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特開2023-172500情報提供システム、情報提供システムの制御方法、及び情報提供システムの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172500
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供システムの制御方法、及び情報提供システムの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20231129BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084350
(22)【出願日】2022-05-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SWIFT
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】田口 正雄
(72)【発明者】
【氏名】大淵 隼也
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 愛樹
(72)【発明者】
【氏名】上村 征幸
(72)【発明者】
【氏名】松川 雄真
(72)【発明者】
【氏名】岡田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 諒悟
(72)【発明者】
【氏名】奇 奈々
(72)【発明者】
【氏名】石井 恭平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】待鳥 裕介
(72)【発明者】
【氏名】渋江 航
(72)【発明者】
【氏名】田中 健介
(72)【発明者】
【氏名】山口 健斗
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA71
5E555BA23
5E555BA24
5E555BA73
5E555BA83
5E555BA87
5E555BB23
5E555BB24
5E555BC17
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB32
5E555DC05
5E555EA02
5E555EA05
5E555EA19
5E555FA00
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】乗客の属性に応じて情報の表示態様を変化させること
【解決手段】本発明の一実施形態に係る、車両に乗車したユーザに対し、車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムは、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報を記憶する記憶部と、車両に乗車したユーザの属性を特定する特定部と、出力態様情報に基づき、コンテンツを、特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で出力する出力部とを備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に乗車したユーザに対し、前記車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムであって、
前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報を記憶する記憶部と、
前記車両に乗車したユーザの属性を特定する特定部と、
前記出力態様情報に基づき、前記コンテンツを、前記特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で出力する出力部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記車両に設けられた撮像部が撮像したユーザの画像情報に基づき、前記車両に乗車したユーザの属性を特定する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記車両に設けられた音声取得部が取得したユーザの音声情報に基づき、前記車両に乗車したユーザの属性を特定する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記車両に乗車するユーザの属性を含むユーザ情報を取得する取得部をさらに備え、
前記特定部は、前記ユーザ情報から、前記車両に乗車したユーザの属性を特定する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記出力態様情報として、前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記ディスプレイに出力するキャラクタオブジェクトに関するキャラクタ情報を関連付けて記憶し、
前記出力部は、前記特定部によって特定された属性に関連付けられたキャラクタオブジェクトを介して、前記コンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記キャラクタオブジェクトとして、前記コンテンツの内容に応じて表情を変化させるデジタルヒューマンを介して、前記コンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記出力態様情報として、前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記コンテンツの音声での出力態様を関連付けて記憶し、
前記出力部は、前記特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、前記コンテンツを、前記キャラクタオブジェクトを介して音声で出力する、
請求項5または6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記記憶部は、前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記コンテンツを関連付けて記憶し、
前記出力部は、前記特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、前記特定部によって特定された属性に関連付けられたコンテンツを出力する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記記憶部は、前記出力態様情報として、前記ユーザの属性の優先度に関する情報をさらに記憶し、
前記出力部は、前記車両に複数のユーザが乗車した場合、前記優先度に応じた順序で、前記コンテンツの出力態様を変化させて出力する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記車両内で提供されたコンテンツに対する、前記車両に乗車したユーザによる評価情報を取得する評価取得部をさらに備え、
前記出力部は、前記評価情報に応じて、前記ユーザの属性ごとに出力する前記コンテンツ、及び、前記出力態様の少なくともいずれか一方を変更する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項11】
車両に乗車したユーザに対し、前記車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムの制御方法であって、
コンピュータに、
前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報を記憶するステップと、
前記車両に乗車したユーザの属性を特定するステップと、
前記出力態様情報に基づき、特定された属性に関連付けられた出力態様で、前記ディスプレイにコンテンツを出力するステップと、
を実行させる、情報提供システムの制御方法。
【請求項12】
車両に乗車したユーザに対し、前記車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムの制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記車両を利用するユーザの属性ごとに、前記コンテンツの出力態様 を関連付けた出力態様情報を記憶する機能と、
前記車両に乗車したユーザの属性を特定する機能と、
前記出力態様情報に基づき、特定された属性に関連付けられた出力態様で、前記ディスプレイにコンテンツを出力する機能と、
して機能させる情報提供システムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供システムの制御方法、及び情報提供システムの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーに乗車した乗客の属性に応じた広告を表示する広告表示装置等が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の広告表示装置は、タクシーの座席の乗客を撮像した撮像画像に基づいて乗客の属性を特定し、乗客から受け付けた属性の使用の許否を示す許否情報に基づいて、タクシーに設けられた表示部に表示させる広告コンテンツを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-144268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両内で提供される情報がユーザに関心のある領域であっても、提供の仕方によっては、例えば音声が小さすぎたり、逆に大きすぎて不快になるなど、ユーザが受け入れにくい場合も考えられる。したがって、車両内で提供される情報がより乗客に受け入れられるよう、乗客の属性に応じて情報の表示態様を変化させることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る、車両に乗車したユーザに対し、車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムは、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報を記憶する記憶部と、車両に乗車したユーザの属性を特定する特定部と、出力態様情報に基づき、コンテンツを、特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で出力する出力部とを備える。
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、特定部は、車両に設けられた撮像部が撮像したユーザの画像情報に基づき、機械学習等を用いて車両に乗車したユーザの属性を特定してもよい。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、特定部は、車両に設けられた音声取得部が取得したユーザの音声情報に基づき、車両に乗車したユーザの属性を特定してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムは、車両に乗車するユーザの属性を含むユーザ情報を取得する取得部をさらに備え、特定部は、ユーザ情報から、車両に乗車したユーザの属性を特定してもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、記憶部は、出力態様情報として、車両を利用するユーザの属性ごとに、ディスプレイに出力するキャラクタオブジェクトに関するキャラクタ情報を関連付けて記憶し、出力部は、特定部によって特定された属性に関連付けられたキャラクタオブジェクトを介して、コンテンツを出力してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、出力部は、キャラクタオブジェクトとして、コンテンツの内容に応じて表情を変化させるデジタルヒューマンを介して、コンテンツを出力してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、記憶部は、出力態様情報として、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの音声での出力態様を関連付けて記憶し、出力部は、特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、コンテンツを、キャラクタオブジェクトを介して音声で出力してもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、記憶部は、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツを関連付けて記憶し、出力部は、特定部によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、特定部によって特定された属性に関連付けられたコンテンツを出力してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、記憶部は、出力態様情報として、ユーザの属性の優先度に関する情報をさらに記憶し、出力部は、車両に複数のユーザが乗車した場合、優先度に応じた順序で、コンテンツの出力態様を変化させて出力してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報提供システムは、車両内で提供されたコンテンツに対する、車両に乗車したユーザによる評価情報を取得する評価取得部をさらに備え、出力部は、評価情報に応じて、ユーザの属性ごとに出力するコンテンツ、及び、出力態様の少なくともいずれか一方を変更してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る、車両に乗車したユーザに対し、車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムの制御方法は、コンピュータに、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報を記憶するステップと、車両に乗車したユーザの属性を特定するステップと、出力態様情報に基づき、特定された属性に関連付けられた出力態様で、ディスプレイにコンテンツを出力するステップとを実行させる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る、車両に乗車したユーザに対し、車両内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供する情報提供システムの制御プログラムは、コンピュータを、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの出力態様 を関連付けた出力態様情報を記憶する機能と、車両に乗車したユーザの属性を特定する機能と、出力態様情報に基づき、特定された属性に関連付けられた出力態様で、ディスプレイにコンテンツを出力する機能として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、車両内のディスプレイに表示する情報がより乗客に受け入れられるよう、乗客の属性に応じて情報の表示態様を変化させる情報提供システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る情報提供システム構成の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ(情報提供装置)、ユーザ端末(通信端末)及び車両の機能ブロック図の一例である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける出力態様情報テーブルの一例である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおけるコンテンツ情報テーブルの一例である。
図5】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける、車両内のディスプレイの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るサーバの動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける、乗客の通信端末の表示画面例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける、車両の利用履歴テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以降、図を用いて、本開示に係る発明(本発明ともいう)の一実施形態を説明する。なお、図は一例であって、本発明は図に示すものに限定されない。例えば、図示したサーバ(情報提供装置)、ユーザ端末(通信端末)、記憶装置、車両等の数、データセット(テーブル)、フローチャート、表示画面、識別子等は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態による情報提供システム構成の概略図である。情報提供システム600は、車両200(200A~200C)に乗車したユーザ(乗客)に対し、車両200内に設置されたディスプレイで所定のコンテンツを提供するシステムである。なお、本明細書における「コンテンツ」は、ユーザに提供される情報の内容そのものを指してよく、これ以降に説明する情報提供システム600において、情報の内容(コンテンツ)は同じであっても、情報出力態様(提示の仕方)を異ならせることができてよい。
【0021】
情報提供システム600は、サーバ(情報提供装置)100と、車両200A~200Cと、通信端末(ユーザ端末)300(300A,300B)と、記憶装置400とを少なくとも含んでよい。サーバ100は、車両200A~200C、通信端末300A,300Bと、ネットワーク500を介して接続され、通信端末300から車両200の利用予約を受け付けたり、車両200内に設置されたディスプレイに所定のコンテンツを提供したりしてよい。なお、図1において、サーバ100は1つのみ示してあるが、これに限られるものではなく、複数存在してもよい。また、サーバ100は、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムであって、エッジサーバを含んでもよく、いわゆるクラウドサーバでもよい。すなわち、サーバ100は、物理的なサーバに限らず、仮想的なサーバも含まれてよい。また、サーバ100の各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。なお、特に区別する必要がない場合、車両200A~200C、ユーザ端末300A,300Bを、単に車両200、ユーザ端末300と表記することもある。
【0022】
車両200は、移動手段としてユーザに利用され、車両200内に設置されたディスプレイでユーザに所定のコンテンツを提供可能な車両であって、例えば、タクシー、バスであってよい。ここで、本発明の一実施形態による情報提供システム600において、車両200は、運転手による運転操作を必要とせず、自動でエンジン、ブレーキ、操舵の制御が行われる自動運転車両であってよい。情報提供システム600は、ユーザの利用予約に応じて走行するタクシーを自動運転車両で実現したサービス(これ以降、単に「予約サービス」とも称する)において、タクシーで移動中のユーザに対し情報(コンテンツ)を提供するシステムであってよい。
【0023】
車両200を自動運転車両で実現する場合、情報提供システム600は、車両200を遠隔監視・管理する図示しない運行管理センターや、運行管理に関する処理を実行するサーバをさらに含んでよい。なお、本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおいて、車両200は、自動運転車両に限定されるものではなく、運転手が搭乗して運転する車両であってもよい。
【0024】
ネットワーク500は、無線ネットワークや有線ネットワークを含む。具体的には、例えば、ネットワーク500は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、CDMA(code division multiple access)、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代通信(4G)、第5世代通信(5G)、及び第6世代通信(6G)以降の移動体通信システム等であってよい。なお、ネットワーク500は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber LINE)回線、衛星通信網等であってもよい。また、ネットワーク500は、これらの組み合わせであってもよい。
【0025】
ユーザ端末300は、予約サービスを利用するユーザの通信端末である。ユーザ端末300は、サーバ100とネットワーク500を介して接続され、各ユーザから受け付けた、車両200の利用予約に関する情報をサーバ100へ送信してよい。なお、利用予約に関する情報とは、車両200の予約時に必要な、乗車位置(出発地)・降車位置(目的地)を指定する情報や、車両200の利用にあたりユーザ認証や決済に必要なユーザ情報を指してよい。予約サービスについては後述する。
【0026】
なお、図1では、ユーザ端末300としてスマートフォンを示してあるが、ユーザ端末300としては、これ以降に説明する各実施形態において記載する機能を実現できる端末であればどのような端末であってもよい。例えば、ユーザ端末300は、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、タブレット、ノートパソコン)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)であってよい。また、図1において、ユーザ端末300は2台のみ示してあるが、情報提供システム600が提供する予約サービスを利用するユーザの数だけ存在してもよく、一のユーザに複数の通信端末(例えば、スマートフォンと、ノートパソコンなど)が関連付けられてもよい。
【0027】
記憶装置400は、情報提供システム600で利用する各種情報(データ)を記憶(格納)してよい。なお、図1において、記憶装置400はサーバ100とは別に1つのみ示してあるが、サーバ100に一体化されていてもよい。すなわち、記憶装置400は、サーバ100の揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよい。また、記憶装置400は、複数の記憶装置から構成されていてもよい。なお、記憶装置400は、ネットワーク500とは異なる専用の内部ネットワークにて、サーバ100と接続されてもよいし、ネットワーク500を介してサーバ100と接続されてもよい。
【0028】
ここで、記憶装置400に記憶される情報の一例として、本発明の一実施形態に係る情報提供システム600において用いられる出力態様情報及びコンテンツ情報について、それぞれ図3,4を用いて説明する。
【0029】
記憶装置400には、車両200を利用するユーザの属性ごとにコンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報が記憶されてよい。「ユーザの属性」とは、ユーザの性質や特徴を示す情報であって、例えば、ユーザの年代(年齢)、性別、職業、居住地等であってよい。「コンテンツの出力態様」とは、コンテンツをどのように出力させるかを示す情報であって、例えば、コンテンツのユーザへの見せ方(提供の仕方)に関する定義であってよい。コンテンツの出力態様は、例えば、コンテンツを音声で提供する場合、コンテンツを発話させるキャラクタオブジェクトや、音量、発話速度等を示す情報であってよい。また、コンテンツの出力態様としては、しゃべり口調(丁寧かフレンドリーか)や方言等を示す情報が含まれてよい。また、コンテンツがテキストで提供される場合、コンテンツの出力態様は、文字のサイズやフォント、表示速度、表示回数等を示す情報であってよい。
【0030】
図3は、記憶装置400に記憶される出力態様情報テーブルTB10の一例である。図3の例では、ユーザの属性を示す年代情報に対し、キャラクタID、音量、速度、優先度等のパラメータが関連付けられた各出力態様が、識別子である出力態様ID(IDentifier)によって識別されて記憶されている。なお、図3は一例であって、出力態様情報テーブルTB10に格納される情報はこれ以上でもこれ以下でもよい。
【0031】
ここで、キャラクタIDについて説明する。出力態様情報テーブルTB10には、車両200を利用するユーザの属性ごとに、車両200内に設置されたディスプレイに出力するキャラクタオブジェクトに関するキャラクタ情報が関連付けられて記憶され、キャラクタオブジェクトを介して、コンテンツが出力されてよい。すなわち、本発明の一実施形態による情報提供システム600によれば、車両200内に設置されたディスプレイにキャラクタオブジェクトが表示され、キャラクタオブジェクトがコンテンツを話すことによって、当該コンテンツがユーザに提供されてよい。キャラクタオブジェクトとしては特に限定されるものではないが、例えば、人物、または、動物、生物、物等を擬人化したアバターや、デジタルヒューマン(バーチャルヒューマン)であってよい。なお、デジタルヒューマンについては後述する。キャラクタオブジェクトを車両200内のディスプレイに出力するための情報は、例えば記憶装置400に記憶され、キャラクタIDは、上述したキャラクタオブジェクトを一意に識別するための識別子であってよい。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの属性ごとに少なくとも一のキャラクタオブジェクトが設定されてよい。例えば、10歳以下のユーザに対しては、子供に人気のキャラクタやアニメの登場人物がキャラクタオブジェクトとして設定されてよい。同様に、20代、30代のユーザに対しては、それぞれ20代、30代のユーザが親しみを感じるキャラクタオブジェクトを設定し、40代以降のユーザに対しても、それぞれ属性ごとにキャラクタオブジェクトを設定してよい。
【0033】
図3に示すように、出力態様情報テーブルTB10には、車両200を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの音声での出力態様を関連付けて記憶されてよい。そして、提供部113は、特定部111によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、コンテンツを、上述したキャラクタオブジェクトを介して音声で出力してよい。図3の出力態様情報テーブルTB10の例では、出力態様ID「out_10」で識別される出力態様として、年代「10歳以下」の属性に、キャラクタID「CH_01」が関連付けられ、「音量」を「+2」、速度「5字/秒以下」でコンテンツを出力することが記憶されている。また、出力態様ID「out_70」で識別される出力態様として、年代「70代以上」の属性に、キャラクタID「CH_07」が関連付けられ、「音量」を「+3」、速度「5字/秒以下」でコンテンツを出力することが記憶されている。なお、「優先度」については後述する。
【0034】
図3に示すように、本発明の一実施形態による情報提供システム600において、コンテンツは、20代、30代のユーザに対しては音量を基準値近く、また標準的な速度で出力され、10代以下のユーザ、また高齢のユーザほど音量を大きく、また速度を遅くして出力される。これは、幼児の興味を引き付けることを目的とし、また、高齢となるほど聴力が弱くなることを考慮したものである。
【0035】
図4は、記憶装置400に格納されるコンテンツ情報テーブルTB20の一例である。図4の例では、ユーザの属性を示す年代情報に対し、位置情報、種類、内容等が関連付けられた各コンテンツが、コンテンツIDによって識別されて記憶されている。なお、図4は一例であって、コンテンツ情報テーブルTB20に格納される情報はこれ以上でもこれ以下であってもよく、また、図4と異なる情報形式で各種情報が格納されてもよい。本発明の一実施形態による情報提供システム600によれば、ユーザの属性に応じてコンテンツが設定される。なお、各属性に関連付けるコンテンツは、情報提供システム600の管理側が予め準備してよいし、情報提供システム600を利用したい広告主から提供されてもよい。
【0036】
上述のように、記憶装置400には、車両200を利用するユーザの属性ごとにコンテンツが関連付けられて記憶され、提供部113は、特定部111によって特定された属性に関連付けられた出力態様で、特定部111によって特定された属性に関連付けられたコンテンツを出力してよい。
【0037】
図4のコンテンツ情報テーブルTB20の例では、コンテンツID「cont_01」で識別されるコンテンツとして、年代「10歳以下」の属性に、位置情報「緯度35.*** 経度139.***」、種類「観光案内」のコンテンツとして、Zパークを紹介するテキスト情報が記憶されている。また、コンテンツID「cont_13」で識別されるコンテンツとして、年代「20代」の属性に、種類「転職案内」のコンテンツとして、転職に関するテキスト情報が記憶されている。
【0038】
なお、本発明の一実施形態による情報提供システム600では、車両200の走行場所に応じたコンテンツが提供されてよい。このため、コンテンツ情報テーブルTB20には、そのコンテンツを出力する場所についての位置情報が記憶されてよい。これにより、走行中のユーザに、走行ルート周辺の情報を提供し、ユーザを飽きさせないサービスの実現につなげることができる。
【0039】
次に、図2を用いて、本発明の一実施形態に係るサーバ100、車両200、及びユーザ端末300のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0040】
<車両>
車両200は、上述のように自動運転車両であってよい。なお、自動運転については既存の技術が用いられてよく、自動運転を行うためのハードウェア構成、機能構成についての説明は省略する。以下では、情報提供システム600において車両200内のディスプレイにコンテンツを出力するためのハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0041】
(1)車両のハードウェア構成
車両200は、制御部210、通信部220、表示部230、撮像部240、音声取得部250、音声出力部260、操作入力部270、位置情報取得部280、及び記憶部290を備えてよい。
【0042】
制御部210は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現されてよい。制御部210は、記憶部290に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。
【0043】
記憶部290は、車両200が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種情報を記憶する。記憶部290は、例えば、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部290は、制御部210に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。
【0044】
通信部220は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、ネットワーク500を介して、サーバ100との間で各種情報の送受信を行ってよい。
【0045】
表示部230は、フレームバッファに書き込まれた表示情報に従って情報を表示するディスプレイであって、サーバ100から提供されたコンテンツを出力してよい。なお、表示部230はタッチディスプレイであってもよい。
【0046】
撮像部240は、車両200の乗客を撮像するカメラであってよい。なお、撮像する情報は静止画であっても、動画であってもよい。また、撮像部240は、車両200内に設置されても、車両200外に設置されてもよいし、複数設置されてもよい。
【0047】
音声取得部250は、車両200の乗客の音声を取得するマイクであってよい。音声出力部260は、コンテンツの音声を出力するスピーカであってよい。
【0048】
操作入力部270は、車両200に乗車するユーザによる各種操作を受け付ける入力装置であってよい。操作入力部270は、ユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部210に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現されてよく、例えば、キーボード、コントローラ、タッチパネル、タッチディスプレイ等であってよい。タッチパネルやタッチディスプレイの場合、表示部230と操作入力部270とは一体化されていてもよい。操作入力部270は、例えば、ユーザから、年代や性別、職業、好みといったユーザの属性の入力操作を受け付けてよい。また、操作入力部270は、ユーザから、コンテンツの出力態様を選択する操作を受け付けてよい。
【0049】
位置情報取得部280は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて、車両200の現在位置の位置情報を取得してよい。
【0050】
(2)車両の機能構成
車両200は、制御部210によって実現される機能として、通信制御部211、表示制御部212、入出力制御部213を備えてよい。なお、図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0051】
通信制御部211は、通信部220による、ネットワーク500を介したサーバ100との間の通信を制御し、各種情報の送受信を実行させてよい。
【0052】
表示制御部212は、表示部230への情報の表示を制御してよい。例えば、表示制御部212は、サーバ100から提供されたコンテンツを、設定された出力態様で表示部230に表示させてよい。
【0053】
入出力制御部213は、撮像部240、音声取得部250、音声出力部260、操作入力部270、位置情報取得部280といった外部装置との各種情報の伝達を制御してよい。例えば、入出力制御部213は、撮像部240を制御して、車両200に乗車したユーザを撮像してもよい。ユーザの撮像は、これに限定されるものではないが、撮像部240の画角内にユーザが位置したと判定される場合に行われてよい。また、入出力制御部213は、撮像部240で撮像された画像情報、音声取得部250で取得された音声、操作入力部270で入力された各種情報、位置情報取得部280で取得された車両200の位置情報を、サーバ100へ送信するために通信制御部211に伝達したり、サーバ100から提供されたコンテンツを、設定された出力態様で音声出力部260から出力させたりしてよい。
【0054】
<ユーザ端末>
(1)ユーザ端末のハードウェア構成
ユーザ端末300は、制御部310、通信部320、表示部330、入出力部340、記憶部370を備えてよい。
【0055】
制御部310は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU、GPU、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGA等を含み、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現されてよい。制御部310は、記憶部370に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。
【0056】
記憶部370は、ユーザ端末300が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種情報を記憶する。例えば、記憶部370は、車両200の予約サービスの利用にあたり必要なアプリケーション(以降、「予約アプリ」と称する)のプログラムを記憶してよい。記憶部370は、例えば、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部370は、制御部310に対する作業領域を提供するメモリ(RAM、ROM等)を含んでよい。
【0057】
通信部320は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部320は、ネットワーク500を介して、サーバ100との間で各種情報の送受信を行ってよい。
【0058】
表示部330は、フレームバッファに書き込まれた表示情報に従って、情報を表示するモニタであって、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ等であってよい。
【0059】
入出力部340は、ユーザ端末300に対する各種操作を入力する入力装置、及び、ユーザ端末300で処理された処理結果を出力する出力装置を含んでよい。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、カメラ、マイクを含んでよい。出力装置は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル、スピーカ等を含んでよい。
【0060】
(2)ユーザ端末の機能構成
ユーザ端末300は、制御部310によって実現される機能として、通信制御部311、表示制御部312、入出力制御部313を備えてよい。なお、図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0061】
通信制御部311は、通信部320による、ネットワーク500を介したサーバ100との間の通信を制御し、各種情報の送受信を実行させてよい。
【0062】
表示制御部312は、表示部330への情報の表示を制御してよい。例えば、表示制御部312は、予約サービスにおける車両200の予約画面や、車両200内で提供されたコンテンツに対する評価を入力する評価入力画面を、表示部330に表示させてよい。
【0063】
入出力制御部313は、入出力部340を介した外部装置との各種情報の伝達を制御してよい。例えば、入出力制御部313は、入力装置で受け付けたユーザの入力操作に応じて、各種情報を各機能部へ情報を伝達したり、出力装置に対し、各機能部からの情報を伝達したりしてよい。また、入出力制御部313は、予約情報入力部314を含んでよい。予約情報入力部314は、ユーザから、予約サービスに係る車両200の利用予約の入力を受け付けてよい。
【0064】
<サーバ>
(1)サーバのハードウェア構成
サーバ100は、制御部110、通信部120、及び記憶部170を備える。
【0065】
制御部110は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU、GPU、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGA等を含み、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現されてよい。なお、サーバ100は、大量の情報を処理するための演算能力の高いプロセッサを有することが好ましい。
【0066】
通信部120は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、ネットワーク500を介して、車両200、ユーザ端末300との間でそれぞれ各種情報の送受信を行う。
【0067】
記憶部170は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種情報を記憶する。記憶部170は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部170は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリを含んでよい。
【0068】
(2)サーバの機能構成
サーバ100は、制御部110によって実現される機能として、特定部111、選択部112、提供部113、取得部114、及び評価取得部115を含む。なお、図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0069】
特定部111は、車両200に乗車したユーザの属性を特定してよい。なお、特定部111は、車両200に設けられた撮像部240が撮像したユーザの画像情報に基づき、車両200に乗車したユーザの属性(年代、性別等)や人数を特定してよい。画像情報に基づく属性の特定には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等の機械学習を含む、既知の画像認識技術が用いられてよい。また、特定部111による画像認識は、既存の画像認識ライブラリを利用するものであってもよい。このように、本発明の一実施形態によれば、乗客の画像情報を用いることにより、確実にユーザの属性を特定することができる。
【0070】
また、特定部111は、車両200に設けられた音声取得部250が取得したユーザの音声情報に基づき、車両200に乗車したユーザの属性を特定してよい。音声情報に基づく属性の特定には、パターンマッチングや隠れマルコフモデル等を用いた既存の音声認識技術や、ディープラーニング等が用いられてもよい。なお、ユーザに予め決まったパーンの文を発話してもらい、ユーザの音声信号の特徴から属性が特定されてもよい。このように、本発明の一実施形態によれば、乗客の音声情報を用いることにより、確実にユーザの属性を特定することができる。
【0071】
選択部112は、特定部111によって特定された属性に応じたコンテンツ及び出力態様を、コンテンツ情報テーブルTB20及び出力態様情報テーブルTB10を参照して選択してよい。例えば、特定部111によって特定された属性が「20代」であった場合、選択部112は、出力態様情報テーブルTB10を参照して、属性「20代」に関連付けられた、出力態様ID「out_20」の出力態様を選択してよい。また、選択部112は、コンテンツ情報テーブルTB20を参照して、属性「20代」に関連付けられた、コンテンツID「cont_13」のコンテンツを選択してよい。
【0072】
提供部113は、出力態様情報に基づき、コンテンツを、特定部111によって特定された属性に関連付けられた出力態様で提供する。すなわち、提供部113は、選択部112によって選択されたコンテンツと出力態様とを、通信部120を介して車両200へ送信してよい。車両200の表示制御部212及び入出力制御部213は、サーバ100から送信されたコンテンツを、指定された出力態様で、表示部230及び音声出力部260から出力してよい。
【0073】
図5(a)、(b)に、車両200の表示部230に出力されるコンテンツの一例を示す。図5(a)は、属性「70代以上」と特定されたユーザに対し、コンテンツID「cont_70」のコンテンツが、出力態様ID「out_70」の出力態様で出力された例であってよい。図5(a)に示すように、表示部230には、出力態様ID「out_70」の出力態様で指定されたキャラクタID「CH_07」で識別されるキャラクタ11が表示され、音声出力部260からは、コンテンツID「cont_70」の内容である「△△はバリアフリー施設です」との音声12が、音量「+3」、速度「5字/秒以下」にて出力される。なお、図5(a)の例では、車両200が、コンテンツID「cont_70」のコンテンツ情報に含まれる位置情報の周辺を走行するため、コンテンツID「cont_70」のコンテンツが選択されたものであってよい。
【0074】
また、図5(b)は、属性「10代以下」と特定されたユーザに対し、コンテンツID「cont_10」のコンテンツが、出力態様ID「out_10」の出力態様で出力された例であってよい。図5(b)に示すように、表示部230には、出力態様ID「out_10」の出力態様で指定されたキャラクタID「CH_01」で識別されるキャラクタ21が表示され、音声出力部260からは、コンテンツID「cont_10」の内容である「Zパークにあそびにきてね!」との音声12が、音量「+2」、速度「5字/秒以下」にて出力される。
【0075】
<サーバの制御フローチャート>
ここで、サーバ100の制御方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、記憶装置400に、車両を利用するユーザの属性ごとに、コンテンツの出力態様を関連付けた出力態様情報が記録されてよい(ステップS11)。出力態様情報については、図3の出力態様情報テーブルTB10で説明した通りである。次に、特定部111は、車両200に乗車したユーザの属性を特定してよい(ステップS12)。ユーザの属性の特定には、車両200の撮像部240で撮像されたユーザの動画像が用いられてもよいし、車両200の音声取得部250で取得されたユーザの音声情報が用いられてもよい。そして、提供部113は、出力態様情報に基づき、コンテンツを、特定された属性に関連付けられた出力態様で提供してよい(ステップS13)。コンテンツの出力については、図5等を用いて説明した通りである。
【0076】
このように、本発明の一実施形態によれば、車両200の乗客の属性を特定し、属性に応じたコンテンツが、属性に応じた出力態様にて、車両200に設置されたディスプレイにおいて提供される。具体的には、各属性のユーザの興味をひきやすく、注目を集めるキャラクタオブジェクト、音量、発話速度にてコンテンツが提供される。したがって、どの属性のユーザに対しても受け入れられ、ユーザのコンテンツへの集中度を高めることが可能となる。
【0077】
なお、キャラクタオブジェクトは、コンテンツの内容に応じて表情を変化させるデジタルヒューマン(バーチャルヒューマン)であってもよく、コンテンツが、デジタルヒューマンを介して出力されてもよい。デジタルヒューマンは、音声認識、自然言語処理、音声合成技術等によって発話し、また、画像処理技術によって、発話内容に応じて表情がリアルタイムに変化する、人工知能(AI)によって実現される人間を模したアバターを指してよい。このように、キャラクタオブジェクトをデジタルヒューマンで実現し、上述のように属性に応じて出力態様を変化させることにより、よりユーザをコンテンツに集中させることが可能となる。
【0078】
なお、車両200に複数のユーザが乗車することも考えられる。本発明の一実施形態によれば、図3の出力態様情報テーブルTB10に示すように、出力態様情報に、ユーザの属性の優先度に関する情報がさらに記憶され、提供部113は、車両200に複数のユーザが乗車した場合、優先度に応じた順序で、コンテンツの出力態様を変化させて提供してよい。図3の例では、優先度が「2」の30代のユーザと、優先度が「6」の70代以上のユーザとが車両200に乗車した場合、優先度に応じて、30代に関連付けられたコンテンツが30代向けの出力態様で出力された後に、70代に関連付けられたコンテンツが、70代向けの出力態様で出力されてよい。なお、優先度については図3に限定されず、情報提供システム600の管理者側で柔軟に設定可能であってよい。また、ユーザの選択に応じて優先度が変更されてもよい。例えば、車両200の表示部230に、ユーザの属性に応じた出力態様の一覧が表示され、ユーザは、操作入力部270を介して、出力態様を選択可能であってよい。例えば、乗客に含まれる幼児が泣き出した場合に、幼児が好む出力態様を親が選択し、提供されるコンテンツはそのままで、コンテンツの出力態様が幼児向けに変更されてよい。これにより、幼児を泣き止ませながら、観光案内や商品案内が提供されるため、ユーザビリティの高いサービスを提供することが可能となる。
【0079】
これにより、属性の異なるユーザ同士であっても、それぞれが興味を示しやすいコンテンツを、それぞれが集中しやすい出力態様で提供することができ、よりユーザビリティの高い情報提供システムを実現することができる。
【0080】
図2の機能ブロック図に戻り説明を続ける。冒頭で述べたように、本発明の一実施形態による情報提供システム600は、車両200の予約サービスに適用されてもよい。ここで、予約サービスについて説明する。取得部114は、ユーザ端末300から、車両200を利用するための予約情報を取得してよい。予約情報は、具体的には、車両200を利用する区間(出発地、目的地)、利用時刻、乗車予定のユーザの属性を含むユーザ情報、同乗者に関する情報であってよい。ユーザは、通信端末300を用いて上述の情報を入力し、サーバ100に送信してよい。サーバ100は、受信した予約情報に基づいて、車両200の手配などを行ってよい。
【0081】
ここで、特定部111は、予約情報に含まれるユーザ情報から、ユーザの属性を特定してもよい。これにより、より正確にユーザの属性を特定することができる。
【0082】
なお、ユーザ情報の取得手法は上述に限定されず、ユーザ情報は、ユーザが車両200へ乗車した際に取得されてもよい。例えば、車両200の操作入力部270を介して、ユーザから、属性や目的地の入力を受け付け、受け付けたユーザ情報がサーバ100へ送信されてもよい。
【0083】
評価取得部115は、車両200内で提供されたコンテンツに対する、車両200に乗車したユーザによる評価情報を取得してよい。図7に、ユーザ端末300に表示される、評価入力画面の一例を示す。なお、図は一例であって、評価情報の取得するための手法は、これに限定されない。車両200を利用したユーザのユーザ端末300には、予約アプリによって、評価入力画面50が表示されてよい。評価入力画面50には、車両200の利用日時、利用区間に関する情報とともに、車両200内で提供されたコンテンツや、コンテンツの出力態様についての評価項目51が表示されてよい。なお、図7の例では、5段階評価を入力させる場合を示してあるが、3段階でもよいし、ユーザが点数を入力するものであってもよい。また、評価項目51はこれらに限定されない。
【0084】
評価取得部116によって取得された評価情報を含む、各ユーザの利用履歴は、記憶装置400に記憶されてよい。図8に、記憶装置400に記憶される利用履歴の一例を示す。利用履歴テーブルTB30は、車両200を利用したユーザの属性に、乗車履歴(乗車日、出発地、目的地、同乗者)、提供情報履歴(コンテンツID、出力態様ID)、決済履歴、評価情報が関連付けられて記憶されてよい。提供情報履歴は、車両200内で提供されたコンテンツのコンテンツIDと、当該コンテンツの出力態様の出力態様IDであってよい。評価情報は、図8のような数値であってもよいし、評価項目ごとの評価が記録されてもよい。
【0085】
本発明の一実施形態による情報提供システム600によれば、評価情報に応じて、ユーザの属性ごとに出力するコンテンツ、及び、出力態様の少なくともいずれか一方が変更されてもよい。具体的には、選択部112は、コンテンツの提供に用いられた属性ごとの出力態様と、その際の評価情報を学習情報として、評価を上げるための出力態様を学習してよい。そして、選択部112は、学習結果に応じて、より高い評価を得られる出力態様を選択してよい。あるいは、学習結果に応じて、出力態様情報テーブルTB10が更新されてもよい。すなわち、キャラクタ、音量、速度が変更されてもよい。
【0086】
これにより、よりユーザの好みに合った出力態様で、コンテンツを提供することが可能となる。
【0087】
決済履歴について説明する。本発明の一実施形態による情報提供システム600によれば、車両200内で提供されるコンテンツに関係する商品やサービスが、ユーザ端末300の予約アプリから購入できてよい。あるいは、車両200の音声取得部250を介して、音声による決済が可能であってよい。利用履歴テーブルTB30は、決済情報として、ユーザが車両200に乗車している間に決済が行われた場合の購入品に関する情報をさらに記憶してよい。
【0088】
なお、学習情報として、乗車履歴や、決済履歴等が用いられてもよい。これらの情報により、ユーザの行動パターン、興味、関心のある分野を推定することが可能であり、これらの情報を学習し、提供するコンテンツや出力態様の更新が行われてもよい。なお、これらのユーザの行動履歴に応じてコンテンツを選択する手法としては、協調フィルタリング、ルールベースレコメンド、パーソナライズレコメンドといった既知のレコメンド手法が用いられてもよい。
【0089】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、サーバ100が備えるとして説明した各構成部は、複数のサーバによって分散されて実現されてもよいし、機能によっては、外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)等で呼び出して実現してもよい。また、上述でサーバ100が行うとして説明した処理は、車両200、ユーザ端末300が実行してもよい。
【0090】
例えば、上述では、画像情報に基づくユーザの属性の特定(画像認識処理)を、サーバ100の特定部111が行う場合について説明した。しかしながら、撮像部240にエッジサーバを搭載し、撮像部240で画像認識処理が行われてもよい。
【0091】
例えば、出力態様情報について、上述では、属性ごとにひとつの出力態様が関連付けられた場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各属性に複数の出力態様が関連付けられてもよい。この場合、出力態様の選択順序が設定されたり、評価の高い出力態様が優先的に選択されたりしてよい。
【0092】
また、上述では、属性ごとに異なるキャラクタオブジェクトが関連付けられた場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ひとつのキャラクタオブジェクトが、2つ以上の属性に関連付けられてもよい。この場合、あるキャラクタオブジェクトが、属性に応じて、異なる出力態様でコンテンツを提供してもよい。すなわち、同じキャラクタオブジェクトであっても、20代のユーザと60代のユーザとでは、音量や発話速度が異なってもよい。
【0093】
また、ユーザにより関心を持たせる出力態様やコンテンツの選択のための学習データには、サーバ100が取得可能な他のユーザ情報を用いてもよい。例えば、ユーザ情報として、物やサービスの購入履歴、通院履歴、学習履歴、出身地、居住地、職種等が用いられてもよい。これらのユーザ情報は、例えば、車両200の利用予約時に任意にユーザに入力させてもよいし、ユーザの承諾を得て、他のアプリケーション(SNS、ゲーム等)から取得されてもよい。
【0094】
サーバ100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種情報がコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。すなわち、本発明に係るサーバ100は、CPUがRAM上にロードされたプログラムを実行することにより、上述した各構成部として機能する。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれた情報信号の形態でも実現され得る。
【0095】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Python、Rubyなどのスクリプト言語、C言語、C++、C#、Objective-C、Swift、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装されてよい。さらに、特許請求の範囲における「部(section、module、unit)」との記載は、「手段」や「回路」に読み替えてもよい。例えば、通信部は、通信手段や通信回路に読み替えることができる。
【0096】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ100に提供されてもよい。
【0097】
以上説明した本開示の各態様によれば、高齢者や小児を含むあらゆる年代の人々に快適な、自動運転車両におけるサービスが可能となることにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0098】
100 サーバ(情報提供装置)
110 制御部
111 特定部
112 選択部
113 提供部
114 取得部
115 評価取得部
120 通信部
170 記憶部
200 車両
210 制御部
211 通信制御部
212 表示制御部
213 入出力制御部
220 通信部
230 表示部
240 撮像部
250 音声取得部
260 音声出力部
270 操作入力部
280 位置情報取得部
290 記憶部
300 ユーザ端末(通信端末)
310 制御部
311 通信制御部
312 表示制御部
313 入出力制御部
314 予約情報入力部
320 通信部
330 表示部
340 入出力部
370 記憶部
400 記憶装置
500 ネットワーク
600 情報提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8