(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172401
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20231129BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231129BHJP
H01M 10/62 20140101ALI20231129BHJP
H01M 10/6569 20140101ALI20231129BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20231129BHJP
H01M 10/6572 20140101ALI20231129BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20231129BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/62
H01M10/6569
H01M10/6551
H01M10/6572
H01M50/244 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084173
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】片岡 拓也
(72)【発明者】
【氏名】喜嶋 裕司
(72)【発明者】
【氏名】小林 晃洋
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK01
5H031KK03
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS06
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC06
5H040NN03
5H040NN05
(57)【要約】
【課題】電池パック収容部に電池パックを収容可能な構成において電池パックの温度上昇を抑制可能な電気機器を提供する。
【解決手段】電気機器は、電池パック29を収容可能な電池パック収容部22と、電池パック収容部22に収容された電池パック29の電力で駆動するコンプレッサ41と、電池パック収容部22に設けられ、コンプレッサ41の排出する冷媒が流れる電池側冷媒管48と、を有する。電池側冷媒管48は、冷温庫の収容室を冷却する右側冷媒管45及び左側冷媒管46よりも下流側に配置される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを収容可能な電池パック収容部と、
前記電池パック収容部に収容された電池パックの電力で駆動する負荷部と、
前記電池パック収容部の熱を放熱する放熱部と、を有する電気機器。
【請求項2】
前記負荷部は、冷媒を排出する冷却機であり、
前記放熱部は、前記冷却機から排出された冷媒が流れる冷媒管である、請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
収容室を有する冷温庫であって、
前記冷媒管は、前記収容室を冷却する第1冷媒管と、前記電池パック収容部を冷却する第2冷媒管と、を有する、請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記冷却機から排出された冷媒を、前記第1冷媒管に流すか否か、及び前記第2冷媒管に流すか否かを、切り替え可能に構成された、請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記第1冷媒管と前記第2冷媒管とが直列に接続されている、請求項3に記載の電気機器。
【請求項6】
前記第1冷媒管が前記第2冷媒管よりも上流側に配置されている、請求項5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記第2冷媒管を通らずに前記第1冷媒管と前記冷却機とを接続する第1バイパス流路と、
前記第1冷媒管から排出された冷媒を前記第2冷媒管に流すか前記第1バイパス流路に流すかを切り替え可能なバルブと、を有する、請求項6に記載の電気機器。
【請求項8】
前記第1冷媒管と前記第2冷媒管は、互いに独立するよう前記冷却機に接続され、
前記冷媒を前記第1冷媒管に流すか第2冷媒管に流すかを切り替え可能なバルブを有する、請求項3に記載の電気機器。
【請求項9】
外部電源からの供給電力により前記電池パック収容部に収容された電池パックを充電可能な充電部を有し、
前記電池パックの充電時に前記第2冷媒管に冷媒を流せるよう構成された、請求項3に記載の電気機器。
【請求項10】
外部機器に給電可能な外部出力部を有し、
前記収容室を冷却せずに前記電池パックから前記外部出力部に放電しているときに前記第2冷媒管に冷媒を流せるよう構成された、請求項3に記載の電気機器。
【請求項11】
前記バルブを制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記電池パック収容部に収容された電池パックの温度、又は、前記電池パック収容部の温度が、所定の条件に達すると、前記第2冷媒管に冷媒を流すよう構成された、請求項7又は8に記載の電気機器。
【請求項12】
前記電池パック収容部は上側に開口を有し、
前記収容室とは別に前記開口を開状態と閉状態で切り替え可能に接続された蓋部を有する、請求項3から10のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項13】
前記電池パック収容部は、電池パック装着部と、前記電池パック装着部が設けられていない壁部と、を有し、
前記放熱部は、前記電池パック収容部の前記壁部に設けられる、請求項1に記載の電気機器。
【請求項14】
前記電池パック収容部は、電池パック装着部を有し、
前記放熱部は、前記電池パック収容部の前記電池パック装着部側に設けられる、請求項1に記載の電気機器。
【請求項15】
前記放熱部は、ペルチェ素子、又は、前記電池パック収容部の外の空気に触れるヒートシンクである、請求項1に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷温庫等の電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、電池パック収容部に電池パックを収容可能な電気機器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パック収容部に電池パックを収容可能な電気機器において、電池パックの温度上昇により保護機能が作動して駆動停止状態になることが課題となっていた。
【0005】
本発明の目的は、電池パック収容部に電池パックを収容可能な構成において電池パックの温度上昇を抑制可能な電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、電気機器である。この電気機器は、
電池パックを収容可能な電池パック収容部と、
前記電池パック収容部に収容された電池パックの電力で駆動する負荷部と、
前記電池パック収容部の熱を放熱する放熱部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池パック収容部に電池パックを収容可能な構成において電池パックの温度上昇を抑制可能な電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る電気機器1を前方上側から見た斜視図であって、第1蓋体6を開いた状態の斜視図。
【
図2】電気機器1を右上前方から見た斜視図であって、
図1から仕切り板70を取り外した状態の斜視図。
【
図3】電気機器1を右上前方から見た斜視図であって、第2蓋体7を開いた状態の斜視図。
【
図4】電気機器1を右上前方から見た斜視図であって、
図3から電池パック29を取り外した状態の斜視図。
【
図7】電気機器1の平面図であって、第2蓋体7を省略した平面図。
【
図8】電気機器1の内部を右上後方から見た斜視図。
【
図12】(A)は、電気機器1の電池パック収容部22の斜視図であって、電池側冷媒管48を省略して第3加温部53を示した斜視図。(B)は、電池パック収容部22の斜視図であって、電池側冷媒管48を電池パック装着部側まで延ばした場合の斜視図。
【
図13】電気機器1における、底面部材15、右側面部材16、左側面部材17、及びレール部材18の組立て説明図。
【
図14】(A)は電気機器1の内部の正面図。(B)は電気機器1の内部の背面図。
【
図15】電気機器1の左外箱12及びその内部を右上後方から見た斜視図。
【
図18】(A)は、電気機器1の設定部60の外観図。(B)は、第1収容室9及び第2収容室10の温度を個別に制御する二部屋モードにおける設定部60の表示部61の表示例を示す図。(C)は、第1収容室9側のみを温度制御する大部屋単独モードにおける表示部61の表示例を示す図。(D)は、第2収容室10側のみを温度制御する小部屋単独モードにおける表示部61の表示例を示す図。(E)は、第1収容室9及び第2収容室10の温度を一括制御する一部屋モードにおける表示部61の表示例を示す図。(F)は、二部屋モードにおいて、第1収容室9の設定温度を0℃、第2収容室10の設定温度を60℃とした状態の表示部61の表示例を示す図。(G)は、
図18(F)の状態から第1収容室9の設定温度を-10℃に変更した場合に、第2収容室10の設定温度が自動的に50℃に変更された後の表示部61の表示例を示す図。
【
図19】(A)は、設定部60に対する操作とそれに応じた表示、モード切替の流れの一例を示す表。(B)は、設定部60の右部屋温度設定ボタン62又は左部屋温度設定ボタン63の操作とそれに応じた表示の一例を示す表。(C)は、電池パック29の状態に応じた表示部61の電池残量表示部61aの表示例を示す表。(D)は、外部DC電源の入力有無に応じた表示部61の外部電源接続表示部61bの表示例を示す表。(E)は、USB機器への電力供給の有無に応じた表示部61のUSB機器通電表示部61cの表示例を示す表。(F)は、エラー発生時における表示部61のエラー表示部61dの表示例を示す表。
【
図21】
図20の回転数設定回路84の内部構成を示す回路ブロック図。
【
図22】電気機器1のメインルーチンを示すフローチャート。
【
図24】
図23のDC電源状態判別ルーチンを示すフローチャート。
【
図25】電気機器1の充電ルーチンを示すフローチャート。
【
図26】電気機器1の大部屋単独モードの動作のフローチャート。
【
図27】電気機器1の小部屋単独モードの動作のフローチャート。
【
図28】電気機器1の一部屋モードの動作のフローチャート。
【
図29】電気機器1の二部屋モードの動作のフローチャート。
【
図31】本発明の実施の形態2に係る電気機器1Aの機械構成の簡易ブロック図。
【
図33】電気機器1Aにおけるバルブの開閉制御のフローチャート。
【
図34】本発明の実施の形態3に係る電気機器1Bの機械構成の簡易ブロック図。
【
図35】電気機器1Bにおけるバルブの開閉制御のフローチャート。
【
図36】本発明の実施の形態4に係る電気機器1Cの機械構成の簡易ブロック図。
【
図37】本発明の実施の形態5に係る電気機器1Dの機械構成の簡易ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0010】
(実施の形態1)
本実施の形態は、電気機器1に関する。電気機器1は、冷却及び加温機能を備えた可搬型の冷温庫である。
図1等により、電気機器1における互いに直交する前後、上下、左右の各方向を定義する。前後方向は電気機器1の奥行き方向(短手方向)であり、左右方向は電気機器1の幅方向(長手方向)であり、上下方向は電気機器1の高さ方向である。
【0011】
電気機器1は、本体2を備える。本体2は、第1本体部3と、第1本体部3とは別の第2本体部4と、を有する。第1本体部3及び第2本体部4は、左右方向に並ぶ。第2本体部4は、第1本体部3の外側かつ右側に位置する。
【0012】
第1本体部3は、左外箱12を有する。左外箱12は、上部が開放の略直方体の例えば樹脂成形体であり、第1本体部3の外装を構成する。第2本体部4は、右外箱13を有する。右外箱13は、上部及び左部が開放の略直方体の例えば樹脂成形体であり、第2本体部4の外装を構成する。右外箱13は、左外箱12の右側面に、ネジ止め等により固定、一体化される。
【0013】
本体2は、メインフレーム11を有する。メインフレーム11は、例えば樹脂成形体である。メインフレーム11は、第1本体部3及び第2本体部4の上部に跨がる枠体であって、第1本体部3及び第2本体部4にそれぞれ対応する開口部を有する。
【0014】
電気機器1は、蓋体5を備える。蓋体5は、本体2の上部に設けられて本体2に対して開閉可能である。蓋体5は、第1本体部3を開閉する第1蓋体6と、第2本体部4を開閉する(電池パック収容部22を開閉する)第2蓋体7と、を有する。
【0015】
第1蓋体6は、
図5等に示すように、第1ヒンジ機構25によってメインフレーム11の後端部に回動可能に連結される。第1蓋体6は、把手部6aを有する。ユーザは、
図3に示す閉状態の第1蓋体6の把手部6aを前方に回動させることでメインフレーム11に対する第1蓋体6の係止を解除し、そのまま把手部6aを持って
図1に示すように第1蓋体6を開けられる。
【0016】
第2蓋体7は、
図5等に示すように、第2ヒンジ機構26によってメインフレーム11の後端部に回動可能に連結される。第2蓋体7は、把手部7aを有する。ユーザは、
図1に示す閉状態の第2蓋体7の把手部7aを上方に回動させることで第2蓋体7の係止を解除し、そのまま把手部7aを持って
図3に示すように第2蓋体7を開けられる。
【0017】
電気機器1は、左右一対の把手部21を備え、また底部に接地部となる複数の(例えば4つの)脚部35を備える。ユーザは、左右の把手部21を持って電気機器1を持ち上げて、電気機器1を移動可能である。
【0018】
電気機器1は、キャスター19及び可動ハンドル(キャリーハンドル)20を有する。キャスター19は、本体2の右下部の前後にそれぞれ設けられる。キャスター19の回転軸方向は、左右方向と平行である。可動ハンドル20は、本体2の左側面に回動可能に設けられる。可動ハンドル20の回動軸方向は、左右方向と平行である。ユーザは、可動ハンドル20を上方に回動させ、可動ハンドル20を持って本体2の左部を地面から浮かせることで、キャスター19を利用して電気機器1を移動可能である。
【0019】
電気機器1は、第2本体部4の前面上部にUSB端子27A及びシガーソケット27Bを有し、第2本体部4の右側面下部に外部電源入力端子28を備える。電気機器1は、USB端子27Aに接続した機器(以下「USB接続機器」)に直流5Vを供給できる。シガーソケット27Bは、外部出力部の例示である。電気機器1は、シガーソケット27Bに接続された外部機器(以下「シガーソケット接続機器」とも表記)に直流12Vを供給できる。外部電源入力端子28は、外部電源接続部の例示であり、車載電源とACアダプタとを択一的に接続可能である。電気機器1は、外部電源入力端子28を介して外部から直流電力を入力できる。電気機器1は、当該直流電力又は電池パック29の電力によって動作する。電池パック29は、電動工具や電動作業機に着脱可能に装着して電力供給が可能なものである。
【0020】
第1本体部3は、収容室(収容部)8を有する。収容室8は、大部屋かつ右部屋である第1収容室9と、小部屋かつ左部屋である第2収容室10と、を有する。第1収容室(第1収容部)9及び第2収容室(第2収容部)10は、互いに隣接し、着脱可能な仕切り板70によって隔てられる(仕切られる)。
【0021】
第1本体部3は、収容室8の構成要素となる、
図13等に示す底面部材15、右側面部材16、左側面部材17、及びレール部材18を有する。底面部材15は、例えば樹脂成形体であり、収容室8の底面を構成する。右側面部材16及び左側面部材17は、それぞれ上下方向から見るとU字型のアルミ等の金属製(金属板)である。右側面部材16は、第1収容室9の側面を構成する。左側面部材17は、第2収容室10の側面を構成する。
【0022】
第1収容室9の第1側面9aは、第1収容室9の右側面であって、第2収容室10から最も離れた側面である。第1収容室9の第2側面9bは、第1収容室9の前面及び背面であって、第1側面9aと接続される側面である。第2収容室10の第1側面10aは第2収容室10の左側面であって、第1収容室9から最も離れた側面である。第2収容室10の第2側面10bは、第2収容室10の前面及び背面であって、第1側面10aと接続される側面である。
【0023】
図13及び
図17(B)に示すように、右側面部材16は、一対の左端部にそれぞれ外曲げ部16aを有する。左側面部材17は、一対の右端部にそれぞれ外曲げ部17aを有する。外曲げ部16a、17aは、それぞれ上下方向に延びる。
【0024】
一対のレール部材18は、外曲げ部16a、17aを嵌入(係合)させる溝部18c、18dをそれぞれ有する。レール部材18は、溝部18c、18d内に外曲げ部16a、17aを嵌入させた状態で、右側面部材16及び左側面部材17に(外曲げ部16a、17aに)ネジ止め等により固定、一体化される。すなわち、レール部材18は、右側面部材16及び左側面部材17を連結する役割も持つ。レール部材18は、メインフレーム11へのネジ止め用の切欠部18aを有する。切欠部18aは、メインフレーム11の図示しないボスと連通する。切欠部18aを通って前記ボスに螺着される図示しないネジにより、レール部材18はメインフレーム11に固定される。
【0025】
レール部材18は、上下方向に延びる凹部(凹溝)18bを有する。凹部18bは、収容室8の内側面の凹部を構成し、仕切り板70を着脱する際のガイドとなる。前側のレール部材18は、右側面部材16及び左側面部材17の前面内側、すなわち収容室8の前面内側よりも後方に突出しない。後側のレール部材18は、右側面部材16及び左側面部材17の後面内側、すなわち収容室8の後面内側よりも前方に突出しない。
【0026】
互いに組み合わされた右側面部材16、左側面部材17及びレール部材18は、底面部材15に上方から嵌め込まれ、第1本体部3の内箱となる。この内箱と左外箱12との間には、図示しない断熱材が充填される。この断熱材は、充填後に硬化するので、左外箱12に対して内箱を固定し、更にメインフレーム11を固定する役割も持つ。
【0027】
電気機器1は、
図13に示すように、第1温度センサとしての第1サーミスタ55及びそれを保持する第1ホルダ57、並びに、第2温度センサとしての第2サーミスタ56及びそれを保持する第2ホルダ58を備える。第1ホルダ57は、右側面部材16の右側面の略中央部にネジ止め等により固定される。第1サーミスタ55は、右側面部材16の内部、すなわち第1収容室9内の温度を検出する。第2ホルダ57は、左側面部材17の左側面の略中央部にネジ止め等により固定される。第2サーミスタ56は、左側面部材17の内部、すなわち第2収容室10内の温度を検出する。電気機器1は、第1収容室9及び第2収容室10の外の温度、すなわち外気温を検出する温度センサを備えてもよい。
【0028】
図4に示すように、第2本体部4は、電池パックを収容可能な電池パック収容部22(バッテリボックス)を有する。電池パック収容部22は、上側に開口を有する他は全体的に閉じた形状の例えば樹脂成形体である。電池パック収容部22は、メインフレーム11の開口部に上方から挿入され、メインフレーム11にネジ止めにより固定される。前述の第2蓋体7は、収容室8とは別に電池パック収容部22の開口を開状態と閉状態で切り替え可能な蓋部である。
【0029】
電池パック収容部22は、左側壁部に、2つの電池パック装着部22a(電池パック接続部)を有する。各々の電池パック装着部22aは、
図3に示すように電池パック29を着脱可能に装着(接続)できる。各々の電池パック装着部22aは、装着した電池パック29から放電する場合には電源接続部となり、装着した電池パック29に充電する場合には外部出力部となる。装着した電池パック29に充電する場合、電池パック29は外部機器となる。電池パック29は、例えば定格出力電圧が18Vの電動工具用の電池パックである。
【0030】
図9に示すように、電気機器1は、冷却機構40を備える。冷却機構40は、外部電源入力端子28を介して外部から入力される直流電力、又は電池パック29の電力により、収容室8を冷却可能である。冷却機構40は、冷却機としてのコンプレッサ41、凝縮器42、冷媒管44、及び調整弁47を有する。冷却機構40は、大部分、すなわち冷媒管44のうち第1本体部3内に延びている部分を除き、第2本体部4に設けられる。凝縮器42は、第2本体部4の第1本体部3とは反対側の内壁面、すなわち右外箱13の右側面の内面に寄せて設けられ、左外箱12の右側面との間には空間を有する。
【0031】
コンプレッサ41は、電池パック収容部22に収容された電池パック29の電力で駆動する負荷部である。コンプレッサ41は、モータを有し、冷媒を圧縮し、高温高圧の気体として排出する。凝縮器42は、コンプレッサ41から排出された冷媒の熱を放出し、冷媒を液体として排出する。冷媒管44は、凝縮器42から排出された冷媒が収容室8の周囲を通ってコンプレッサ41に戻る経路を構成する。冷媒は、収容室8の周囲を通る過程で収容室8から熱を奪って蒸発し、気体となる。
【0032】
冷媒管44は、右側冷媒管45、左側冷媒管46、及び電池側冷媒管48を有する。右側冷媒管45と左側冷媒管46は、収容室8を冷却する第1冷媒管の例示である。電池側冷媒管48は、電池パック収容部22の熱を放熱する放熱部の例示であり、電池パック収容部22を冷却する第2冷媒管の例示である。
【0033】
右側冷媒管45は、第1収容室9の少なくとも側面に設けられ、第1収容室9を冷却する。右側冷媒管45は、少なくとも第1側面9aに、好ましくは第1側面9a及び第2側面9bに設けられる。左側冷媒管46は、第2収容室10の少なくとも側面に設けられ、第2収容室10を冷却する。左側冷媒管46は、少なくとも第1側面10aに、好ましくは第1側面10a及び第2側面10bに設けられる。右側冷媒管45と左側冷媒管46は、互いに独立している。すなわち、右側冷媒管45は第1収容室9を主に冷却するように設けられ、左側冷媒管46は第2収容室10を主に冷却するよう設けられる。
【0034】
図13に示すように、右側冷媒管45は、少なくとも一部が右側面部材16に一体的に設けられ、左側冷媒管46は、少なくとも一部が左側面部材17に一体的に設けられる。すなわち、右側面部材16及び左側面部材17は、冷媒管一体型である。
【0035】
調整弁47は、右側冷媒管45及び左側冷媒管46に接続され、右側冷媒管45及び左側冷媒管46の冷媒の流れを個別に調整(開閉)可能である。調整弁47は、
図30に示すように、右側冷媒管45に設けられて右側冷媒管45の冷媒の流れを調整する第1調整弁47aと、左側冷媒管46に設けられて左側冷媒管46の冷媒の流れを調整する第2調整弁47bと、を含む。
【0036】
図8~
図11に示すように、電池側冷媒管48は、電池パック収容部22の外面に接触し、電池パック収容部22を冷却するように設けられる。具体的には、電池側冷媒管48は、電池パック収容部22の4つの側壁部のうち電池パック装着部22aが設けられていない3つの側壁部22bに設けられる。別例として、電池側冷媒管48は、
図12(B)に示すように、電池パック装着部22aが設けられている壁部にも設けられてもよい(電池パック収容部22の4つの側壁部を周回するように設けられてもよい)。電池パック収容部22は、電池側冷媒管48のガイドとなるガイドリブ22cを有する。電池側冷媒管48は、右側冷媒管45及び左側冷媒管46と直列に接続され、右側冷媒管45及び左側冷媒管46よりも下流側に配置される。
【0037】
図示は省略するが、電気機器1は、右外箱13内にファンを有する。このファンは、冷却機構40(特に凝縮器42)及び後述の制御回路基板80を冷却するファン風を発生する。ファン風を取り込むための吸気口23が、右外箱13の前面に設けられる。ファン風を排出するための排気口24が、右外箱13の背面に設けられる。ファン風は、吸気口23から排気口24に向けて前後方向に流れる。なお、吸排気の前後関係は逆でもよい。
【0038】
電気機器1は、
図10に示すように制御回路基板80を備える。制御回路基板80は、左外箱12の右側面の外面(第1本体部3及び第2本体部4の境界壁面)に設けられたボス12a(
図15)に対してネジ止めにより固定され、左右方向と略垂直な状態で右外箱13内に位置する。すなわち、制御回路基板80は、第2本体部4に収容される。制御回路基板80は、
図20において破線で囲まれた内部の回路を搭載しており、冷却機構40を制御する機能、及び電池パック29の充電を制御する機能を有する。ここでの充電は、外部電源入力端子28を介して外部から入力される直流電力により、電池パック装着部22aに装着された電池パック29を充電することである。
【0039】
電気機器1は、
図14に示すように、第1収容室9及び第2収容室10を加温可能な加温機構50を備える。加温機構50は、負荷部の例示であり、第1加温部51及び第2加温部52を有する。第1加温部51は、右側面部材16の外側面(第1収容室9の外側面)に設けられて第1収容室9を加温可能である。第2加温部52は、左側面部材17の外側面(第2収容室10の外側面)に設けられて第2収容室10を加温可能である。第1加温部51及び第2加温部52は、例えばワイヤヒーターであり、それぞれ右側冷媒管45及び左側冷媒管46を覆うように設けられる。
【0040】
電気機器1は、
図12(A)に示すように、電池パック収容部22の外面に設けられて電池パック収容部22を加温可能な第3加温部53を有する。第3加温部53は、
図12(A)以外では図示を省略している。また、
図12(A)において電池側冷媒管48の図示を省略している。第3加温部53は、電池側冷媒管48を覆うように電池パック収容部22に設けられる。
【0041】
電気機器1は、仕切り板70を備える。仕切り板70は、
図1に示すように、本体2に装着された状態において収容室8を第1収容室9及び第2収容室10に分割する。ユーザは、レール部材18の凹部18b(
図17(B))に沿って仕切り板70を収容室8に対して着脱できる。
【0042】
電気機器1は、設定部60を備える。設定部60は、本体2の右上前端部に設けられ、前上方向に臨む。ユーザは、設定部60により、第1収容室9及び第2収容室10の温度を個別に設定できる。例えば、第1収容室9及び第2収容室10の一方を冷凍、他方を冷蔵もしくは常温に設定したり、一方を冷凍又は冷蔵、他方を加温又は常温に設定したり、一方を強加温、他方を弱加温もしくは常温に設定したりすることができる。仕切り板70は、第1収容室9及び第2収容室10の設定温度が異なる場合に、第1収容室9及び第2収容室10間での熱の移動を抑制する。換言すれば、仕切り板70を装着することで、第1収容室9及び第2収容室10を互いに異なる温度に制御可能である。
【0043】
図18(A)に示すように、設定部60は、表示部61、右部屋温度設定ボタン62、左部屋温度設定ボタン63、モード切替ボタン64(部屋切替ボタン)、指示部としての電源ボタン65、USB機器通電切替ボタン66、実行ボタン67、シガーソケット通電切替ボタン68を有する。表示部61は、電池残量表示部61a、外部電源接続表示部61b、USB機器通電表示部61c、エラー表示部61d、右部屋温度表示部61e、左部屋温度表示部61f、シガーソケット通電表示部61gを含む。表示部61による表示は、
図20に示すマイコン81によって制御される。各ボタンの操作は、マイコン81に伝達される。
【0044】
図19(C)に示すように、電池状態表示部61aは、電池パック装着部22aにした電池パック29の状態を表示する。電池パック29の充電中は、電池状態表示部61aは、残容量の表示を1,2,3,4と増やしていく表示を繰り返す。電池パック29の充電が完了すると、電池状態表示部61aは、残容量の表示が4個点灯する。電池パック29の電力で電気機器1を運転しているときは、電池状態表示部61aは、使用中の電池パック29の残容量表示が点滅し、使用していない電池パック29の残容量表示は点灯する。電池パック29の残容量が空(放電可能閾値以下)のときは、電池状態表示部61aは、残容量表示の枠だけが点灯する。
【0045】
図19(D)に示すように、外部電源接続表示部61bは、外部電源入力端子28を介して外部から直流電力が入力されている場合に点灯し、そうでない場合には消灯する。
図19(E)に示すように、USB機器通電表示部61cは、USB接続機器に充電電力を供給している場合に点灯し、そうでない場合には消灯する。
図19(F)に示すように、エラー表示部61dは、エラーが発生している場合に点滅すると共にエラーコードを表示し、そうでない場合には消灯する。エラーは、例えば、コンプレッサ41の温度異常、過電流異常、入力電源異常(低電圧)、温度設定が温度設定可能領域から外れた設定になっていることなどの異常である。
【0046】
右部屋温度表示部61eは、第1収容室9の設定温度ないし現在温度を表示する。左部屋温度表示部61fは、第2収容室10の設定温度ないし現在温度を表示する。例えば、設定温度は点滅で表示し、現在温度は点灯で表示することで、同じ表示部で設定温度と現在温度を区別して表示できる。シガーソケット通電表示部61gは、シガーソケット接続機器に電力(DC12V)を供給している場合あるいはシガーソケット27BにDC12Vを出力している場合に点灯し、そうでない場合には消灯する。
【0047】
右部屋温度設定ボタン62は、ユーザが第1収容室9の設定温度を切り替えるための操作部である。左部屋温度設定ボタン63は、ユーザが第2収容室10の設定温度を切り替えるための操作部である。
図19(B)に示すように、右部屋温度設定ボタン62及び左部屋温度設定ボタン63は、上部を押せば設定温度が5℃上昇し、下部を押せば設定温度が5℃下降する。例えば、初期設定温度は10℃、最高設定温度は60℃、最低設定温度は-18℃である。
【0048】
モード切替ボタン64は、ユーザが電気機器1の運転モードを切り替えるための操作部である。運転モードは、第1収容室9及び第2収容室10の温度を個別に制御する二部屋モード、第1収容室9側のみを温度制御する大部屋単独モード(右部屋単独モード)、第2収容室10側のみを温度制御する小部屋単独モード(左部屋単独モード)、並びに、第1収容室9及び第2収容室10の温度を一括制御する一部屋モードがある。例えば、初期運転モードは二部屋モードであり、モード切替ボタン64を押す度に、大部屋単独モード、小部屋単独モード、一部屋モードと遷移する。
【0049】
図18(B)に示すように、二部屋モードでは、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、それぞれ第1収容室9及び第2収容室10の設定温度ないし現在温度を表示する。
図18(C)に示すように、大部屋単独モードでは、右部屋温度表示部61eは第1収容室9の設定温度ないし現在温度を表示する一方、左部屋温度表示部61fは消灯する。
図18(D)に示すように、小部屋単独モードでは、右部屋温度表示部61eは消灯する一方、左部屋温度表示部61fは第2収容室10の設定温度ないし現在温度を表示する。
図18(E)に示すように、一部屋モードでは、右部屋温度表示部61eが第1収容室9及び第2収容室10の設定温度ないし現在温度を表示し、左部屋温度表示部61fは消灯する。大部屋単独モードと一部屋モードの区別は、
図18(C),(E)に示すように、右部屋温度表示部61eと左部屋温度表示部61fとの間の仕切り線の点灯の有無によって行う(点灯:大部屋単独モード、消灯:一部屋モード)。
【0050】
電源ボタン65は、ユーザが電気機器1の起動、停止を切り替えるための操作部である。USB機器通電切替ボタン66は、USB接続機器に電力(DC5V)を供給するか否かをユーザが切り替えるための操作部である。実行ボタン67は、ユーザが、現在の設定温度を確定し、当該設定温度による運転を開始させるためのボタンである。なお、実行ボタン67を無くし、ユーザによる操作部の操作に連動して設定温度による運転を開始させるよう構成してもよい。シガーソケット通電切替ボタン68は、シガーソケット接続機器に電力(DC12V)を供給するか否かをユーザが切り替えるための操作部である。
【0051】
電気機器1において、第1収容室9及び第2収容室10の設定温度差は、所定値以内となるように制御される。これは、仕切り板70(又は仕切り板170)による断熱効果で実現し得る第1収容室9及び第2収容室10の最大温度差の限界を考慮したものである。
図18(F),(G)は、第1収容室9及び第2収容室10の設定温度差を60℃以内とする制御が行われる場合において、第1収容室9の設定温度を0℃、第2収容室10の設定温度を60℃とした状態から第1収容室9の設定温度を-10℃に変更した場合に、第2収容室10の設定温度が自動的に50℃に変更されることを示している。
【0052】
第1収容室9及び第2収容室10の設定温度差を60℃以内とする場合、第1収容室9の設定温度が0℃から-10℃に切り替えられると、マイコン81は、第2収容室10の温度設定可能領域を-18℃~60℃から-18℃~50℃に切り替える。この時、第2収容室10の表示部である左部屋温度表示部61fに変更後の温度設定可能領域を表示させてもよい。これにより、ユーザは温度設定可能領域を認識したうえで温度設定ができる。そして、左部屋温度設定ボタン63に対して、第2収容室10の設定温度が50℃を超えるような(温度設定可能領域を外れるような)操作が行われても、左部屋温度表示部61fに、温度設定可能領域を外れた設定温度の表示を行わない。つまり、設定温度が50℃の状態から設定温度を上げる操作を行っても、設定温度の表示は50℃のまま切替わることが無い。なお、設定温度差は60℃に限るものではない。例えば、外気の温度や電池の残量に基づいて切り替える制御とすることも可能である。
【0053】
あるいは、温度設定可能領域を外れた設定温度の表示を許容するが、実行ボタン67を押しても運転を開始できない制御としてもよい。この場合、温度設定可能領域を外れた設定温度であることを、設定温度表示の点滅速度を速くすることや、エラー表示を行うこと等により、ユーザに報知するとよい。報知は、実行ボタン67が押されたタイミングで行ってもよいし、温度設定可能領域を外れた設定温度の表示を開始したタイミングで行ってもよい。また、第1収容室9及び第2収容室10の一方の設定温度の切替により他方の温度設定可能領域が通常時(18℃~60℃)よりも狭められた場合、狭められた温度設定可能領域を他方側の温度表示部に、設定温度に加えて表示してもよい(図示省略)。
【0054】
図19(A)に示すように、電源ボタン65が押されて電気機器1が起動すると、初期運転モードである二部屋モードとなり、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、初期設定温度である10℃を点滅表示する。3秒後(所定時間後)、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、現在温度を点灯表示する。右部屋温度設定ボタン62及び左部屋温度設定ボタン63のいずれかが押されると、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、初期設定温度である10℃を点滅表示する。設定温度の表示は、最後に右部屋温度設定ボタン62又は左部屋温度設定ボタン63が押されてから3秒(所定時間)であり、その間に右部屋温度設定ボタン62又は左部屋温度設定ボタン63が押されると設定温度が切り替えられる。
【0055】
右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fが初期設定温度である10℃を点滅表示している間に、右部屋温度設定ボタン62の下部が3回押されると、右部屋温度表示部61eの設定温度表示が-5℃に切り替わる。その後、左部屋温度設定ボタン63の上部が10回押されると、左部屋温度表示部61fの設定温度表示が60℃に切り替わり、設定温度差を60℃以内とする制御により右部屋温度表示部61eが0℃に切り替わる。3秒後、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、現在温度を点灯表示する。
【0056】
モード切替ボタン64が押されると、大部屋単独モードに切り替わり、右部屋温度表示部61eの設定温度表示が10℃に切り替わり、左部屋温度表示部61fは消灯する。3秒後、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、現在温度を点灯表示する。再度モード切替ボタン64が押されると、小部屋単独モードに切り替わり、右部屋温度表示部61eは消灯し、左部屋温度表示部61fの設定温度表示が10℃に切り替わる。3秒後、右部屋温度表示部61e及び左部屋温度表示部61fは、現在温度を点灯表示する。再度モード切替ボタン64が押されると、一部屋モードに切り替わり、右部屋温度表示部61eの設定温度表示が10℃に切り替わり、左部屋温度表示部61fは消灯し、右部屋温度表示部61eと左部屋温度表示部61fとの間の仕切り線は消灯する。
【0057】
図20は、電気機器1の回路ブロック図である。本図において、2つの電池パック29を、電池パック29a、29bとして区別している。DC電源90は、例えばACアダプタであり、図示しない外部交流電源に接続され、交流電力を直流電力(例えば直流12V)に変換して電気機器1の外部電源入力端子28に供給する。あるいは、DC電源90は、例えば車載電源(車載バッテリ)であり、直流電力を外部電源入力端子28に供給する。外部電源入力端子28は、車載電源を接続可能な車載電源接続部としても機能する。車載電源の電圧は、例えば直流12.5V~14V程度であり、車載電源の状態や電源コードの長さ等によって異なる。車載電源からの電流出力時の電圧降下の大きさも同様に、車載電源の状態や電源コードの長さ等によって異なる。車載電源の劣化が進んでいると、内部抵抗が高くなり、電流出力時の電圧降下も大きくなる。コンプレッサ駆動回路91は、コンプレッサ41側に設けられ、コンプレッサ41の回転数を調節(変更)する回路であり、内部出力変更回路の例示である。コンプレッサ駆動回路91によりコンプレッサ41の回転数を変更することで、コンプレッサ41の消費電力を変更できる。
【0058】
電気機器1は、制御回路基板80に、運転制御部としてのマイコン81、充電制御部としてのマイコン82、制御用電源83、回転数設定回路84、シャント抵抗85、電池電圧検出回路86a、86b、状態検出部としてのDC電源電圧検出回路86c、充電回路88、シャント抵抗89、12V出力用DCDCコンバータ回路103(外部機器用電圧生成回路)、シャント抵抗104を有する。
【0059】
マイコン81、82は、コンプレッサ41への電力供給を制御する制御部として機能する。マイコン81、82は、互いに別体でなくてもよく、単一のマイコン(マイクロコントローラ)であってもよい。制御用電源83は、DC電源90又は電池パック29a若しくは29bからの入力電圧を、マイコン81、82等の電源電圧(例えば5V)に変換し、マイコン81、82等に供給する。電池電圧検出回路86a、86bは、それぞれ電池パック29a、29bの電圧に応じた検出信号をマイコン82に送信する。DC電源電圧検出回路86cは、DC電源90の電圧に応じた検出信号をマイコン81に送信する。12V出力用DCDCコンバータ回路103は、DC電源90又は電池パック29a若しくは29bからの入力電圧を、DC12Vに変換し、シガーソケット27Bに出力する。
【0060】
マイコン81は、電気機器1の冷却、加温に係る全体の動作を制御する。マイコン81は、コンプレッサ駆動回路91の電流経路に設けられたスイッチング素子Q3のオンオフを制御し、コンプレッサ41の駆動、停止を制御する。マイコン81は、回転数設定回路84を介してコンプレッサ駆動回路91に回転数決定信号を送信し、コンプレッサ41の回転数を制御する。
【0061】
回転数設定回路84は、
図21に示すように、コンプレッサ駆動回路91の回転数決定用端子間に並列接続された互いに抵抗値が異なる抵抗R1~R3、及び抵抗R1~R3にそれぞれ直列接続されたスイッチング素子Q6~Q8を有する。スイッチング素子Q6~Q8は、マイコン81からの回転数選択信号により例えば択一的にオンされる。スイッチング素子Q6~Q8のいずれがオンであるかにより、コンプレッサ駆動回路91の回転数決定用端子間の電圧が変化し、コンプレッサ41の設定回転数が決定される。
【0062】
マイコン81は、設定部60に対する操作を電気信号として受信し、設定部60における表示(表示部61の表示)を制御する。マイコン81は、第1調整弁47a及び第2調整弁47bの開閉を制御し、右側冷媒管45及び左側冷媒管46における冷媒の流れを制御する。マイコン81は、第1加温部51、第2加温部52、第3加温部53の電流経路にそれぞれ設けられたスイッチング素子Q4、Q5、Q10のオンオフを制御し、第1加温部51、第2加温部52、第3加温部53の駆動を個別に制御する。マイコン81は、第1サーミスタ55及び第2サーミスタ56の出力信号により、第1収容室9及び第2収容室10の温度(現在温度)を検出する。
【0063】
マイコン81は、シャント抵抗85の電圧により、コンプレッサ41の駆動電流、第1加温部51、第2加温部52、第3加温部53の各駆動電流を検出する。シャント抵抗85は、スイッチング素子Q3~Q5、Q10にそれぞれ直列接続された抵抗をまとめたブロックである。マイコン81は、DC電源電圧検出回路86cからの検出信号により、DC電源90の電圧を検出する。
【0064】
マイコン81は、シガーソケット27Bへの出力電流の経路に設けられたスイッチング素子Q9のオンオフを制御し、シガーソケット27BへのDC12Vの出力、停止を制御する。スイッチング素子Q9は、外部機器への供給電力を変更する外部出力変更回路(外部出力オンオフ回路)である。マイコン81は、シガーソケット27Bへの出力電流の経路に設けられたシャント抵抗104の電圧により、シガーソケット接続機器への供給電流を検出する。
【0065】
マイコン82は、電気機器1における、電池パック29a、29bの充電を制御する。マイコン82は、充電回路88の制御を通じて充電電圧を制御する。充電回路88は、外部電源からの供給電力(DC電源90からの供給電力)により電池パック収容部22に収容された電池パック29を充電可能な充電部である。充電回路88は、マイコン82の制御に従い、DC電源90からの入力電圧を、電池パック29a又は29bの充電電圧に変換し、電池パック29a又は29bに供給する(電池パック29a又は29bを充電する)。
【0066】
マイコン82は、充電回路88の出力端子と電池パック29a、29bの充電端子(C+端子)との間に設けられたスイッチング素子Q1、Q2のオンオフを制御し、電池パック29a、29bのいずれを充電するかを決定する。スイッチング素子Q1、Q2とマイコン82との間には、逆流防止用のダイオードD5、D6が接続される。マイコン82は、電池電圧検出回路86a、86bからの検出信号により、電池パック29a、29bの電圧を検出する。マイコン82は、充電回路88の出力電流経路に設けられたシャント抵抗89の電圧により、充電電流を検出する。
【0067】
マイコン82は、充電制御とは別に、電池パック29a、29bの正極端子(+端子)に接続されたスイッチとしてのリレーS1、S2のオンオフを制御し、電池パック29a、29bのいずれから放電するかを決定する。なお、DC電源90からの電力供給がある場合、マイコン82は、リレーS1、S2をオフし、電池パック29a、29bからの放電を行わない。ただし、シガーソケット接続機器への電力供給を行う場合、DC電源90からの電力供給があっても、マイコン82はリレーS1、S2の少なくとも一方をオンすることがある。
【0068】
電池パック29a、29b及びDC電源90及びの各正極端子には、ヒューズF1~F3及び逆流防止用のダイオードD1~D3が接続される。マイコン82は、ダイオードD3のカソードとダイオードD1、D2のカソードとの間に接続されたスイッチとしてのリレーS3のオンオフを制御する。
【0069】
DC電源90からの電力供給があり且つ電池パック29a及び29bが接続されていない状態でリレーS3をオンにすると、コンプレッサ41、第1及び第2加温部51、52、並びにシガーソケット接続機器に、DC電源90から電力供給する。コンプレッサ41並びに第1及び第2加温部51、52を合わせて以下「冷温機能負荷部」とも表記する。
【0070】
DC電源90からの電力供給があり且つ電池パック29a及び29bが接続されていない状態でリレーS3をオフにすると、冷温機能負荷部にはDC電源90から電力供給し、シガーソケット接続機器には電力供給しない。
【0071】
DC電源90からの電力供給の有無によらず、電池パック29a又は29bが接続された状態でリレーS3をオンにすると、冷温機能負荷部、並びにシガーソケット接続機器に、電池パック29a又は29bから電力供給する。なお、DC電源90からの電力供給が無くかつ電池パック29aが接続された状態では、マイコン82は、リレーS3を常時オンにする。
【0072】
DC電源90からの電力供給があり且つ電池パック29a又は29bが接続された状態でリレーS3をオフにすると、冷温機能負荷部にはDC電源90から電力供給し、シガーソケット接続機器には電池パック29a又は29bから電力供給する。
【0073】
マイコン81、82は、互いに通信可能であり、様々な情報を共有できる。例えばマイコン82は、マイコン81との通信によりDC電源90の電圧情報を取得できる。
【0074】
図22は、電気機器1のメインルーチンを示すフローチャートである。電源ボタン65が押されると、制御用電源83が立ち上がり、マイコン81、82が起動する(S1)。マイコン81、82は、
図23に示す電源選択ルーチンを実行する(S2)。マイコン81は、設定部60で選択された設定温度を読み込み(S5)、第1サーミスタ55及び第2サーミスタ56の出力信号(第1収容室9及び第2収容室10)を読み込み(S6)、設定部60で選択された運転モードでの制御を実行する(S7~S10のいずれか)。
【0075】
図23は、
図22の電源選択ルーチン(S2)を示すフローチャートである。マイコン82は、DC電源90からの電力供給があり(S2aのYes)、かつ電池パック29a、29bの少なくともいずれかが接続されている場合(S2bのYes)、DC電源状態判別ルーチンを実行する(S3)。マイコン82は、電池優先フラグがオンでない場合(S2cのNo)、
図25に示す充電ルーチンを実行し(S4)、電力供給元をDC電源90とする(S2d)。マイコン82は、電池優先フラグがオンの場合(S2cのYes)、電力供給元を電池パック29a又は29bとする(S2e)。マイコン82は、DC電源90からの電力供給が無い場合(S2aのNo)、電力供給元を電池パック29a又は29bとする(S2e)。マイコン82は、電池パック29a、29bの双方が接続されていない場合(S2bのNo)、電力供給元をDC電源90とする(S2d)。電力供給元を決定すると、電源選択ルーチンは終了する。
【0076】
図24は、
図23のDC電源状態判別ルーチン(S3)を示すフローチャートである。電源状態判別ルーチンは、電池優先フラグのオンオフを設定するルーチンである。電池優先フラグは、初期状態ではオフである。すなわち、電池優先フラグは、電源オフによりオフとなる。
【0077】
マイコン81は、電池優先フラグがオンでない場合(S3aのNo)、コンプレッサ41のモータ起動時にDC電源90の電圧が電池への切替え閾値未満まで低下すると(S3bのYes)、電池優先フラグをオンにセットし(S3c)、DC電源状態判別ルーチンを終了する。マイコン81は、S3bにおいてコンプレッサ41のモータ起動時にDC電源90の電圧が電池への切替え閾値未満まで低下しなかった場合(S3bのNo)、電池優先フラグをオフから変更せずにDC電源状態判別ルーチンを終了する。
【0078】
マイコン81は、電池優先フラグがオンの場合(S3aのYes)、電池優先フラグがオンになってから所定時間の例示である15分が経過すると(S3dのYes)、電池優先フラグをオフにセットし(S3e)、DC電源状態判別ルーチンを終了する。マイコン81は、S3dにおいて電池優先フラグがオンになってから15分が経過していない場合(S3dのNo)、電池優先フラグをオンから変更せずにDC電源状態判別ルーチンを終了する。
【0079】
S3bでYesに進んで電池優先フラグをオンにセットする条件は、DC電源90の電圧が電池への切替え閾値未満まで低下することに替えて又は加えて、コンプレッサ41の駆動電流が検出できないことであってもよい。この場合、コンプレッサ41のモータが起動できていないことをコンプレッサ41の駆動電流で検出して電池優先フラグをオンにセットする構成となる。このとき、コンプレッサ41の駆動電流が検出できない状態を所定時間(例えば30秒)検出した場合に電池優先フラグをオンにセットしてもよい。あるいは、S3bでYesに進んで電池優先フラグをオンにセットする条件は、コンプレッサ41の駆動電流が大きすぎること(所定値を超えていること)であってもよい。DC電源90の電圧が低い場合、電力を確保するために電流が大きくなる。このため、コンプレッサ41の駆動電流が過大であることは、DC電源90の電圧が必要値に達していないことを示す。
【0080】
S3dでYesに進んで電池優先フラグをオフにセットする条件は、DC電源90の電圧がコンプレッサ41の起動に耐えられる電圧(車載電源への切替え閾値よりも高い所定電圧)以上に上昇したことであってもよい。この電圧は、コンプレッサ41の起動電流による電圧降下が起きても電池への切替え閾値を下回らない程度に高い電圧であり、例えば15.5Vである。
【0081】
図25は、電気機器1の充電ルーチン(
図22のS4)の具体的動作を示すフローチャートである。マイコン82は、電池パック29aの接続ポート(ポート1)を選択し(S11)、電池パック29aが充電可能であれば(S12のYes)、電池パック29aを充電する(S13)。マイコン82は、電池パック29aの充電が完了すると(S14のYes)、電池パック29bの接続ポート(ポート2)を選択し(S15)、電池パック29bが充電可能であれば(S16のYes)、電池パック29bを充電する(S17)。マイコン82は、充電が完了した電池パック29a、29bを放電可能と認識する(S19)。
【0082】
図26は、電気機器1の大部屋単独モード(
図22のS7)の具体的動作を示すフローチャートである。マイコン81は、第1収容室9の設定温度を読み込み(S21)、第1サーミスタ55の出力信号(第1収容室9の現在温度)を読み込む(S22)。マイコン81は、第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S23のYes)、コンプレッサ41の回転数を2,500rpmに設定する(S24)。マイコン81は、第1調整弁47aをオン(開通)、第2調整弁47bをオフ(遮断)とし(S25)、その後コンプレッサ41を駆動する(S26)。マイコン81は、S23において第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S23のNo)、第1収容室9の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S27のYes)、第1加温部51を駆動し、第2加温部52を停止する(S28)。
【0083】
図27は、電気機器1の小部屋単独モード(
図22のS8)の具体的動作を示すフローチャートである。マイコン81は、第2収容室10の設定温度を読み込み(S31)、第2サーミスタ56の出力信号(第2収容室10の現在温度)を読み込む(S32)。マイコン81は、第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S33のYes)、コンプレッサ41の回転数を2,000rpmに設定する(S34)。マイコン81は、第2調整弁47bをオン(開通)、第1調整弁47aをオフ(遮断)とし(S35)、その後コンプレッサ41を駆動する(S36)。マイコン81は、S33において第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S33のNo)、第2収容室10の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S37のYes)、第1加温部51を停止し、第2加温部52を駆動する(S38)。
【0084】
図28は、電気機器1の一部屋モード(
図22のS9)の具体的動作を示すフローチャートである。マイコン81は、一部屋モードとしての設定温度を読み込み(S41)、第1サーミスタ55の出力信号(第1収容室9の現在温度)を読み込む(S42)。マイコン81は、第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S43のYes)、コンプレッサ41の回転数を3,000rpmに設定する(S44)。マイコン81は、第1調整弁47a及び第2調整弁47bをオン(開通)とし(S45)、その後コンプレッサ41を駆動する(S46)。マイコン81は、S43において第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S43のNo)、第1収容室9の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S47のYes)、第1加温部51及び第2加温部52を駆動する(S48)。S42、S43、S47において、現在温度として、第2サーミスタ56の出力信号(第2収容室10の現在温度)を用いてもよいし、第1サーミスタ55及び第2サーミスタ56の出力信号の双方から第1収容室9及び第2収容室10の現在温度の平均を算出して用いてもよい。
【0085】
図29は、電気機器1の二部屋モード(
図22のS10)の具体的動作を示すフローチャートである。マイコン81は、第1収容室9及び第2収容室10の設定温度を読み込み(S51)、第1サーミスタ55及び第2サーミスタ56の出力信号(第1収容室9及び第2収容室10の現在温度)を読み込む(S52)。マイコン81は、第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S53のYes)において、第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S54のYes)、コンプレッサ41の回転数を3,000rpmに設定する(S55)。マイコン81は、第1調整弁47a及び第2調整弁47bをオン(開通)とし(S56)、その後コンプレッサ41を駆動する(S57)。マイコン81は、S54において第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S54のNo)、コンプレッサ41の回転数を2,500rpmに設定する(S58)。マイコン81は、第1調整弁47aをオン(開通)、第2調整弁47bをオフ(遮断)とし(S59)、その後コンプレッサ41を駆動する(S60)。マイコン81は、第2収容室10の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S74のYes)、第1加温部51を停止し、第2加温部52を駆動する(S75)。
【0086】
マイコン81は、S53において第1収容室9の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S53のNo)、第1収容室9の現在温度が設定温度-2℃より低く(S61のYes)、かつ第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高い場合(S62)、コンプレッサ41の回転数を2,000rpmに設定する(S63)。マイコン81は、第1調整弁47aをオフ(遮断)、第2調整弁47bをオン(開通)とし(S64)、その後コンプレッサ41を駆動する(S65)。一方、マイコン81は、第1加温部51を駆動し、第2加温部52を停止する(S66)。マイコン81は、S62において第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S62のNo)、第2収容室10の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S67のYes)、第1加温部51及び第2加温部52を駆動する(S68)。マイコン81は、S67において第2収容室10の現在温度が設定温度-2℃より低くない場合、第1加温部51を駆動し、第2加温部52を停止する(S69)。
【0087】
マイコン81は、S61において第1収容室9の現在温度が設定温度-2℃より低くない場合(S61のNo)、第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高ければ(S70のYes)、コンプレッサ41の回転数を2,000rpmに設定する(S71)。マイコン81は、第1調整弁47aをオフ(遮断)、第2調整弁47bをオン(開通)とし(S72)、その後コンプレッサ41を駆動する(S73)。マイコン81は、S70において第2収容室10の現在温度が設定温度+2℃より高くない場合(S70のNo)、第2収容室10の現在温度が設定温度-2℃より低ければ(S74のYes)、第1加温部51を停止し、第2加温部52を駆動する(S75)。
【0088】
マイコン81は、第1収容室9の冷却制御において、第1調整弁47aのオン及びコンプレッサ41の駆動を、第1収容室9の現在温度が設定温度より所定値(例えば2℃)だけ低くなると停止する。第1調整弁47aのオン及びコンプレッサ41の駆動の停止後すぐに第1加温部51が駆動することを防止するために、第1調整弁47aのオン及びコンプレッサ41の駆動の停止から、第1加温部51を駆動するか否かの判断までの間に、待ち時間を設けてもよい。
【0089】
同様にマイコン81は、第2収容室10の冷却制御において、第2調整弁47bのオン及びコンプレッサ41の駆動を、第2収容室10の現在温度が設定温度より所定値(例えば2℃)だけ低くなると停止する。第2調整弁47bのオン及びコンプレッサ41の駆動の停止後すぐに第2加温部52が駆動することを防止するために、第2調整弁47bのオン及びコンプレッサ41の駆動の停止から、第2加温部52を駆動するか否かの判断までの間に、待ち時間を設けてもよい。
【0090】
マイコン81は、第1収容室9の加温制御において、第1加温部51の駆動を、第1収容室9の現在温度が設定温度より所定値(例えば2℃)だけ高くなると停止する。第1加温部51の停止後すぐに第1収容室9の冷却制御が開始されることを防止するために、第1加温部51の停止から、第1収容室9の冷却制御を開始するか否かの判断までの間に、待ち時間を設けてもよい。
【0091】
同様にマイコン81は、第2収容室10の加温制御において、第2加温部52の駆動を、第2収容室10の現在温度が設定温度より所定値(例えば2℃)だけ高くなると停止する。第2加温部52の停止後すぐに第2収容室10の冷却制御が開始されることを防止するために、第2加温部52の停止から、第2収容室10の冷却制御を開始するか否かの判断までの間に、待ち時間を設けてもよい。
【0092】
図26~
図29において、2,500rpmは、第1収容室9の大きさに応じたコンプレッサ41の最大駆動強度(第1強度)の例示である。2,000rpmは、第2収容室10の大きさに応じたコンプレッサ41の最大駆動強度(第2強度)の例示である。3,000rpmは、第1収容室9及び第2収容室10の大きさの合計に応じたコンプレッサ41の最大駆動強度(第3強度)の例示である。すなわち、マイコン81は、冷却する収容室の大きさに応じてコンプレッサ41の駆動状態(最大駆動強度)を切り替える。マイコン81は、駆動状態を上昇させる場合は、調整弁47の開閉状態を切替えた後、駆動状態を切替える制御を行い、駆動状態を下降させる場合は、駆動状態を切替えた後、調整弁47の開閉状態を切替える制御を行うようにするとよい。
【0093】
図30は、電気機器1の機械構成の簡易ブロック図である。
図30において、調整弁47を、右側冷媒管45に設けられて右側冷媒管45の冷媒の流れを調整する第1調整弁47aと、左側冷媒管46に設けられて左側冷媒管46の冷媒の流れを調整する第2調整弁47bと、に分けて図示している。第1調整弁47a及び第2調整弁47bは、例えばソレノイドバルブである。調整弁47は、単一の形態で第1調整弁47a及び第2調整弁47bの機能を有するものとしてもよい。
【0094】
例えば、第1調整弁47aのみを開状態にすることで、冷媒が右側冷媒管45を経路として流れるため、第1収容室9を冷却することが可能となる。また、第1収容室9と第2収容室10の両方を冷却したい場合は、第1調整弁47aと第2調整弁47bの両方を開状態とすることで、冷媒が右側冷媒管45及び左側冷媒管46を経路として流れるため、第1収容室9と第2収容室10の両方を冷却することが可能となる。
【0095】
図30に示すように、電気機器1では、コンプレッサ41から排出された冷媒は、凝縮器42及び毛細管43を経て冷媒管44に流れ、右側冷媒管45及び左側冷媒管46に分岐して第1収容室9及び第2収容室10から熱を吸収し、合流して電池側冷媒管48に流れて電池パック収容部22から熱を吸収し、コンプレッサ41に戻る。
【0096】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0097】
(1) 電池パック収容部22に電池側冷媒管48を設け、電池側冷媒管48を流れる冷媒により電池パック収容部22の熱を吸収可能(放熱可能)な構成である。このため、電池パック収容部22に収容された電池パック29の熱を好適に放熱できる。よって、電池パック収容部22に電池パック29を収容する構成において電池パック29の温度上昇を抑制し、電池パック29の温度上昇により保護機能が作動して駆動停止状態になることを抑制できる。
【0098】
(2) 収容室8の冷却に必要なコンプレッサ41を、電池側冷媒管48に冷媒を流すためにも利用する構成のため、電池パック収容部22の冷却専用にコンプレッサを追加する場合と比較して、部品点数及びコストの増大を抑制できる。
【0099】
(3) 右側冷媒管45及び左側冷媒管46が電池側冷媒管48よりも上流側に配置されるため、コンプレッサ41から排出された低温の冷媒、すなわち電池側冷媒管48を流れて温度が上昇する前の冷媒が、右側冷媒管45及び左側冷媒管46に流れる。このため、電池側冷媒管48を有する構成としながら収容室8の冷却性能の低下を抑制できる。
【0100】
(4) 電池パック収容部22に第3加温部53を設け、電池パック収容部22を加温可能な構成である。このため、電池パック29の低温時に第3加温部53により電池パック収容部22を加温することで、電池パック29の低温状態を抑制できる
【0101】
(実施の形態2)
図31~
図33は、本発明の実施の形態2に係る電気機器1Aに関する。以下、実施の形態1の電気機器1との相違点を中心に説明する。
【0102】
図31に示すように、電気機器1Aは、電池側冷媒管48を通らずに右側冷媒管45及び左側冷媒管46の下流部とコンプレッサ41とを接続するバイパス流路49を有する。
【0103】
電気機器1Aは、右側冷媒管45及び左側冷媒管46から排出された冷媒を電池側冷媒管48に流すかバイパス流路49に流すかを切り替え可能なバルブである第3調整弁47c及び第4調整弁47dを有する。
【0104】
第3調整弁47cは、バイパス流路49に設けられてバイパス流路49の冷媒の流れを調整する。第4調整弁47dは、電池側冷媒管48に設けられて電池側冷媒管48の冷媒の流れを調整する。第3調整弁47c及び第4調整弁47dは、例えばソレノイドバルブである。第3調整弁47c及び第4調整弁47dは、単一の形態であってもよい。
【0105】
第3調整弁47cが開状態、第4調整弁47dが閉状態の場合、冷媒は、電池側冷媒管48を流れずに、バイパス流路49を流れてコンプレッサ41に戻る。第3調整弁47cが閉状態、第4調整弁47dが開状態の場合、冷媒は、バイパス流路49を流れずに、電池側冷媒管48を流れてコンプレッサ41に戻る。第3調整弁47c及び第4調整弁47dが共に開状態の場合、冷媒は、電池側冷媒管48及びバイパス流路49に分岐して流れてコンプレッサ41に戻る。
【0106】
図32は、電気機器1Aの回路ブロック図である。マイコン81は、第3調整弁47c及び第4調整弁47dの開閉を制御し、電池側冷媒管48及びバイパス流路49における冷媒の流れを制御する。マイコン82は、電池パック29a、29bの各LS端子からの信号により、電池パック29a、29bの温度を検出する。第3温度センサ59は、電池パック収容部22に設けられ、電池パック収容部22の温度を検出し、マイコン81に送信する。
【0107】
図33は、電気機器1Aにおけるバルブの開閉制御のフローチャートである。電源ボタン65がオンの状態(S401)において、マイコン81、82は、コンプレッサ41が駆動中でない場合(S403のNO)、第3調整弁47c及び第4調整弁47dをオフ(閉状態)にし(S405)、S403に戻る。
【0108】
マイコン81、82は、コンプレッサ41が駆動中の場合(S403のYES)において、電池パック29a、29bの少なくとも一方が高温の場合(S407のYES)、電池パック収容部22が高温の場合(S409のYES)、又は、電気機器1Aの駆動電流(コンプレッサ41やUSB接続機器、シガーソケット接続機器等の合計の駆動電流)が所定電流の例示である10A以上の場合(S411のYES)、第3調整弁47cをオフ(閉状態)、第4調整弁47dをオン(開状態)とし(S413)、冷媒を電池側冷媒管48に流して電池パック収容部22を冷却するよう制御し、S403に戻る。
【0109】
電池パック29a、29b及び電池パック収容部22の温度に関し、高温であること(所定温度以上であること)は、所定の条件に達すること(所定の条件を満たすこと)の例示である。
【0110】
マイコン81、82は、コンプレッサ41が駆動中の場合(S403のYES)において、電池パック29a、29bの双方が高温でなく(S407のNO)、電池パック収容部22が高温でなく(S409のNO)、かつ、電気機器1Aの駆動電流10A以上でない場合(S411のNO)、S415に進む。
【0111】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの少なくとも一方が低温の場合(S415のYES)、又は、電池パック収容部22が低温の場合(S417のYES)、第3調整弁47cをオン(開状態)、第4調整弁47dをオフ(閉状態)、第3加温部53をオンとし(S419)、電池パック収容部22を加温するよう制御し、S403に戻る。
【0112】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの双方が低温でなく(S415のNO)、かつ、電池パック収容部22が低温でない場合(S417のNO)、第3調整弁47cをオン(開状態)、第4調整弁47dをオフ(閉状態)とし(S421)、電池パック収容部22の加温も冷却もしないよう制御し、S403に戻る。
【0113】
本実施の形態によれば、コンプレッサ41が駆動していても電池側冷媒管48に冷媒を流さない制御も可能となる。このため、電池パック収容部22の冷却が不要な場合には電池側冷媒管48に冷媒を流さないことで、コンプレッサ41の負荷を低減できる。また、電池パック収容部22や電池パック29a、29bが高温でない場合でも、電気機器1Aの駆動電流が高い場合には電池側冷媒管48に冷媒を流すことで、高出力が継続して電池パック29a、29bが高温になることを抑制できる。
【0114】
(実施の形態3)
図34及び
図35は、本発明の実施の形態3に係る電気機器1Bに関する。以下、実施の形態1の電気機器1との相違点を中心に説明する。
【0115】
図34に示すように、電気機器1Bでは、右側冷媒管45及び左側冷媒管46と電池側冷媒管48とが互いに独立するよう(並列となるよう)コンプレッサ41に接続される。
【0116】
電気機器1Bは、冷媒を右側冷媒管45及び左側冷媒管46に流すか電池側冷媒管48に流すかを切り替え可能なバルブである第3調整弁47e及び第4調整弁47fを有する。
【0117】
第3調整弁47eは、第1調整弁47aと第2調整弁47bの上流側に設けられる。第4調整弁47fは、電池側冷媒管48に設けられて電池側冷媒管48の冷媒の流れを調整する。第3調整弁47e及び第4調整弁47fは、例えばソレノイドバルブである。第3調整弁47e及び第4調整弁47fは、単一の形態であってもよい。第3調整弁47e及び第4調整弁47fの開閉は、マイコン81に制御される。
【0118】
第3調整弁47eが開状態、第4調整弁47fが閉状態の場合、冷媒は、第1調整弁47a及び第2調整弁47b側に流れる一方で電池側冷媒管48には流れない。第3調整弁47eが閉状態、第4調整弁47fが開状態の場合、冷媒は、第1調整弁47a及び第2調整弁47b側に流れずに電池側冷媒管48に流れる。第3調整弁47e及び第4調整弁47fが共に開状態の場合、冷媒は、第1調整弁47a及び第2調整弁47b側と電池側冷媒管48とに分岐して流れる。
【0119】
図35は、電気機器1Bにおけるバルブの開閉制御のフローチャートである。電源ボタン65がオン、USB機器通電切替ボタン66がオン、又はシガーソケット通電切替ボタン68がオンの状態(S421)において、マイコン81、82は、冷却機能を使用中か否か(収容室8を冷却中か否か)を確認する(S423)。
【0120】
マイコン81、82は、冷却機能を使用中でない場合(S423のNO)において、電池パック29a、29bの少なくとも一方が高温の場合(S425のYES)、電池パック収容部22が高温の場合(S427のYES)、又は、電気機器1Bの駆動電流が10A以上の場合(S429のYES)、第3調整弁47eをオフ(閉状態)、第4調整弁47fをオン(開状態)とし(S431)、コンプレッサ41の駆動を開始ないし継続し(S433)、冷媒を電池側冷媒管48に流して電池パック収容部22を冷却するよう制御し、S423に戻る。
【0121】
マイコン81、82は、冷却機能を使用中でない場合(S423のNO)において、電池パック29a、29bの双方が高温でなく(S427のNO)、電池パック収容部22が高温でなく(S429のNO)、かつ、電気機器1Bの駆動電流が10A以上でない場合(S429のNO)、S435に進む。
【0122】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの少なくとも一方が低温の場合(S435のYES)、又は、電池パック収容部22が低温の場合(S437のYES)、第3調整弁47e及び第4調整弁47fをオフ(閉状態)とし(S439)、第3加温部53をオンとし(S441)、電池パック収容部22を加温するよう制御し、S423に戻る。
【0123】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの双方が低温でなく(S435のNO)、かつ、電池パック収容部22が低温でない場合(S437のNO)、第3調整弁47e及び第4調整弁47fをオフ(閉状態)とし(S443)、電池パック収容部22の加温も冷却もしないよう制御し、S423に戻る。
【0124】
マイコン81、82は、冷却機能を使用中の場合(S423のYES)において、電池パック29a、29bの少なくとも一方が高温の場合(S445のYES)、電池パック収容部22が高温の場合(S447のYES)、又は、電気機器1Bの駆動電流が10A以上の場合(S449のYES)、第3調整弁47eをオフ(閉状態)、第4調整弁47fをオン(開状態)とし(S451)、冷媒を電池側冷媒管48に流して電池パック収容部22を冷却するよう制御し、S423に戻る。S451において、第3調整弁47e及び第4調整弁47fをオン(開状態)としてもよい。
【0125】
マイコン81、82は、冷却機能を使用中の場合(S423のYES)において、電池パック29a、29bの双方が高温でなく(S447のNO)、電池パック収容部22が高温でなく(S449のNO)、かつ、電気機器1Bの駆動電流が10A以上でない場合(S449のNO)、S455に進む。
【0126】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの少なくとも一方が低温の場合(S455のYES)、又は、電池パック収容部22が低温の場合(S457のYES)、第3調整弁47eをオン(開状態)、第4調整弁47fをオフ(閉状態)とし(S459)、第3加温部53をオンとし(S461)、電池パック収容部22を加温するよう制御し、S423に戻る。
【0127】
マイコン81、82は、電池パック29a、29bの双方が低温でなく(S455のNO)、かつ、電池パック収容部22が低温でない場合(S457のNO)、第3調整弁47eをオン(開状態)、第4調整弁47fをオフ(閉状態)とし(S463)、電池パック収容部22の加温も冷却もしないよう制御し、S423に戻る。
【0128】
本実施の形態も、実施の形態2と同様の効果を奏する。また、本実施の形態では、右側冷媒管45及び左側冷媒管46を通っていない冷媒を電池側冷媒管48に流す構成のため、電池パック収容部22に収容された電池パック29に対する冷却性能が高められる。また、本実施の形態では、収容室8を冷却するか否かによらず電池パック収容部22の冷却が可能なため、電池パック29の充電時、あるいは電池パック29からUSB接続機器やシガーソケット接続機器への電力供給時(放電時)など、収容室8の冷却中以外で電池パック29が高温となり得る場合にも好適に対応できる。
【0129】
(実施の形態4)
図36は、本発明の実施の形態4に係る電気機器1Cの機械構成の簡易ブロック図である。電気機器1Cは、実施の形態1の電気機器1と比較して、放熱部が電池側冷媒管48からヒートシンク148に替わった点で相違し、その他の点で一致する。ヒートシンク148は、電池パック収容部22の外の空気に触れる。本実施の形態によれば、ヒートシンク148により電池パック収容部22の熱を放熱し、電池パック収容部22に収容された電池パック29の温度上昇を抑制できる。
【0130】
(実施の形態5)
図37は、本発明の実施の形態5に係る電気機器1Dの機械構成の簡易ブロック図である。電気機器1Dは、実施の形態1の電気機器1と比較して、放熱部が電池側冷媒管48からペルチェ素子248に替わった点で相違し、その他の点で一致する。本実施の形態によれば、ペルチェ素子248により電池パック収容部22の熱を放熱し、電池パック収容部22に収容された電池パック29の温度上昇を抑制できる。
【0131】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0132】
第1収容室9及び第2収容室10は、同じ大きさであってもよい。右側冷媒管45及び左側冷媒管46は、右側面部材16及び左側面部材17と別体であってもよい。設定部60において、実行ボタン67を押すことによって第1収容室9及び第2収容室10の設定温度が確定されて運転が開始される構成に替えて、実行ボタン67が押されなくても設定温度の確定及び運転開始が行われる構成としてもよい。例えば、最後に右部屋温度設定ボタン62又は左部屋温度設定ボタン63が押されてから3秒(所定時間)が経過すると設定温度が確定されて運転が開始される構成としてもよい。この場合、実行ボタン67は省略してもよい。
【0133】
実施の形態で具体的な数値として例示した電池パックの接続可能個数や電池パックの定格出力電圧、DC電源90の電圧、各種の時間、各種閾値の値等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。
【0134】
本発明の電気機器は、冷温庫に限定されず、電池パック収容部に電池パックを収容する構成の他の種類の電気機器であってもよい。負荷部は、入力された電力を風、光、熱又は音のいずれかに変換して出力する任意のものでよい。
【符号の説明】
【0135】
1、1A~1D…電気機器、2…本体、3…第1本体部、4…第2本体部、5…蓋体、6…第1蓋体、6a…把手部、7…第2蓋体、7a…把手部、8…収容室(収容部)、8a…底面、9…第1収容室(第1収容部)、9a…第1側面、9b…第2側面、10…第2収容室(第2収容部)、10a…第1側面、10b…第2側面、11…メインフレーム、12…左外箱、12a…ボス、13…右外箱、15…底面部材、16…右側面部材、16a…外曲げ部、17…左側面部材、17a…外曲げ部、18…レール部材、18a…切欠部、18b…凹部、18c、18d…溝部、19…キャスター、20…可動ハンドル(キャリーハンドル)、21…把手部、22…電池パック収容部、22a…電池パック装着部、22b…側壁部、22c…ガイドリブ、23…吸気口、24…排気口、25…第1ヒンジ機構、26…第2ヒンジ機構、27A…USB端子、27B…シガーソケット、28…外部電源入力端子(外部電源接続部)、29…電池パック、35…脚部、40…冷却機構、41…コンプレッサ(冷却機)、42…凝縮器、43…毛細管(キャピラリーチューブ)、44…冷媒管、45…右側冷媒管、46…左側冷媒管、47…調整弁、47a…第1調整弁、47b…第2調整弁、48…電池側冷媒管(第2冷媒管)、49…バイパス流路、50…加温機構、51…第1加温部、52…第2加温部、53…第3加温部、55…第1サーミスタ(第1温度センサ)、56…第2サーミスタ(第2温度センサ)、57…第1ホルダ、58…第2ホルダ、59…第3温度センサ、60…設定部、61…表示部、61a…電池状態表示部、61b…外部電源接続表示部、61c…USB機器通電表示部、61d…エラー表示部、61e…右部屋温度表示部、61f…左部屋温度表示部、61g…シガーソケット通電表示部、62…右部屋温度設定ボタン、63…左部屋温度設定ボタン、64…モード切替ボタン(部屋切替ボタン)、65…電源ボタン、66…USB機器通電切替ボタン、67…実行ボタン、68…シガーソケット通電切替ボタン、70…仕切り板、71…上仕切り板、72…下仕切り板、74…断熱材、80…制御回路基板、81…マイコン(運転制御部)、82…マイコン(充電制御部)、83…制御用電源、84…回転数設定回路、85…シャント抵抗、86a、86b…電池電圧検出回路、86c…DC電源電圧検出回路、88…充電回路、89…シャント抵抗、90…DC電源、91…コンプレッサ駆動回路、103…12V出力用DCDCコンバータ回路(外部機器用電圧生成回路)、104…シャント抵抗。