(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172488
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231129BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084333
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】橋本 優希
(72)【発明者】
【氏名】柴田 郷
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 卓行
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA06
2F129BB03
2F129CC17
2F129CC18
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF21
2F129FF24
2F129FF69
2F129FF73
2F129FF75
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】移動体に関する情報をユーザに提供するための領域を適切に設定し、設定された当該領域に進入又は退出したユーザに対して適切に情報を提供する。
【解決手段】情報提供装置100は、移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部1011と、前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部1013と、移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部1014と、取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部1017と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える、情報提供装置。
【請求項2】
前記移動体の移動方向及び移動速度を含む移動体の状態を取得する移動体状態取得部を更に備え、
前記領域設定部は、前記移動体の位置、移動方向及び移動速度に応じて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための異なる領域を設定する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記領域設定部は、前記移動体の移動方向及び移動速度に応じて、前記移動体からの距離が異なる位置に領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度が速いほど、前記移動体から遠く離れた位置に領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、大きさが異なる領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、前記移動体の進行方向に対する配置が異なる1つ以上の領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、異なる数の領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度が遅いほど、より多い数の領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記領域設定部は、前記移動体が停止しているときは、前記移動体が走行中とは異なる領域を設定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記情報提供制御部は、前記移動体の移動速度に応じて、異なる情報を、前記ユーザ端末に提供する、請求項1~9のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、ユーザが前記設定された領域に進入したか否かを判定する進入判定部と、
ユーザが前記設定された領域に進入した時におけるユーザの進行方向に対する前記移動体の角度を算出する相対角度算出部と、を更に備え、
前記情報提供制御部は、算出された前記ユーザの進行方向に対する移動体の角度に応じて、異なる情報を、前記ユーザ端末に提供する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記情報提供制御部は、算出された前記ユーザの進行方向に対する前記移動体の角度に応じて、右用、正面用及び左用の音声コンテンツ情報を、前記ユーザ端末に提供する、請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項13】
前記領域の識別情報と、前記移動体の識別情報及び速度情報と、前記ユーザ端末の識別情報と、前記ユーザ端末に提供するための情報と、を関連付けて記憶する記憶部を更に備える、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項14】
前記領域設定部は、少なくとも、前記移動体から離れた位置に前記移動体を含まない領域を設定する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項15】
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える、情報提供システム。
【請求項16】
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する、情報提供方法。
【請求項17】
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの通信装置の普及に伴い、ジオフェンスと呼ばれる位置情報を利用するサービスが開始している。ジオフェンスとは、地図上に設けられた仮想的なフェンス(境界線)で囲まれたエリアである。こうしたジオフェンスを設定して、そのフェンスに入ったユーザが所持するユーザ端末に対して、ジオフェンス内の店舗等から、広告やクーポンなどの店舗に関する情報を提供する。
【0003】
例えば、特許文献1には、管理サーバが、移動端末装置からの要求に応じて、施設に関するイベント情報を移動端末装置に提供することが記載されている。さらに、同文献には、移動端末装置が経路を移動すると、ジオフェンス境界線が動的に作成されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの技術は、不動産である施設に関する情報を、ユーザが所持する移動端末装置に提供することを意図している。そのため、移動したり、サービス提供時に停車したりするキッチンカーなどの移動体に関する情報を、ユーザに提供するための、ジオフェンス又は領域などを適切に設定することができない。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、移動体に関する情報をユーザに提供するための領域を適切に設定し、設定された当該領域に進入又は退出したユーザに対して適切に情報を提供することができる情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる情報提供装置は、
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える。
【0008】
本開示の一態様にかかる情報提供システムは、
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる情報提供方法は、
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する。
【0010】
本開示の一態様にかかるプログラムは、
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、移動体に関する情報をユーザに提供するための領域を適切に設定し、設定された当該領域に進入又は退出したユーザに対して適切に情報を提供することができる情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、及びプログラム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1にかかる情報提供装置の構成例を説明する図である。
【
図2】実施の形態2にかかる情報提供システムの構成例を説明する図である。
【
図3】実施の形態2にかかるサーバの構成例を説明する図である。
【
図4】実施の形態2にかかるサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】実施の形態2にかかるユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】実施の形態2にかかる移動体の制御部のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】実施の形態2にかかる移動体にかかるジオフェンス設定及びコンテンツ提供方法を説明するフローチャートである。
【
図8】移動体にかかるジオフェンス定義情報を示す表である。
【
図9】移動体の速度別コンテンツ定義情報を示す表である。
【
図10】移動体とユーザとの相対角度別コンテンツ定義情報を示す表である。
【
図11】移動体の移動速度に応じたジオフェンスの設定例を説明する図である。
【
図12】移動体の移動速度に応じたジオフェンスの設定例を説明する図である。
【
図13】移動体の移動速度に応じたジオフェンスの設定例を説明する図である。
【
図14】移動体の走行予定ルートが定まっている場合におけるジオフェンスの設定例を説明する図である。
【
図15】移動方向に基づくジオフェンス位置の変更を説明する図である。
【
図16】移動方向に基づくジオフェンス位置の変更を説明する図である。
【
図17】移動速度がゼロとなった場合のジオフェンスの設定例を説明する図である。
【
図18】実施の形態3にかかるコンテンツの選択方法を説明するフローチャートである。
【
図19】相対角度が所定の範囲内の場合に右用コンテンツを出力する例を説明する図である。
【
図20】相対角度が所定の範囲内の場合に正面用コンテンツを出力する例を説明する図である。
【
図21】相対角度が所定の範囲内の場合に左用コンテンツを出力する例を説明する図である。
【
図22】相対角度を算出する他の例を説明する図である。
【
図23】比較例のジオフェンスの設定方法とその問題点を説明する図である。
【
図24】いくつかの実施の形態にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図25】いくつかの実施の形態にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図26】いくつかの実施の形態にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図27】実施の形態にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図28】ジオフェンスへの進入方向の設定方法を説明する図である。
【
図29】ジオフェンスへの進入方向の判別方法を説明する図である。
【
図30】ジオフェンスへの退出方向の判別方法を説明する図である。
【
図31】時間帯ごとの調整値を示すテーブルである。
【
図32】ジオフェンスへ進入後の移動方向の判別方法を説明する図である。
【
図33】ジオフェンスへの再進入時にコンテンツを配信しない例を説明する図である。
【
図34】同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更する例を示す図である。
【
図35】施設に関連付けられた複数のジオフェンスの例を説明する図である。
【
図36】同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更する例を示す図である。
【
図37】ユーザがジオフェンスを通過し退出する際の問題を説明する図である。
【
図38】ユーザがジオフェンスを通過し退出する際の対処方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を参照して、本実施の形態にかかる情報提供装置を説明する。
本実施の形態にかかる情報提供装置100は、移動可能な移動体に関する情報を、1つ以上のユーザ端末に対して配信するために使用され得る。また、情報提供装置100は、移動体に関する情報を提供するために、移動体に関連付けられた領域(例えば、ジオフェンス)を動的に設定するために使用され得る。情報提供装置100は、CPU(central processing unit)等のプロセッサ、メモリ、インターフェース回路等を備えるコンピュータにより実現され得る。情報提供装置100は、制御部101、記憶部等を備え得る。
【0014】
制御部101は、移動体位置取得部1011と、領域設定部1013と、端末位置取得部1014と、情報提供制御部1017と、を備える。
【0015】
移動体位置取得部1011は、移動可能な移動体の位置情報を取得する。移動体位置取得部1011は、経時的に移動体の位置を取得し、所定期間における移動経路を算出することができる。移動体には、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が備えられており、移動体位置取得部1011は、当該GPS受信機から、有線又は無線ネットワークを介して、移動体の位置情報を取得することができる。ここでいう移動体は、キッチンカーなどの訪問販売自動車、ペンギン行列、マスコットキャラクター巡回、山車など、音声通知を行い得る各種移動体などを含み得るが、これらに限定されない。移動体は、ユーザ端末に対して、移動体に関する情報(例えば、広告、宣伝、告知など)を提供することを意図され得る。
【0016】
領域設定部1013は、前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する。本明細書において、領域は、ジオフェンスやゾーンなどと称される場合がある。領域は、移動体からの距離や、領域の大きさ、幅、及び形状などの様々なパラメータを有し、これらの情報は、情報提供装置内部又は外部の記憶部に記憶され得る。
【0017】
端末位置取得部1014は、移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する。ユーザ端末は、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチなどの各種端末であり得る。ユーザ端末には、例えば、GPS受信機が備えられており、端末位置取得部1014は、当該GPS受信機から、有線又は無線ネットワークを介して、ユーザ端末の位置情報を取得することができる。端末位置取得部1014は、経時的にユーザ端末の位置を取得し、所定期間における移動経路を算出することができる。
【0018】
情報提供制御部1017は、取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する。情報提供制御部1017は、取得された前記ユーザ端末の位置情報から、ユーザが、設定された前記領域に進入したと判定した場合に、移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供することができる。あるいは、情報提供制御部1017は、取得された前記ユーザ端末の位置情報から、ユーザが、設定された前記領域から退出したと判定した場合に、移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供することができる。移動体に関する情報は、移動体に関する宣伝、広告、又は告知情報を含み得るが、これらに限定されない。領域に関連付けられた前記移動体に関する情報は、情報提供装置内部又は外部の記憶部に記憶され得る。
【0019】
本実施の形態によれば、移動可能な移動体に対して、ユーザに対して適切にコンテンツ情報を提供するための領域を適切に設定するとともに、ユーザに対して、当該移動体に関する情報を適切に提供することができる。
【0020】
なお、実施の形態1の変形例として、上述の情報提供装置の構成要素の少なくとも一部を、他の情報提供装置で実装して、協働して実現することもできる。この変形例にかかる情報提供システム1は、移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部1011と、前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部1013と、ユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部1014と、取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部1017と、を備える。
【0021】
本開示は、情報提供方法としての形態も採り得る。この情報提供方法は、移動可能な移動体の位置情報を取得し、前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する。プログラムは、コンピュータにこのような情報提供方法を実行させるためのプログラムである。
【0022】
実施の形態2
図2は、情報提供システムの構成例を説明する図である。
情報提供システム1は、ジオフェンスを利用して、ユーザが所持するユーザ端末に対し、店舗又は、販売用自動車を含む移動体などの各種の情報コンテンツを提供するためのシステムである。情報提供システム1は、サーバ10(情報提供装置とも呼ばれる場合がある)と、有線又は無線ネットワークNを介してサーバ10と接続されたユーザ端末20及び移動体30と、を備える。ネットワークNは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、例えば、インターネット、移動体通信網を含み得る。サーバ10は、実施の形態1にかかる情報提供装置の一例である。
【0023】
サーバ10は、ジオフェンス内に入ったユーザに対して、例えば、移動可能な移動体(例えば、訪問販売自動車など)、若しくは、移動不可能な地図上の特定の目標物、施設、店舗などに関する情報(例えば、クーポン、イベントなど)、又は「映像AR」と「音響AR」を融合した案内サービス(コンテンツサービスとも呼ばれる場合がある)を提供する。これらの移動体又は目標物等は、予め設定されたジオフェンスに関連づけられている。ジオフェンスとは、地図上に設けられた仮想的なフェンス(境界線)で囲まれたエリアである。本明細書においては、ジオフェンスは、単に領域又はゾーンとも呼ばれる場合がある。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザが所持するユーザ端末、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチなどの各種端末であり得る。ユーザ端末20は、GPS(Global Positioning System)受信機を備え、ユーザ端末の位置情報(すなわち、移動するユーザの位置情報)をサーバ10に送信することができる。ユーザ端末20は、メモリ及びプロセッサ等を含むコンピュータを備え得る。
【0025】
移動体30は、複数のユーザ端末に対して、各種コンテンツを提供するように意図され得る。移動体30の例としては、キッチンカーなどの訪問販売自動車、ペンギン行列、マスコットキャラクター巡回、山車など、音声通知を行い得る各種移動体などが挙げられるが、これらに限定されない。移動体30は、GPS受信機を備え、移動体の位置情報をサーバ10に送信することができる。移動体30は、メモリ及びプロセッサ等を含むコンピュータを備え得る。
【0026】
図3は、サーバの構成例を説明する図である。
サーバ10は、制御部101と、記憶部102を有するコンピュータである。制御部101は、CPU(中央処理装置)などのプロセッサを有する。制御部101は、移動体位置取得部1011、移動体状態取得部1012、領域設定部1013、端末位置取得部1014,進入判定部1015、相対角度算出部1016,及び情報提供制御部1017を含む。記憶部102は、地図情報データベース1021、登録位置情報データベース1022、移動体情報データベース1023、ユーザ情報データベース1024、ジオフェンスデータベース1025、コンテンツデータベース1026、履歴情報データベース1027を含む。
【0027】
移動体位置取得部1011は、移動可能な移動体の位置情報を取得する。移動体位置取得部1011は、移動体に取り付けられたGPS受信機から送信された受信信号に基づいて、所定周期で移動体の位置情報を取得することができる。
【0028】
移動体状態取得部1012は、移動体の移動方向及び移動速度などを含む移動体の状態を取得する。移動体状態取得部1012は、移動体に取り付けられた方位センサ及び速度センサ等から、移動体の移動方向及び移動速度を含む移動体の状態を取得することができる。移動体状態取得部1012は、所定周期で、移動体が走行中か、停車中かを示す状態も取得することができる。
【0029】
領域設定部1013は、移動体位置取得部1011によって取得された移動体の位置に基づいて、移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域(例えば、ジオフェンス、又はゾーン)を設定する。いくつかの実施形態では、領域設定部1013は、移動体の現在位置、移動方向及び移動速度に応じて、地図情報に関連付けられた様々な領域を設定することができる。本実施形態では、領域設定部1013は、移動体の位置に応じて、1つ以上の領域(例えば、ジオフェンス、ゾーン)を動的に設定する。領域の設定方法についての詳細は後述する。
【0030】
端末位置取得部1014は、多数のユーザがそれぞれ所持するユーザ端末の位置情報を取得する。端末位置取得部1014は、ユーザ端末に内蔵するGPS受信機からの信号に基づいて、ユーザ端末の位置情報を取得することができる。
【0031】
進入判定部1015は、ユーザが設定されたジオフェンスに進入したか否かを判定する。進入判定についての詳細は、後述する。
【0032】
相対角度算出部1016は、ユーザ(すなわち、ユーザ端末)と移動体との相対角度を算出する。相対角度算出部1016は、例えば、領域(例えば、ジオフェンス)に進入する時のユーザと移動体との相対角度を算出する。相対角度算出方法についての詳細は、後述する。
【0033】
情報提供制御部1017は、取得されたユーザ端末の位置情報と、設定された領域との位置関係に基づいて、当該領域に関連付けられた移動体に関する情報を、ユーザ端末に提供する。例えば、ユーザ端末の位置が、設定された領域外から領域内に移動した際に、情報提供制御部1017は、当該領域に関連付けられた移動体に関する情報(例えば、音声コンテンツなど)を、ユーザ端末に提供することができる。また、ユーザ端末の位置が、設定された領域内から領域外に移動した際に、情報提供制御部1017は、領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、ユーザ端末に提供することができる。情報提供制御部1017は、移動体の移動速度に応じて、異なるコンテンツ(例えば、内容又は再生時間が異なるコンテンツ)を提供することができる。また、情報提供制御部1017は、ユーザと移動体との相対角度閾値に応じて、異なるコンテンツ(例えば、視点や画角、音源位置等の異なる映像コンテンツ)を提供することができる。情報提供制御部1017が音声コンテンツを提供する場合には、情報提供システムは、音声通知システムとも呼ばれる場合がある。
【0034】
次に、記憶部102の詳細を説明する。
地図情報データベース1021は、車道や歩道などを含む道路網、交差点およびT字路などを含む分岐点、信号機、交通標識、様々な建物、施設などの情報を含むことができる。地図情報データベース1021は、移動体30が移動可能な道路と、移動不可能な領域を区分して記憶することができる。
【0035】
登録位置情報データベース1022は、例えば、店舗や建物、美術館、映画館、遺跡、観光名所などの登録目標物に関する情報を記憶する。また、登録位置情報データベース1022は、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等、種々の物体の位置情報を記憶することができる。施設の関係者が、こうした情報を情報提供システム1に事前に登録することで、施設に関連付けられたジオフェンスに入ったユーザのユーザ端末20に対して、こうした情報が提供され得る。登録位置情報に関連した情報と、映像ARや音響ARとを融合したコンテンツデータが提供されてもよい。
【0036】
移動体情報データベース1023は、例えば、キッチンカーなどの訪問販売自動車、ペンギン行列、マスコットキャラクター巡回、山車など、音声通知を行い得る移動体など様々な移動体に関する情報を記憶する。移動体情報データベース1023は、移動体IDや移動体に関する情報(例えば、車種、目的)も記憶することができる。移動体情報データベース1023は、移動体の現在又は過去の位置情報も記憶することができる。
【0037】
ユーザ情報データベース1024は、ユーザ端末20を介してコンテンツ情報を受けたいユーザについてのユーザID、パスワード、端末ID、年齢、性別、趣味、嗜好などのユーザに関する情報(ユーザ識別情報)を含むことができる。また、ユーザ情報データベース1024は、ユーザが情報配信を希望する店舗や建物、美術館、映画館、遺跡、観光名所、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等、種々の物体などの目標物又は移動体に関する情報を含むことができる。ユーザIDは、ユーザを一意に識別する識別子である。端末IDは、ユーザ端末を一意に識別する識別子である。
【0038】
ジオフェンスデータベース1025は、前述した登録位置情報に関連付けて、設定されたジオフェンスのジオフェンスID、緯度、経度、範囲、大きさ、進入角度閾値、退出角度閾値を含むことができる。ジオフェンスIDは、ジオフェンスを一意に識別する識別子である。進入角度閾値および退出角度閾値は、コンテンツ提供者によって任意に設定される。進入角度閾値および退出角度閾値は、それぞれ上限閾値と下限閾値を有する。進入角度閾値および退出角度閾値は、ユーザの実際の進入角度および退出角度と比較して、ユーザの進入角度および退出角度が閾値内、すなわち、上限閾値と下限閾値の範囲内であれば、コンテンツをユーザに提供する。ユーザの進入角度および退出角度が閾値外、すなわち、上限閾値と下限閾値の範囲外であれば、コンテンツをユーザに提供しない。
【0039】
また、ジオフェンスデータベース1025は、前述した移動体情報に関連付けて、設定されるジオフェンスのジオフェンスID、緯度、経度、範囲、大きさ、進入角度閾値、退出角度閾値を含むことができる。ジオフェンスデータベース1025は、移動体にかかる(例えば、移動体速度閾値に対応する)ジオフェンス定義情報(例えば、配置、大きさ、個数、移動体からの距離)を示す表を記憶する。
【0040】
コンテンツデータベース1026は、移動体ID、ジオフェンスIDおよびユーザIDに関連付けられた各種コンテンツ情報を含むことができる。コンテンツ情報は、所定再生時間を有する音響ARを有するコンテンツであってもよいし、映像ARと音響ARとを融合した所定再生時間を有するコンテンツデータとしてもよい。こうしたコンテンツの長さ、すなわち、所定再生時間は、ユーザの歩く速度やジオフェンスと店舗までの距離等を考慮して、任意に設定することができる。コンテンツデータベース1026は、移動体の速度別コンテンツ定義情報を示す表、及び移動体とユーザとの相対角度別コンテンツ定義情報を示す表も記憶する。
【0041】
さらに、履歴情報データベース1027は、ユーザ端末IDと、移動体IDと、ジオフェンスIDと、コンテンツの提供の履歴情報を記憶することができる。また、履歴情報データベース1027は、コンテンツ情報の提供時間をさらに記憶することができる。履歴情報データベース1027は、履歴情報記憶部とも呼ばれる。
【0042】
なお、上記の例では、サーバ10の内部に、記憶部102を設けたが、記憶部102は、サーバ10の外部にあってもよい。その場合、情報提供システム内であれば、サーバ10の外部に設けた記憶部とネットワークを介して接続されたサーバにより、本発明を実現することもできる。
【0043】
ユーザ端末20は、例えば、街の中を歩くユーザが携帯し得るコンピュータであり、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートフォンウォッチ、ヒアラブルデバイスなどの携帯端末とすることができる。
【0044】
図4は、本実施形態におけるサーバ10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ10は、CPU101a、RAM102a、ROM103aなどを有するコンピュータ(情報処理装置)である。CPU101aは、RAM102a、ROM103a、または、ハードディスク104aに格納されたソフトウェアに従い演算および制御を行う(CPUは単にプロセッサとも呼ばれる)。RAM102aは、CPU101aが各種処理を実行する際の一時記憶領域として使用される。ハードディスク104aには、オペレーティングシステム(OS)や、登録プログラムなどが記憶される。ディスプレイ105aは、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラとから構成され、ディスプレイ105aには、画像やアイコンなどのオブジェクト、および、GUIなどが表示される。入力部106aは、ユーザがサーバ10に各種指示を与えるための装置であり、例えば、ボタンやキーボード、スクリーンキーボード、マウスなどによって構成される。I/F(インターフェース)部107aは、IEEE 802.11aなどの規格に対応した無線LAN通信や有線LAN通信を制御することができ、TCP/IPなどのプロトコルに基づき同一通信ネットワークおよびインターネットを介して外部機器と通信する。システムバス115aは、CPU101a、RAM102a、ROM103a、および、ハードディスク104aなどとのデータのやり取りを制御する。
【0045】
図5は、本実施形態におけるユーザ端末20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、ユーザ端末20は、CPU201a、RAM202a、ROM203aなどを有するコンピュータ(情報処理装置)である。CPU201aは、RAM202a、ROM203a、または、ハードディスク204aに格納されたソフトウェアに従い演算および制御を行う(CPUは単にプロセッサとも呼ばれる)。RAM202aは、CPU201aが各種処理を実行する際の一時記憶領域として使用される。ハードディスク204aには、オペレーティングシステム(OS)や、登録プログラムなどが記憶される。ディスプレイ205aは、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラとから構成され、ディスプレイ205aには、画像やアイコンなどのオブジェクト、および、GUIなどが表示される。入力部206aは、ユーザがユーザ端末20に各種指示を与えるための装置であり、例えば、ボタンやキーボード、スクリーンキーボード、マウスなどによって構成される。I/F(インターフェース)部207aは、IEEE 802.11aなどの規格に対応した無線LAN通信や有線LAN通信を制御することができ、TCP/IPなどのプロトコルに基づき同一通信ネットワークおよびインターネットを介して外部機器と通信する。位置検出部208aは、GPS(Global Positioning System)受信機を含み、人工衛星によって送信された電波を受信することにより、地球上におけるユーザ端末の現在地及び現在時刻を検出することができる。方向検知部209aは、ユーザ端末の方向を取得するための、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸コンパスセンサ等を含む9軸センサを備える。システムバス215aは、CPU201a、RAM202a、ROM203a、および、ハードディスク204aなどとのデータのやり取りを制御する。
【0046】
なお、上記したユーザ端末20のハードウェア構成例では、映像ARなどの映像や画像データを表示するためのディスプレイ205aを有しているが、音響ARなど音声データを提供する音声サービスの場合は、ディスプレイ205aを有しなくてもよい。また、音声サービスを受聴するため、ユーザ端末のI/F(インターフェース)部207aと有線又は無線で接続されたイヤホンやヘッドホン、ヘッドセット、ヒアラブルデバイスなどを用いてもよい。
【0047】
図6は、本実施形態における移動体30に搭載される制御部のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、移動体30の制御部は、CPU301a、RAM302a、ROM303aなどを有するコンピュータ(情報処理装置)である。CPU301aは、RAM302a、ROM303a、または、ハードディスク304aに格納されたソフトウェアに従い演算および制御を行う(CPUは単にプロセッサとも呼ばれる)。RAM302aは、CPU301aが各種処理を実行する際の一時記憶領域として使用される。ハードディスク304aには、オペレーティングシステム(OS)や、登録プログラムなどが記憶される。ディスプレイ305aは、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラとから構成され、ディスプレイ305aには、画像やアイコンなどのオブジェクト、および、GUIなどが表示される。入力部306aは、ユーザがユーザ端末20に各種指示を与えるための装置であり、例えば、ボタンやキーボード、スクリーンキーボード、マウスなどによって構成される。I/F(インターフェース)部307aは、IEEE 802.11aなどの規格に対応した無線LAN通信や有線LAN通信を制御することができ、TCP/IPなどのプロトコルに基づき同一通信ネットワークおよびインターネットを介して外部機器と通信する。位置検出部308aは、GPS(Global Positioning System)受信機を含み、人工衛星によって送信された電波を受信することにより、地球上におけるユーザ端末の現在地及び現在時刻を検出することができる。方向検知部309aは、ユーザ端末の方向を取得するための、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸コンパスセンサ等を含む9軸センサを備える。システムバス315aは、CPU301a、RAM302a、ROM303a、および、ハードディスク304aなどとのデータのやり取りを制御する。速度検出部310aは、車両速度検出センサやその他の好適な速度センサを備える。
【0048】
次に、移動体にかかるジオフェンスの設定方法について詳細に説明する。ジオフェンスは、
図7等ではGFと略す場合もある。
移動体の一例としてキッチンカーを挙げて説明する。キッチンカーが飲食サービス提供場所(目的地)まで走行し、当該提供場所に到達後、停車して飲食サービスの提供を開始する。このような状況を、
図7と
図8を用いて説明する。
【0049】
ここで例に挙げたキッチンカーは、移動することも(例えば、サービス提供中)停止することも想定され、いずれの状態であっても、ユーザ(例えば、顧客)に対して案内音声コンテンツを提供することが想定される。また走行状態でも、停車後に飲食サービスを開始している状態でも、案内音声コンテンツの提供及び通知を継続することが想定される。そのため、他の移動体の例としては、ペンギン行列、マスコットキャラクター巡回、パレード、山車などが挙げられるが、これらに限定されない。音声コンテンツの提供を行い得る他の移動体にも適用可能である。
【0050】
まず、キッチンカーが走行状態においては、情報提供システム1において、サーバ10の移動体位置取得部1011は、キッチンカーに搭載したGPS等によりキッチンカーの位置情報を定期的に取得する(Step1)。移動体状態取得部1012は、キッチンカーに搭載した各種センサ、加速度センサ等により、移動速度や移動方向などの状態情報を定期的に取得する(Step2)。状態情報については、複数の位置情報をもとに、移動速度や移動方向を算出してもよいし、キッチンカーに加速度センサ等を搭載している場合には、そのセンサから速度情報と移動方向を取得してもよい。
【0051】
ここで、情報提供システム1において、領域設定部1013は、キッチンカーより取得した位置情報と状態情報(例えば、移動方向、移動速度)が
図8の表で定義した移動速度閾値を超過する場合には(Step3でYES)、キッチンカーに対して設定するジオフェンス設定情報を、
図8のジオフェンス定義情報を参照して逐次更新する(Step4)。キッチンカーより取得した位置情報と状態情報(例えば、移動方向、移動速度)が
図8の表で定義した移動速度閾値を超過しない場合には(Step3でNO)、キッチンカーの位置情報と状態情報(例えば、移動方向、移動速度)を継続して、取得する(Step1、Step2)。
【0052】
ここでキッチンカーに対し設定されたジオフェンス設定情報について
図8の表を用いて説明する。まず、初期状態として、キッチンカーが時速10km未満で走行し始めたとき、領域設定部1013は、
図8の表に従い、キッチンカーの移動方向に対し前方及び両方の側方にそれぞれd2離れたところに、それぞれ3つのジオフェンスGF1~GF3を配置する(
図11参照)。ここで、前方のジオフェンスGF2は、キッチンカーの先端から距離d2離れたところに設置され、キッチンカーが前方に移動することにつれて、ジオフェンス設定位置も変化していくことになる。
図8に示すように、本例では、前方のジオフェンスは、例えば、半径r
2の円形をm個重ねて配置した細長い形状である。キッチンカーの両方の側方のジオフェンスも、同様に、キッチンカーが前方に移動することにつれて、前方に移動するように設定されることになる。本例では、両側のジオフェンスも、例えば、半径r
2の円形をm個重ねて配置した細長い形状である。
【0053】
一方、キッチンカーが時速10km以上で走行し始めたとき、領域設定部1013は、
図8の表に従い、キッチンカーの移動方向に対し前方にd1離れたところに、ジオフェンスを配置する(
図12参照)。
図8に示すように、本例では、前方のジオフェンスは、例えば、半径r
1の円形をn個重ねて配置した細長い形状である。
【0054】
また、キッチンカーが停止したとき(すなわち、時速0kmのとき)、領域設定部1013は、
図8の表に従い、キッチンカーの全周囲に対して、円形のジオフェンスを配置する。
図8に示すように、本例では、ジオフェンスは、例えば、半径r
3の円形である(例えば、個数l=0、GF距離d
3=0)。
【0055】
サーバ10の端末位置取得部1014は、ユーザUの所有するユーザ端末の位置を定期的に取得する。歩行するユーザUのユーザ端末の位置がジオフェンス内に進入した場合(Step5でYES)、すなわち、ジオフェンスが歩行者位置を含む状態となった場合、情報提供制御部1017は、その時のキッチンカーの状態情報に応じて対応する音声コンテンツを選択する(Step6)。選択された当該コンテンツは、ネットワークを介して、ユーザ端末に出力される(Step8)。
【0056】
情報提供制御部1017は、コンテンツ再生を指示するように出力してもよい。情報提供制御部1017は、
図9の速度別コンテンツ定義情報又は
図10の移動角度別コンテンツ定義情報に基づいて、最適なコンテンツを選択し、ユーザ端末に出力することができる。
図9に示すように、キッチンカーの移動速度が閾値(例えば、時速10km)を超えるか否かに応じて、情報提供制御部1017は、異なるコンテンツを提供することができる。また、キッチンカーが停止しているか(すなわち、時速0km)、それとも走行しているかに応じて、情報提供制御部1017は、異なるコンテンツを提供することができる。また、他の実施形態では、
図10に示すように、ユーザと移動体との相対角度を算出し、情報提供制御部1017は、算出された相対角度に応じて、異なるコンテンツを出力してもよい。異なるコンテンツは、例えば、相対角度に応じて音像定位された音声コンテンツであってもよい。これらの詳細については、後述する。
【0057】
このような構成を採ることにより、キッチンカーの位置情報及び状態情報に基づいてジオフェンス設定位置が動的に調整される。そのため、ユーザは歩行している状態であれ、立ち止まっている状態であれ、ユーザは、移動体であるキッチンカーの移動状況に応じて最適なタイミングで音声コンテンツを聞くことが可能となる。ジオフェンスが設定された移動体が、立ち止まっているユーザを通り過ぎた場合にも、ユーザは、ユーザ端末を介して、当該移動体に関する情報を取得することができる。
【0058】
図8,
図12及び
図13を参照して、移動体の移動速度に応じたジオフェンスの設定例を説明する。
【0059】
図8及び
図12に示すように、移動体30が目的地付近に近づき、減速するが、依然として比較的速く走行している場合、移動体の移動速度閾値(例えば、時速10km)以上に対応して、ジオフェンスGF2が設定される。すなわち、
図8に示すように、移動体の移動速度閾値(例えば、時速10km)以上に対応して、所定のジオフェンスの配置(例えば、前方)に、所定の形状のジオフェンス(例えば、半径r
1からなる円をn個で構成したジオフェンス)を、移動体から距離d
1に配置する。本例では、
図12に示すように、ジオフェンスGF2は、細長い形状であり、移動体が走行する道路の端からはみ出すように配置される。
【0060】
一方、
図8及び
図13に示すように、移動体30が目的地付近に近づき、減速し、ゆっくり走行している場合、移動体の移動速度閾値(例えば、時速10km)未満に対応して、ジオフェンスGF2が設定される。すなわち、
図13に示すように、所定のジオフェンスの配置(例えば、前方及び両側方)に、所定の形状のジオフェンス(例えば、半径r
2からなる円をm個で構成したジオフェンス)を、移動体から距離d
2に配置する。本例では、ジオフェンスGF1、GF2,GF3は、それぞれ細長い形状であり、移動体30の前方及び両方の側方を取り囲むように配置される。本例では、
図13に示すように、ジオフェンスGF2は、細長い形状であり、移動体が走行する道路の端からはみ出すように配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、移動体の移動速度が速いほど、移動体から遠くに離れた位置に、ジオフェンスを設定する。これは、ユーザがジオフェンスに入った後に音声コンテンツを聞き終わる前に、移動体がユーザの位置から過ぎ去ってしまわないようにするためである。言い換えると、ユーザは、移動体に関連付けて設定されたジオフェンスに入り、音声コンテンツ(例えば、目的地にてサービスを提供する旨を告知)を聴いている最中に、当該移動体がユーザの眼の前を通過するのを目視で確認することができる。その後、移動体は、例えば、目的地にてサービスを提供するとき、ユーザは、目的地に移動し、移動体を目視で確認し、サービスの提供を受けることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、移動体の移動速度が遅いほど、より多くの数のジオフェンスを設定する。これは、移動体が目的地に到着しそうなとき、ジオフェンスの数を増やすことで、多くのユーザに、移動体に関する情報を提供することで、目的地への集客を促進するためである。
【0063】
移動体が例えば、車である場合、その車の移動速度は運転手に依存するものであり、音声通知システムによって再生時間長の長短まで調整することは煩雑化する。そのため、もし、移動体に対してコンテンツを関連付けて、移動体の移動速度とは無関係にコンテンツ再生開始タイミングを決定したとすると、移動体が高速で移動するほどコンテンツ再生開始からユーザ位置に到達するまでの時間が短くなるため、移動体がユーザの興味を惹く前に通過してしまう可能性が高くなる。
【0064】
この調整方法について説明する。システムは、移動体の移動速度を常時測位しており、少なくとも対象物の位置と移動速度とを検出する。
検出した結果に基づいて、予め設定しているジオフェンス定義情報を、移動体の移動速度に基づいて変更する。例えば、
図12に示すように、移動体30が時速15キロで西方向に移動している、ある位置(x、y)時点において、ジオフェンスは移動方向前方に距離d離れた位置に設定されて、その位置は、例えば(x-d1、y)で定義されているものとする。ここで、
図11のように移動体の移動速度が減速した場合には、ジオフェンスはd1値より小さいd2の(x-d2,y)の位置となる。これにより、移動体の移動速度に応じて、ユーザの音声取得タイミングの最適化を図ることが可能となる。また距離値の調整は減速した場合も加速した場合も同様に調整する。
【0065】
例えば、ユーザは、ジオフェンス進入時、キッチンカーが時速30キロで移動している場合は、キッチンカーの位置がユーザから30m離れた位置で、音声を取得することが可能となる。これに対し、ユーザは、ジオフェンス進入時、キッチンカーが時速10キロで移動する場合は、ユーザは、10mの位置で音声を取得することが可能となる。
【0066】
これにより、移動体の移動速度の遅速問わず、音声データの再生終了時点で聞き終わったユーザにとって、移動体の位置が最適な距離となるように再生開始タイミングを調整可能となる。なお、ここではタイミングを再生開始の時点として説明したが、システムが音声コンテンツを出力することや、システムが音声再生デバイスに再生開始許可をする指示をする時点であってもよい。
【0067】
このジオフェンス設定情報を定義する
図8の表は、ユーザが任意に変更可能であってもよく、その表の情報に沿ってシステムがジオフェンス設定位置を調整する。なお、ここでは移動方向に基づくジオフェンス位置変更と、ジオフェンス距離変更を共に行った例としたが、いずれか1つを実施してもよい。
【0068】
また、他の実施形態では、移動体の移動速度に応じて、細長いジオフェンスの長手方向の幅Wを変更してもよい。例えば、移動体の移動速度が比較的速い場合(
図12)は、ジオフェンスの幅Wを拡張し、移動体の移動速度が比較的遅い場合(
図13)は、ジオフェンスの幅Wを縮小してもよい。また、他の実施形態では、移動体の移動速度に応じて、道路からはみ出したジオフェンスの幅W1及びW2を変更してもよい。例えば、移動体の移動速度が比較的速い場合(
図12)は、ジオフェンスの幅W1及びW2を拡張し、移動体の移動速度が比較的遅い場合(
図13)は、ジオフェンスの幅W1及びW2を縮小してもよい。
【0069】
図14は、移動体の走行予定ルートが定まっている場合におけるジオフェンスの設定例を説明する図である。
移動体30であるキッチンカーの走行予定ルートが、十字路までは西方向に延びており、十字路で右折して北上するルートであるとする。情報提供システムは、移動体30の走行予定ルート情報、現在位置、および走行速度の組を保持している。これらの組の中で、移動体の現在位置と走行速度の値を逐次取得して、更新していく。これにより、ジオフェンスの設定位置が変化していくことになる。具体的には、まず、キッチンカーが最初に西方向に移動している場合は、キッチンカーの進行方向前方となる西方向にジオフェンスGF1が設定される。その後、A公園のある北方向に移動方向を変更した場合は、キッチンカーの位置情報に対し北方向にジオフェンスGF2が設定される。このように、移動体の移動方向が変わるごとに、ジオフェンスの位置や向きも変化する。なお、これらのジオフェンスGF1、GF2は、進入したユーザ端末に対して、「11時からA公園でお弁当を販売する」ことを告知するための宣伝用の音声コンテンツを提供するために設定され得る。
【0070】
他の実施形態では、上述のように移動体の走行ルートが予め定まっている場合には、当該走行予定ルートに沿ったジオフェンスを定義してもよい。
【0071】
次に、
図15及び
図16を参照して、移動方向に基づくジオフェンス位置の変更について説明する。
情報提供システム1は、移動体の位置を常時測位し続けており、少なくとも移動体の位置と移動方向とを検出する。領域設定部1013は、予め設定しているジオフェンス定義情報にしたがって、検出した移動体の位置情報および移動体の移動方向に基づいてジオフェンスを変更する。例えば、
図15に示すように西方向に移動している移動体が、ある位置(x,y)時点で、
図16のように北方向に位置を変えた場合には、その移動方向に沿って、移動体からジオフェンスまでの距離dの位置座標は(x,y+d)から、(x+d,y)に変更される。これにより、移動体30の移動方向に沿って前方にジオフェンスGFが設置されることになるため、ユーザは移動体の前方においてのみ出力音声コンテンツを、ユーザ端末を介して取得することが可能となる。なお、ここでは、移動体の移動方向において前方となる位置にジオフェンスを設定する例を説明したが、
図15及び
図16は、あくまで移動方向に対し、どの方角にdの位置を設定するかを示している。つまり、移動体の移動方向に対する左右方向に、また移動体の後方にジオフェンスを設定してもよい。移動体が後進している場合には、移動体の移動方向が後方であることから、ジオフェンスを移動体の後方に設定してもよい。
【0072】
図17を参照して、移動速度がゼロとなった場合(すなわち、移動体が停止した場合)のジオフェンスの設定例を説明する。
移動体が減速した場合は、移動速度に応じて、移動体からジオフェンスまでの距離dの値を縮小していく。移動体が、当該距離dの値が最小値D
MINに対応付けられた移動速度閾値を下回るほど非常に低速となる、または停止した場合は、前述した速度別コンテンツ定義情報にしたがって、停止状態(例えば、移動速度ゼロ)に対応するコンテンツ(例えば、コンテンツC)を提供してもよい。この場合は、例えば、
図17に示すように、移動体30の停止位置とその位置に対応する周辺領域(例えば、移動体を中心として半径r3の円)をジオフェンスGFとして設定することができる。
【0073】
例えば、移動中のキッチンカーに対応付けられた音声コンテンツが、停止予定位置や開店予定時間をユーザに告知する音声コンテンツ(例えば、
図9のコンテンツA又はB)である。一方、停止状態における音声コンテンツ(例えば、
図9のコンテンツC)は、開店中を示す音声コンテンツや、提供中のメニューに関する音声コンテンツであり得る。
【0074】
これにより、対象物の移動状態に基づいて、ジオフェンスの設定を動的に変更するのみならず、音声コンテンツの種別を変更することにより、ユーザは移動体の状況に応じた音声コンテンツを取得することが可能となる。
【0075】
なお、移動速度に基づくジオフェンスまでの距離dの変更処理は、ジオフェンス位置変更処理と共に実施してもよいし、単独で実施してもよい。
【0076】
<実施の形態3:コンテンツ選択方法>
次に、
図18を参照して、コンテンツ選択方法を説明する。
前述したように、移動体であるキッチンカーに関連付けて設定されたジオフェンスにユーザ端末を所持するユーザが進入する例を説明する。
【0077】
ユーザがキッチンカーに近接したとき、キッチンカーに関連付けられたジオフェンスへ、ユーザが進入したか否かの進入判定を行う。ジオフェンスへの進入判定の結果、正しい進入状態であると判断された場合(Step1でYES)、次のコンテンツの選択処理に進む(Step2)。情報提供システムは、移動体に関連付けられた音声コンテンツグループを指定する。このコンテンツグループは、複数のコンテンツを含む場合、異なる相対角度閾値情報に対応するコンテンツが設定されている場合もある。ここで、「進入状態である」とは、ジオフェンス内にユーザが進入あるいは、ユーザの位置がジオフェンス内に入っている状態であると判定した場合を示す。進入判定方法の詳細は、後述する。また進入判定で用いた角度閾値の情報はここでは用いてもよいし、又は用いなくてもよい。
【0078】
情報提供システム1は、キッチンカーの移動状態に基づいて、対応する音声コンテンツ種別を特定する(Step2)。ここで、方向別処理が必要か否かを判定する(Step3)。移動体が車の場合は、車が移動している場合に限り、方向別処理の設定を必要とするフラグが設定されているものとする。具体的には、前述のコンテンツグループが相対角度別音声コンテンツを有するか否かを判断する。キッチンカーに関連付けられた相対角度別音声コンテンツを有する場合は(Step3でYES)、特定する音声コンテンツ種別は、複数の音声コンテンツを含む種別グループを示す。
【0079】
もし、キッチンカーに関連付けられた相対角度別音声コンテンツを有しない場合は(Step3でNO)、特定した音声コンテンツを出力する(Step6)。
【0080】
相対角度別音声コンテンツを有する場合、情報提供システムは、キッチンカーとユーザとの位置情報を取得し、その位置情報に基づいて、ユーザと移動体との相対角度を算出する。相対角度とは、ユーザの正面方向を基準(0°)として時計回りに移動体が位置する方向を測位したものをいう。
【0081】
図10の表を参照して、取得した相対角度に対応する、移動体に関して出力する音声コンテンツ種別を特定する。ここでは、音声コンテンツが相対角度別に異なるものとして示しているが、これに限定されず、例えば、相対角度に応じて、右方向を示すための音声、又は左方向を示すための音声であってもよい。また、ユーザが立ち止まり、移動体がユーザの後方からユーザに近づいている状況では、移動体のジオフェンスが、ユーザの後方方向から進入する場合もある。その場合は、情報提供システムは、後ろ方向を示す警告用音声コンテンツをユーザ端末に出力してもよい。
【0082】
図19は、相対角度が所定の範囲内の場合に右用コンテンツを出力する例を説明する図である。前述したように、移動体30の進行方向の前方にジオフェンスGFが設定される。ユーザUが移動体30に関連付けられたジオフェンスGFに向かって移動する。ユーザUの位置と移動体の位置は、所定の時間にわたって取得される。ユーザが移動体のジオフェンスに進入判定された後の処理は以下の通りである。移動体に関連付けられたジオフェンスへの進入判定が可となったとき、情報提供システムの相対角度算出部1016は、相対角度算出処理を実行する。
【0083】
相対角度算出処理は以下の通りである。
1.ジオフェンスに進入した時のユーザ位置とそれまでの移動経路、および移動体の位置とそれまでの移動経路とから、ユーザ及び移動体のそれぞれの移動方向を算出する。
2.ユーザ及び移動体のそれぞれの移動方向に沿った交差位置Pの緯度経度を算出する。
3.ユーザ位置と移動体位置と、交差位置の緯度経度とから、
図19に示すように三角形を描画し、ユーザ進行方向に対する移動体の位置までの方角θと、移動体の移動方向に対するユーザの位置までの方角δ、交差点Pにおいて生じる角度φを算出する。
4.移動体に対して設定された相対角度閾値情報を参照し、求められた相対角度θに対応する音声コンテンツ情報を選択する。
【0084】
ユーザUの進行方向の直線と、移動体30の進行方向の直線とが交わる点をPとする。ユーザUの進行方向の直線と、ユーザと移動体の位置とを結ぶ直線との方角をθとする。この角度θを算出し、θが所定の範囲内(例えば、-30度<θ<-180度)にある場合、情報提供システムにおいて、情報提供制御部1017は、右用コンテンツを当該ユーザUのユーザ端末に対して出力する。右用コンテンツは、例えば、ユーザから見て右側に音源が設定されているような音声コンテンツであり得る。右用コンテンツは、ユーザに右側から移動体が接近していることを知らせる音声コンテンツであり得る。
【0085】
図20は、相対角度が所定の範囲内の場合に正面用コンテンツを出力する例を説明する図である。
図19と同様に、ユーザUの進行方向の直線と、ユーザと移動体の位置とを結ぶ直線との角度θを算出し、θが所定の範囲内(例えば、-30度<θ<30度)にある場合、情報提供システムにおいて、情報提供制御部1017は、正面用コンテンツを当該ユーザUのユーザ端末に対して出力する。正面用コンテンツは、例えば、ユーザから見て正面に音源が設定されているような音声コンテンツであり得る。正面用コンテンツは、ユーザに正面から移動体が接近していることを知らせる音声コンテンツであり得る。
【0086】
図21は、相対角度が所定の範囲内の場合に左用コンテンツを出力する例を説明する図である。
図19と同様に、ユーザUの進行方向の直線と、ユーザと移動体の位置とを結ぶ直線との角度θを算出し、θが所定の範囲内(例えば、30度<θ<180度)にある場合、情報提供システムにおいて、情報提供制御部1017は、左用コンテンツを当該ユーザUのユーザ端末に対して出力する。左用コンテンツは、例えば、ユーザから見て左側に音源が設定されているような音声コンテンツであり得る。左用コンテンツは、ユーザに左側から移動体が接近していることを知らせる音声コンテンツであり得る。
【0087】
なお、上述の説明では、相対角度は、ユーザ位置と移動体位置に基づいて測定したが、ユーザの頭部の向きを検出可能であれば、相対角度に置き換えて頭部の向きに対する移動体の位置までの方角を用いてもよい。
図19~
図21では、ジオフェンスの中心点は便宜のために移動体30の位置としているが、実際、ジオフェンスは、移動体から所定距離だけ前方に設置される。
【0088】
また、上述の説明では、角度別音声コンテンツ選択は、
図18のStep2で移動速度に応じた音声コンテンツ種別グループを選択した後に行ったが、この選択を省略してもよい。例えば、移動速度の変化があまり起こらないことが想定される宣伝カー等であれば、常に移動体に対して固定的なジオフェンスを設定してもよく、相対角度別の音声コンテンツの選択を行うようにしてもよい。
【0089】
図22を参照して他の相対角度算出方法を説明する。
ジオフェンス進入判定で可となったユーザは全て音声出力対象となることが想定される。そのため、このユーザがジオフェンスに進入した時点でのユーザ位置とそれに対する移動体の位置を算出し、その2点の位置により求まる角度を相対角度θとすることができる。
図22に示す、移動体を含む領域AR2及びジオフェンスGF2は、音声が出力されない領域である。なお、いくつかの実施形態では、ジオフェンスの形状は、ジオフェンスGF2の無いジオフェンスGF1のみの形状であってもよい。また、後述するジオフェンスに角度閾値を用いた進入判定を行う場合には、ユーザがジオフェンスGF1に進入した場合は、音声コンテンツが出力され、ユーザがジオフェンスGF2に進入した場合は、音声コンテンツが出力されないように構成してもよい。
相対角度θの算出に用いる各種情報は以下の通りである。
ユーザ位置:(x1,y1)
移動体位置:(x2,y2)
ユーザと移動体との相対角度θ=(y2-y1)/(x2-x1)
【0090】
ユーザの移動方向をθ0とする場合、θ1は、左音源対応角度閾値を示し、θ2は右音源対応角度閾値を示すものとする。算出された相対角度θと、出力されるコンテンツは、以下の通りである。
θ2<θ<θ0の場合、右用コンテンツが出力される。
θ0<θ<θ1の場合、左用コンテンツが出力される。
θ1、θ2は、移動体によって任意の値に定義される。
【0091】
以上説明した実施形態では、主に移動体に関するジオフェンスの設定方法及びコンテンツの提供方法を説明したが、これらの実施形態は、以下で示すような店舗や施設などの固定された目標物に関する実施形態と組み合わせることもできる。
【0092】
図23は、比較例のジオフェンスの設定方法とその問題点を説明する図である。
ここでは、施設400(例えば、店舗)に対して、ジオフェンスGFを設定する。
この比較例では、施設400を中心として、円形状のジオフェンスGFが設定されている。すなわち、施設400の座標(緯度、経度)を中心として、所定の半径の領域がジオフェンスとして設定されている。このように、施設の緯度及び経度と、ジオフェンスの半径を情報提供システムに入力することで、ジオフェンス内に施設が含まれるように容易にジオフェンスが設定される。ユーザがジオフェンスGに進入したことを、ユーザが携帯するユーザ端末の位置検出部208(例えば、GPS受信機)が検出すると、施設400に関する情報(例えば、クーポンやイベント情報など)がユーザ端末に提供される。しかし、ユーザ端末に音声データを提供するサービスを開発するにあたり、以下のような3つの問題が生じている。
(1)店舗に向かう動線上にない道であっても、ジオフェンスの領域の一部が道に重なると、対象とすべきでないユーザにも、不適切に音声サービスが提供されてしまう。こうした誤検知を回避するように、ジオフェンスの半径を設定することが難しい。
(2)店舗から遠ざかるユーザU8に対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。
(3)ジオフェンスに入った後、急に方向転換したユーザU9に対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。
以上の問題に加えて、特に、GPSを用いるサービスでは、GPSの測定誤差(約10m)を回避することができない。そのため、適切に情報が提供されるように、測定誤差を考慮してジオフェンスを設定する必要がある。
【0093】
図24は、いくつかの実施の形態にかかる例示的なジオフェンスの設定方法を説明する図である。
音声サービスでは、ユーザがジオフェンスに進入したことにより、店舗に関する音声サービス(所定の時間を有する)を、ユーザ端末を介してユーザに提供する。
上記した3つの問題点に対する解決方法は以下の通りである。
(1)ユーザが店舗に至る動線上で、店舗から所定距離だけ離れた位置にジオフェンスGF1,GF2,GF3,GF4を配置する。ユーザを店舗に円滑に誘導するには、所定時間の音声サービスが終了するとほぼ同時に、ユーザを店舗に到着させることが好ましい。
(2)ジオフェンスへの進入方向を設定する。これにより、ジオフェンスへの進入方向とは反対側にある施設の音声サービスを提供しない。店舗から遠ざかるユーザに音声サービスが提供されるのを防止できる。
(3)ジオフェンスへの進入検知において、ユーザがジオフェンスに一定時間、滞在したことを確認し、その後、音声サービスを提供する。これにより、急に方向転換したユーザに音声サービスが提供されるのを防止できる。
以下、各問題点に対する解決方法について、具体的に説明する。
【0094】
図25は、施設400から所定距離だけ離間してジオフェンスGF1,GF2を設定する例を示す。
図25に示すように、施設400の前に、一本道Rが左右に延びている。ユーザである店舗の顧客が道Rを通って店舗に到達することを想定し、店舗から所定距離だけ離れた位置に2つのジオフェンスGF1,GF2を設定する。
図25の矢印A1および矢印A2は、音声サービスの開始と終了を概略的に示している。ユーザ端末の位置情報からユーザがジオフェンス内に進入したことが検知されると、音声サービスが開始され、ユーザの歩行速度に合わせて、ちょうどユーザが店舗に到達するあたりで、音声サービスが終了する。すなわち、店舗とジオフェンスとの距離は、音声サービスなどのコンテンツの所定時間とユーザの歩行速度を考慮して、任意に設定される。歩行速度は、ユーザの年齢、性別などに考慮して、設定してもよい。サーバ10が、ユーザIDおよび端末IDを取得することにより、ユーザの年齢、性別などに考慮して、施設(店舗)とジオフェンスとの距離の距離を、動的に変更してもよい。また、ジオフェンスは、施設と重ならないように設定されてもよい。
【0095】
また、
図25に示すように、ジオフェンスGF1,GF2は、道路に対して、略垂直方向に細長くなるように設定されている。これは、GPSによる測定誤差を考慮するためである。図示していないが、通常、道路に沿って多数の建物や高層ビルが存在する。そのため、建物の反射によるGPSのずれは、道路に対して垂直方向に大きくなる傾向があると考えられる。
【0096】
ジオフェンスの細長い形状は、矩形や楕円形、複数の円形の組み合わせ(
図26で後述する)を含む好適な細長い形状とすることができる。矩形のジオフェンスを設定する場合は、4点の座標(緯度経度情報)を入力すればよい。
【0097】
なお、本例では、店舗に対して左右に延びる一本道を想定したが、左右の道路のうち片方の道が行き止まりなどにより、通行できない場合、反対側の道のみにジオフェンスを設定することができる。
【0098】
図26は、例示的な細長い形状のジオフェンスの詳細図である。
図26は、
図25に示すような一本道を想定して、ジオフェンスを設定している。
【0099】
対象施設400から延びた線L1から、線L1に対して垂直な方向にXm離れた位置を中心として半径Rmの円形のジオフェンスGF11を設置する。このジオフェンスGF11と所定半径Rmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスGF12を設置する。さらに、このジオフェンスGF12とRmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスGF13を設置する。このように、複数の円形のジオフェンスGF11、GF12、GF13をグループ化して、細長いジオフェンスGF1を形成する。
【0100】
同様に、線L1に対して、複数の円形のジオフェンスGF11、GF12、GF13の反対側に、複数の円形のジオフェンスGF21、GF22、GF23を設置する。すなわち、対象施設400から延びた線L1から、線L1に垂直な方向にXm離れた位置を中心として半径Rmの円形のジオフェンスGF21を設置する。このジオフェンスG21と所定半径Rmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスGF22を設置する。さらに、このジオフェンスGF22とRmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスGF3を設置する。このように、複数の円形のジオフェンスGF21、GF22、GF23をグループ化して、細長いジオフェンスGF2を形成する。
【0101】
以上説明したように、細長いジオフェンスを用いることで、GPSの誤差が生じても、適切にコンテンツ情報をユーザ端末に提供することができる。
【0102】
図26では、3つの円形ジオフェンスを、一つのジオフェンスとしてグループ化したが、歩行者の動線や道幅を考慮して、2つ、又はそれ以上の円形のジオフェンスをグループ化してもよい。
【0103】
本例では、施設400から円形ジオフェンスの中心までの距離Xmは、約15mとし、円形ジオフェンスの半径は、約3mとする。隣接する円形ジオフェンスの重なり部分(
図26では、最小幅)は、4.5m以上とすることが望ましい。細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、10m以下とする。細長いジオフェンスは、道幅(又は歩行エリアの幅)と少なくとも同じ長さ分だけ道(又は歩行エリア)の両端からそれぞれ延ばすことが好ましい。また、細長いジオフェンスが矩形の場合、長手方向の長さは、10m以下で、幅が4.5m以上の矩形とすることができる。なお、これらは、道幅、歩行者の平均歩行速度、GPSの測定間隔(約1秒間隔)、コンテンツの時間などを考慮して定められたものであり、本開示は、これらに限定されない。
【0104】
上記したように、例えば、音声データの再生時間長に基づいて、領域を設定する所定距離を定める。そのため、記憶部102のコンテンツデータベースに記憶された音声データが更新されたり、一部の追加や削除がされた場合などにより、音声データの再生時間長が変化した場合には、制御部101は、それに応じて施設とジオフェンスとの所定距離を変更してもよい。
【0105】
上記の例では、店舗前の一本道を歩行エリアであると想定した。しかし、実際の道幅にかかわらず、歩行者が歩くことが想定されるエリア(歩道を含む)を歩行エリアと定め、該歩行エリアに対応して、ジオフェンスを設定することができる。テーマパークのような歩行者(ユーザ)が歩くことが想定されるエリアが広い場合は、例えば、テーマパークの入口と、ユーザにより予約済のアトラクションの入口とをつなぐ経路を歩行エリアと定めてもよい。
【0106】
細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅と、GPSの測定誤差を考慮して定めることができる。すなわち、細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅の両端から、両方の外側に向かって測定誤差を許容する所定の幅だけ延ばすことが好ましい。言い換えると、GPS測定誤差が10mであるとするならば、細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅に加え20mの長さを有する。より好ましくは、歩行エリアの幅の両端から、両方の外側に向かってGPSの測定誤差分だけ延ばしてもよい。
【0107】
図27は、交差点C1を含む道路網R1,R2,R3,R4に施設から所定距離だけ離間してジオフェンスGF1,GF2,GF3,GF4を設定する例を示す。本例においても、前述したように、対象の施設400から所定距離だけ離れた位置にジオフェンスを設定する。ただし、施設が、交差点やT字路など分岐点の近傍(分岐点から所定距離内)に道路R4に沿って設けられている場合は、分岐された各道R1、R2,R3(施設がある道路から離れた道路)上に、それぞれジオフェンスを設置する。すなわち、
図27に示すように、施設400が交差点C1から所定距離Xmにある場合、ジオフェンスGF2を、交差点C1に対して、施設400と反対側の道路R2に設置し、ジオフェンスGF3を、施設400から交差点を右折する道R3に設置し、ジオフェンスGF1を、施設400から交差点を左折する道R1上に設置する。
【0108】
すなわち、施設までの経路が分岐する(例えば、交差点やT字路など)場合、分岐点の手前から所定距離(Xm)だけ離れた位置にジオフェンスGF1、GF2、GF3を設定する。言い換えると、目標物(施設)から前記経路上の所定距離の間に分岐点がある場合は、ジオフェンス(領域)は、目標物に対し、所定距離より長い距離である第2の所定距離となる経路上の位置に設定される、ということができる。第2の所定距離は、所定距離より、分岐点を通過する経路分だけ長く設定される。
【0109】
また、
図27の矢印A1~A4は、音声サービスなどのコンテンツが再生中であることを示している。矢印A1、A2、A3が示すように、分岐点を経由して施設400に接近し得るユーザが交差点C1に入る手前で、コンテンツの再生が終了する。また、矢印A4が示すように、歩行者が施設のある道路R4を歩く場合は、コンテンツの再生は施設の手前で終了する。このように、施設までの経路が分岐する手前に、ジオフェンスを設置し、かつ施設に関するコンテンツの再生を分岐する前に終了することで、施設に確実に移動しないユーザに対して、不必要な情報が提供されることを防止できる。
【0110】
情報提供システム1においては、
図24に示すように、ユーザが、ディスプレイに表示された地図情報における対象施設400にカーソル5を合わせて、マウスをクリックすることで、自動的に、ジオフェンスが適切に設定されてもよい。
【0111】
なお、
図27では、説明の便宜上、円形のジオフェンスGF1~GF4を使用したが、前述したように、道路に対して略垂直方向に細長く延びたジオフェンスGF1~GF4を形成することで、GPSの測定誤差をカバーすることができる。
【0112】
続いて、
図28を参照してジオフェンスへの進入方向の設定方法について説明する。
図28では、図面を簡略化するため、円形のジオフェンスを図示しているが、前述したように道幅から延びた細長い形状のジオフェンスを用いてもよい。
【0113】
図28に示すように、ジオフェンスGF1~GF4は、いずれも、施設400に向かう方向(すなわち、交差点C1に向かう方向)を進入方向(
図28では、○で示す)と定めている。このため、当該進入方向から入ったユーザに対して、そのユーザ端末に音声サービスを提供する。施設400に関する音声サービスのコンテンツは、ジオフェンス毎に異なるように定めてもよい。例えば、ユーザがジオフェンスGF1に進入するときに再生される音声サービスは、「施設は、次の交差点を右に曲がり、右手にあります」とアナウンスすることができる。ユーザがジオフェンスGF2に進入するときに再生される音声サービスは、「施設は、次の交差点をまっすぐ進んで右手にあります」とアナウンスすることができる。ユーザがジオフェンスGF3に進入するときに再生される音声サービスは、「次の交差点を左に曲がり、右手にあります」とアナウンスすることができる。さらに、ユーザがジオフェンスGF4に進入するときに再生される音声サービスは、「まっすぐ進んで左手にあります」とアナウンスすることができる。
【0114】
一方、施設400から遠ざかる方向(すなわち、交差点C1から遠ざかる方向)を非進入方向(
図28では、Xで示す)と定めており、当該非進入方向から入ったユーザに対して、音声サービスは提供されない。
【0115】
図29は、ユーザのジオフェンスへの進入方向を判別する方法を説明する図である。
なお、本情報提供システムにおいては、GPS測定間隔は約1秒間隔で行うものとして説明するが、任意の測定間隔に設定してもよい。
【0116】
ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSにより、位置P1から位置P2に進行したとする。その場合、位置P1から位置P2への進入角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。算出された進入角度が、所定の角度閾値内、例えば、180度<θ<360度の場合は、ユーザは、適切な進入方向(
図29では○で示す)からジオフェンスに進入したものとみなすことができる。
【0117】
一方、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P3から位置P4に進行したとする。その場合、位置P3から位置P4への進入角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。進入角度が、所定の角度閾値内、例えば、0度<θ<180度の場合は、ユーザは、不適切な進入方向(非進入方向、
図29ではXで示す)からジオフェンスに進入したものとみなすことができる。
【0118】
あるいは、変形例として、次のように、ユーザの進入方向を判別してもよい。まず、
図29に示すように、ジオフェンスGの境界線の一部QRSを進入境界線と定め、ジオフェンスGの境界線の一部QTSを非進入境界線と定める。
【0119】
ユーザ端末を所持するユーザがジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P1から位置P2に進行したとする。この場合、ユーザがジオフェンスGの進入境界線QRSを越えて進入しているので、制御部101は、ユーザがジオフェンスで予め定められた進入方向から進入したと判断することができる。この場合、コンテンツ情報は提供される。
【0120】
一方、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P3から位置P4に進行したとする。その場合、ユーザがジオフェンスGの非進入境界線QTSを越えて進入しているので、制御部101は、ユーザがジオフェンスで定められた非進入方向から進入したと判断することができる。この場合、コンテンツ情報は提供されない。
【0121】
図30は、ユーザのジオフェンスからの退出方向を判別する方法を説明する図である。
次に、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスG内から外へ退出する際、GPSにより、位置P1から位置P2に進行したとする。位置P1から位置P2への退出角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。算出された退出角度が、退出角度閾値外(例えば、180度<θ<360度)の場合は、ユーザは、不適切な退出方向(非退出方向、
図30ではXで示す)にジオフェンスを退出したものとみなすことができる。この場合、コンテンツ情報は提供されない。
【0122】
一方、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスG内から外へ退出する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P3から位置P4に進行したとする。その場合、位置P3から位置P4への退出角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。進入角度が、退出角度閾値外(例えば、0度<θ<180度)の場合は、ユーザは、適切な退出方向(
図30では○で示す)にジオフェンスを退出したものとみなすことができる。この場合、コンテンツ情報が提供される。
【0123】
以上のように、コンテンツ提供者は、ジオフェンスに対して、所定の進入角度閾値および退出角度閾値を設定することができる。サーバ10の制御部101は、ユーザ端末20からの位置情報を連続的に受信し、ジオフェンスへの進入角度およびジオフェンスからの退出角度を算出し、適切な進入方向および適切な退出方向を判別することができる。これにより、サーバ10の制御部101は、ユーザ端末20に対して、適切なコンテンツ情報を提供することができる。
【0124】
なお、上記した例では、ジオフェンスへの進入前後の測定間隔の2点の測定値から、進入方向を判断したが、2点以上、例えば、3点や4点の測定値から、進入方向を判断してもよい。
【0125】
図31は、時間帯ごとの調整値を示すテーブルである。
図31に示すように、時間帯ごとに、任意の調整値を設定する。調整値(
図31のa~e)は、任意の値を取りうる。また、調整値は、ゼロであってもよい。制御部101の時刻取得部1018は、ユーザ端末20からの位置情報がジオフェンスに進入した際の時刻(例えば、10:20)を所得する。制御部101は、取得された時刻に対応する時間帯(例えば、7:00~11:00)の調整値(例えば、b)を取得する。制御部101の調整部は、前述した進入角度閾値に調整値を乗算して、進入角度閾値を調整する。ジオフェンスを設定した道路は、時間帯ごとに混雑度合いが変わる。例えば、ユーザが比較的に直線的に歩ける状況(例えば、道が空いている)では、角度閾値を狭くなるように調整値を設定してもよい。一方、ユーザが蛇行しやすい状況(例えば、道が混雑している)では、角度閾値が広くなるように調整値に設定してもよい。
【0126】
なお、上記の例では、進入角度閾値に調整値を乗算したが、進入角度閾値に調整値(正の値、又は負の値)を加算してもよい。また、調整値は、進入角度閾値に対してだけでなく、退出角度閾値に対しても使用され得る。調整値は、進入角度閾値用と、退出角度閾値用で異なってもよい。
【0127】
なお、
図31に示す時間帯は例示に過ぎず、任意に設定することができる。
【0128】
変形例として、制御部101は、GPSの精度を取得し、GPSの精度が精度閾値より悪い場合は、角度閾値に対する調整値を大きくするように制御してもよい。
【0129】
他の変形例として、サーバ10の制御部101は、ユーザ端末20のカレンダアプリから、ユーザのスケジュールを取得し、取得したユーザのスケジュールに応じて、角度閾値用の調整値を変更してもよい。例えば、スケジュールがあれば、調整値を大きくしてもよい。
【0130】
進入方向だけを判別するだけでは、ジオフェンスに進入後、急に方向転換したユーザに対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。そこで、この問題点への解決方法を説明する。
【0131】
図32を参照して、進入後の移動方向を判別する方法を説明する。
制御部101は、ユーザが予め定められた進入方向からジオフェンスへ進入したことを検知した後、さらに、GPS測定間隔にわたって連続したGPS測定値(少なくとも2つの測定値)を受信する。これにより、ユーザがジオフェンスに進入後のユーザの移動方向を判断することができる。
【0132】
例えば、
図32に示すように、GPSの測定間隔で、ユーザの位置P1および位置P2が測定されたあと、更に、次の位置P3がジオフェンスG内にあることが検知された場合、サーバ10の制御部101は、ユーザ端末に対して、音声サービスを提供する。言い換えると、ユーザがジオフェンスG内に所定時間(本例では、約2秒)以上滞在した場合、サーバ10の制御部101は、音声サービスを提供する。
【0133】
一方、GPSにより、ユーザの位置P4および位置P5が測定されたあと、更に、次の位置P6がジオフェンスGの外にあることが検知された場合、サーバ10の制御部101は、ユーザ端末に対して、音声サービスを提供しない。これにより、ユーザ端末の位置が一時的に誤ってジオフェンス内に入ってしまった場合には、サーバ10の制御部101は、ユーザ端末に対して、コンテンツが配信されないようにすることができる。
【0134】
なお、上記の例では、進入後の移動方向を判別する際、2点の測定値を測定したが、ジオフェンス内の3点以上を測定したあと、コンテンツを再生するようにしてもよい。また、判別直後から音声出力の開始時点までの間隔は、ジオフェンスと対象施設との距離やコンテンツの再生時間に応じて、適宜調整することができる。以上のように、情報提供制御部1017は、ユーザが領域(ジオフェンス)に進入後、所定時間経過後に、ユーザが領域に進入したと判断してもよい。あるいは、情報提供制御部1017は、ユーザが領域(ジオフェンス)に進入後、ユーザが領域の境界上の進入位置から所定距離さらに進んだ後に、ユーザが領域に進入したと判断してもよい。
【0135】
さらに、ジオフェンス内に進入したユーザに対して一度配信したコンテンツは、再度、同ユーザがジオフェンスに進入しても、同ユーザに対して配信しなくてもよい。具体的には、
図33に示すように、ジオフェンス外の位置P1と、ジオフェンス内の位置P2および位置P3を測定したあと、施設400に関連付けられたコンテンツが再生される。その後、ユーザが、ジオフェンス内の位置P4を経て、ジオフェンス外の位置P5、P6、P7と移動し、再度、ジオフェンス内の位置P8,P9と移動したとする。この場合、情報提供装置は、一度コンテンツを配信したユーザに対して、所定時間内は、同じコンテンツを再度配信しないようにすることができる。
【0136】
サーバ10の制御部101は、提供したコンテンツ情報を、ユーザ識別情報及びジオフェンス識別情報と関連付けて、履歴情報として記憶部102の履歴情報データベース1027に記憶させることができる。
【0137】
具体的には、音響AR用音声情報(コンテンツ情報)に対し再生有無フラグを設けている。情報提供装置(ユーザ端末又はクラウド側のサーバ)では、ユーザ端末で出力した音響AR用音声情報に対して再生済フラグ用所定時間(例えば1時間)を設定する。情報提供装置は、ユーザがジオフェンス進入時に、ユーザID又は端末IDを確認するとともに、ジオフェンスIDに対応する音響AR用音声情報のフラグの有無を確認する。そして、情報提供装置は、フラグがある場合には、同ユーザ端末に対してコンテンツを再生せず、フラグが無い場合に、同ユーザ端末に対して再生する。このように、記憶部102は、ユーザ端末群と、目標物に関する情報の送信有無との履歴情報をさらに記憶し、制御部101は、前記履歴情報に基づいて、移動体又は目標物に関する情報をユーザ端末20に送信することができる。記憶部102は、移動体又は目標物に関する情報の送信時間をさらに記憶し、制御部は、送信時間に基づいて、移動体又は目標物に関する情報を送信することができる。
【0138】
また、サーバ10の情報提供制御部1017は、ユーザの通過経路の履歴情報に基づいて、同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更してもよい。この場合、コンテンツの再生の有無にかかわらず、ユーザがどのような経路を通ってきたかを示すユーザの通過経路の履歴情報に基づいて、コンテンツを変更する。
【0139】
サーバ10は、ユーザ端末の識別情報と、複数の前記領域の識別情報と、複数の領域におけるユーザ端末の位置情報と、を関連付けて、ユーザの通過経路に関する履歴情報として記憶する履歴情報記憶部(履歴情報データベース1027)を更に備え、情報提供制御部1017は、履歴情報に基づいて、コンテンツ情報を変更する。
図34は、同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更する例を示す図である。例えば、
図34に示すように、サーバ10の情報提供制御部1017は、ユーザが事前にジオフェンスGF1を通過後に、ジオフェンスGF3に進入した場合、コンテンツAを提供してもよい。一方、サーバ10の制御部101は、ユーザが事前にジオフェンスGF2を通過後に、ジオフェンスGF3に進入した場合、コンテンツBを提供してもよい。このように、過去に通過したジオフェンスを履歴情報として記憶することで、ユーザに対して、より柔軟にコンテンツサービスを提供することができる。
【0140】
また、サーバ10の情報提供制御部1017は、ユーザの通過経路および提供されたコンテンツの履歴情報に基づいて、同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更してもよい。
【0141】
サーバ10は、ユーザ端末の識別情報と、複数の前記領域の識別情報と、前記複数の領域における前記ユーザの位置情報と、前記複数の領域に関して提供されたコンテンツ情報と、を関連付けて、ユーザの通過経路および提供されたコンテンツに関する履歴情報として記憶する履歴情報記憶部(履歴情報データベース1027)を更に備える。情報提供制御部1017は、履歴情報記憶部の履歴情報に基づいて、コンテンツ情報を変更する。
【0142】
図35は、施設に関連付けられた複数のジオフェンスの例を説明する図である。
図36は、同一のジオフェンスに関連付けられたコンテンツの種別を変更する例を示す図である。
図35では、ユーザ8が施設400までの経路上には、複数のジオフェンスGF2、GF3が所定の間隔を空けて配置されている。例えば、
図36に示すように、サーバ10の情報提供制御部1017は、ユーザが事前にジオフェンスGF2に角度閾値外で進入し、ジオフェンスGF2に関連付けられたコンテンツが提供されずに、ジオフェンスGF2を通過した後に、ジオフェンスGF3に角度閾値内で進入した場合、コンテンツCを提供してもよい。一方、サーバ10の情報提供制御部1017は、ユーザが事前にジオフェンスGF2に角度閾値内で進入し、ジオフェンスGF2に関連付けられたコンテンツが提供され、ジオフェンスGF2を通過した後に、ジオフェンスGF3に角度閾値内で進入した場合、コンテンツDを提供してもよい。例えば、コンテンツCは、コンテンツDよりも、目標物に関するより充実したコンテンツとすることができる。このように、過去に通過したジオフェンスと当該ジオフェンスに関連付けられたコンテンツの再生の有無を履歴情報として記憶することで、ユーザに対して、より柔軟にコンテンツサービスを提供することができる。
【0143】
その他の実施の形態
図37は、ユーザがジオフェンスを通過し退出する際の問題を説明する図である。
ユーザがジオフェンスGに設定された進入角度閾値外から、ジオフェンスGに進入した場合、情報提供制御部1017は、コンテンツ情報を提供しない。ユーザは、ジオフェンスGを進行し、ジオフェンス内から外へ退出する際に、誤検出による不具合が発生していた。例えば、ジオフェンスの退出位置近傍(例えば、
図37の位置P5)で、ユーザが信号等で立ち止まると、GPS誤差やユーザのふらつきなどにより、ユーザ端末の位置情報がジオフェンスに進入角度閾値内で進入したようにみなされ、不必要にコンテンツ情報がユーザに提供されてしまう。このような誤検出を解消するため、ユーザがジオフェンスに角度閾値外から進入し、再度、角度閾値内に入った場合でも、最初の進入から所定時間内であれば、情報提供制御部1017は、コンテンツを提供しない。ここでの所定時間は、ユーザの平均歩行速度とジオフェンスの大きさを考慮して、任意に設定することができる。こうすることで、情報提供制御部1017は、所定時間内において、
図37に示すような場合を無視することができる。
【0144】
図38は、ユーザがジオフェンスを通過する際の対処方法を説明する図である。
ユーザがジオフェンスを退出後、ジオフェンス外において、複数の箇所(例えば、P6、P7、P8)でユーザの位置が検出された場合に、情報提供制御部1017は、ユーザがジオフェンスを退出したと判断してもよい。その後、ユーザが向きを変えて歩き続けて、再度、ジオフェンスに進入角度閾値内で進入したとき(
図38で位置P11)、情報提供制御部1017は、コンテンツを提供してもよい。以上のように、情報提供制御部1017は、ユーザが領域(ジオフェンス)から退出後、所定時間経過後に、ユーザが領域から退出したと判断してもよい。あるいは、情報提供制御部1017は、ユーザが領域(ジオフェンス)から退出後、ユーザが領域の境界上の退出位置から所定距離さらに進んだ後に、ユーザが領域から退出したと判断してもよい。
【0145】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0146】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記した複数の実施形態は、任意に組み合わせることができる。例えば、上記した音声サービスを、音像定位技術を用いて、音像定位位置が移動体又は目標物の位置に設定された音響AR用音声情報を出力することも可能である。一般に音響AR用音声情報は、移動体又は目標物に対するユーザ位置に基づいて加工された音声情報を、ユーザが所持するヒアラブルデバイスに出力する。本実施形態にかかる情報提供システムでは、ジオフェンスの進入を検出するときは、ユーザ位置と目標物との位置関係はほとんど同じであるため、ユーザの位置情報に基づいた加工を行わずに予めジオフェンス位置に基づいて加工済の音響AR用音声情報をそのままユーザ端末に出力することが可能である。
【0147】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える、情報提供装置。
(付記2)
前記移動体の移動方向及び移動速度を含む移動体の状態を取得する移動体状態取得部を更に備え、
前記領域設定部は、前記移動体の位置、移動方向及び移動速度に応じて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための異なる領域を設定する、付記1に記載の情報提供装置。
(付記3)
前記領域設定部は、前記移動体の移動方向及び移動速度に応じて、前記移動体からの距離が異なる位置に領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記4)
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度が速いほど、前記移動体から遠く離れた位置に領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記5)
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、大きさが異なる領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記6)
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、前記移動体の進行方向に対する配置が異なる1つ以上の領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記7)
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度に応じて、異なる数の領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記8)
前記領域設定部は、前記移動体の移動速度が遅いほど、より多い数の領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記9)
前記領域設定部は、前記移動体が停止しているときは、前記移動体が走行中とは異なる領域を設定する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記10)
前記情報提供制御部は、前記移動体の移動速度に応じて、異なる情報を、前記ユーザ端末に提供する、付記1~9のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記11)
前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、ユーザが前記設定された領域に進入したか否かを判定する進入判定部と、
ユーザが前記設定された領域に進入した時におけるユーザの進行方向に対する前記移動体の角度を算出する相対角度算出部と、を更に備え、
前記情報提供制御部は、算出された前記ユーザの進行方向に対する移動体の角度に応じて、異なる情報を、前記ユーザ端末に提供する、付記2に記載の情報提供装置。
(付記12)
前記情報提供制御部は、算出された前記ユーザの進行方向に対する前記移動体の角度に応じて、右用、正面用及び左用の音声コンテンツ情報を、前記ユーザ端末に提供する、付記11に記載の情報提供装置。
(付記13)
前記領域の識別情報と、前記移動体の識別情報及び速度情報と、前記ユーザ端末の識別情報と、前記ユーザ端末に提供するための情報と、を関連付けて記憶する記憶部を更に備える、付記1~12のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記14)
前記領域設定部は、少なくとも、前記移動体から離れた位置に、前記移動体を含まない領域を設定する、付記1に記載の情報提供装置。
(付記15)
移動可能な移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定する領域設定部と、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する情報提供制御部と、
を備える、情報提供システム。
(付記16)
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御する、情報提供方法。
(付記17)
移動可能な移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記移動体に関する情報をユーザ端末に提供するための1つ以上の領域を設定し、
移動可能なユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された前記ユーザ端末の位置情報と、設定された前記領域との位置関係に基づいて、前記領域に関連付けられた前記移動体に関する情報を、前記ユーザ端末に提供するか否かを制御することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0148】
1 情報提供システム
5 カーソル
10 サーバ
20 ユーザ端末
30 移動体
100 情報提供装置
101 制御部
102 記憶部
400 施設
1011 移動体位置取得部
1012 移動体状態取得部
1013 領域設定部
1014 端末位置取得部
1015 進入判定部
1016 相対角度算出部
1017 情報提供制御部
1021 地図情報データベース
1022 登録位置情報データベース
1023 移動体情報データベース
1024 ユーザ情報データベース
1025 ジオフェンスデータベース
1026 コンテンツデータベース
1027 履歴情報データベース
U ユーザ
N ネットワーク
GF ジオフェンス