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特開2023-172503家電機器管理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172503
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】家電機器管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01H 1/00 20060101AFI20231129BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20231129BHJP
   D06F 33/47 20200101ALI20231129BHJP
【FI】
G01H1/00 E
G01V1/00 D
D06F33/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084355
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古川 龍
【テーマコード(参考)】
2G064
2G105
3B167
【Fターム(参考)】
2G064AA11
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
2G105AA03
2G105BB01
2G105EE01
2G105NN02
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA82
3B167BA91
3B167BA92
3B167HA16
3B167KA78
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC08
3B167LD01
(57)【要約】
【課題】
本発明は、複数の家電機器のそれぞれについて、震度等の振動に応じたより適切な制御を実現することを課題とする。
【解決手段】
家電機器ごとに、振動の程度を示す振動状況および当該振動状況が検知された場合に、前記家電機器に対する制御の内容を示す設定内容を示す設定情報を記憶する記憶部と、検知された振動状況を受け付け、受け付けられた前記振動状況に応じた設定内容を、前記設定情報から特定する設定内容特定部と、特定された前記設定内容に応じた制御情報を作成する制御情報作成部を有し、前記家電機器は、前記制御情報に従った地震制御により稼働する家電機器管理システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器ごとに、振動の程度を示す振動状況および当該振動状況が検知された場合に、前記家電機器に対する制御の内容を示す設定内容を示す設定情報を記憶する記憶部と、
検知された振動状況を受け付け、受け付けられた前記振動状況に応じた設定内容を、前記設定情報から特定する設定内容特定部と、
特定された前記設定内容に応じた制御情報を作成する制御情報作成部を有し、
前記家電機器は、前記制御情報に従った地震制御により稼働する家電機器管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
さらに、前記地震制御の内容を表示する出力部を有する家電機器管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
さらに、利用者から前記地震制御の解除指示を受け付ける入力部を有する家電機器管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
前記家電機器のうち第1の家電機器は、振動を検知する振動センサを有し、
前記第1の家電機器から第2の家電機器に、前記振動センサで検知された振動状況を通知する家電機器管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
前記設定内容特定部は、
気象情報提供システムからの緊急地震速報の振動状況である第1の震度と前記家電機器の振動センサで検知された振動状況である第2の震度を比較して、最大震度を特定し、
前記最大震度が前記第1の震度である場合、該当地域の設定情報を抽出し、
前記最大震度が前記第2の震度である場合、前記家電機器が設置された該当家庭の設定情報を抽出する家電機器管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
前記設定内容特定部は、前記設定情報を利用者からの設定要求に応じて設定する家電機器管理システム。
【請求項7】
家電機器を管理するためのプログラムであって、
利用者からの指示を受け付ける入力部と、
前記家電機器を制御するための制御指令を作成する制御指令作成部と、
出力部を有し、
家電機器ごとに、振動の程度を示す振動状況および当該振動状況が検知された場合に、前記家電機器に対する制御の内容を示す設定内容を示す設定情報が記憶され、
前記家電機器が、前記設定情報から特定される受け付けられた前記振動状況に応じた設定内容に応じた制御情報に従った地震制御により稼働し、
前記入力部は、前記利用者から前記設定情報に対する設定要求を受け付け、
前記設定情報は、前記設定要求に応じて設定される利用者端末をコンピュータとして機能させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記出力部は、前記地震制御の内容を表示するプログラム。
【請求項9】
請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記入力部は、前記利用者から前記地震制御の解除指示を受け付け、
前記制御指令作成部は、前記解除指示に応じた解除指令を作成するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電機器の稼働を制御する技術に関する。その中でも特に、地震等の振動が検知された場合の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭内などで各種家電機器が利用されている。これら家電機器については、地震が等の振動が発生した場合、その稼働を制御する必要がある。例えば、地震を検知した場合、停電に備えた稼働を行うことがなされている。例えば、特許文献1には、「洗濯動作の制御用の振動センサを利用して、大きな地震の発生時に家庭内での用水を洗濯機により確保する」ために、「貯水制御部は、振動センサが検出する振動の強さが、地震の所定の大きさに対応させて設定された地震対応基準値を超えたとき、給水弁を駆動して洗濯槽に貯水するように動作する」ことが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、「地震判定部9は、前記緊急地震速報検出部5による検出結果と、前記揺れセンサ8による計測値が通知されたときに、地震が発生したか否かの判定を行い、地震が発生したと判定したときには、家電機器に対して所定の動作を行わせる」ことが記載されている。具体的には、「ハードディスク装置が備える磁気ヘッドを退避させた後に、当該録画装置11の電源をオフする」ことが、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-132499号公報
【特許文献2】特開2014-2822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1や2では、振動(例えば、地震)が検知された場合、家電機器が停止を含む所定の稼働を行っている。ここで、各家庭においては、複数の家電機器が用いられている。また、振動が地震であった場合、該当地域で用いられている複数の家電機器に影響が及ぶことが想定される。また、振動の状況、例えば、振動の程度や振動の時間により、家電機器ごとに与える影響が異なる。このため、振動の状況や家電機器ごとにその稼働を制御することが必要になる。
【0006】
しかしながら、特許文献1や2では、洗濯機等の個々の家電機器を制御するのみで、家電機器ごとに制御することは想定されていない。そこで、本発明では、複数の家電機器のそれぞれについて、振動や家電機器に応じた制御を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、複数の家電機器のそれぞれについて、振動の状況に応じた制御の内容を示す設定内容を記憶しておき、振動が検知された場合、設定内容に応じて該当の家電機器に対する稼働の制御を実行する。
【0008】
より具体的には、家電機器ごとに、振動の程度を示す振動状況および当該振動状況が検知された場合に、前記家電機器に対する制御の内容を示す設定内容を示す設定情報を記憶する記憶部と、検知された振動状況を受け付け、受け付けられた前記振動状況に応じた設定内容を、前記設定情報から特定する設定内容特定部と、特定された前記設定内容に応じた制御情報を作成する制御情報作成部を有し、前記家電機器は、前記制御情報に従った地震制御により稼働する家電機器管理システムである。
【0009】
また、本発明には、家電機器管理システムを構成する利用者端末、家電機器管理装置、家電機器やその組み合わせも含まれる。さらに、利用者端末や家電機器管理装置をコンピュータとして機能させるプログラムやこれを格納する媒体も本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の家電機器のそれぞれについて、振動に応じたより適切な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における家電機器管理システムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における家電機器の機能ブロック図である。
図3】本発明の一本実施形態における利用者端末のハードウエア構成図である。
図4】本発明の一本実施形態における家電管理装置のハードウエア構成図である。
図5】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報を示す図である。
図6】本発明の一実施形態で用いられる設定リストを示す図である。
図7】本発明の一実施形態で用いられる家電機器管理情報を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における家電機器管理システムでの地震制御処理を示すフローチャートである。
図9】実施例1における地震制御処理を示すフローチャートである。
図10】実施例1における地震制御の表示例を示す図である。
図11】実施例2における地震制御処理を示すフローチャートである。
図12】実施例3における設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、地震が検知された場合の家電機器に対する制御を例として説明する。
の対策を実行してもよい。
【0013】
<構成>
まず、本実施形態の構成について説明する。図1は、本実施形態における家電機器管理システムのシステム構成図である。図1において、家電機器管理システムは、利用者端末10、家電機器管理装置20および制御対象である家電機器群30を有する。そして、これらは、ルータ40やネットワーク60を介して互いに接続されている。また、家電機器管理システムは、ネットワーク60を介して、気象情報提供システム50と接続される。
【0014】
また、利用者端末10と家電機器群30は、近距離無線通信などを利用して直接接続してもよい。さらに、利用者端末10、家電機器群30とルータ40、ネットワーク60間は、有線接続でも無線接続でも構わない。以下、これらの各装置について説明する。
【0015】
まず、本実施形態の管理対象である家電機器群30について説明する。家電機器群30は、1つの領域(例えば、家庭内)で使用されていることを想定している。また、本実施形態の家電機器群30には、洗濯機31、IH調理器32、給湯器33およびテレビ34が含まれる。但し、これらは例示であり、これらの一部は省略可能であり、また、その他の家電機器を追加してもよい。これら各家電機器は、洗濯機能、調理機能、給湯機能、受像機能といった各種機能の他、近距離無線通信等、通信機能を有する。
【0016】
ここで、家電機器の構成について説明する。図2は、本実施形態における家電機器の機能ブロック図である。このブロック図は、各家電機器を代表するものである。図2に示すように、家電機器は、制御部301、通信部305、表示操作パネル306、稼働部307および振動センサ308を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0017】
まず、制御部301は、設定内容特定部302、制御信号作成部303および記憶部304を有する。つまり、制御部301は、制御信号作成部303を用いて、洗濯等の当該家電機器の機能を実現するための制御信号を作成、出力し、家電機器の稼働を制御する。また、この制御には、設定内容特定部302で特定された設定内容に応じた制御が含まれる。ここで、設定内容は、記憶部304に記憶されていてもよいし、利用者端末10や家電機器管理装置20に記憶されてもよい。
【0018】
さらに、記憶部304には、当該家電機器の状況(ステータス)を含む家電機器管理情報が記憶されてもよい。この状況(ステータス)とは、検知された振動に応じた制御が実行されているか、それともこれが解除されているかを示す。なお、設定内容や家電機器管理情報については、後述する。
【0019】
ここで、制御部301は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、設定内容特定部302や制御信号作成部303の各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。
【0020】
また、制御信号作成部303で作成される制御信号は、制御情報に一種であり、制御信号作成部303は、制御情報作成部の一例である。
【0021】
また、通信部305は、ルータ40やネットワーク60を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部305は、特定された設定内容や状況(ステータス)を出力したり、利用者端末10などから制御指示や検知された振動に応じた制御の解除指示を受け付けたりする。また、表示操作パネル306は、利用者から当該家電機器に対する操作を受け付けたり、家電機器の稼働状況を出力したりする。
【0022】
また、稼働部307は、制御部301からの制御に従って、各種機能を実行する。このために、例えば、制御信号作成部303で作成された制御信号が用いられる。実行される機能としては、洗濯機能、調理機能、給湯機能、受像機能等であり、ヒータ、圧縮器などで実現できる。なお、制御信号作成部303は、表示操作パネル306や利用者端末10に対する利用者の操作等に従い、該当の家電機器3nを制御する制御信号を作成する。
【0023】
さらに、振動センサ308は、当該家電機器の振動の大きさ、例えば、震度を検知する。また、振動センサ308の代わりに、地震計や加速度センサを用いてもよい。
【0024】
なお、本実施形態では、設定内容の特定や制御指令や制御信号の作成を、家電機器、利用者端末10、家電機器管理装置20のいずれで行ってもよいし、これらを連携して実行してもよい。このため、設定内容特定部302は、省略可能であり、利用者端末10、家電機器管理装置20が該当の機能を実行してもよい。なお、設定内容の特定や制御指令や制御信号の作成の具体的な内容については、後述の実施例で説明する
以上で図2の説明を終わり、図1の説明に戻る。利用者端末10は、複数の家電機器、つまり、家電機器群30の管理に利用されるもので、スマートフォン、携帯電話、タブレット、スマートスピーカ、PCなどのコンピュータで実現できる。このために、利用者端末10は、通信部11、設定内容特定部12、制御指令作成部13、出力部14、入力部15および記憶部16を有する。
【0025】
そして、通信部11は、ルータ40やネットワーク60を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、設定内容特定部12は、設定内容特定部302と同様に、検知された震度等の振動に応じた設定内容を特定する。また、制御指令作成部13は、特定された設定内容に応じた制御指令を作成する。なお、制御指令作成部13は、制御のための情報を作成すればよく、制御信号を作成してもよい。また、設定内容特定部12や制御指令作成部13の少なくとも一方は、省略できる。この場合、これらは、家電機器や家電機器管理装置209の少なくとも一方に設けることになる。
【0026】
また、出力部14は、検知された振動やこれに応じた制御の内容といった各種情報を出力する。また、入力部15は、利用者から各種操作を受け付ける。このなかには、振動に応じた制御の解除指示や設定内容の設定指示が含まれる。なお、出力部14および入力部15は一体で構成できる。さらに、記憶部16は、設定内容特定部12や制御指令作成部13の処理で用いられる各種情報などを記憶する。
【0027】
ここで、利用者端末10の一実現例について説明する。図3は、本実施形態における利用者端末10のハードウエア構成図である。図3において、利用者端末10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103、記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0028】
まず、タッチパネル101は、図1の出力部14および入力部15を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されている家電機器管理プログラム105(統合アプリ)に従って演算を実行する。
【0029】
そして、家電機器管理プログラム105は、その機能ごとに、設定内容特定モジュール106および制御指令作成モジュール107で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0030】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
設定内容特定モジュール106:設定内容特定部12
制御指令作成モジュール107:制御指令作成部13
このため、処理装置102は、家電機器管理プログラム105に従って、設定内容特定部12および制御指令作成部13の処理を実行することになる。
【0031】
また、記憶装置104は、家電機器管理プログラム105、利用者管理情報108、設定リスト109および家電機器管理情報110を記憶する。ここで、家電機器管理プログラム105は、各家電機器3nを管理するためのプログラムであってもよいし、家電機器ごとの複数のプログラムで構成してもよい。後者については、洗濯機31、IH調理器32、給湯器33およびテレビ34各々の管理プログラムを用いることになる。
【0032】
なお、利用者管理情報108、設定リスト109および家電機器管理情報110については、<情報>で後述する。また、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。さらに、家電機器管理プログラム105、利用者管理情報108、設定リスト109および家電機器管理情報110の少なくとも一部は省略できる。これは、後述の家電機器管理装置20で保持されていればよい。またさらに、家電機器管理プログラム105の少なくとも一部のモジュール(機能)を、家電機器管理装置20に設けてもよい。
【0033】
以上で図3の説明を終わり、図1の説明に戻る。家電機器管理装置20は、各家電機器群3nの管理に用いられ、サーバ、クラウドといったコンピュータで実現できる。このために、家電機器管理装置20は、通信部21、設定内容特定部22、制御指令作成部23および記憶部24を有する。
【0034】
まず、通信部21は、ネットワーク60を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、設定内容特定部22は、設定内容特定部12と同様の機能を実現し、設定内容特定部22はと設定内容特定部12は、少なくとも一方が存在すればよい。また、制御指令作成部23も同様に制御指令作成部13と同様の機能を実現し、少なくとも一方が存在すればよい。なお、制御指令は、制御情報に一種であり、制御指令作成部13や制御指令作成部23は、制御情報作成部の一例である。
【0035】
さらに、記憶部24は、利用者管理情報241、設定リスト242および家電機器管理情報243を記憶する。なお、利用者管理情報241、設定リスト242および家電機器管理情報243は、利用者端末10に記憶された利用者管理情報108、設定リスト109および家電機器管理情報110と内容的に同じものであり、一方を省略してもよい。利用者端末10のリソースを考慮し、圧縮ないし簡略化された情報としたりしてもよい。なお、これら各情報については、<情報>で後述する。
【0036】
ここで、家電機器管理装置20の一実現例について説明する。図4は、本実施形態における家電機器管理装置20のハードウエア構成図である。図4において、家電機器管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0037】
まず、処理装置201は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205に従って演算を実行する。家電機器管理プログラム205については、後述する。
【0038】
また、通信装置202は、図1の通信部21に該当し、ネットワーク60と接続し、他の装置との通信を行う。
【0039】
また、メモリ203および副記憶装置204が、図1の記憶部24に該当する。そして、メモリ203は、副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205や処理装置201での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置204は、いわゆるストレージで実現でき、家電機器管理プログラム205、利用者管理情報241、設定リスト242および家電機器管理情報243を記憶する。また、副記憶装置204は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよい。さらに、ファイルサーバのように家電機器管理装置20とは別装置で実現してもよい。
【0040】
ここで、家電機器管理プログラム205は、設定内容特定モジュール206および制御指令作成モジュール207で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0041】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
設定内容特定モジュール206:設定内容特定部22
制御指令作成モジュール207:制御指令作成部23
このため、処理装置201は、当該プログラムに従って、設定内容特定部22および制御指令作成部23の処理を実行することになる。
【0042】
なお、家電機器管理プログラム205と家電機器管理プログラム105と同様の演算を実行するもので、少なくとも一方が存在すればよい。この際、これらを構成するモジュールについても少なくとも一方に存在すればよい。
【0043】
以上で図4の説明を終わり、図1の説明に戻る。ルータ40は、各装置を接続するための機能を有するもので、家電機器群30と同じ敷地内に設けられることが望ましい。なお、ルータ40は省略もしくは他の通信機器と説き替え可能である。また、ネットワーク60は、インターネットや公衆回線網等の通信網である。
【0044】
また、気象情報提供システム50は、緊急地震速報等の地震についての情報を提供するコンピュータである。例えば、気象庁や気象情報提供会社で運用される。さらに、テレビ局やラジオ局の放送設備として実現してもよい。以上で、本実施形態の構成についての説明を終わる。
【0045】
<情報>
次に、本実施形態で用いられる各種情報について説明する。以下では、家電機器管理装置20が記憶する情報を例に説明する。図5は、本実施形態で用いられる利用者管理情報241を示す図である。この利用者管理情報241は、家電機器群30の利用者に関する情報である。図5に示すように、利用者管理情報241は、利用者名、住所、連絡先および保有機器の各項目を有する。ここで、利用者名は、該当の利用者を識別する情報であればよい。また、住所、連絡先は省略可能である。さらに、保有機器は、該当の利用者が保有ないし利用する家電機器、つまり、家電機器群30を特定する情報であるが、この情報は省略してもよい。
【0046】
なお、利用者端末10の利用者管理情報108は、当該利用者端末10の利用者に限定した情報となる。つまり、利用者管理情報241のうち、該当の利用者のレコード分の情報となる。
【0047】
次に、図6は、本実施形態で用いられる設定リスト242を示す図である。設定リスト242は、振動の程度の一例である震度ごとに、該当の家電機器への制御の内容を示す設定情報で構成される。つまり、図6に示すように、設定リスト242を構成する設定情報は、地域、利用者名、家電機器、震度および設定内容の各項目を有する。地域は、該当の家電機器が設置されている地域を示す。また、利用者名は、該当の利用者を識別する情報であればよい。家電機器は、制御対象となる家電機器を識別する情報である。震度は、制御の条件であり、振動の程度を示す振動状況の一例である。また、設定内容は、該当の震度が検知された場合に家電機器に対する制御の内容を示す。図6の例では、IH調理器に対して、震度3以上の場合、「電源を切る」制御が実行されることが示される。また、同様に、テレビに対して、震度5以上の場合、「公共放送に切り替え」て受像する制御が実行されることが示される。このため、震度3ではIH調理器に対する地震制御のみが実行されるが、震度5ではテレビの他、IH調理器や給湯器、洗濯機に対しても地震制御が実行される。
【0048】
なお、利用者端末10が記憶する設定リスト109も同様の構成である。但し、設定リスト109は、該当の利用者が保有ないし利用する家電機器に限定しているのに対し、設定リスト242は他の利用者の家電機器も含めた情報である。このため、設定リスト242は、利用者ごとに設定される情報としてもよいし、各利用者で共通の情報としてもよい。また、家電機器の記憶部304は、設定内容特定部302で設定内容を特定する場合、震度と設定内容の対応関係を示す設定情報を記憶することが望ましい。さらに、設定リスト242の地域や利用者名は省略してもよいし、これらの代わりに利用者管理情報241の住所や利用者名を用いてもよい。
【0049】
次に、図7は、本発明の一実施形態で用いられる家電機器管理情報243を示す図である。家電機器管理情報243は、利用者ごとに、各家電機器における、設定内容に応じた制御の一例である地震制御中であるかを管理するための情報である。このため、図7に示すように、家電機器および制御ステータスの各項目を有する。家電機器は、制御対象となる家電機器を識別する情報である。制御ステータスは、地震制御中か、これが解除されているかを示す。図7の例では、利用者AのIH調理器、給湯器、洗濯機が「地震制御中」であり、テレビが解除、つまり、地震制御中でないことを示している。
【0050】
なお、利用者端末10が記憶する家電機器管理情報110も同様の構成である。但し、家電機器管理情報110は、該当の利用者が保有ないし利用する家電機器に限定しているのに対し、家電機器管理情報243は利用者Bといった他の利用者の家電機器も含めた情報である。このため、家電機器管理情報243は、利用者ごとに設定される情報としてもよいし、各利用者で共通の情報としてもよい。またさらに、家電機器管理情報243は、地域ごとに設けてもよい。また、家電機器の記憶部304は、設定内容特定部302で設定内容を特定する場合、該当の家電機器の制御ステータスを記憶することが望ましい。
【0051】
<処理フロー>
次に、本実施形態の処理フローについて説明する。なお、以下の説明において、利用者端末10や家電機器管理装置20の処理は、図1図2に示す構成を用いる。また、以下では、診断対象である家電機器を家電機器群30に含まれる家電機器3nと表現する。つまり、家電機器3nは、洗濯機31、IH調理器32、給湯器33およびテレビ34を代表する表記である。
【0052】
図8は、本実施形態における家電機器管理システムでの地震制御処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、家電機器管理システムは、発生した振動の震度を特定する。このために、まず家電機器管理システムは、振動の発生を検知する。そして、家電機器管理システムは、振動の程度を示す震度を特定する。また、ステップS1は、家電機器3nの振動センサ308や設定内容特定部302、利用者端末10の設定内容特定部12、家電機器管理装置20の設定内容特定部22のいずれか実行できる。
【0053】
そして、設定内容特定部302は、振動センサ308の検知した結果を用いて振動を特定できる。さらに、設定内容特定部302、設定内容特定部12および設定内容特定部22は、気象情報提供システム50からの緊急地震速報を用いて、ステップS1を実行できる。
【0054】
また、ステップS2において、家電機器管理システムは、検知された地震に応じて、設定内容を特定するための設定内容特定処理を実行する。この特定は、設定内容特定部302、設定内容特定部12および設定内容特定部22のいずれかで実行できる。また、設定内容特定部302は、記憶部304の設定情報を用いることが望ましい。また、設定内容特定部12は、設定リスト109を用いることが望ましい。さらに、設定内容特定部22は、設定リスト242を用いることが望ましい。
【0055】
また、ステップS3において、家電機器管理システムは、特定された設定内容に従って、該当の家電機器3nの稼働を制御する。つまり、地震制御が実行される。例えば、制御信号作成部303が、設定内容に応じた制御信号を作成し、稼働部307にこれを出力することで実現できる。また、制御指令作成部13が、設定内容に応じた制御指令を作成し、通信部11を介して家電機器3nに出力して実現してもよい。さらに、制御指令作成部23が、設定内容に応じた制御指令を作成し、通信部21を介して家電機器3nに出力して実現してもよい。なお、制御指令を作成される場合、制御信号作成部303が、制御指令を用いて制御信号を作成してもよいし、制御指令の代わりに制御信号を出力してもよい。以上のように、本ステップでは、設定内容に応じた制御のための制御情報(制御指令や制御信号)が作成され、これに応じた制御が実行される。この際、家電機器管理システムは、制御ステータスを地震制御中に更新する。この更新には、家電機器の記憶部304に記憶された制御ステータス、家電機器管理情報110や家電機器管理情報243の制御ステータスの更新が含まれる。
【0056】
また、ステップS4において、家電機器管理システムは、ステップS3で実行された地震制御の内容を通知する。例えば、表示操作パネル306や出力部14が、地震制御の内容を出力する。
【0057】
そして、ステップS5において、家電機器管理システムは、所定条件を満たした場合、家電機器3nでの地震制御を解除する。この際、家電機器管理システムは、制御ステータスを解除(-)に更新する。この更新には、家電機器の記憶部304に記憶された制御ステータス、家電機器管理情報110や家電機器管理情報243の制御ステータスの更新が含まれる。また、所定条件には、利用者からの解除指示を受け付けることや所定時間が経過したことが含まれる。所定時間の経過には、振動の検知や震度の特定が含まれる。さらに、緊急地震速報、警報の解除を、地震制御の解除の条件としてもよい。
【0058】
以上の家電機器管理システムの処理は、利用者端末10、家電機器管理装置20および家電機器3nの各装置もしくはこれらの少なくとも2つが連携して実行される。その具体的な処理方法については、以下の各実施例で説明する。但し、これらはあくまでも例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【実施例0059】
実施例1は、家電機器3nが主要構成として、上述の地震制御処理を実行する例である。そして、ここで、家電機器3nとして、振動センサ308を有する洗濯機31と振動センサ308を有さないテレビ34を例として用いる。
【0060】
以下、図9を用いて、その内容を説明する。図9は、実施例1における地震制御処理を示すフローチャートである。ステップS11において、洗濯機31の振動センサ308が、振動を検知する。そして、ステップS12において、洗濯機31の設定内容特定部302が、振動センサ308で検知した結果を用いて震度を特定する。以上のステップS11およびS12が、図8のステップS1に相当する。
【0061】
また、ステップS21において、洗濯機31の設定内容特定部302が、通信部305を用いて、特定された震度を、テレビ34などの他の家電機器3nに通知する。この際、上述の近距離無線通信を用いることが望ましい。但し、利用者端末10や家電機器管理装置20を介して通信してもよい。つまり、ルータ40やネットワーク60を介した通信を実行してもよい。
【0062】
また、ステップS22において、洗濯機31の設定内容特定部302が、特定された震度が、予め定められた設定値以上で有るかを判定する。ここで、設定値とは、記憶部304に記憶した震度を示す。この結果、特定された震度が大きい場合(Y)、ステップS23に遷移する。また、特定された震度が小さい場合(N)、本処理を終了する。
【0063】
また、ステップS23において、洗濯機31の設定内容特定部302は、記憶部304に記憶した設定情報が示す設定内容を特定する。例えば、「排水して終了する」との設定内容が特定されることになる。以上のステップS21~S23が、図8のステップS2に相当する。
【0064】
また、ステップS31において、洗濯機31の制御信号作成部303が、特定された設定内容に応じた制御信号を作成する。そして、制御信号作成部303は、洗濯機31の稼働部307に、作成された制御信号を出力する。この結果、洗濯機31では、設定内容に応じた地震制御が実行される。例えば、洗濯機31では、「排水して終了する」制御が実行される。また、本ステップでは、洗濯機31の制御信号作成部303が、記憶部304の制御ステータスを、地震制御中に更新する。このステップS31が、図8のステップS3に相当する。
【0065】
また、ステップS41において、洗濯機31の制御信号作成部303が、通信部305を介して利用者端末10に、ステップS31での地震制御の内容を通知する。また、ステップS42において、利用者端末10の通信部11が、通知された地震制御の内容を受け付ける。そして、出力部14が、これを表示する。これらステップS41~S42が、図8のステップS4に相当する。
【0066】
ここで、図10は、実施例1における地震制御の表示例を示す図である。図10において、利用者端末10の出力部14では、地震通知エリア141と家電機器管理エリア142が表示される。地震通知エリア141には、地震が発生したこととその震度が示される。また、家電機器管理エリア142には、利用者端末10の利用者が利用・保有する家電機器ごとに、地震制御が実行されているかが示される。図10の例では、洗濯機、給湯器およびテレビが地震制御中であることが示され、IH調理器はこれが解除されていることを示している。特に、洗濯機、給湯器およびテレビについては、地震制御中であること(丸印)に加え、その内容も表示している。但し、これらについてはいずれか一方の表示としてもよい。なお、図10中、地震制御には、地震制御未実施を含めることが望ましい。但し、地震制御未実施の家電機器については、家電機器管理エリア142への表示を行わないとの制御を実行してもよい。以上で、図10の説明を終わり、図9の説明に戻る。
【0067】
ステップS51において、利用者端末10の入力部15が、地震解除指示を利用者から受け付ける。ここで、地震解除指示の入力は、図10に示す表示内容に対する指定で実行してもよい。特に、利用者端末10の出力部14および入力部15を、タッチパネル101で構成する場合、該当箇所へのタッチで入力が実行される。なお、上述のとおり、解除指示は、地震制御の解除の一例であり、これに限定されない。本実施例では、洗濯機31に対する解除指示が受け付けられたものとする。
【0068】
また、ステップS52において、制御指令作成部13は、ステップS51での解除指示に応じて、地震制御を解除する解除指令を作成する。そして、制御指令作成部13は、作成された解除指令を、通信部11を介して該当の家電機器3n、つまり、洗濯機31に通知する。
【0069】
また、ステップS53において、洗濯機31の通信部305が、解除指令を受け付ける。そして、ステップS54において、洗濯機31の制御信号作成部303が、解除指令に応じた制御信号を作成し、これを稼働部307に出力する。この結果、洗濯機31では、地震制御が終了することになる。本実施例では、地震制御として「排水して終了する」ことが実行されているので、電源をONとするなど洗濯機31を稼働可能な状態としたり、途中であった洗濯を再開したりしてもよい。
【0070】
また、制御信号作成部303は、記憶部304の制御ステータスを、解除(-)に更新する。さらに、制御信号作成部303は、利用者端末10に、通信部305を介して更新された制御ステータスを通知することが望ましい。この結果、出力部14が、図10に示す表示内容を更新する。つまり、図10の洗濯機の地震制御が「解除済」に更新される。なお、これらステップS51~S54が、図8のステップS5に相当する。
【0071】
ここで、ステップS21に戻り、振動センサ308を有さない家電機器3n、つまり、テレビ34の処理について説明する。ステップS21で震度が通知されると、ステップS24において、テレビ34の通信部305が、この震度を受け付ける。また、ステップS25において、テレビ34の設定内容特定部302が、受け付けられた震度が、予め定められた設定値以上で有るかを判定する。ここで、設定値とは、テレビ34の記憶部304に記憶した震度を示すため、震度5であることを示す。この結果、特定された震度が大きい場合(Y)、ステップS26に遷移する。また、特定された震度が小さい場合(N)、本処理を終了する。
【0072】
また、ステップS26において、テレビ34の設定内容特定部302は、記憶部304に記憶した設定情報が示す設定内容を特定する。例えば、「公共放送に切り替え」との設定内容が特定されることになる。また、ステップS43において、テレビ34の制御信号作成部303が、通信部305を介して利用者端末10に、ステップS32での地震制御の内容を通知する。以上のように、ステップS25~S43は、洗濯機31でのステップS22~S41と同様の処理である。そして、以降、ステップS42~S52が実行される。
【0073】
また、ステップS55において、テレビ34の通信部305が、解除指令を受け付ける。そして、ステップS56において、テレビ34の制御信号作成部303が、解除指令に応じた制御信号を作成し、これを稼働部307に出力する。この結果、テレビ34では、地震制御が終了することになる。テレビでは、「公共放送に切り替え」ているため、電源をOFFとしたり、地震制御前に受像していたチャンネルに切り替えたりする。
【0074】
また、制御信号作成部303は、記憶部304の制御ステータスを、解除(-)に更新する。さらに、制御信号作成部303は、利用者端末10に、通信部305を介して更新された制御ステータスを通知することが望ましい。この結果、出力部14が、図10に示す表示内容を更新する。以上のように、ステップS55~S56は、洗濯機31におけるステップS53~S54と同様の処理である。
【0075】
以上で、図9に示すフローチャートの説明を終わるが、ステップS21およびS24以降のテレビ34の処理は省略してもよい。また、ステップS42~S52を、家電機器3n(洗濯機31やテレビ34)の表示操作パネル306で実行してもよい。またさらに、ステップS11およびS12は、通信部305が、気象情報提供システム50の他、利用者端末10や家電機器管理装置20からの地震に関する情報を受け付けることで実現してもよい。以上で、実施例1の説明を終わるが、実施例1によれば、家電機器3nを主要構成とするため、より低コストで地震制御処理を実現できる。
【実施例0076】
実施例1では、家電機器3nが主要構成としたが、実施例2は、家電機器管理装置20を主要構成として地震制御処理を実行する例である。以下、図11を用いて、その内容を説明する。図11は、実施例2における地震制御処理を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ステップS101において、振動センサ308を有する家電機器3nや気象情報提供システム50が、地震を検知し、これを家電機器管理装置20に通知する。このために、家電機器3nは、振動センサ308で検知された振動の震度を、通信部305を介して通知する。また、気象情報提供システム50は、緊急地震速報等を、家電機器管理装置20に通知する。ここで、地震が発生した場合、複数の家電機器3nや気象情報提供システム50から振動の通知がなされることになる。つまり、震度の通知が複数実行される。
【0078】
また、ステップS102において、家電機器管理装置20の通信部21が、ステップS101で通知された震度を受け付ける。そして、ステップS103において、設定内容特定部22が、受け付けたそれぞれの震度を比較し、最大震度を抽出する。この結果、緊急地震速報の震度が最大の場合、ステップS201に遷移する。また、振動センサ308で検知された震度(家電機器3nから通知された震度)が最大の場合、ステップS202に遷移する。この際、緊急地震速報や家電機器3nから通知された震度の何れかがない場合、震度=0として扱うことが可能である。
【0079】
本ステップでは、発生した震度が複数の家庭、つまり、広域に影響があるものか、家庭内の限定的な影響があるものかを振り分けている。このため、緊急地震速報であるかは、気象情報提供システム50から通知であるかで判定してもよい。
【0080】
なお、本ステップは、以下のいずれかを実行してもよい。
(1)緊急地震速報がある場合は、その大きさに限らず、ステップS201に遷移する。
(2)緊急地震速報がある場合で、振動センサ308で検知された震度が最大の場合、ステップS201およびステップS202の双方を実行する。そして、ステップS201~S204については緊急地震速報の震度を用いて実行し、ステップS202~S204については、振動センサ308で検知された震度を用いて実行する。以上のステップS101~S103が、図8のステップS1に相当する。
【0081】
また、ステップS201において、設定内容特定部22が、緊急地震速報に含まれる該当地意識を特定する。そして、ステップS106において、設定内容特定部22が、該当地意識の設定情報を、設定リスト242から抽出する。このために、設定リスト242の地域の項目が用いられる。
【0082】
また、ステップS202において、設定内容特定部22が、最大震度を通知した家電機器3nが設置された家庭の設定情報を、設定リスト242から抽出する。このために、設定リスト242の利用者と利用者管理情報241の利用者名が用いられる。つまり、設定内容特定部22は、最大震度を通知した家電機器3nの利用者を、利用者管理情報241から特定する。そして、設定内容特定部22は、特定された利用者名を有する設定情報を、設定リスト242から抽出する。
【0083】
また、ステップS204において、設定内容特定部22が、ステップS202もしくはステップS203で抽出された設定情報を用いて、設定内容を特定する。この際、設定内容特定部22は、ステップS103で特定された最大震度を用いることになる。以上のステップS201~S204が、図8のステップS1に相当する。
【0084】
また、ステップS301において、制御指令作成部23が、ステップS204で特定された設定内容に従った制御指令を作成する。そして、制御指令作成部13が、通信部21を用いて利用者端末10に、制御指令を通知する。
【0085】
また、ステップS302において、制御指令作成部23が、家電機器管理情報243の該当箇所を更新する。つまり、制御指令作成部23は、対応する家電機器3nの制御ステータスを「地震制御中」に更新する。
【0086】
また、ステップS303において、利用者端末10の通信部11が、ステップS301で通知された制御指令を受け付ける。そして、ステップS304において、利用者端末10の通信部11が、受け付けた制御指令を、地震制御の対象となる家電機器3nに転送する。なお、本実施例では、制御指令を転送するが、ステップS301において、家電機器管理装置20が、利用者端末10および該当の家電機器3nに同報してもよい。この場合、ステップS304は省略できる。
【0087】
また、ステップS305において、家電機器3nの通信部305は、転送された制御指令を受け付ける。そして、ステップS306において、制御信号作成部303が、制御指令に応じた制御信号を作成すし、稼働部307にこれを出力する。この結果、家電機器3nでは、設定内容に応じた地震制御が実行される。以上のステップS301~S306が、図8のステップS3に相当する。
【0088】
また、ステップS401において、利用者端末10の出力部14が、ステップS303で受け付けた制御指令に応じた地震制御の内容を表示する。表示内容としては、例えば、実施例1と同様の図10とすることができる。以上のステップS401が、図8のステップS1に相当する。
【0089】
また、ステップS501において、利用者端末10の入力部15が、地震解除指示を利用者から受け付ける。これを受け、ステップS502において、制御指令作成部13は、地震制御を解除する解除指令を作成する。そして、制御指令作成部13は、作成された解除指令を、通信部11を介して該当の家電機器3nに通知する。
【0090】
また、ステップS503において、家電機器3nの通信部305が、解除指令を受け付ける。そして、ステップS504において、家電機器3nの制御信号作成部303が、解除指令に応じた制御信号を作成し、これを稼働部307に出力する。以上で、家電機器3nの処理は終了するが、ステップS501~S504は、実施例1のステップS51~S54と同様に実現できる。但し、ステップS54における制御ステータスの更新は、以下のように行う。
【0091】
まず、ステップS502において、制御指令作成部13は、作成された解除指令を、通信部11を介して家電機器管理装置20に通知する。また、ステップS505において、家電機器管理装置20の通信部21は、解除指令を受け付ける。そして、ステップS506において、家電機器管理装置20の設定内容特定部22が、家電機器管理情報243のうち、該当の家電機器3nの制御ステータスを、解除(-)に更新する。以上で、本フローチャートの地震制御処理を終了する。なお、以上のステップS501~S506が、図8のステップS5に相当する。
【0092】
ここで、本実施例は、以下の変形例も想定される。本実施例では、利用者端末10と連携したが、少なくとも一部の処理を家電機器管理装置20や家電機器3nが実行することも可能である。例えば、ステップS301の通知先を、家電機器3nとする。そして、ステップS401、S501およびS502の少なくとも一部を、家電機器3nの表示操作パネル306や通信部305で実行してもよい。
【0093】
さらに、本実施例では、家電機器管理装置20を主要な構成としたが、利用者端末10を用いてもよい。つまり、ステップS102~S302の少なくとも一部を利用者端末10で実行してもよい。この場合、利用者端末10は自身が記憶する利用者管理情報108、設定リスト109、家電機器管理情報110を用いることが望ましい。
【0094】
またさらに、実施例1および2を組み合わせてもよい。例えば、家電機器3nが実施例1の地震制御を行っている場合、実施例2のステップS204やS304の対象から該当の家電機器3nを外したり、ステップS305ないしS306を停止したりしてもよい。
【実施例0095】
実施例1および2で用いられる設定リスト109、設定リスト242や家電機器3nが記憶する設定情報は、出荷時に新規設定したり、家電機器管理装置20の管理者が設定(新規設定、更新)したりすることが想定される。但し、利用者が利用者端末10を用いて設定、更新することも考えられる。そこで、実施例3では、利用者端末10を用いた設定リスト109の設定について説明する。
【0096】
図12は、実施例3にける設定処理を示すフローチャートである。まず、ステップS10において、入力部15が、利用者から設定要求を受け付ける。この要求には、対象となる家電機器3nを特定する家電機器識別情報が含まれる。
【0097】
また、ステップS20において、設定内容特定部22が、家電機器識別情報が示す家電機器3nの設定情報が、設定リスト109に記憶されているか判定する。つまり、設定要求が、新規設定か、更新かが判定される。この結果、新規設定である場合はステップS50に遷移する。更新である場合はステップS30に遷移する。
【0098】
また、ステップS30において、設定内容特定部22が、家電機器識別情報が示す家電機器3nの設定情報を、設定リスト109から読み出す。この際、設定情報のうち、家電機器、震度、設定内容が読み出されることが望ましい。そして、ステップS40において、出力部14が、読み出された設定情報を表示する。
【0099】
また、ステップS50において、入力部15が、利用者から設定したい内容を受け付ける。新規設定の場合、入力部15、震度および設定内容を受け付ける。また、更新の場合、入力部15は、震度および設定内容のうち、利用者が更新を希望する更新内容を受け付ける。
【0100】
そして、ステップS60において、設定内容特定部22が、ステップS50で入力された内容に従って、設定リスト109を更新する。以上で、本実施例の説明を終わるが、設定リスト242や家電機器3nの設定情報についても同様に処理できる。
【0101】
但し、設定リスト242を更新する場合、ステップS10において設定要求に、利用者を識別する利用者名を含めることになる。この際、利用者名は利用者からの入力を用いてもよいし、設定内容特定部22が把握している利用者名を用いてもよい。さらに、ステップS30で設定情報を読み出す場合、利用者名と家電機器識別情報を用いて、該当の設定情報が特定される。また、家電機器3nの設定情報を更新する場合、ステップS10の設定要求に含まれる家電機器識別情報に対し、設定情報の読み出し要求が通知される。
【0102】
さらに、設定リスト109、設定リスト242、家電機器3nの設定情報の少なくとも2つをまとめて設定してもよい。なお、本実施例の処理は、設定内容特定部22が行っているが、他の構成で実行してもよい。特に、家電機器管理装置20で実行してもよい。この場合、家電機器管理装置20の管理者の管理者端末でステップS10、S40、S50を行うことが望ましい。また、家電機器3nの設定情報を設定する場合、表示操作パネル306を用いて実行してもよい。
【符号の説明】
【0103】
10…利用者端末、11…通信部、12…設定内容特定部、13…制御指令作成部、14…出力部、15…入力部、16…記憶部、105…家電機器管理プログラム、106…設定内容特定モジュール、107…制御指令作成モジュール、108…利用者管理情報、109…設定リスト、110…家電機器管理情報、20…家電機器管理装置、21…通信部、22…設定内容特定部、23…制御指令作成部、24…記憶部、241…利用者管理情報、242…設定リスト、243…家電機器管理情報、30…家電機器群、31…洗濯機、32…IH調理器、33…給湯器、34…テレビ、40…ルータ、50…気象情報提供システム、60…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12