(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172611
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】高低温熱源発生装置
(51)【国際特許分類】
F24S 10/70 20180101AFI20231129BHJP
F24S 23/74 20180101ALI20231129BHJP
F24S 70/225 20180101ALI20231129BHJP
F24S 80/60 20180101ALI20231129BHJP
【FI】
F24S10/70
F24S23/74
F24S70/225
F24S80/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084543
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】柘植 真吾
(57)【要約】
【課題】小型でありながら、太陽光を利用して高温熱源を発生させつつ、同時に放射冷却を利用して低温熱源も発生させることが可能な高低熱源発生装置(1)を提供する。
【解決手段】反射板(23)を用いて可視光を集熱管(20)に向けて反射させ、集熱管の内部の熱媒を加熱する。また、集熱管の周囲は、可視光は透過するが赤外線は反射する赤外線反射膜(30)で囲っておく。更に、反射板の裏面に接触させた状態で、冷媒が内部を通過する放熱管(25)を配設する。こうすれば、可視光で加熱された熱媒が赤外線を放出しても、赤外線反射膜で反射されて再び熱媒を加熱するので、効率よく熱媒を加熱することができる。加えて、反射板の放射冷却で放熱管の内部の冷媒を冷却することができるので、高温熱源と低温熱源とを同時に発生可能で小型な高低熱源発生装置を実現することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を利用して熱媒を加熱することで高温熱源を発生させ、放射冷却を利用して冷媒を冷却することで低温熱源を発生させる高低温熱源発生装置において、
前記熱媒が内部を通過する中空の集熱管と、
前記集熱管の一端から流出した前記熱媒を前記集熱管の他端に還流させる熱媒還流通路と、
前記集熱管に向けて可視光を反射する反射板と、
前記冷媒が内部を通過する中空の放熱管と、
前記放熱管の一端から流出した前記冷媒を前記放熱管の他端に還流させる冷媒還流通路と
を備え、
前記放熱管は、前記反射板の裏面に接触した状態で配設されており、
前記集熱管は、可視光を透過または吸収し、赤外線は反射する赤外線反射膜によって周囲が囲われている
ことを特徴とする高低温熱源発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高低温熱源発生装置において、
前記集熱管は、可視光を透過する材料で形成された中空の外管の内側に、前記外管の内周面に対して隙間を開けた状態で収容されると共に、前記集熱管と前記外管との間の隙間には真空断熱層が形成されており、
前記赤外線反射膜は、可視光を透過し、且つ、前記外管の外周面または内周面に形成されている
ことを特徴とする高低温熱源発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の高低温熱源発生装置において、
前記反射板の反射面には、可視光を反射または透過し、赤外線は他の波長の光よりも高い効率で放射する赤外線放射膜が形成されている
ことを特徴とする高低温熱源発生装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の高低温熱源発生装置において、
長尺で上面が開放された形状の断熱容器と、
断熱性を有すると共に可視光および赤外光を透過する材料で形成されて、前記断熱容器の上面に取り付けられることによって、前記断熱容器との間に収容空間を形成する保護カバーと
を備え、
前記集熱管は、前記収容空間内に収容されており、
前記反射板は、前記反射板の反射面が、前記集熱管および前記保護カバーに面する状態で前記収容空間内に収容されている
ことを特徴とする高低温熱源発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の高低温熱源発生装置において、
前記収容空間は真空となっている
ことを特徴とする高低温熱源発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を利用して高温熱源を発生させることが可能であり、且つ、放射冷却を利用して低温熱源を発生させることも可能な高低温熱源発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水を製造する際には、石油や天然ガスなどの化石燃料を燃焼させるか、あるいは電気ヒータに通電するなど、何らかの方法で高温の熱源(以下、高温熱源)を発生させて水を加熱することが一般的である。その一方で、今日では地球環境に対する意識の高まりから、太陽光で熱媒を加熱することによって高温熱源を発生させ、あるいは太陽光で水を直接加熱する太陽熱温水器が注目されるようになってきた。
【0003】
また、冷水を製造する際には、電動モータまたは内燃機関を用いて冷凍機を動作させることによって低温の熱源(以下、低温熱源)を発生させて、低温熱源を用いて水を冷却することが一般的である。その一方で、放射冷却で冷媒を冷却することによって低温熱源を発生させたり、あるいは水を直接冷却したりすることが可能なスカイラジエータと呼ばれる装置も知られている。
【0004】
もっとも、高温熱源と低温熱源とを発生させようとすると、高温熱源を発生させるための太陽熱温水器と、低温熱源を発生させるためのスカイラジエータとが必要となり、これらを設置するための広いスペースが必要となる。そこで、太陽熱温水器とスカイラジエータとを架台に搭載してシーソー状態で回動できるようにしておき、太陽熱温水器またはスカイラジエータの一方を使用中は他方を収納状態としておくことで、広いスペースが無くても、高温熱源と低温熱源とを発生させることが可能な装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した提案されている装置では、太陽熱温水器とスカイラジエータとを架台に搭載する必要があるので装置が大型になり、加えて、太陽熱温水器またはスカイラジエータの一方の使用中は他方が収納された状態となっている。このため、高温熱源を発生させている間は低温熱源を発生させることができず、低温熱源を発生させている間は高温熱源を発生させることができないという問題があった。
【0007】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、小型でありながら、太陽光を利用して高温熱源を発生させつつ、同時に放射冷却を利用して低温熱源も発生させることが可能な高低熱源発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の高低熱源発生装置は次の構成を採用した。すなわち、
太陽光を利用して熱媒を加熱することで高温熱源を発生させ、放射冷却を利用して冷媒を冷却することで低温熱源を発生させる高低温熱源発生装置において、
前記熱媒が内部を通過する中空の集熱管と、
前記集熱管の一端から流出した前記熱媒を前記集熱管の他端に還流させる熱媒還流通路と、
前記集熱管に向けて可視光を反射する反射板と、
前記冷媒が内部を通過する中空の放熱管と、
前記放熱管の一端から流出した前記冷媒を前記放熱管の他端に還流させる冷媒還流通路と
を備え、
前記放熱管は、前記反射板の裏面に接触した状態で配設されており、
前記集熱管は、可視光を透過または吸収し、赤外線は反射する赤外線反射膜によって周囲が囲われている
ことを特徴とする。
【0009】
かかる本発明の高低熱源発生装置においては、反射板を用いて可視光を集熱管に向けて反射することが可能となっており、集熱管の内部には熱媒が通過するようになっている。また、反射板の裏面に接触させた状態で放熱管が配設されており、放熱管の内部には冷媒が通過するようになっている。そして、集熱管は、可視光を透過または吸収するが、赤外線は反射する赤外線反射膜によって周囲が囲われている。
【0010】
こうすれば、赤外線反射膜が可視光を透過する場合は、反射板で集熱管に向かって反射した可視光が、集熱管の周囲に形成された赤外線反射膜を透過するため、集熱管の内部の熱媒を加熱することができる。また、赤外線反射膜が可視光を吸収する場合は、反射板で反射した可視光は、集熱管の周囲に形成された赤外線反射膜に吸収されて赤外線反射膜の温度が上昇するため、集熱管の内部の熱媒を加熱することができる。更に、加熱されて温度が上昇した熱媒は赤外線を放出するが、集熱管の周囲には赤外線反射膜が形成されているため、赤外線は赤外線反射膜で反射されて再び熱媒を加熱するので、熱媒を効率よく加熱することができる。加えて、反射板は可視光を反射するだけでなく、放射冷却と呼ばれる現象によって、反射板の表面温度に応じた波長および強度の赤外線を放出しており、これに伴って反射板の温度は低下する。そして、反射板の裏面には、内部を冷媒が通過する放熱管が反射板の裏面に接触した状態で配設されているため、反射板の温度が低下すると、放熱管の内部を通過する冷媒の温度も低下する。その結果、可視光を利用して集熱管の内部の熱媒を加熱することによって高温熱源を発生させつつ、同時に、反射板の放射冷却を利用して放熱管の内部の冷媒を冷却することによって低温熱源を発生させることが可能となる。また、集熱管の周囲を赤外線反射膜で囲うと共に、反射板の裏面に放熱管を配設すれば良いので、一般的な太陽熱温水器と同程度に装置を小型化することが可能となる。
【0011】
また、上述した本発明の高低熱源発生装置においては、可視光を透過する材料で形成された中空の外管の内側に集熱管を収容して、集熱管と外管との間の隙間に真空断熱層を形成すると共に、外管の外周面または内周面には可視光を透過する赤外線反射膜を形成してもよい。
【0012】
こうすれば、集熱管および熱媒の温度が上昇しても、集熱管の外側に真空断熱層が形成されているため、伝熱によって熱が逃げることを防止することができる。また、外管および真空断熱層は可視光を透過するので、集熱管および熱媒の加熱が妨げられることもない。更に、外管の外周面または内周面に、可視光を透過する赤外線反射膜を形成してやれば、集熱管の周囲を赤外線反射膜で簡単に囲うことが可能になると共に、集熱管および熱媒の加熱が赤外線反射膜によって妨げられることもない。
【0013】
また、上述の本発明の高低熱源発生装置においては、反射板の反射面には、可視光を反射または透過し、赤外線は他の波長の光よりも高い効率で放射する赤外線放射膜を形成してもよい。
【0014】
こうすれば、反射板の反射面から積極的に赤外線を放射することができるので、放射冷却によって反射板を冷却することができる。そして、反射板の裏面には放熱管が配設されているので、放熱管の内部の冷媒もより一層冷却することが可能となる。
【0015】
また、上述の本発明の高低熱源発生装置においては、集熱管および反射板を以下のような状態で収容空間内に収容しても良い。長尺で上面が開放された形状の断熱容器を用意しておき、断熱容器の上面に保護カバーを取り付けることによって、断熱容器と保護カバーとの間に収容空間を形成する。また、保護カバーは、断熱性を有すると共に可視光および赤外光を透過する材料で形成する。そして、収容空間内に集熱管を収容すると共に、反射板の反射面が集熱管および保護カバーに面する状態で、反射板を収容空間内に収容してもよい。
【0016】
こうすれば、放射冷却で反射板を冷却しても、初めのうちは反射板が収容空間内に存在する空気から熱を奪って暖められてしまうが、収容空間は小さくしかも断熱されているので、比較的短時間で収容空間内の空気が冷却される。このため、それ以降は冷媒を冷却することが可能となる。
【0017】
また、上述の本発明の高低熱源発生装置においては、収容空間を真空としてもよい。
【0018】
こうすれば、放射冷却で冷却された反射板が、収容空間内に存在する空気で暖められることがないので、速やかに冷媒を冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施例の高低熱源発生装置1の外観形状を示した斜視図である。
【
図2】本実施例の高低熱源発生装置1の大まかな構造を示した説明図である。
【
図3】集熱冷却ユニット10の断面を取ることによって本体部11の内部構造を示した説明図である。
【
図4】反射板23の裏面側に放熱管25が配設されている状態を示した説明図である。
【
図5】本実施例の熱媒加熱部20の外管21の外周面に形成された赤外線反射膜30と、反射板23の表面に形成された赤外線放射膜31とを示す説明図である。
【
図6】本実施例の集熱冷却ユニット10が太陽光を利用して熱媒を加熱するメカニズムを示した説明図である。
【
図7】黒体放射によって放射される電磁波の波長と物体の温度との関係を示した説明図である。
【
図8】反射板23からの放射冷却によって放熱管25内の冷媒が冷却されるメカニズムを示した説明図である。
【
図9】第1変形例の集熱冷却ユニット10の構造を示す断面図である。
【
図10】第2変形例の集熱冷却ユニット10の構造を示す断面図である。
【
図11】第3変形例の集熱冷却ユニット10の構造を示す断面図である。
【
図12】第4変形例の集熱冷却ユニット10の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施例の高低熱源発生装置1の外観形状を示した斜視図である。図示されるように、本実施例の高低熱源発生装置1は、矩形形状の集熱冷却パネル2の上端に円柱形状の熱媒タンク3が接続され、集熱冷却パネル2の下端に円筒形状の冷媒タンク4が接続された形状となっており、全体が斜めに傾いた状態で枠体5の上に搭載されている。熱媒タンク3の中には、水やシリコーン油などの液体の熱媒が収納されており、冷媒タンク4の中には、水や不凍液などの液体の冷媒が収納されている。
【0021】
集熱冷却パネル2は、複数本の細長い矩形形状の集熱冷却ユニット10が並列に配列された構造となっている。
図1に示した例では、9つの集熱冷却ユニット10が配列されているが、より多数の集熱冷却ユニット10を配列しても良いし、より少数の集熱冷却ユニット10を配列しても良い。尚、9つの集熱冷却ユニット10を区別する必要がある場合は、集熱冷却ユニット10a~10iと表記する。
【0022】
図2は、集熱冷却ユニット10の大まかな形状と、複数の集熱冷却ユニット10が熱媒タンク3および冷媒タンク4に接続される状態とを示した説明図である。
図1を用いて前述したように、本実施例では9つの集熱冷却ユニット10が並列に配列されているが、図示が煩雑となることを避けるため、
図2では一部の集熱冷却ユニット10(左端に配列された2つの集熱冷却ユニット10a,10b、および右端に配列された2つの集熱冷却ユニット10h,10iの4つの集熱冷却ユニット10)についてのみ図示することとして、その他の5つの集熱冷却ユニット10c~10gについては図示が省略されている。
【0023】
図2に示すように、集熱冷却ユニット10は、断面が矩形形状で細長い直方体形状の本体部11の両端に、本体部11と同じ断面形状を有する短い冷媒流出ブロック12および熱媒流出ブロック13が取り付けられた形状となっている。冷媒流出ブロック12の底面には熱媒が流入する熱媒流入ニップル12aが突設されており、冷媒流出ブロック12の端面には冷媒が流出する冷媒流出ニップル12bが突設されている。また、熱媒流出ブロック13の底面には冷媒が流入する冷媒流入ニップル13aが突設されており、熱媒流出ブロック13の端面には熱媒が流出する熱媒流出ニップル13bが突設されている。そして、熱媒流出ニップル13bは、熱媒還流通路14aを介して熱媒タンク3に接続されており、熱媒流入ニップル12aは、熱媒還流通路14bを介して熱媒タンク3に接続されている。その結果、集熱冷却ユニット10は、熱媒還流通路14aおよび熱媒還流通路14bを介して熱媒タンク3との間に循環回路を形成している。
【0024】
図2には、集熱冷却ユニット10が熱媒還流通路14aおよび熱媒還流通路14bを介して熱媒タンク3との間に循環回路を形成する様子が示されている。尚、
図2では、図示が煩雑となることを避けるため、集熱冷却ユニット10aおよび集熱冷却ユニット10bについてのみ表示しているが、他の集熱冷却ユニット10c~10iについても同様に、熱媒タンク3との間で循環回路を形成している。
図2に示されるように、熱媒流出ブロック13の熱媒流出ニップル13bは熱媒還流通路14aに接続されており、熱媒還流通路14aは、熱媒タンク3の上部に突設された熱媒流入口3aに接続されている。また、熱媒タンク3の下部には熱媒流出口3bが突設されており、熱媒流出口3bには熱媒還流通路14bが接続されている。そして、熱媒還流通路14bは、冷媒流出ブロック12から突設された熱媒流入ニップル12aに接続されている。
【0025】
また、詳細には後述するが、熱媒流入ニップル12aと熱媒流出ニップル13bとは本体部11の内部で連通している。このため、熱媒タンク3内で温度が低下した熱媒は、熱媒タンク3の下部の熱媒流出口3bから流出して、熱媒還流通路14bを通って熱媒流入ニップル12aから集熱冷却ユニット10の本体部11内に流入する。そして、本体部11で加熱された後、熱媒流出ニップル13bから流出して熱媒還流通路14aを経由して、熱媒タンク3の上部の熱媒流入口3aから熱媒タンク3に流入する。集熱冷却ユニット10の本体部11で熱媒が加熱されるメカニズムについては後述する。
【0026】
以上では、熱媒タンク3内の熱媒が熱媒還流通路14aおよび熱媒還流通路14bを介して集熱冷却ユニット10との間で循環する経路について説明した。これに対して、冷媒タンク4内の冷媒は次のような経路で集熱冷却ユニット10との間で循環する。
図2には、冷媒タンク4内の冷媒が集熱冷却ユニット10h,10iとの間で循環する経路が示されている。尚、
図2では、図示が煩雑となることを避けるため、集熱冷却ユニット10hおよび集熱冷却ユニット10iについてのみ表示しているが、他の集熱冷却ユニット10a~10gについても同様に、冷媒タンク4との間で循環回路を形成している。
【0027】
図2に示されるように、冷媒流出ブロック12の冷媒流出ニップル12bは冷媒還流通路15aに接続されており、冷媒還流通路15aは、冷媒タンク4の下部に突設された冷媒流入口4aに接続されている。また、冷媒タンク4の上部には冷媒流出口4bが突設されており、冷媒流出口4bには冷媒還流通路15bが接続されている。そして、冷媒還流通路15bは、熱媒流出ブロック13から突設された冷媒流入ニップル13aに接続されている。
【0028】
また、詳細には後述するが、冷媒流入ニップル13aと冷媒流出ニップル12bとは本体部11の内部で連通している。このため、冷媒タンク4内で温度が上昇した冷媒は、冷媒タンク4の上部の冷媒流出口4bから流出して、冷媒還流通路15bを通って冷媒流入ニップル13aから集熱冷却ユニット10の本体部11内に流入する。そして、本体部11で冷却された後、冷媒流出ニップル12bから流出して冷媒還流通路15aを経由して、冷媒タンク4の下部の冷媒流入口4aから冷媒タンク4に流入する。集熱冷却ユニット10の本体部11で冷媒が冷却されるメカニズムについては後述する。
【0029】
このように、本実施例の高低熱源発生装置1では、熱媒タンク3には集熱冷却ユニット10で加熱された熱媒が常に溜められるようになっており、冷媒タンク4には集熱冷却ユニット10で冷却された冷媒が常に溜められるようになっている。このため、必要に応じていつでも、高温熱源あるいは低温熱源を利用することが可能となる。例えば、冷媒タンク4に溜められた冷媒と熱交換することによって部屋の冷房を行いながら、熱媒タンク3に溜められた熱媒と熱交換することによって給湯したり、風呂に湯張りしたりすることが可能となる。
【0030】
図3は、集熱冷却ユニット10の断面を取ることによって本体部11の内部構造を示した説明図である。集熱冷却ユニット10の本体部11は、上面が開放したコの字型の断面形状で長尺の本体ケース16と、本体ケース16内に嵌め込まれた反射板23と、反射板23の上方の位置で本体ケース16内に収容された熱媒加熱部20と、本体ケース16の上面に嵌め込まれる保護カバー17とを備えている。
【0031】
本体ケース16は、硬質樹脂などのように剛性および断熱性の高い材料で形成されている。尚、本実施例の本体ケース16は、本発明における「断熱容器」に対応する。反射板23は熱伝導性が良く、金属光沢を有する金属板によって形成されている。熱媒加熱部20は、中空の外管21の内部に、中空の内管22が収納された二重管構造となっている。外管21は可視光および赤外線を透過して剛性の高い材料で形成されており、内管22は、可視光および赤外線を吸収して剛性の高い材料で形成されている。また、外管21と内管22との間には真空の断熱層20aが形成されている。そして、内管22の一端側は熱媒流入ニップル12a(
図2参照)に接続されており、内管22の他端側は熱媒流出ニップル13b(
図2参照)に接続されている。尚、本実施例では、内管22が、本発明における「集熱管」に対応する。
【0032】
保護カバー17は、可視光および赤外線を透過して、剛性および断熱性の高い材料で形成されており、保護カバー17を本体ケース16の上面に取り付けると、ゴム製のシール部材24を介して反射板23を本体ケース16に押さえ付けて固定するようになっている。また、反射板23の裏側には、熱伝導性の良い金属製の放熱管25が反射板23の裏面に接触させた状態で取り付けられている。尚、本体ケース16と反射板23との間の空間25aや、反射板23と保護カバー17との間の空間25bは、真空とすることが望ましい。この場合、放熱管25と本体ケース16とは接触しないようにしておくことが望ましい。尚、本実施例の空間25aおよび空間25bは、本発明における「収容空間」に対応する。
【0033】
図4は、集熱冷却ユニット10の本体部11を上面側(
図3中で矢印Pで示す方向)から見ることによって、反射板23の裏面側に放熱管25が配設されている状態を示した説明図である。図示されるように、放熱管25は反射板23の裏面に沿って蛇行した状態で配設されている。そして、放熱管25の一端側は冷媒流入ニップル13a(
図2参照)に接続されており、放熱管25の他端側は冷媒流出ニップル12bに接続されている。また、本実施例の集熱冷却ユニット10では、熱媒加熱部20の外管21の外周面と反射板23の表面とに、それぞれ特殊な膜が形成されている。
【0034】
図5は、本実施例の熱媒加熱部20の外管21の外周面に赤外線反射膜30という特殊な膜が形成され、反射板23の表面には赤外線放射膜31という特殊な膜が形成された状態を示す説明図である。ここで、赤外線反射膜30は、可視光は透過するが赤外線は反射する性質を有している。赤外線反射膜30としては、光の波長に相当する薄さの光学膜を積層することによって、光の干渉を利用して目的とする波長の光を選択的に透過したり吸収したりすることが可能な波長選択性を有する光学膜や光学フィルムを用いることができる。また、赤外線放射膜31は、可視光を反射または透過し、赤外線を他の波長の光よりも高い効率で放射する性質を有している。赤外線放射膜31としても、光の波長に相当する薄さの光学膜を積層した光学膜や光学フィルムを用いることができる。
【0035】
このように、熱媒加熱部20の外管21の外周面に赤外線反射膜30を形成し、反射板23の表面に赤外線放射膜31を形成しておけば、以下のようなメカニズムによって、熱媒加熱部20の内管22内を通過する熱媒を、太陽光を利用して効率よく加熱しつつ、放熱管25内を通過する冷媒を、放射冷却を利用して効率よく冷却することが可能となる。
【0036】
図6は、本実施例の集熱冷却ユニット10が太陽光を利用して熱媒を加熱するメカニズムを示した説明図である。
図6中に示した一点鎖線の矢印は集熱冷却ユニット10に入射する太陽光を表している。後述するように、太陽光は大部分の成分が可視光で構成されている。そして、反射板23は、金属光沢を有する金属板によって形成されている。このため、集熱冷却ユニット10に入射した太陽光は反射板23で反射して、熱媒加熱部20に集光される。尚、
図5に示したように、反射板23の表側には赤外線放射膜31が形成されているが、赤外線放射膜31は可視光を反射または透過する性質を有しているため、赤外線放射膜31によって太陽光の反射が妨げられることはない。
【0037】
図3を用いて前述したように、熱媒加熱部20は、可視光を透過する材質で形成された外管21と、可視光を吸収する材質で形成された内管22とによって形成されている。このため、反射板23で反射された太陽光は外管21を透過して内管22を加熱し、その結果、内管22内の熱媒が加熱されることになる。尚、太陽光を用いて内管22を効率よく加熱するために、内管22の外周面を黒く塗装しておいても良い。
【0038】
また、内管22と外管21との間には断熱層20aが形成されている。このため、内管22(および内管22の内部の熱媒)の温度が上昇しても、内管22の熱は伝熱によって周囲に逃げて行くことはなく、もっぱら熱の輻射、すなわち赤外線を放射することによって周囲に熱を放出する。しかし、外管21は赤外線も透過する材料で形成されており、外管21の外周面には赤外線を反射する赤外線反射膜30が形成されている。このため、内管22から放射された赤外線は赤外線反射膜30で反射して、内管22で吸収される。
図6中に示した破線の矢印は、内管22から放射された赤外線が赤外線反射膜30で反射する様子を表している。
【0039】
このように、本実施例の集熱冷却ユニット10は、熱媒加熱部20の外管21の外周面に赤外線反射膜30が形成されており、この赤外線反射膜30は、可視光は透過するが赤外線は反射する性質を有している。そして、赤外線反射膜30の外側からはもっぱら可視光の形態でエネルギーが流入し、赤外線反射膜30の内側からはもっぱら赤外線の形態でエネルギーが流出しようとするが反射されてしまう。このため、赤外線反射膜30の外側から内側に向かって一方的にエネルギーが流入することになる。その結果、熱媒加熱部20の内管22の熱媒を効率よく加熱することが可能となる。
【0040】
ここで、赤外線反射膜30の外側(すなわち、熱媒加熱部20の外側)から供給されるエネルギーはもっぱら可視光の形態を取り、赤外線反射膜30の内側(すなわち、熱媒加熱部20の内管22の側)から供給されるエネルギーはもっぱら赤外線の形態を取る理由は、黒体放射と呼ばれる現象によるものである。黒体放射とは、大まかにいうと、物体の表面からは物体の温度に応じた波長の電磁波が放射されるという現象である。放射する電磁波は連続した波長を有しており、長波長側では電波の強度は小さいが、波長が短くなるほど強度が大きくなり、物体の温度で決まる波長に達すると急激に強度が小さくなるような強度分布となっている。そして、物体の温度が高くなるほど、最大強度が大きくなると共に、最大強度の波長が短波長になる。
【0041】
図7には、黒体放射によって放射される電磁波の波長と物体の温度との関係が概念的に示されている。図中に示した太線は、物体の温度が、太陽の表面温度と呼ばれる6000K(ケルビン)の場合を表している。図示されるように、表面温度が6000Kの物体は、可視光よりも長波長の電磁波を放出しており、電磁波の強度は可視光が最も大きくなる。加えて、
図7では強度が対数で表示されていることから、太陽から放射される電磁波は、ほとんどが可視光の電磁波であって、赤外線よりも長波長の電磁波は僅かに含まれているに過ぎないことが分かる。また、
図7中には、表面温度が500Kの物体の場合も表示されているが、表面温度が500Kの物体から放出される電磁波は赤外線が大部分となる。以上の理由から、太陽から放射される電磁波(太陽光)はほとんどが可視光と考えて良く、また、内管22から放射される電磁波はほとんどが赤外線と考えて良い。
【0042】
また、反射板23についても、反射板23の表面温度は高々室温程度と考えて良いから、反射板23から黒体放射によって放射される電磁波はほとんどが赤外線と考えて良い。そして、反射板23の表面に形成された赤外線放射膜31は、赤外線を他の波長の光よりも高い効率で放射する性質を有している。もちろん、黒体放射によって決まる強度以上の赤外線を放射することはできないから、「赤外線を高い効率で放射する」とは、黒体放射によって決まる強度に近い強度で赤外線を放射するという意味である。尚、黒体放射によって決まる強度に対する電磁波の放射強度の比率は「分光放射率」と呼ばれる。従って、赤外線放射膜31は、赤外線領域での分光放射率が、他の波長での分光放射率よりも大きな光学膜と言い換えることができる。そして、反射板23は太陽光を反射すると共に、黒体放射によって大気に向かって赤外線も放出するので、時間と共に温度が低下していく。尚、黒体放射によって大気に向かった赤外線を放出することにより、温度が低下していく現象は「放射冷却」と呼ばれている。
【0043】
図8は、反射板23からの放射冷却によって放熱管25内の冷媒が冷却されるメカニズムを示した説明図である。図中に示した二点鎖線の矢印は、反射板23が放出する赤外線を概念的に表している。そして、反射板23の裏面には放熱管25が接触しており、反射板23および放熱管25は熱伝導性の良い金属材料で形成されているため、反射板23の温度が低下していくと、放熱管25内の冷媒の温度も低下していく。また、反射板23の表面には赤外線放射膜31が形成されており、赤外線放射膜31は赤外線の放出を促進するため、冷媒の温度を速やかに低下させることができる。
【0044】
もちろん、反射板23と本体ケース16との間の空間25a(
図3参照)や、反射板23と保護カバー17との間の空間25b(
図3参照)を真空としない限り、これらの空間25a,25bには空気が存在しており、反射板23の温度が下がっても空気からの熱伝達によって暖められるが、やがては空気の温度も下がるので、反射板23および放熱管25の温度が低下していき、放熱管25内の冷媒の温度も低下していく。また、反射板23と本体ケース16との間の空間25a(
図3参照)や、反射板23と保護カバー17との間の空間25b(
図3参照)を真空としておけば、反射板23が空気で暖められることがないので、より速やかに冷媒の温度を低下させることが可能となる。
【0045】
以上に説明したように、本実施例の高低熱源発生装置1では、集熱冷却ユニット10の保護カバー17を太陽の方向を向くように設置しておくだけで、熱媒加熱部20の内管22内の熱媒を加熱すると同時に、放熱管25内の冷媒を冷却することができる。そして、内管22内で加熱された熱媒は、自然対流によって内管22の内部を上昇して、熱媒タンク3の上部に形成された熱媒流入口3aから熱媒タンク3内に流入する。それと同時に、熱媒タンク3の下部に形成された熱媒流出口3bからは、熱媒タンク3内で温度が低下した熱媒が流出して集熱冷却ユニット10に還流し、熱媒加熱部20の内管22内に供給される。そして、熱媒加熱部20で加熱された後、熱媒タンク3に還流する。この結果、熱媒タンク3には加熱された熱媒が常に蓄えられた状態となっている。このため、この熱媒を高温熱源として利用することで、給湯や暖房などを行うことが可能となる。
【0046】
一方、反射板23で冷却された冷媒は、自然対流によって放熱管25内を下降して、冷媒タンク4の下部に形成された冷媒流入口4aから冷媒タンク4内に流入する。それと同時に冷媒タンク4の上部に形成された冷媒流出口4bからは、冷媒タンク4内で温度が上昇した冷媒が流出して集熱冷却ユニット10に還流し、放熱管25に供給される。そして、放熱管25で冷却された後、冷媒タンク4に還流する。その結果、冷媒タンク4には冷却された冷媒が常に蓄えられた状態となっている。このため、この冷媒を低温熱源として利用することで、冷蔵や冷房などを行うことが可能となる。
【0047】
上述した本実施例の高低熱源発生装置1には幾つかの変形例を考えることができる。以下では、これらの変形例について、本実施例との相違点を中心として簡単に説明する。
【0048】
例えば、上述した本実施例では、熱媒加熱部20の外管21の外周面に赤外線反射膜30を形成するものとして説明した。しかし、外管21の内周面に赤外線反射膜30を形成しても良い。
図9には、外管21の内周面に赤外線反射膜30を形成した第1変形例の集熱冷却ユニット10が示されている。
図9でも、反射板23で反射して熱媒加熱部20に集光される可視光を一点鎖線の矢印で表しており、内管22の表面から放射される赤外線を破線の矢印で表している。図示されるように、第1変形例の集熱冷却ユニット10では、反射板23で反射された可視光は外管21および赤外線反射膜30を透過して内管22を加熱する。また、内管22から放射された赤外線は、外管21の内周面の赤外線反射膜30で反射する。従って、前述した本実施例の外管21は、可視光および赤外線を透過する材料で形成する必要があったが、第1変形例の外管21は可視光を透過すればよく、必ずしも赤外線は透過しなくても構わない。
【0049】
尚、赤外線反射膜30を形成する位置は、内管22の外周面または内周面よりも、外管21の外周面または内周面の方が好ましい。この理由は、内管22の外周面または内周面に赤外線反射膜30を形成した場合、内管22が加熱されて温度が上昇すると、赤外線反射膜30の温度も上昇するため、赤外線反射膜30自身が赤外線を放射することになり、赤外線反射膜30で熱を閉じ込めておく効率が低下するためである。
【0050】
また、上述した本実施例および第1変形例では、熱媒加熱部20の内管22は、可視光および赤外線を吸収する材料で形成されているものとして説明した。しかし、可視光を吸収する熱媒を用いれば、可視光および赤外線を透過する材料を用いて内管22を形成しても良い。
図10には、可視光を吸収する熱媒を用いることによって、可視光および赤外線を透過する材料を用いて内管22を形成した第2変形例の集熱冷却ユニット10が示されている。可視光を吸収する熱媒としては、通常の熱媒に炭素粉末を混ぜるなどして黒い色を付けた熱媒などを用いることができる。また、
図10でも、反射板23で反射して熱媒加熱部20に集光される可視光を一点鎖線の矢印で表しており、内管22の表面から放射される赤外線を破線の矢印で表している。
【0051】
図示されるように、第2変形例の集熱冷却ユニット10では、反射板23で反射された可視光は外管21および内管22を透過して、内管22内の熱媒を加熱する。また、内管22の内部の熱媒から放射された赤外線は、内管22および外管21を透過して、外管21の外周面に形成された赤外線反射膜30で反射する。従って、第2変形例では、外管21と同様に可視光を透過する材料(赤外線は透過しない材料でも良い)を用いて内管22を形成することができる。
【0052】
また、上述した本実施例または各種の変形例では、赤外線反射膜30は、可視光は透過して赤外線は反射する性質を有するものとして説明した。しかし、可視光については透過するのではなく吸収する赤外線反射膜32を用いても良い。
図11には、可視光を吸収し赤外線を反射する赤外線反射膜32を用いた第3変形例の集熱冷却ユニット10の断面図が示されている。図示した第3変形例の集熱冷却ユニット10は、
図6を用いて前述した本実施例の集熱冷却ユニット10に対して、赤外線反射膜30の代わりに赤外線反射膜32が用いられている点と、本実施例では赤外線反射膜30が外管21の外周面に形成されていたのに対して、第3変形例では赤外線反射膜32が内管22の外周面に形成されている点とが異なっている。しかし、その他の点については、第3変形例の集熱冷却ユニット10は、前述した本実施例の集熱冷却ユニット10と同様である。尚、
図11では、赤外線反射膜32が内管22の外周面に形成されているものとしているが、内管22の内周面に赤外線反射膜32を形成しても良い。
【0053】
このような第3変形例の集熱冷却ユニット10でも、反射板23で反射した可視光は外管21を透過して赤外線反射膜32で吸収されるため、内管22を加熱して熱媒を加熱することができる。その一方で、熱媒から放出される赤外線は赤外線反射膜32で反射することができるので、熱媒の温度が低下する事態を抑制することが可能となる。
【0054】
また、上述した本実施例および各種の変形例では、外管21および内管22が二重管を形成しており、その内管22の内部を熱媒が通過するものとして説明した。しかし、可視光を吸収する赤外線反射膜32を用いる場合は、必ずしも外管21は必要ではなく、一重管として使用した内管22の内部に熱媒を通過させてもよい。あるいは、可視光を吸収する赤外線反射膜32を用いる代わりに、可視光を吸収する内管22や熱媒を用いることによっても、内管22を一重管として使用することができる。
図12には、内管22を一重管で用いる第4変形例の集熱冷却ユニット10の断面図が示されている。図示した第4変形例の集熱冷却ユニット10は、
図11を用いて前述した第3変形例の集熱冷却ユニット10に対して、外管21を除いた構造となっているが、その他の点については同様である。尚、
図12では、赤外線反射膜32が内管22の外周面に形成されているものとしているが、内管22の内周面に赤外線反射膜32を形成しても良い。
【0055】
また、
図12では、内管22の外周面(あるいは内周面)には、可視光を吸収する赤外線反射膜32が形成されているものとしているが、可視光を透過する赤外線反射膜30を用いることもできる。すなわち、内管22の材質を、可視光を吸収する材質で形成するか、若しくは、熱媒として可視光を吸収する熱媒を用いておけば、内管22の外周面(あるいは内周面)には、可視光を透過する赤外線反射膜30を形成することができる。
【0056】
このような第4変形例の集熱冷却ユニット10でも、反射板23で反射した可視光は赤外線反射膜32で吸収されて内管22を加熱するので、熱媒を加熱することができる。あるいは、可視光を透過する赤外線反射膜30を用いた場合は、内管22を介して間接的に、あるいは直接に熱媒を加熱することができる。その一方で、熱媒から放出される赤外線は、赤外線反射膜32(あるいは赤外線反射膜30)で反射することができるので、熱媒の温度が低下する事態を抑制することが可能となる。
【0057】
以上、本実施例および各種変形例の高低熱源発生装置1について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…高低熱源発生装置、 2…集熱冷却パネル、 3…熱媒タンク、
3a…熱媒流入口、 3b…熱媒流出口、 4…冷媒タンク、
4a…冷媒流入口、 4b…冷媒流出口、 5…枠体、
10…集熱冷却ユニット、 11…本体部、 12…冷媒流出ブロック、
12a…熱媒流入ニップル、 12b…冷媒流出ニップル、
13…熱媒流出ブロック、 13a…冷媒流入ニップル、
13b…熱媒流出ニップル、 14a,b…熱媒還流通路、
15a,b…冷媒還流通路、 16…本体ケース(断熱容器)、
17…保護カバー、 20…熱媒加熱部、 20a…断熱層、
21…外管、 22…内管(集熱管)、 23…反射板、
24…シール部材、 25…放熱管、 25a,b…空間(収容空間)、
30…赤外線反射膜、 31…赤外線放射膜、 32…赤外線放射膜。