IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-送風装置 図1
  • 特開-送風装置 図2
  • 特開-送風装置 図3
  • 特開-送風装置 図4
  • 特開-送風装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172412
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/83 20150101AFI20231129BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20231129BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20231129BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20231129BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20231129BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231129BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20231129BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20231129BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231129BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231129BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20231129BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231129BHJP
【FI】
F21V29/83
F24F8/30
F24F7/007 101
F24F7/003 100
F24F7/007 B
F21V29/67 200
F21V29/503
F21V29/76
F21V33/00 470
F21V23/00 117
F21S8/04 110
A61L9/22
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084188
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】下間 裕太
【テーマコード(参考)】
3K014
3L056
4C180
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3L056BG02
3L056BG07
4C180AA07
4C180CA10
4C180HH05
4C180HH19
4C180KK03
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】吹出口から吹き出される空気の温度を調整可能な送風装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る送風装置は、吸込口、吹出口、及び前記吸込口と前記吹出口とを連通する送風路を有する筐体と、前記吸込口から前記吹出口に向けて気流を生成するファンと、前記筐体に設けられる発光部と、前記発光部で発生した熱を放熱する放熱部材と、前記送風路に設けられ、前記送風路に流れる空気の流路を第1状態と第2状態とに切り替える切替機構と、を備え、前記送風路は、第1通気室と、前記放熱部材が配置される第2通気室と、を含み、前記第1状態は、前記吸込口から前記第1通気室のみを通過して前記吹出口に空気が流れる状態であり、前記第2状態は、前記吸込口から前記第2通気室の少なくとも一部を通過して前記吹出口に空気が流れる状態である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口、吹出口、及び前記吸込口と前記吹出口とを連通する送風路を有する筐体と、
前記吸込口から前記吹出口に向けて気流を生成するファンと、
前記筐体に設けられる発光部と、
前記発光部で発生した熱を放熱する放熱部材と、
前記送風路に設けられ、前記送風路に流れる空気の流路を第1状態と第2状態とに切り替える切替機構と、を備え、
前記送風路は、第1通気室と、前記放熱部材が配置される第2通気室と、を含み、
前記第1状態は、前記吸込口から前記第1通気室のみを通過して前記吹出口に空気が流れる状態であり、
前記第2状態は、前記吸込口から前記第2通気室の少なくとも一部を通過して前記吹出口に空気が流れる状態である、送風装置。
【請求項2】
それぞれが前記放熱部材である複数の放熱部材をさらに備え、
前記送風路は、前記各放熱部材の上流側に設けられ、前記第1通気室と前記第2通気室とを連通する複数の連通部を含み、
前記切替機構は、前記複数の連通部にそれぞれ設けられる複数のダンパを含む、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記送風路を流れる空気の温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部の検知結果に基づいて、前記第1状態または前記第2状態となるように前記切替機構を制御する制御部とを、さらに備える、請求項1に記載の送風装置。
【請求項4】
前記送風路を流れる空気の温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部の検知結果に基づいて、前記第1状態または前記第2状態となるように前記複数のダンパの動作を制御する制御部とを、さらに備え、
前記第1状態とは、前記複数の連通部のうち、何れの連通部からも前記第2通気室に空気を取り入れない状態であり、
前記第2状態とは、前記複数の連通部のうち、何れかの連通部から前記第2通気室に空気を取り入れる状態である、請求項2に記載の送風装置。
【請求項5】
前記放熱部材は、前記第2通気室において、空気の流れる方向に沿って延びるフィンを有する、請求項1または請求項2に記載の送風装置。
【請求項6】
前記送風路における前記ファンよりも下流側に設けられ、イオンを発生するイオン発生装置をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、イオンを発生するイオン発生装置およびファンを有し、吸込んだ空気にイオンを含めて上側から吹き出すエンジン部と、エンジン部をぶら下がった状態で保持する通気性および透光性を有する外郭と、照明装置と、を備え、ファンの駆動によって外郭内に生じる風の流れの中に照明装置が配されることで、ファンによる送風を利用して照明装置の冷却を図ることができるイオン発生機が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、LEDチューブライトと、LEDチューブライトを保持する装置本体と、装置本体とLEDチューブライトとの間に設置され、LEDチューブライトから発射された光を反射する反射板と、装置本体が反射板によって覆われることで形成される内部空間に設置される空気殺菌ユニットと、を有し、反射板のLEDチューブライトと対向する位置に、内部空間に空気を取り入れる空気吸込口が設けられることで、内部空間に導入される外部空気が、LEDチューブライトの周囲を通過し、LEDチューブライトの熱が効率よく空気に伝導されることによって、LEDチューブライトの冷却を図ることができるファン付除菌照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-70540号公報
【特許文献2】特開2010-282791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のイオン発生機やファン付除菌照明装置等の送風装置において、吹出口から吹き出される空気は、発光部を冷却することによって温度が上昇しているため、送風装置が設置される空間内の温度によっては、ユーザに不快感を与える場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、例えば、吹出口から吹き出される空気の温度を調整可能な送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る送風装置は、吸込口、吹出口、及び前記吸込口と前記吹出口とを連通する送風路を有する筐体と、前記吸込口から前記吹出口に向けて気流を生成するファンと、前記筐体に設けられる発光部と、前記発光部で発生した熱を放熱する放熱部材と、前記送風路に設けられ、前記送風路に流れる空気の流路を第1状態と第2状態とに切り替える切替機構と、を備え、前記送風路は、第1通気室と、前記放熱部材が配置される第2通気室と、を含み、前記第1状態は、前記吸込口から前記第1通気室のみを通過して前記吹出口に空気が流れる状態であり、前記第2状態は、前記吸込口から前記第2通気室の少なくとも一部を通過して前記吹出口に空気が流れる状態である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】送風装置を示す斜視図である。
図2】送風装置の概略側面断面図である。
図3】送風装置の概略側面断面図である。
図4】送風装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】送風装置の制御部による温度調整処理に係る制御フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付することにより重複する説明は省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する場合がある。さらに、かかる実施の形態に示す構成要素の形態はあくまでも例示であって、これらの形態に限定されるものではない。
【0010】
図1から図3までを参照して、送風装置100について説明する。以下では、送風装置100が取り付けられる天井面側を上側とし、その反対側を下側とし、後述の筐体110の長手方向を左右方向と規定して説明する。図1は、送風装置100を示す斜視図である。図2は、送風装置100の概略側面断面図である。図2は、送風装置100の前後方向に対し垂直な断面図である。図3は、送風装置100の概略側面断面図である。図3は、送風装置100の左右方向に対し垂直な断面図である。
【0011】
図1から図3までに示すように、送風装置100は、筐体110と、発光部120と、放熱部材130と、送風路140と、温度検知部150と、ファン160と、イオン発生装置170と、を有する。
【0012】
筐体110は、各種の構造物を収容する。筐体110は、例えば、長尺の略箱状に形成される。本実施形態では、筐体110は、左右方向に延びるように形成される。
【0013】
筐体110は、室内の天井面に取り付けられ、電源回路(図示せず)を収容する電源ケース111と、電源ケース111に係止され、発光部120を収容する照明ケース112と、を有する。
【0014】
電源ケース111は、主として、筐体110の外装をなす。電源ケース111は、例えば、下方に向けて開口する長尺の容器状に形成される。電源ケース111は、上面111aと、4つの側面111bと、を有する。上面111aには、室内の天井面に取り付けるための取付部(図示せず)が設けられる。電源ケース111の内部には、適宜の箇所に、電源回路(図示せず)が設けられる。
【0015】
照明ケース112は、例えば、長尺の箱状に形成される。照明ケース112は、本体部112aと、本体部112aに取り付けられ、発光部120から照射される光を拡散する拡散板112bと、を有する。
【0016】
本体部112aは、下方に向けて開口する長尺の略容器状に形成される。本体部112aの上面には、発光部120が取り付けられる。本体部112aの上面は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性の高い部材によって形成される。本体部112aの右側面は、後述の第1通気室142と第2通気室143とを区画するために、本体部112aの上面よりも上方に突出している。拡散板112bは、本体部112aの開口を塞ぐように設けられる。拡散板112bは、例えば、乳白色のポリカーボネート樹脂である。
【0017】
照明ケース112は、拡散板112bが筐体110の底面として外部に露出するように、電源ケース111の内部に係止される。照明ケース112は、電源ケース111の内部において、電源ケース111の左右の側面111bのそれぞれに対して所定の間隔をあけて配置される。また、照明ケース112は、電源ケース111の内部において、電源ケース111の上面111aに対して所定の間隔を空けて配置される。照明ケース112は、電源ケース111の内部において、電源ケース111の前後の側面111bのそれぞれに対して略密着して配置される。
【0018】
発光部120は、複数の基板121と、複数の光源122と、を備える。複数の基板121(本実施形態では、3つの基板121)は、本体部112aの上面のうち、拡散板112bに面する側に、左右方向に沿って並べて配置される。各基板121には、光源122が設けられる。各光源122は、例えば、LED素子である。
【0019】
本体部112aの上面のうち、電源ケース111に面する側には、発光部120で発生した熱を放熱する放熱部材130が設けられる。放熱部材130は、本体部112aの上面を間に挟んで、各基板121(各光源122)と対向する位置に設けられる。すなわち、本実施形態では、本体部112aの上面には、3つの放熱部材130が並べて配置される。各放熱部材130は、同一の部材であるが、説明の便宜上、空気の流れる方向の下流側から上流側に向かって順に、第1放熱部材130a、第2放熱部材130b、第3放熱部材130cと規定して説明する。
【0020】
図2及び図3に示すように、放熱部材130は、基部131と、基部131から上方に延びる複数のフィン132と、を有する。放熱部材130は、熱伝導性の高い部材で形成される。基部131は、本体部112aの上面に接触する部分である。基部131は、例えば、平面視において略矩形状に形成される。複数のフィン132は、前後方向に互いに間隔をあけて並べて配置される。複数のフィン132は、後述の第2通気室143において、空気の流れる方向(本実施形態では、左右方向)に延びるように形成される。放熱部材130は、複数のフィン132が空気の流れる方向に延びるように形成されることで、空気が流れる際の抵抗が大きくなることを抑制しながら、フィン132の表面積を大きくすることができる。ゆえに、後述の第2通気室143に流れる空気の熱交換効率を向上させることができる。
【0021】
以上の構成において、筐体110は、電源ケース111と照明ケース112との間に形成される送風路140を有する。送風路140は、筐体110の長手方向における一方の端部(本実施形態では、右端部)において、電源ケース111と照明ケース112との間に形成される吸込口113と、筐体110の長手方向における他方の端部(本実施形態では、左端部)において、電源ケース111と照明ケース112との間に形成される吹出口114と、を連通する。
【0022】
送風路140は、吸込側の通路141と、第1通気室142と、第2通気室143と、吹出側の通路144と、を備える。
【0023】
吸込側の通路141は、吸込口113と、第1通気室142の上流側とを接続する通路である。本実施形態では、吸込側の通路141は、例えば、吸込口113から上側に延びる通路である。吸込側の通路141には、通過する空気の温度を検知する温度検知部150が設けられる。温度検知部150は、例えば、温度センサである。
【0024】
また、吹出側の通路144は、吹出口114と、第1通気室142の下流側とを接続する通路である。本実施形態では、吹出側の通路144は、例えば、吹出口114から上側に延びる通路である。吹出側の通路144には、吸込口113から吹出口114に向けて気流を生成するファン160が設けられる。ファン160は、モータ160a(図4参照)と接続されることで、回転可能に構成される。
【0025】
吹出側の通路144には、ファン160よりも下流側に、イオン発生装置170が設けられる。イオン発生装置170は、例えば、針状の放電電極が吹出側の通路144内に露出するように配置され、高圧電圧を印加することによってイオンを発生させる。イオン発生装置170により生成されるイオンは、ファン160による空気の流れにのって、吹出口114から外部へ吹き出される。
【0026】
第1通気室142は、放熱部材130を収容しない。第1通気室142は、吸込側の通路141と、吹出側の通路144とに接続される。本実施形態では、第1通気室142は、左右方向に延びている。
【0027】
第2通気室143は、放熱部材130を収容する。本実施形態では、第2通気室143は、左右方向に延び、かつ第1通気室142の下側に隣接して設けられる。第2通気室143の上流側は、後述の連通部146を介して第1通気室142と連通可能である。第2通気室143の下流側の端部は、吹出側の通路144に接続されている。
【0028】
本実施形態では、電源ケース111の上面111aと、照明ケース112の上面とにより囲まれる空間には、左右方向に沿って延びる仕切り壁145が設けられる。仕切り壁145によって、当該空間が第1通気室142と第2通気室143とに区画される。
【0029】
送風路140は、第1通気室142と第2通気室143とを連通する複数の連通部146を有する。本実施形態では、各連通部146は、第1通気室142と第2通気室143とを仕切る仕切り壁145に形成される開口部である。連通部146は、第1通気室142から第2通気室143に空気を取り入れるための開口部である。複数の連通部146は、それぞれ複数の放熱部材130の上流側に設けられる。本実施形態では、3つの連通部146は、それぞれ3つの放熱部材130の各々の上流側に設けられる。3つの連通部146は、同一の構成であるが、以下では、説明の便宜上、下流側から上流側に向かって順に、第1連通部146a、第2連通部146b、第3連通部146cと規定して説明する。
【0030】
送風装置100は、送風路140に流れる空気の流路を、第1状態と第2状態とに切り替える切替機構として、複数のダンパを有する。本実施形態では、切替機構は、3つの連通部146のそれぞれに設けられる3つのダンパ180と、第1通気室142において、各連通部146よりも下流側に設けられた1つのダンパ181とを、含む。3つのダンパ180は、同一の構成であるが、以下では、説明の便宜上、下流側から上流側に向かって順に、第1ダンパ180a、第2ダンパ180b、第3ダンパ180cと規定して説明する。
【0031】
ダンパ180は、例えば、平板状の部材である。ダンパ180は、モータ180d(図4参照)に接続されることで、回転可能に構成される。ダンパ180は、連通部146において、第1通気室142と第2通気室143とを連通する状態と、第1通気室142と第2通気室143との連通を遮断する状態と、に回転可能に構成される。
【0032】
ダンパ181は、ダンパ180と同様の構成を有する。ダンパ181は、モータ181a(図4参照)に接続されることで、回転可能に構成される。ダンパ181は、各連通部146よりも下流側において、第1通気室142を開放した状態と、第1通気室142を閉じた状態とに、回転可能に構成される。
【0033】
第1状態とは、吸込口113から第1通気室142のみを通過して吹出口114に空気が流れる状態である。第1通気室142のみを通過するとは、第2通気室143を通過せずに、第1通気室142のみを通過することを指す。
【0034】
第1状態は、複数の連通部146のうち、何れの連通部146からも第2通気室143に空気を取り入れない状態である。すなわち、第1状態では、各ダンパ180は、各連通部146において、第1通気室142と第2通気室143との連通を遮断した状態であり、ダンパ181は、第1通気室142を開放した状態である。第1状態では、送風路140を流れる空気が、放熱部材130を通過しないため、発光部120を冷却することによって空気の温度が上昇することを抑制できる。
【0035】
第2状態とは、吸込口113から第2通気室143の少なくとも一部を通過して吹出口114に空気を取り入れる状態である。
【0036】
本実施形態では、第2状態とは、複数の連通部146のうち、何れかの連通部146から第2通気室143に空気を取り入れる状態である。すなわち、第2状態では、複数のダンパ180のうち、何れかのダンパ180は、第1通気室142と第2通気室143とを連通した状態であり、その他のダンパ180は、第1通気室142と第2通気室143との連通を遮断した状態である。また、第2状態では、ダンパ181は、第1通気室142から吹出側の通路144に空気が流れないように、第1通気室142を閉じた状態である。
【0037】
例えば、第1連通部146aから第2通気室143に空気を取り入れる場合、通過する放熱部材130の数は1つであり、第2連通部146bから第2通気室143に空気を取り入れる場合、通過する放熱部材130の数は2つであり、第3連通部146cから第2通気室143に空気を取り入れる場合、通過する放熱部材130の数は3つである。なお、図2では、第1連通部146aから第2通気室143に空気を取り入れる場合が例示されている。
【0038】
以上のように、第2状態では、例えば、第1連通部146a、第2連通部146b、または第3連通部146cの何れかから、第2通気室143に空気を選択的に取り入れることで、第2通気室143において通過する放熱部材130の数を変更することができるため、空気の温度の上昇度合いを調整することができる。
【0039】
なお、温度検知部150は、吸込側の通路141に設けられているが、これに限らず、吹出側の通路144に設けられてもよい。また、ファン160は、吹出側の通路144に設けられているが、これに限らず、吸込側の通路141に設けられてもよい。また、イオン発生装置170は、吹出側の通路144に設けられているが、これに限らず、ファン160よりも下流側に設けられていればよい。
【0040】
また、第1通気室142と第2通気室143とは、仕切り壁145を介して隣接して設けられているが、これに限らず、第1通気室142と、第2通気室143とが間隔をあけて配置されてもよい。この場合、各連通部146は、第1通気室142と第2通気室143とを接続する通路として構成されればよく、当該通路にダンパが設けられればよい。
【0041】
また、切替機構として、各連通部146に設けられるダンパ180と、各連通部146よりも下流側において、第1通気室142を開閉するダンパ181と、を有しているが、これに限らず、例えば、各連通部146に設けられるダンパ180のみであってもよい。
【0042】
また、切替機構として、ダンパが用いられているが、これに限らず、空気の流路を第1状態と第2状態とに切り替えられればよく、例えば、弁であってもよいし、各連通部146をスライドすることによって開閉するスライド部材であってもよい。
【0043】
図4を用いて、送風装置100のハードウェア構成について説明する。図4は、送風装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0044】
送風装置100は、制御部200、記憶部210、通信部220、リモコン230、発光部120、温度検知部150、モータ160a、イオン発生装置170、3つのモータ180d、モータ181aを含む。
【0045】
制御部200は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)からなる。制御部200は、記憶部210に記憶されるプログラム及びデータを読み出して実行することにより、送風装置100の制御を司る。
【0046】
記憶部210は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であって、制御部200によって実行されるプログラムや、制御部200にて使用される各種パラメータ等を記録する。
【0047】
通信部220は、例えば、リモコン230との間で各種データの無線通信を制御する。
【0048】
リモコン230は、例えば、ファン160のオンオフの切替、ファン160の回転数の変更、イオン発生装置170のオンオフの切替、発光部120のオンオフの切替等を行うための操作装置である。
【0049】
以下では、制御部200による温度調節処理について説明する。
【0050】
制御部200は、例えば、温度情報取得部201と、判定部202と、駆動制御部203と、を有する。
【0051】
温度情報取得部201は、温度検知部150の検知結果(温度情報)を取得する。本実施形態では、温度情報取得部201は、温度検知部150の検知結果を取得しているが、これに限らず、例えば、送風装置100と通信可能に構成された端末等から、室内の温度情報を取得してもよい。
【0052】
判定部202は、温度情報取得部201が取得した温度情報に基づいて、空気の流路を判定する。判定部202は、温度情報に基づいて、送風路140を流れる空気の流路を第1状態とするか第2状態とするかを判定する。本実施形態では、判定部202は、空気の流路を第2状態とする場合、複数の連通部146のうち、何れの連通部146から第2通気室143に空気を取り入れるかを判定する。
【0053】
判定部202は、例えば、温度情報取得部201が取得した温度情報が、互いに異なる複数の温度帯のうち、何れの温度帯に属しているかを判定する。判定部202は、空気の流路として、判定された温度帯に対応付けられた流路を選択する。
【0054】
本実施形態では、記憶部210には、互いに異なる4つの温度帯と、各温度帯に対応付けられた空気の流路と、が予め記憶されているものとする。判定部202は、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、最も温度の高い温度帯に属していると判定した場合、空気の流路として、放熱部材130を通過しない流路を、選択する。判定部202は、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、2番目に高い温度帯に属していると判定した場合、空気の流路として、1つの放熱部材130(第1放熱部材130a)のみを通過する流路を選択する。判定部202は、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、2番目に低い温度帯に属していると判定した場合、空気の流路として、2つの放熱部材130(第1放熱部材130a及び第2放熱部材130b)を通過する流路を選択する。判定部202は、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、最も低い温度帯に属していると判定した場合、空気の流路として、3つの放熱部材130(第1放熱部材130a、第2放熱部材130b、及び第3放熱部材130c)の全てを通過する流路を選択する。
【0055】
駆動制御部203は、判定部202による判定結果に基づいて、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御する。なお、駆動制御部203は、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御しているが、これに加えて、ファン160の回転数を制御してもよい。
【0056】
例えば、判定部202によって、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、最も高い温度帯に属していると判定された場合、駆動制御部203は、複数の連通部146のうち、何れの連通部146からも第2通気室143に空気を取り入れない状態となるように、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御する。
【0057】
また、判定部202によって、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、2番目に高い温度帯に属していると判定された場合、駆動制御部203は、第1連通部146aから第2通気室143に空気を取り入れる状態となるように、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御する。
【0058】
また、判定部202によって、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、2番目に低い温度帯に属していると判定された場合、駆動制御部203は、第2連通部146bから第2通気室143に空気を取り入れる状態となるように、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御する。
【0059】
また、判定部202によって、取得した温度情報が、4つの温度帯のうち、最も低い温度帯に属していると判定された場合、駆動制御部203は、第3連通部146cから第2通気室143に空気を取り入れる状態となるように、複数のダンパ180およびダンパ181の動作を制御する。
【0060】
以上のように、温度情報取得部201が取得した温度情報に基づいて、通過する放熱部材130の数が異なるように、空気の流路を変更することで、室内の温度に応じて、吹出口114から吹き出される空気の温度を調整することができるため、ユーザに不快感を与えることを抑制できる。
【0061】
図5を用いて、送風装置100の制御部200による温度調整処理に係る制御フローの一例について説明する。図5は、送風装置100の制御部200による温度調整処理に係る制御フローの一例である。図5に示すフローが開示されるタイミングにおいて、送風装置100は、ファン160が回転しているものとする。
【0062】
S101において、温度情報取得部201は、温度検知部150の検知結果を取得して、S102に進む。
【0063】
S102において、判定部202は、取得した温度情報がいずれの温度帯に属しているかを判定して、S103に進む。
【0064】
S103において、判定部202の判定結果に基づいて、複数のダンパ180、およびダンパ181の動作を制御して、S101に戻る。
【0065】
なお、上記実施形態では、判定部202の判定結果に基づいて、複数のダンパ180、ダンパ181の動作のみを制御しているが、これに限らず、ファン160の回転数を変更してもよい。例えば、取得した温度情報が、基準となる温度帯よりも高い温度帯に属していると判定された場合、ファン160の回転数を上げ、取得した温度情報が、基準となる温度帯よりも低い温度帯に属していると判定された場合、ファン160の回転数を下げるように、モータ160aを制御してもよい。これにより、温度が高い場合には、送風路140を流れる空気の流速を上げることで、温度が高まることを抑制でき、温度が低い場合には、送風路140を流れる空気の流速を下げることで、温度をより高まるように促すことができる。
【0066】
なお、上記実施形態では、複数の放熱部材130を有する構成であるが、これに限らず、1つの放熱部材130のみを有する構成であってもよい。この場合、1つの放熱部材130の上流側に、1つの連通部146及び1つのダンパ180が設けられていればよい。また、上記実施形態では、各放熱部材130の上流側に、連通部146およびダンパ180が設けられているが、これに限らず、複数の放熱部材130のうち、任意の放熱部材130の上流側にのみ、連通部146およびダンパ180が設けられてもよい。
【0067】
以上の構成において、送風装置100は、吸込口113、吹出口114、及び吸込口113と吹出口114とを連通する送風路140を有する筐体110と、吸込口113から吹出口114に向けて気流を生成するファン160と、筐体110に設けられる発光部120と、発光部120で発生した熱を放熱する放熱部材130と、送風路140に設けられ、送風路140に流れる空気の流路を第1状態と第2状態とに切り替える切替機構と、を備える。送風装置100は、第1通気室142と、放熱部材130が配置される第2通気室143と、を含む。第1状態は、吸込口113から第1通気室142のみを通過して吹出口114に空気が流れる状態であり、第2状態は、吸込口113から第2通気室143の少なくとも一部を通過して吹出口114に空気が流れる状態である。
【0068】
これにより、放熱部材130を通過しない第1状態と、放熱部材130を通過する第2状態とに空気の流路を切り替えることができるため、吹出口114から吹き出される空気の温度を調整することができる。
【0069】
送風装置100は、それぞれが放熱部材130である複数の放熱部材130をさらに備える。送風路140は、各放熱部材130の上流側に設けられ、第1通気室142と第2通気室143とを連通する複数の連通部146を含む。切替機構は、複数の連通部146にそれぞれ設けられる複数のダンパ180を含む。以上の構成において、ダンパ180を用いて、複数の連通部146のうち、何れかの連通部146から第2通気室143に空気を取り入れる構成とすることで、第2通気室143において、通過する放熱部材130の数が異なるように、空気の流路を変更することができるため、吹出口114から吹き出される空気の温度を細かく調整することができる。
【0070】
送風装置100は、送風路140を流れる空気の温度を検知する温度検知部150と、温度検知部150の検知結果に基づいて、第1状態または第2状態となるように切替機構を制御する制御部200とを、さらに備える。これにより、室内の温度に応じて空気の流路を変更することができるため、ユーザに不快感を与えることを防止できる。
【0071】
送風装置100は、送風路140を流れる空気の温度を検知する温度検知部150と、温度検知部150の検知結果に基づいて、第1状態または第2状態となるように複数のダンパ180の動作を制御する制御部200とを、さらに備える。第1状態とは、複数の連通部146のうち、何れの連通部146からも第2通気室143に空気を取り入れない状態であり、第2状態とは、複数の連通部146のうち、何れかの連通部146から第2通気室143に空気を取り入れる状態である。これにより、室内の温度に応じて、通過する放熱部材130の数が異なるように、空気の流路を変更することができるため、ユーザに不快感を与えることを効果的に防止できる。
【0072】
放熱部材130は、第2通気室143において、空気の流れる方向に沿って延びるフィン132を有する。これにより、第2通気室143において、空気の流れる際の抵抗が大きくなることを抑制しながら、フィン132の表面積を大きくすることができる。ゆえに、第2通気室143に流れる空気の熱交換効率を向上させることができる。
【0073】
送風装置100は、送風路140におけるファン160よりも下流側に設けられ、イオンを発生するイオン発生装置170をさらに備える。
【0074】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0075】
100 送風装置、110 筐体、113 吸込口、114 吹出口、120 発光部、130 放熱部材、132 フィン、140 送風路、142 第1通気室、143 第2通気室、146 連通部、150 温度検知部、160 ファン、170 イオン発生装置、180 ダンパ、200 制御部
図1
図2
図3
図4
図5