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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172613
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20231129BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20231129BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A61F13/56 210
A61F13/493
A61F13/62 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084546
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田代 和泉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英聡
(72)【発明者】
【氏名】黒原 健志
(72)【発明者】
【氏名】木村 笙子
(72)【発明者】
【氏名】丹下 雄貴
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200CA06
3B200DE01
3B200DE11
(57)【要約】
【課題】テープ状部材の貼り付けを適正化する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、前身頃あるいは後身頃の幅方向の両端から幅方向に延在し、肌面側に突設されたフックを有するテープ状部材と、所定の繊維長未満の繊維を素材とする不織布を含み、テープ状部材が設けられていない前身頃あるいは後身頃の非肌面側に位置するシート状部材と、シート状部材に重なるように非肌面側の最外層に設けられ、フックが引っ掛かることが可能な貼り付け部と、を備え、貼り付け部の色は、透明、半透明、若しくはシート状部材の色と同系色であり、貼り付け部の縁の少なくとも一部にシート状部材の色と異なる所定の色が付される、吸収性物品である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃あるいは後身頃の幅方向の両端から幅方向に延在し、肌面側に突設されたフックを有するテープ状部材と、
所定の繊維長未満の繊維を素材とする不織布を含み、前記テープ状部材が設けられていない前身頃あるいは後身頃の非肌面側に位置するシート状部材と、
前記シート状部材に重なるように非肌面側の最外層に設けられ、前記フックが引っ掛かることが可能な貼り付け部と、
を備え、
前記貼り付け部の色は、透明、半透明、若しくは前記シート状部材の色と同系色であり、
前記貼り付け部の縁の少なくとも一部に前記シート状部材の色と異なる所定の色が付される、
吸収性物品。
【請求項2】
前記所定の色は、前記貼り付け部に表示される媒体の色と異なる、
請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記所定の色は、前記吸収性物品の製造時に利用され、前記吸収性物品の外装面に付されるマークの色と同系色である、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記所定の色が付される部分の幅は、5mm以上である、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記所定の色が付される部分の幅は、前記テープ状部材の前記フックが配置される領域の該幅方向の寸法の33%以上である、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
ユーザから排泄された排泄物を吸収可能な吸収体を更に備え、
前記吸収体における長手方向の端部に、前記縁が重なる、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項7】
ユーザから排泄された排泄物を吸収可能な吸収体と、
前記吸収体の肌面側に配置された肌面側シートと、
前記吸収体の非肌面側に配置されたカバーシートと、
を備え、
前記肌面側シートおよび前記カバーシートは、前記前身頃と前記後身頃とを結ぶ長手方向において前記吸収体よりも長く延在し、且つ、前記吸収体の前記長手方向端部において非肌面側に段差が形成されるように前記吸収体の非肌面側よりも肌面側で互いに接合されており、
前記貼り付け部は、その配置領域が前記段差と重畳するように配置されており、前記段差は、前記貼り付け部の前記長手方向端部よりも前記長手方向内側に形成されている、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記段差は、前記貼り付け部の、前記所定の色が付された縁の内側に設けられている、
請求項7に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記テープ状部材は半透明であって、前記所定の色と補色または補色に近い関係にある色彩が付されている、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記テープ状部材の色彩は水色であり、前記所定の色は、黄色である、
請求項9に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載されるおむつは、後身頃で幅方向に延在し、肌面側にフック材を有する止着テープが設けられている。そして、前身頃のカバーシートの表面(非肌面側)にループ材を有するフロントパッチが設けられている。そして、フック材がループ材に引っ掛けられることで止着テープがフロントパッチに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-175885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、テープ状部材の貼り付けを適正化する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る吸収性物品は、前身頃あるいは後身頃の幅方向の両端から幅方向に延在し、肌面側に突設されたフックを有するテープ状部材と、所定の繊維長未満の繊維を素材とする不織布を含み、前記テープ状部材が設けられていない前身頃あるいは後身頃の非肌面側に位置するシート状部材と、前記シート状部材に重なるように非肌面側の最外層に設けられ、前記フックが引っ掛かることが可能な貼り付け部と、を備え、前記貼り付け部の色は、透明、半透明、若しくは前記シート状部材の色と同系色であり、前記貼り付け部の縁の少なくとも一部に前記シート状部材の色と異なる所定の色が付される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、テープ状部材の貼り付けを適正化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るおむつの斜視図である。
図2図2は、フロントパッチの部分拡大図の一例である。
図3図3は、テープの部分拡大図の一例である。
図4図4は、テープがフロントパッチに貼り付けられた場合の概要を例示する。
図5図5は、部材Aがフロントパッチに貼り付けられた状態のパターンを例示する。
図6図6は、剥離試験において測定された引張力の最大値の試験結果の一例である。
図7図7は、第1変形例に係るフロントパッチの部分拡大図の一例である。
図8図8は、第2変形例に係るフロントパッチの部分拡大図の一例である。
図9図9は、第2変形例に係るフロントパッチが設けられたおむつの前身頃領域の断面図である。
図10図10は、第3変形例に係るテープがフロントパッチに貼り付けられた状態のパターンを例示した図である。
図11図11は、第4変形例に係るフロントパッチの部分拡大図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0009】
<実施形態>
本実施形態では、テープ型使い捨ておむつ(本願でいう「吸収性物品」の一例であり、以下、単に「おむつ」という)について、ユーザの腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、ユーザの股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつがユーザに装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、ユーザの肌に向かう側(装着された状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着された状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
【0010】
図1は、本実施形態に係るおむつの斜視図である。おむつ1は、装着状態においてユーザの陰部を覆う股下領域に対応する部位である股下領域1Bと、股下領域1Bの前側に位置し、ユーザの前身頃に対応する部位である前身頃領域1Fと、股下領域1Bの後ろ側に位置し、ユーザの後身頃に対応する部位である後身頃領域1Rとを有する。
【0011】
後身頃領域1Rの左右両側の縁には、テープ2L,2R(本開示の「テープ状部材」の一例)が設けられている。また、おむつ1の非肌面側の最外層にはカバーシート4(本開示の「シート状部材」の一例)が配置されている。そして、カバーシート4の前身頃領域1Fの中央部分には、テープ2L、2Rが貼り付け可能なフロントパッチ2F(本開示の「貼り付け部」の一例)が設けられている。
【0012】
おむつ1は、前身頃領域1Fがユーザの腹側に配置され、後身頃領域1Rがユーザの背側に配置された状態でテープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに貼着されると、ユーザの腹囲と大腿部を取り巻く状態でユーザの身体に固定される。おむつ1がこのような形態でユーザの身体に固定されるので、ユーザはおむつ1を着用した状態で立ち歩き可能である。
【0013】
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる、液体を吸収可能な吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1とユーザの肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、ユーザの大腿部を取り巻く部位に立体ギャザー3BL,3BRが設けられ、ユーザの腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。立体ギャザー3BL,3BRとウェストギャザー3Rは、糸ゴムの弾性力でユーザの肌に密着する。よって、ユーザの陰部から排出される液体は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
【0014】
吸収体の更に肌面側には、トップシートが配置されている。トップシートには、透水性の肌触りの良い不織布が用いられる。トップシートは、吸収体の位置ずれを防ぐと共に、ユーザの陰部から排出された液体を肌面側から吸収体に速やかに透過させてユーザの肌面が乾燥した状態に保つと共に、吸収体から肌面への液体の逆戻りを防ぐ。吸収体とカバーシート4との間には、バックシートが配置されている。バックシートは、一例としては非透水性のフィルムシートであり、吸収体に流入した液体がカバーシート4から染み出すのを防ぐ。バックシートは、防水透湿性を有していてもよい。バックシートが透湿性を有していれば、吸収体に流入した液体が含有する水分の一部をバックシート側に放出できるため、ユーザの快適性を長時間保つことができる。
【0015】
カバーシート4の素材に短繊維材料が使用されることが考えられる。このような場合、フロントパッチ2Fが透明あるいは半透明、もしくはフロントパッチ2Fがカバーシート4と同系色であると、フロントパッチ2Fからテープ2L,2Rをはみ出して貼り付けてしまう可能性がある。このような場合、テープ2L,2Rのフック材に短繊維が絡まる。よって、テープ2L,2Rをおむつ1に繰り返し貼り付けることが困難となる。
【0016】
本実施形態では、カバーシート4に短繊維材料が含まれる場合に、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fからはみ出してカバーシート4に貼り付けられることを抑制する技術を提供する。
【0017】
図2は、非肌側から見たフロントパッチ2F付近の部分拡大図の一例である。図2に示されるようにフロントパッチ2Fは、カバーシート4の幅方向に横たわるように設けられる。フロントパッチ2Fの形状は矩形状であり、その色は白色である。また、フロントパッチ2Fは、繊維長が50mm以上の繊維を素材とする不織布である。また、フロントパッチ2Fの縁5の全周には、例えば赤色(本開示の「所定の色」の一例)が付される。赤色が付された縁5の幅は例えば5mm以上である。なお、図2においては色の違いを表現するために、色の違いによって塗りつぶしパターンが変更されている。
【0018】
このようなフロントパッチ2Fが設けられているカバーシート4は、おむつ1の外装面を形成する。カバーシート4は、おむつ1の手触りの向上のために素材が短繊維(例えば繊維長が50mm未満)の不織布が使用される。また、カバーシート4は、例えば排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。カバーシート4は、単層構造に限らず、インナカバーシートおよびアウターカバーシートを有する多層構造であってもよい。また、カバーシート4は、フロントパッチ2Fと同様に白色である。
【0019】
なお、図2に示されるように、フロントパッチ2Fには、テープ2L,2Rが貼り付けられる場合に目標とされ得るマーク21(本開示の「媒体」の一例)が付されている。マーク21は、縁5の色と異なり例えば青色である。また、カバーシート4の幅方向の両端部には、レジマーク22(本開示の「マーク」の一例)が付されている。レジマーク22は、おむつ1の製造時に各種シートをおむつ1に貼り付ける際の位置合わせ等に使用される。レジマーク22の色は、縁5の色と同様に赤色である。
【0020】
図3は、テープ2L近傍の部分拡大図の一例である。図3に示されるように、テープ2Lは、おむつ1の後身頃の幅方向の一方の端部から幅方向において矩形状に延在する部分を有する。また、この矩形状の部分からさらに幅方向において延在する先端部25を有する。そして、先端部25の肌面側には、例えば幅が24mmのフック部23が設けられている。また、フック部23の図3でいう右辺の長さは例えば27mmであり、左辺の長さは例えば31mmである。なお、図3ではテープ2Lについて例示されているが、テープ2Rもテープ2Lと同様の構造である。
【0021】
図4は、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに貼り付けられた場合の概要を例示する。図4(A)は、フロントパッチ2Fの断面図の一例である。図4(B)は、フロントパッチ2Fを非肌側から見た場合の概要図である。
【0022】
図4(A)に示されるように、フック部23においては、フック72が肌面側に突出するように設けられる。また、フック72は、円柱状の凸部72aと、凸部72aの突出方向の端部から該突出方向と直交する方向に延在する延在部72bと、を有する。なお、該
突出方向と直交する方向の延在部72bの断面形状は略楕円形状である。また、延在部72bの断面積の大きさは、凸部72aの突出方向に進むにつれて大きくなる。つまり、凸部72aの突出方向と直交する方向に延在部72bが延在する長さは、該突出方向に進むにつれて長くなる。
【0023】
このようなフック72は、2.7×10個/m程度の密度でフック部23の表面に設けられる。また、凸部72aの半径は105μm程度である。また、凸部72aの突出方向の端部に位置する延在部72bが凸部72aに対して延在する長さは95μm程度である。なお、このようなフック72の貼り付け先となるフロントパッチ2Fを形成する不織布の繊維24の径は例えば12μm程度であり、該不織布の目付は例えば15g/m程度である。
【0024】
このようなフック部23がフロントパッチ2Fに押圧されると、フロントパッチ2Fを形成する不織布の繊維24により、延在部72bはフック部23の方向に押圧される。よって、延在部72bは一体形成されている凸部72aを固定端として弾性変形する。そして、繊維24は凸部72a同士の間の隙間に入り込む。その後、弾性変形した延在部72bが元の形状に復元することで、図4に示されるように繊維24が延在部72bとフック部23との間で保持される。その後、ユーザがテープ2Lの押圧を止めても繊維24が延在部72bとフック部23との間で保持される。このようなメカニズムによりテープ2L、2Rがフロントパッチ2Fに固定される(図4(B)参照)。つまり、フロントパッチ2Fは、テープ2L、2Rの貼り付けが可能な面ファスナーとして機能を発揮する。
【0025】
また、繊維24が延在部72bとフック部23との間で保持されている状態で、テープ2L、2Rをフロントパッチ2Fから剥離させる方向に力を作用させると、延在部72bが弾性変形することで繊維24が延在部72bとフック部23との間から外れる。ここで、繊維24は、繊維長が50mm以上の長繊維である。よって、繊維24がフック部23のフック72に絡まることは抑制される。よって、剥離されたテープ2L、2Rを再度フロントパッチ2Fに貼り付けることが可能となる。
【0026】
上記のようなフロントパッチ2Fによれば、縁5の全周に赤色が付されている。よって、縁5により囲まれた部分にテープ2L、2Rを貼り付けることが誘導される。しかしながら、テープ2L、2Rのフック部23の一部が縁5の外側にはみ出た状態でフロントパッチ2Fに貼り付けられることも考えられる。よって、はみ出た部分のフック部23にカバーシート4の短繊維が絡まることで、はみ出た部分が面ファスナーとして機能せず、その結果としてテープ2L、2Rをフロントパッチ2Fに繰り返し貼り付けた場合に固定強度が低下することが考えられる。そこで、次のように縁5の外側にフック部23がはみ出て貼り付けられたテープ2L、2Rをフロントパッチ2Fから剥離させる力を測定した。そして、どの程度テープ2L、2Rのフック部23とフロントパッチ2Fとが重なっていればおむつ1のユーザへの固定に問題がないか否かを確認した。
【0027】
[剥離試験]
図5は、おむつ1から分離されたテープ2R(以降部材Aとする)がフロントパッチ2Fに貼り付けられた状態のパターンを例示する。図5(A)は、フック部23の全域がフロントパッチ2Fに貼り付けられた場合を例示する。一方で、図5(B)および図5(C)は、フック部23の一部がフロントパッチ2Fからはみ出た状態でフロントパッチ2Fに貼り付けられたパターンを例示する。図5(B)は、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域がフック部23の領域に対して67%程度の場合を例示する。図5(C)は、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域がフック部23の領域に対して33%程度の場合を例示する。なお、図5(A)の重複領域は約7.0cm図5(B)の重複領域は約4.6cm図5(C)の重複領域は約2.3cmとなる。
【0028】
剥離試験では、まず図5(A)から図5(C)に示されるように部材Aがフロントパッチ2Fから段階的にはみ出た状態が生成される。そして、図5(A)から図5(C)の状態ごとにフロントパッチ2Fに対して直交する方向から部材Aの後端部を所定の把持部で把持し、所定速度(例えば300mm/min)で引っ張った。そして、所定の把持部に作用する当該引張力を部材Aがフロントパッチ2Fから剥離するまで測定した。また、このような試験を図5(A)から図5(C)の夫々の状態について4回繰り返した。
【0029】
図6は、剥離試験において測定された引張力の最大値の試験結果の一例である。図6に示されるように、図5(A)から図5(C)の状態において、部材Aを剥離させるために約0.6N以上の力が必要であることが分かった。ちなみに0.6Nの力は、はいはいができる乳児に日中12時間、夜間12時間おむつ1を履かせても部材Aがフロントパッチ2Fから剥がれていない力に相当する。よって、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域がフック部23の領域に対して33%程度以上(例えば図5(C)の状態以上の重複領域を有する場合)であれば、おむつ1のユーザへの装着性に問題ないことが確認された。
【0030】
[作用・効果]
フロントパッチ2Fの縁5に赤色が付されていない場合、フロントパッチ2Fとカバーシート4の色が同じ白色であるため、ユーザがフロントパッチ2Fからテープ2L、2Rのフック部23をはみ出て貼り付ける可能性がある。しかしながら、上記のようなおむつ1によれば、フロントパッチ2Fと縁5の色の違いによりフロントパッチ2Fとカバーシート4との境界をユーザが視認できる。よって、ユーザがフロントパッチ2Fの縁5よりも外側にテープ2L、2Rのフック部23を貼り付けることは抑制される。よって、テープ2L、2Rのフック部23にカバーシート4の短繊維が絡まることは抑制される。よって、テープ2L、2Rをフロントパッチ2Fに繰り返し貼り付けることができる。また、テープ2L、2Rのフック部23がカバーシート4に貼り付けられることでカバーシート4が毛羽立つことは抑制される。また、フック部23がカバーシート4から剥離されることでカバーシート4に孔が開くことは抑制される。よって、ユーザは同じおむつ1を長時間履くことができる。よって、消費者にとって経済的となる。
【0031】
また、上記のようなおむつ1によれば、たとえユーザがフロントパッチ2Fの縁5の外側にテープ2L、2Rを貼り付けた場合であっても、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域がフック部23の領域に対して33%程度以上あれば、ユーザは1日程度おむつを装着して生活することができる(図5及び図6参照)。
【0032】
また、図5及び図6に示される剥離試験の結果から、縁5の幅をテープ2L、2Rのフック部23の長手方向(図5における上下方向)の長さの33%以上とした場合に、フック部23の貼り付け方法として図5(C)に示されるように縁5の内辺に沿ってフック部23の長手方向における端部を貼り付けるようにすると、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域は自動的に33%以上確保される。よって、ユーザは1日程度おむつを装着して生活できる。また、フロントパッチ2Fからはみ出たフック部23のフック72にカバーシート4の短繊維が絡まった場合、テープ2L、2Rをフロントパッチ2Fから剥離して再度フック部23の全域をフロントパッチ2Fに貼り付けると、フック部23とフロントパッチ2Fとの重複領域は33%程度となる。このような場合であっても、ユーザは1日程度おむつを装着して生活できる。このようなおむつ1はユーザビリティの高いおむつといえる。
【0033】
また、上記のようなおむつ1によれば、フロントパッチ2Fの縁5の色とフロントパッチ2Fに付されたマーク21の色とは異なる。よって、縁5はレジマークとしても機能し
得る。よって、おむつ1の製造時に各種シートをおむつ1に貼り付ける際の位置合わせはより確実なものとなる。
【0034】
また、上記のようなおむつ1によれば、縁5の色は、マーク21の色とは異なるがレジマーク22の色と同じである。よって、おむつ1を見たユーザは、縁5がマーク21等のおむつ1に表示された表示物とは異なるものと認識する。よって、縁5はユーザにとって印象に残るため、ユーザは縁5の外側にテープ2L、2Rのフック部23を貼り付けることは抑制される。
【0035】
また、上記のようなおむつ1によれば、縁5の幅は5mm以上である。よって、縁5によりフロントパッチ2Fを目立たせることができる。このようなことからも、ユーザは縁5の外側にテープ2L、2Rのフック部23を貼り付けることは抑制される。このように、本実施形態では、カバーシート4に短繊維材料が含まれる場合に、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fからはみ出してカバーシート4に貼り付けられることを抑制することができる。
【0036】
[第1変形例]
図7は、第1変形例に係るおむつ1Aのフロントパッチ2F付近の部分拡大図の一例である。図7に示されるように、第1変形例に係るおむつ1Aでは、フロントパッチ2Fの縁5の四隅に赤色が付される。なお、縁5の四隅に限らず、フロントパッチ2Fの縁5の一部に赤色が付されてもよい。また、おむつ1Aのカバーシート4よりも肌面側に配置されている吸収体6は、その長手方向の端部が縁5の内辺の一部と重なるように配置される。なお、吸収体6の配置は図7に示される状態に限定されず、縁5の少なくとも一部と重なっていればよい。
【0037】
[作用・効果]
上記のようなおむつ1Aによれば、縁5において厚みの差が生じる。よって、縁5とカバーシート4の色の違いによりフロントパッチ2Fとカバーシート4との境界をユーザが視認できることに加え、縁5を指で押圧することで厚みの差をユーザが認知することができる。よって、フロントパッチ2Fとカバーシート4との境界をユーザは認知することができる。よって、図7に示されるように縁5の全体ではなく一部が着色されている場合であっても、フロントパッチ2Fとカバーシート4との境界をユーザは容易に認知することができる。よって、ユーザがフロントパッチ2Fの縁5の外側にテープ2L、2Rのフック部23を貼り付けることは抑制される。
【0038】
[第2変形例]
続いて、第2変形例について説明をする。おむつ1のユーザの一例である乳幼児の体は、成人に比べて非常に小さい。このため、ユーザの腹囲は授乳等により容易に変化する。ユーザの空腹時におむつ1をユーザの腹囲にしっかりと装着し、ユーザに授乳を行った場合、ユーザの腹囲は大きく膨張し、おむつ1による締め付けが非常に強くなり、当該おむつ1の締め付けにユーザが耐え切れずに、ユーザがミルク等を吐き戻してしまう虞があるという課題がある。第2変形例は、ユーザの腹囲の変化に柔軟に対応可能なおむつを提供することを目的としたものである。
【0039】
図8は、第2変形例に係るおむつ1A2のフロントパッチ2F付近の部分拡大図の一例である。図8に示されるように、第2変形例に係るおむつ1A2では、吸収体6の長手方向端部が、フロントパッチ2Fの縁5で囲まれた部分の内部にまで延在している。
【0040】
図9は、第2変形例に係るフロントパッチ2Fが設けられたおむつ1A2の前身頃領域の断面図である。図9は、おむつ1A2を長手方向に沿って切断した場合の断面図である
。第2変形例では、おむつ1A2の肌面側には、肌面側シートであるトップシート7が配置されており、トップシート7の非肌面側の一定範囲には、吸収体6が延在している。吸収体6とカバーシート4との間には、非透水性のバックシート8が配置されており、更にその非肌面側にカバーシート4が配置されている。カバーシート4の更に非肌面側の一定範囲には、貼り付け部であるフロントパッチ2Fが設けられている。図9に示す吸収体6と各シートは、ホットメルト等の接着剤で、隣接する吸収体6または他のシートと接合されている。
【0041】
第2変形例において、トップシート7とバックシート8およびカバーシート4は、前身頃と後身頃とを結ぶ長手方向において、吸収体6よりも長く延在している。図9では、トップシート7とバックシート8およびカバーシート4は、おむつ1A2の長手方向端部にまで延在している。そして、トップシート7とバックシート8およびカバーシート4は、吸収体6の長手方向端部よりも長手方向端部側では、吸収体6を介さずに互いに接合されている。
【0042】
また、第2変形例におけるトップシート7の肌当接面は平坦であり、吸収体6の延在領域では、吸収体6の厚みの影響で、おむつ1のバックシート8およびカバーシート4は非肌面側に膨らんでいる。一方、吸収体6が延在していない領域では、おむつ1のバックシート8およびカバーシート4はトップシート7と接合されているため、肌面側に接近して配置されている。このため、バックシート8およびカバーシート4は、吸収体6の長手方向端部の更に長手方向端部側で肌面側に屈曲しており、当該部分には段差9が形成される。
【0043】
カバーシート4の更に非肌面側には、貼り付け部であるフロントパッチ2Fが接合されて配置されている。そして、フロントパッチ2Fは、その配置領域が段差9と重畳するように配置されており、段差9は、少なくとも、フロントパッチ2Fの長手方向端部よりも長手方向内側に形成されている。なお、吸収体6の長手方向端部は、フロントパッチ2Fの縁5の内側の領域、すなわち縁5に囲まれた領域に設けられているとより好適である。このようにすると、段差9は、フロントパッチ2Fの長手方向端部側の、一例としては赤色の色彩が付された縁5の内側に設けられることになる。
【0044】
[作用・効果]
上記のようなおむつ1A2によれば、フロントパッチ2Fの股下領域1A2側である吸収体6の延在領域では、おむつ1A2は吸収体6の厚みにより非肌面側に膨らんでおり、フロントパッチ2Fも非肌面側に膨らんでいる。保護者等がユーザにおむつ1A2を装着するためにフロントパッチ2Fの縁5の内側にテープ2L,2Rを係合させる際、フロントパッチ2Fの当該非肌面側に膨らんだ部分には、テープ2L,2Rを容易かつ強固に係合させることができる。一方、フロントパッチ2Fの吸収体6の長手方向端部に対応する部位には、吸収体6の厚みがなくなることによる段差9が存在し、段差9の更に長手方向端部側は、非肌面側に向かって一段低い状態となっている。すなわち、おむつ1A2のフロントパッチ2Fの延在領域の特定部分には、吸収体6の長手方向端部に起因する段差9が形成されている。保護者等が段差9を跨ぐようにフロントパッチ2Fにテープ2L,2Rを係合する際、段差9の長手方向股下領域1B側すなわち吸収体6の厚みがある側では、テープ2L,2Rを強固に係合させることができるものの、段差9の長手方向端部側は肌面方向に落ち込んでおり、強固に係合させることが難しい。
【0045】
このため、授乳などによりユーザの腹囲が大きく膨張した際に、フロントパッチ2Fに貼り合わされたテープ2L,2Rの長手方向端部側の係合は解除されやすくなる。テープ2L,2Rの長手方向端部側の係合が解除されると、おむつ1A2によるユーザの腹囲の締め付け力は低下する。このため、ユーザは吐き戻しを起こしにくくなる。なお、腹囲が
膨張し、テープ2L,2Rの一部とフロントパッチ2Fとの係合が一時的に解除された場合でも、テープ2L,2Rはやがてその全面がフロントパッチ2Fに再係合する。特に、衣類の被服圧が掛かった状態でおむつを使用している場合には、テープ2L,2Rは、被服圧により非常に容易に再係合する。このように、第2変形例に係るおむつ1A2は、フロントパッチ2Fの縁5の内側に吸収体6の端部に起因する段差9を設けることで、ユーザの一時的な腹囲の膨張に容易に追従することができ、締め付けが一時的に過度になることに起因する吐き戻し等を防ぐことができる。
【0046】
なお、段差9は、フロントパッチ2Fの縁5の内側に形成されていることが好適である。段差9が縁5の内側に形成されていることにより、保護者等がテープ2L,2Rを、段差9を跨ぐようにフロントパッチ2Fに係合させても、テープ2L,2Rのフック部23がカバーシート4と係合しにくくなるため、テープ2L,2Rの係合力低下を防ぐことができる。
【0047】
[第3変形例]
続いて、第3変形例について説明をする。図10は、第3変形例に係るテープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに貼り付けられた状態のパターンを例示した図である。おむつ1では、フロントパッチ2Fの縁5に、色彩が付与されているため、保護者等は、ユーザにおむつ1を装着する際に、縁5の内側にテープ2L,2Rを正しく貼り合わせるのが容易である。図10(A)は、フロントパッチ2Fの縁5の内側に、テープ2Rのフック部23が適切に貼り合わされた状態を示す図である。しかし、ユーザや保護者等が、テープ2L,2Rの一部が縁5を乗り越えてフロントパッチ2Fを逸脱し、カバーシート4に係合するように貼り合わせることを完全に防ぐことはできない。カバーシート4の表面繊維は、フロントパッチ2Fにテープ2L,2Rを貼り合わせた場合と比較すると容易に剥離するため、係合力が弱くなる。また、カバーシート4から剥離した表面繊維がフック部23に絡みついた状態では、フロントパッチ2Fに再度貼り合わせた場合に十分な係合力を得ることが困難となる。
【0048】
テープ2L,2Rを半透明とし、縁5に付された色彩がテープ2L,2Rを透過するようにして、テープ2L,2Rの表面に浮かび上がった縁5の色彩を視認可能とし、正しく貼り合わせることを促すことが考えられる。ここで、テープ2L,2Rの表面から縁5が明確に視認できない場合には、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fの延在領域からずれて貼り合わされて、その一部が縁5を跨いでいたとしても、ユーザや保護者等が、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに適切に貼り合わされていないことを気づかない虞がある。そこで、第3変形例では、テープ2L,2Rがフロントパッチ2Fの縁5の内側に正しく貼り付けられていない場合に、ユーザや保護者が容易に認識可能なおむつを提供することを目的とする。
【0049】
第3変形例に係るおむつ1A3は、テープ2L,2Rを半透明とし、フロントパッチ2Fの縁5の色彩を、テープ2L,2Rの色彩の補色または補色に近い関係にある色彩を付すように構成したものである。補色とは、混合して無彩色を作ることができる有彩色の組合せのことをいい、色相環で反対に位置する関係を持つ色彩の組合せである。補色となる色彩の組合せの一例としては、水色とオレンジ、赤と緑、黄色と紫などが挙げられる。上記実施形態における縁5の色彩は赤色であるため、テープ2L,2Rの色彩として緑色を使用すれば、縁5の色彩とテープ2L,2Rの色彩とを補色関係にすることができる。なお、縁5の色彩とテープ2L,2Rの色彩は必ずしも補色に限定されず、例えばテープ2L,2Rの色彩を水色、縁5の色彩を黄色のように、補色に近い関係の色彩としてもよい。図10(B)は、テープ2Rがフロントパッチ2Fの縁5を跨ぐように貼付された状態を示す図である。本図では、フロントパッチ2Fに付された縁5の色彩が半透明のテープ2Rを透過し、テープ2Rの表面に、保護者等が視認しやすい形で明瞭に表れている。こ
のため、ユーザや保護者等は、フロントパッチ2Fへのテープ2L,2Rの貼り付け位置が正しくないことを容易に視認可能である。
【0050】
[作用・効果]
補色関係にある色彩を用いると、お互いの色が引き立て合い、色をより強く見せる補色対比と言われる心理効果が発生する。主実施形態における縁5の色彩は赤色であるため、テープ2L,2Rの色彩として緑色を使用すると、テープ2L,2Rを縁5の上にはみ出して貼り合わせた場合、半透明のテープ2L,2Rから透けて見える縁5の色彩が、補色効果により明瞭に浮かび上がる。このため、ユーザまたは保護者は、テープ2L,2Rが縁5に掛かって貼り合わせられていることをより容易に判断可能である。なお、補色対比は非常に強い心理効果をもたらすため、テープ2L,2Rと縁5の色彩を、黄色と水色といったように補色に近いものの補色関係からは少し外れた色彩の組み合せとし、補色対比に近い効果を得つつもユーザや保護者への心理的刺激を軽減する組合せとすることも可能である。
【0051】
[第4変形例]
図11は、第4変形例に係るおむつ1A4が有するフロントパッチ2FBの部分拡大図の一例である。図11に示されるように、フロントパッチ2FBは幅方向において二つ並んで設けられる。そして、図11でいう左側のフロントパッチ2FBにはテープ2Rが、右側のフロントパッチ2FBにはテープ2Lが夫々貼り付けられる。また、フロントパッチ2FBの夫々の縁5の全周が赤色で付されている。このような第4変形例に係るおむつ1A4によっても、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0052】
[その他変形例]
おむつ1の前身頃領域1Fにテープ2L、2Rが設けられ、後身頃領域1Rの外装面にフロントパッチ2Fが設けられてもよい。また、上記の実施形態に係るおむつ1はいわゆるテープ型おむつであるが、パンツ型おむつであってもよい。そして、パンツ型おむつの胴回り部分を締め付けるためにテープ2L、2Rおよびフロントパッチ2Fがおむつ1に設けられていてもよい。また、フロントパッチ2F、カバーシート4、フロントパッチ2Fの縁5の色は、上記の色に限定されない。フロントパッチの色は、透明、半透明、若しくはカバーシート4の色と同系色であればよい。また、縁に付される色はカバーシート4と異なっていればよい。また、マーク21およびレジマーク22は設けられていなくともよい。また、縁5の色はマーク21と異なる色であればよい。また、縁5の色はレジマーク22と同系色であればよい。また、縁5の幅は、5mm未満であってもよい。
【0053】
本開示における実施形態や変形例により、テープ状部材の貼り付けを適正化できる。
【0054】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【符号の説明】
【0055】
1,1A,1A2,1A3,1A4:おむつ
1B :股下領域
1F :前身頃領域
1R :後身頃領域
2F :フロントパッチ
2FB :フロントパッチ
2L :テープ
2R :テープ
3BL :立体ギャザー
3BR :立体ギャザー
3R :ウェストギャザー
4 :カバーシート
5 :縁
6 :吸収体
21 :マーク
24 :レジマーク
23 :フック部
24 :繊維
25 :先端部
72 :フック
72a :凸部
72b :延在部
A :部材
図1
図2
図3
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図5
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図10
図11