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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172411
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20231129BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20231129BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20231129BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20231129BHJP
【FI】
G06F8/65
F24F11/64
F24F11/70
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084187
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】小泉 圭輝
(72)【発明者】
【氏名】平山 大悟
(72)【発明者】
【氏名】文原 宏敏
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅治
【テーマコード(参考)】
3L260
5B376
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260CA03
3L260CA12
3L260CB63
3L260DA15
3L260EA07
3L260EA19
3L260FA03
3L260FC32
3L260GA17
3L260JA08
5B376CA32
5B376GA11
(57)【要約】
【課題】ファームウェアを更新するために望ましくないタイミングに運転が停止されることを抑制することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機は、空気を調和する空気調和機構と、ファームウェアを記憶する記憶部と、通信部と、前記ファームウェアを実行して前記空気調和機構を制御し、前記ファームウェアを更新することを指示する操作が端末に対して行われたことを示す指示通知を前記通信部が受信した場合に保留条件が満たされているか否かを判定し、前記保留条件が満たされていると判定した場合に前記ファームウェアを更新することを保留する制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を調和する空気調和機構と、
ファームウェアを記憶する記憶部と、
通信部と、
前記ファームウェアを実行して前記空気調和機構を制御し、前記ファームウェアを更新することを指示する操作が端末に対して行われたことを示す指示通知を前記通信部が受信した場合に保留条件が満たされているか否かを判定し、前記保留条件が満たされていると判定した場合に前記ファームウェアを更新することを保留する制御部と、
を備える空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、前記保留条件が満たされていると判定した場合に前記ファームウェアを更新することを保留していることを前記端末に報知させる通知を前記通信部に送信させる
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、前記ファームウェアを更新することを保留している間に前記保留条件が満たされなくなったと判定した場合に前記ファームウェアを更新する
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記保留条件が満たされていると判定した場合に前記ファームウェアを更新するタイミングを前記端末に報知させる通知を前記通信部に送信させる
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、前記ファームウェアを強制的に更新することを指示する操作が前記端末に対して行われたことを示す通知を前記通信部が受信した場合に、前記保留条件が満たされているか否かにかかわらず前記ファームウェアを更新する
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記空気調和機構は、前記空気を冷やし、
前記制御部は、前記空気が供給される部屋内の部屋内温度を設定温度に近づける制御を前記空気調和機構に対して行い、前記通信部が前記指示通知を受信した場合に、前記設定温度を第1の温度から第2の温度に下げた後に前記ファームウェアを更新する
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記空気調和機構は、前記空気を温め、
前記制御部は、前記空気が供給される部屋内の部屋内温度を設定温度に近づける制御を前記空気調和機構に対して行い、前記通信部が前記指示通知を受信した場合に、前記設定温度を第1の温度から第2の温度に上げた後に前記ファームウェアを更新する
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記制御部は、前記ファームウェアを更新した後に、前記設定温度を前記第1の温度に戻す
請求項6に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記制御部は、前記空気が供給される部屋内に人が在室していない時間帯又は前記部屋内に人が在室していないと推定された時間帯に、前記ファームウェアを更新することができることを前記端末に報知させる通知を前記通信部に送信させる
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記制御部は、前記空気が供給される部屋に応じた時間帯に、前記ファームウェアを更新することができることを前記端末に報知させる通知を前記通信部に送信させる
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和機を開示する。当該空気調和機は、室外機及び室内機を有する。室内機の記憶部は、制御プログラム及びサーバから室内機にダウンロードされた更新プログラムを記憶する。室内機の停止部は、空気調和機の運転を停止させた後、電子膨張弁の開度を全開にする。室内機の更新部は、停止部によって運転が停止された室内機のソフトウェアの更新を行う。更新部は、更新プログラムを制御プログラムに置き換えてインストールすることにより室内機のソフトウェアの更新を行う。室内機の開始部は、更新部によるソフトウェアの更新後、圧縮機を再起動させ、圧縮機の再起動に失敗した場合、圧縮機の再起動に成功するまで圧縮機の起動処理を繰り返す。これにより、運転停止から再起動までの時間を必要最小限にすることができる(段落0010,0021及び0025-0028)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-178810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空気調和機においては、ソフトウェアの更新のために望ましくないタイミングに運転が停止される場合がある。
【0005】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、ファームウェアを更新するために望ましくないタイミングに運転が停止されることを抑制することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の空気調和機は、空気を調和する空気調和機構と、ファームウェアを記憶する記憶部と、通信部と、前記ファームウェアを実行して前記空気調和機構を制御し、前記ファームウェアを更新することを指示する操作が端末に対して行われたことを示す指示通知を前記通信部が受信した場合に保留条件が満たされているか否かを判定し、前記保留条件が満たされていると判定した場合に前記ファームウェアを更新することを保留する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
図2】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機のブロック図である。
図3】第1実施形態の空気調和システムに備えられるサーバのブロック図である。
図4】第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末のブロック図である。
図5】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図7】第1実施形態の空気調和システムにおいてファームウェアの更新が保留される場合に空気調和機及び端末が行う処理を示すシーケンス図である。
図8】第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
図9】第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機が冷房を行っている間にファームウェアが更新される場合の部屋内温度の時間変化を示すグラフである。
図10】第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機が暖房を行っている間にファームウェアが更新される場合の部屋内温度の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
1 第1実施形態
1.1 空気調和システム
図1は、第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
【0010】
図1に図示されるように、第1実施形態の空気調和システム1は、空気調和機11、サーバ12及び端末13を備える。
【0011】
空気調和機11、サーバ12及び端末13は、ネットワーク14に通信可能に接続され、ネットワーク14を介して互いに通信する。
【0012】
空気調和機11は、空気を調和し、調和した空気を部屋21内に供給する。空気調和機11は、冷房、暖房、除湿、加湿、送風、空気清浄等を行う。空気調和機11は、ファームウェア31を実行してファームウェア31にしたがって動作する。
【0013】
空気調和機11は、実行するファームウェア31を更新するための更新データ41をサーバ12から受信し、更新データ41の受信を完了した後に、更新可能通知42を端末13へ送信する。更新可能通知42は、ファームウェア31を更新することができることを端末13に報知させる通知である。空気調和機11は、サーバ12を経由して端末13へ更新可能通知42を送信してもよいし、端末13へ直接的に更新可能通知42を送信してもよい。
【0014】
空気調和機11は、強制更新指示通知43を端末13から受信し、強制更新指示通知43を受信するのに連動して、受信した更新データ41にしたがってファームウェア31をただちに更新する。強制更新指示通知43は、強制更新指示操作が端末13に対して行われたことを示す通知である。強制更新指示操作は、ファームウェア31を強制的に更新することを指示する操作である。空気調和機11は、更新指示通知44を端末13から受信し、更新指示通知44を受信するのに連動して、受信した更新データ41にしたがってファームウェア31を適時に更新する。更新指示通知44は、更新指示操作が端末13に対して行われたことを示す通知である。更新指示操作は、ファームウェア31を更新することを指示する操作である。空気調和機11は、更新保留指示通知45を端末13から受信した場合は、ファームウェア31を更新することを保留する。更新保留指示通知45は、更新保留指示操作が端末13に対して行われたことを示す通知である。更新保留指示操作は、ファームウェア31を更新することを保留することを指示する操作である。空気調和機11は、端末13からサーバ12を経由して強制更新指示通知43、更新指示通知44及び更新保留指示通知45を受信してもよいし、端末13から直接的に強制更新指示通知43、更新指示通知44及び更新保留指示通知45を受信してもよい。
【0015】
空気調和機11は、ファームウェア31を更新することを開始するのに連動して、更新開始通知46を端末13へ送信する。更新開始通知46は、ファームウェア31を更新することを開始したことを端末13に報知させる通知である。空気調和機11は、ファームウェア31を更新することを保留した場合は、更新保留通知47を端末13へ送信する。更新保留通知47は、ファームウェア31を更新することを保留していることを端末13に報知させる通知である。空気調和機11は、サーバ12を経由して端末13へ更新開始通知46及び更新保留通知47を送信してもよいし、端末13へ直接的に更新開始通知46及び更新保留通知47を送信してもよい。
【0016】
サーバ12は、更新データ41を空気調和機11へ送信する。
【0017】
端末13は、更新可能通知42を空気調和機11から受信し、更新可能通知42を受信するのに連動して、ファームウェア31を更新することができることを報知する。
【0018】
端末13は、強制更新指示操作を受け付け、強制更新指示操作を受け付けるのに連動して、強制更新指示通知43を空気調和機11へ送信する。端末13は、更新指示操作を受け付け、更新指示操作を受け付けるのに連動して、更新指示通知44を空気調和機11へ送信する。端末13は、更新保留指示操作を受け付け、更新保留指示操作を受け付けるのに連動して、更新保留指示通知45を空気調和機11へ送信する。
【0019】
端末13は、更新開始通知46を空気調和機11から受信し、更新開始通知46を受信するのに連動して、ファームウェア31を更新することを開始したことを報知する。端末13は、更新保留通知47を空気調和機11から受信し、更新保留通知47を受信するのに連動して、ファームウェア31を更新することを保留していることを報知する。
【0020】
ネットワーク14は、インターネットを含み、サーバ12は、クラウドサーバである。
【0021】
1.2 空気調和機
図2は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機のブロック図である。
【0022】
図2に図示されるように、空気調和機11は、空気調和機構51、記憶部52、通信部53、人検知センサ54、温度センサ55、湿度センサ56及び制御部57を備える。
【0023】
空気調和機構51は、空気を調和し、調和した空気を部屋21内に供給する。
【0024】
図2に図示されるように、空気調和機構51は、送風部61、風向調整部62及び冷凍サイクル63を備える。
【0025】
送風部61は、部屋21内に風を送る。送風部61は、ファン、ファンを回転させてファンに送られる風を生成させるファンモータ等を備える。
【0026】
風向調整部62は、送られる風の風向を調整する。風向調整部62は、ルーバ、ルーバの姿勢を調整してルーバに送られる風の風向を調整させるルーバモータ等を備える。
【0027】
冷凍サイクル63は、送られる風により流される空気の温度を調整する。冷凍サイクル63は、流される空気と冷媒との間で熱交換を行わせて流される空気の温度を調整する。
【0028】
これらにより、空気調和機構51は、部屋21内の空気を冷やすことができ、部屋21内の空気を温めることができる。
【0029】
記憶部52は、ファームウェア31を記憶し、ファームウェア31が更新される際に、ファームウェア31の更新に用いられる更新データ41を記憶する。記憶部52は、メモリ、ストレージ等を備える。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)等である。ストレージは、フラッシュストレージ等である。
【0030】
通信部53は、ネットワーク14に接続され、ネットワーク14を経由してサーバ12及び端末13と通信する。通信部53は、無線通信によりネットワーク14に接続される無線アダプタ等を備える。無線通信は、Wi-Fi(登録商標)等である。
【0031】
人検知センサ54は、部屋21内に人が在室しているか否かを検知する。人検知センサ54は、人により発せられる赤外線を赤外線センサにより検知し、検知した赤外線に基づいて部屋21内に人が在室しているか否かを検知する。人検知センサ54が、他の原理により部屋21内に人が在室しているか否かを検知してもよい。例えば、人検知センサ54が、部屋21内の画像をカメラにより取得し、取得した画像に含まれる人の像を認識し、認識した人の像に基づいて部屋21内に人が在室しているか否かを検知してもよい。
【0032】
温度センサ55は、部屋21内の部屋内温度を検知する。
【0033】
湿度センサ56は、部屋21内の部屋内湿度を検知する。
【0034】
制御部57は、ファームウェア31を実行して空気調和機構51を制御する。例えば、制御部57は、送風部61を制御して、部屋21内に送られる風の風量を送風部61に変更させる。また、制御部57は、風向調整部62を制御して、当該風の風向を風向調整部62に変更させる。また、制御部57は、冷凍サイクル63を制御して、当該風により流される空気の温度を冷凍サイクル63に変更させる。制御部57は、検知された部屋内温度を設定温度に近づける制御を空気調和機構51に対して行う。制御部57は、プロセッサにより構成される。プロセッサは、中央処理装置(CPU)等である。制御部57の一部が専用回路により構成されてもよい。
【0035】
制御部57は、更新データ41にしたがってファームウェア31を更新する。制御部57は、例えば、記憶部52に記憶されたファームウェア31を消去し、新たなファームウェア31を記憶部52に書き込むことにより、ファームウェア31を更新する。制御部57は、ファームウェア31を更新している間は、ファームウェア31を実行して空気調和機構51を制御することができない。このため、制御部57がファームウェア31を更新している間は、空気調和機11を運転することができない。
【0036】
制御部57は、保留条件が満たされているか否かを判定することができる。保留条件は、空気調和機11の運転を停止しないタイミングすなわちファームウェア31の更新を保留するタイミングを定義する。保留条件の例は、後述される。
【0037】
制御部57は、通信部53により強制更新指示通知43が受信された場合は、保留条件が満たされているか否かにかかわらず、ファームウェア31を更新する。
【0038】
また、制御部57は、通信部53により更新指示通知44が受信された場合は、保留条件が満たされているか否かを判定する。制御部57は、保留条件が満たされていると判定した場合は、ファームウェア31を更新することを保留し、通信部53に更新保留通知47を端末13へ送信させる。これにより、ファームウェア31を更新するために望ましくないタイミングに空気調和機11の運転が停止されることを抑制することができる。一方、制御部57は、保留条件が満たされていないと判定した場合は、通信部53に更新開始通知46を端末13へ送信させ、ファームウェア31を更新する。更新保留通知47は、前述したように、ファームウェア31を更新することを保留していることを端末13に報知させる通知であるが、ファームウェア31を更新するタイミングを端末13に報知させる通知であってもよい。ファームウェア31を更新するタイミングは、ファームウェア31の更新の保留を解除するタイミングであり、保留条件が満たされなくなるタイミングである。
【0039】
また、制御部57は、通信部53により更新保留指示通知45が受信された場合は、ファームウェア31を更新することを保留する。
【0040】
1.3 サーバ
図3は、第1実施形態の空気調和システムに備えられるサーバのブロック図である。
【0041】
サーバ12は、コンピュータ等である。
【0042】
図3に図示されるように、サーバ12は、プロセッサ71、メモリ72、ストレージ73及び通信部74を備える。ストレージ73は、プログラム81を記憶し、更新データ41を記憶することができる。
【0043】
プロセッサ71は、CPU、グラフィック処理装置(GPU)等である。メモリ72は、RAM、ROM等である。ストレージ73は、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)等である。プロセッサ71は、メモリ72にロードされたプログラム81を実行して、コンピュータ等を、空気調和システム1を構成するサーバ12として動作させる。プロセッサ71により実行される処理の一部が専用回路により実行されてもよい。
【0044】
通信部74は、空気調和機11及び端末13と通信を行う。
【0045】
1.4 端末
図4は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末のブロック図である。
【0046】
端末13は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、フィーチャーフォン等である。
【0047】
図4に図示されるように、端末13は、プロセッサ91、メモリ92、ストレージ93、通信部94、報知部95及び操作部96を備える。ストレージ93は、プログラム101を記憶する。
【0048】
プロセッサ91は、CPU、GPU等である。メモリ92は、RAM、ROM等である。ストレージ93は、SSD、HDD等である。プロセッサ91は、メモリ92にロードされたプログラム101を実行して、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、フィーチャーフォン等を、空気調和システム1を構成する端末13として動作させる。プロセッサ91により実行される処理の一部が専用回路により実行されてもよい。
【0049】
通信部53は、空気調和機11及びサーバ12と通信を行う。
【0050】
報知部95は、報知を行う。報知部95は、ディスプレイ、ランプ、スピーカ、ブザー、バイブレータ等である。
【0051】
操作部96は、操作を受け付ける。操作部96は、タッチパネル、ボタン、ダイヤル、スライダ、キーボード、マウス、トラックパッド等である。
【0052】
1.5 ファームウェアの更新の流れ
図5及び図6は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
【0053】
空気調和機11は、図5及び図6に示されるステップS101からS114までを実行する。
【0054】
ステップS101においては、制御部57が、更新データ41を利用可能であるか否かを判定する。その際には、制御部57が、通信部53に、利用可否通知要求をサーバ12へ送信させる。送信される利用可否通知要求は、更新データ41を利用可能であるか否かを通知することを求める通知である。また、サーバ12のプロセッサ71が、サーバ12の通信部74により利用可否通知要求が受信されるのに応答して、更新データ41を利用可能であるか否かを判定し、サーバ12の通信部74に、利用可否通知を空気調和機11へ送信させる。送信される利用可否通知は、更新データ41を利用可能であるか否かを知らせる通知である。サーバ12のプロセッサ71は、サーバ12のストレージ73に更新データ41が記憶されている場合は、更新データ41を利用可能であると判定し、サーバ12のストレージ73に更新データ41が記憶されていない場合は、更新データ41を利用可能でないと判定する。また、制御部57が、通信部53により受信された利用可否通知に基づいて、更新データ41を利用可能であるか否かを判定する。更新データ41を利用可能であると判定された場合は、ステップS102が実行される。更新データ41を利用可能でないと判定された場合は、再びステップS101が実行される。
【0055】
ステップS102においては、制御部57が、通信部53に、更新データ41をサーバ12からダウンロードさせ、ダウンロードされた更新データ41を記憶部52に記憶させる。
【0056】
ステップS101及びS102により、制御部57は、更新データ41を利用可能となるまで更新データ41をダウンロードせずに待機し、更新データ41を利用可能となった後に更新データ41をダウンロードする。
【0057】
続くステップS103においては、制御部57が、現在の時刻が更新時間帯に属するか否かを判定する。現在の時刻が更新時間帯に属すると判定された場合は、ステップS104が実行される。現在の時刻が更新時間帯に属さないと判定された場合は、再びステップS103が実行される。更新時間帯は、更新に適した時間帯である。更新時間帯の例は、後述される。
【0058】
ステップS104においては、制御部57が、通信部53に、更新可能通知42を端末13へ送信させる。
【0059】
ステップS103及びS104により、制御部57は、現在の時刻が更新時間帯に属するようになるまで通信部53に更新可能通知42を送信させずに待機し、現在の時刻が更新時間帯に属するようになった後に通信部53に更新可能通知42を送信させる。これにより、制御部57は、更新時間帯に更新可能通知42を通信部53に送信させることができる。
【0060】
端末13のプロセッサ91は、端末13の通信部94により更新可能通知42が受信されるのに応答して、端末13の報知部95に、ファームウェア31を更新することが可能であることを報知させる。報知は、ディスプレイにメッセージ、アイコン等を表示させること、ランプに光を発せさること、スピーカ、ブザー等に音を発せさせること、バイブレータを振動させること等により行われる。
【0061】
また、端末13のプロセッサ91は、ファームウェア31を更新することが可能であることを端末13の報知部95に報知させた後に端末13の操作部96により強制更新指示操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部94に、強制更新指示通知43を空気調和機11へ送信させる。端末13のプロセッサ91は、ファームウェア31を更新することが可能であることを端末13の報知部95に報知させた後に端末13の操作部96により更新指示操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部94に、更新指示通知44を空気調和機11へ送信させる。端末13のプロセッサ91は、ファームウェア31を更新することが可能であることを端末13の報知部95に報知させた後に端末13の操作部96により更新保留指示操作が受け付けられた場合に、端末13の通信部94に、更新保留指示通知45を空気調和機11へ送信させる。
【0062】
続くステップS105においては、制御部57が、通信部53により強制更新指示通知43が受信されたか否かを判定する。強制更新指示通知43が受信されたと判定された場合は、ステップS106が実行される。強制更新指示通知43が受信されていないと判定された場合は、ステップS108が実行される。
【0063】
ステップS106においては、制御部57が、通信部53に、更新開始通知46を端末13へ送信させる。
【0064】
続くステップS107においては、制御部57が、空気調和機構51の制御を一時停止して空気調和機11の運転を一時停止し、記憶された更新データ41にしたがってファームウェア31を更新する。
【0065】
ステップS105からS107までにより、通信部53が強制更新指示通知43を受信した場合は、保留条件が満たされているか否かにかかわらず、ただちに、制御部57が、通信部53に更新開始通知46を送信させ、ファームウェア31を更新する。これにより、保留条件が満たされているか否かにかかわらず、ユーザに意思に沿ってファームウェア31を更新することができる。
【0066】
ステップS108においては、制御部57が、通信部53により更新指示通知44が受信されたか否かを判定する。更新指示通知44が受信されたと判定された場合は、ステップS109が実行される。更新指示通知44が受信されていないと判定された場合は、ステップS113が実行される。
【0067】
ステップS109においては、制御部57が、保留条件が満たされているか否かを判定する。保留条件が満たされていると判定された場合は、ステップS110が実行される。保留条件が満たされていないと判定された場合は、ステップS106が実行される。
【0068】
ステップS110においては、制御部57が、通信部53に、更新保留通知47を端末13へ送信させる。
【0069】
端末13のプロセッサ91は、端末13の通信部94により更新保留通知47が受信されるのに連動して、ファームウェア31を更新することを保留していることを端末13の報知部95に報知させる。報知は、ディスプレイにメッセージ、アイコン等を表示させること、ランプに光を発せさること、スピーカ、ブザー等に音を発せさせること、バイブレータを振動させること等により行われる。
【0070】
続くステップS111においては、制御部57が、保留条件が満たされているか否かを判定する。保留条件が満たされていると判定された場合は、ステップS112が実行される。保留条件が満たされていないと判定された場合は、ステップS106が実行される。
【0071】
ステップS112においては、制御部57が、通信部53により強制更新指示通知43が受信されたか否かを判定する。強制更新指示通知43が受信されたと判定された場合は、ステップS106が実行される。強制更新指示通知43が受信されていないと判定された場合は、ステップS111が実行される。
【0072】
ステップS108からS112までにより、制御部57は、通信部53により更新指示通知44が受信され保留条件が満たされていると判定した場合は、通信部53に更新保留通知47を送信させ、保留条件が満たされなくなったと判定するまで又は通信部53により強制更新指示通知43が受信されるまで、保留条件が満たされているか否かを繰り返し判定する。制御部57は、その間、ファームウェア31を更新することを保留する。また、制御部57は、ファームウェア31を更新することを保留している間に保留条件が満たされなくなったと判定した場合に、又は通信部53により強制更新指示通知43が受信された場合に、通信部53に更新開始通知46を送信させ、ファームウェア31を更新する。
【0073】
ステップS113においては、制御部57が、通信部53により更新保留指示通知45が受信されたか否かを判定する。更新保留指示通知45が受信されたと判定された場合は、ステップS114が実行される。更新保留指示通知45が受信されていないと判定された場合は、ステップS105が実行される。
【0074】
ステップS114においては、制御部57が、現在の時刻が次回の更新時間帯に属するか否かを判定する。現在の時刻が次回の更新時間帯に属すると判定された場合は、ステップS104が実行される。現在の時刻が次回の更新時間帯に属さないと判定された場合は、再びステップS114が実行される。
【0075】
ステップS114により、制御部57は、現在の時刻が次回の更新時間帯に属するようになるまで通信部53に更新可能通知42を送信させずに待機し、現在の時刻が次回の更新時間帯に属するようになった後に通信部53に更新可能通知42を送信させる。これにより、通信部53が更新保留指示通知45を受信して制御部57がファームウェア31を更新することを保留した場合でも、次回の更新時間帯に通信部53が再び更新可能通知42を送信することができ、端末13に強制更新指示通知43、更新指示通知44又は更新保留指示通知45を送信する機会を与えることができる。
【0076】
ステップS105,S108及びS113により、制御部57は、通信部53により強制更新指示通知43、更新指示通知44又は更新保留指示通知45が受信されるまでは待機し、強制更新指示通知43、更新指示通知44又は更新保留指示通知45が受信された後に受信された通知に応じた処理を行う。
【0077】
1.6 保留条件の例
前述したように、保留条件は、空気調和機11の運転を停止しないタイミングすなわちファームウェア31の更新を保留するタイミングを定義する。
【0078】
保留条件の第1の例は、人検知センサ54により部屋21内に人が在室していることが検知されているという条件である。これにより、部屋21内に人が在室している時にファームウェア31が更新されて空気調和機11の運転が停止されることを抑制することができる。これにより、部屋21内に人が在室している時に空気調和機11の運転が停止されて部屋21内が快適でない状態になることを抑制することができる。
【0079】
保留条件の第2の例は、温度センサ55により検知される部屋内温度が基準より高いという条件、湿度センサ56により検知される部屋内湿度が基準より高いという条件、当該部屋内温度が基準より低いという条件、当該部屋内湿度が基準より低いという条件等である。これにより、部屋21内が快適でない状態である時に空気調和機11の運転が停止されて部屋21内が快適でない状態のままになることを抑制することができる。
【0080】
保留条件の第3の例は、温度センサ55により検知される部屋内温度と設定温度との差が基準以上であるという条件である。これにより、部屋21内が快適でない状態である時に空気調和機11の運転が停止されて部屋21内が快適でない状態のままになることを抑制することができる。
【0081】
保留条件の第4の例は、温度センサ55により検知される部屋内温度と部屋21外の部屋外温度との差が基準以上であるという条件である。これにより、空気調和機11の運転が停止された場合に部屋21内が快適でない状態になるときに空気調和機11の運転が停止されて部屋21内が快適でない状態になることを抑制することができる。部屋外温度は、部屋21外に設置された温度センサにより検知されてもよいし、ネットワーク14を介して取得されていもよい。
【0082】
保留条件の第5の例は、冷凍サイクル63に備えられるコンプレッサが運転中であるという条件である。これにより、空気調和機11の運転が再開された際にコンプレッサが故障することを抑制することができる。
【0083】
保留条件の第6の例は、通信部53が更新データ41以外の更新データをダウンロードしているという条件である。これにより、更新データ41によるファームウェア31の更新及び更新データ41以外の更新データによるファームウェア31の更新が異なるタイミングで行われて空気調和機11の運転が停止される時間が長くなることを抑制することできる。
【0084】
1.7 更新時間帯
前述したように、制御部57は、現在の時刻が更新時間帯に属するようになった後に、通信部53に更新可能通知42を送信させ、ファームウェア31を更新する。
【0085】
更新時間帯の第1の例は、部屋21内に人が在室していない時間帯又は部屋21内に人が在室していないと推定された時間帯である。前者の時間帯は、例えば、人検知センサ54により部屋21内に人が在室していないことが検知された時間帯である。後者の時間帯は、例えば、記憶部52又はサーバ12に記憶された、人検知センサ54により部屋21内に人が在室していないことが検知された過去の時間帯から推定される。
【0086】
更新時間帯の第2の例は、部屋21に応じた時間帯である。当該時間帯は、例えば、部屋21に応じて変化する、空気調和機11が運転されないと推定される時間帯である。例えば、部屋21が寝室である場合は、空気調和機11が運転されないと推定される時間帯は、昼間の時間帯である。部屋21がリビングである場合は、空気調和機11が運転されないと推定される時間帯は、平日の昼間の時間帯である。更新時間帯が部屋21に応じた時間帯である場合は、端末13のプロセッサ91は、端末13の操作部96により受け付けられた操作にしたがって寝室、リビング等の部屋21の種別を設定し、端末13の通信部94に、設定した部屋21の種別を空気調和機11へ送信させる。制御部57は、通信部53により受信された部屋21の種別にしたがって更新時間帯を決定し、決定した時間帯を記憶部52に記憶させる。
【0087】
更新時間帯の第3の例は、空気調和機11が運転されないと推定された時間帯である。当該時間帯は、例えば、記憶部52又はサーバ12に記憶された、空気調和機11が運転されなかった過去の時間帯から推定される。
【0088】
1.8 更新保留通知
前述したように、端末13のプロセッサ91は、端末13の通信部94により更新保留通知47が受信されるのに連動して、ファームウェア31を更新することを保留していることを端末13の報知部95に報知させる。これにより、ユーザは、更新指示操作を端末13に対して行ったにもかかわらずファームウェア31の更新が開始されない理由を認識することができる。これにより、ユーザを当惑させることを抑制することができる。
【0089】
報知は、ファームウェア31を更新することを保留していることを伝えるメッセージをディスプレイに表示させること等により行われる。表示されるメッセージは、「更新保留中」、「更新待機中」、「現在は更新することができません。」、「空気調和機の判断にしたがって更新を開始します。」等のメッセージである。
【0090】
表示されるメッセージが、ファームウェア31を更新することを保留している理由すなわち満たされている保留条件を伝えてもよい。例えば、表示されるメッセージが、「現在は部屋内に人が在室しているため更新することができません。」、「現在は部屋内温度が高いため更新することができません。」、「現在は部屋内温度と設定温度との差が大きいため更新することができません。」、「現在は部屋内温度と部屋外温度との差が大きいため更新することができません。」等のメッセージであってもよい。
【0091】
表示されるメッセージが、ユーザに推奨する事項を伝えてもよい。例えば、表示されるメッセージが、「現在は部屋内に人が在室しているため更新することができません。10分後にご確認ください。」等のメッセージであってもよい。
【0092】
表示されるメッセージが、ファームウェア31が更新されるタイミングを伝えてもよい。例えば、表示されるメッセージが、「現在は部屋内に人が在室しているため更新することができません。部屋内に人が在室しなくなった後に更新します。」、「現在は部屋内温度が高いため更新することができません。部屋内温度が低くなった後に更新します。」、「現在は部屋内温度と設定温度との差が大きいため更新することができません。差が小さくなった後に更新します。」、「現在は部屋内温度と部屋外温度との差が大きいため更新することができません。差が小さくなった後に更新します。」等のメッセージであってもよい。これにより、ユーザは、ファームウェア31の更新が開始されるタイミングを認識することができる。これにより、ユーザを当惑させることを抑制することができる。
【0093】
表示されるメッセージが、保留条件が満たされなくなった後にファームウェア31を更新するか否かを質問してもよい。例えば、表示されるメッセージが、「現在は部屋内に人が在室しているため更新することができません。部屋内に人が在室しなくなった後に更新してもよろしいですか?」、「現在は部屋内温度が高いため更新することができません。部屋内温度が低くなった後に更新してもよろしいですか?」、「現在は部屋内温度と設定温度との差が大きいため更新することができません。差が小さくなった後に更新してもよろしいですか?」、「現在は部屋内温度と部屋外温度との差が大きいため更新することができません。差が小さくなった後に更新してもよろしいですか?」等のメッセージであってもよい。端末13のプロセッサ91は、保留条件が満たされなくなった後にファームウェア31を更新することを指示する操作が端末13の操作部96により受け付けられた場合に、端末13の通信部94に、当該操作が行われたことを示す通知を空気調和機11へ送信させる。制御部57は、通信部53により当該通知が受信された場合に、保留条件が満たされなくなった後にファームウェア31を更新する。一方、端末13のプロセッサ91は、当該操作が端末13の操作部96により受け付けられなかった場合に、再度通知を行うタイミングを伝えるメッセージをディスプレイに表示させる。表示されるメッセージは、例えば、「10分後に再度通知いたします」等のメッセージである。
【0094】
表示されるメッセージが、保留条件が満たされているにもかかわらずファームウェア31を直ちに更新することを指示するか否かを質問してもよい。例えば、表示されるメッセージが、「現在は部屋内に人が在室しています。直ちに更新しますか?」、「現在は部屋内温度が高いです。直ちに更新しますか?」、「現在は部屋内温度と設定温度との差が大きいです。直ちに更新しますか?」、「現在は部屋内温度と部屋外温度との差が大きいです。直ちに更新しますか?」、「現在は空気調和機が運転されています。運転を停止して直ちに更新しますか?」等のメッセージであってもよい。端末13のプロセッサ91は、保留条件が満たされているにもかかわらず強制更新指示操作が端末13の操作部96により受け付けられた場合に、端末13の通信部94に、強制更新指示通知43を空気調和機11へ送信させる。制御部57は、通信部53により強制更新指示通知43が受信された場合に、直ちにファームウェア31を更新する。一方、制御部57は、通信部53により強制更新指示通知43が受信されなかった場合に、保留条件が満たされた後にファームウェア31を更新する。
【0095】
1.9 ファームウェアの更新が保留される場合に空気調和機及び端末が行う処理
図7は、第1実施形態の空気調和システムにおいてファームウェアを更新することが保留される場合に空気調和機及び端末が行う処理を示すシーケンス図である。
【0096】
図7に示されるように、空気調和機11は、更新データ41をダウンロードした後に現在の時刻が更新時間帯に属するようになった場合に、更新可能通知42を端末13へ送信する。
【0097】
端末13は、更新可能通知42を受信した後に更新指示操作を受け付けた場合に、更新指示通知44を空気調和機11へ送信する。
【0098】
空気調和機11は、更新指示通知44を受信した場合に、保留条件が満たされていないと判定することできるようになるまで、保留条件が満たされているか否かを繰り返し判定する。端末13は、保留条件が満たされているか否かを繰り返し判定されている間、「更新保留中」等のメッセージを表示する。
【0099】
空気調和機11は、保留条件が満たされていないと判定することできるようになった後に、更新開始通知46を端末13へ送信し、ファームウェア31を更新する。端末13は、ファームウェア31が更新されている間、「更新中」等のメッセージを表示する。
【0100】
1.10 変形例
制御部57が、ステップS103において現在の時刻が更新時間帯に属さないと判定した場合に、更新時間帯にファームウェア31を更新することの提案を端末13に報知させる通知を通信部53に送信させてもよい。例えば、更新時間帯が部屋21に応じた時間帯であり、部屋21が寝室である場合は、「昼の12時にファームウェアを更新しますがよろしいですか?」等のメッセージを端末13に表示させる通知を通信部53に送信させてもよい。また、更新時間帯が部屋21に応じた時間帯であり、部屋21がリビングである場合は、「水曜日の12時にファームウェアを更新しますがよろしいですか?」等のメッセージを端末13に表示させる通知を通信部53に送信させてもよい。
【0101】
制御部57が、ステップS103において現在の日付が更新期間に属するか否かを判定し、現在の日付が更新期間に属する場合にステップS104が実行され、現在の日付が更新期間に属しない場合に再びステップS103が実行されてもよい。更新期間は、更新に適した期間である。更新期間の例は、空気調和機11の運転が長期間に渡って行われないと推定される期間である。当該期間は、例えば、記憶部52又はサーバ12に記憶された、空気調和機11の運転が行われなかった過去の期間から推定される。
【0102】
制御部57が、ファームウェア31の更新の重要度が低く、当該更新を遅らせることが許容される場合に、空気調和機11の運転を行う機会が減少するシーズンオフにファームウェア31を更新することの提案及びシーズンオフにファームウェア31を更新することの予約の受け付けを端末13に報知させる通知を通信部53に送信させてもよい。例えば、制御部57が、夏が終わって部屋外温度が徐々に低下して部屋外温度が設定された温度範囲内となる季節にファームウェア31を更新することの提案及び当該季節にファームウェア31を更新することの予約の受け付けを端末13に報知させる通知を通信部53に送信させてもよい。
【0103】
制御部57が、ステップS107においてファームウェア31を更新する前にステップS106において更新開始通知46を通信部53に送信させることに代えて、ステップS107においてファームウェア31を更新した後に更新終了通知を通信部53に送信させてもよい。更新終了通知は、ファームウェア31の更新を終了したことを端末13に報知させる通知である。
【0104】
制御部57が、ファームウェア31の更新の重要度に応じて、ファームウェア31を更新することができることの報知の方法を変更してもよい。例えば、ファームウェア31の更新がセキュリティの向上のための更新である場合の報知の方法、ファームウェア31の更新が不具合を修正するための更新である場合の報知の方法、及びファームウェア31の更新が新機能を追加するための更新である場合の報知の方法が互いに異なってもよい。ファームウェア31の更新が高い重要度を有する更新である場合は、メッセージを含むウインドウがディスプレイにポップアップされる一方で、ファームウェア31の更新が高い重要度を有しない更新である場合は、ユーザが更新の有無を能動的に確認しない限り更新の有無を確認することができないようにされてもよい。
【0105】
制御部57が、通信部53により更新データ41がダウンロードされた後にダウンロードされた更新データ41の重要度より高い重要度を有する新たな更新データが利用可能になったと判定した場合に、ダウンロードされた更新データ41を消去して新たな更新データを通信部53にダウンロードさせてもよい。
【0106】
制御部57が、更新するファームウェアに応じて、ファームウェア31を更新することができることの報知の方法を変更してもよい。例えば、ファームウェア31として室内機用のファームウェア、室外機用のファームウェア及び無線アダプタ用のファームウェアが存在する場合は、室内機用のファームウェアが更新される場合の報知の方法、室外機用のファームウェアが更新される場合の報知の方法、及び無線アダプタ用のファームウェアが更新される場合の報知の方法が互いに異なってもよい。室内機用のファームウェアが更新される場合にディスプレイにポップアップされるウインドウに含まれるメッセージの内容、室外機用のファームウェアが更新される場合にディスプレイにポップアップされるウインドウに含まれるメッセージの内容、及び無線アダプタ用のファームウェアが更新される場合にポップアップされるウインドウに含まれるメッセージの内容が互いに異なってもよい。室内機用のファームウェア又は室外機用のファームウェアが更新される場合にディスプレイにメッセージを含むウインドウがポップアップされ、無線アダプタ用のファームウェアが更新される場合にディスプレイにメッセージを含むウインドウがポップアップされないようにされてもよい。これにより、室内機用のファームウェア又は室外機用のファームウェアが更新される場合には空気調和機11の運転を停止しなければならないが、無線アダプタ用のファームウェアが更新される場合に空気調和機の運転を停止しなくてもよいという事情が存在する場合に当該事情に適した報知を行うことができる。
【0107】
制御部57が、新機能を追加するための更新に先立って行わなければならない既存の更新が完了していない場合に、通信部53に、既存の更新を行うことを促す報知を端末13に行わせる通知を通信部53に送信させてもよい。
【0108】
プログラム101がネイティブアプリである場合に、新機能を追加するための更新のためのインターフェースがプログラム101に実装され、当該更新が行われた際にウエブアプリのユーザインターフェースを変更する更新が行われてもよい。これにより、ネイティブアプリの提供元にかかる負荷を抑制することができる。
【0109】
2 第2実施形態
以下では、第2実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第2実施形態においても採用される。
【0110】
図8は、第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機により行われるファームウェアの更新の流れを示すフローチャートである。
【0111】
第2実施形態においては、空気調和機11は、図8に示されるステップS201及びS202を実行する。
【0112】
ステップS106に続くステップS201においては、制御部57が、設定温度を第1の温度T1から第2の温度T2に変更する。
【0113】
続くステップS107においては、制御部57が、空気調和機構51の制御を一時停止して空気調和機11の運転を一時停止し、更新データ41にしたがってファームウェア31を更新する。
【0114】
続くステップS202においては、制御部57が、設定温度を第2の温度T2から第1の温度T1に戻す。
【0115】
空気調和機構51が冷房を行って空気を冷やす場合は、第2の温度T2は、第1の温度T1より低い温度である。この場合は、制御部57は、設定温度を第1の温度T1から第2の温度T2に下げた後にファームウェア31を更新し、ファームウェア31を更新した後に設定温度を第2の温度T2から第1の温度T1に戻す。これにより、空気調和機11の運転が一時停止される前に部屋21内が予冷される。これにより、空気調和機11の運転が一時停止されている間に部屋内温度が元々の設定温度である第1の温度T1より高くなることを抑制することができる。これにより、ファームウェア31が更新される際に部屋21内が快適でない状態になることを抑制することができる。
【0116】
図9は、第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機が冷房を行っている間にファームウェアが更新される場合の部屋内温度の時間変化を示すグラフである。
【0117】
図9に示されるように、制御部57は、設定温度を第1の温度T1から第2の温度T2に変更する前の第1の期間P1においては、部屋内温度が第1の温度T1に近づくように空気調和機構51を制御する。このため、部屋内温度が第1の温度T1の付近に維持される。第1の期間P1においては、空気調和機11の運転は行われている。
【0118】
制御部57は、設定温度を第1の温度T1から第2の温度T2に変更した後であって空気調和機11の運転が停止される前の第2の期間P2においては、部屋内温度が第1の温度T1より低い第2の温度T2に近づくように空気調和機構51を制御する。このため、部屋内温度が第1の温度T1の付近から低下する。第2の期間P2においては、空気調和機11の運転は行われている。空気調和機11の運転が停止されるタイミングは、部屋内温度が第1の温度T1より所定温度低い第3の温度T3となったタイミングである。
【0119】
空気調和機11の運転が停止された後であって空気調和機11の運転が再開される前の第3の期間P3においては、空気調和機構51の運転は停止されている。このため、部屋内温度が第3の温度T3から上昇する。第3の期間P3の長さは、例えば、3分である。
【0120】
制御部57は、空気調和機11の運転が再開された後の第4の期間P4においては、部屋内温度が第1の温度T1に近づくように空気調和機構51を制御する。このため、部屋内温度が第1の温度T1の付近に維持される。第4の期間P4においては、空気調和機11の運転は行われている。
【0121】
第2の温度T2は、第3の期間P3において部屋内温度が第1の温度T1以下に維持されるように設定される。そのために、記憶部52には、空気調和機11の運転の状況と、第3の期間P3の長さと同じ長さを有する期間における部屋内温度の上昇量と、が互いに対応付けられて記憶される。運転の状況は、部屋外温度、空気調和機11の運転が停止される前の運転モード、部屋内温度、部屋21内に在室する人の数等を含む。制御部57は、現在の空気調和機11の運転の状況に対応付けられた部屋内温度の上昇量だけ第1の温度T1より低い温度を第2の温度T2にする。例えば、制御部57は、現在の空気調和機11の運転の状況に対応付けられた部屋内温度の上昇量が1℃である場合は、第1の温度T1より1℃低い温度を第2の温度T2にする。
【0122】
空気調和機構51が暖房を行って空気を温める場合は、第2の温度T2は、第1の温度T1より高い温度である。この場合は、制御部57は、設定温度を第1の温度T1から第2の温度T2に上げた後にファームウェア31を更新し、ファームウェア31を更新した後に設定温度を第2の温度T2から第1の温度T1に戻す。これにより、空気調和機11の運転が一時停止される前に部屋21内が予熱される。これにより、空気調和機11の運転が停止されている間に部屋内温度が元々の設定温度である第1の温度T1より低くなることを抑制することができる。これにより、ファームウェア31が更新される際に部屋21内が快適でない状態になることを抑制することができる。
【0123】
図10は、第2実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機が暖房を行っている間にファームウェアが更新される場合の部屋内温度の時間変化を示すグラフである。
【0124】
空気調和機11が冷房を行う場合と異なる点のみを説明すると、図10に示されるように、制御部57は、第2の期間P2においては、部屋内温度が第1の温度T1より高い第2の温度T2に近づくように空気調和機構51を制御する。このため、部屋内温度が第1の温度T1の付近から上昇する。空気調和機11の運転が停止されるタイミングは、部屋内温度が第1の温度T1より所定温度高い第3の温度T3となったタイミングである。
【0125】
空気調和機11の運転が停止された後であって空気調和機11の運転が再開される前の第3の期間P3においては、部屋内温度が第3の温度T3から低下する。
【0126】
第2の温度T2は、第3の期間P3において部屋内温度が第1の温度T1以上に維持されるように設定される。そのために、記憶部52には、空気調和機11の運転の状況と第3の期間P3の長さと同じ長さを有する期間における部屋内温度の低下量とが対応付けられて記憶される。制御部57は、現在の空気調和機11の運転の状況に対応付けられた部屋内温度の低下量だけ第1の温度T1より高い温度を第2の温度T2にする。例えば、制御部57は、現在の空気調和機11の運転の状況に対応付けられた部屋内温度の低下量が1℃である場合は、第1の温度T1より1℃高い温度を第2の温度T2にする。
【0127】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 空気調和システム、11 空気調和機、12 サーバ、13 端末、14 ネットワーク、21 部屋、31 ファームウェア、41 更新データ、42 更新可能通知、43 強制更新指示通知、44 更新指示通知、45 更新保留指示通知、46 更新開始通知、47 更新保留通知、51 空気調和機構、52 記憶部、53 通信部、54 人検知センサ、55 温度センサ、56 湿度センサ、57 制御部、61 送風部、62 風向調整部、63 冷凍サイクル、71 プロセッサ、72 メモリ、73 ストレージ、74 通信部、81 プログラム、91 プロセッサ、92 メモリ、93 ストレージ、94 通信部、95 報知部、96 操作部、101 プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10