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特開2023-172456画像形成装置、通信装置、画像形成システム
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  • 特開-画像形成装置、通信装置、画像形成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172456
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、通信装置、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231129BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B41J29/38 104
H04N1/00 885
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084270
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】松本 仁志
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ10
2C061HQ20
5C062AA05
5C062AA13
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC34
5C062AE13
(57)【要約】
【課題】USBインターフェイスを介して通信装置と接続される画像形成装置の省電力モードでの消費電力を低減すること。
【解決手段】USBホスト部51,52aは、通常モードにおいて電力を供給され、省電力モードにおいて電力の供給を停止される。信号入力部542および信号出力部525は、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても電力を供給される。前記信号入力部524は、通信装置6からID端子544を通じて信号を入力可能である。制御部50は、前記省電力モードで動作している状況下で通知信号が前記信号入力部524に入力されたときに前記通常モードへ移行する。前記信号出力部525は、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても第2制御信号を出力する。前記電圧出力部55は、前記第1制御信号および前記第2制御信号の少なくとも一方が出力されている場合に定格電圧V1を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
VBUS端子、D+端子、D-端子およびID端子を含むUSBインターフェイスと、
前記USBインターフェイスに接続された通信装置を制御する制御部と、
前記VBUS端子を通じて前記通信装置へ定格電圧を出力可能な電圧出力部と、を備え、
前記制御部は、通常モードまたは前記通常モードよりも消費電力の小さな省電力モードで動作可能であり、
前記制御部は、
前記通常モードにおいて電力を供給され、前記省電力モードにおいて電力の供給を停止されるUSBホスト部と、
前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても電力を供給される信号入力部および信号出力部と、を含み、
前記USBホスト部は、前記通常モードにおいて、第1制御信号を出力しつつ前記通信装置によって受信されるプリント要求データを前記D+端子および前記D-端子を通じて取得可能であり、
前記信号入力部は、前記通信装置から前記ID端子を通じて信号を入力可能であり、
前記制御部は、前記省電力モードで動作している状況下で通知信号が前記信号入力部に入力されたときに前記通常モードへ移行し、
前記信号出力部は、前記制御部が起動したときに前記第1制御信号が出力された後に第2制御信号を出力し、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても前記第2制御信号を出力し、
前記電圧出力部は、前記第1制御信号および前記第2制御信号の少なくとも一方が出力されている場合に前記定格電圧を出力する、画像形成装置。
【請求項2】
VBUS端子、D+端子、D-端子およびID端子を含み、画像形成装置と接続されたUSBインターフェイスと、
前記画像形成装置から前記VBUS端子を通じて定格電圧を供給されたときに起動信号を出力し、情報処理装置と通信しつつ、前記情報処理装置と前記画像形成装置との間で受け渡しされる通信データの伝送を前記D+端子および前記D-端子を通じて中継する通信部と、
前記通信部が前記情報処理装置からデータを受信したときに、前記ID端子へ通知信号を出力する通知部と、
前記通知信号を遅延させた遅延信号を出力する遅延信号生成部と、
前記起動信号および前記遅延信号の少なくとも一方が出力されたときに前記D+端子の電位を基準電位へプルアップするプルアップ部と、を備える通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続された請求項2に記載の通信装置と、を備える画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBインターフェイスを備える画像形成装置、通信装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、制御部が通常モードまたは省電力モードで動作することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記制御部は、スリープ条件が成立したときに前記通常モードから前記省電力モードへ移行する。例えば、前記スリープ条件は、プリント要求が受信されない状態が所定時間継続するという条件である。
【0004】
前記制御部は、前記省電力モードで動作している状況下で情報処理装置からプリント要求を受信したときに、前記省電力モードから前記通常モードへ復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-37705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像形成装置がUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスを介して通信装置と接続される場合がある。この場合、前記制御部は、前記通信装置による前記プリント要求の受信に応じて前記省電力モードから前記通常モードへ復帰できることが必要である。
【0007】
一方、前記省電力モードにおける前記画像形成装置の消費電力を極力低減することが望まれる。
【0008】
本発明の目的は、USBインターフェイスを介して通信装置と接続される画像形成装置の省電力モードでの消費電力を低減できる画像形成装置、通信装置および画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、USBインターフェイスと、制御部と、電圧出力部と、を備える。前記USBインターフェイスは、VBUS端子、D+端子、D-端子およびID端子を含む。前記制御部は、前記USBインターフェイスに接続された通信装置を制御する。前記電圧出力部は、前記VBUS端子を通じて前記通信装置へ定格電圧を出力可能である。前記制御部は、通常モードまたは前記通常モードよりも消費電力の小さな省電力モードで動作可能である。前記制御部は、USBホスト部と、信号入力部と、信号出力部と、を備える。前記USBホスト部は、前記通常モードにおいて電力を供給され、前記省電力モードにおいて電力の供給を停止される。前記信号入力部および前記信号出力部は、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても電力を供給される。前記USBホスト部は、前記通常モードにおいて、第1制御信号を出力しつつ前記通信装置によって受信されるプリント要求データを前記D+端子および前記D-端子を通じて取得可能である。前記信号入力部は、前記通信装置から前記ID端子を通じて信号を入力可能である。前記制御部は、前記省電力モードで動作している状況下で通知信号が前記信号入力部に入力されたときに前記通常モードへ移行する。前記信号出力部は、前記制御部が起動したときに前記第1制御信号が出力された後に第2制御信号を出力し、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても前記第2制御信号を出力する。前記電圧出力部は、前記第1制御信号および前記第2制御信号の少なくとも一方が出力されている場合に前記定格電圧を出力する。
【0010】
本発明の他の局面に係る通信装置は、USBインターフェイスと、通信部と、通知部と、遅延信号生成部と、プルアップ部と、を備える。前記USBインターフェイスは、VBUS端子、D+端子、D-端子およびID端子を含み、画像形成装置と接続される。前記通信部は、前記画像形成装置から前記VBUS端子を通じて定格電圧を供給されたときに起動信号を出力し、情報処理装置と通信しつつ、前記情報処理装置と前記画像形成装置との間で受け渡しされる通信データの伝送を前記D+端子および前記D-端子を通じて中継する。前記通知部は、前記通信部が前記情報処理装置からデータを受信したときに、前記ID端子へ通知信号を出力する。前記遅延信号生成部は、前記通知信号を遅延させた遅延信号を出力する。前記プルアップ部は、前記起動信号および前記遅延信号の少なくとも一方が出力されたときに前記D+端子の電位を基準電位へプルアップする。
【0011】
本発明の他の局面に係る画像形成システムは、前記画像形成装置と、前記画像形成装置に接続された前記通信装置と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、USBインターフェイスを介して通信装置と接続される画像形成装置の省電力モードでの消費電力を低減できる画像形成装置、通信装置および画像形成システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成システムにおけるUSBインターフェイスに関連する部分の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[画像形成システム100の構成]
実施形態に係る画像形成システム100は、画像形成装置10および通信装置6を含む。画像形成装置10および通信装置6は、ケーブル7により接続されている。画像形成装置10は、通信装置6を通じて1つ以上の情報処理装置8と通信可能である。
【0016】
画像形成装置10は、プリント装置1、二次記憶装置2、操作ユニット3、起動スイッチ4および制御装置5を備える。
【0017】
プリント装置1は、プリント処理を実行する。前記プリント処理は、シート9に画像を形成する処理である。例えば、プリント装置1は、電子写真方式またはインクジェット方式で前記プリント処理を実行する。
【0018】
二次記憶装置2は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置2として採用される。
【0019】
操作ユニット3は、例えばタッチパネルユニットなどのヒューマンインターフェイス装置である。操作ユニット3は、操作部3aおよび表示部3bを含む。操作部3aは、人の操作を受け付ける装置である。表示部3bは、情報を表示可能なパネル表示装置である。
【0020】
起動スイッチ4は、画像形成装置10を休止モードから作動モードへ移行させるための操作を受け付ける操作スイッチである。
【0021】
制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)50およびRAM(Random Access Memory)53を含む。CPU50は、二次記憶装置2に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、各種の制御およびデータ処理を実行する。
【0022】
RAM53は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM53は、CPU50が実行する前記コンピュータープログラムを一次記憶する。さらにRAM53は、CPU50が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0023】
例えば、CPU50は、操作ユニット3の表示部3bを制御することにより、表示部3bに各種の操作画面を表示させる。
【0024】
さらにCPU50は、プリント装置1を制御することにより、プリント装置1に前記プリント処理を実行させる。例えば、CPU50は、通信装置6を通じてプリント要求を受信したときに、プリント装置1に前記プリント処理を実行させる。
【0025】
CPU50は、通信装置6を制御することにより、通信装置6を通じて情報処理装置8と通信する。通信装置6は、ネットワーク80を介して情報処理装置8と通信する。ネットワーク80は、有線LAN(Local Area Network)または無線LANである。
【0026】
CPU50は、演算部51およびI/O52を含む。演算部51は、各種のデータ処理を実行する。I/O52は、各種のセンサーまたは通信装置6が出力する信号をデジタルデータへ変換し、そのデジタルデータを演算部51へ伝送する。さらに、I/O52は、演算部51から伝送される制御指令を制御信号へ変換し、その制御信号を制御対象の機器へ出力する。
【0027】
CPU50は、プリント装置1、操作ユニット3および通信装置6を制御する制御部の一例である。CPU50は、通常モードまたは省電力モードで動作する。
【0028】
CPU50が前記通常モードであるときに、演算部51は電力を供給される。CPU50が前記省電力モードであるときに、演算部51は電力の供給を停止される。
【0029】
CPU50は、前記省電力モードにおいて、前記通常モードよりも小さな消費電力で動作する。
【0030】
CPU50は、前記通常モードで動作するときに、通信装置6を通じて前記プリント要求を受信すること、および、プリント装置1に前記プリント処理を実行させることが可能である。
【0031】
CPU50は、スリープ条件が成立したときに前記通常モードから前記省電力モードへ移行する。例えば、前記スリープ条件は、前記プリント要求が受信されない状態が予め定められた時間継続するという条件である。
【0032】
CPU50は、前記省電力モードで動作している状況下で情報処理装置8から前記プリント要求を受信したときに、前記省電力モードから前記通常モードへ復帰する。
【0033】
さらにCPU50は、前記省電力モードで動作している状況下で起動スイッチ4が操作されたことを検知したときに、前記省電力モードから前記通常モードへ復帰する。
【0034】
ところで、画像形成装置10の制御装置5は、ホストインターフェイス54をさらに備える。ホストインターフェイス54は、画像形成装置10のUSBインターフェイスである。CPU50は、ホストインターフェイス54を介して通信装置6と接続される。CPU50は、ホストインターフェイス54に接続された通信装置6を制御する。
【0035】
本実施形態において、CPU50は、通信装置6による前記プリント要求の受信に応じて前記省電力モードから前記通常モードへ復帰できることが必要である。
【0036】
一方、前記省電力モードにおける画像形成装置10の消費電力を極力低減することが望まれる。以下、前記省電力モードでの消費電力を低減するための画像形成装置10および通信装置6構成について説明する。
【0037】
CPU50のI/O52は、複数の通常ポート52aと複数の特別ポート52bとを含む。複数の通常ポート52aおよび複数の特別ポート52bは、それぞれ信号の出力または信号の入力が可能な信号ポートである。
【0038】
複数の通常ポート52aは、CPU50が前記通常モードであるときに電力を供給され、CPU50が前記省電力モードであるときに電力の供給を停止される。
【0039】
複数の特別ポート52bは、CPU50が前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれである場合にも電力を供給される。
【0040】
本実施形態において、複数の通常ポート52aは、第1通常ポート521、第2通常ポート522および第3通常ポート523を含む。また、複数の特別ポート52bは、第1特別ポート524および第2特別ポート525を含む。
【0041】
制御装置5は、電圧出力部55をさらに備える(図2参照)。一方、通信装置6は、主回路61およびデバイスインターフェイス62を含む(図1参照)。デバイスインターフェイス62は、通信装置6のUSBインターフェイスである。
【0042】
ホストインターフェイス54は、VBUS端子541、D+端子542、D-端子543、ID端子544および接地端子545を含む。接地端子625は、画像形成装置10において接地導体に電気的に接続されている。
【0043】
デバイスインターフェイス62も、VBUS端子621、D+端子622、D-端子623、ID端子624および接地端子625を含む。
【0044】
ホストインターフェイス54およびデバイスインターフェイス62は、ケーブル7で接続されている。ケーブル7は、ホストインターフェイス54の5つの端子とデバイスインターフェイス62の5つの端子とを接続する5本の信号線を含む。
【0045】
即ち、ケーブル7は、ホストインターフェイス54のVBUS端子541、D+端子542、D-端子543、ID端子544および接地端子545と、デバイスインターフェイス62のVBUS端子621、D+端子622、D-端子623、ID端子624および接地端子625とを、それぞれ電気的に接続する。
【0046】
電圧出力部55は、ホストインターフェイス54のVBUS端子541を通じて通信装置6へ定格電圧V1を出力可能である。USB規格において、定格電圧V1は5ボルトである。
【0047】
通信装置6において、定格電圧V1は、デバイスインターフェイス62のVBUS端子621を通じて主回路61に供給される。
【0048】
演算部51は、前記通常モードにおいて、第1通常ポート521を通じて第1制御信号C11を出力しつつ通信装置6を用いたデータ通信を実行可能である。
【0049】
演算部51は、第2通常ポート522および第3通常ポート523を通じて前記データ通信を実行する。演算部51、第2通常ポート522および第3通常ポート523は、USBホスト部の一例である。
【0050】
第2通常ポート522および第3通常ポート523は、それぞれホストインターフェイス54のD+端子542およびD-端子543と接続されている。即ち、演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542およびD-端子543を通じて前記データ通信を実行可能である。
【0051】
前記データ通信は、通信装置6によって情報処理装置8から受信されるプリント要求データを取得することを含む。即ち、演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542およびD-端子543を通じて前記リント要求データを取得可能である。
【0052】
CPU50の第1特別ポート524は、通信装置6からホストインターフェイス54のID端子544を通じて信号を入力可能である。第1特別ポート524は、信号入力部の一例である。
【0053】
CPU50は、前記省電力モードで動作している状況下で通知信号N1が第1特別ポート524に入力されたときに前記通常モードへ移行する。
【0054】
通知信号N1は、ホストインターフェイス54のID端子624を通じて第1特別ポート524へ入力される。第1特別ポート524は、CPU50が前記省電力モードで動作しているときも通知信号N1を入力可能である。
【0055】
CPU50は、電力を供給されることにより起動する。CPU50が起動したときに、演算部51は、第2特別ポート525を通じて第2制御信号C12を出力する。即ち、CPU50が起動したときに、第2特別ポート525は第2制御信号C12を出力する。第2制御信号C12は、第1制御信号C11が第1通常ポート521から出力された後に第2特別ポート525から出力される。
【0056】
第2特別ポート525は、第2制御信号C12を出力した後、CPU50の動作モードの変化に関わらず第2制御信号C12の出力を継続する。即ち、第2特別ポート525は、前記通常モードおよび前記省電力モードのいずれにおいても第2制御信号C12を出力する。第2特別ポート525は、信号出力部の一例である。
【0057】
電圧出力部55は、OR回路57および定電圧回路56を含む。第1制御信号C11および第2制御信号C12は、OR回路57に入力される。
【0058】
OR回路57は、第1制御信号C11および第2制御信号C12のOR信号を主制御信号C1として出力する。即ち、OR回路57は、第1制御信号C11および第2制御信号C12の少なくとも一方が出力されている場合にアクティブな主制御信号C1を出力する。
【0059】
OR回路57の出力端は、定電圧回路56に接続されている。定電圧回路56は、アクティブな主制御信号C1が入力されているときに定格電圧V1をホストインターフェイス54のVBUS端子541へ出力する。
【0060】
定電圧回路56は、アクティブな主制御信号C1が入力されていないときに、定格電圧V1を出力しない。
【0061】
従って、電圧出力部55は、第1制御信号C11および第2制御信号C12の少なくとも一方が出力されている場合に定格電圧V1を出力する。前述したように、電圧出力部55は、ホストインターフェイス54のVBUS端子541を通じて通信装置6へ定格電圧V1を出力する。
【0062】
一方、通信装置6の主回路61は、通信回路63、プルアップ部64、通知回路67、および遅延回路68を含む。通信回路63は、画像形成装置10からデバイスインターフェイス62のVBUS端子621を通じて定格電圧V1を供給される。
【0063】
通信回路63は、画像形成装置10から定格電圧V1を供給されたときに起動信号S1をプルアップ部64へ出力する。さらに通信回路63は、ネットワーク80を通じて情報処理装置8と通信する。
【0064】
通信回路63は、情報処理装置8と通信しつつ、通信データの伝送をデバイスインターフェイス62のD+端子622およびD-端子623を通じて中継する。前記通信データは、情報処理装置8と画像形成装置10との間で受け渡しされるデータである。
【0065】
通知回路67は、通信回路63が情報処理装置8からデータを受信したときに、デバイスインターフェイス62のID端子624へ通知信号N1を出力する。通知信号N1は、ケーブル7およびホストインターフェイス54のID端子544を通じて第1特別ポート524へ伝送される。
【0066】
遅延回路68は、通知信号N1を遅延させた遅延信号D1をプルアップ部64へ出力する。なお、通信回路63は通信部の一例である。通知回路67は通知部の一例である。遅延回路68は遅延信号生成部の一例である。
【0067】
プルアップ部64は、プルアップ回路65およびOR回路66を含む。起動信号S1および遅延信号D1は、OR回路66へ入力される。OR回路66は、起動信号S1および遅延信号D1のOR信号をプルアップ信号P1としてプルアップ回路65へ出力する。
【0068】
即ち、OR回路66は、第1制御信号C11および第2制御信号C12の少なくとも一方が出力されている場合にアクティブなプルアップ信号P1を出力する。
【0069】
プルアップ回路65は、アクティブなプルアップ信号P1が入力されたときに、デバイスインターフェイス62のD+端子622の電位を基準電位へプルアップする。プルアップ回路65は、アクティブなプルアップ信号P1が入力されてから予め定められた時間が経過したときにD+端子622の電位のプルアップを解除する。
【0070】
即ち、プルアップ部64は、起動信号S1および遅延信号D1の少なくとも一方が出力されたときに、デバイスインターフェイス62のD+端子622の電位を前記基準電位へプルアップする。
【0071】
以下、画像形成システム100の動作について説明する。
【0072】
画像形成装置10が起動したときに、制御装置5は電力を供給され、CPU50が起動する。CPU50は、起動することにより前記通常モードで動作する。
【0073】
CPU50が前記通常モードで動作を開始したときに、演算部51は、第1通常ポート521を通じて第1制御信号C11を電圧出力部55へ出力する。これにより、電圧出力部55は、定格電圧V1をホストインターフェイス54のVBUS端子541へ出力する。
【0074】
電圧出力部55により出力された定格電圧V1は、デバイスインターフェイス62のVBUS端子621を通じて通信装置6の主回路61へ供給される。これにより、通信回路63、プルアップ部64、通知回路67および遅延回路68は、電力を供給される。
【0075】
通信回路63は、定格電圧V1の供給に応じて起動する。通信回路63は、起動したときに起動信号S1をプルアップ部64へ出力する。これにより、プルアップ部64は、デバイスインターフェイス62のD+端子622の電位を前記基準電位へプルアップする。
【0076】
デバイスインターフェイス62のD+端子622の電位が前記基準電位へプルアップされることにより、ホストインターフェイス54のD+端子542の電位も前記基準電位へプルアップされる。
【0077】
一方、画像形成装置10の演算部51は、第2通常ポート522の信号の状態を監視する。これにより、演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542の電位が前記基準電位へプルアップされたことを検知する。
【0078】
演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542の電位が前記基準電位へプルアップされたことを検知することにより、通信装置6を通じた通信が可能であることを検知する。
【0079】
また、演算部51は、第1通常ポート521を通じて第1制御信号C11を出力した後に、第2特別ポート525を通じて第2制御信号C12を出力する。例えば、演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542の電位が前記基準電位へプルアップされたことを検知したときに、第2制御信号C12を出力する。
【0080】
通信装置6の通信回路63は、情報処理装置8からデータを受信したときに、通知回路67へ受信通知を出力する。通知回路67は、前記受信通知に応じて、通知信号N1をデバイスインターフェイス62のID端子624へ出力する。
【0081】
通知信号N1は、デバイスインターフェイス62のID端子624およびホストインターフェイス54のID端子544を通じて、CPU50の第1特別ポート524へ伝送される。
【0082】
CPU50は、前記通常モードにおいて通知信号N1の入力は無視する。
【0083】
通信回路63は、情報処理装置8から受信されたデータをデバイスインターフェイス62のD+端子542およびD-端子543を通じて画像形成装置10へ送信する。さらに通信回路63は、画像形成装置10から送信されたデータをデバイスインターフェイス62のD+端子542およびD-端子543を通じて入力したときに、そのデータを情報処理装置8へ送信する。
【0084】
画像形成装置10のCPU50は、前記スリープ条件が成立したときに、前記通常モードから前記省電力モードへ移行する。これにより、演算部51および複数の通常ポート52aは、電力の供給を停止される。
【0085】
しかしながら、第2特別ポート525は、第2制御信号C12の出力を保持する。即ち、CPU50が前記通常モードから前記省電力モードへ移行した後も、電圧出力部55から通信装置6への定格電圧V1の供給が維持される。
【0086】
従って、CPU50が前記省電力モードで動作しているときに、通信装置6は、情報処理装置8からデータを受信することが可能である。
【0087】
CPU50が前記省電力モードで動作している状況下で通信回路63が情報処理装置8からデータを受信したときに、通知回路67が通知信号N1を出力する。これにより、通知信号N1が、デバイスインターフェイス62のID端子624およびホストインターフェイス54のID端子544を通じて第1特別ポート524へ伝送される。
【0088】
CPU50が前記省電力モードで動作している状況下で通知信号N1が第1特別ポート524へ入力されたときに、CPU50は、前記省電力モードから前記通常モードへ復帰する。
【0089】
CPU50が前記省電力モードから前記通常モードへ復帰した後に、演算部51は、第1通常ポート521を通じて第1制御信号C11を出力する。この場合、第2制御信号C12の出力が維持されているため、定格電圧V1の出力の状況は変化しない。
【0090】
CPU50が前記省電力モードから前記通常モードへ復帰したときに、演算部51は、第1通常ポート521を通じて第1制御信号C11を出力する。
【0091】
通信装置6の遅延回路68は、第1制御信号C11の出力に対応するタイミングで、遅延信号D1を出力する。これにより、プルアップ部64は、デバイスインターフェイス62のD+端子622の電位を前記基準電位へプルアップする。
【0092】
遅延回路68の遅延時間は、CPU50が前記省電力モードから前記通常モードへ復帰し、さらに第1通常ポート521が第1制御信号C11を出力するのに要する時間に応じて設定される。
【0093】
CPU50が前記省電力モードから前記通常モードへ復帰した後に、演算部51は、ホストインターフェイス54のD+端子542の電位が前記基準電位へプルアップされたことを検知する。
【0094】
演算部51は、D+端子542の電位が前記基準電位へプルアップされたことを検知した後に、第1制御信号C11を出力しつつ通信装置6を用いた前記データ通信を実行する。
【0095】
画像形成システム100が採用されることにより、CPU50は、前記省電力モードにおいて、演算部51への電力供給を完全に停止することができる。これにより、画像形成装置10の前記省電力モードでの消費電力を低減することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 :プリント装置
2 :二次記憶装置
3 :操作ユニット
4 :起動スイッチ
5 :制御装置
6 :通信装置
7 :ケーブル
10 :画像形成装置
50 :CPU
51 :演算部
52 :I/O
53 :RAM
54 :ホストインターフェイス
55 :電圧出力部
56 :定電圧回路
57 :OR回路
61 :主回路
62 :デバイスインターフェイス
63 :通信回路
64 :プルアップ部
65 :プルアップ回路
66 :OR回路
67 :通知回路
68 :遅延回路
100 :画像形成システム
図1
図2