(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172619
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】会議通話装置、会議通話システム、プログラム、および会議通話方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
H04M3/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084558
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 純治
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA19
5K201BB09
5K201BC12
5K201CC01
5K201EC01
5K201ED01
(57)【要約】
【課題】緊急性の高い会議通話にも対応可能な会議通話技術を提供する。
【解決手段】会議通話装置1は、会議発起端末4からの会議開催要求に従い、会議グループに属する会議参加端末2を呼出して、応答した会議参加端末2および会議発起端末4間で会議通話を実施するものであり、会議開催要求に従い呼出したいずれの会議参加端末2も応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合、会議参加端末2の呼出を継続したまま代行者端末3を呼出する。そして、会議参加端末2がいずれも応答することなく、代行者端末3から応答を受信した場合に、代行者端末3および会議発起端末4間で通話を開始する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議発起端末からの会議開催要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話装置であって、
前記会議開催要求に従い呼出した前記複数の会議参加端末のいずれもが応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、所定の代行者端末を呼出する代行者端末呼出手段を備える
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項2】
請求項1に記載の会議通話装置であって、
前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、前記代行者端末から応答を受信した場合に、当該代行者端末および前記会議発起端末間で会議通話を開始する会議通話制御手段をさらに備え、
前記代行者端末呼出手段は、
前記会議開催要求に従い呼出した前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、前記所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記代行者端末を前記会議グループに追加して、前記複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、前記代行者端末を呼出する
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項3】
請求項2に記載の会議通話装置であって、
前記代行者端末呼出手段は、
前記代行者端末を呼出中にいずれかの前記会議参加端末から応答があった場合に、前記代行者端末を前記会議グループから脱退させ、当該代行者端末の呼出を中止し、
前記会議通話制御手段は、
いずれかの前記会議参加端末から応答があった場合に、当該会議参加端末および前記会議発起端末間で会議通話を開始する
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項4】
請求項2に記載の会議通話装置であって、
前記代行者端末と前記会議発起端末との会議通話中にいずれかの前記会議参加端末から応答を受信した場合に、当該会議参加端末に、前記代行者端末が会議通話に参加している旨を通知する会議参加通知手段をさらに備えている
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項5】
請求項2に記載の会議通話装置であって、
前記会議発起端末から会議脱退要求を受信してから所定時間内に、いずれかの前記会議参加端末から会議参加要求を受信した場合に、前記会議発起端末を呼出する会議発起端末呼出手段をさらに備え、
前記会議通話制御手段は、
前記会議発起端末から応答があった場合に、当該会議発起端末および前記会議参加要求を送信した前記会議参加端末間で会議通話を開始する
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項6】
請求項1に記載の会議通話装置であって、
前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、前記代行者端末から応答を受信した場合に、当該代行者端末と前記会議発起端末との通話を開始する通話制御手段と、
前記代行者端末と前記会議発起端末との通話中にいずれかの前記会議参加端末から応答を受信した場合に、当該通話の終了後、応答した前記会議参加端末および前記会議発起端末間で会議通話を開始する会議通話制御手段と、をさらに備える
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項7】
請求項6に記載の会議通話装置であって、
前記代行者端末と前記会議発起端末との通話中にいずれかの前記会議参加端末から応答を受信した場合に、前記会議発起端末に、当該会議参加端末から応答があった旨を通知する応答通知手段をさらに備えている
【請求項8】
請求項6に記載の会議通話装置であって、
前記代行者端末と前記会議発起端末との通話中にいずれかの前記会議参加端末から応答を受信した場合に、当該会議参加端末に、前記会議発起端末が前記代行者端末と通話中である旨を通知する通話中通知手段をさらに備えている
【請求項9】
請求項6に記載の会議通話装置であって、
前記会議発起端末から会議脱退要求を受信してから所定時間内に、いずれかの前記会議参加端末から会議参加要求を受信した場合に、前記会議発起端末を呼出する会議発起端末呼出手段をさらに備え、
前記会議通話制御手段は、
前記会議発起端末から応答があった場合に、当該会議発起端末および前記会議参加要求を送信した前記会議参加端末間で会議通話を開始する
ことを特徴とする会議通話装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の会議通話装置と、
前記会議通話装置に会議通話を要求する会議発起端末と、
前記所定の会議グループに属し、前記会議通話装置から会議通話の呼出を受ける複数の会議参加端末と、
前記会議通話装置により呼出された前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記会議通話装置から呼出を受ける代行者端末と、を備えている
ことを特徴とする会議通話システム。
【請求項11】
会議発起端末からの会議開催要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記会議開催要求に従い呼出した前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、所定の代行者端末を呼出する代行者端末呼出手段として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
会議通話装置が、会議発起端末からの会議開催要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話方法であって、
前記会議開催要求に従い呼出した前記複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記会議通話装置は、前記複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、所定の代行者端末を呼出する
ことを特徴とする会議通話方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議通話システムに関し、特に、会議参加者の呼出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
会議発起端末からの要求に従い、複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話装置が普及している。例えば、特許文献1には、呼出した通話相手端末が不応答の場合に呼出を一旦停止し、所定時間経過後に通話相手端末に再度呼出する会議通話装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の会議通話装置は、呼出した複数の会議参加端末がいずれも応答しなければ会議通話を開始できない。これでは、例えば、会議発起端末を所持する救急活動中の救急隊員が、会議参加端末を所持する複数の病院スタッフに傷病者の状態を伝える場合など、緊急性の高い会議通話には不向きである。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、緊急性の高い会議通話にも対応可能な会議参加者の呼出技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、会議発起端末からの会議開催要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話装置において、呼出した複数の会議参加端末がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、会議グループに属する複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、予め登録されている代行者端末を呼出する。
【0007】
ここで、代行者端末を会議グループに追加して呼出してもよいし、あるいは、代行者端末を会議グループに追加することなく呼出してもよい。代行者端末を会議グループに追加して呼出する場合、応答した代行者端末は、応答した会議参加端末とともに、会議発起端末との会議通話に参加することができる。一方、代行者端末を会議グループに追加することなく呼出する場合、代行者端末は、会議通話に参加しない。この場合、会議発起端末および会議参加端末間の会議通話は、会議発起端末と代行者端末との通話終了後に開始される。
【0008】
例えば、本発明は、
会議発起端末からの会議開催要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末を呼出して、応答した会議参加端末および会議発起端末間で会議通話を実施する会議通話装置であって、
前記会議開催要求に従い呼出した前記複数の会議参加端末のいずれもが応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、前記複数の会議参加端末の呼出を継続したまま、所定の代行者端末を呼出する代行者端末呼出手段を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、会議発起端末からの会議開催要求に従い呼出した複数の会議参加端末のいずれもが応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合、これらの会議参加端末の呼出を継続したまま、代行者端末を呼出するので、例えば、会議参加者とコンタクト可能な代行者の代行者端末を呼出して通話することにより、代行者を介して、会議参加者に、会議発起端末の呼出に迅速に応答するように依頼したり、会議の緊急性等を伝えたりすることができる。したがって、本発明によれば、緊急性の高い会議通話にも対応可能な会議通話技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図5の続きである。
【
図7】
図7は、会議通話装置1の概略機能構成図である。
【
図8】
図8は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図である。
【
図9】
図9は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図8の続きである。
【
図10】
図10は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図8の続きである。
【
図11】
図11は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図10の続きである。
【
図12】
図12は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図8の続きである。
【
図13】
図13は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図12の続きである。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図14のS300の続きである。
【
図16】
図16は、本発明の第2実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図14のS300の続きである。
【
図17】
図17は、会議通話装置1Aの概略機能構成図である。
【
図18】
図18は会議通話装置1Aの会議通話処理を説明するためのフロー図であり、
図10の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る会議通話システムの概略構成図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態に係る会議通話システムは、複数の会議参加端末2-1~2-3(以下、単に会議参加端末2とも呼ぶ)と、代行者端末3と、LAN(Local Area Network)、無線LAN等の内線網5を介して会議参加端末2および代行者端末3を収容する会議通話装置1と、会議発起端末4と、を備えて構成されている。ここで、会議通話装置1および会議発起端末4は、IP(Internet Protocol)電話網、PSTN(Public Switched Telephone Networks)等の外線網6に接続されている。
【0015】
この会議通話システムが例えば病院に導入される場合、会議参加端末2は、病院のER(Emergency Room)の医療スタッフが所持する電話端末、代行者端末3は、医療スタッフとコンタクト可能な代行者(例えば病院の事務スタッフ)が所持する電話端末として用いることができ、そして、会議発起端末4は、救急活動を行う救急隊員が所持する電話端末として用いることができる。
【0016】
会議通話装置1は、会議発起端末4からの会議発起要求に従い、所定の会議グループに属する複数の会議参加端末2を呼出して、応答した会議参加端末2および会議発起端末4間の会議通話を実施する。また、会議通話装置1は、呼出した複数の会議参加端末2がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合、これらの会議参加端末2の呼出を継続したまま、代行者端末3を呼出する。
【0017】
図2~
図6は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0018】
会議発起端末4は、操作者(会議開催者)から会議開催操作を受け付けると(S100)、会議開催要求を会議通話装置1に送信する(S101)。これを受けて、会議通話装置1は、会議発起端末4との間に通話路を確立して、会議発起端末4を会議通話に参加させる(S102)。ただし、この段階において、会議通話に参加しているのは会議発起端末4のみである。
【0019】
つぎに、会議通話装置1は、予め登録されている会議グループに属している会議参加端末2を特定する(S103)。ここでは、すべての会議参加端末2-1~2-3が会議グループに属しているものとする。そして、会議通話装置1は、すべての会議参加端末2-1~2-3を呼出する(S104~S106)。これを受けて、会議参加端末2-1~2-3は着信鳴動を開始する(S107~S109)。
【0020】
ここで、いずれの会議参加端末2-1~2-3も呼出に応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトしたものとする(S110)。これを受けて、会議通話装置1は、代行者端末3を会議グループに追加し(S111)、会議参加端末2-1~2-3の呼出を継続したまま、代行者端末3も呼出する(S112)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動する(S113)。
【0021】
その後、いずれかの会議参加端末2-1~2-3が呼出に応答する前に、代行者端末3が操作者(代行者)から応答操作を受け付けたものとする(S114)。これを受けて、代行者端末3は、着信鳴動を停止して会議通話装置1に応答を送信する(S115)。会議通話装置1は、代行者端末3から応答を受信すると、代行者端末3との間に通話路を確立して、代行者端末3を会議通話に参加させる(S116)。これにより、会議発起端末4と代行者端末3との通話が可能となり、会議開催者は、会議グループに属する各会議参加端末2-1~2-3が会議に至急参加するように、代行者に依頼することができる。
【0022】
つぎに、会議参加端末2-1~2-3が操作者(会議参加者)から応答操作を受け付けたものとする(S117、S120、S123)。これを受けて、会議参加端末2-1~2-3は、着信鳴動を停止して会議通話装置1に応答を送信する(S118、S121、S124)。会議通話装置1は、会議参加端末2-1~2-3から応答を受信すると、会議参加端末2-1~2-3との間に通話路を確立して、代行者端末3が会議に参加中であることを示す代行者参加通知を送信し、それから、会議参加端末2-1~2-3を会議通話に参加させる(S119、S122、S125)。これにより、会議発起端末4、会議参加端末2-1~2-3、および代行者端末3間で通話が可能となる。
【0023】
一方、S113の実施後、代行者端末3が呼出に応答する前に、会議参加端末2-1が操作者(会議参加者)から応答操作を受け付けたものとする(S126)。これを受けて、会議参加端末2-1は、着信鳴動を停止して会議通話装置1に応答を送信する(S127)。会議通話装置1は、会議参加端末2-1から応答を受信すると、会議参加端末2-1との間に通話路を確立して、会議参加端末2-1を会議通話に参加させる(S128)。また、代行者端末3を会議グループから削除して(S129)、代行者端末3の呼出を終了する(S130)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動を中止する(S131)。
【0024】
つぎに、残りの会議参加端末2-2、2-3が操作者(会議参加者)から応答操作を受け付けたものとする(S132、S135)。これを受けて、会議参加端末2-2、2-3は、着信鳴動を停止して会議通話装置1に応答を送信する(S133、S136)。会議通話装置1は、会議参加端末2-2、2-3から応答を受信すると、会議参加端末2-2、2-3との間に通話路を確立して、会議参加端末2-2、2-3を会議通話に参加させる(S134、S137)。これにより、会議発起端末4およびすべての会議参加端末2-1~2-3間で通話が可能となる。
【0025】
また、S113の実施後、会議発起端末4は、事情により会議開催の待機状態を維持できなくなった操作者(会議開催者)から会議脱退操作を受け付けると(S138)、会議通話装置1に会議脱退要求を送信する(S139)。これを受けて、会議通話装置1は、会議発起端末4との通話路を解放して、会議発起端末4を会議通話から脱退させる(S140)。それから、会議通話装置1は、代行者端末3を会議グループから削除して(S141)、代行者端末3の呼出を終了する(S142)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動を中止する(S143)。
【0026】
その後、会議参加端末2-1が操作者から会議参加操作(応答操作)を受け付けたものとする(S144)。これを受けて、会議参加端末2-1は、着信鳴動を停止して、会議通話装置1に会議参加要求(応答)を送信する(S145)。会議通話装置1は、所定時間の経過によるタイムアウト前に会議参加端末2-1から会議参加要求を受信すると、会議参加端末2-1との間に通話路を確立して、会議参加端末2-1を会議通話に参加させる(S146)。ただし、この段階において、会議通話に参加しているのは会議参加端末2-1のみである。
【0027】
つぎに、会議通話装置1は会議発起端末4を呼出する(S147)。これを受けて、会議発起端末4は着信鳴動を開始する(S148)。その後、会議発起端末4は、操作者から応答操作を受け付けると(S149)、着信鳴動を停止して、会議通話装置1に応答を送信する(S150)。会議通話装置1は、会議発起端末4から応答を受信すると、会議発起端末4との間に通話路を確立して、会議発起端末4を会議通話に参加させる(S151)。これにより、会議発起端末4と会議参加端末2-1との通話が可能となる。
【0028】
つぎに、残りの会議参加端末2-2、2-3が操作者から会議参加操作を受け付けたものとする(S152、S155)。これを受けて、会議参加端末2-2、2-3は、着信鳴動を停止して、会議通話装置1に会議参加要求を送信する(S153、S156)。会議通話装置1は、会議参加端末2-2、2-3から会議参加要求を受信すると、会議参加端末2-2、2-3との間に通話路を確立して、会議参加端末2-2、2-3を会議通話に参加させる(S154、S157)。これにより、会議発起端末4およびすべての会議参加端末2-1~2-3間で通話が可能となる。
【0029】
つぎに、本実施の形態に係る会議通話システムを構成する会議通話装置1について説明する。なお、会議参加端末2、代行者端末3、および会議発起端末4には、スマートホン、ボタン電話機等の既存の電話端末を用いることができるので、それらの詳細な説明を省略する。
【0030】
【0031】
図示するように、会議通話装置1は、内線網インターフェース部10と、外線網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、会議通話制御部14と、を備えている。
【0032】
内線網インターフェース部10は、内線網5に接続するためのインターフェースであり、外線網インターフェース部11は、外線網6に接続するためのインターフェースである。
【0033】
呼制御部12は、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従って呼制御処理を実施し、会議参加端末2、代行者端末3、および会議発起端末4との間の通話路を確立・解放する。特に、会議発起端末4からの会議開催要求に従い、会議発起端末4と連携して呼制御処理を実施し、会議発起端末4との間に通話路を確立するとともに、会議グループに属する各会議参加端末2を呼出する。
【0034】
また、呼制御部12は、代行者端末呼出部120と、会議参加通知部121と、会議発起端末呼出部123と、を有する。
【0035】
代行者端末呼出部120は、会議発起端末4からの会議開催要求に従い呼出した会議参加端末2がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、代行者端末3を会議グループに追加して、会議参加端末2の呼出を継続したまま、代行者端末3を呼出する。また、代行者端末呼出部120は、代行者端末3を呼出中にいずれかの会議参加端末2から応答があった場合、代行者端末3を会議グループから脱退させ、代行者端末3の呼出を中止する。
【0036】
会議参加通知部121は、代行者端末3と会議発起端末4との会議通話中に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から応答を受信した場合に、この会議参加端末2に、代行者端末3が会議通話に参加している旨を示す代行者参加通知を送信する。
【0037】
会議発起端末呼出部123は、会議発起端末4より会議脱退要求を受信してから所定時間内に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から会議参加要求を受信した場合、会議発起端末4を呼出する。
【0038】
中継部13は、RTP(Real-time Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い、呼制御部12によって確立された通話路間を中継する。
【0039】
会議通話制御部14は、中継部13と連携し、呼制御部12より通知された通話路毎に、この通話路以外の通話路から受信した音声データをミキシング処理し、ミキシング音声データをこの通話路に送信する。これにより、会議参加端末2、代行者端末3、および会議発起端末4間の会議通話が実施される。
【0040】
会議通話装置1の上記機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)、無線アダプタ等の通信インターフェースと、を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0041】
図8~
図13は会議通話装置1の会議通話処理を説明するためのフロー図である。
【0042】
このフローは、外線網インターフェース部11が外線網6を介して会議発起端末4から会議開催要求を受信することにより開始される。
【0043】
まず、呼制御部12は、外線網インターフェース部11を介して会議発起端末4との通話路を確立する(S200)。それから、呼制御部12は、会議発起端末4との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して会議発起端末4を会議通話に参加させる(S201)。ただし、この段階において、会議通話に参加しているのは会議発起端末4のみである。
【0044】
つぎに、呼制御部12は、予め登録された会議グループに属する会議参加端末2を特定する(S202)。それから、内線網インターフェース部10を介して、特定した会議参加端末2各々を呼出する(S203)。
【0045】
その後、呼制御部12は、内線網インターフェース部10を介していずれかの会議参加端末2から応答を受信すると(S205でYES)、S208に進む。また、呼制御部12は、会議参加端末2から応答を受信する前に(S205でNO)、外線網インターフェース部11を介して会議発起端末4から会議脱退要求を受信すると(S204でYES)、会議発起端末4に応答を送信して会議発起端末4との通話路を解放し(S207)、その後、S229に進む。さらに、呼制御部12は、会議発起端末4から会議脱退要求を受信することなく(S204でNO)、いずれの会議参加端末2からも応答を受信せずに(S205でNO)、会議参加端末2の呼出を開始してから所定時間の経過によりタイムアウトすると(S206でYES)、S212に進む。
【0046】
S208において、呼制御部12は、応答した会議参加端末2との通話路を確立する。それから、呼制御部12は、応答した会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、この会議参加端末2を会議通話に参加させる(S209)。
【0047】
つぎに、呼制御部12は、会議グループに属するすべての会議参加端末2との通話路を確立したならば(S210でYES)、このフローを終了する。一方、通話路未確立の会議参加端末2があるならば(S210でNO)、この通話路未確立の会議参加端末2からの応答を待つ(S211)。そして、通話路未確立の会議参加端末2から応答を受信したならば(S211でYES)、S208に戻る。
【0048】
S212において、代行者端末呼出部120は、代行者端末3を会議グループに追加する。それから、内線網インターフェース部10を介して代行者端末3を呼出する(S213)。
【0049】
その後、代行者端末呼出部120は、いずれかの会議参加端末2からの応答を受信する前に(S216でNO)、内線網インターフェース部10を介して代行者端末3から応答を受信すると(S215でYES)、S222に進む。
【0050】
また、代行者端末呼出部120は、代行者端末3から応答を受信する前に(S215でNO)、内線網インターフェース部10を介していずれかの会議参加端末2から応答を受信すると(S216でYES)、代行者端末3を会議グループから削除して(S217)、代行者端末3の呼出を終了し(S218)、その後、S208に戻る。
【0051】
さらに、代行者端末呼出部120は、代行者端末3から応答を受信することなく(S215でNO)、かついずれの会議参加端末2からも応答を受信せずに(S216でNO)、会議発起端末4から会議脱退要求を受信すると(S214でYES)、会議発起端末4に解放を送信して会議発起端末4との通話路を解放するとともに(S219)、代行者端末3を会議グループから削除して(S220)、代行者端末3の呼出を終了する(S221)。その後、S229に進む。
【0052】
S222において、呼制御部12は代行者端末3との通話路を確立する。それから、呼制御部12は、代行者端末3との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、代行者端末3を会議通話に参加させる(S223)。
【0053】
その後、呼制御部12は、内線網インターフェース部10を介していずれかの会議参加端末2から応答を受信すると(S224でYES)、応答した会議参加端末2との通話路を確立し(S225)、会議参加通知部121は、この通話路を介して会議参加端末2に、代行者端末3が会議に参加中であることを示す代行者参加通知を送信する(S226)。それから、呼制御部12は、応答した会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、この会議参加端末2を会議通話に参加させる(S227)。
【0054】
つぎに、呼制御部12は、会議グループに属するすべての会議参加端末2との通話路を確立したならば(S228でYES)、このフローを終了する。一方、通話路未確立の会議参加端末2があるならば(S228でNO)、S224に戻る。
【0055】
S229において、呼制御部12は、内線網インターフェース部10を介して、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から会議参加要求を受信するのを待つ。そして、いずれの会議参加端末2からも会議参加要求を受信することなく(S229でNO)、会議発起端末4からの会議脱退要求を受信してから所定時間の経過によりタイムアウトすると(S230でYES)、このフローを終了する。
【0056】
一方、タイムアウトする前に(S230でNO)、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から会議参加要求を受信した場合(S229でYES)、呼制御部12は、内線網インターフェース部10を介してこの会議参加端末2に応答を送信し、この会議参加端末2との通話路を確立する(S231)。それから、呼制御部12は、この会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、この会議参加端末2を会議通話に参加させる(S232)。
【0057】
つぎに、会議発起端末呼出部123は、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2との通話路が確立したならば、外線網インターフェース部11を介して会議発起端末4を呼出する(S233)。
【0058】
その後、呼制御部12は、外線網インターフェース部11を介して会議発起端末4から応答を受信したならば(S234でYES)、会議発起端末4との通話を確立する(S235)。それから、呼制御部12は、会議発起端末4との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、会議発起端末4を会議通話に参加させる(S236)。その後、S240に進む。
【0059】
また、呼制御部12は、内線網インターフェース部10を介して、会議グループに属する会議参加端末2から会議参加要求を受信したならば(S237でYES)、この会議参加端末2との通話を確立する(S238)。それから、呼制御部12は、この会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、この会議参加端末2を会議通話に参加させる(S239)。その後、S240に進む。
【0060】
S240において、呼制御部12は、会議発起端末4との通話路が未確立である場合(S240でNO)、S234に戻る。一方、会議発起端末4との通話路が確立済みである場合(S240でYES)、会議グループに属するすべての会議参加端末2との通話路を確立済みであるか否かを調べる(S241)。すべての会議参加端末2との通話路を確立済みであるならば(S241でYES)、このフローを終了する。一方、通話路未確立の会議参加端末2があるならば(S241でNO)、この通話路未確立の会議参加端末2からの会議参加要求を待つ(S242)。そして、会議参加要求を受信したならば(S242でYES)、S238に戻る。
【0061】
以上、本発明の第1実施の形態について説明した。
【0062】
本実施の形態において、会議通話装置1は、会議発起端末4からの会議開催要求に従い、会議グループに属する会議参加端末2を呼出して、応答した会議参加端末2および会議発起端末4間で会議通話を実施する。ここで、呼出した会議参加端末2がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合、代行者端末3を会議グループに追加して、会議グループに属する複数の会議参加端末2の呼出を継続したまま代行者端末3を呼出する。このため、例えば、会議参加者とコンタクト可能な代行者に、会議参加者が会議発起端末4の呼出に迅速に応答するように依頼したり、会議の緊急性を伝えたりすることができる。したがって、本実施の形態によれば、緊急性の高い会議通話にも対応することができる。また、本実施の形態では、代行者端末3を会議グループに追加して代行者端末3を呼出するので、代行者は、会議参加者とともに、会議開催者との会議通話に参加することができる。
【0063】
また、本実施の形態において、会議通話装置1は、代行者端末3の呼出中にいずれかの会議参加端末2から応答があった場合に、代行者端末3を会議グループから脱退させ、代行者端末3の呼出を中止する。このため、代行者に先立って会議参加者のいずれかが応答した場合には、代行者なしで会議通話を行うことが可能となり、代行者に聞かれたくないような内容を会議開催者および会議参加者間で会議することができる。
【0064】
また、本実施の形態において、会議通話装置1は、代行者端末3と会議発起端末4との会議通話中に、会議グループに属する会議参加端末2から応答を受信した場合に、この会議参加端末2に、代行者端末3が会議通話に参加している旨を知らせる代行者参加通知を送信する。したがって、本実施の形態によれば、会議参加者は、会議通話への参加に先立って代行者が会議通話に参加していることを知ることができるので、代行者に聞かれたくないような内容を会議通話で話すことを控えることができる。
【0065】
また、本実施の形態において、会議通話装置1は、会議発起端末4からの会議脱退要求に従い会議発起端末4を会議通話から脱退させてから所定時間内に、会議グループに属する会議参加端末2から会議参加要求を受信した場合に、この会議参加端末2との通話路を確立してこの会議参加端末2を会議通話に参加させるとともに、会議発起端末4を呼出し、会議発起端末4から応答があったならば、会議発起端末4との通話路を確立して会議発起端末4を会議通話に参加させる。これにより、事情により会議発起端末4が会議通話から脱退した場合でも、会議参加端末2が会議通話に参加することにより、会議発起端末4もこの会議通話に復帰することが可能となり、利便性が向上する。
【0066】
[第2実施の形態]
つぎに、本発明の第2実施の形態について説明する。
【0067】
本実施の形態に係る会議通話システムが、
図1に示す第1実施の形態に係る会議通話システムと異なる点は、会議通話装置1に代えて会議通話装置1Aを用いたことである。その他の構成は、
図1に示す第1実施の形態に係る会議通話システムと同様である。
【0068】
図14~
図16は、本発明の第2実施の形態に係る会議通話システムの会議通話処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0069】
本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの
図2に示すS100~S110が実施され、会議発起端末4からの会議開催要求に従って呼出したすべての会議参加端末2-1~2-3が応答することなく、会議通話装置1Aが、所定時間の経過によりタイムアウトしたものとする(S300)。
【0070】
これを受けて、会議通話装置1Aは、会議参加端末2-1~2-3の呼出を継続したまま、代行者端末3を会議グループに参加させることなく、代行者端末3を呼出する(S301)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動する(S302)。
【0071】
その後、会議参加端末2-1~2-3が呼出に応答する前に、代行者端末3が操作者(代行者)から応答操作を受け付けたものとする(S303)。これを受けて、代行者端末3は、着信鳴動を停止して会議通話装置1Aに応答を送信する(S304)。会議通話装置1Aは、代行者端末3から応答を受信すると、代行者端末3との間に通話路を確立するととともに、会議発起端末4を会議通話から脱退させて、代行者端末3と会議発起端末4との間を中継する(S305)。これにより、会議発起端末4と代行者端末3との通話が可能となり、会議開催者は、各会議参加者が会議に至急参加するように、代行者に依頼することができる。
【0072】
つぎに、会議参加端末2-1が操作者(会議参加者)から応答操作を受け付けたものとする(S306)。これを受けて、会議参加端末2-1は、着信鳴動を停止して、会議通話装置1Aに応答を送信する(S307)。会議通話装置1Aは、会議参加端末2-1から応答を受信すると、会議参加端末2-1との間に通話路を確立して、この通話路を介して会議参加端末2-1に、会議発起端末4が代行者端末3と通話中であることを示す代行者通話中通知を送信するとともに(S308)、会議発起端末4に、会議参加端末2から応答があったことを知らせる参加者応答通知を送信する(S309)。これにより、会議開催者は、通話中の代行者に、会議を開始するので終話するよう促すことができる。
【0073】
その後、代行者端末3が操作者(代行者)から終話操作を受け付けたものとする(S310)。代行者端末3は、会議通話装置1Aに終話要求を送信する(S311)。これを受けて、会議通話装置1Aは、代行者端末3に解放を送信して、代行者端末3との通話路を解放する(S312)。なお、会議発起端末4が操作者(会議開催者)から終話操作を受け付けてもよい。この場合、会議発起端末4は、会議通話装置1Aに終話要求を送信し、これを受けて、会議通話装置1Aは、代行者端末3との通話路を解放する。
【0074】
それから、会議通話装置1Aは、通話路が確立されている会議発起端末4および会議参加端末2-1を会議通話に参加させる(S313)。その後は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの
図4に示すS132~S137が実施され、会議発起端末4およびすべての会議参加端末2-1~2-3間の会議通話が可能となる(S314)。
【0075】
一方、S302の実施後、代行者端末3が呼出に応答する前に、会議参加端末2-1が操作者(会議参加者)から応答操作を受け付けたものとする(S315)。これを受けて、会議参加端末2-1は、着信鳴動を停止して、会議通話装置1Aに応答を送信する(S316)。会議通話装置1Aは、会議参加端末2-1から応答を受信すると、会議参加端末2-1との通話路を確立して、会議参加端末2-1を会議通話に参加させる(S317)。また、代行者端末3の呼出を終了する(S318)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動を中止する(S319)。その後は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの
図4に示すS132~S137が実施され、会議発起端末4およびすべての会議参加端末2-1~2-3間の会議通話が可能となる(S320)。
【0076】
また、S302の実施後、会議発起端末4は、事情により会議開催の待機状態を維持できなくなった操作者から会議脱退操作を受け付けると(S321)、会議通話装置1Aに会議脱退要求を送信する(S322)。これを受けて、会議通話装置1Aは、会議発起端末4との通話路を解放して、会議発起端末4を会議通話から脱退させる(S323)。それから、会議通話装置1Aは代行者端末3の呼出を終了する(S324)。これを受けて、代行者端末3は着信鳴動を中止する(S325)。その後は、本発明の第1実施の形態に係る会議通話システムの
図5に示すS144~
図6に示すS157が実施され、会議発起端末4およびすべての会議参加端末2-1~2-3間の会議通話が可能となる(S326)。
【0077】
つぎに、本実施の形態に係る会議通話システムを構成する会議通話装置1Aについて説明する。
【0078】
図17は、会議通話装置1Aの概略機能構成図である。
【0079】
会議通話装置1Aが
図7に示す第1実施の形態の会議通話装置1と異なる点は、呼制御部12に代えて呼制御部12aを設けたことである。その他の構成は、
図7に示す第1実施の形態の会議通話装置1と同様である。
【0080】
呼制御部12aが、
図7に示す会議通話装置1の呼制御部12と異なる点は、代行者端末呼出部120に代えて代行者端末呼出部120aを設けたこと、会議参加通知部121を省略したこと、および、代行者通話中通知部124、参加者応答通知部125を追加したことである。その他の構成は
図7に示す会議通話装置1の呼制御部12と同様である。
【0081】
代行者端末呼出部120aは、会議発起端末4からの会議開催要求に従い呼出した会議参加端末2がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合に、代行者端末3を会議グループに追加することなく、会議参加端末2の呼出を継続したまま代行者端末3を呼出する。また、代行者端末呼出部120aは、代行者端末3を呼出中にいずれかの会議参加端末2から応答があった場合、代行者端末3の呼出を中止する。
【0082】
代行者通話中通知部124は、会議発起端末4と代行者端末3との通話中に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から応答を受信した場合に、この会議参加端末2との通話路を確立し、この通話路を介して会議参加端末2に、会議発起端末4が代行者端末3と通話中であることを示す代行者通話中通知を送信する。
【0083】
参加者応答通知部125は、会議発起端末4と代行者端末3との通話中に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から応答を受信した場合に、会議参加端末2から応答があったことを示す参加者応答通知を会議発起端末4に送信する。
【0084】
会議通話装置1Aの上記機能構成も、
図7に示す第1実施の形態の会議通話装置1と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC、無線アダプタ等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0085】
会議通話装置1Aの会議通話処理が、
図8~
図13に示す第1実施の形態の会議通話装置1の会議通話処理と異なる点は、つぎのとおりである。
【0086】
(1)S212、S217、およびS220の不実施
代行者端末呼出部120aは、代行者端末3を会議グループに追加することなく、会議参加端末2-1~2-3の呼出を継続したまま代行者端末3を呼出する(S213)。したがって、代行者端末呼出部120aは、代行者端末3を会議グループから削除することなく、未応答の会議参加端末2-1~2-3の呼出を継続したまま代行者端末3の呼出を終了する(S218、S221)。
【0087】
(2)S222~S228での処理変更
図11に示すS222~S228に代えて、
図18に示すS400~S413を実施する。すなわち、呼制御部12aは、代行者端末3との通話路を確立する(S400)。それから、呼制御部12aは、会議通話制御部14に、会議発起端末4との通話路を通知して、会議通話からの脱退を指示する。これを受けて、会議通話制御部14は、会議発起端末4を会議通話から脱退させる(S401)。それから、呼制御部12aは、中継部13と連携して、会議発起端末4および代行者端末3間の通話を中継する(S402)。
【0088】
その後、呼制御部12aは、内線網インターフェース部10を介していずれかの会議参加端末2から応答を受信すると(S403でYES)、この会議参加端末2との通話路を確立し(S404)、代行者通話中通知部124は、この通話路を介して会議参加端末2に、会議発起端末4が代行者端末3と通話中であることを示す代行者通話中通知を送信する(S405)。また、呼制御部12aは、応答した会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、応答した会議参加端末2を会議通話に参加させる(S406)。また、参加者応答通知部125は、会議参加端末2から応答があったことを示す参加者応答通知を会議発起端末4に送信する(S407)。そして、上述のS403~S407を、代行者端末3との通話路が解放されるまで繰り返す(S408でNO)。
【0089】
その後、代行者端末3との通話路が解放されると(S408でYES)、呼制御部12aは、会議発起端末4との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、会議発起端末4を会議通話に参加(復帰)させる(S409)。
【0090】
つぎに、呼制御部12aは、内線網インターフェース部10を介して会議参加端末2から応答を受信したならば(S410でYES)、この会議参加端末2との通話を確立する(S411)。それから、呼制御部12aは、この会議参加端末2との通話路を会議通話制御部14に通知する。これを受けて、会議通話制御部14は、中継部13と連携して、この会議参加端末2を会議通話に参加させる(S412)。
【0091】
つぎに、呼制御部12aは、会議グループに属するすべての会議参加端末2との通話路を確立したならば(S413でYES)、このフローを終了する。一方、通話路未確立の会議参加端末2があるならば(S413でNO)、S410に戻る。
【0092】
以上、本発明の第2実施の形態について説明した。
【0093】
本実施の形態において、会議通話装置1Aは、会議発起端末4からの会議開催要求に従い、会議グループに属する会議参加端末2を呼出して、応答した会議参加端末2および会議発起端末4間で会議通話を実施する。ここで、呼出した会議参加端末2がいずれも応答することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合、代行者端末3を会議グループに追加することなく、会議グループに属する複数の会議参加端末2の呼出を継続したまま代行者端末3を呼出して、会議発起端末4および代行者端末3間の通話を中継する。このため、例えば、会議参加者とコンタクト可能な代行者に、会議参加者が会議発起端末4の呼出に迅速に応答するように依頼したり、会議の緊急性を伝えたりすることができる。したがって、本実施の形態によれば、緊急性の高い会議通話にも対応することができる。また、本実施の形態では、会議参加端末2から応答を受信した場合に、代行者端末3との通話を終了してから、会議参加端末2との会議通話を開始するので、代行者に聞かれたくない内容について、会議開催者および会議参加者間で会議することができる。
【0094】
また、本実施の形態において、会議通話装置1Aは、代行者端末3および会議発起端末4間の通話中に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から応答を受信した場合に、会議参加端末2から応答があった旨を知らせる参加者応答通知を会議発起端末4に送信する。このため、会議開催者は、代行者にその旨を知らせて代行者との通話を終了し、速やかに会議通話に移行することが可能となり、利便性が向上する。
【0095】
また、本実施の形態において、会議通話装置1Aは、代行者端末3と会議発起端末4との通話中に、会議グループに属するいずれかの会議参加端末2から応答を受信した場合に、この会議参加端末2に、会議発起端末4が代行者端末3と通話中である旨を知らせる代行者通話中通知を送信する。このため、応答した会議参加端末2の操作者(会議参加者)は、会議開催者が代行者と通話中であることを知ることができるので、会議通話が開始されるまで待機することに対する不安を軽減でき、利便性が向上する。
【0096】
また、本実施の形態において、会議通話装置1Aは、会議発起端末4より会議脱退要求を受信してから所定時間内に、会議グループに属する会議参加端末2から会議参加要求を受信した場合に、この会議参加端末2との通話路を確立してこの会議参加端末2を会議通話に参加させるとともに、会議発起端末4を呼出し、会議発起端末4から応答があったならば、会議発起端末4との通話路を確立して会議発起端末4を会議通話に参加させる。これにより、事情により会議発起端末4が会議通話から脱退した場合でも、会議参加端末2が会議通話に参加することにより、会議発起端末4もこの会議通話に復帰することが可能となり、利便性が向上する。
【0097】
なお、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0098】
例えば、上記の各実施の形態において、会議発起端末4は、外線網6に接続されているが、内線網5に接続されていてもよい。また、代行者端末3は、内線網5に接続されているが、外線網6に接続されていてもよい。さらに、会議参加端末2は、すべて内線網5に接続されているが、そのうちの1以上は外線網6に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1、1A:会議通話装置 2-1~2-3:会議参加端末
3:代行者端末 4:会議発起端末 5:内線網 6:外線網
10:内線網インターフェース部 11:外線網インターフェース部
12、12a:呼制御部 13:中継部 14:会議通話制御部
120、120a:代行者端末呼出部 121:会議参加通知部
123:会議発起端末呼出部 124:代行者通話中通知部
125:参加者応答通知部