(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172596
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電子線照射装置および真空容器
(51)【国際特許分類】
G21K 5/00 20060101AFI20231129BHJP
G21K 5/04 20060101ALI20231129BHJP
G21F 3/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G21K5/00 W
G21K5/04 E
G21F3/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084516
(22)【出願日】2022-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】503237806
【氏名又は名称】株式会社NHVコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】白橋 知論
(72)【発明者】
【氏名】馬場 隆
(57)【要約】
【課題】高エネルギーの電子線を安定させることが可能な電子線照射装置を実現する。
【解決手段】電子線照射装置(1)は、導体で形成された真空容器(2)と、電子線を発生させる電極部(3)と、真空容器の内部において電極部を支持する碍子(4)と、被照射物(7)に電子線が照射されることで被照射物から碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールド(9)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を被照射物に照射する電子線照射装置であって、
導体で形成された真空容器と、
前記電子線を発生させる電極部と、
前記真空容器の内部において、前記真空容器から電気的に絶縁された状態で前記電極部を支持する碍子と、
前記被照射物に前記電子線が照射されることで前記被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える電子線照射装置。
【請求項2】
前記真空容器は、前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、
前記シールドは、前記真空容器の外側表面における、前記取出し口の近傍に設けられる請求項1に記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記真空容器および前記被照射物を収容し、前記被照射物から放射されるX線を遮断する遮蔽体をさらに備え、
前記真空容器は前記遮蔽体の内部に設置されている請求項1または2に記載の電子線照射装置。
【請求項4】
電子線を発生させる電極部を、碍子により支持された状態で収容する真空容器であって、
導体で形成された周壁と、
前記電子線が照射される被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える真空容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線照射装置、および当該電子線照射装置に適用可能な真空容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子線発生器と、当該電子線発生器を被覆する遮蔽構造体とから構成されているX線遮蔽構造が開示されている。当該X線遮蔽構造においては、電子線発生器が備える真空容器が遮蔽構造体の中に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、特許文献1に開示されている電子線発生器において電極部に印加する加速電圧を高めると、電子線が不安定になるという問題があることを見出した。
【0005】
本発明の一態様は、電極部に印加する加速電圧を高めても電子線を安定させることが可能な電子線照射装置などを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子線照射装置は、電子線を被照射物に照射する電子線照射装置であって、導体で形成された真空容器と、前記電子線を発生させる電極部と、前記真空容器の内部において、前記真空容器から電気的に絶縁された状態で前記電極部を支持する碍子と、前記被照射物に前記電子線が照射されることで前記被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る真空容器は、電子線を発生させる電極部を、碍子により支持された状態で収容する真空容器であって、導体で形成された周壁と、前記電子線が照射される被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る電子線照射装置などによれば、電極部に印加する加速電圧を高めても電子線を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係る電子線照射装置の概略を示す図である。
【
図2】
図1に示す真空容器を、取出し口を平面視する方向から視た図である。
【
図3】本発明の実施形態2に係る電子線照射装置の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。以下の説明において、数値範囲を示す「A~B」は、特筆しない限りは「A以上かつB以下」を意味する。
【0011】
〔電子線照射装置1の構成〕
図1は、本実施形態に係る電子線照射装置1の概略を示す図である。
図1に示すように、電子線照射装置1は、真空容器2、電極部3、碍子4、遮蔽体5、および直流電源6を備える。視認性のため、
図1においては、真空容器2および碍子4については断面とし、内部を示している。
【0012】
電子線照射装置1は、電子線8aを被照射物7に照射するものである。被照射物7は、例えば電子線8aの連続照射によって生成または処理される物であることが好ましい。例えば、電子線照射装置1は、基材上の塗膜中の成分の架橋もしくは重合によるシート材の製造、または、物品の殺菌もしくは滅菌に好適に用いられる。
【0013】
電極部3は、電子線8aを発生させる箇所である。電極部3は、不図示の導線、および当該導線から枝分かれする複数のフィラメントを有する。所定の真空度(例えば1×10-4Pa以下)に減圧されている雰囲気下で、導線に加速電圧が印加されることにより、熱励起された電子がフィラメントの表面から放出されて電子線8aが発生する。
【0014】
碍子4は、電極部3を支持する。碍子4は、絶縁性を有する。碍子4の材質は、碍子4に求められる絶縁性を発現可能な範囲から適宜選ばれる。碍子4の材質には、例えば金属酸化物が含まれる。本実施形態では、碍子4の材質は、酸化アルミニウム(アルミナ)である。碍子4の厚みは、例えばいずれの部位でも実質的に一定である。碍子4の周壁の厚みは、例えば10mm~20mmである。
【0015】
真空容器2は、略円筒形状の中空の容器である。真空容器2は、碍子4に支持された状態の電極部3を収容する容器である。碍子4は、真空容器2の内部において、真空容器2から電気的に絶縁された状態で電極部3を支持する。碍子4は、真空容器2に接続される第1端4aと、電極部3を支持する第2端4bとを有する管状の部材である。碍子4の内径および外径は、第1端4aから第2端4bに向けて漸次減少する。すなわち、碍子4は、いわゆるテーパ形状を有する。
【0016】
真空容器2は、周壁21を備える。周壁21は、導体で形成されている。導体の例としてはステンレスが挙げられる。真空容器2は、減圧のための不図示の排気口を有する。当該排気口は、不図示の真空ポンプに接続されている。真空ポンプを動作させることにより、排気口を通じて真空容器2内を減圧することができる。
【0017】
真空容器2は、電極部3において発生した電子線8aを外部へ取り出すための取出し口22を有する。取出し口22は、周壁21の一部に設けられた、金属箔により形成された部位である。金属箔の例として、チタンまたはアルミニウムの箔が挙げられる。電子線8aは、取出し口22を貫通して外部に照射される。被照射物7は、取出し口22と対向する位置に配される。
【0018】
被照射物7に電子線8aを照射すると、被照射物7はX線8bを放出する。被照射物7がX線8bを放出する原理としては、以下の2つが挙げられる。1つ目は、電子線8aが被照射物7に照射された場合、被照射物7を構成する原子が励起されて励起状態となり、その後に基底状態に戻るときにX線8bを放出するというものである。2つ目は、被照射物7を構成する原子に含まれている電子により電子線8aを構成する電子が減速され、それにより電子線8aを構成する電子が失うエネルギーがX線8bとして放出されるというものである。
【0019】
真空容器2は、シールド9をさらに備える。シールド9は、被照射物7に電子線8aが照射されることで被照射物7から碍子4へ向けて放射されるX線8bの、少なくとも一部を遮断する。シールド9の材質は、鉛である。ただし、シールド9の材質は、X線8bの少なくとも一部を遮断するものであればこれに限られない。シールド9の材質の別の例としてステンレスまたは鉄が挙げられる。真空容器2がシールド9を備えることについて、電子線照射装置1がシールド9を備えるとも表現できる。
【0020】
シールド9は、主面を有する平板状の形状を有する。シールド9は、シールド9の主面が真空容器2の外側表面に沿うように設けられていることが好ましい。すなわち、シールド9は、略筒状である真空容器2の湾曲した外側表面に対応する湾曲形状を有している。シールド9の厚みは、シールド9の材質が鉛である場合には、5mm~40mmの範囲であることが好ましい。また、シールド9の厚みは、シールド9の材質がステンレスまたは鉄である場合には、40mm~350mmの範囲であることが好ましい。これにより、X線8bを効果的に遮断しつつ真空容器2およびシールド9の省スペース化を図ることができる。
【0021】
図2は、
図1に示す真空容器2を、取出し口22を平面視する方向から視た図である。具体的には、
図2は、真空容器2を
図1に示す矢印Aの方向から見た図である。シールド9は、被照射物7から視て、碍子4の外形を覆うように設けられている。これにより、被照射物7から碍子4に向かって放射されるX線8bを遮断できる。
【0022】
シールド9は、被照射物7から視て、碍子4の外形を覆うことが可能な限りにおいて、小さく製作されていることが好ましい。このため、
図2に示すように、取出し口22を平面視する方向から視て、シールド9は真空容器2の全体を覆っていない。これにより、取出し口22を平面視する方向から視てシールド9が真空容器2の全体を覆う場合と比較して、シールド9の製造コストを低減できる。また、取出し口22を平面視する方向から視てシールド9が真空容器2の全体を覆う場合と比較して、シールド9の質量が小さくなるため、シールド9が真空容器2の周壁21の外側表面に設けられている状態を好適に維持することができる。
【0023】
シールド9は、真空容器2の外側表面における、取出し口21の近傍に設けられる。換言すれば、シールド9は、取出し口21に隣接して設けられている。具体的には、シールド9と取出し口21との間の距離が、2mm以下であることが好ましい。これにより、シールド9および取出し口21の間の隙間が小さくなる。したがって、当該隙間を通過して碍子4へ向けてX線8bが放射される可能性を低減できる。
【0024】
また、シールド9が真空容器2の外側に存在することで、真空容器2の内部を清浄な状態とすることができる。さらに、真空容器2の内部における電界分布が均一になるため、真空容器2の構造を簡易なものとすることができる。
【0025】
遮蔽体5は、真空容器2および被照射物7を収容し、被照射物7から外部へ放射されるX線8bを遮断する。真空容器2は、遮蔽体5の内部に設置されている。これにより、例えば碍子4の一部が破損するなどして真空容器2に交換の必要性が生じたときに、遮蔽体5を交換せずに真空容器2のみを交換することができる。
【0026】
直流電源6は、電極部3に加速電圧を印加するものである。直流電源6は、遮蔽体5の外部に配置されている。直流電源6は、導体6aを介して電極部3に接続されている。加速電圧を300kVよりも大きくする場合には、電子線照射装置1とは異なる構造の電子線照射装置が必要となる。このため、電子線照射装置1における加速電圧は300kV以下とする。直流電源6は、電子線照射装置1の構成要素としては必須ではなく、電子線照射装置1のユーザが外部の電源装置を電極部3に接続してもよい。
【0027】
〔電子線照射装置1の効果〕
本願発明者は、シールド9を有しない、従来の電子線照射装置において、高エネルギーの電子線を得るために加速電圧を増大させると電子線が不安定になるという問題があることを見出した。本願発明者は、鋭意検討を重ねた結果、被照射物から碍子へのX線が上記の問題の原因であるとの知見を得た。
【0028】
被照射物と碍子との間には、真空容器の周壁が存在する。加速電圧が小さければ、被照射物から放出されるX線のエネルギーも小さいため、X線は真空容器の周壁により遮断されて碍子には入射しない。一方、加速電圧が大きければ、被照射物から放出されるX線のエネルギーが大きくなり、X線は真空容器の周壁を貫通して碍子に入射する。具体的には、加速電圧が150kVよりも大きい場合には、被照射物から放出されるX線は周壁を貫通して碍子に入射する。
【0029】
碍子を構成する原子にX線が入射すると、当該原子から2次電子が放出される。2次電子は電極部と真空容器との間の電場により加速されて再度碍子に入射し、さらに2次電子を発生させる。すなわち、いわゆる電子なだれと呼ばれる現象が碍子の表面で発生する。その結果、碍子の表面において沿面放電が生じ、上記の問題が生じていた。本願発明者は、被照射物から碍子へのX線を遮断するための、シールドを設ける必要最小限の部位を特定し、電子線照射装置1を完成するに至った。
【0030】
上述したとおり、電子線照射装置1は、真空容器2と、電極部3と、碍子4と、シールド9と、を備える。電子線照射装置1においては、X線8bの少なくとも一部がシールド9により遮断される。このため、碍子4の表面における沿面放電を低減できる。電子線照射装置1によれば、電極部3に印加される加速電圧が150kVを超える場合であっても、加速電圧、電子線8aの電流、および真空容器2内の真空度を安定させることができる。したがって、高エネルギーの電子線8aを安定させることができる。
【0031】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0032】
図3は、実施形態2に係る電子線照射装置1Aの概略を示す図である。電子線照射装置1Aは、真空容器2の代わりに真空容器2Aを備える。真空容器2Aはシールド9を備えていない点で真空容器2と相違する。電子線照射装置1Aは、真空容器2Aとは別にシールド9を備えている。
【0033】
電子線照射装置1Aが備えるシールド9は、シールド9の主面が真空容器2Aの周壁21に沿うように設けられる必要はない。
図3に示す例では、シールド9は、ビーム取出し口22の近傍から、被照射物7に向かう方向に延出している。
図3においては被照射物7がシールド9に接しているが、被照射物7とシールド9とが互いに接していなくてもよい。このようなシールド9も、被照射物7から碍子4へ向けて放射されるX線8bの、少なくとも一部を遮断することができる。
【0034】
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る電子線照射装置は、電子線を被照射物に照射する電子線照射装置であって、導体で形成された真空容器と、前記電子線を発生させる電極部と、前記真空容器の内部において、前記真空容器から電気的に絶縁された状態で前記電極部を支持する碍子と、前記被照射物に前記電子線が照射されることで前記被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える。
【0035】
上記の構成によれば、碍子に放射されるX線の少なくとも一部がシールドにより遮断される。このため、碍子の表面における沿面放電を低減できる。したがって、電極部に印加される電圧、電子線の電流、および真空容器内の真空度を安定させることができる。換言すれば、高エネルギーの電子線を安定させることができる。
【0036】
また、本発明の一態様に係る電子線照射装置は、上記の態様において、前記真空容器は、前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、前記シールドは、前記真空容器の外側表面における、前記取出し口の近傍に設けられる。
【0037】
上記の構成によれば、シールドと取出し口との間の隙間が小さくなるため、当該隙間を通過して碍子へ向けて放射されるX線をより低減できる。このため、高エネルギーの電子線をより安定させることができる。
【0038】
また、本発明の一態様に係る電子線照射装置は、上記の態様において、前記真空容器および前記被照射物を収容し、前記被照射物から放射されるX線を遮断する遮蔽体をさらに備え、前記真空容器は前記遮蔽体の内部に設置されている。
【0039】
上記の構成によれば、真空容器に交換の必要性が生じた場合に、真空容器のみを交換することができる。
【0040】
また、本発明の一態様に係る真空容器は、上記の態様において、電子線を発生させる電極部を、碍子により支持された状態で収容する真空容器であって、導体で形成された周壁と、前記電子線が照射される被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の少なくとも一部を遮断するシールドと、を備える。
【0041】
上記の構成によれば、上述した態様の電子線照射装置と同様の効果を奏する。
【0042】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1、1A 電子線照射装置
2、2A 真空容器
3 電極部
4 碍子
5 遮蔽体
7 被照射物
9 シールド
21 周壁
22 取出し口
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を被照射物に照射する電子線照射装置であって、
導体で形成された真空容器と、
前記電子線を発生させる電極部と、
前記真空容器の内部において、前記真空容器から電気的に絶縁された状態で前記電極部を支持する碍子と、
前記被照射物に前記電子線が照射されることで前記被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールドと、を備え、
前記真空容器は、前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、
前記取出し口を平面視する方向から視て、前記シールドは前記取出し口の周囲の全体を覆っておらず、前記取出し口の前記碍子が位置する側を覆っている電子線照射装置。
【請求項2】
前記シールドは、前記真空容器の外側表面における、前記取出し口の近傍に設けられる請求項1に記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記真空容器および前記被照射物を収容し、前記被照射物から放射されるX線を遮断する遮蔽体をさらに備え、
前記真空容器は前記遮蔽体の内部に設置されている請求項1または2に記載の電子線照射装置。
【請求項4】
電子線を発生させる電極部を、碍子により支持された状態で収容する真空容器であって、
導体で形成された周壁と、
前記電子線が照射される被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の少なくとも一部を遮断するシールドと、を備え、
前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、
前記取出し口を平面視する方向から視て、前記シールドは前記取出し口の周囲の全体を覆っておらず、前記取出し口の前記碍子が位置する側を覆っている真空容器。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を被照射物に照射する電子線照射装置であって、
導体で形成された真空容器と、
前記電子線を発生させる電極部と、
前記真空容器の内部において、前記真空容器から電気的に絶縁された状態で前記電極部を支持する碍子と、
前記被照射物に前記電子線が照射されることで前記被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の、少なくとも一部を遮断するシールドと、を備え、
前記真空容器は、前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、
前記取出し口を平面視する方向から視て、前記シールドは前記取出し口の周囲の全体を覆っておらず、前記取出し口の周囲の、前記碍子が位置する側を覆っている電子線照射装置。
【請求項2】
前記シールドは、前記真空容器の外側表面における、前記取出し口の周囲の、前記碍子が位置する側において、前記取出し口の近傍に設けられる請求項1に記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記真空容器および前記被照射物を収容し、前記被照射物から放射されるX線を遮断する遮蔽体をさらに備え、
前記真空容器は前記遮蔽体の内部に設置されている請求項1または2に記載の電子線照射装置。
【請求項4】
電子線を発生させる電極部を、碍子により支持された状態で収容する真空容器であって、
導体で形成された周壁と、
前記電子線が照射される被照射物から前記碍子へ向けて放射されるX線の少なくとも一部を遮断するシールドと、を備え、
前記電子線を外部へ取り出すための取出し口を有し、
前記取出し口を平面視する方向から視て、前記シールドは前記取出し口の周囲の全体を覆っておらず、前記取出し口の周囲の、前記碍子が位置する側を覆っている真空容器。