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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172410
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】室外機及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20231129BHJP
   F24F 1/20 20110101ALI20231129BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20231129BHJP
【FI】
G06F8/65
F24F1/20
F24F11/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084186
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】文原 宏敏
(72)【発明者】
【氏名】平山 大悟
(72)【発明者】
【氏名】小泉 圭輝
【テーマコード(参考)】
3L260
5B376
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA61
3L260DA15
3L260EA19
3L260FC32
3L260GA17
3L260JA02
5B376AB06
5B376AB25
5B376CA27
5B376CA29
5B376GA11
(57)【要約】
【課題】室外機のファームウェアを更新する際に空気調和機の運転を停止する時間を短縮することができる室外機及び空気調和機を提供する。
【解決手段】室外機は、空気を調和する空気調和機構を構成する第1の部分と、ファームウェアを記憶する第1の記憶部と、前記第1の記憶部と異なる第2の記憶部と、前記ファームウェアを実行して前記第1の部分を制御し、前記ファームウェアを更新するための更新データを前記第2の記憶部に記憶させる室外制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を調和する空気調和機構を構成する第1の部分と、
ファームウェアを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部と異なる第2の記憶部と、
前記ファームウェアを実行して前記第1の部分を制御し、前記ファームウェアを更新するための更新データを前記第2の記憶部に記憶させる室外制御部と、
を備える室外機。
【請求項2】
前記第1の記憶部は、ひとつのマイクロコントローラを構成する内部ROMであり、
前記第2の記憶部は、前記ひとつのマイクロコントローラに電気的に接続される外部ROMであり、
前記室外制御部は、前記ひとつのマイクロコントローラを構成するCPUである
請求項1に記載の室外機。
【請求項3】
前記室外制御部は、前記ファームウェアを実行して前記第1の部分を制御するのと並行して、前記更新データを前記第2の記憶部に記憶させる
請求項1又は2に記載の室外機。
【請求項4】
前記室外制御部は、前記更新データを前記第2の記憶部に記憶させることが完了した後に、前記更新データにしたがって前記ファームウェアを更新する
請求項1又は2に記載の室外機。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の室外機と、
前記空気調和機構を構成する第2の部分を備える室内機と、
を備える空気調和機。
【請求項6】
前記室内機は、
通信部と、
前記更新データを前記第2の記憶部に記憶させることが完了した後に、前記ファームウェアを更新することか可能であることを端末に報知させるための通知を前記通信部に送信させる室内制御部と、
を備える
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記室内機は、
室内機用ファームウェアを記憶する記憶部と、
前記室内機用ファームウェアを実行して前記第2の部分を制御する室内制御部と、
を備え、
前記室内機用ファームウェアを更新するための室内機用更新データ及び前記更新データの両方を利用可能である場合に、前記室内制御部が前記室内機用更新データにしたがって前記室内機用ファームウェアを更新するのと並行して、前記室外制御部が前記更新データにしたがって前記ファームウェアを更新する
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記室内機は、
通信用ファームウェアを記憶する通信用記憶部と、前記通信用ファームウェアを実行する通信用制御部と、を備える通信部と、
前記第2の部分を制御する室内制御部と、
を備え、
前記通信用制御部が前記通信用ファームウェアを更新するのと並行して、前記室外制御部が前記第1の部分を制御し、前記室内制御部が前記第2の部分を制御する
請求項5に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室外機及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和機を開示する。当該空気調和機は、室外機及び室内機を有する。室内機の記憶部は、制御プログラム及びサーバから室内機にダウンロードされた更新プログラムを記憶する。室内機の停止部は、空気調和機の運転を停止させた後、電子膨張弁の開度を全開にする。室内機の更新部は、停止部によって運転が停止された室内機のソフトウェアの更新を行う。更新部は、更新プログラムを制御プログラムに置き換えてインストールすることにより室内機のソフトウェアの更新を行う。室内機の開始部は、更新部によるソフトウェアの更新後、圧縮機を再起動させ、圧縮機の再起動に失敗した場合、圧縮機の再起動に成功するまで圧縮機の起動処理を繰り返す。これにより、運転停止から再起動までの時間を必要最小限にすることができる(段落0010,0021及び0025-0028)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-178810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空気調和機は、室外機のソフトウェアの更新を考慮していない。
【0005】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、室外機のファームウェアを更新する際に空気調和機の運転を停止する時間を短縮することができる室外機及び空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の室外機は、空気を調和する空気調和機構を構成する第1の部分と、ファームウェアを記憶する第1の記憶部と、前記第1の記憶部と異なる第2の記憶部と、前記ファームウェアを実行して前記第1の部分を制御し、前記ファームウェアを更新するための更新データを前記第2の記憶部に記憶させる室外制御部と、を備える。
【0007】
本開示の他の一態様の空気調和機は、本開示の一態様の室外機と、前記空気調和機構を構成する第2の部分を備える室内機と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
図2】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機のブロック図である。
図3】第1実施形態の空気調和システムに備えられるサーバのブロック図である。
図4】第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末のブロック図である。
図5】第1実施形態の空気調和システムにおける室内機用更新データのダウンロードを説明する図である。
図6】第1実施形態の空気調和システムにおける室内機用ファームウェア及び通信用ファームウェアの更新を説明する図である。
図7】第1実施形態の空気調和システムにおける室外機用更新データのダウンロードを説明する図である。
図8】第1実施形態の空気調和システムにおける室外機用更新データのダウンロードを説明する図である。
図9】第1実施形態の空気調和システムにおける室外機用ファームウェアの更新を説明する図である。
図10】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図11】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図12】第2実施形態の空気調和システムに備えられる通信用記憶部に記憶される更新データを示す図である。
図13】第2実施形態の空気調和システムに備えられる通信用記憶部に記憶される更新データを示す図である。
図14】第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図15】第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
1 第1実施形態
1.1 空気調和システム
図1は、第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
【0011】
図1に図示されるように、第1実施形態の空気調和システム1は、空気調和機11、サーバ12及び端末13を備える。
【0012】
空気調和機11、サーバ12及び端末13は、ネットワーク14に通信可能に接続され、ネットワーク14を介して互いに通信する。
【0013】
空気調和機11は、室内21の空気を調和する。空気調和機11は、冷房、暖房、除湿、加湿、送風、空気清浄等を行う。空気調和機11は、ファームウェアを実行する。空気調和機11は、実行するファームウェアを更新するための更新データ31をサーバ12から受信し、更新データ31の受信を完了するのに連動して、ファームウェアの更新が可能であることを知らせる更新可能通知32を端末13へ送信する。空気調和機11は、サーバ12を経由して端末13へ更新可能通知32を送信してもよいし、端末13へ直接的に更新可能通知32を送信してもよい。空気調和機11は、ファームウェアの更新を開始してもよいことを知らせる更新開始通知33を端末13から受信し、更新開始通知33を受信するのに連動して、受信した更新データ31にしたがってファームウェアを更新する。空気調和機11は、端末13からサーバ12を経由して更新開始通知33を受信してもよいし、端末13から直接的に更新開始通知33を受信してもよい。
【0014】
サーバ12は、更新データ31を空気調和機11へ送信する。
【0015】
端末13は、更新可能通知32を空気調和機11から受信し、更新可能通知32を受信するのに連動して、ファームウェアの更新が可能であることを報知する。端末13は、ファームウェアの更新を開始してもよいことを示す更新開始操作を受け付け、更新開始操作を受け付けるのに連動して更新開始通知33を空気調和機11へ送信する。
【0016】
ネットワーク14は、インターネットを含み、サーバ12は、クラウドサーバである。
【0017】
1.2 空気調和機
図1に図示されるように、空気調和機11は、室内機41、室外機42、第1の配管43、第2の配管44及び通信線45を備える。
【0018】
室内機41は、室内21に設置され、室内21の空気と冷媒との間で熱交換を行わせる。室内機41は、ネットワーク14に接続され、ネットワーク14を介してサーバ12及び端末13と通信する。
【0019】
室外機42は、室外22に設置され、室外22の空気と冷媒との間で熱交換を行わせる。
【0020】
第1の配管43及び第2の配管44の一方は、室内機41から室外機42へ冷媒を導く。第1の配管43及び第2の配管44の他方は、室外機42から室内機41へ冷媒を導く。
【0021】
通信線45は、室内機41から室外機42へ制御用信号を伝送し、室外機42から室内機41へ制御用信号を伝送する。
【0022】
1.3 空気調和機構
図2は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機のブロック図である。
【0023】
図2に図示されるように、空気調和機11は、空気調和機構51を備える。
【0024】
空気調和機構51は、室内21の空気を調和する。
【0025】
図2に図示されるように、空気調和機構51は、循環配管61、四方弁62、圧縮機63、熱交換器64、膨張弁65、熱交換器66、送風部67、送風部68及び風向調整部69を備える。
【0026】
室外機42に備えられる循環配管61の一部、四方弁62、圧縮機63、熱交換器64、膨張弁65及び送風部67は、空気調和機構51を構成する第1の部分71である。室内機41に備えられる循環配管61の一部、熱交換器66、送風部68及び風向調整部69は、空気調和機構51を構成する第2の部分72である。
【0027】
循環配管61は、第1の配管43及び第2の配管44を含む。
【0028】
循環配管61は、空気調和機構51が冷房を行う場合は、圧縮機63から四方弁62、熱交換器64、膨張弁65、熱交換器66及び四方弁62を順次に経由して圧縮機63まで冷媒が導かれるように冷媒を循環させる。
【0029】
循環配管61は、空気調和機構51が暖房を行う場合は、圧縮機63から四方弁62、熱交換器66、膨張弁65、熱交換器64及び四方弁62を順次に経由して圧縮機63まで冷媒が導かれるように冷媒を循環させる。
【0030】
四方弁62は、空気調和機構51が冷房を行う場合は、冷媒が循環する方向を、圧縮機63から四方弁62、熱交換器64、膨張弁65、熱交換器66及び四方弁62を順次に経由して圧縮機63まで冷媒が導かれる第1の方向とする。
【0031】
四方弁62は、空気調和機構51が暖房を行う場合は、冷媒が循環する方向を、圧縮機63から四方弁62、熱交換器66、膨張弁65、熱交換器64及び四方弁62を順次に経由して圧縮機63まで冷媒が導かれる第2の方向にする。
【0032】
空気調和機構51が冷房を行う場合は、圧縮機63が、低圧・低温の気体の冷媒を圧縮して、高圧・高温の気体の冷媒を生成する。また、熱交換器64が、生成された高圧・高温の気体の冷媒から室外22の空気への放熱を行わせて、高圧・高温の液体の冷媒を生成する。また、膨張弁65が、生成された高圧・高温の液体の冷媒を膨張させて低圧・低温の気体の冷媒を生成する。また、熱交換器66が、室内21の空気から生成された低圧・低温の気体の冷媒への吸熱を行わせて、低圧・低温の気体の冷媒を生成する。これにより、室内21の空気から室外22の空気へ熱が運ばれて、室内21の空気が冷やされる。
【0033】
空気調和機構51が暖房を行う場合は、圧縮機63が、低圧・低温の気体の冷媒を圧縮して高圧・高温の気体の冷媒を生成する。熱交換器66が、生成された高圧・高温の気体の冷媒から室内21の空気への放熱を行わせて、高圧・高温の液体の冷媒を生成する。また、膨張弁65が、生成された高圧・高温の液体の冷媒を膨張させて、低圧・低温の液体の冷媒を生成する。また、熱交換器64が、室内21の空気から生成された低圧・低温の液体の冷媒への吸熱を行わせて、低圧・低温の気体の冷媒を生成する。これにより、室外22の空気から室内21の空気へ熱が運ばれて、室内21の空気が暖められる。
【0034】
送風部67は、室外機42に入り熱交換器64に当たり室外機42から出る風を送る。
【0035】
図2に図示されるように、送風部67は、ファン81及びファン駆動部82を備える。
【0036】
ファン駆動部82は、ファン81を駆動して、ファン81に当該風を生成させる。
【0037】
送風部68は、室内機41に入り熱交換器66に当たり室内機41から出る風を送る。
【0038】
図2に図示されるように、送風部68は、ファン91及びファン駆動部92を備える。
【0039】
ファン駆動部92は、ファン91を駆動して、ファン91に当該風を生成させる。
【0040】
風向調整部69は、室内機41から出る風の風向を調整する。
【0041】
図2に図示されるように、風向調整部69は、風向板101及び風向板駆動部102を備える。
【0042】
風向板駆動部102は、風向板101を駆動して風向板101の姿勢を変化させることにより、当該風の風向を変化させる。
【0043】
1.4 室内基板
図2に図示されるように、室内機41は、室内基板111を備える。室内基板111は、室内マイクロコントローラ(マイコン)121を備える。
【0044】
室内マイコン121は、通信線を介して通信部112に通信可能に接続され、通信線45を介して後述する室外マイコン161に通信可能に接続される。
【0045】
図2に図示されるように、室内マイコン121は、記憶部131及び室内制御部132を備える。
【0046】
記憶部131は、ひとつの室内マイコン121を構成する内部リードオンリメモリ(ROM)である。室内制御部132は、当該ひとつの室内マイコン121を構成する中央処理装置(CPU)である。
【0047】
記憶部131は、室内機用ファームウェア141を記憶する。
【0048】
室内制御部132は、記憶された室内機用ファームウェア141を実行して、第2の部分72を制御する。例えば、室内制御部132は、ファン駆動部92を制御して、ファン駆動部92に風の風量を変更させる。また、室内制御部132は、風向板駆動部102を制御して、風向板駆動部102に風の風向を変更させる。
【0049】
また、室内制御部132は、後述する室外制御部172と内外通信を行って、室外制御部172による第1の部分71の制御と室内制御部132による第2の部分72の制御との連携に必要な制御用信号を室外制御部172へ送信し、当該連携に必要な制御用信号を室外制御部172から受信する。内外通信は、シリアル通信である。送信される制御用信号及び受信される制御用信号は、通信線45により伝送される。
【0050】
1.5 室外基板
図2に図示されるように、室外機42は、室外基板151を備える。室外基板151は、室外マイコン161及び第2の記憶部162を備える。
【0051】
室外マイコン161は、通信線45を介して室内マイコン121に通信可能に接続され、第2の記憶部162に電気的に接続される。
【0052】
図2に図示されるように、室外マイコン161は、第1の記憶部171及び室外制御部172を備える。
【0053】
第1の記憶部171は、ひとつの室外マイコン161を構成する内部ROMである。第2の記憶部162は、当該ひとつの室外マイコン161に電気的に接続される外部ROMである。室内制御部132は、当該ひとつの室外マイコン161を構成するCPUである。
【0054】
第1の記憶部171は、室外機用ファームウェア142を記憶する。
【0055】
第2の記憶部162は、室外機用ファームウェア142が更新される際に、室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145を記憶する。
【0056】
室外制御部172は、記憶された室外機用ファームウェア142を実行して、第1の部分71を制御する。例えば、室外制御部172は、四方弁62を制御して、四方弁62に冷媒が循環する方向を変更させる。また、室外制御部172は、圧縮機63を制御して、圧縮機63に冷媒の圧縮状態を変更させる。また、室外制御部172は、ファン駆動部82を制御して、ファン駆動部82に風の風量を変更させる。
【0057】
また、室外制御部172は、室内制御部132と内外通信を行って、室外制御部172による第1の部分71の制御と室内制御部132による第2の部分72の制御との連携に必要な制御用信号を室内制御部132へ送信し、当該連携に必要な制御用信号を室内制御部132から受信する。内外通信は、シリアル通信である。送信される制御用信号及び受信される制御用信号は、通信線45により伝送される。
【0058】
室外制御部172は、第1の記憶部171にデータを書き込む際、及び第1の記憶部171に記憶されているデータを消去する際には、割り込みを禁止しなければならない。しかし、室外制御部172は、第2の記憶部162にデータを書き込む際、及び第2の記憶部162に記憶されているデータを消去する際には、割り込みを禁止しなくてもよい。このため、室外制御部172は、第1の記憶部171にデータを書き込む際、及び第1の記憶部171に記憶されているデータを消去する際には、室外機用ファームウェア142を実行して第1の部分71を制御することができない。しかし、室外制御部172は、第2の記憶部162にデータを書き込む際、及び第2の記憶部162に記憶されているデータを消去する際には、室外機用ファームウェア142を実行して第1の部分71を制御することができる。このため、第1の記憶部171が室外機用更新データ145を記憶する場合は、第1の記憶部171に室外機用更新データ145が書き込まれている間、空気調和機11の運転を停止しなければならない。しかし、第2の記憶部162が室外機用更新データ145を記憶する場合は、第2の記憶部162に室外機用更新データ145が書き込まれている間も、空気調和機11の運転を停止しなくてもよい。
【0059】
内部ROMへのデータの書き込み及び内部ROMに記憶されたデータの消去を別プロセスで実行しながら通常の処理を実施することができるマイコンも存在する。しかし、そのようなマイコンの品種は限られる。
【0060】
1.6 通信部
図2に図示されるように、室内機41は、通信部112を備える。通信部112は、ネットワーク14に接続され、ネットワーク14を経由してサーバ12及び端末13と通信する。通信部112は、例えば、無線通信によりネットワーク14に接続される無線アダプタである。無線通信は、Wi-Fi(登録商標)等である。
【0061】
図2に図示されるように、通信部112は、通信用記憶部181及び通信用制御部182を備える。
【0062】
通信用記憶部181は、通信用ファームウェア143を記憶する。
【0063】
空気調和機11により受信される更新データ31は、室内機用ファームウェア141及び/又は通信用ファームウェア143を更新するための室内機用更新データ144、並びに室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145を含みうる。通信用記憶部181は、室内機用ファームウェア141及び/又は通信用ファームウェア143が更新される際に、室内機用更新データ144を記憶し、室外機用ファームウェア142が更新される際に、室外機用更新データ145を記憶する。
【0064】
通信用記憶部181は、室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145の両方を同時に記憶することができる記憶容量を有する。
【0065】
通信用制御部182は、通信用ファームウェア143を実行して通信を制御する。
【0066】
1.7 サーバ
図3は、第1実施形態の空気調和システムに備えられるサーバのブロック図である。
【0067】
サーバ12は、コンピュータ等である。
【0068】
図3に図示されるように、サーバ12は、プロセッサ191、メモリ192、ストレージ193及び通信部194を備える。ストレージ193は、プログラム201を記憶し、室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145を記憶することができる。
【0069】
プロセッサ191は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)等である。メモリ192は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)等である。ストレージ193は、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ等である。プロセッサ191は、メモリ192にロードされたプログラム201を実行して、コンピュータ等を、空気調和システム1を構成するサーバ12として動作させる。
【0070】
通信部194は、空気調和機11及び端末13と通信を行う。
【0071】
1.8 端末
図4は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末のブロック図である。
【0072】
端末13は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、フィーチャーフォン等である。
【0073】
図4に図示されるように、端末13は、プロセッサ211、メモリ212、ストレージ213、通信部214、報知部215及び操作部216を備える。ストレージ213は、プログラム221を記憶する。
【0074】
プロセッサ211は、CPU、GPU等である。メモリ212は、RAM、ROM等である。ストレージ213は、SSD、ハードディスクドライブ等である。プロセッサ211は、メモリ212にロードされたプログラム221を実行して、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、フィーチャーフォン等を、空気調和システム1を構成する端末13として動作させる。
【0075】
通信部214は、空気調和機11及びサーバ12と通信を行う。
【0076】
報知部215は、報知を行う。報知部215は、ディスプレイ、ランプ、スピーカ、ブザー、バイブレータ等である。
【0077】
操作部216は、操作を受け付ける。操作部216は、タッチパネル、ボタン、ダイヤル、スライダ、キーボード、マウス、トラックパッド等である。
【0078】
1.9 室内機用更新データのダウンロード並びに室内機用ファームウェア及び通信用ファームウェアの更新
図5は、第1実施形態の空気調和システムにおける室内機用更新データのダウンロードを説明する図である。図6は、第1実施形態の空気調和システムにおける室内機用ファームウェア及び通信用ファームウェアの更新を説明する図である。
【0079】
室内機用ファームウェア141及び/又は通信用ファームウェア143を更新するための室内機用更新データ144を利用可能である場合は、図5に図示されるように、通信部112が、サーバ12と通信を行って室内機用更新データ144をサーバ12からダウンロードし、ダウンロードした室内機用更新データ144を通信用記憶部181に記憶させる。
【0080】
また、記憶させられた室内機用更新データ144が室内機用ファームウェア141を更新するための更新データを含む場合は、図6に図示されるように、室内制御部132が、室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新する。室内制御部132は、例えば、記憶部131に記憶されている室内機用ファームウェア141を消去して新たな室内機用ファームウェア141を記憶部131に書き込むことにより、室内機用ファームウェア141を更新する。
【0081】
記憶させられた室内機用更新データ144が通信用ファームウェア143を更新するための更新データを含む場合は、図6に図示されるように、通信用制御部182が、記憶させられた室内機用更新データ144にしたがって通信用ファームウェア143を更新する。通信用制御部182は、例えば、通信用記憶部181に記憶されている通信用ファームウェア143を消去して新たな通信用ファームウェア143を通信用記憶部181に書き込むことにより、通信用ファームウェア143を更新する。
【0082】
室内機用更新データ144をダウンロードし、ダウンロードした室内機用更新データ144を通信用記憶部181に記憶させる処理、及び通信用ファームウェア143を更新する処理は、室外制御部172が第1の部分71を制御している間及び室内制御部132が第2の部分72を制御している間も行うことができる。したがって、これらの処理は、空気調和機11の運転を停止せずに行うことができる。
【0083】
一方、室内機用ファームウェア141を更新する処理は、室外制御部172が第1の部分71を制御している間及び室内制御部132が第2の部分72を制御している間は行うことができない。したがって、この処理は、空気調和機11の運転を停止して行わなければならない。しかし、この処理は、長い時間を要しないので、この処理を行う際に空気調和機11の運転を停止しなければならないことは、室内21の快適性の維持に大きな影響を与えない。
【0084】
1.10 室外機用更新データのダウンロード及び室外機用ファームウェアの更新
図7及び図8は、第1実施形態の空気調和システムにおける室外機用更新データのダウンロードを説明する図である。図9は、第1実施形態の空気調和システムにおける室外機用ファームウェアの更新を説明する図である。
【0085】
室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145を利用可能である場合は、図7に図示されるように、通信部112が、サーバ12と通信を行って室外機用更新データ145をサーバ12からダウンロードし、ダウンロードした室外機用更新データ145を通信用記憶部181に記憶させる。また、図8に図示されるように、室外制御部172が、室内制御部132と内外通信を行って室外機用更新データ145を室内機41からダウンロードし、ダウンロードした室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させる。ダウンロードされる室外機用更新データ145は、通信線45により伝送される。
【0086】
また、図9に図示されるように、室外制御部172が、記憶させられた室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。室外制御部172は、例えば、第1の記憶部171に記憶されている室外機用ファームウェア142を消去して新たな室外機用ファームウェア142を第1の記憶部171に書き込むことにより、室外機用ファームウェア142を更新する。
【0087】
室外機用更新データ145をサーバ12からダウンロードし、ダウンロードした室外機用更新データ145を通信用記憶部181に記憶させる処理は、室外制御部172が第1の部分71を制御している間及び室内制御部132が第2の部分72を制御している間も行うことができる。したがって、この処理は、空気調和機11の運転を停止せずに行うことができる。
【0088】
室外制御部172は、室外機用ファームウェア142を記憶する第1の記憶部171と異なる第2の記憶部162に室外機用更新データ145を記憶させる。このため、室外制御部172は、室外機用更新データ145をダウンロードしている間も、割り込みを禁止しなくてもよい。このため、室外機用更新データ145を室内機41からダウンロードし、ダウンロードした室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させる処理は、室外制御部172が第1の部分71を制御している間及び室内制御部132が第2の部分72を制御している間も行うことができる。したがって、この処理は、空気調和機11の運転を停止することなく行うことができる。これにより、室外機用ファームウェア142を更新する際に空気調和機11の運転を停止する時間を短縮することができ、空気調和機11の運転を停止することにより室内21の快適性が損なわれることを抑制することができる。さらに、室外マイコン161は、内部ROMへのデータの書き込み及び内部ROMに記憶されたデータの消去を別プロセスで実行しながら通常の処理を実施することができるマイコンの品種から選定する必要はなく、幅広いマイコンの品種から選択することができる。
【0089】
通信線45を介する内外通信の速度は、低速である。また、室外機用更新データ145の通信線45による伝送は、制御用信号の通信線45による伝送と並行して行われる。このため、室内機41から室外機42への室外機用更新データ145のダウンロードには、長い時間を要する。しかし、空気調和機11の運転は、当該ダウンロードを行っている間も停止しなくてよいので、当該ダウンロードに長い時間を要することは、室内21の快適性の維持に大きな影響を与えない。
【0090】
一方、室外機用ファームウェア142を更新する処理は、室外制御部172が第1の部分71を制御している間及び室内制御部132が第2の部分72を制御している間は行うことができない。したがって、この処理は、空気調和機11の運転を停止して行わなければならない。しかし、この処理は、長い時間を要しないので、この処理を行う際に空気調和機11の運転を停止しなければならないことは、室内21の快適性の維持に大きな影響を与えない。
【0091】
1.11 ファームウェアの更新の流れ
図10及び図11は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
【0092】
空気調和機11の運転が行われている間のファームウェアの更新においては、図10及び図11に示されるステップS101からS120までが実行される。
【0093】
ステップS101においては、室内制御部132が、室外機用更新データ145を利用可能であるか否かを判定する。その際には、室内制御部132が、通信部112に、室外機用更新データ145を利用可能であるか否かを知らせることを求める第1の利用可否通知要求をサーバ12へ送信させる。また、サーバ12のプロセッサ191が、サーバ12の通信部194により第1の利用可否通知要求が受信されるのに応答して、室外機用更新データ145を利用可能であるか否かを判定し、サーバ12の通信部194に、室外機用更新データ145を利用可能であるか否かを知らせる第1の利用可否通知を空気調和機11へ送信させる。サーバ12のプロセッサ191は、サーバ12のストレージ193に室外機用更新データ145が記憶されている場合は、室外機用更新データ145を利用可能であると判定し、サーバ12のストレージ193に室外機用更新データ145が記憶されていない場合は、室外機用更新データ145を利用可能でないと判定する。また、室内制御部132が、通信部112により受信された第1の利用可否通知に基づいて、室外機用更新データ145を利用可能であるか否かを判定する。室外機用更新データ145を利用可能であると判定された場合は、ステップS102からS104までが実行された後にステップS106が実行される。室外機用更新データ145を利用可能でないと判定された場合は、ステップS105が実行された後にステップS106が実行される。
【0094】
ステップS102においては、室内制御部132が、室外機42の更新フラグをセットする。
【0095】
続くステップS103においては、空気調和機11の運転が停止されずに、通信部112が、室外機用更新データ145をサーバ12から通信用記憶部181へダウンロードする。
【0096】
続くステップS104においては、空気調和機11の運転が停止されずに、室外制御部172が、室外機用更新データ145を室内機41から第2の記憶部162へダウンロードする。このとき、室外制御部172は、室外機用ファームウェア142を実行して第1の部分71を制御するのと並行して、室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させる。これにより、空気調和機11の運転が停止されて室内21の快適性が損なわれることなく、室外機用更新データ145をダウンロードすることができる。
【0097】
一方、ステップS105においては、室内制御部132が、室外機42の更新フラグをクリアする。
【0098】
ステップS101からS105までによれば、最新の室外機用更新データ145がサーバ12へアップロードされて最新の室外機用更新データ145を利用可能になった後に第1の利用可否通知要求が送信された場合に、室外機42の更新フラグがセットされる。また、室外機用更新データ145がいったん通信用記憶部181へダウンロードされる。また、室外機用更新データ145の通信用記憶部181へのダウンロードが完了した後に、室外機用更新データ145が第2の記憶部162へダウンロードされる。ただし、室外機用更新データ145の第2の記憶部162へのダウンロードが完了した時点では、室外機42の更新フラグがセットされているにとどまり、室外機用ファームウェア142の更新は開始されない。
【0099】
ステップS106においては、室内制御部132が、室内機用更新データ144を利用可能であるか否かを判定する。その際には、室内制御部132が、通信部112に、室内機用更新データ144を利用可能であるか否かを知らせることを求める第2の利用可否通知要求をサーバ12へ送信させる。また、サーバ12のプロセッサ191が、サーバ12の通信部194により第2の利用可否通知要求が受信されるのに応答して、室内機用更新データ144を利用可能であるか否かを判定し、サーバ12の通信部194に、室内機用更新データ144を利用可能であるか否かを知らせる第2の利用可否通知を空気調和機11へ送信させる。サーバ12のプロセッサ191は、サーバ12のストレージ193に室内機用更新データ144が記憶されている場合は、室内機用更新データ144を利用可能であると判定し、サーバ12のストレージ193に室内機用更新データ144が記憶されていない場合は、室内機用更新データ144を利用可能でないと判定する。また、室内制御部132が、通信部112により受信された第2の利用可否通知に基づいて、室内機用更新データ144を利用可能であるか否かを判定する。室内機用更新データ144を利用可能であると判定された場合は、ステップS107及びS108が実行された後にステップS110が実行される。室内機用更新データ144を利用可能でないと判定された場合は、ステップS109が実行された後にステップS110が実行される。
【0100】
ステップS107においては、室内制御部132が、室内機41の更新フラグをセットする。
【0101】
続くステップS108においては、空気調和機11の運転が停止されずに、通信部112が、室内機用更新データ144をサーバ12から通信用記憶部181へダウンロードする。
【0102】
一方、ステップS109においては、室内制御部132が、室内機41の更新フラグをクリアする。
【0103】
ステップS106からS109までによれば、室内機用更新データ144がサーバ12へアップロードされて室内機用更新データ144を利用可能になった後に第2の利用可否通知要求が送信された場合に、室内機41の更新フラグがセットされる。また、室内機用更新データ144が通信用記憶部181へダウンロードされる。ただし、室内機用更新データ144の通信用記憶部181へのダウンロードが完了した時点では、室内機41の更新フラグがセットされているにとどまり、室内機用ファームウェア141の更新は開始されない。
【0104】
第1実施形態においては、ステップS101からS105までが実行された後にステップS106からS109までが実行される。しかし、ステップS106からS109までが実行された後にステップS101からS105までが実行されてもよく、ステップS101からS105までが実行されるのと並行してステップS106からS109までが実行されてもよい。
【0105】
ステップS110においては、室内制御部132が、室内機41の更新フラグ及び/又は室外機42の更新フラグがセットされているか否かを判定する。室内機41の更新フラグ及び/又は室外機42の更新フラグがセットされていると判定された場合は、ステップS111が実行される。室内機41の更新フラグ及び室外機42の更新フラグのいずれもセットされていないと判定された場合は、処理が終了する。
【0106】
ステップS111においては、室内制御部132が、通信部112に、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを端末13に報知させるための更新可能通知32を送信させる。
【0107】
端末13のプロセッサ211は、端末13の通信部112により更新可能通知32が受信されるのに応答して、端末13の報知部215に、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを報知させる。報知は、ディスプレイにメッセージ、アイコン等を表示させること、ランプに光を発せさること、スピーカに音を発せさせること、バイブレータを振動させること等により行われる。
【0108】
また、端末13のプロセッサ211は、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを端末13の報知部215に報知させた後に端末13の操作部216により更新開始操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部214に、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143の更新を開始してもよいことを知らせる更新開始通知33を空気調和機11へ送信させる。これにより、ユーザは、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることが報知された後に更新開始操作を端末13に行うことにより、空気調和機11に室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143の更新のトリガーを与えることができる。
【0109】
ステップS101からS111までによれば、室内制御部132は、ステップS104において室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させることが完了した後に、ステップS111において室外機用ファームウェア142を更新することが可能であることを端末13に報知させるための更新可能通知32を通信部112に送信させる。また、室内制御部132は、ステップS108において室内機用更新データ144を通信用記憶部181に記憶させることが完了した後に、ステップS111において室内機用ファームウェア141及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを端末13に報知させるための更新可能通知32を通信部112に送信させる。これにより、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143の更新を直ちに開始することができるタイミングに、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することが可能であることをユーザに報知することができ、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することをユーザに促すことができる。
【0110】
続くステップS112においては、室内制御部132が、通信部112により更新開始通知33が受信されたか否かを判定する。更新開始通知33が受信されたと判定された場合は、ステップS113が実行される。更新開始通知33が受信されていないと判定された場合は、再びステップS112が実行される。これにより、室内制御部132は、通信部112により更新開始通知33が受信されるまで、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新せずに待機し、通信部112により更新開始通知33が受信された後に、室内機用ファームウェア141、室外機用ファームウェア142及び/又は通信用ファームウェア143を更新することができる。
【0111】
ステップS113においては、室内制御部132が、室内機用ファームウェア141の更新があるか否かを判定する。室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされており、室内機用更新データ144に室内機用ファームウェア141を更新するための更新データが含まれる場合に、室内機用ファームウェア141の更新があると判定する。また、室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされているが、室内機用更新データ144に室内機用ファームウェア141を更新するための更新データが含まれない場合に、室内機用ファームウェア141の更新がないと判定する。また、室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされていない場合に、室内機用ファームウェア141の更新がないと判定する。室内機用ファームウェア141の更新があると判定された場合は、ステップS114が実行される。室内機用ファームウェア141の更新がないと判定された場合は、ステップS115が実行される。
【0112】
ステップS114及びS115においては、室内制御部132が、室外機用ファームウェア142の更新があるか否かを判定する。室内制御部132は、室外機用ファームウェア142がダウンロードされている場合に、室外機用ファームウェア142の更新があると判定する。また、室内制御部132は、室外機用ファームウェア142がダウンロードされていない場合に、室外機用ファームウェア142の更新がないと判定する。ステップS114において室外機用ファームウェア142の更新があると判定された場合は、ステップS116が実行された後にステップS119が実行される。ステップS114において室外機用ファームウェア142の更新がないと判定された場合は、ステップS117が実行された後にステップS119が実行される。ステップS115において室外機用ファームウェア142の更新があると判定された場合は、ステップS118が実行された後にステップS119が実行される。ステップS115において室外機用ファームウェア142の更新がないと判定された場合は、ステップS119が実行される。
【0113】
ステップS116においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室内制御部132が室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新するのと並行して、室外制御部172が室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。したがって、室内機用ファームウェア141を更新するための室内機用更新データ144及び室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145の両方を利用可能である場合には、室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145の両方がダウンロードされた後に、室内制御部132が室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新するのと並行して、室外制御部172が室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。室内機用更新データ144及び/又は室外機用更新データ145が更新されている間は空気調和機11の運転を一時停止しなければならない。しかし、このように室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145を同じタイミングに更新することにより、室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145を互いに異なるタイミングに更新する場合と比較して、空気調和機11の運転を停止しなければならない時間を短縮することができる。
【0114】
なお、ステップS101からS109までによれば、利用可否通知要求がサーバ12に最初に送信された際に室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145の両方を利用可能である場合だけでなく、利用可否通知要求がサーバ12に最初に送信された後の更新準備中に室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145の両方を利用可能となった場合にも、室内機用ファームウェア141及び室外機用ファームウェアを並行して更新することができる。
【0115】
ステップS117においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室内制御部132が室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新する。
【0116】
ステップS118においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室外制御部172が室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。
【0117】
室内制御部132は、ステップS104において室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させることが完了した後に、ステップS116及びS118において室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。また、室内制御部132は、ステップS108において室内機用更新データ144を通信用記憶部181に記憶させることが完了した後に、ステップS116及びS117において室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新する。室外機用更新データ145を第2の記憶部162に記憶させる処理には、長い時間を要するが、室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する処理には、長い時間を要しない。このため、ステップS116及びステップS118において後者の処理のために空気調和機11の運転が一時的に停止されても、空気調和機11の運転が停止される時間が長い時間となることはなく、室内21の快適性が大きく損なわれることはない。
【0118】
ステップS119においては、室内制御部132が、通信用ファームウェア143の更新があるか否かを判定する。室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされており、室内機用更新データ144に通信用ファームウェア143を更新するための更新データが含まれる場合に、通信用ファームウェア143の更新があると判定する。また、室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされているが、室内機用更新データ144に通信用ファームウェア143を更新するための更新データが含まれない場合に、通信用ファームウェア143の更新がないと判定する。また、室内制御部132は、室内機用ファームウェア141がダウンロードされていない場合に、通信用ファームウェア143の更新がないと判定する。通信用ファームウェア143の更新があると判定された場合は、ステップS120が実行される。通信用ファームウェア143の更新がないと判定された場合は、処理が終了する。
【0119】
ステップS120においては、空気調和機11の運転が停止されずに、通信用制御部182が、室内機用更新データ144にしたがって通信用ファームウェア143を更新する。このとき、通信用制御部182が通信用ファームウェア143を更新するのと並行して、室外制御部172が第1の部分71を制御し、室内制御部132が第2の部分72を制御する。
【0120】
2 第2実施形態
以下では、第2実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第2実施形態においても採用される。
【0121】
図12及び図13は、第2実施形態の空気調和システムに備えられる通信用記憶部に記憶される更新データを示す図である。
【0122】
第1実施形態においては、図2に図示されるように、通信用記憶部181は、室内機用ファームウェア141及び通信用ファームウェア143を更新するための室内機用更新データ144並びに室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145を同時に記憶することができる記憶容量を有する。
【0123】
これに対して、第2実施形態においては、図12に図示されるように、通信用記憶部181は、室内機用ファームウェア141を更新するための室内機用更新データ144及び室外機用ファームウェア142を更新するための室外機用更新データ145を同時に記憶することができる記憶容量を有する。また、図13に図示されるように、通信用記憶部181は、通信用ファームウェア143を更新するための通信用更新データ146を記憶することができる記憶容量を有する。しかし、通信用記憶部181は、室内機用更新データ144、室外機用更新データ145及び通信用更新データ146を同時に記憶することができる記憶容量を有しなくてもよい。
【0124】
図14及び図15は、第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
【0125】
ファームウェアの更新においては、図14及び図15に示されるステップS201からS223までが実行される。
【0126】
ステップS201においては、室内制御部132が、通信用更新データ146を利用可能であるか否かを判定する。その際には、室内制御部132が、通信部112に、通信用更新データ146を利用可能であるか否かを知らせることを求める第1の利用可否通知要求をサーバ12へ送信させる。また、サーバ12のプロセッサ191が、サーバ12の通信部194により第1の利用可否通知要求が受信されるのに応答して、通信用更新データ146を利用可能であるか否かを判定し、サーバ12の通信部194に、通信用更新データ146を利用可能であるか否かを知らせる第1の利用可否通知を空気調和機11へ送信させる。サーバ12のプロセッサ191は、サーバ12のストレージ193に通信用更新データ146が記憶されている場合は、通信用更新データ146を利用可能であると判定し、サーバ12のストレージ193に通信用更新データ146が記憶されていない場合は、室外機用更新データ145を利用可能でないと判定する。また、室内制御部132が、通信部112により受信された第1の利用可否通知に基づいて、通信用更新データ146を利用可能であるか否かを判定する。通信用更新データ146を利用可能であると判定された場合は、ステップS202からS205までが実行された後にステップS206が実行される。通信用更新データ146を利用可能でないと判定された場合は、ステップS206が実行される。
【0127】
ステップS202においては、空気調和機11の運転が停止されずに、通信部112が、通信用更新データをサーバ12から通信用記憶部181へダウンロードする。
【0128】
続くステップS203においては、室内制御部132が、通信部112に、通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを端末13に報知させるための第1の更新可能通知を送信させる。
【0129】
端末13のプロセッサ211は、端末13の通信部112により第1の更新可能通知が受信されるのに応答して、端末13の報知部215に、通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを報知させる。報知は、ディスプレイにメッセージ、アイコン等を表示させること、ランプに光を発せさること、スピーカに音を発せさせること、バイブレータを振動させること等により行われる。
【0130】
また、端末13のプロセッサ211は、通信用ファームウェア143を更新することが可能であることを端末13の報知部215に報知させた後に端末13の操作部216により第1の更新開始操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部112に、通信用ファームウェア143の更新を開始してもよいことを知らせる第1の更新開始通知を空気調和機11へ送信させる。これにより、ユーザは通信用ファームウェア143を更新することが可能であることが報知された後に第1の更新開始操作を端末13に行うことにより、空気調和機11に通信用ファームウェア143の更新のトリガーを与えることができる。
【0131】
続くステップS204においては、室内制御部132が、通信部112により第1の更新開始通知が受信されたか否かを判定する。第1の更新開始通知が受信されたと判定された場合は、ステップS205が実行される。更新開始通知33が受信されていないと判定された場合は、再びステップS204が実行される。これにより、室内制御部132は、通信部112により第1の更新開始通知が受信されるまで、通信用ファームウェアを更新せずに待機し、通信部112により第1の更新開始通知が受信された後に、通信用ファームウェア143を更新することができる。
【0132】
ステップS205においては、空気調和機11の運転が停止されずに、通信用制御部182が、通信用更新データ146にしたがって通信用ファームウェア143を更新する。このとき、通信用制御部182が通信用ファームウェア143を更新するのと並行して、室外制御部172が第1の部分71を制御し、室内制御部132が第2の部分72を制御する。
【0133】
ステップS205が実行された後は、通信用更新データ146は、用いられない。このため、ステップS205が実行された後は、通信用更新データ146は、消去されてもよい。このため、通信用記憶部181は、室内機用更新データ144及び室外機用更新データ145に加えて通信用更新データ146を同時に記憶することができる記憶容量を有する必要はない。
【0134】
ステップS206からS214までにおいては、それぞれ、ステップS101からS109までにおいて行われる処理と同様の処理が行われる。
【0135】
ステップS215においては、室内制御部132が、室内機41の更新フラグ及び/又は室外機42の更新フラグがセットされているか否かを判定する。室内機41の更新フラグ及び/又は室外機42の更新フラグがセットされていると判定された場合は、ステップS216が実行される。室内機41の更新フラグ及び室外機42の更新フラグのいずれもセットされていないと判定された場合は、処理が終了する。
【0136】
ステップS216においては、室内制御部132が、通信部112に、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新することが可能であることを端末13に報知させるための第2の更新可能通知を送信させる。
【0137】
端末13のプロセッサ211は、端末13の通信部112により第2の更新可能通知が受信されるのに応答して、端末13の報知部215に、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新することが可能であることを報知させる。報知は、ディスプレイにメッセージ、アイコン等を表示させること、ランプに光を発せさること、スピーカに音を発せさせること、バイブレータを振動させること等により行われる。
【0138】
また、端末13のプロセッサ211は、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新することが可能であることを端末13の報知部215に報知させた後に端末13の操作部216により第2の更新開始操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部214に、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142の更新を開始してもよいことを知らせる第2の更新開始通知を空気調和機11へ送信させる。これにより、ユーザは、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新することが可能であることが報知された後に第2の更新開始操作を端末13に行うことにより、空気調和機11に室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142の更新のトリガーを与えることができる。
【0139】
続くステップS217においては、室内制御部132が、通信部112により第2の更新開始通知が受信されたか否かを判定する。第2の更新開始通知が受信されたと判定された場合は、ステップS218が実行される。第2の更新開始通知が受信されていないと判定された場合は、再びステップS217が実行される。これにより、室内制御部132は、通信部112により第2の更新開始通知が受信されるまで、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新せずに待機し、通信部112により第2の更新開始通知が受信された後に、室内機用ファームウェア141及び/又は室外機用ファームウェア142を更新することができる。
【0140】
ステップS218においては、室内制御部132が、室内機用更新データ144がダウンロードされているか否かを判定する。室内機用更新データ144がダウンロードされていると判定された場合は、ステップS219が実行される。室内機用更新データ144がダウンロードされていないと判定された場合は、ステップS220が実行される。ステップS219及びS220においては、室内制御部132が、室外機用更新データ145がダウンロードされているか否かを判定する。ステップS219において室外機用更新データ145がダウンロードされていると判定された場合は、ステップS221が実行される。ステップS219において室外機用更新データ145がダウンロードされていないと判定された場合は、ステップS222が実行される。ステップS220において室外機用更新データ145がダウンロードされていると判定された場合は、ステップS223が実行される。ステップS220において室外機用更新データ145がダウンロードされていないと判定された場合は、処理が終了する。
【0141】
ステップS221においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室内制御部132が室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新するのと並行して、室外制御部172が室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。
【0142】
ステップS222においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室内制御部132が室内機用更新データ144にしたがって室内機用ファームウェア141を更新する。
【0143】
ステップS223においては、空気調和機11の運転が一時停止され、室外制御部172が室外機用更新データ145にしたがって室外機用ファームウェア142を更新する。
【0144】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 空気調和システム、11 空気調和機、12 サーバ、13 端末、14 ネットワーク、21 室内、22 室外、31 更新データ、32 更新可能通知、33 更新開始通知、41 室内機、42 室外機、43 第1の配管、44 第2の配管、45 通信線、51 空気調和機構、61 循環配管、62 四方弁、63 圧縮機、64 熱交換器、65 膨張弁、66 熱交換器、67 送風部、68 送風部、69 風向調整部、71 第1の部分、72 第2の部分、81 ファン、82 ファン駆動部、91 ファン、92 ファン駆動部、101 風向板、102 風向板駆動部、111 室内基板、112 通信部、121 室内マイクロコントローラ(マイコン)、131 記憶部、132 室内制御部、141 室内機用ファームウェア、142 室外機用ファームウェア、143 通信用ファームウェア、144 室内機用更新データ、145 室外機用更新データ、146 通信用更新データ、151 室外基板、161 室外マイコン、162 第2の記憶部、171 第1の記憶部、172 室外制御部、181 通信用記憶部、182 通信用制御部、191 プロセッサ、192 メモリ、193 ストレージ、194 通信部、201 プログラム、211 プロセッサ、212 メモリ、213 ストレージ、214 通信部、215 報知部、216 操作部、221 プログラム。
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