(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172555
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】脂質代謝向上剤
(51)【国際特許分類】
A23L 33/135 20160101AFI20231129BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20231129BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20231129BHJP
A61K 35/745 20150101ALI20231129BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A23L33/135
A61K35/744
A61K35/747
A61K35/745
A61P3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084455
(22)【出願日】2022-05-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 日本薬学会第142年会 令和3年9月27日開催
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第65回日本薬学会関東支部大会 令和3年9月11日開催
(71)【出願人】
【識別番号】302054936
【氏名又は名称】株式会社光英科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】弁理士法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳留 嘉寛
(72)【発明者】
【氏名】玉根 強志
【テーマコード(参考)】
4B018
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE03
4B018MD28
4B018MD58
4B018MD81
4B018MD86
4B018MD87
4B018ME01
4B018ME04
4B018MF01
4B018MF04
4B018MF06
4B018MF13
4C087AA01
4C087BC56
4C087BC59
4C087BC61
4C087NA14
4C087ZC33
(57)【要約】
【課題】 被験者の負担を大きくせずに、より確実な効果が得られる脂質代謝向上剤を提供すること。
【解決手段】 豆乳の培地において、ラクトバチルス(Lactobacillus)菌属に属する乳酸菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌属に属する乳酸菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)菌属に属する3属の乳酸菌を用いるとともに、それら3属の乳酸菌から選択した1種または2種以上の乳酸菌を用いて複数のグループを形成し、それらグループ毎に継代培養して共生状態を維持し、この継代培養されたグループ単位の乳酸菌同士をさらに共棲培養して得た乳酸菌培養液を用いている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆乳の培地において、
ラクトバチルス(Lactobacillus)菌属に属する乳酸菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌属に属する乳酸菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)菌属に属する3属の乳酸菌を用いるとともに、それら3属の乳酸菌から選択した1種または2種以上の乳酸菌を用いて複数のグループを形成し、それらグループ毎に継代培養して共生状態を維持し、この継代培養されたグループ単位の乳酸菌同士をさらに共棲培養して得た乳酸菌培養液からなる脂質代謝向上剤。
【請求項2】
上記乳酸菌は、
B.ロンガム(Bifidobacterium longum)、B.ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、B.アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、L.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Levilactobacillus brevis)、L.ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、L.パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei subsp. paracasei)、L.ガセリー(Lactobacillus gasseri)、L.ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.カゼイ(Lacticaseibacillus casei subsp. casei)、L.ラムノーサス(Lacticaseibacillus rhamnosus)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、L.ラクチス(Lactococcus lactis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)、S.サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)からなる16種のいずれかであって、これらの乳酸菌のうち、共棲培養可能な複数の乳酸菌を豆乳の培地で培養した乳酸菌培養液からなる請求項1に記載の脂質代謝向上剤。
【請求項3】
上記乳酸菌のうち、
E.フェシウム及びL.ヘルベティカスを第1グループ、
E.フェシウム及びL.アシドフィラスを第2グループ、
E.フェシウム及びL.ガセリーを第3グループ、
E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスを第4グループ、
E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスを第5グループ、
E.フェシウム、L.アシドフィラス、L.ブレビス、L.パラカゼイを第6グループ、
B.アドレセンティス単体を第7グループ、
L.デルブリッキィ及びL.ガセリーを第8グループ、
L.デルブリッキィ単体を第9グループ、
E.フェシウム、L.ジェンセニイ、L.パラカゼイ及びL.ブレビスを第10グループ、
L.アシドフィラス単体を第11グループ、E.フェシウム及びL.ガセリーを第12グループ、
L.パラカゼイ単体を第13グループ、
L.ガセリー、E.フェシウム及びB.ビフィダムを第14グループ、
B.ロンガム、S.サーモフィラス及びE.フェシウムを第15グループ、
L.ガセリーを単体で第16グループ、
L.ブルガリクス及びS.サーモフィラスを第17グループ、
L.ガセリー、L.ラクチス、L.ガセリー及びE.フェシウムを第18グループ、
L.ガセリー、S.サーモフィラス及びL.ブルガリクスを第19グループ、
L.ラクチスを単体で第20グループ、
L.ガセリー及びE.フェシウムを第21グループ、
L.ラムノーサスを単体で第22グループ、
L.カゼイを単体で第23グループ、
B.ロンガムを単体で第24グループとし、
それぞれのグループ毎に継代培養して共生状態を維持するとともに、それら培養液のうち、第1,2グループ同士、第3,4グループ同士、第5,6グループ同士、第7,8グループ同士、第9,10グループ同士、第11,12グループ同士、第13,14グループ同士、第15,16グループ同士、第17,18グループ同士、第19,20グループ同士、第21,22グループ同士、第23,24グループ同士で1次培養し、
さらに、第1,2グループと第3,4グループ、第5,6グループと第7,8グループ、第9,10グループと第11,12グループ、第13,14グループと第15,16グループ、第17,18グループと第19,20グループ、第21,22グループと第23,24グループ同士とで2次培養し、
さらに、これら各2次培養液を混合した混合液を用いて3次培養した乳酸菌培養液からなる請求項2に記載の脂質代謝向上剤。
【請求項4】
上記乳酸菌培養液を遠心分離して得た上清からなる請求項1~3に記載の脂質代謝向上剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脂質代謝向上剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、重大な生活習慣病につながる肥満や脂質異常症を改善するための、様々な試みが行われている。
例えば、摂取した脂肪を消費するための運動や、低脂肪食品の選択など食生活の改善が提案されている。
また、食事とは別に摂取する、様々な脂質代謝促進剤なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、運動によって脂肪を消費することは、肥満や脂質異常症の人たちにとってはかなり難しいことで、大きな負担を強いられることになる。
一方、食事だけで重い脂質異常症を改善することも難しかった。
この発明の目的は、被験者の負担は小さく、より確実な効果が得られる脂質代謝向上剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、豆乳の培地において、ラクトバチルス(Lactobacillus)菌属に属する乳酸菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌属に属する乳酸菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)菌属に属する3属の乳酸菌を用いるとともに、それら3属の乳酸菌から選択した1種または2種以上の乳酸菌を用いて複数のグループを形成し、それらグループ毎に継代培養して共生状態を維持し、この継代培養されたグループ単位の乳酸菌同士をさらに共棲培養して得た乳酸菌培養液からなる。
【0006】
第2の発明は、上記乳酸菌が、
B.ロンガム(Bifidobacterium longum)、B.ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、B.アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、L.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Levilactobacillus brevis)、L.ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、L.パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei subsp. paracasei)、L.ガセリー(Lactobacillus gasseri)、L.ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.カゼイ(Lacticaseibacillus casei subsp. casei)、L.ラムノーサス(Lacticaseibacillus rhamnosus)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、L.ラクチス(Lactococcus lactis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)、S.サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)からなる16種のいずれかであって、これらの乳酸菌のうち共棲培養可能な複数の乳酸菌を豆乳の培地で培養した乳酸菌培養液からなる。
【0007】
第3の発明は、上記乳酸菌のうち、E.フェシウム及びL.ヘルベティカスを第1グループ、E.フェシウム及びL.アシドフィラスを第2グループ、E.フェシウム及びL.ガセリーを第3グループ、E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスを第4グループ、E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスを第5グループ、E.フェシウム、L.アシドフィラス、L.ブレビス、L.パラカゼイを第6グループ、B.アドレセンティス単体を第7グループ、L.デルブリッキィ及びL.ガセリーを第8グループ、L.デルブリッキィ単体を第9グループ、E.フェシウム、L.ジェンセニイ、L.パラカゼイ及びL.ブレビスを第10グループ、L.アシドフィラス単体を第11グループ、E.フェシウム及びL.ガセリーを第12グループ、L.パラカゼイ単体を第13グループ、L.ガセリー、E.フェシウム及びB.ビフィダムを第14グループ、B.ロンガム、S.サーモフィラス及びE.フェシウムを第15グループ、L.ガセリーを単体で第16グループ、L.ブルガリクス及びS.サーモフィラスを第17グループ、L.ガセリー、L.ラクチス、L.ガセリー及びE.フェシウムを第18グループ、L.ガセリー、S.サーモフィラス及びL.ブルガリクスを第19グループ、L.ラクチスを単体で第20グループ、L.ガセリー及びE.フェシウムを第21グループ、L.ラムノーサスを単体で第22グループ、L.カゼイを単体で第23グループ、B.ロンガムを単体で第24グループとし、それぞれのグループ毎に継代培養して共生状態を維持するとともに、それら培養液のうち、第1,2グループ同士、第3,4グループ同士、第5,6グループ同士、第7,8グループ同士、第9,10グループ同士、第11,12グループ同士、第13,14グループ同士、第15,16グループ同士、第17,18グループ同士、第19,20グループ同士、第21,22グループ同士、第23,24グループ同士で1次培養し、さらに、第1,2グループと第3,4グループ、第5,6グループと第7,8グループ、第9,10グループと第11,12グループ、第13,14グループと第15,16グループ、第17,18グループと第19,20グループ、第21,22グループと第23,24グループ同士とで2次培養し、さらに、これら各2次培養液を混合した混合液を用いて3次培養した乳酸菌培養液からなる。
【0008】
第4の発明は、上記乳酸菌培養液を遠心分離して得た上清からなる。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明の脂質代謝向上剤によれば、容易に脂質代謝機能を向上させることができる。したがって、食事制限や運動などの被験者への負担を小さくしながら、脂質異常症の改善が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の乳酸菌培養液を生成するための培養手順を示した図である。
【
図2】マウスの体重変化に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図3】マウスの血中遊離脂肪酸量に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図4】マウスの血中中性脂肪酸量に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図5】マウスの血中レプチン濃度に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図6】マウスの1日の摂食量に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図7】マウスのフン中の脂質量に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図8】マウスの内蔵脂肪率に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図9】マウスの腹部周りの脂肪率に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図10】マウスの肝臓と体重との比に対する投与物の影響を示すグラフである。
【
図11】マウスの血糖値に対する投与物の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
この発明の脂質代謝向上剤の一実施形態を説明する。
この実施形態では、以下に示す16種の乳酸菌を組み合わせて24のグループを作成し、これらグループで1次~3次共棲培養を行ない、最終培養液を滅菌し、脂質代謝向上剤とするものである。
【0012】
16種の乳酸菌は、L.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Lactobacillus brevis)、L.ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、L.パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、L.ガセリー(Lactobacillus gasseri)、L.ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.カゼイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、L.ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、S.サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)、L.ラクチス(Lactococcus lactis)、B.ロンガム(Bifidobacterium longum)、B.ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、B.アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)である。
【0013】
そして、グループ作成プロセスでは、上記乳酸菌を、24のグループに分け、それらをグループ毎に継代培養するが、そのグループ分けは
図1に示す通りである。
なお、
図1は、上記グループ作成プロセスから、3次培養プロセスまでの各プロセスを示した図である。そして、図中の「No.」はグループ番号である。
すなわち、第1グループはE.フェシウム及びL.ヘルベティカスで構成し、第2グループは、E.フェシウム及びL.アシドフィラスで構成している。第3グループはE.フェシウム及びL.ガセリーで構成し、第4グループは、E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスで構成している。
【0014】
第5グループは、E.フェシウム、L.アシドフィラス及びL.ブレビスで構成し、第6グループは、E.フェシウム、L.アシドフィラス、L.ブレビス、L.パラカゼイで構成し、第7グループは、B.アドレセンティス単体で構成している。
第8グループは、L.デルブリッキィ及びL.ガセリーで構成し、第9グループはL.デルブリッキィ単体で構成し、第10グループは、E.フェシウム、L.ジェンセニイ、L.パラカゼイ及びL.ブレビスで構成し、第11グループは、L.アシドフィラス単体で構成している。
【0015】
第12グループは、E.フェシウム及びL.ガセリーで構成し、第13グループは、L.パラカゼイ単体で構成し、第14グループは、L.ガセリー、E.フェシウム及びB.ビフィダムで構成し、第15グループは、B.ロンガム、S.サーモフィラス及びE.フェシウムで構成している。第16グループは、L.ガセリー単体で構成し、第17グループは、L.ブルガリクス及びS.サーモフィラスで構成している。
【0016】
第18グループは、L.ガセリー、L.ラクチス、L.ガセリー及びE.フェシウムで構成し、第19グループは、L.ガセリー、S.サーモフィラス及びL.ブルガリクスで構成し、第20グループは、L.ラクチス単体で構成し、第21グループは、L.ガセリー及びE.フェシウムで構成し、第22グループは、L.ラムノーサス単体で構成し、第23グループは、L.カゼイ単体で構成し、第24グループは、B.ロンガム単体で構成している。
【0017】
上記のようにした各グループを継代培養するとともに、それら培養液のうち、第1,2グループ同士、第3,4グループ同士、第5,6グループ同士、第7,8グループ同士、第9,10グループ同士、第11,12グループ同士、第13,14グループ同士、第15,16グループ同士、第17,18グループ同士、第19,20グループ同士、第21,22グループ同士、第23,24グループ同士で共棲培養する。このプロセスが、
図1中の(1)~(12)に示す、この発明の1次培養プロセスである。
【0018】
さらに、
図1の(13)~(18)の2次培養プロセスで、上記第1,2グループと第3,4グループ、第5,6グループと第7,8グループ、第9,10グループと第11,12グループ、第13,14グループと第15,16グループ、第17,18グループと第19,20グループ、第21,22グループと第23,24グループ同士とで共棲培養をする。
さらに、
図1の(19)の3次培養プロセスで、上記2次培養後の各グループの2次培養液を混合して、その混合液を共棲培養するのが3次培養プロセスである。
【0019】
なお、上記グループ作成プロセスで作成した各グループの乳酸菌は次のようにして継代培養したものである。すなわち、各グループのそれぞれの乳酸菌は、それらを継代培養した場合にも、共棲状態を維持できることを予測しながら集合させたものである。
複数の乳酸菌が共棲状態を維持するとは、複数の種類の乳酸菌が同時に存在し、それぞれが活性を維持する共棲状態が存在することで、一方が、他方に影響を及ぼしたり、一方だけが生き残ったりする状態ではない。
【0020】
上記各乳酸菌グループは、様々な菌の組み合わせの中から、共棲可能な組み合わせを選択することによって形成している。
また、上記24のグループを構成する乳酸菌の中には、同時に複数のグループに属する菌種も有る。これは、3次培養プロセスまでの共棲培養の過程で共棲状態が維持されることを考慮して菌種を組み合わせたためである。また、同一種の乳酸菌でも、株が異なるものも含まれている。
【0021】
そして、各乳酸菌グループの培養培地は、日水製薬株式会社製のGAM半流動高層培地、BL寒天培地あるいは変法GAM寒天培地からなる3種類の培地を、乳酸菌に応じて使い分けるとともに、これらの培地において、32〔℃〕で12時間培養した。その後、37〔℃〕で12時間培養し、さらに40〔℃〕で24時間培養した。グループ化した乳酸菌を上記のようにして継代培養するとともに、その培養液を5〔℃〕で冷蔵保存しておいた。
【0022】
このようにして乳酸菌のグループを継代培養するとともに、グループ毎に同定をしたが、その同定試験は社団法人日本食品分析センターに依頼した。そして、その同定試験の概要は、各グループの検体を寒天平板培地に直接接種・培養し、優勢に生育した形状の異なる集落を釣菌してグループ毎に乳酸菌を分離し、この分離菌について形態観察、生理的性状試験及び菌体内DNAのGC含有量の測定を行い、次の文献を参考に同定したものである。
【0023】
1.Sneath,P.H.A.,Mair,N.S.,Sharpe,M.E. and Holt,J.G. : “Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology” Vol.2, (1986) Williams & Wilkins.
2.Holt,J.G., Krieg,N.R., Sneath,P.H.A., Staley,J.T. and Williams,S.T. : “Bergey’s Manual of Determinative Bacteriology”Ninth Edition(1994)Williams & Wilkins.
3.光岡知足:“腸内菌の世界”,(1984)叢文社.
4.辨野義巳:微生物6,3-14(1990).
5.厚生省生活衛生局監修:“食品衛生検査指針-微生物編-”(1990)日本食品衛生協会.
6.Schleifer,K.H. and Kilpper-Balz,R. : Int.J.Syst.Bacteriol.,34,31-34(1984).
【0024】
上記同定の結果、
図1に示す16種の菌とその菌株とが特定され、それらが各グループ内で共棲状態を維持していることが確認された。
上記のようにして継代培養した24のグループのうち、
図1で隣り合うグループの乳酸菌を合わせて(1)~(12)の1次培養プロセスの共棲培養を行なった。そして、この1次培養プロセスでは、日水製薬株式会社製のGAM半流動高層培地、BL寒天培地あるいは変法GAM寒天培地からなる3種類の培地を、1次培養用培地として使用するとともに、これら1次培養用培地を、乳酸菌に応じて使い分けた。
【0025】
上記3種類のいずれかの1次培養用培地に対して、グループ化した乳酸菌を添加して1次培養を行なったが、例えば、上記のようにグループ化した乳酸菌の培地が、流動性が高い培地の場合であって、しかも、ビフィドバクテリウム菌属の菌を含んでいる場合には、1次共棲培養用培地に対して1~10〔wt%〕の乳酸菌を添加した。ビフィドバクテリウム菌属の菌を含んでいないグループの場合には、同じく1次培養用培地に対して1~10〔wt%〕の乳酸菌を添加した。
【0026】
なお、上記1次培養用培地に対して乳酸菌を添加する場合に、
図1の乳酸菌1~24の乳酸菌グループの培地が、固形性の高い培地の場合には、白金耳でつり上げた1回の量を1次培養用培地に添加した。
そして、上記のように乳酸菌を添加した1次培養用培地が37〔℃〕でpH値が4.6になるまで約6~12時間、乳酸菌を培養した。これが1次培養プロセスである。
【0027】
なお、上記16菌種のうちラクトバチルス菌属に属する菌は、L.アシドフィラス、L.ブレビス、L.ジェンセニイ、L.パラカゼイ、L.ガセリー、L.ブルガリクス、L.ヘルベティカス、L.カゼイ、L.ラムノーサス、L.デルブリッキィ、L.ラクチスである。また、ビフィドバクテリウム菌属に属する菌は、B.ロンガム、B.ビフィダム、B.アドレセンティスであり、ストレプトコッカス菌属に属する菌は、E.フェシウム、S.サーモフィラスである。
【0028】
2次培養プロセスは、
図1に示す(13)~(18)のプロセスである。
この2次培養プロセスでは、2次培養用培地として豆乳にブドウ糖0.5〔wt%〕、酵母エキス0.4〔wt%〕を添加した。
【0029】
この2次培養用培地に、上記1次培養プロセスが終了した乳酸菌を1次培養用培地ごと投入し、37〔℃〕でpH値が4.55になるまで約6~10時間培養を行なう。上記1次培養用培地の投入量は1~10〔wt%〕である。
なお、
図1の(13)~(18)のプロセスそれぞれで、上記2次培養用培地を用いるが、その2次培養用培地や添加要素は、どの乳酸菌グループについても全て同じにした。
【0030】
また、
図1に(19)で示す3次培養プロセスでも、3次培養用培地として豆乳にブドウ糖0.5〔wt%〕、酵母エキス0.4〔wt%〕を添加した。このようにした3次培養用培地に、2次培養が終了した全ての乳酸菌を2次培養用培地ごと投入した。このとき、投入する2次培養用培地は、3次培養用培地に対して1~10〔wt%〕である。
そして、32〔℃〕で24時間し、次に40〔℃〕で48時間、さらに37〔℃〕で48時間培養した。
【0031】
上記のようにして3次培養プロセスを終了した乳酸菌と培地とからなる最終培養液を、85〔℃〕以上で加熱して滅菌した。このように滅菌された最終培養液が発明の乳酸菌培養液の原液である。
【0032】
そして、上記原液から、上清、残渣及びエタノール抽出物を調製した。
上清は、上記原液を遠心分離(4℃,10000×g,15分)によって固形分を除いて得たものである。上記固形分は、原液の凍結乾燥の結果、11.6〔wt%〕であった。
【0033】
また、上記原液を凍結乾燥させて得た粉末にエタノールを加えて濾紙(ADVANTEC5C)で濾過し、減圧濃縮して黄色の油状物を得た。この油状物を、エーテルに再溶解し硫酸ナトリウムを加えて一晩放置して水分を取り除き、その後、硫酸ナトリウムを濾別して濾液を濃縮したものをエタノール抽出物とした。このエタノール抽出物は、原液100〔g〕から3.0〔g〕得られた。
【0034】
さらに、上記原液から水溶性成分及び脂質成分を取り除いた不溶成分のみを残渣とした。具体的には、原液から水溶成分及び上記脂質成分を取り除いた不溶成分を水洗いして濾過し、それを凍結乾燥した。この残渣は、原液の5.6〔wt%〕だった。
なお、残渣の濾液のpHが5.7だった。このことから、水溶成分が取り除かれ、この残渣からはほとんど溶出物はないと判断した。
上記原液、上清、残渣、及びエタノール抽出物それぞれが、この発明の脂質代謝向上剤である。
【0035】
[脂質代謝確認実験]
この実施形態では、マウスを6つのマウス群A~Fに分け、上記した原液、上清、エタノール抽出物、及び残渣を、マウスへの投与物とし、マウスの脂質代謝機能に関する様々な数値の確認実験を行なった。
【0036】
この実験で用いたマウス群A~Fのそれぞれは、5匹のマウスからなる。
そのうちマウス群Aには標準飼料のみを与えた。このマウス群Aをノーマル群Aという。
また、マウス群Bには、実験期間中、高脂肪飼料のみが与えられ、このマウス群Bをコントロール群Bという。
【0037】
また、マウス群C~Fには、高脂肪飼料を4週間給餌した後、さらに4週間、高脂肪飼料を給餌しながら、実施形態の脂質代謝向上剤となる、上記投与物を投与する。上記投与物は、毎日朝1回、ゾンデによって0.3〔mL〕を投与する。そして、各マウス群A~Fの変化を4週間測定した。
なお、マウス群に給餌する上記高脂肪飼料には日本クレア株式会社製のマウス・ラット用High Fat Diet32を用い、標準飼料には日本クレア会社製のマウス・ラット・ハムスター用CLEA Rodent CE-2を用いた。
【0038】
マウス群Cには上記原液を投与し、このマウス群を原液群Cという。
マウス群Dには上記上清を投与し、このマウス群を上清群Dという。
マウス群Eには上記残渣を投与し、このマウス群を残渣群Eという。
マウス群Fには上記エタノール抽出物を投与し、このマウス群をエタノール抽出物群Fという。
【0039】
[体重]
受け入れ時の全マウスの平均体重は25.8±2.1〔g〕だったが、高脂肪飼料を4週間給餌すると全マウスの平均体重は32.9±3.2〔g〕となり、体重は29.5〔wt%〕増加した。この時、通常飼料を与えたノーマル群Aの平均体重は29.8±2.4〔g〕で、全マウスの平均体重より少なかった。したがって、高脂肪飼料を給餌したマウスは肥満と判断した。
【0040】
図2は、上記投与物の投与を開始してからのマウスの体重変化を示している。各グラフは、ノーマル群A(A群),コントロール群B(B群),原液群C(C群),上清群D(D群),残渣群E(E群),エタノール抽出物群F(F群)に対応している。
【0041】
図2に示すように、コントロール群Bの体重は増加し、最終日の体重は36.3±3.6〔g〕であり、4週間で体重は3.0〔g〕増加した。
これに対し、原液群Cの平均体重は33.1±0.6〔g〕であり、実験開始の体重とほぼ同等だった。
【0042】
また、上清群Dでは投与7日目ごろに体重の減少が見られ、最終日の平均体重は30.6±3.4〔g〕であり、当初より約3〔g〕減少した。
残渣群Eの体重は37.0±5.9〔g〕とコントロール群Bとほぼ同等だった。
脂質投与の体重は34.0±2.9〔g〕となり実験期間中におよそ0.6〔g〕増加した。
【0043】
これらの結果から、残渣以外の投与物の投与により、体重の増加が鈍化または減少したことを確認した。なお、上記各投与物には乳酸菌培養液内の様々な物質が含まれているが、上記残渣には溶出成分がほとんどないため、残渣群Eでは乳酸菌培養液の影響が表れにくいと予想できる。
【0044】
[血中遊離脂肪酸]
図3は、上記投与物の、マウスの血中遊離脂肪酸に対する影響を調べた結果である。
血中遊離脂肪酸は主に糖分の不足または脂質の過剰な蓄積が起きている時に上昇することが知られている。実験の結果、ノーマル群Aは1.50±0.22〔meq/L〕、コントロール群Bは1.54±0.21〔meq/L〕、原液群Cは1.05±0.05〔meq/L〕、上清群Dは0.92±0.07〔meq/L〕、残渣群Eは0.96±0.07〔meq/L〕、及びエタノール抽出物群Fは0.80±0.08〔meq/L〕であり、乳酸菌培養液からなる上記投与物が投与された群C~Fがコントロール群Bに対して、血中遊離脂肪酸量の上昇が抑えられた。
【0045】
[血中中性脂肪]
図4は、血中中性脂肪に対する上記投与物の影響を調べた結果である。血中中性脂肪もまた血糖値と同様に肥満とともに増加することが知られている。結果はノーマル群Aで157.1±5.5〔mg/dL〕であり、コントロール群Bでは169.9±16.1〔mg/dL〕だった。
【0046】
また、原液群Cでは120.7±7.3〔mg/dL〕、上清群Dは135.1±9.8〔mg/dL〕、残渣群Eは145.5±5.8〔mg/dL〕、及びエタノール抽出物群Fは108.9±13.0〔mg/dL〕だった。コントロール群Bに対して、上記投与物を投与した群C~Fでは中性脂肪が減少し、特に原液群Cとエタノール抽出物群Fとで、血中中性脂肪の減少が大きかった。
【0047】
[血中レプチン]
図5は、血中レプチンに対する、上記投与物の影響を調べた結果である。レプチンは食欲を抑えるホルモンとして知られていて、血糖値や血中中性脂肪と関連があると考えられている。
【0048】
結果は、ノーマル群Aで2280.5±90.0〔pg/mL〕であり、コントロール群Bでは21600±2470〔pg/mL〕、原液群Cでは15600±3080〔pg/mL〕、上清群Dは10700±4120〔pg/mL〕、残渣群Eは22400±5930〔pg/mL〕、及びエタノール抽出物群Fでは13700±2490〔pg/mL〕であった。原液群C、上清群D及びエタノール抽出物群Fでは減レプチンの傾向がみられたが、検定の結果では、いずれもコントロール群Bに対して有意な差はなかった。
このことから、
図2に示すように原液群C、上清群D及びエタノール抽出物群Fで、体重の増加が鈍化したのは、レプチンによる食欲の低下が原因ではないと推測できる。
【0049】
[摂食量]
図6は、実験期間中のマウスの、1日の摂食量に対する投与物の影響を調べた結果を示している。
投与後の平均摂食量は1日あたり、ノーマル群Aでは6.6±0.1〔g〕、コントロール群Bでは4.0±0.1〔g〕、原液群Cでは3.7±0.1〔g〕、上清群Dでは3.3±0.1〔g〕、残渣群Eは3.9±0.1〔g〕及びエタノール抽出物群Fでは3.8±0.0〔g〕だった。高脂肪飼料を給餌した群では摂食量について有意差はなく、投与物の影響はなかった。
【0050】
このように、コントロール群Bと他の高脂肪飼料の群C~Fとで摂食量に差がないのにもかかわらず、体重、血中遊離脂肪酸量及び血中中性脂肪量に差が表れたのは、乳酸菌培養液からなる投与物の成分の影響と推測できる(
図2,3,4参照)。
【0051】
[フン中の脂質]
図7は、実験最終日前日から24時間内に排泄されたフン中の脂質の割合を調べた結果である。ノーマル群Aでは2.8±0.1〔wt%〕、コントロール群Bでは1.5±0.1〔wt%〕、原液群Cでは2.1±0.1〔wt%〕、上清群Dでは1.4±0.1〔wt%〕、残渣群Eは2.0±0.1〔wt%〕、及びエタノール抽出物群Fでは2.5±0.2〔wt%〕だった。検定の結果ではコントロールに対して排泄されたフン中の脂質の量はほぼ同じであり、投与物の影響はなかった。
【0052】
この結果から、高脂肪飼料によって脂肪を多く摂取した群のうち、乳酸菌培養液からなる投与物を投与された群C~Fが、コントロール群Bと比べて、血中中性脂肪酸及び血中中性脂肪量の増加が抑えられたのは、フン中に脂肪を排出してしまったからではないことが分かった。つまり、上記投与物中の成分が脂質代謝機能を向上させ、摂取した脂肪がマウスの体内で代謝されたと考えられる。
【0053】
[内臓脂肪率]
図8は、内臓脂肪率を画像処理で数値化したものである。ノーマル群Aでは2.5±0.5〔vol%〕、コントロール群Bでは13.1±0.8〔vol%〕、原液群Cでは10.6±1.0〔vol%〕、上清群Dでは7.8±2.1〔vol%〕、残渣群Eは16.2±1.2〔vol%〕、及びエタノール抽出物群Fでは12.1±1.5〔vol%〕だった。
上清群Dは、コントロール群Bに対して有意に内臓脂肪が減少しており、原液群Cは減少傾向があった。
このように、原液及び上清の投与では、内蔵脂肪を減少させることが確認できた。
【0054】
[腹部まわりの脂肪率]
図9は、摘出した腹部まわりの脂質の重さを体重で割った脂肪率を示したものである。ノーマル群Aでは1.6±0.3〔wt%〕、コントロール群Bでは5.1±0.6〔wt%〕、原液群Cでは2.7±0.3〔wt%〕、上清群Dでは2.8±0.4〔wt%〕、残渣群Eは5.4±0.5〔wt%〕、及びエタノール抽出物群Fでは3.9±0.3〔wt%〕だった。コントロール群Bに対して原液群C及び上清群Dでは摘出した脂肪量が有意に低下していた。
【0055】
[肝臓重量]
図10は、肝臓重量と体重との比に対する投与物の影響を示している。数値が大きいほど肝臓が大きくなっており、脂肪が蓄積していることを示す。
ノーマル群Aでは1.9±0.2〔wt%〕、コントロール群Bでは2.8±0.4〔wt%〕、原液群Cでは1.5±0.1〔wt%〕、上清群Dでは1.9±0.1〔wt%〕、残渣群Eは2.2±0.4〔wt%〕、及びエタノール抽出物群Fでは1.8±0.2〔wt%〕だった。
【0056】
コントロール群Bに対して投与物を投与された群C~Fは数値が下がっており、乳酸菌培養液からなる投与物の投与により、肝臓への脂肪の蓄積が減少したものと考えられる。特に、原液群Cの肝臓が小さく、上記原液に、肝臓への脂肪蓄積を抑制する成分が多く含まれていると考えられる。
【0057】
[血糖値]
図11は、血糖値に対する投与物の影響を調べた結果である。
血糖値は肥満とともに増加するが、ノーマル群Aで158.0±6.8〔mg/dL〕であり、コントロール群Bは188.9±6.1〔mg/dL〕、原液群Cは117.5±8.2〔mg/dL〕、上清群Dは99.5±9.1 〔mg/dL〕、残渣群Eは275.9±24.7〔mg/dL〕、およびエタノール抽出物群Fでは161.2±14.0〔mg/dL〕だった。原液群Cおよび上清群Dは血糖値上昇を有意に抑制した。
なお、エネルギーを消費する際には、まず糖分を消費し、次に脂質を分解して脂肪酸として消費する。そのため、血糖値上昇が抑制された場合には脂質が消費されやすくなる。つまり、原液群C及び上清群Dでは血糖値上昇が抑えられ、脂質消費がより促進されたと推測できる。
【0058】
また、具体的な数値は省略するが、画像解析による皮下脂肪の体積率を測定したところ、高脂肪飼料を給餌された群B~Fで優位な差は見られなかった。
以上の結果から、実施形態の乳酸菌培養液の原液、上清、残渣及び脂質を投与することにより、特に内蔵や血中の脂肪が減少することを確認できた。
上記脂肪の減少は、脂肪代謝機能の向上によるもので、上記原液、上清、残渣及び脂質が脂質代謝向上剤として機能するためである。
したがって、上記実施形態の脂質代謝向上剤を摂取することで、脂質代謝機能が向上し、比較的容易に脂質異常症の改善が期待できる。
【0059】
なお、上記中性脂肪、遊離脂肪酸の測定には、富士フィルムワコー純薬株式会社のラボアッセイキットを用い、レプチンはバイオベンダー社のマウス/ラットレプチンキットを用いた。また、血液は一晩絶食してから心採血した。
また、測定値の検定にはテューキー検定法を用いた。
【0060】
また、マウスの、体重に対する脾臓の重量比を測定したところ、全ての群で有意差は認められなかった。
毒物を摂取した場合、体重が減り、脾臓が大きくなるという事実がある。しかし、上記のように、コントロール群Bと、原液群C、上清群D、残渣群E及びエタノール抽出物群Fとの間に有意差がなかったことから、乳酸菌培養液からなる投与物は毒物ではない、ということが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本が発明の脂質代謝向上剤は、運動や食事内容の改善と組み合わせることで、脂質異常症のさらなる改善が期待できる。