着脱自在に固定するための器具である。棒体連結具100は、主として、連結具本体101と棒体固定体とで構成されている。
【0027】
連結具本体101は、棒体10を保持するための部品であり、金属製または樹脂製の帯状の板状体が屈曲して形成されている。本実施形態においては、連結具本体101は、ステンレス材で構成されている。この連結具本体101は、主として、棒体保持部102、アーム部105および取付部110をそれぞれ備えて構成されている。
【0028】
棒体保持部102は、棒体10が嵌まり込む部分であり、断面形状が棒体10の外表面に沿う半円状でかつ同半円の軸線方向に延びる溝状に形成されている。つまり、棒体保持部102は、棒体10が嵌入する開口部102aを有した断面形状がU字状に形成されている。
【0029】
この棒体保持部102は、U字状に形成された棒体保持部102の両端部のうちの一方が棒体保持部102の外側に略直角に屈曲してアーム部105に繋がっている。この場合、棒体保持部102は、アーム部105との境界部分である屈曲部102bは、棒体保持部102内に棒体10が嵌合した際にこの棒体10の外表面が屈曲部102bよりも張り出す位置に形成されている。すなわち、棒体保持部102は、U字状に形成された部分の最深部と屈曲部102bとの高さが棒体10の外径よりも低い高さに形成されている。一方、U字状に形成された棒体保持部102の両端部のうちの他方には延長部103が形成されている。
【0030】
延長部103は、凹状嵌合部104が形成される部分であり、U字状に形成された棒体保持部102の両端部のうちの他方側の平坦面が直線状に延びて形成されている。この場合、延長部103は、アーム部105の外表面よりも張り出す長さで形成されている。
【0031】
凹状嵌合部104は、後述する宛がい体120の形成された挿し込み部121が挿し込まれる部分であり、挿し込み部121の断面形状に対応する長方形状の貫通孔で構成されている。この凹状嵌合部104は、少なくとも挿し込み部121が挿入可能な大きさに開口して形成されていればよい。この場合、凹状嵌合部104は、長手方向に直交する短手方向の長さ(換言すれば、高さ)が挿し込み部121の厚みの2倍上かつ3倍以下に設定するとよい。
【0032】
また、凹状嵌合部104は、延長部103の幅方向の中央部分に形成されるとよい。また、凹状嵌合部104は、棒体保持部102側の端部104aがアーム部105の宛がい面105aと同一平面または同宛がい面105aよりも棒体保持部102側に位置する位置で形成されるとよい。
【0033】
アーム部105は、取付部110を棒体保持部102から離隔した位置に位置させるための部分であり、棒体保持部102における前記一方の端部から平坦な帯状に延びて形成されている。この場合、取付部110が棒体保持部102から離隔した位置とは、取付部110が取付対象物20における取り付け位置が棒体保持部102に隣接する位置ではなくそれ以上に離れた位置である。
【0034】
このアーム部105は、棒体保持部102が開口する側の面が後述する宛がい体120が宛がわれる宛がい面105aであり、この宛がい面105aの反対側の面であって棒体保持部102が膨出する側の面が裏面105bを形成している。そして、このアーム部105は、宛がい面105aと裏面105bとを貫通した状態で第1連結具孔106が形成されているとともに、裏面105bにナット108が設けられている。
【0035】
第1連結具孔106は、ボルト107を貫通させるための貫通孔である。この第1連結具孔106は、アーム部105における棒体保持部102と取付部110との間に形成されている。この場合、本実施形態においては、第1連結具孔106は、アーム部105における棒体保持部102と取付部110との間の中央部または同中央部よりも棒体保持部102側に形成されている。
【0036】
ボルト107は、後述する宛がい体120をアーム部105に着脱自在な状態で固定するための部品であり、軸体の外周部に雄ネジ部が形成されて構成されている。ナット108は、第1連結具孔106を貫通したボルト107がネジ嵌合する部品であり、筒体の内周部に雌ネジ部が形成されて構成されている。このナット108は、アーム部105の裏面105bにおける第1連結具孔106が連通する位置に溶接によって固着している。
【0037】
取付部110は、棒体連結具100を取付対象物20に取り付けるための部分であり、アーム部105における前記棒体保持部102とは反対側の端部が略直角方向に屈曲して延びる平坦な帯状に形成されている。この取付部110には、連結具25bが貫通する取付孔111が形成されている。この場合、取付孔111は、長孔状に形成されている。この連結具本体101は、棒体保持部102、アーム部105および取付部110が金属板の板金加工によって一体的に成形される。
【0038】
宛がい体120は、棒体保持部102の開口部102aを塞いで棒体10を棒体保持部102内に固定するための部品であり、金属材または樹脂材を板状に形成して構成されている。本実施形態においては、宛がい体120は、連結具本体101と同じ金属材(ステンレス材)を平面視で長方形状の板状体に形成して構成されている。この場合、宛がい体120は、連結具本体101と同じ幅以下の幅で形成するとよい。この宛がい体120には、挿し込み部121および第2連結具孔122がそれぞれ形成されている。
【0039】
挿し込み部121は、前記した凹状嵌合部104に挿し込まれる部分であり、宛がい体120の長手方向の両端部のうちの一方の端部に凸状に張り出して形成されている。この場合、挿し込み部121は、宛がい体120の短手方向(幅方向)の中央部に形成されている。また、挿し込み部121は、凹状嵌合部104の深さ以上の長さに形成されるとよい。この場合、挿し込み部121は、凹状嵌合部104の深さの2倍以上かつ5倍以下の長さがよい。本実施形態においては、挿し込み部121は、凹状嵌合部104の深さの3倍の長さに形成されている。
【0040】
第2連結具孔122は、ボルト107を貫通させるための貫通孔である。この第2連結具孔122は、宛がい体120の長手方向に沿って延びる長孔状に形成されている。この場合、第2連結具孔122の長さは、図4に示すように、宛がい体120における挿し込み部121側の部分が棒体保持部102の開口部102aを塞ぐ位置と同開口部102aに挿し込み部121が重ならない退避位置までスライドできる長さに設定されている。この宛がい体120は、金属板の板金加工によって成形される。
【0041】
ここで、図5図9をそれぞれ参照しながら、この棒体連結具100の連結対象である棒体10と取付対象物20とをそれぞれ説明するとともに、この棒体10に取り付けられる目隠しフェンス30について説明しておく。
【0042】
棒体10は、目隠しフェンス30を起立、水平または傾斜などの姿勢で支持するとともに目隠しフェンス30を取付対象物20に固定するための部品であり、金属材または樹脂材を棒状に形成して構成されている。本実施形態においては、棒体10は、ステンレス材を断面形状が円形のパイプに形成して構成されている。また、棒体10は、2つの目隠しフェンス30を上下方向に並べて支持できる長さに形成されている。
【0043】
なお、棒体10は、棒状に延びて形成されていればよく、必ずしも筒状のパイプである必要はない。すなわち、棒体10は、中実の棒であってもよいし、断面形状が円形(だ円を含む)以外の形状、例えば方形または多角形状で形成されていてもよい。
【0044】
取付対象物20は、棒体10が一時的または恒久的に取り付けられる対象物である。本実施形態においては、取付対象物20は、屋外において下水道工事を伴わずに設置、移動または撤去ができる簡易設置型のトイレで構成されている。この取付対象物20は、便槽21上に個室本体23を備えて構成されている。
【0045】
便槽21は、取付対象物20が設置される設置面上に載置されて屎尿を貯留するとともに個室本体23内の床面を構成する部品であり、樹脂材を水平方向に延びる箱状に形成して構成されている。この便槽21の上面は、個室本体23内の床面を構成しており、便器22が設けられている。
【0046】
個室本体23は、便器22を収容して使用者が用を足すための空間を形成する小屋状の建物であり、便槽21上に上下方向に延びる箱状に形成されている。この個室本体23は、便槽21の上面である床面上に外壁24および屋根27をそれぞれ備えて構成されている。
【0047】
外壁24は、便器22の四方を囲って個室空間を形成するための部品であり、金属製または樹脂製の複数(本実施形態においては4つ)の板材を互いに連結して構成されている。より具体的には、外壁24は、図示上下方向に延びる長方形状の4つの板材を平面視で方形状の筒状に連結して構成されている。すなわち、外壁24は、1つの前面24a、1つの左側面24b、1つの右側面24cおよび1つの背面24dからなる4つの壁面で構成されている。
【0048】
前面24aは、取付対象物20の正面側の壁面を構成する部分である。この前面24aは、左右の縁部にそれぞれ2か所ずつ凹状に窪んだ連結凹部25aが形成されており、これらの連結凹部25aにボルトで構成された連結具25bが貫通することで左側面24bおよび右側面24cの各前端部に連結されている。また、この前面24aの中央部には、個室本体23への出入り口となる扉26が設けられている。
【0049】
左側面24bおよび右側面24cは、前面24aに対して左右の側方にそれぞれ設けられて取付対象物20の左右の壁面をそれぞれ構成する部分である。背面24dは、前面24aに便器22を介して対向配置されて取付対象物20の後方側の壁面を構成する部分である。この背面24dは、前面24aと同様に、左右の縁部にそれぞれ2か所ずつ凹状に窪んだ連結凹部25aが形成されており、これらの連結凹部25aに連結具25bと同様の連結具(図示せず)が貫通することで左側面24bおよび右側面24cの各後端部に連結されている。屋根27は、個室本体23内における天井部分を構成する部品であり、方形の板状に形成されて外壁24の上端部に取り付けられている。
【0050】
目隠しフェンス30は、仮設トイレである取付対象物20の出入り口付近に目隠しとして設置される設備であり、樹脂材を正面視で方形状の板状に形成して構成されている。この目隠しフェンス30は、主として、ルーバ部31、外縁部32a,32b,32c,32dおよび棒体取付部33a,33b、中間棒体取付部34a,34b、棒体カバー35a,35bをそれぞれ備えて構成されている。
【0051】
ルーバ部31は、目隠しフェンス30における表面と裏面との両面の間で通気性を確保しつつ視線を遮る部分であり、裏面側から表面側に向けて下り傾斜となる傾斜面を有して構成されている。外縁部32a,32b,32c,32dは、ルーバ部31の外縁部を囲む部分であり、ルーバ部31の4つの各辺に沿って帯びる平板状に形成されている。
【0052】
この場合、外縁部32aは、ルーバ部31の図示上側に水平方向に帯状に延びて形成されている。また、外縁部32bは、ルーバ部31の図示下側に水平方向に帯状に延びて形成されている。また、外縁部32c,32dは、ルーバ部31の図示左右側に垂直方向に帯状にそれぞれ延びて形成されている。
【0053】
棒体取付部33a,33bは、棒体10が取り付けられる部分であり、円筒状に形成されている。この棒体取付部33a,33bは、外縁部32c,32dの各上端部および各下端部にそれぞれ形成されている。
【0054】
中間棒体取付部34a,34bは、棒体10に対する目隠しフェンス30の変位または変形を規制するための部分であり、棒体10における目隠しフェンス30の前方側の外表面に嵌合する半円状の凹部と目隠しフェンス30の後方側の外表面に嵌合する半円状の凹部とで構成されている。この中間棒体取付部34a,34bは、外縁部32c,32dにおける図示上下方向中央部にそれぞれ形成されている。
【0055】
棒体カバー35a,35bは、棒体取付部33a,33bを貫通する棒体10を目隠しフェンス30の前方側から視認し難くするための部分であり、図示上下方向に延びる板状に形成されている。この場合、棒体カバー35aは、外縁部32c,32dの各上端部に形成された棒体取付部33aと中間棒体取付部34aとの間に形成されている。また、棒体カバー35bは、外縁部32c,32dの各下端部に形成された棒体取付部33bと中間棒体取付部34bとの間に形成されている。
【0056】
(棒体連結具100の作動)
次に、このように構成した棒体連結具100の作動について説明する。この棒体連結具100は、目隠しフェンス30を取付対象物20に連結する際に使用される。具体的には、作業者は、まず、棒体10、目隠しフェンス30、ベース40および棒体連結具100をそれぞれ用意する。本実施形態においては、2つの棒体連結具100A,100B、2つの棒体10A,10B、2つの目隠しフェンス30A,30B、1つのベース40をそれぞれ用意する。ここで、ベース40は、棒体10を起立した状態で支持するための部品であり、金属材または樹脂材をブロック状に形成して構成されている。このベース40の上面には、棒体10を挿し込んで支持するための挿し込み孔が2つ形成されている。
【0057】
次に、作業者は、目隠しフェンス30Aと目隠しフェンス30Bとを互いに連結する。この場合、作業者は、目隠しフェンス30Aと目隠しフェンス30Bとを上下方向に並べた位置関係で互いに連結する。具体的には、作業者は、図5に示すように、目隠しフェンス30A,30Bの左右それぞれの棒体取付部33a,33bおよび目隠しフェンス30Bの左右のそれぞれの棒体取付部33a,33bに棒体10A,10Bをそれぞれ貫通させてボルト(図示せず)で固定する。
【0058】
この場合、棒体10A,10Bは、目隠しフェンス30A,30Bにおける左右の各中間棒体取付部34a,34bをそれぞれ貫通していることは当然である。なお、棒体10A,10Bは、各中間棒体取付部34a,34bを貫通するのみで各中間棒体取付部34a,34bに対して固定されていない。これにより、目隠しフェンス30Aと目隠しフェンス30Bとが、2つの棒体10A,10Bによって連結される。
【0059】
次に、作業者は、連結した目隠しフェンス30A,30Bを取付対象物20に連結する。具体的には、作業者は、図9に示すように、目隠しフェンス30A,30Bを取付対象物20における目隠しフェンス30A,30Bを連結する部分の近傍に起立した状態で配置する。本実施形態においては、作業者は、棒体10Aが前面24aの図示右側の上下2つの連結凹部25aに対向するように目隠しフェンス30A,30Bを配置する。また、作業者は、棒体10Bをベース40上に起立させて支持させる。
【0060】
次に、作業者は、棒体10Aに2つの棒体連結具100A,100Bをそれぞれ取り付ける。具体的には、作業者は、図10に示すように、棒体連結具100Aにおける連結具本体101の棒体保持部102を棒体10Aに対して目隠しフェンス30Aの裏面側から嵌め込んだ後、宛がい体120を棒体10Aと棒体カバー35aとの間の隙間に挿し込んで挿し込み部121を凹状嵌合部104に挿し込む。この場合、作業者は、宛がい体120が平坦な平板状に形成されているとともに、凹状嵌合部104が挿し込み部121に対して大きく開口しているため、挿し込み部121を凹状嵌合部104に容易に挿し込んで宛がい体120を宛がい面105aに宛がうことができる。
【0061】
次に、作業者は、ボルト107を宛がい体120の第2連結具孔122に挿し込んで連結具本体101の第1連結具孔106を介してナット108にねじ込む。これにより、宛がい体120は、棒体保持部102からの開口部102aから張り出す棒体10Aを棒体保持部102内に押圧することで棒体連結具100Aを棒体10Aに固定することができる。なお、この場合、作業者は、棒体10A上において棒体連結具100Aを取付対象物20における2つの連結凹部25aのうちの一方に対応する位置で固定する。
【0062】
次に、作業者は、棒体連結具100Bについても棒体連結具100Aと同様に、棒体10A上に取り付ける。この場合、作業者は、棒体10A上において棒体連結具100Bを取付対象物20における2つの連結凹部25aのうちの他方に対応する位置で固定する。これにより、2つの棒体連結具100A,100Bは、それぞれアーム部105の先端部および取付部110が目隠しフェンス30の側方から張り出した状態で取り付けられる。
【0063】
次に、作業者は、棒体10Aに取り付けられた2つの棒体連結具100A,100Bを取付対象物20における2つの連結凹部25aにそれぞれ連結する。具体的には、作業者は、2つの連結凹部25aからそれぞれ連結具25bを取り外した後、2つの棒体連結具100A,100Bにおける各取付部110をそれぞれ対向する連結凹部25aに宛がって再度連結具25bを締め付ける。
【0064】
これにより、作業者は、棒体連結具100A,100Bによって棒体10Aを取付対象物20に連結することができる。すなわち、作業者は、棒体連結具100A,100Bによって目隠しフェンス30A,30Bを取付対象物20に連結することができる。この場合、目隠しフェンス30A,30Bは、取付対象物20の右側面24cの延長線上に設置(換言すれば、右側面24cと面一に設置)することができる。なお、この目隠しフェンス30の組み立て手順は、この実施形態に限られず、作業者の任意の手順で組み立てることができることは当然である。例えば、ベース40を配置した後、この棒ベース40上に目隠しフェンス30A,30Bを組み付けて互いに連結することもできる。
【0065】
次に、作業者は、目隠しフェンス30A,30Bの使用を終えた場合には、上記設置の手順とは逆の手順にて棒体連結具100A,100Bを取付対象物20および棒体10A,10Bから取り外して目隠しフェンス30A,30Bを解体および撤去をすることができる。
【0066】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、棒体連結具100は、棒体保持部102の両端部のうちの一方にのみ取付対象物20に直接取り付けるための取付部110を有しており、従来技術における上記基部を介することなく取付対象物20に直接取り付けることができるため、この基部の形状または取付対象物20の自由度を高めることができるとともに取付作業負担も軽減することができる。
【0067】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、変形例の説明においては、新たに符号を付さない上記実施形態と同様の部分については同じ符号を付している。
【0068】
例えば、上記実施形態においては、棒体連結具100は、連結具本体101に対して宛がい体120を分離できるように構成した。しかし、棒体連結具100は、連結具本体101に対して宛がい体120を一体的に構成することもできる。例えば、棒体連結具100は、アーム部105に宛がい体120を固定するボルト107の先端部を潰してナット108の内径よりも大きく形成して宛がい体120がナット108から抜けなくすることで連結具本体101に対して宛がい体120を分離不能に構成することもできる。
【0069】
また、上記実施形態においては、連結具本体101と宛がい体120とをボルト107とナット108とで連結した。すなわち、ボルト107とナット108とは、本発明に係る宛がい体連結具および棒体固定具に相当する。しかし、この宛がい体連結具は、連結具本体101と宛がい体120とを互いに連結または分離できるように構成されていればよい。したがって、宛がい体連結具は、例えば、プッシュリベット、アーム部105と宛がい体120とを外側から挟むクランプ、ワイヤーまたはアーム部105と宛がい体120との間に配置される磁石などで構成することができる。
【0070】
また、上記実施形態においては、棒体連結具100は、ナット108をアーム部105の裏面105b上に固着して構成した。しかし、棒体連結具100は、ナット108を宛がい体120における第2連結具孔122を覆う位置に固着して構成することもできる。この場合、第2連結具孔122は、長孔ではなく円形に形成されているとよい。これによれば、棒体連結具100は、ボルト107をアーム部105の裏面105bに形成された第1連結具孔106から挿し込んでナット108にネジ嵌合させることができる。
【0071】
また、棒体連結具100は、ナット108をアーム部105上に固着せず分離した状態で用いることもできる。これによれば、棒体連結具100は、ナット108をアーム部105の裏面105b上に位置させてボルト107を第2連結具孔122側から挿入してネジ嵌合させる、または、ナット108を宛がい体120上に位置させてボルト107を第1連結具孔106側から挿入してネジ嵌合させることができる。
【0072】
また、上記実施形態においては、第2連結具孔122を宛がい体120の長手方向に延びる長孔で構成した。これにより、作業者は、宛がい体120を連結具本体101から完全に分離させることなく繋がった状態でスライド変位させることで棒体保持部102内に対して棒体10を出し入れさせることができる。しかし、棒体連結具100は、第2連結具孔122に代えてまたは加えて第1連結具孔106を宛がい体120の長手方向に延びる長孔状に形成しても同様の作用効果を期待することができる。なお、棒体連結具100は、図11に示すように、第2連結具孔122(図示せず)を長孔に代えてボルト107の外径に対応した円形の貫通孔で構成してもよいことは当然である。
【0073】
また、上記実施形態においては、凹状嵌合部104は、方形状の貫通孔で構成した。しかし、凹状嵌合部104は、宛がい体120における挿し込み部121が挿し込まれて宛がい体120を位置決めできるように構成されていればよい。したがって、凹状嵌合部104は、挿し込み部121の形状に沿った形状、例えば、円形(だ円を含む)または多角形状であってもよい。
【0074】
また、凹状嵌合部104は、延長部103の縁部から切り欠かれた形状であってもよい。例えば、凹状嵌合部104は、図11に示すように、延長部103の先端部から棒体保持部102側に矩形状に切り欠かれた形状に形成されていてもよい。また、凹状嵌合部104は、例えば、図12に示すように、延長部103の側部から幅方向にスリット状に切り欠かれた形状に形成されていてもよい。この場合、挿し込み部121は、スリット状の凹状嵌合部104に対応したスリット状に切り欠かれた形状に形成するとよい。
【0075】
なお、棒体連結具100は、凹状嵌合部104および挿し込み部121をそれぞれ省略して構成することもできる。この場合、棒体連結具100は、宛がい体120がボルト107を回動中心として回動することで棒体保持部102内に対して棒体10を出し入れさせることができる。
【0076】
また、上記実施形態においては、棒体連結具100は、連結具本体101と宛がい体120とで構成した。しかし、棒体連結具100は、宛がい体120を省略して連結具本体101のみで構成することもできる。
【0077】
例えば、棒体連結具200は、図13に示すように、矩形状に形成された棒体保持部102における側面に雌ネジ部130を形成するとともに、この雌ネジ部130にネジ嵌合する雄ネジ部を有したボルトで構成された押し体131を備えて構成する。これによれば、棒体連結具200は、棒体保持部102内に棒体10を配置した状態で押し体131を雌ネジ部130にねじ込むことで棒体10を保持することができる。すなわち、雌ネジ部130および押し体131は、本発明に係る棒体固定具に相当する。
【0078】
また、棒体連結具300は、図14に示すように、半円曲面形状に形成した棒体保持部102の両端部のうちの一方に対して屈曲することなく直線状に延びたアーム部105を備えて構成するともできる。この場合、棒体連結具300は、棒体連結具200と同様に、棒体保持部102の外周部に雌ネジ部130を形成するとともに、この雌ネジ部130にネジ嵌合する雄ネジ部を有したボルトで構成された押し体131を備えて構成する。
【0079】
なお、棒体保持部102は、U字状に形成された棒体保持部102における互いに対向し合う側面のうちの一方に雌ネジ部130を形成することで棒体10を他方の側面に押し付けて保持することができる。また、棒体保持部102は、U字状に形成された棒体保持部102における互いに対向し合う側面がない部分、具体的には、開口部102aに対向する最深部の側面に雌ネジ部130を形成されていてもよい。この場合、棒体連結具100は、押し体131によって押される棒体10を受け止める壁部(図示せず)に棒体保持部102の開口部102aを対向配置するようにすればよい。
【0080】
また、上記実施形態および上記変形例においては、連結具本体101は、アーム部105を備えて構成した。これにより、棒体連結具100は、棒体保持部102から離れた位置に位置する取付対象物20に対して取付部110を連結させることができる。しかし、連結具本体101は、棒体保持部102を取付対象物20に直接または隣接して取り付けられるように取付部110を備えていればよい。したがって、棒体連結具400は、図15に示すように、連結具本体101においてアーム部105を省略して棒体保持部102に隣接する位置に直接取付部110を繋げて構成することもできる。
【0081】
また、棒体連結具200,300,400は、雌ネジ部130に代えて雌ネジ部130を有さない単なる貫通孔で構成することもできる。この場合、棒体10は、押し体131がネジ嵌合する雌ネジを有しているとよい。
【0082】
また、上記実施形態および上記変形例においては、棒体保持部102は、棒体10の外周形状に沿った半円形の曲面形状に形成した。しかし、棒体保持部102は、棒体10の外周部が嵌まり込む形状に形成されていればよい。したがって、棒体保持部102は、例えば、図12および図13にそれぞれ示すように、断面形状を矩形形状に形成して構成することもできる。すなわち、棒体保持部102におけるU字状の形状とは、曲面形状のほか、V字状、矩形形状または多角形状なども含むものである。
【0083】
また、上記実施形態および上記変形例においては、取付部110は、アーム部105に対して直交する方向に延びて形成した。しかし、取付部110は、取付対象物20における取付部分の位置または形状に応じて適宜形成されるものである。したがって、取付部110は、例えば、図16に示すように、アーム部105の形成方向の延長線上に延びて形成することができる。また、取付部110は、例えば、アーム部105の形成方向に対して傾斜方向に延びて形成することもできる。
【0084】
また、取付孔111についても長孔に代えて連結具25bの外径に対応した円形の貫通孔で構成してもよいし、複数の貫通孔を有して構成されてもよいことは当然である(図13参照)。すなわち、取付孔111は、連結凹部25aおよび連結具25bの形態に応じた形態に構成することができる。この場合、連結具25bは、プッシュリベット、板状に形成された連結凹部25aと取付孔111とを外側から挟むクランプ、ワイヤーまたは連結凹部25aと取付孔111との間に配置される磁石などで構成することができる。
【0085】
また、上記実施形態および上記各変形例においては、棒体連結具100,200,300,400は、棒体固定具を宛がい体120または押し体131などで構成した。しかし、棒体固定具は、棒体10を棒体保持部102内で固定するように構成すればよい。したがって、棒体固定具は、棒体保持部102における開口部102aを棒体10の外径よりも小さい幅で形成して棒体保持部102が弾性変形することで棒体10を挟んで保持するように構成することもできる。すなわち、棒体固定具は、棒体保持部102自身で構成することもできる。
【0086】
また、上記実施形態および上記各変形例においては、棒体連結具100,200,300,400は、棒体固定具を備えて構成した。しかし、棒体連結具100は、棒体固定具を省略して構成することもできる。この場合、棒体保持部102は、棒体保持部102内にて棒体10の位置ズレを許容した状態で保持することになる。
【0087】
また、上記実施形態および上記各変形例においては、アーム部105は、突起などの突起物のない平坦な平板状に形成した。しかし、アーム部105は、リブのような突起物を備えて構成されていてもよいし、筒状に形成されていてもよい。
【0088】
また、上記実施形態および上記各変形例においては、棒体連結具100,200,300,400は、棒体10を仮設トイレである取付対象物20に取り付けた。しかし、棒体連結具100,200,300,400は、棒体10を幅広い形態の取付対象物20に取り付けることができる。すなわち、取付対象物20は、仮設トイレに限られるものではなく、各種建物、構造物、機械装置または部品で構成することができる。
【符号の説明】
【0089】
10…棒体、
20…取付対象物、21…便槽、22…便器、23…個室本体、24…外壁、24a…前面、24b…左側面、24c…右側面、24d…背面、25a…連結凹部、25b…連結具、26…扉、27…屋根、
30…目隠しフェンス、31…ルーバ部、32a,32b,32c,32d…外縁部、33a,33b…棒体取付部、34a,34b…中間棒体取付部、35a,35b…棒体カバー、
40…ベース、
100,200,300,400…棒体連結具、101…連結具本体、102…棒体保持部、102a…開口部、102b…屈曲部、103…延長部、104…凹状嵌合部、104a…端部、105…アーム部、105a…宛がい面、105b…裏面、106…第1連結具孔、107…ボルト、108…ナット、
110…取付部、111…取付孔、
120…宛がい体、121…挿し込み部、122…第2連結具孔、
130…雌ネジ部、131…押し体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16