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特開2023-172578ワイヤハーネス配索構造およびワイヤハーネス配索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172578
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス配索構造およびワイヤハーネス配索方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20231129BHJP
   H01R 43/26 20060101ALI20231129BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231129BHJP
   H01R 24/20 20110101ALI20231129BHJP
   H01R 13/56 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R43/26
B60R16/02 621C
H01R24/20
H01R13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084486
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 栄輝
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC02
5E021FC36
5E021FC38
5E021GA03
5E021JA05
5E021KA06
5E021KA15
5E063KA01
5E063XA09
5E223AA21
5E223AB32
5E223AC25
5E223AC38
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA07
5E223BB12
5E223CB26
5E223EA02
5E223EA13
5E223EA33
5E223EC07
(57)【要約】
【課題】本発明は、ワイヤハーネスを車両対象部に確実に配索させるワイヤハーネス配索構造およびワイヤハーネス配索方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
ワイヤハーネス11を車両対象部13に配索させるワイヤハーネス配索構造1であって、ワイヤハーネス11は、車両対象部13に設けられた相手コネクタ14に嵌合可能なコネクタ2と、該コネクタ2から引き出される電線12と、該電線12の所定位置に保持されるとともにコネクタ2に係止される保持部材7と、を備え、コネクタ2は、保持部材7を係脱可能に係止する係止アーム4を有し、係止アーム4が保持部材7を係止した状態で、コネクタ2の相手コネクタ14への嵌合が規制され、係止アーム4の保持部材7に対する係止が解除され、保持部材7がコネクタ2から分離された状態で、コネクタ2の相手コネクタ14への嵌合が許容される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスを車両対象部に配索させるワイヤハーネス配索構造であって、
前記ワイヤハーネスは、前記車両対象部に設けられた相手コネクタに嵌合可能なコネクタと、該コネクタから引き出される電線と、該電線の所定位置に保持されるとともに前記コネクタに係止される保持部材と、を備え、
前記コネクタは、前記保持部材を係脱可能に係止する係止アームを有し、
前記係止アームが前記保持部材を係止した状態で、前記コネクタの前記相手コネクタへの嵌合が規制され、
前記係止アームの前記保持部材に対する係止が解除され、前記保持部材が前記コネクタから分離された状態で、前記コネクタの前記相手コネクタへの嵌合が許容されることを特徴とするワイヤハーネス配索構造。
【請求項2】
前記車両対象部は、前記保持部材を支持するブラケットを備え、
前記ブラケットは、前記相手コネクタに隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス配索構造。
【請求項3】
前記保持部材は、筒状に形成されて、前記ブラケットを挿入させるブラケット挿入口と、前記係止アームに係止される被係止部と、前記ブラケットと係合する保持ロック部と、を備え、
前記ブラケットは、前記保持ロック部と係合する被係合部を備え、
前記係止アームが前記被係止部を係止した状態で、前記ブラケット挿入口から前記ブラケットが挿入されることにより、前記係止アームの前記被係止部に対する係止が解除され、前記保持ロック部と前記被係合部とが係合することを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス配索構造。
【請求項4】
前記係止アームの前記被係止部に対する係止が解除された状態で、
前記保持部材は、前記被係止部と前記保持ロック部との間に前記被係合部が位置付けられて、前記ブラケットに移動不能に支持されることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネス配索構造。
【請求項5】
請求項2~4のうち何れか一項に記載のワイヤハーネス配索構造を用いたワイヤハーネス配索方法であって、
前記係止アームの前記保持部材に対する係止を解除する係止解除工程と、
前記保持部材を前記ブラケットに近付けることにより、前記ブラケットに前記保持部材を支持させるブラケット支持工程と、
前記保持部材と前記コネクタとを分離させて、前記コネクタと前記相手コネクタとを嵌合させるコネクタ嵌合工程と、を含むことを特徴とするワイヤハーネス配索方法。
【請求項6】
前記係止解除工程と前記ブラケット支持工程を同時に行うことを特徴とする請求項5に記載のワイヤハーネス配索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス配索構造およびワイヤハーネス配索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設置された機器筐体に対して、コネクタを固定するコネクタの固定構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたコネクタの固定構造は、機器筐体から板状に立設されたブラケットと、該ブラケットに固定されるコネクタと、を備える。
【0004】
コネクタは、雄端子が収容される角筒状の端子収容部と、該端子収容部の一端に連続して設けられて相手側コネクタを嵌合させるフード部と、該フード部の一側面に設けられ、ブラケットを挿入させてロックするロック部と、を備える。また、このコネクタは、端子収容部の他端側から、雄端子に接続された電線が引き出されている。
【0005】
このロック部には、ブラケットに設けられた被ロック部をロックするロックアームが設けられている。コネクタを機器筐体に組み付ける際には、コネクタのロック部を機器筐体のブラケットに挿入させる。ロック部のロックアームがブラケットに設けられた被ロック部をロックすることにより、コネクタは機器筐体に組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-150035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来のコネクタの固定構造にあって、コネクタから引き出された電線を車両における所定の配索経路に配索する場合には、電線の所定位置に取り付けられた固定部を、車両の筐体等に設けられた被固定部に固定することにより、コネクタから引き出された電線を所定の配索経路に配索することが考えられる。しかしながら、作業者が電線の所定位置に取り付けられた固定部を、車両の筐体等に設けられた被固定部に固定し忘れて、コネクタから引き出された電線が所定の配索経路に配索されない虞があった。
【0008】
本発明は、ワイヤハーネスを車両対象部に確実に配索させるワイヤハーネス配索構造およびワイヤハーネス配索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、ワイヤハーネスを車両対象部に配索させるワイヤハーネス配索構造であって、前記ワイヤハーネスは、前記車両対象部に設けられた相手コネクタに嵌合可能なコネクタと、該コネクタから引き出される電線と、該電線の所定位置に保持されるとともに前記コネクタに係止される保持部材と、を備え、前記コネクタは、前記保持部材を係脱可能に係止する係止アームを有し、前記係止アームが前記保持部材を係止した状態で、前記コネクタの前記相手コネクタへの嵌合が規制され、前記係止アームの前記保持部材に対する係止が解除され、前記保持部材が前記コネクタから分離された状態で、前記コネクタの前記相手コネクタへの嵌合が許容されることを特徴とするワイヤハーネス配索構造である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、ワイヤハーネスを車両対象部に確実に配索させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス配索構造を示す斜視図である。
図2】前記ワイヤハーネスを構成するコネクタ(雌コネクタ)を示す斜視図である。
図3】前記ワイヤハーネスを構成する保持部材を示す斜視図である。
図4】前記保持部材の縦断面図である。
図5】前記ワイヤハーネス配索構造の組み立て手順を説明するための図であり、前記保持部材が前記コネクタのコネクタ係止部に係止された状態を示す斜視図である。
図6図5の後工程を示す図であり、前記ワイヤハーネスを車両対象部に近付ける様子を示す断面図である。
図7図6の後工程を示す図であり、前記ワイヤハーネスの保持部材が前記車両対象部のブラケットに支持された状態を示す斜視図である。
図8図7に示されたワイヤハーネスを示す縦断面図である。
図9図7の後工程を示す図であり、前記コネクタが前記車両対象部から離間した状態を示す斜視図である。
図10図9の後工程を示す図であり、前記コネクタと前記車両対象部の相手コネクタ(雄コネクタ)とが嵌合した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施形態を図1~10に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス配索構造1を示す斜視図である。図2は、ワイヤハーネス11を構成する雌コネクタ2(コネクタ)を示す斜視図である。図3は、ワイヤハーネス11を構成する保持部材7を示す斜視図である。
【0013】
ワイヤハーネス配索構造1は、図1に示すように、ワイヤハーネス11を請求項における車両対象部である機器筐体13に配索させるための構造であり、ワイヤハーネス11は、請求項におけるコネクタとしての雌コネクタ2と、該雌コネクタ2から引き出される請求項における電線としての電線部12と、該電線部12の所定位置に保持される保持部材7と、を備える。以下では、雌コネクタ2、電線部12、及び保持部材7をワイヤハーネス構成部11Aと記す場合がある。
【0014】
機器筐体13は、図1に示すように、複数の外壁130(図示では1つの外壁130のみが示される)と、雌コネクタ2に嵌合する請求項における相手コネクタである雄コネクタ14と、ブラケット15と、を備える。複数の外壁130のうち1つの外壁130には、雄コネクタ14及び、ブラケット15が設けられている。雄コネクタ14におけるフード部141の上面140には、雌コネクタ2が設置されるようになっている。ブラケット15は、雄コネクタ14の上方Z1に設けられているとともに、雄コネクタ14に隣接して設けられている。ブラケット15は、雌コネクタ2が雄コネクタ14の上面140に設置された状態で、雌コネクタ2の後述するコネクタ係止部4と同じ高さ位置に設けられている。
【0015】
尚、本実施形態では、雌コネクタ2から見て雄コネクタ14側を「前方(X1方向)」と記し、これとは反対方向を「後方(X2方向)」と記し、X方向に略直交する2方向をそれぞれY方向及びZ方向とする。Y方向を「左右方向」と記し、Z方向のうち一方を「上方(Z1方向)」と記し、Z方向のうち他方を「下方(Z2方向)」と記す場合がある。
【0016】
雄コネクタ14は、図1、6に示すように、雄型の端子金具14A(図6等に示す、以下では雄端子14Aと記す場合がある)と、雄端子14Aを保持する雄ハウジング14Bと、を備える。雄端子14Aは、基端が機器筐体13の内部に設置された不図示の基板に接続され、先端は雄ハウジング14Bの後述するフード部141内において、後方X2に向けて延びて形成されている。
【0017】
雄ハウジング14Bは、例えば絶縁性の樹脂から構成されている。この雄ハウジング14Bは、図1に示すように、1つの外壁130から後方X2に突出して設けられているとともに、雌コネクタ2の雌ハウジング3を収容するためのフード部141を備える。フード部141は、前後方向Xを軸とする四角筒状に形成されている。このフード部141には、後述する雌ハウジング3に設けられたロックアーム部5と係合する被ロック142が設けられている。
【0018】
ブラケット15は、図5、6に示すように、1つの外壁130から後方X2に突出する一対の張り出し部150、150と、該一対の張り出し部150、150の間に架け渡されて、後述する保持部材7の保持ロック部77と係合する請求項における被係合部としてのブラケット係合部151と、を備える。
【0019】
このブラケット係合部151には、図5、6に示すように、ブラケット摺動面15Aと、保持部材7の保持ロック部77に当接するブラケット前端面15Bと、保持部材7の被係止部76に当接するブラケット後端面15Cと、が設けられている。
【0020】
ブラケット摺動面15Aは、前方X1に向かうにしたがって上方Z1に向かうように傾斜する傾斜面から構成されている。このブラケット摺動面15Aは、後述するコネクタ係止部4に設けられたコネクタ摺動面4Aを摺動させるとともに、後述する保持部材7の保持ロック部77に設けられたロック摺動面7Bを摺動させる傾斜角を有して構成されている。
【0021】
ブラケット前端面15Bは、ブラケット摺動面15Aの前方X1(基端側)に設けられているとともに、前後方向Xに直交する直交面から構成されている。このブラケット前端面15Bは、後述する保持部材7における保持ロック部77のロック後端面7Aに当接されるようになっている。
【0022】
ブラケット後端面15Cは、ブラケット摺動面15Aの下端に連続するとともに、前後方向Xに直交する直交面から構成されている。このブラケット後端面15Cは、後述する保持部材7の被係止部76に当接されるようになっている。
【0023】
雌コネクタ2は、図7、8に示すように、電線120に接続される雌型の端子金具20(図8に示す、以下では雌端子20と記す場合がある)と、該雌端子20が挿入される端子収容室3Aを有する雌ハウジング3と、該雌ハウジング3に組み付けられる嵌合検知部材9(図7に示す)と、を備える。
【0024】
雌端子20は、導電性の金属から構成されている。この雌端子20は、図8に示すように、雄コネクタ14の雄端子14Aに電気接触される電気接触部21と、電線120に加締めにより接続される電線接続部22と、を有して構成されている。電気接触部21は、前後方向Xを軸とする四角筒状に形成されている。
【0025】
このような雌端子20は、図8に示すように、後述する端子収容室3Aの後端に、電気接触部21の前端2fを近付けて前方X1に挿入される。また、雌端子20が端子収容室3Aの所定位置まで到達した際に、後述する端子収容室3Aのランス37が電気接触部21を係止するように構成されている。また、雌端子20は、図8に示すように、後述するスペーサ6によって係止されるように構成されている。このような各雌端子20は、各端子収容室3Aのランス37によって一次係止され、後述するスペーサ6によって二次係止される。
【0026】
雌ハウジング3は、例えば絶縁性の樹脂から構成されている。この雌ハウジング3は、図2、8に示すように、端子収容室3Aを有するハウジング本体31と、ハウジング本体31に設けられて後述する保持部材7を係止する請求項における係止アームとしてのコネクタ係止部4と、該ハウジング本体31に設けられて雄コネクタ14の雄ハウジング14Bとの嵌合状態を維持するためのロックアーム部5と、ハウジング本体31に係止されるスペーサ6(図8に示す)と、を備える。
【0027】
ハウジング本体31は、図2、8に示すように、上壁部311、下壁312、一対の側壁313、313(図2に示す)を有して構成される四角筒状の筒状部310と、該筒状部310の内部空間を左右方向Yに区画する複数の区画壁314と、を備え、これらの区画壁314によって左右方向Yに区画形成された複数の端子収容室3Aと、スペーサ6が挿入されるスペーサ挿入部3B(図8に示す)と、検知部材組み付け部3C(図2に示す)と、を有している。
【0028】
また、図1、2に示すように、このハウジング本体31(雌ハウジング3)の前後方向Xの寸法は、雄ハウジング14Bの前後方向Xの寸法より大きくなるように形成されていて、図1に示すように、雌コネクタ2と雄コネクタ14とが嵌合した状態で、ハウジング本体31(雌ハウジング3)の後方X2側の部分(以下では、ハウジング露出部31Bと記す場合がある)が露出されるようになっている。図1に示すように、ハウジング露出部31Bには、後述するコネクタ係止部4の基部41、及び後述する検知部材組み付け部3Cが設けられている。即ち、雌コネクタ2と雄コネクタ14とが嵌合した状態で、後述するコネクタ係止部4、及び後述する嵌合検知部材9は露出されている。
【0029】
上壁部311は、図2に示すように、左右方向Yに並ぶ一対の壁部311A、311Bと、該一対の壁部311A、311Bの間に位置するハウジング凹部3Dと、を備える。ハウジング凹部3Dは、ハウジング本体31の左右方向Yの中央部に設けられ、前後方向Xに連続して設けられている。このハウジング凹部3Dの底面は、一対の壁部311A、311Bの各上面より下方Z2に位置し、後述するロックアーム部5が、ハウジング凹部3D内に位置している。
【0030】
各端子収容室3Aは、図8に示すように、前後方向Xを延在方向(筒の軸方向)とする四角筒状に形成されて、各雌端子20を収容する。また、各端子収容室3Aには、各端子収容室3Aに収容された雌端子20を係止するランス37が設けられている。
【0031】
スペーサ挿入部3Bは、図8に示すように、複数の端子収容室3Aの一部であって、ハウジング本体31の区画壁314の一部を切り欠いて形成された左右方向Yに連続する一つの空間である。このスペーサ挿入部3Bには、スペーサ6を仮係止位置で係止する不図示の仮係止部と、スペーサ6を本係止位置で係止する不図示の本係止部と、が設けられている。
【0032】
検知部材組み付け部3Cは、図2に示すように、ハウジング露出部31Bに設けられているとともに、左右方向Yにおいて、コネクタ係止部4とは反対側の側面部32b側に設けられている。この検知部材組み付け部3Cは、ハウジング露出部31Bの上面部32aと、該上面部32aに連続する側面部32bと、該側面部32bに連続する下面部32cと、ハウジング露出部31Bの後端から前方X1に延びて形成された延出壁32と、下面部32cにおいて左右方向Yに延びるガイドリブ32eと、を有している。この検知部材組み付け部3Cには、後述する嵌合検知部材9が、延出壁32と上面部32aとの間に挿入されつつ、ガイドリブ32eが嵌合検知部材9に設けられている不図示のガイド溝に挿入されるようにして、組み付けられるようになっている。なお、検知部材組み付け部3Cには、嵌合検知部材9を仮係止位置で係止する仮係止突起32dと、嵌合検知部材9を本係止位置で係止する不図示の本係止突起と、が設けられている。
【0033】
コネクタ係止部4は、図2に示すように、ハウジング露出部31Bから上方Z1に立ち上がる基部41と、該基部41に連続して前方X1に向けて延びるコネクタアーム42と、該コネクタアーム42の前端にある自由端から下方Z2に突出する係止突起43と、を備える。コネクタアーム42、及び係止突起43は、雌コネクタ2と雄コネクタ14とが嵌合した状態で、雄ハウジング14Bの上面140に対向して設けられている。
【0034】
この係止突起43には、図6、8に示すように、ブラケット係合部151のブラケット摺動面15Aに摺動するコネクタ摺動面4Aと、保持部材7の被係止部76に当接するコネクタ当接面4Bと、が設けられている。コネクタ摺動面4Aは、前方X1に向かうにしたがって上方Z1に向かうように傾斜する傾斜面から構成されている。コネクタ当接面4Bは、コネクタ摺動面4Aの後方X2に設けられているとともに、前後方向Xに直交する直交面から構成されている。また、コネクタ当接面4Bは、保持部材7の被係止部76に当接することにより、係止突起43が保持部材7の被係止部76を係止するようになっている。
【0035】
スペーサ6は、図6、8に示すように、ハウジング本体31のスペーサ挿入部3Bに挿入され、ハウジング本体31の仮係止部に係止されることにより仮係止位置に位置付けられ、さらに押し込まれて、ハウジング本体31の本係止部に係止されることにより本係止位置に位置付けられるように構成されている。また、スペーサ6が仮係止位置にある際に、スペーサ6は、ハウジング本体31から下方Z2に突出しており、端子収容室3Aへの雌端子20の挿入が許容される。また、スペーサ6が本係止位置にある際に、スペーサ6はスペーサ挿入部3Bに収容され、スペーサ6が各雌端子20における電気接触部21の後端部21b(図8に示す)を係止して、各雌端子20は各端子収容室3Aに抜け止めされる。
【0036】
嵌合検知部材9は、図1、5に示すように、ハウジング本体31の検知部材組み付け部3Cに近付けられることにより、仮係止突起32d(図2参照)に係止されて仮係止位置(図5参照)に位置付けられ、さらに押し込まれることにより、不図示の本係止突起に係止されて本係止位置(図1参照)に位置付けられるように構成されている。この嵌合検知部材9が、仮係止位置から押し込まれて、本係止位置に位置されることにより雌コネクタ2と雄コネクタ14は、嵌合状態が維持される。
【0037】
電線部12は、図1に示すように、各雌端子20に接続される複数の電線120と、該複数の電線120を挿通させる外装部材としてのコルゲートチューブ121と、を備えて構成されている。電線部12は、複数の電線120がコルゲートチューブ121内に挿通されることにより、複数の電線120がコルゲートチューブ121に覆われ束ねられて構成されている。
【0038】
保持部材7は、図3に示すように、ブラケット15に支持される保持部本体71と、該保持部本体71の左右方向Yの一方側に設けられて後述する電線部12を保持する電線保持部8と、を備える。
【0039】
保持部本体71は、図3、4に示すように、長方形板状の底板72と、該底板72から立設されて左右方向Yに対向する一対の側板73、73と、該一対の側板73、73の上端から互いに近付く方向に突出する一対の突出板部74、74と、一対の側板73、73の後方X2に延出される一対の延出片75、75と、コネクタ係止部4に係止される被係止部76と、ブラケット15のブラケット係合部151と係合する保持ロック部77と、を備える。
【0040】
また、保持部本体71は、図4に示すように、前端にあってブラケット15が挿入される請求項におけるブラケット挿入口としての前方側挿入口7fと、後端にあってコネクタ係止部4が挿入される後方側挿入口7bと、を有している。
【0041】
底板72は、図4に示すように、前方X1側の前方側底板72Fと、該前方側底板72Fの後方X2に連続する後方側底板72Bと、を備える。前方側底板72Fは、上下方向Zの厚みが一定の板状に形成されている。後方側底板72Bは、上下方向Zの厚みが一定の板状に形成されているとともに、前方側底板72Fより厚みが大きくなるように形成されている。また、底板72には、前方側底板72Fと後方側底板72Bとの境界位置に被係止部76が設けられている。被係止部76は、保持部本体71の前後方向Xの中心部に位置している。
【0042】
被係止部76は、図4に示すように、前方側底板72Fと後方側底板72Bとの境界位置にある段差部から構成されているとともに、前後方向Xに直交する直交面から構成されている。この被係止部76は、図6に示すように、後方側挿入口7bからコネクタ係止部4が挿入された際に、コネクタ係止部4の係止突起43が被係止部76の前方X1に位置して、被係止部76に係止突起43が当接して係止されるようになっている。
【0043】
保持ロック部77は、図3、4に示すように、一対の保持アーム771、771(図3に示す)と、該一対の保持アーム771、771の自由端側を連結するアーム連結部772と、ブラケット係合部151と係合する係合突起773と、を備える。
【0044】
一対の保持アーム771、771は、左右方向Yに間隔をあけて設けられ、かつ前端が自由端となるように、前方X1に延びて形成されている。
【0045】
係合突起773は、図4に示すように、アーム連結部772から下方Z2に突出して設けられている。係合突起773には、ブラケット係合部151のブラケット前端面15Bに当接するロック後端面7Aと、該ロック後端面7Aの前方X1側に設けられてブラケット係合部151のブラケット摺動面15Aに摺動されるロック摺動面7Bと、が設けられている。ロック後端面7Aは、前後方向Xに直交する直交面から構成されている。ロック摺動面7Bは、前方X1に向かうにしたがって、上方Z1に向かうように傾斜する傾斜面から構成されている。
【0046】
この係合突起773は、図4に示すように、被係止部76の後方X2に位置している。また、図8に示すように、保持部材7がブラケット15に支持された状態では、前後方向Xにおける被係止部76と係合突起773との間に、ブラケット係合部151が位置付けられるようになっている。被係止部76と係合突起773との間にブラケット係合部151が位置付けられた状態で、被係止部76とブラケット係合部151のブラケット後端面15Cとが当接し、ブラケット前端面15Bと係合突起773のロック後端面7Aとが当接している。
【0047】
電線保持部8は、図1、3に示すように、下方Z2に向かうにしたがって保持部本体71から離れる方向に傾斜する湾曲面8Aを有して電線部12を載置させる電線載置部80と、該電線載置部80に設けられて取付部材としての結束バンド10(図1に示す)を挿通させるバンド挿通孔81と、を有して構成されている。バンド挿通孔81は、湾曲面8Aと保持部本体71との間において、上下方向Zに延在する貫通孔から構成されている。
【0048】
次に、ワイヤハーネス配索構造1の組み立て手順を、図5~10を参照して説明する。
【0049】
まず、ワイヤハーネス構成部11Aを組み立てる場合には、雌端子20の電線接続部22に電線120を加締めにより接続する。これにより、雌端子20が電線120の端末に電気的かつ機械的に接続される。また、嵌合検知部材9を雌ハウジング3の検知部材組み付け部3Cに近付ける。これにより嵌合検知部材9は雌ハウジング3の仮係止突起32dに係止されて、仮係止位置に位置付けられる。また、スペーサ6をスペーサ挿入部3Bに近付けて挿入する。これによりスペーサ6は雌ハウジング3の仮係止部に係止されて、仮係止位置に位置付けられる。
【0050】
この後、雌ハウジング3の端子収容室3Aの後端に、雌端子20の前端2fを近付けて挿入する。挿入が進んで、ランス37が雌端子20の電気接触部21を係止して、端子収容室3Aの適正位置に雌端子20が収容される。この際、雌端子20に接続された電線120は、各端子収容室3Aの後端から引き出されている。この後、スペーサ6が仮係止位置から押し込まれて、スペーサ6が本係止位置に位置付けられる。これにより、スペーサ6が各端子収容室3Aに収容された雌端子20の電気接触部21の後端部21bを係止して、雌端子20は二重係止状態となる。このようにして雌コネクタ2を組み立てる。
【0051】
次に、図5に示すように、各端子収容室3Aから引き出された複数の電線120を、コルゲートチューブ121の内部に挿通する。複数の電線120がコルゲートチューブ121に覆われることにより束ねられる。このようにして電線部12を組み立てる。
【0052】
この後、図5に示すように、電線部12が前後方向Xに延在する格好で、電線部12の所定位置を電線載置部80の湾曲面8Aに近付け、結束バンド10をバンド挿通孔81に挿通させて、結束バンド10を、電線部12、及び電線載置部80に巻き付けて締め付ける。これにより、電線部12の所定位置に保持部材7が保持される。
【0053】
この後、図5に示すように、保持部材7の後方側挿入口7bに、雌コネクタ2のコネクタ係止部4を近づけて挿入する。挿入が進んで、コネクタ係止部4の係止突起43が被係止部76を係止する。これにより雌コネクタ2に保持部材7が保持される。このようにしてワイヤハーネス構成部11Aを組み立てる。
【0054】
続いて、図5に示すように、ワイヤハーネス構成部11Aを機器筐体13に近付ける。雌コネクタ2が雄コネクタ14の上面140に載置されるとともに、保持部材7の前方側挿入口7fからブラケット15が挿入される。
【0055】
挿入が進んで、図6に示すように、ブラケット係合部151と保持ロック部77の係合突起773とが接触し、係合突起773のロック摺動面7Bがブラケット係合部151のブラケット摺動面15Aに摺動される。さらに挿入が進んで、保持ロック部77の保持アーム771が上方Z1に撓んで、係合突起773がブラケット係合部151を乗り上げて乗り越える(図7、8参照)。図7、8に示すように、係合突起773がブラケット係合部151を乗り越えると、保持アーム771は元の形状に弾性復帰する。図8に示すように係合突起773がブラケット係合部151の前方X1に位置し、ブラケット係合部151のブラケット前端面15Bに係合突起773のロック後端面7Aが当接して、係合突起773がブラケット係合部151に係合する。
【0056】
一方、保持部材7の前方側挿入口7fからブラケット15が挿入され、保持ロック部77の係合突起773がブラケット係合部151を乗り上げた際に、図8に示すように、ブラケット係合部151にコネクタ係止部4の係止突起43が接触し、ブラケット係合部151によって係止突起43が押されて、ブラケット係合部151のブラケット摺動面15Aに係止突起43のコネクタ摺動面4Aが摺動される。挿入が進んで、コネクタ係止部4のコネクタアーム42が上方Z1に撓んで、係止突起43の被係止部76に対する係止が解除され、ブラケット係合部151は保持部材7の被係止部76に当接する(請求項における係止解除工程に相当する)。これにより保持部材7と雌コネクタ2との分離が可能な状態となる。
【0057】
この際、ブラケット係合部151は、図8に示すように、前後方向Xにおいて、保持部材7の被係止部76と係合突起773との間に位置付けられて、保持部材7は、ブラケット15に移動不能に支持される(請求項におけるブラケット支持工程に相当する)。即ち、雌コネクタ2の保持部材7に対する係止が解除されると同時に、ブラケット15に保持部材7が支持される。
【0058】
次に、雌コネクタ2と雄コネクタ14を嵌合させる場合には、図9に示すように、雌コネクタ2を雄コネクタ14の上面140から後方X2に移動させて、保持部材7と雌コネクタ2とが分離される。
【0059】
この後、雄コネクタ14のフード部141に、保持部材7と分離した雌コネクタ2のハウジング本体31を近付けて挿入する。雌端子20の電気接触部21に雄端子14Aが挿入されるとともに、雌ハウジング3に設けられたロックアーム部5が雄ハウジング14Bの被ロック142に係合する。このようにして雌コネクタ2および雄コネクタ14が嵌合する(請求項におけるコネクタ嵌合工程に相当する)。雄コネクタ14と雌コネクタ2が嵌合した状態では、図10に示すように、雌コネクタ2におけるロックアーム部5と雄コネクタ14の被ロック142とが係合していることにより、雄コネクタ14と雌コネクタ2の嵌合状態が維持される。この後、嵌合検知部材9が、押込み操作されることにより不図示の本係止突起に係止されて本係止位置に組み付けられる。このようにして雄コネクタ14と雌コネクタ2は完全に嵌合した状態(以下では完全嵌合状態と記す場合がある)となる。
【0060】
また、完全嵌合状態では、保持部材7はブラケット15に支持されている。即ち、雌コネクタ2から引き出された電線120が、保持部材7を介してブラケット15に支持されていることにより、ワイヤハーネス11は所定の配索経路に配索されている。このようにしてワイヤハーネス配索構造1を組み立てる。
【0061】
ここで、雄コネクタ14と雌コネクタ2を嵌合させる際において、雌コネクタ2の雄コネクタ14のフード部141への挿入が許容された場合に、作業者は組み立て過程に異常がないことを認識するものの、図5に示すように、保持部材7が雌コネクタ2に保持された状態(ワイヤハーネス構成部11Aの完成状態)で、雌コネクタ2を雄コネクタ14のフード部141に近付けた場合には、保持部材7がフード部141に当接(干渉)して、雌コネクタ2を雄コネクタ14のフード部141に挿入することができない。これにより、作業者は組み立て過程に異常がある、即ち、保持部材7を機器筐体13に支持させる作業を忘れたことを認識する。
【0062】
この後、保持部材7を機器筐体13に支持させる作業を忘れたことを認識した作業者は、ワイヤハーネス構成部11Aを機器筐体13に近付ける。雌コネクタ2の保持部材7に対する係止が解除され、保持部材7と雌コネクタ2との分離が可能な状態となるとともに、保持部材7がブラケット15に支持される。この後、保持部材7と分離した雌コネクタ2を雄コネクタ14のフード部141に近付けて挿入することにより、雄コネクタ14と雌コネクタ2とを嵌合させることとなる。
【0063】
上述した実施形態によれば、コネクタ係止部4(係止アーム)が保持部材7を係止した状態で、雌コネクタ2(コネクタ)の雄コネクタ14(相手コネクタ)への嵌合が規制され、コネクタ係止部4の保持部材7への係止が解除され、保持部材7が雌コネクタ2から分離した状態で、雌コネクタ2の雄コネクタ14への嵌合が許容される。即ち、保持部材7が雌コネクタ2から分離されていない場合には、保持部材7が干渉して、雌コネクタ2を雄コネクタ14のフード部141に挿入することができない。そのため、コネクタ係止部4の保持部材7に対する係止を解除して、保持部材7と雌コネクタ2とを分離させた上で、雌コネクタ2と雄コネクタ14を嵌合させる必要がある。ここで、作業者は、コネクタ係止部4の保持部材7に対する係止を解除し、保持部材7と雌コネクタ2を分離させることで、保持部材7の存在を認識することができるから、保持部材7を機器筐体13(車両対象部)に支持させる作業を忘れることを防止できる。これによれば、雌コネクタ2から引き出された電線部12(電線)を、確実に所定の配索経路に配索させることができる。
【0064】
また、機器筐体13(車両対象部)は、保持部材7を支持するブラケット15を備え、ブラケット15は、雄コネクタ14(相手コネクタ)に隣接して設けられている。これによれば、作業者が視認可能な位置にブラケット15が設けられていることにより、より一層、保持部材7を機器筐体13(車両対象部)に支持させる作業を忘れることを防止できる。
【0065】
また、保持部材7は、筒状に形成されて、ブラケット15を挿入させる前方側挿入口7f(ブラケット挿入口)と、コネクタ係止部4(係止アーム)に係止される被係止部76と、ブラケット15と係合する保持ロック部77と、を備え、ブラケット15は、保持ロック部77と係合するブラケット係合部151(被係合部)を備え、コネクタ係止部4が被係止部76を係止した状態で、前方側挿入口7fからブラケット15が挿入されることにより、コネクタ係止部4の被係止部76に対する係止が解除され、保持ロック部77とブラケット係合部151とが係合する。これによれば、ワイヤハーネス構成部11Aを機器筐体13に近付けることにより、保持部材7の前方側挿入口7fからブラケット15が挿入され、コネクタ係止部4の被係止部76に対する係止が解除され、保持ロック部77とブラケット係合部151とを係合させることができるから、組み立て作業性を向上させつつ、ワイヤハーネス11を機器筐体13に配索させることができる。
【0066】
また、コネクタ係止部4(係止アーム)の被係止部76に対する係止が解除された状態で、保持部材7は、被係止部76と保持ロック部77との間にブラケット係合部151(被係合部)が位置付けられて、ブラケット15に移動不能に支持される。これによれば、保持部材7がブラケット15に安定した状態で支持されることにより、雌コネクタ2から引き出された電線120が、保持部材7を介してブラケット15に安定した状態で支持される。
【0067】
また、上述した実施形態において、ワイヤハーネス配索方法は、コネクタ係止部4(係止アーム)の保持部材7に対する係止を解除する係止解除工程と、保持部材7をブラケット15に近付けることにより、ブラケット15に保持部材7を支持させるブラケット支持工程と、保持部材7と雌コネクタ2(コネクタ)とを分離させて、雌コネクタ2と雄コネクタ14(相手コネクタ)とを嵌合させるコネクタ嵌合工程と、を含む。これによれば、保持部材7を機器筐体13(車両対象部)に支持させる作業を忘れることを防止でき、雌コネクタ2から引き出された電線部12(電線)を、確実に所定の配索経路に配索させることができる。
【0068】
また、上述した実施形態では、係止解除工程とブラケット支持工程を同時に行う。これによれば、組み立て作業の効率化を図りつつ、ワイヤハーネス11を機器筐体13に配索させることができる。
【0069】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0070】
前記実施形態では、保持部材7をブラケット15に近付けることにより、コネクタ係止部4の保持部材7に対する係止を解除し、ブラケット15に保持部材7を支持させ、保持部材7と雌コネクタ2とを分離させて、雌コネクタ2と雄コネクタ14とを嵌合させている。即ち、ワイヤハーネス配索方法は、ブラケット支持工程の後、コネクタ嵌合工程を行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。コネクタ嵌合工程の後、ブラケット支持工程が行われてもよい。この場合には、コネクタ係止部4の保持部材7に対する係止を解除し、保持部材7と雌コネクタ2とが分離した状態で、雌コネクタ2と雄コネクタ14とを嵌合させ、この後、ブラケット15に保持部材7を支持させるようにしてもよい。
【0071】
前記実施形態では、機器筐体13に設けられたブラケット15は、雄コネクタ14に隣接して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。ブラケット15は、雄コネクタ14に隣接して設けられていなくともよいし、機器筐体13とは別体に設けられていてもよい。即ち、ブラケットは、車両において予め設計された所定の配索経路上に設けられていればよい。換言すれば、雌コネクタ2から引き出された電線120が、ブラケットによって、所定の配索経路上に配索されていればよい。
【0072】
前記実施形態では、電線部12は、各雌端子20に接続される複数の電線120と、該複数の電線120を挿通させる外装部材としてのコルゲートチューブ121と、を備えて構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。電線部12は、複数の電線120にテープが巻かれることにより、複数の電線120が束ねられた形態であってもよい。また、前記実施形態では、電線部12は、複数の電線120を有して構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。電線部は、1本の電線120を有して構成されていてもよい。この場合には、1本の電線120がコルゲートチューブ121やテープにより覆われていてもよい。
【0073】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0074】
1 ワイヤハーネス配索構造
2 雌コネクタ(コネクタ)
4 コネクタ係止部(係止アーム)
7 保持部材
7f 前方側挿入口(ブラケット挿入口)
76 被係止部
77 保持ロック部
11 ワイヤハーネス
12 電線部(電線)
13 機器筐体(車両対象部)
14 雄コネクタ(相手コネクタ)
15 ブラケット
151 ブラケット係合部(被係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10